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技術 魚介類の養殖臭有無の判別方法

出願人 新東京インターナショナル株式会社
発明者 十見裕
出願日 2001年9月6日 (17年11ヶ月経過) 出願番号 2001-270216
公開日 2003年3月11日 (16年5ヶ月経過) 公開番号 2003-070373
状態 特許登録済
技術分野 養殖
主要キーワード 湿度用 金属酸化物半導体センサ 一般市場 養殖生け簀 ノルディック 管理指標 ガス吸着膜 表面弾性波デバイス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年3月11日)のものです。
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課題

魚介類養殖臭の有無を客観的かつ簡便に判別することができる、魚介類の養殖臭有無の判別方法を提供するとともに、養殖臭のない魚介類を得るための養殖場管理方法、更には、養殖臭の指標となる物質簡便かつ迅速な測定方法を提供することを課題とする。

解決手段

魚介類のジオスミン濃度を測定し、その測定値所定値と比較して、その比較結果に基づいて、魚介類の養殖臭の有無を判別する魚介類の養殖臭有無の判別方法を提供するとともに、養殖場内の養殖魚介類を定期的、或いは不定期的サンプリングしてジオスミン濃度を測定し、その測定結果に基づいて養殖条件を管理する、魚介類養殖場の管理方法を提供し、更には、複数個ガスセンサを備えたにおい識別装置を用いてジオスミン濃度を測定する方法を提供することによって、上記課題を解決する。

概要

背景

魚介類、特に、サケマスなどの養殖魚介類には、養殖臭という特有の臭いが感じられる場合がある。養殖臭は、喫食の際の妨げとなり、食味を損ない、魚介類の商品価値を減じるものであるが、これまでは養殖臭の有無を客観的かつ簡便に判別する手段がなく、養殖臭のない魚介類、特に養殖魚介類を選別することは極めて困難であった。そのため、従来は、養殖臭の有無を基準に養殖魚介類を選別したり、養殖場の管理を行うなどということは行われておらず、その結果、養殖臭のある養殖魚介類が一般市場に出荷され、消費者苦情を招いたり、養殖魚介類に対する評価を下げる遠因ともなっていた。

概要

魚介類の養殖臭の有無を客観的かつ簡便に判別することができる、魚介類の養殖臭有無の判別方法を提供するとともに、養殖臭のない魚介類を得るための養殖場の管理方法、更には、養殖臭の指標となる物質簡便かつ迅速な測定方法を提供することを課題とする。

魚介類のジオスミン濃度を測定し、その測定値所定値と比較して、その比較結果に基づいて、魚介類の養殖臭の有無を判別する魚介類の養殖臭有無の判別方法を提供するとともに、養殖場内の養殖魚介類を定期的、或いは不定期的サンプリングしてジオスミン濃度を測定し、その測定結果に基づいて養殖条件を管理する、魚介類養殖場の管理方法を提供し、更には、複数個ガスセンサを備えたにおい識別装置を用いてジオスミン濃度を測定する方法を提供することによって、上記課題を解決する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

魚介類ジオスミン濃度を測定し、その測定値所定値と比較して、その比較結果に基づいて、魚介類の養殖臭の有無を判別する魚介類の養殖臭有無の判別方法

請求項2

測定されたジオスミン濃度が、0.15ppb未満、好ましくは0.13ppb未満、さらに好ましくは0.11ppb未満の場合に、養殖臭無しと判断する請求項1記載の魚介類の養殖臭有無の判別方法。

請求項3

ジオスミン濃度の測定を、複数個ガスセンサを備えたにおい識別装置を用いて行う請求項1又は2記載の魚介類の養殖臭有無の判別方法。

請求項4

ガスセンサが金属酸化物半導体センサである請求項3記載の魚介類の養殖臭有無の判別方法。

請求項5

魚介類がサケ科に属する養殖魚である請求項1、2、3又は4に記載の魚介類の養殖臭有無の判別方法。

請求項6

養殖場内の養殖魚介類及び/又は水を定期的、或いは不定期的サンプリングしてジオスミン濃度を測定し、その測定結果に基づいて養殖条件を管理する、魚介類養殖場の管理方法

請求項7

ジオスミン濃度の測定を、複数個のガスセンサを備えたにおい識別装置を用いて行う請求項6記載の魚介類養殖場の管理方法。

請求項8

それぞれ異なる既知のジオスミン濃度を有する複数の標準サンプルを複数個のガスセンサを備えたにおい識別装置を用いて測定する工程、におい識別装置に備えられた複数個のガスセンサ中、出力がジオスミン濃度に依存して変化する1又は複数のガスセンサを選び出す工程、その選び出されたガスセンサの出力と標準サンプル中の既知のジオスミン濃度に基づいて検量線を作成する工程、ジオスミン濃度未知サンプルを前記におい識別装置を用いて測定し、前記選び出されたガスセンサの出力を求める工程、求められた出力を前記検量線に当てはめて、ジオスミン濃度未知のサンプル中のジオスミン濃度を求める工程、を含む複数個のガスセンサを備えたにおい識別装置を用いるジオスミン濃度の測定方法

技術分野

0001

本発明は、魚介類、特に、サケマスなどの養殖魚介類養殖臭の有無を客観的かつ簡便に判別する方法と、その判別方法を利用した養殖場管理方法、並びに、養殖臭の指標となる物質測定方法に関するものである。

背景技術

0002

魚介類、特に、サケ、マスなどの養殖魚介類には、養殖臭という特有の臭いが感じられる場合がある。養殖臭は、喫食の際の妨げとなり、食味を損ない、魚介類の商品価値を減じるものであるが、これまでは養殖臭の有無を客観的かつ簡便に判別する手段がなく、養殖臭のない魚介類、特に養殖魚介類を選別することは極めて困難であった。そのため、従来は、養殖臭の有無を基準に養殖魚介類を選別したり、養殖場の管理を行うなどということは行われておらず、その結果、養殖臭のある養殖魚介類が一般市場に出荷され、消費者苦情を招いたり、養殖魚介類に対する評価を下げる遠因ともなっていた。

0003

本発明は、上記従来の技術の問題点を解決するためになされたもので、魚介類の養殖臭の有無を客観的かつ簡便に判別することができる、魚介類の養殖臭有無の判別方法を提供するとともに、養殖臭のない魚介類を得るための養殖場の管理方法、更には、養殖臭の指標となる物質の簡便かつ迅速な測定方法を提供することを課題とするものである。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、上記課題を解決すべく、魚介類の養殖臭について鋭意研究した結果、養殖臭にはジオスミンの存在が大きく関与していることを見出した。ジオスミンは、富栄養化した水系で発生する藍藻などが生成する物質で、貝類によって濃縮される場合があり、これが、例えば養殖場などの水に溶け、魚介類に取り込まれると、養殖臭が発生するものと考えられる。そして、本発明者らは更に研究を重ね、このジオスミン濃度が比較的簡便な方法によって迅速に測定できること、その測定値を指標に魚介類の養殖臭の有無を客観的に判別することが可能であることを確認して本発明を完成した。

0005

すなわち、本発明は、魚介類のジオスミン濃度を測定し、その測定値を所定値と比較して、その比較結果に基づいて、魚介類の養殖臭の有無を判別する魚介類の養殖臭有無の判別方法を提供するとともに、養殖場内の養殖魚介類及び/又は水を定期的、或いは不定期的サンプリングしてジオスミン濃度を測定し、その測定結果に基づいて養殖条件を管理する、魚介類養殖場の管理方法を提供し、更には、複数個ガスセンサを備えたにおい識別装置を用いてジオスミン濃度を測定する方法を提供することによって、上記課題を解決するものである。

0006

上記のように本発明の養殖臭有無の判別方法は、測定されたジオスミン濃度を所定値と比較して、その比較結果に基づいて養殖臭の有無を判断するものであるが、ここでいう所定値とは、その濃度以下或いは未満であれば、養殖臭無しと判断できる閾値としてのジオスミン濃度の値である。この所定値は、喫食した際に実際に養殖臭を感じないジオスミン濃度の最大値、或いは、喫食した際に実際に養殖臭を感じるジオスミン濃度の最小値として、予め求めておくことができる。勿論、人間の感覚には差異があるので、安全を見込んで、所定値を、実際に求められた閾値よりも小さな値に設定することも可能であるが、余り過度の安全を見込んで求められた閾値よりも過度に小さな値を所定値として採用することは、実際的ではないし、また、経済的でもない。

0007

本発明のより具体的な一態様においては、上記所定値は、0.15ppb、好ましくは0.13ppb、さらに好ましくは0.11ppbと設定され、測定されたジオスミン濃度が、0.15ppb未満、好ましくは0.13ppb未満、さらに好ましくは0.11ppb未満の場合に、養殖臭無しと判断される。後述のように、0.15ppbという値は、ジオスミン濃度がこの値未満であれば、感覚が鋭敏パネラーであってもその大多数が養殖臭無しと判断する値であり、0.13ppbという値は、ジオスミン濃度がこの値未満であれば、感覚が鋭敏なパネラーであってもその殆どが養殖臭無しと判断する値であり、0.11ppbという値は、ジオスミン濃度がこの値未満であれば、感覚が鋭敏なパネラーであってもほぼ全員が養殖臭無しと判断する値である。いずれの所定値を採用するかは、求める品質基準に応じて適宜選択すれば良い。さらに安全を見込んで、所定値を0.11ppbよりも低い値に設定することも可能であり、そのような変形も当然に本発明の範囲内である。

0008

また、本発明は、単に養殖臭の有無の判別方法を提供するに留まらず、養殖場内の養殖魚介類及び/又は水を定期的、或いは不定期的にサンプリングし、そのジオスミン濃度を測定し、その測定結果に基づいて養殖条件を管理する、魚介類養殖場の管理方法を提供するものでもある。本発明によって、養殖臭の有無に関してジオスミン濃度という明確な管理指標が存在することが明らかにされたので、測定されたジオスミン濃度に基づいて養殖場の管理を行うことが可能である。例えば、測定されたジオスミン濃度が予め定められた設定値よりも高い場合には、養殖網交換或いは洗浄するとか、水流を良くするとかして、ジオスミン濃度が低下するように養殖条件を変化させれば良く、しかも、その変化の影響を再びジオスミン濃度を測定することによって確認することができる。上記の設定値としては、養殖臭無しと判断できる閾値としてのジオスミン濃度を採用しても良いし、それよりも更に低いジオスミン濃度を採用しても良い。

0009

上記本発明の判別方法や養殖場の管理方法におけるジオスミン濃度の測定は、どのような手段を用いて行っても良いが、操作の簡便さや測定の迅速さの点からは、におい識別装置を用いるのが好ましい。におい識別装置とは、例えば、特開2001−174372号公報や特開2001−174373号公報に記載されているように、複数個のガスセンサを備え、その複数個のガスセンサからの出力のパターンによってにおいの種類を識別する装置である。このようなにおい識別装置を用いてのジオスミン濃度の測定は、未だかつて為されたことがなく、本発明者らが初めて行い、成功したものである。本発明のにおい識別装置を用いるジオスミン濃度の測定方法によれば、ガスクロマトグラフ質量分析計GC−MS)や、ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフィーによる測定などに比べて、試料の前処理や操作者熟練を必要とせず、より簡便な操作で、かつ、より短時間でジオスミン濃度を精度良く測定することができるという利点がある。

0010

におい識別装置に備えられるガスセンサとしては、におい成分であるガスに反応して出力を与えるものであれば、動作原理に制限はなく、例えば、金属酸化物半導体センサ導電性高分子センサ水晶振動子の表面にガス吸着膜を形成したセンサ、表面弾性波デバイスの表面にガス吸着膜を形成したセンサなど、どのようなタイプのガスセンサを用いても良いが、中でも、金属酸化物半導体センサを用いるものが反応が早く好ましい。

0011

本発明が対象とする魚介類とは、文字通り、魚類、貝類を含むことは勿論、海苔コンブなどの海草類も含むものであり、これらは天然のものであっても養殖のものであっても良いが、養殖臭の有無を判別するという観点からは、本発明は養殖魚介類に適用された場合により効果的である。本発明が対象とする魚類としては、淡水域、汽水域海水域に生息するものは勿論、複数の水域にまたがった生息をもつものも包含され、一例を挙げれば、一般にサケ・マス類と呼ばれるサケ科の魚類はもとより、鯛、ヒラメハマチ、ウナギエビなどの天然もの或いは養殖ものが挙げられるが、中でも、銀鮭、キングサーモン、並びにトラウトサーモンやサーモントラウトなどと呼ばれるニジマスなどのサケ科サケ属に属するや、アトランティックサーモンと呼ばれるタイセイヨウサケなどのサケ科サルモ属に属する魚の養殖魚に好適に適用される。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明の実施の形態を実験並びに実施例をもとに詳細に説明する。

0013

〈実験1:ジオスミン濃度の測定〉におい識別装置として、「においセンサーNST3320」(ノルディックセンサーテクノロジーズ[NORDICSENSORTECHNOLOGIES]製、英弘精機株式会社販売)を使用して、ジオスミン濃度の測定実験を行った。「においセンサーNST3320」には、ガスセンサーとして、金属酸化物半導体センサーである10個のMOSFETセンサーと12個のMOSセンサーが備えられ、これ以外に、温度・湿度用のセンサー1個が備えられている。

0014

ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)(GC:ヒューレットパッカード社製、HP-6890)(MS:ヒューレットパッカード社製、HP-5973)を用いて、予めジオスミン濃度を測定したジオスミン濃度既知の養殖トラウトサーモン(ニジマス、チリ産)の切り身ミンチにし、これに、ジオスミン標準液和光純薬工業株式会社製、ジオスミン濃度0.1mg/ml)を脱イオン水を用いて種々の倍率希釈したものを、それぞれ所定量、添加混合して、ジオスミン濃度の異なる複数の標準サンプルを作成した。

0015

作成された標準サンプルを順次、におい識別装置に掛け、ジオスミン濃度に依存して出力が変化した4個のMOSFETセンサーと、2個のMOSセンサー、計6個のガスセンサーを選び出し、その選び出されたガスセンサーの出力と、標準サンプル中のジオスミン濃度に基づいて、濃度と出力値とが一次関数の関係になる検量線を作成した。

0016

次に、同じトラウトサーモンの切り身のミンチに、脱イオン水で希釈したジオスミン標準液を適量加え、混合して、ジオスミン濃度がそれぞれ異なる濃度未知サンプルを2種類、2個ずつ作成した。作成されたサンプルの2種類、1個ずつを、におい識別装置に掛けて、前記選び出されたガスセンサーからの出力を求め、それを上記で得られた検量線に当てはめて、ジオスミン濃度を測定した。一方、残る2種類、1個ずつのサンプル中のジオスミン濃度を、実験1で用いたのと同じガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)を用いて測定したところ、ジオスミン濃度の異なる2種類のサンプルのいずれにおいても、におい識別装置を用いて測定された値と、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)を用いて測定した値とは良く一致し、におい識別装置を用いてのジオスミン濃度の測定が正確なものであることが確認された。

0017

従来のガスクロマトグラフィーによるジオスミン濃度の測定では、試料の前処理に時間を要し、しかも、ppbレベル低濃度のジオスミンを測定するには熟練した専門の技術者を必要とするなど、種々の制限があったところ、上記のにおい識別装置によるジオスミン濃度の測定方法によれば、測定すべきサンプルを特段の前処理をすることなく、そのままにおい識別装置のサンプル容器にセットするだけで良く、ガスクロマトグラフィーのように各種の溶剤やガス、吸着カラムなどを必要としないので、装置の保守管理が容易であるとともに、操作に熟練を要さず取扱いが簡便であるという利点がある。しかも、ガスセンサーである金属酸化物半導体センサーが敏感でかつ応答が早いので、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)を用いた測定や、ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフィーによる測定に比べて、極めて低濃度のジオスミンであっても、高精度に、かつ、短時間で測定することができるものである。

0018

〈実験2:ジオスミン濃度と養殖臭との関係〉パネラーによる官能検査によって、ジオスミン濃度と養殖臭との関係を調べた。

0019

〈実験2−1:パネラーの選定〉養殖臭に敏感なパネラーを選定すべく、20代から50代までの健康な、43名に対して、以下の実験を行った。即ち、ジオスミン標準液(和光純薬工業株式会社製、ジオスミン濃度0.1mg/ml)を脱イオン水を用いて種々の倍率に希釈して、ジオスミン濃度0.5ppb、0.1ppb、0.05ppb、0.01ppbの各サンプルを作成するとともに、これとは別に、脱イオン水のみからなるジオスミン濃度0ppbのサンプルを用意した。これら各サンプルの20mlをグラスに入れ、各サンプル中のジオスミン濃度をパネラーに知らせることなくパネラーに試飲してもらい、養殖臭(ジオスミン臭)の強い順に順序を付けさせた。その結果、43名のパネラー中、からまでの全サンプルの順序を正解したパネラー、及び、との順序だけを間違えた他は正解したパネラー、計21名を、養殖臭に敏感なパネラーとして選定した。

0020

〈実験2−2:養殖臭の官能検査〉冷凍後解凍したトラウトサーモンの切り身を、脱イオン水で種々の濃度に希釈したジオスミン標準液に浸漬し、ジオスミン濃度がそれぞれ、(1)0.07ppb、(2)0.09ppb、(3)0.11ppb、(4)0.13ppb、(5)0.15ppb、(6)0.17ppb、(7)0.19ppbの計7種の切り身サンプルを調製した。各切り身サンプル中のジオスミン濃度は、実験1で用いたのと同じにおい識別装置を用い、実験1と同様の方法で測定して確認した。これらの切り身サンプルを、上記実験2−1で選定されたパネラー21名に、塩焼き、並びに生で喫食してもらい、養殖臭の有無を判定させた。結果を表1に示す。

0021

0022

表1の結果から明らかなように、塩焼き並びに生食両方ともにおいて、ジオスミン濃度が0.15ppb以上の(5)〜(7)のサンプルでは、養殖臭有りと回答したパネラーの数が、養殖臭無しを回答したパネラーの数とほぼ同数か、これを上回っているところ、ジオスミン濃度が0.15ppb未満となる(4)のサンプルでは、大多数のパネラーが養殖臭無しと判断しており、ジオスミン濃度0.15ppbを境に養殖臭を感じるパネラーの数が激減していることがわかる。また、ジオスミン濃度が0.13ppb未満となる(3)のサンプルでは、殆どのパネラーが養殖臭無しと回答しており、さらに、ジオスミン濃度が低くなり、0.11ppb未満となる(1)及び(2)のサンプルでは、全員のパネラーが養殖臭無しと回答している。以上のことから判断して、ジオスミン濃度が0.15ppb未満であれば、養殖臭に関しては一応の満足が得られるものであり、より安全な管理基準を設定するのであれば、サンプル中のジオスミン濃度が0.13ppb未満とするのが好ましく、さらに安全な管理基準を設定するのであれば、サンプル中のジオスミン濃度が0.11ppb未満とするのが好ましいことが分かった。

0023

〈実施例1〉海水域に設けられたトラウトサーモン(サケ科サケ属ニジマス;以下同じ)の養殖生け簀から、トラウトサーモンを5匹サンプリングし、その切り身中に含まれるジオスミン濃度を実験1で用いたのと同じにおい識別装置を用いて実験1と同様の方法で測定したところ、いずれのトラウトサーモンもそのジオスミン濃度が0.11ppb未満であったので、同じ養殖生け簀から更に5匹をサンプリングし、切り身を塩焼きして喫食したところ、そのいずれからも養殖臭は感じられなかった。喫食したトラウトサーモンのジオスミン濃度を同様の方法で測定したところ、いずれも、0.11ppb未満であった。

0024

〈実施例2〉海水域に設けられたトラウトサーモンの養殖生け簀から、トラウトサーモンを5匹サンプリングし、その切り身中に含まれるジオスミン濃度を実験1で用いたのと同じにおい識別装置を用いて実験1と同様の方法で測定したところ、いずれのトラウトサーモンもそのジオスミン濃度が0.13ppb未満であったので、同じ養殖生け簀から更に5匹をサンプリングし、切り身を塩焼きして喫食したところ、そのいずれからも養殖臭は感じられなかった。喫食したトラウトサーモンのジオスミン濃度を同様の方法で測定したところ、いずれも、0.13ppb未満であった。

0025

〈比較例1〉海水域に設けられたトラウトサーモンの養殖生け簀から、トラウトサーモンを5匹サンプリングし、その切り身中に含まれるジオスミン濃度を実験1で用いたのと同じにおい識別装置を用いて実験1と同様の方法で測定したところ、いずれのトラウトサーモンもそのジオスミン濃度が0.15ppb以上であった。同じ養殖生け簀から更に5匹をサンプリングし、切り身を塩焼きして喫食したところ、そのいずれからも養殖臭が感じられた。喫食したトラウトサーモンのジオスミン濃度を同様の方法で測定したところ、いずれも、0.15ppb以上であった。

0026

〈比較例2〉海水域に設けられたトラウトサーモンの養殖生け簀から、トラウトサーモンを5匹サンプリングし、その切り身中に含まれるジオスミン濃度を実験1で用いたのと同じにおい識別装置を用いて実験1と同様の方法で測定したところ、5匹中3匹のトラウトサーモンが、ジオスミン濃度0.15ppb以上であった。同じ養殖生け簀から更に5匹をサンプリングし、塩焼きして喫食したところ、5匹中、2匹から養殖臭が感じられた。養殖臭が感じられたトラウトサーモンのジオスミン濃度を同様の方法で測定したところ、0.15ppb以上であった。また、養殖臭が感じられなかったトラウトサーモンのジオスミン濃度を同様の方法で測定したところ、いずれも、0.15ppb未満であった。

0027

〈実施例3〉比較例2の養殖生け簀において、生け簀を構成している養殖網の交換を行った。古い養殖網には海草藻類及び貝類が密着し、網目の大部分が塞がれていた。新しい養殖網に交換すると、生け簀を通過する海水の流が良くなり、養殖網の交換後2週間経過後に、トラウトサーモンを5匹サンプリングしてジオスミン濃度を測定したところ、いずれも、0.11ppb未満に低下していた。サンプリングしたトラウトサーモンの切り身を塩焼きして喫食したところ、養殖臭は感じられなかった。以後、1ヶ月毎に5匹ずつトラウトサーモンをサンプリングし、そのジオスミン濃度を測定して、ジオスミン濃度が0.11ppb以上のものが1匹でも発見された場合には、養殖網を交換するように養殖場を管理した。その結果、この養殖生け簀内のトラウトサーモンのジオスミン濃度は常に0.11ppb未満に保たれ、養殖臭の無いトラウトサーモンを出荷することができる。

発明の効果

0028

以上述べたように、本発明の養殖臭有無の判別方法によれば、魚介類、特に養殖魚介類の養殖臭の有無を、ジオスミンという物質の濃度を基準として、客観的に、簡便かつ迅速に判別することができるので、養殖臭の有無という観点から、魚介類や養殖生け簀を選別することが容易であり、確実に養殖臭の無い魚介類、特に養殖魚を市場に出すことが可能となる。また、この判別方法を利用した本発明の養殖場の管理方法によれば、ジオスミン濃度という明確な数値を管理指標として、養殖網の交換や洗浄などの養殖条件を管理できるので、養殖臭の無い養殖魚を育てることが極めて容易に行い得る。

0029

更に、複数個のガスセンサーを備えたにおい識別装置を用いる本発明のジオスミン濃度の測定方法によれば、測定サンプルを特段の前処理を行うことも、また操作者の熟練を要することなく、迅速かつ簡便にジオスミン濃度を測定することが可能である。このように、本発明は、数々の優れた効果をもたらすものであり、極めて画期的かつ有用な発明である。

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