図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
概要
荷の積み降ろしに伴ってテーブルと床の相対位置が変化しないようにアクチュエータに対する油圧を制御する装置を提供する。
重量物エレベータにおいて、テーブル3を昇降させる油圧シリンダ5と、この油圧シリンダ5の負荷圧力Pを検出する圧力スイッチと、テーブル3の位置を検出するロータリエンコーダと、テーブル3の上昇を停止位置で止める上ストッパ6と、この停止位置にて油圧シリンダ5の負荷圧力Pを必要最大圧力よりも高い設定値P1より高めるコントローラ(制御手段)とを備える。
目的
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、重量物エレベータにおいて、荷の積み降ろしに伴ってテーブルと床の相対位置が変化しないようにアクチュエータに対する油圧を制御する装置を提供することを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
背景技術
0002
一般に、陸上のエレベータは、そのテーブルとテーブルの重量に釣り合うカウンタウェイトを共通のワイヤを介して吊り下げ、トラクションウィンチがワイヤを摩擦駆動することによりテーブルとカウンタウェイトを相互に昇降させるようになっている。しかし、カウンタウェイトを設けることで、エレベータの重量が増大するとともに、設置スペースが大きくなるため、船内に設けられる重量物エレベータに適用することが難しい。
発明が解決しようとする課題
0004
しかしながら、このような従来の重量物エレベータにあっては、テーブルを甲板と連続する位置に停止させる油圧制御を行っても、荷の積み降ろしに伴ってワイヤロープ、シザース機構が弾性変形するため、テーブルと甲板の相対位置が変化し、両者の間に段差が生じるという問題点があった。
0005
従来、これに対処してテーブルを所定の停止位置にロックする可動ストッパを設けるものがあったが、この場合、可動ストッパの作動不良を来すと、テーブルが動かなくなる可能性があり、信頼性の低下を招くという問題点があった。
0006
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、重量物エレベータにおいて、荷の積み降ろしに伴ってテーブルと床の相対位置が変化しないようにアクチュエータに対する油圧を制御する装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0007
第1の発明は、テーブルを昇降させる油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータの負荷圧力Pを検出する負荷圧力検出手段と、テーブルの位置を検出する位置検出手段と、テーブルの上昇を停止位置で止めるストッパと、この停止位置にて油圧アクチュエータの負荷圧力Pを必要最大圧力よりも高い設定値P1より高める制御手段とを備えたことを特徴とするものとした。
0008
第2の発明は、テーブルを昇降させる油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータの負荷圧力Pを検出する負荷圧力検出手段と、テーブルの位置を検出する位置検出手段と、テーブルの下降を停止位置で止めるストッパと、この停止位置にて油圧アクチュエータの負荷圧力Pを無負荷作動圧よりも低い設定値P2より低下させる制御手段とを備えたことを特徴とするものとした。
0009
第1の発明によると、テーブルの上昇停止時、油圧アクチュエータの負荷圧力Pを設定値P1より高める油圧制御が行われ、テーブルを支持する例えばシザース機構等の部材を予め撓ませることにより、テーブルにかかる荷重が増えても、ストッパに押し付けられてテーブルの沈み込みが回避される。このため、テーブルを停止位置にロックする可動ストッパ等を設ける必要がなく、構造を簡素化して、信頼性を高められる。
0010
第2の発明によると、テーブルの下降停止時、油圧アクチュエータの負荷圧力Pを設定値P2より低下させる油圧制御が行われ、テーブルを支持する例えばシザース機構等の部材を予め撓ませることにより、テーブルにかかる荷重が減っても、ストッパに押し付けられてテーブルの浮き上がりが回避される。このため、テーブルを停止位置にロックする可動ストッパ等を設ける必要がなく、構造を簡素化して、信頼性を高められる。
発明を実施するための最良の形態
0011
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
0012
図1の(a),(b)、図2に示すように、船内に設けられる重量物エレベータは、第一甲板1と第二甲板2の間で昇降するテーブル3を備え、このテーブル3の上にコンベア8が搭載され、このコンベア8の上にフォークリフト9等の積み荷が載せられ、これを第一甲板1と第二甲板2の間で輸送する。
0013
テーブル3はシザース機構10を介して支持される。シザース機構10は複数のローラ13を介してレール11,12に案内され、テーブル3を垂直方向に平行移動させる。第一甲板1にはテーブル3が通るハッチ開口部4が開口し、このハッチ開口部4を開閉する蓋14が設けられる。レール12はこの蓋14に固定され、蓋14の開閉動作および密封動作を邪魔しないようになっている。
0014
テーブル3を昇降する油圧アクチュエータとして2本の油圧シリンダ5が設けられる。各油圧シリンダ5が収縮することによってテーブル3が下降し、各油圧シリンダ5が伸張することによってテーブル3が上昇する。
0015
図3に示すように、各油圧シリンダ5に作動油を給排する油圧回路が設けられる。この油圧回路は、油圧源として吐出圧が150l/minの第一ポンプ21と、吐出圧が60l/minの第二ポンプ22とを備え、この油圧源に連通する吐出通路23と、タンク24に連通するドレン通路26が電磁切換弁27によって各油圧シリンダ5の各室28,29に選択的に連通される。電磁切換弁27は吐出通路23をエンド側室28に連通して油圧シリンダ5を伸張させる伸張ポジションと、ロッド側室29をドレン通路26に連通して油圧シリンダ5を収縮させる収縮ポジションと、各室28,29に対する吐出通路23およびドレン通路26の連通を遮断して油圧シリンダ5の伸縮作動を停止する停止ポジションとを有する。
0016
テーブル3の上昇速度を切換えるため、第一ポンプ21の吐出作動油をドレーン通路26に逃がす第一アンロード弁31と、第二ポンプ22の吐出作動油をドレーン通路26に逃がす第二アンロード弁32が設けられる。第一アンロード弁31が開弁し、第二アンロード弁32が開弁することにより、第一ポンプ21からの作動油がドレーン通路26に逃がされ、第二ポンプ22の作動油が各油圧シリンダ5へと導かれ、テーブル3が低速で上昇する一方、第一アンロード弁31と第二アンロード弁32の両方が開弁することにより、第一ポンプ21と第二ポンプ22からの作動油が各油圧シリンダ5へと導かれ、テーブル3が高速で上昇する。
0017
テーブル3の下降速度を切換えるため、各油圧シリンダ5のエンド側室28から作動油を流出させる通路33に、流量を60l/min以下にする第一流量制御弁34と、この流量を150l/min以下にする第二流量制御弁35とが並列に介装され、電磁弁36を介して第二流量制御弁35が開閉されるようになっている。
0018
図4に示すように、テーブル3の高さを検出する位置検出手段してロータリエンコーダ41が設けられる。制御手段として設けられるコントローラ40は、ロータリエンコーダ41からの検出信号を入力し、テーブル3の上昇時に予め設定されたマップに基づき第一、第二アンロード弁31,32の作動を制御し、テーブル3の上昇速度を途中で高める一方、テーブル3の下降時に予め設定されたマップに基づき電磁弁36を開閉して第二流量制御弁35の作動を制御し、テーブル3の下降速度を途中で高める。
0019
ところで、コンベア8の質量は7ton程度であり、積み荷の質量も7ton程度である。コンベア8に7tonの積み荷を載せると、シザース機構10の各アーム15に生じる撓みによってテーブル3が40mm程度下降する。一方、この積み荷を降ろすと、テーブル3が40mm程度上昇する。この動きによってコンベア8と第一、第二甲板1,2の床の間に40mm程度の段差が生じると、フォークリフト9等が小径車輪で移動することが難しくなる。
0020
これに対処して、本発明は、コンベア8が第一甲板1の床と連続する上停止位置にてテーブル3の上昇を規制する上ストッパ6と、コンベア8が第二甲板2の床と連続する下停止位置にてテーブル3の下降を規制する下ストッパ7とを設け、この上下停止位置にて各油圧シリンダ5のエンド側室28に生じる負荷圧力Pを制御し、コンベア8にかかる荷重変化によるコンベア8の浮き沈みを防止する。
0021
具体的には、上停止位置にてコンベア8の沈み込みを防止するため、負荷圧力Pを検出する負荷圧力検出手段として圧力スイッチ42が設けられ、この圧力スイッチ42は検出された負荷圧力Pが設定値P1を超えて高まるとONになる。そして、圧力スイッチ42がONになると、コントローラ40は電磁弁36を停止ポジションに切換える制御を行い、負荷圧力Pを設定値P1より高める。この圧力スイッチ42がONとなる設定値P1は、必要最大圧力(必要最大力量)よりも12.5%程度高い圧力に設定される。
0022
図5のフローチャートは上記の上昇停止時の制御ルーチンを示している。これについて説明すると、ステップS1にてコンベア8の上昇時を判定し、次にステップS2にてロータリエンコーダ41の検出信号からコンベア8が上ストッパ6に当接する上停止位置に来たことを判定し、次に圧力スイッチ42の信号から負荷圧力Pが設定値P1を超えて高まったことを判定し、これら全ての条件が成立するとステップS4に進んで電磁弁36を上昇ポジションから停止ポジションに切換える。
0023
一方、下停止位置にてコンベア8の浮き上がりを防止するため、負荷圧力Pを検出する負荷圧力検出手段として圧力スイッチ43が設けられる、この圧力スイッチ43は検出された負荷圧力Pが設定値P2を超えて低下するとONになる。圧力スイッチ42がONになると、コントローラ40は電磁弁36を停止ポジションに切換える制御を行い、負荷圧力Pを設定値P2よりも低下させる。この圧力スイッチ43がONとなる設定値P2は、無負荷作動圧力よりも10%程度低い圧力に設定される。
0024
図6のフローチャートは上記した下降停止時の制御ルーチンを示している。これについて説明すると、ステップS1にてコンベア8の下降時を判定し、次にステップS2にてロータリエンコーダ41の検出信号からコンベア8が下ストッパ7に当接する下停止位置に来たことを判定し、次に圧力スイッチ43の信号から負荷圧力Pが設定値P2を超えて下がったことを判定し、これら全ての条件が成立するとステップS4に進んで電磁弁36を下降ポジションから停止ポジションに切換える。
0025
以上のように構成される本発明の実施の形態につき、次に作用を説明する。
0026
コンベア8の上昇停止時、各油圧シリンダ5のエンド側室28に導かれる負荷圧力Pを設定値P1より高める油圧制御が行われ、シザース機構10の各アーム15を予め撓ませることにより、コンベア8はこれにかかる荷重が増えても、上ストッパ6に押し付けられて第一甲板1に対する沈み込みが回避される。
0027
コンベア8の下降停止時、各油圧シリンダ5のエンド側室28に導かれる負荷圧力Pを設定値P2より低下させる油圧制御が行われ、シザース機構10の各アーム15を予め撓ませることにより、コンベア8はこれにかかる荷重が減っても、テーブル3が下ストッパ7に押し付けられて第二甲板2に対する浮き上がりが回避される。
0028
この結果、コンベア8と第一、第二甲板1,2の床の間に段差が生じることがなく、フォークリフト9等が小径車輪で円滑に移動することができる。
0029
このようにして、各油圧シリンダ5の油圧制御によって荷の積み降ろしに伴うコンベア8の浮き沈みを防止するため、コンベア8を停止位置にロックする可動ストッパ等を設ける必要がなく、構造を簡素化して、信頼性を高められる。
0030
本発明は、シザース機構等を用いる構造に限らず、例えばワイヤロープ等を用いて重量物エレベータにも適用できる。
0031
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
図面の簡単な説明
0032
図1本発明の実施の形態を示す重量物エレベータの平面図および側面図。
図2同じく正面図。
図3同じく重量物エレベータの油圧回路図。
図4同じく制御系の構成図。
図5同じく上昇停止時の制御ルーチンを示すフローチャート。
図6同じく下降停止時の制御ルーチンを示すフローチャート。
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0033
1 第一甲板
2第二甲板
3 テーブル
5油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
6 上ストッパ
7 下ストッパ
8コンベア
10シザース機構
27電磁切換弁
40コントローラ
41ロータリエンコーダ
42,43 圧力スイッチ(圧力検出手段)
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