図面 (/)

技術 樹脂充填用マスクおよび多層プリント配線板の製造方法

出願人 イビデン株式会社
発明者 竹田修
出願日 2001年8月23日 (19年4ヶ月経過) 出願番号 2001-253577
公開日 2003年3月7日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2003-069228
状態 未査定
技術分野 印刷回路の非金属質の保護被覆 プリント配線間の電気接続のための印刷要素 多層プリント配線板の製造
主要キーワード 補助開口 半硬化層 強塩基性溶液 B型粘度計 外縁付近 樹脂充填用 ローラー圧 ピストン圧
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年3月7日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題

多層プリント配線板の製造において、スルーホール樹脂充填材充填する際に用いることにより、表層部が平坦樹脂充填材層を形成することができるため、厚さの均一な層間樹脂絶縁層を有する多層プリント配線板を製造することができ、また、スルーホールの直上にバイアホールを形成しても、バイアホールにおいて接続不良が発生することがない多層プリント配線板を製造することができる樹脂充填用マスクを提供する。

解決手段

多層プリント配線板の製造において、形成したスルーホールに樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスク120であって、樹脂充填用マスクは、スルーホールに相当する部分に開口部が形成されており、かつ、開口部の近傍に、その面積が開口部の面積と同一か、または、開口部の面積よりも大きい補助開口部が少なくとも1個形成されている樹脂充填用マスク。

概要

背景

いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等により製造されており、コアと呼ばれる0.5〜1.5mm程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、銅等による導体回路層間樹脂絶縁層とを交互に積層することにより作製される。この多層プリント配線板の層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホールにより行われている。

従来、ビルドアップ多層プリント配線板は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示された方法により製造されている。すなわち、まず、銅箔が貼り付けられた銅張積層板貫通孔を形成し、続いて無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形成する。続いて、基板の表面をフォトリソグラフィーの手法を用いて導体パターン状エッチング処理して導体回路を形成する。次に、形成された導体回路の表面に、無電解めっきやエッチング等により粗化層を形成し、その粗化層の上に絶縁樹脂の層を形成した後、露光現像処理を行ってバイアホール用開口を形成し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成する。

さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤などにより粗化処理を施した後、薄い無電解めっき層を形成し、この無電解めっき層上にめっきレジストを形成した後、電解めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト剥離後にエッチングを行って導体回路を形成する。これを繰り返すことにより、ビルドアップ多層プリント配線板が得られる。

このような多層プリント配線板の製造において、スルーホールが形成された直後には、基板内に多数の貫通孔が存在することとなる。従って、この状態の基板上に層間樹脂絶縁層を形成した場合、貫通孔の存在に起因して、基板上に積層された層間樹脂絶縁層の表面に窪んだ部分が存在することとなり、層間樹脂絶縁層上に形成する導体回路やバイアホール等が変形し、接続不良を引き起こす可能性があった。そこで、通常は、導体回路が形成された基板の表面を平坦化するために、樹脂充填材をスルーホールに充填することが行われている。

例えば、特開平12−261140号公報には、スルーホールに相当する部分に開口部を有するマスクを載置し、樹脂充填材を保持したスキージをマスク上で移動させ、マスクの開口部から樹脂充填材をスルーホールに押し込むことにより樹脂充填材を充填する方法が開示されている。この方法は、スルーホールを樹脂充填材で充填するため、上記した層間樹脂絶縁層の形状や、導体回路、バイアホール等の接続性に関する問題を解消する方法として有用である。

概要

多層プリント配線板の製造において、スルーホールに樹脂充填材を充填する際に用いることにより、表層部が平坦な樹脂充填材層を形成することができるため、厚さの均一な層間樹脂絶縁層を有する多層プリント配線板を製造することができ、また、スルーホールの直上にバイアホールを形成しても、バイアホールにおいて接続不良が発生することがない多層プリント配線板を製造することができる樹脂充填用マスクを提供する。

多層プリント配線板の製造において、形成したスルーホールに樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスク120であって、樹脂充填用マスクは、スルーホールに相当する部分に開口部が形成されており、かつ、開口部の近傍に、その面積が開口部の面積と同一か、または、開口部の面積よりも大きい補助開口部が少なくとも1個形成されている樹脂充填用マスク。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

多層プリント配線板の製造において、形成したスルーホール樹脂充填材充填する際に用いる樹脂充填用マスクであって、前記樹脂充填用マスクは、前記スルーホールに相当する部分に開口部が形成されており、かつ、前記開口部の近傍に、その面積が前記開口部の面積と同一か、または、前記開口部の面積よりも大きい補助開口部が少なくとも1個形成されていることを特徴とする樹脂充填用マスク。

請求項2

前記補助開口部が2個形成され、この2個の補助開口部が、前記開口部を挟んで、同一直線上に配置されている請求項1に記載の樹脂充填用マスク。

請求項3

基板の表面に導体回路を形成するとともに、前記基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、樹脂充填用マスクを介して樹脂充填材を印刷することにより、前記スルーホール内に樹脂充填材を充填する樹脂充填工程と、前記樹脂充填材の盛り上がった部分に、研磨処理を施し、前記樹脂充填材の表層部を平坦化する研磨工程と、前記樹脂充填材に硬化処理を施し、樹脂充填材層とする樹脂充填材層形成工程とを含む多層プリント配線板の製造方法であって、前記樹脂充填用マスクとして、請求項1または2に記載の樹脂充填用マスクを用いることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。

請求項4

基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを少なくとも一層ずつ形成した後、層間樹脂絶縁層の表面に上層導体回路を形成するとともに、前記基板および前記層間樹脂絶縁層を挟んだ上層導体回路間を接続するスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、樹脂充填用マスクを介して樹脂充填材を印刷することにより、前記スルーホール内に樹脂充填材を充填する樹脂充填工程と、前記樹脂充填材の盛り上がった部分に、研磨処理を施し、前記樹脂充填材の表層部を平坦化する研磨工程と、前記樹脂充填材に硬化処理を施し、樹脂充填材層とする樹脂充填材層形成工程とを含む多層プリント配線板の製造方法であって、前記樹脂充填用マスクとして、請求項1または2に記載の樹脂充填用マスクを用いることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。

請求項5

前記樹脂充填用マスクとして、請求項2に記載の樹脂充填用マスクを用い、前記樹脂充填工程において、樹脂充填材を印刷する方向が、前記開口部および前記補助開口部の配置方向と同一である請求項3または4に記載の多層プリント配線板の製造方法。

請求項6

前記研磨工程において、樹脂充填材を印刷する方向と直交する方向に研磨処理を施す請求項5に記載の多層プリント配線板の製造方法。

請求項7

前記樹脂充填材層形成工程終了後、前記樹脂充填材層を覆う蓋めっき層を形成する蓋めっき層形成工程を有する請求項3〜6のいずれか1に記載の多層プリント配線板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、樹脂充填用マスク、および、該樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等により製造されており、コアと呼ばれる0.5〜1.5mm程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、銅等による導体回路層間樹脂絶縁層とを交互に積層することにより作製される。この多層プリント配線板の層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホールにより行われている。

0003

従来、ビルドアップ多層プリント配線板は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示された方法により製造されている。すなわち、まず、銅箔が貼り付けられた銅張積層板貫通孔を形成し、続いて無電解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形成する。続いて、基板の表面をフォトリソグラフィーの手法を用いて導体パターン状エッチング処理して導体回路を形成する。次に、形成された導体回路の表面に、無電解めっきやエッチング等により粗化層を形成し、その粗化層の上に絶縁樹脂の層を形成した後、露光現像処理を行ってバイアホール用開口を形成し、その後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成する。

0004

さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤などにより粗化処理を施した後、薄い無電解めっき層を形成し、この無電解めっき層上にめっきレジストを形成した後、電解めっきにより厚付けを行い、めっきレジスト剥離後にエッチングを行って導体回路を形成する。これを繰り返すことにより、ビルドアップ多層プリント配線板が得られる。

0005

このような多層プリント配線板の製造において、スルーホールが形成された直後には、基板内に多数の貫通孔が存在することとなる。従って、この状態の基板上に層間樹脂絶縁層を形成した場合、貫通孔の存在に起因して、基板上に積層された層間樹脂絶縁層の表面に窪んだ部分が存在することとなり、層間樹脂絶縁層上に形成する導体回路やバイアホール等が変形し、接続不良を引き起こす可能性があった。そこで、通常は、導体回路が形成された基板の表面を平坦化するために、樹脂充填材をスルーホールに充填することが行われている。

0006

例えば、特開平12−261140号公報には、スルーホールに相当する部分に開口部を有するマスクを載置し、樹脂充填材を保持したスキージをマスク上で移動させ、マスクの開口部から樹脂充填材をスルーホールに押し込むことにより樹脂充填材を充填する方法が開示されている。この方法は、スルーホールを樹脂充填材で充填するため、上記した層間樹脂絶縁層の形状や、導体回路、バイアホール等の接続性に関する問題を解消する方法として有用である。

発明が解決しようとする課題

0007

近年、ICチップ等の高周波数化に伴って、多層プリント配線板の小型化、高密度化が要求され、多層プリント配線板における導体回路の幅や導体回路間の距離が短くなってきている。これに伴って、スルーホールの径も小さくなってきている。このように、径の小さいスルーホールに樹脂充填材を充填する場合、樹脂充填材の粘度を低くしなければ、樹脂充填材を充分に充填することが困難であった。

0008

しかしながら、スルーホールに粘度の低い樹脂充填材を充填した場合、その後、充填した樹脂充填材を乾燥させ、盛り上がった部分に研磨処理を施し、さらに、硬化処理を施すことにより樹脂充填材層を形成した際に、樹脂充填材層の表層部に凹部が生じることがあった。以下、これについて図面を用いて説明する。

0009

図12(a)〜(c)は、従来の多層プリント配線板の製造工程の一部を模式的に示す部分断面図である。なお、図12は、基板の片面の一部分のみを示している。

0010

基板101に形成されたスルーホール109に樹脂充填材110′を充填すると、充填した直後には、図12(a)に示すように、スルーホール109の上側に樹脂充填材110′の盛り上がった部分ができる。なお、図示しないが、スルーホール109の下側にも樹脂充填材110′盛り上がった部分ができる。

0011

その後、樹脂充填材110′を半硬化(60〜70%程度硬化)させ、さらに、樹脂充填材110′の表層部を平坦化する研磨処理を施す。ここで、樹脂充填材110′の粘度が低い場合には、樹脂充填材を充填してから時間が経つにつれ、樹脂充填材110′に含まれる樹脂等(図示せず)が、スルーホール109の周囲に染み出したり、下方向へ垂れたりすることにより、樹脂充填材110′が減少し、図12(b)に示すように、樹脂充填材110′の上側において、スルーホール109の上面より深い凹部1101′が生じる。

0012

そのため、半硬化させた樹脂充填材110′の盛り上がった部分に研磨処理を施し、樹脂充填材110′の表層部を平坦化しても、図12(c)に示すように、樹脂充填材110′の表層部には、凹部1101′が残ってしまう。

0013

その結果、次に、樹脂フィルム等を用いて、この状態の基板上に層間樹脂絶縁層を形成した場合、樹脂充填材層の直上と、その他の部位では、層間樹脂絶縁層の厚さが異なったものとなることがあった。また、場合によっては、樹脂充填材層の表層部に凹部が存在することに起因して、層間樹脂絶縁層にうねり等が発生することがあった。

0014

また、近年、配線の高密度化を図るため、スルーホールの直上に、バイアホールが形成された多層プリント配線板が提案されている。しかしながら、このような多層プリント配線板を製造する際に、スルーホールに粘度の低い樹脂充填材を充填した場合、上述したように、樹脂充填材の表層部に凹部が存在することに起因して、バイアホールにおいて接続不良が発生するという問題があった。以下、これについて図面を用いて説明する。

0015

図13(a)〜(c)は、従来の多層プリント配線板の製造工程の一部であって、図12に示した工程の後に行う工程の一部を模式的に示す部分断面図である。なお、図13も、図12と同様に、基板の片面の一部分のみを示している。

0016

スルーホールの直上にバイアホールを形成する場合には、スルーホールおよび樹脂充填材層上に蓋めっき層を形成し、その後、層間樹脂絶縁層の形成とバイアホールの形成とを行う。ここで、図12に示した工程を経た基板101において、樹脂充填材110′に硬化処理を施して樹脂充填材層110とすると、樹脂充填材110′の表層部に凹部1101′が残っていたため、樹脂充填材層110の表層部にも凹部1101が形成されることとなる。従って、この樹脂充填材層110上に蓋めっき層158を形成すると、その表層部に凹部1101が存在することに起因して、図13(a)に示すように、凹部1101に沿って、窪んだ蓋めっき層158が形成されることになる。

0017

その上に、例えば、樹脂等を塗布し硬化させることにより、層間樹脂絶縁層102を形成すると、蓋めっき層158が窪んでいるため、図13(b)に示すように、樹脂充填材層110の直上では、層間樹脂絶縁層102が厚くなる。

0018

そのため、次に、レーザ等を用いて、層間樹脂絶縁層102にバイアホール用開口を形成すると、樹脂充填材層110の直上では、層間樹脂絶縁層102が厚くなっているため、バイアホール用開口106の底面が蓋めっき層158にまで届かないことがあり、このようなバイアホール用開口106内に、無電解めっき、電気めっき等を行ってバイアホール107を形成しても、図13(c)に示すように、蓋めっき層158と接触しないバイアホール106が形成されることとなる。

0019

図13に示すような蓋めっき層と接触しないバイアホールが形成された多層プリント配線板では、蓋めっき層とバイアホールとの接続不良に起因して、導通不良が発生するとこととなった。

課題を解決するための手段

0020

そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、多層プリント配線板の製造において、スルーホールに樹脂充填材を充填する際に、上記スルーホールに相当する部分に形成された開口部の近傍に、上記開口部の面積と同じか、または、上記開口部の面積よりも大きい補助開口部が形成されたマスクを用いることにより、上述した問題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。

0021

すなわち、本発明の樹脂充填用マスクは、多層プリント配線板の製造において、形成したスルーホールに樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスクであって、上記樹脂充填用マスクは、上記スルーホールに相当する部分に開口部が形成されており、かつ、上記開口部の近傍に、その面積が上記開口部の面積と同一か、または、上記開口部の面積よりも大きい補助開口部が少なくとも1個形成されていることを特徴とする。

0022

また、上記樹脂充填用マスクにおいて、上記補助開口部が2個形成され、この2個の補助開口部が、上記開口部を挟んで、同一直線上に配置されていることが望ましい。

0023

第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、基板の表面に導体回路を形成するとともに、上記基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、樹脂充填用マスクを介して樹脂充填材を印刷することにより、上記スルーホール内に樹脂充填材を充填する樹脂充填工程と、上記樹脂充填材の盛り上がった部分に、研磨処理を施し、上記樹脂充填材の表層部を平坦化する研磨工程と、上記樹脂充填材に硬化処理を施し、樹脂充填材層とする樹脂充填材層形成工程とを含む多層プリント配線板の製造方法であって、上記樹脂充填用マスクとして、本発明の樹脂充填用マスクを用いることを特徴とする。

0024

第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを少なくとも一層ずつ形成した後、層間樹脂絶縁層の表面に上層導体回路を形成するとともに、上記基板および上記層間樹脂絶縁層を挟んだ上層導体回路間を接続するスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、樹脂充填用マスクを介して樹脂充填材を印刷することにより、上記スルーホール内に樹脂充填材を充填する樹脂充填工程と、上記樹脂充填材の盛り上がった部分に、研磨処理を施し、上記樹脂充填材の表層部を平坦化する研磨工程と、上記樹脂充填材に硬化処理を施し、樹脂充填材層とする樹脂充填材層形成工程とを含む多層プリント配線板の製造方法であって、上記樹脂充填用マスクとして、本発明の樹脂充填用マスクを用いることを特徴とする。

0025

また、第一および第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法においては、上記樹脂充填用マスクとして、補助開口部が2個形成され、この2個の補助開口部が、開口部を挟んで、同一直線上に配置されている本発明の樹脂充填用マスクを用い、上記樹脂充填工程において、樹脂充填材を印刷する方向が、上記開口部および上記補助開口部の配置方向と同一であることが望ましい。また、この場合には、上記研磨工程において、樹脂充填材を印刷する方向と直交する方向に研磨処理を施すことが望ましい。

0026

また、上記多層プリント配線板の製造方法においては、上記樹脂充填材層形成工程終了後、上記樹脂充填材層を覆う蓋めっき層を形成する蓋めっき層形成工程を有することが望ましい。

発明を実施するための最良の形態

0027

まず、本発明の樹脂充填用マスクについて説明する。本発明の樹脂充填用マスクは、多層プリント配線板の製造において、形成したスルーホールに樹脂充填材を充填する際に用いる樹脂充填用マスクであって、上記樹脂充填用マスクは、上記スルーホールに相当する部分に開口部が形成されており、かつ、上記開口部の近傍に、その面積が上記開口部の面積と同一か、または、上記開口部の面積よりも大きい補助開口部が少なくとも1個形成されていることを特徴とする。

0028

本発明の樹脂充填用マスクは、多層プリント配線板の製造において、好適に用いることができる。すなわち、多層プリント配線板を製造する際に、本発明の樹脂充填用マスクを用いてスルーホールに樹脂充填材を充填することにより、表層部が平坦な樹脂充填材層を形成することができる。そのため、この樹脂充填材層上に形成した層間樹脂絶縁層は、その厚さが均一となる。また、スルーホールの直上にバイアホールを形成しても、該バイアホールにおいて接続不良が発生することがない多層プリント配線板を製造することができる。以下にこの理由を説明する。

0029

本発明の樹脂充填用マスクは、スルーホールに相当する部分に形成された開口部の近傍に、補助開口部が少なくとも1個形成されているため、多層プリント配線板を製造する際に、この樹脂充填用マスクを用いた場合、スルーホールに樹脂充填材を充填するとともに、スルーホールの近傍に、樹脂充填材が付着する。このとき、上記補助開口部の面積は、上記開口部の面積と同一か、または、上記開口部の面積より大きいため、スルーホールの近傍に付着する樹脂充填材の量は、スルーホールに充填される樹脂充填材の盛り上がった部分の量と同じか、または、それよりも多い。

0030

そのため、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等の量は、上記スルーホールに充填された樹脂充填材から上記スルーホールの周囲へ染み出す樹脂等の量と同じになるか、または、多くなる。その結果、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等が、上記スルーホールに充填された樹脂充填材から上記スルーホールの周囲へ染み出す樹脂等を塞き止めることになるため、上記スルーホールに充填された樹脂充填材の減少が抑制される。

0031

加えて、スルーホールに充填された樹脂充填材に含まれる樹脂等は下方向に垂れていくが、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等が、スルーホールに充填された樹脂充填材に供給されるため、スルーホールに充填された樹脂充填材の減少が実質的には抑制されることとなる。

0032

上述したように、スルーホールに充填された樹脂充填材から染み出す樹脂等が塞き止められ、かつ、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等が、スルーホールに充填された樹脂充填材に供給されることにより、スルーホールに充填された樹脂充填材の減少が抑制されるため、スルーホールに充填された樹脂充填材の上側に、スルーホールの上面より深い凹部が生じることがない。

0033

スルーホールに充填された樹脂充填材の上側に、スルーホールの上面より深い凹部が生じなければ、樹脂充填材の盛り上がった部分に研磨処理を施し、さらに、硬化処理を施すことにより形成する樹脂充填材層の表層部に凹部が残ることはない。すなわち、表層部が平坦な樹脂充填材層を得ることができる。従って、そのような状態の基板に、樹脂フィルム等を用いて層間樹脂絶縁層を形成しても、層間樹脂絶縁層の厚さが不均一になったり、スルーホールの直上にバイアホールを形成した際に、該バイアホールにおいて接続不良が発生することがないのである。

0034

なお、本明細書において、スルーホールに相当する部分に形成された開口部とは、該スルーホールが形成された基板を平面視した際のスルーホールの中央に存在する空隙部分と中心がほぼ一致する開口部をいう。また、樹脂充填用マスクが有する開口部の面積とは、該樹脂充填用マスクを平面視した際の開口部の面積をいい、補助開口部の面積とは、該樹脂充填用マスクを平面視した際の補助開口部の面積をいう。さらに、スルーホールの面積とは、該スルーホールが形成された基板を平面視した際のスルーホールの中央に存在する空隙部分の面積をいう。

0035

上記開口部の面積は、特に限定されるものではないが、上記スルーホールの面積の1.0〜5.0倍であることが望ましく、1.0〜4.0倍であることがより望ましい。上記開口部からスルーホール内に、該スルーホールに充填するために必要な量の樹脂充填材を供給することができるからである。1.0倍未満であると、開口部の面積が小さすぎるため、上記開口部からスルーホール内に、該スルーホールに充填するために必要な量の樹脂充填材を供給することができず、スルーホールに充填不足が発生するおそれがある。一方、5.0倍を超えると、開口部の面積が大きすぎるため、必要量以上の樹脂充填材が供給されてしまい、スルーホールの周辺にも樹脂充填材が多量に付着したり、充填した樹脂充填材の表層部が大きく盛り上がった形状となったりすることがある。この場合、後の研磨処理において、余分な樹脂充填材を充分に除去することができなかった場合には、積層する層間樹脂絶縁層にうねり等が発生する原因となることがある。

0036

上記補助開口部は、その面積が上記開口部の面積と同一か、または、上記開口部の面積より大きい。上記補助開口部の面積が、開口部の面積より小さいと、スルーホールに樹脂充填材を充填した際に、スルーホールの近傍に付着する樹脂充填材の量は、スルーホールに充填される樹脂充填材の盛り上がった部分の量より少なくなる。この場合、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等の量は、スルーホールに充填された樹脂充填材から染み出す樹脂等の量より少なく、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等により、スルーホールに充填された樹脂充填材から染み出す樹脂等を塞き止めることが困難になる。従って、スルーホールに充填された樹脂充填材が減少し、樹脂充填材に、スルーホールの上面より深い凹部が生じこととなる。

0037

上記補助開口部の面積は、上記開口部の面積の1.0〜1.5倍であることが望ましい。1.5倍を超えると、補助開口部の面積が大きくなりすぎて、スルーホールの近傍に、余分な樹脂充填材が多量に付着することがある。この場合、後の研磨処理において、余分な樹脂充填材を充分に除去することができず、積層する層間樹脂絶縁層にうねり等が発生する原因となることがある。なお、上記補助開口部の平面視における形状は、特に限定されるものではないが、通常、円形である。

0038

上記補助開口部と、上記開口部との距離は、0.1〜0.5mmであることが望ましい。0.1mm未満であると、上記補助開口部と上記開口部との距離が短すぎるため、その箇所における樹脂充填用マスクの機械的強度が低下してしまい、上記樹脂充填用マスクを用いて樹脂充填材を充填する際等において、樹脂充填用マスクが破損するおそれがある。一方、0.5mmを超えると、上記補助開口部と上記開口部との距離が長すぎるため、スルーホールの近傍に付着する樹脂充填材から樹脂等が染み出しても、スルーホールに充填された樹脂充填材から染み出す樹脂等を塞き止めることができず、また、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等が、スルーホールに充填された樹脂充填材に供給されないおそれがある。このような場合、スルーホールに充填された樹脂充填材が減少してしまい、樹脂充填材にスルーホールの上面より深い凹部が生じるおそれがある。また、上記補助開口部と、上記開口部との距離は、0.1〜0.3mmであることがより望ましい。樹脂充填材の組成や粘度等の影響をあまり受けることがないからである。なお、上記補助開口部と上記開口部との距離とは、両者の外縁部同士の最短距離のことをいう。

0039

上記樹脂充填用マスクにおいて、上記補助開口部の個数および配置は、特に限定されるものではないが、上記補助開口部が2個形成され、この2個の補助開口部が、上記開口部を挟んで、同一直線上に配置されていることが望ましい。上述した補助開口部の個数および配置により、充分に、スルーホールに充填された樹脂充填材から染み出す樹脂等を塞き止めることが可能であり、また、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等が、充分に、スルーホールに充填された樹脂充填材に供給されるからである。

0040

例えば、開口部の近傍に、補助開口部が1個形成されている場合、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等は、スルーホールに充填された樹脂充填材から該スルーホールの周囲へ染み出す樹脂等を、一方向から塞き止めることになる。しかしながら、スルーホールに充填された樹脂充填材の樹脂等は、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から樹脂等が染み出してくる方向以外の方向へも染み出すため、スルーホールに充填された樹脂充填材から染み出す樹脂等を充分に塞き止めることが困難になる場合がある。また、補助開口部が1個形成されている場合、スルーホールの近傍に付着する樹脂充填材の量が少なくなるため、スルーホールに充填された樹脂充填材に、充分な量の樹脂等を供給することが困難になる場合がある。

0041

また、開口部の近傍に、補助開口部が3個以上形成されている場合、スルーホールの近傍に、多量の樹脂充填材が付着することになる。この場合、後の研磨処理において、余分な樹脂充填材を充分に除去することができなかった場合には、積層する層間樹脂絶縁層にうねり等が発生する原因となるおそれがある。

0042

本発明の樹脂充填用マスクにおいて、必ずしも、全ての開口部の近傍に、補助開口部を形成されている必要はなく、例えば、隣り合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部の近傍のみに、補助開口部が形成されていてもよい。隣り合うスルーホールとの距離が短いスルーホールにおいては、樹脂充填材にスルーホールの上面より深い凹部が生じる可能性が低いからである。

0043

例えば、一のスルーホールと、このスルーホールとの距離が短い他のスルーホールとに、樹脂充填材が充填された場合、両者の距離が近いため、それぞれに充填された樹脂充填材から、その周囲に染み出す樹脂等は互いに塞き止め合うことになり、樹脂充填材から多量に樹脂等が染み出すことがない。従って、隣り合うスルーホールとの距離が短いスルーホールでは、樹脂等が染み出すことによって樹脂充填材が減少し、上記樹脂充填材にスルーホールの上面より深い凹部が生じるおそれが少ないのである。

0044

上述したように、隣り合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部の近傍のみに、補助開口部が形成されている樹脂充填用マスクについて、図面を用いて説明する。

0045

図14は、本発明の樹脂充填用マスクの一例を模式的に示す平面図である。樹脂充填用マスク120の中央付近には、隣り合うスルーホールとの距離が短いスルーホールを充填するための開口部123が形成されており、樹脂充填用マスク120の外縁付近には、隣り合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールを充填するための開口部121a、121bが形成されている。

0046

開口部121aの近傍には、2個の補助開口部122aが、開口部121aを挟んで同一直線上に配置されている。開口部121bについても同様であり、2個の補助開口部122bが、開口部121bを挟んで同一直線上に配置されている。一方、開口部123の近傍には、補助開口部は配置されていない。

0047

多層プリント配線板を製造する際に、このような樹脂充填用マスク120を用いてスルーホールに樹脂充填材を充填することにより、スルーホールに充填された樹脂充填材の上側に、スルーホールの上面より深い凹部が生じることがなくなるため、表層部が平坦な樹脂充填材層を形成することができる。なお、図14は、本発明の樹脂充填用マスクの一実施形態を説明するための図面であるので、全ての開口部および補助開口部を図示していない。

0048

また、上記樹脂充填用マスクを用いて樹脂充填材を充填するスルーホールとしては、例えば、基板を挟んだ導体回路間を接続するために形成されたスルーホールや、少なくとも基板と層間樹脂絶縁層とを挟んだ上層導体回路間を接続するために形成されたスルーホール等が挙げられる。

0049

また、上記樹脂充填用マスクは、スルーホールに相当する部分のみならず、基板上の導体回路非形成部に相当する部分にも開口部が形成されているか、または、層間樹脂絶縁層上の上層導体回路非形成部に相当する部分や層間樹脂絶縁層に形成したバイアホールに相当する部分にも開口部が形成されていることが望ましい。これらについては、本発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する際に詳述する。

0050

上記樹脂充填用マスクの材質は特に限定されず、例えば、ニッケル合金ニッケルコバルト合金、SUS等の金属;エポキシ樹脂ポリイミド樹脂等のプラスチック等が挙げられる。また、上記樹脂充填用マスクの製造方法としては特に限定されず、例えば、エッチング加工アディティブ加工、レーザ加工等が挙げられる。

0051

また、上記樹脂充填用マスクの厚さは、50〜300μmが望ましく、100〜250μmがより望ましい。上記範囲であれば、樹脂充填材の抜け性に優れるからである。

0052

このような構成からなる本発明の樹脂充填用マスクは、多層プリント配線板の製造において、スルーホールに樹脂充填材を充填する際に、好適に用いることができる。

0053

次に、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する。第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、基板の表面に導体回路を形成するとともに、上記基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、樹脂充填用マスクを介して樹脂充填材を印刷することにより、上記スルーホール内に樹脂充填材を充填する樹脂充填工程と、上記樹脂充填材の盛り上がった部分に、研磨処理を施し、上記樹脂充填材の表層部を平坦化する研磨工程と、上記樹脂充填材に硬化処理を施し、樹脂充填材層とする樹脂充填材層形成工程とを含む多層プリント配線板の製造方法であって、上記樹脂充填用マスクとして、本発明の樹脂充填用マスクを用いることを特徴とする。

0054

第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、樹脂充填工程において、樹脂充填用マスクとして、本発明の樹脂充填用マスクを用いるため、樹脂充填材にスルーホールの上面より深い凹部が生じることがない。従って、表層部が平坦な樹脂充填材層を形成することができ、その上層に層間樹脂絶縁層を形成した際に、厚さの均一な層間樹脂絶縁層を形成することができる。また、スルーホールの直上にバイアホールを形成する場合であっても、バイアホールにおいて接続不良が発生することがない多層プリント配線板を製造することができる。この理由を以下に説明する。

0055

第一の本発明の多層プリント配線板に用いる本発明の樹脂充填用マスクは、スルーホールに相当する部分に形成された開口部の近傍に、補助開口部が少なくとも1個形成されているため、樹脂充填工程において、スルーホールに樹脂充填材を充填する際、スルーホールの近傍に、樹脂充填材を付着させることができる。ここで、上記補助開口部の面積は、上記開口部の面積と同一か、または、上記開口部の面積より大きいため、スルーホールの近傍に付着する樹脂充填材の量を、スルーホールに充填される樹脂充填材における盛り上がった部分の樹脂充填材の量と同じか、または、多くすることができる。

0056

そのため、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等の量は、上記スルーホールに充填された樹脂充填材から上記スルーホールの周囲へ染み出す樹脂等の量と同じになるか、または、多くなる。その結果、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等が、上記スルーホールに充填された樹脂充填材から染み出す樹脂等を塞き止めることになるため、上記スルーホールに充填された樹脂充填材の減少が抑制される。

0057

加えて、スルーホールに充填された樹脂充填材に含まれる樹脂等は下方向に垂れていくが、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等が、スルーホールに充填された樹脂充填材に供給されるため、スルーホールに充填された樹脂充填材の減少が実質的には抑制されることとなる。

0058

上述したように、スルーホールに充填された樹脂充填材から染み出す樹脂等が塞き止められ、かつ、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等が、スルーホールに充填された樹脂充填材に供給されることにより、スルーホールに充填された樹脂充填材の減少が抑制されるため、スルーホールに充填された樹脂充填材の上側に、スルーホールの上面より深い凹部が生じることがない。

0059

スルーホールに充填された樹脂充填材の上側に、スルーホールの上面より深い凹部が生じなければ、樹脂充填材の盛り上がった部分に研磨処理を施し、さらに、硬化処理を施すことにより形成される樹脂充填材層の表層部に凹部が残ることもない。従って、表層部が平坦な樹脂充填材層を形成することができ、このような状態の基板に、樹脂フィルム等を用いて層間樹脂絶縁層を形成した際には、厚さの均一な層間樹脂絶縁層を形成することができる。また、スルーホールの直上にバイアホールを形成しても、該バイアホールにおいて接続不良が発生することがない。

0060

第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法(以下、単に第一の製造方法ともいう)は、上述したように、スルーホール内に樹脂充填材層を形成する方法に特徴を有するものである。従って、ここでは、まず、スルーホール形成工程、樹脂充填工程、研磨工程および樹脂充填材層形成工程について、詳細に説明し、多層プリント配線板を製造する全製造工程については、後に詳述することとする。

0061

(A)上記スルーホール形成工程においては、基板の表面に導体回路を形成するとともに、上記基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成する。この工程では、まず、基板にドリル加工レーザ処理等により貫通孔を形成し、次いで、該貫通孔の壁面と基板の表面とに無電解めっき処理等により導体層を形成し、その後、基板の表面の導体層にエッチング処理を施すことによりスルーホールと導体回路とを形成することができる。なお、無電解めっき処理を施した後、電解めっき処理を施すことにより導体層の厚さを厚くしてもよい。また、無電解めっきや電解めっきとしては、銅めっきが望ましい。

0062

上記基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板ポリエステル基板ポリイミド基板ビスマレイミドトリアジン樹脂基板、銅張積層板、RCC基板等の絶縁性基板が挙げられる。

0063

上記貫通孔の直径は、特に限定されないが、通常100〜500μm程度である。ここで、貫通孔の直径が300μm以下の場合には、該貫通孔をレーザ処理により形成することが望ましく、貫通孔の直径が300μmを超える場合は、該貫通孔をドリル加工により形成することが望ましい。これは、貫通孔の形状が安定するとともに、経済的に有利だからである。

0064

なお、この工程においては、スルーホールの壁面や導体回路の表面に粗化面を形成しておいてもよい。後述する樹脂充填工程において充填する樹脂充填材と、スルーホールや導体回路との密着性が向上するからである。上記粗化面を形成する方法としては、例えば、黒化(酸化)−還元処理、エッチング処理、Cu−Ni−P針状合金めっきによる処理等を挙げることができる。

0065

(B)次に、上記樹脂充填工程においては、樹脂充填用マスクを介して、樹脂充填材を印刷することにより、上記スルーホールに樹脂充填材を充填する。この工程においては、上記樹脂充填用マスクとして、本発明の樹脂充填用マスクを用いる。

0066

具体的には、本発明の樹脂充填用マスクを基板上に取り付けた後、樹脂充填材を保持したスキージを上記樹脂充填用マスクに押し当て、上記スキージを上記樹脂充填用マスク上で移動させ、樹脂充填材を印刷することにより、マスクの開口部を介して樹脂充填材をスルーホール内に充填する。

0067

ここでは、上記樹脂充填用マスクとして、補助開口部が2個形成され、この2個の補助開口部が、開口部を挟んで、同一直線上に配置されている本発明の樹脂充填用マスクを用い、樹脂充填材を印刷する方向、すなわち、上記スキージを上記樹脂充填用マスク上で移動させる方向を、上記開口部および上記補助開口部の配置方向と同一とすることが望ましい(図14に示す矢印131参照)。

0068

樹脂充填材を印刷する方向と、上記開口部および上記補助開口部の配置方向とを同一とすると、上記開口部を介してスルーホールに充填された樹脂充填材と、上記補助開口部を介してスルーホールの近傍に付着した樹脂充填材とが繋がりやすくなるからである。スルーホールに充填された樹脂充填材と、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材とが繋がった場合、両者が繋がっていない場合と比べて、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材から染み出す樹脂等が、より確実にスルーホールに充填された樹脂充填材に供給されることになる。その結果、スルーホールに充填された樹脂充填材が減少することを、より確実に抑制することが可能となるため、上記樹脂充填材にスルーホールの上面より深い凹部が生じることがない。

0069

上記樹脂充填材としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤無機粒子とを含む樹脂充填材等が挙げられる。上記エポキシ樹脂としては特に限定されないが、ビスフェノール型エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種が望ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂は、A型やF型の樹脂を選択することにより、希釈溶媒を使用しなくてもその粘度を調製することができ、ノボラック型エポキシ樹脂は、高強度で耐熱性耐薬品性に優れ、無電解めっき液等の強塩基性溶液中であっても分解せず、また、熱分解もしにくいからである。

0070

上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂が望ましく、低粘度で、かつ、無溶剤で使用することができる点からビスフェノールF型エポキシ樹脂がより望ましい。また、上記ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂およびクレゾールノボラック型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種が望ましい。

0071

また、ビスフェノール型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを混合して使用してもよい。この場合、ビスフェノール型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂との混合比率は、重量比で1/1〜1/100であることが望ましい。この範囲で混合することにより、粘度の上昇を抑制することができるからである。

0072

上記樹脂充填材に含まれる硬化剤としては特に限定されず、従来公知の硬化剤を用いることができ、例えば、イミダゾール系硬化剤酸無水物硬化剤アミン系硬化剤等が挙げられる。これらのなかでは、イミダゾール系硬化剤が望ましい。上記イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール等が挙げられる。これらのなかでは、25℃において液状の1−ベンジル−2−メチルイミダゾールや、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、および、4−メチル−2−エチルイミダゾールが望ましい。また、硬化剤として、イミダゾール系硬化剤を用いる場合、その配合量は、樹脂充填材中に1〜10重量%であることが望ましい。

0073

上記樹脂充填材に含まれる無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物カルシウム化合物カリウム化合物マグネシウム化合物ケイ素化合物等からなるものが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。

0074

上記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物としては、例えば、マグネシアドロマイト塩基性炭酸マグネシウムタルク等が挙げられ、上記ケイ素化合物としては、例えば、シリカゼオライト等が挙げられる。また、上記無機粒子は、シランカップリング剤等により、コーティングされていてもよい。無機粒子とエポキシ樹脂との密着性が向上するからである。

0075

また、上記無機粒子の樹脂充填材中の含有比率は、10〜80重量%が望ましく、20〜70重量%がより望ましい。この範囲であれば、基板や層間樹脂絶縁層との間で、熱膨張係数整合を図ることができるからである。

0076

また、上記無機粒子の形状は特に限定されず、球状、楕円球状破砕状多面体状等が挙げられる。これらのなかでは、球状や楕円球状が望ましい。粒子の形状に起因したクラックの発生等を抑制することができるからである。上記無機粒子の平均粒径は、0.1〜5.0μmが望ましい。

0077

また、上記樹脂充填材中には、上記したエポキシ樹脂等以外に、他の熱硬化性樹脂熱可塑性樹脂等が含まれていてもよい。上記熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、4フッ化エチレンパーフロロアルコキシ共重合体(PFA)等のフッ素樹脂ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、熱可塑ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフォン(PPES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、上記エポキシ樹脂に代えて、これらの樹脂を用いてもよい。

0078

また、上記樹脂充填材の粘度は、23±1℃において、1.3×102〜3.5×102Pa・sであることが望ましい。上記粘度が、1.3×102Pa・s未満では、スルーホールに充填した樹脂充填材が流出してしまうおそれがあり、3.5×102Pa・sを超えると、樹脂充填材が樹脂充填用マスクにひっかかり、樹脂充填材で完全に充填されないスルーホールが生じるおそれがあるからである。

0079

また、上記樹脂充填材を印刷する際に用いるスキージは、特に限定されず、例えば、ポリエチレン等のゴム;鉄、ステンレス等の金属;セラミック等の一般に多層プリント配線板の製造に用いられるものと同様の材質のスキージを用いることができる。これらのなかでは、その硬度が45〜90°のゴムスキージを用いることが望ましい。また、密閉式スキージユニットを用いてもよい。このようなスキージとしては、例えば、エアー圧入型、ローラー圧入型、ピストン圧入型等が挙げられる。

0080

上記スキージの形状としては、平型、角型等の種々の形状のものが挙げられる。また、上記形状のスキージに切れ込みをいれることにより樹脂充填材の充填性を向上させてもよい。この場合、スキージに入れる切れ込みは、その角度(スキージの端面と、切れ込みを入れることにより形成した面とのなす角度)が120〜175°であることが望ましい。また、上記スキージの厚さは、10〜30mmが望ましく、15〜25mmがより望ましい。繰り返し印刷を行っても反りやたわみがないからである。

0081

また、スキージと樹脂充填用マスクとのなす角を2〜50°に保持して印刷を行うことが望ましい。上記角度が2°未満であると、樹脂充填用マスクに設けた開口部をスキージによって塞いでしまうことがあり、この場合、開口部内への樹脂充填材の押し込み量が少なくなるため、樹脂充填材で完全に充填されないスルーホールが生じるおそれがある。一方、上記角度が50°を超えると、樹脂充填用マスクに設けた開口部内に樹脂充填材を押し込む力が弱く、樹脂充填材で完全に充填されないスルーホールが生じたり、スルーホールから樹脂充填材が溢れ出たりすることがある。なお、スキージと樹脂充填用マスクとのなす角を上記範囲に保持して樹脂充填材の印刷を行うことは、スルーホール同士間の距離が800μm以下のスルーホールに樹脂充填材を印刷する際に特に有用である。

0082

また、この工程では、上記スルーホールに相当する部分に開口部を有するとともに、導体回路非形成部に相当する部分にも開口部を有する樹脂充填用マスクを用い、スルーホール内に樹脂充填材を充填すると同時に、上記導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填することが望ましい。導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填しておくことにより、後の研磨処理を施した際に、表面全体が平坦になり、後工程で厚さの均一な層間樹脂絶縁層を形成することができ、また、形成した層間樹脂絶縁層にうねりや表面の窪み等が発生するおそれがより少なくなる。

0083

なお、最初に、スルーホールに相当する部分にのみ開口部を有する樹脂充填用マスクを用いてスルーホールにのみ樹脂充填材を充填し、その後、導体回路非形成部に相当する部分にのみ開口部を有する樹脂充填用マスクを用いて導体回路非形成部に樹脂充填材を充填してもよい。

0084

また、樹脂充填材を充填した後には、該樹脂充填材を乾燥させて半硬化状態(60〜70%の硬化状態)とすることが望ましい。このように、後述する研磨工程を行う前に、スルーホールに充填した樹脂充填材を半硬化させておくことにより、研磨工程において、研磨紙銅片等の異物が樹脂充填材に刺さり、この異物を起点として樹脂充填材にクラック等が生じる等の問題が発生することを防止することができる。上記乾燥は、樹脂充填材の組成等を考慮して、適宜選択すればよく、例えば、100℃/20分の条件で行うことができる。

0085

(C)上記研磨工程においては、上述した樹脂充填工程においてスルーホールに充填した樹脂充填材の盛り上がった部分に、研磨処理を施し、上記樹脂充填材の表層部を平坦化する。このとき、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材や、導体回路非形成部分に充填した樹脂充填材の表面等も研磨する。

0086

上記研磨は、例えば、ベルトサンダー研磨、バフ研磨ジェットスクラブ等の方法を用いて行うことができる。特に、まずベルトサンダー研磨による粗い研磨処理を施し、その後、バフ研磨による細かい研磨処理を施すことが望ましい。なお、ここで用いる研磨紙や研磨材の材質、番手等は特に限定されず、樹脂充填材(樹脂充填材の半硬化層)の組成や研磨量等を考慮して、適宜選択すればよい。

0087

なお、上述した樹脂充填工程において、上記樹脂充填用マスクとして、補助開口部が2個形成され、この2個の補助開口部が、開口部を挟んで、同一直線上に配置されている本発明の樹脂充填用マスクを用い、樹脂充填材を印刷する方向を、上記開口部および上記補助開口部の配置方向と同一とした場合には、この研磨工程では、樹脂充填材を印刷した方向と直交する方向に研磨処理を施すことが望ましい(図14に示す矢印132参照)。研磨処理を効率よく行うことができ、また、より確実に樹脂充填材の表層部を平坦にすることができるからである。

0088

上述したように、樹脂充填材を印刷する方向を、上記開口部および上記補助開口部の配置方向と同一とした場合、スルーホールに充填された樹脂充填材と、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材とは、同一直線上に連なって存在することになる。例えば、このように同一直線上に連なって存在する樹脂充填材と、同一方向に研磨処理を行うと、連なった樹脂充填材と研磨紙や研磨材との接触する面積が小さくなって、研磨する時間が長くなり、研磨処理の効率が低下するおそれがある。また、連なった樹脂充填材と研磨紙や研磨材との接触する面積が小さくなるため、局所的に力が加わり、樹脂充填材の表層部に歪み等が生じるおそれがある。

0089

(D)上記樹脂充填材層形成工程においては、上記樹脂充填材に硬化処理を施し、上記樹脂充填材を完全に硬化させ、樹脂充填材層とする。上記硬化処理としては特に限定されず、例えば、温度:50〜250℃、時間:0.5〜3時間の条件で行うことができる。また、まず100℃で1時間処理し、その後、150℃で1時間処理するようなステップ硬化を行ってもよい。このような(A)〜(D)の工程を経ることにより、基板を挟んだ導体回路間を接続し、その内部に樹脂充填材層を有するスルーホールを形成することができる。

0090

(E)上記樹脂充填材層形成工程の後には、上記樹脂充填材層を覆う蓋めっき層を形成する蓋めっき層形成工程を行うことが望ましい。該蓋めっき層を形成することにより、スルーホールの直上にバイアホールを形成することができるからである。第一の製造方法では、上述した工程を経て形成した樹脂充填材層の表層部が平坦であるため、蓋めっき層を好適に形成することができる。

0091

なお、蓋めっき層の形成は、例えば、以下の方法により行うことができる。すなわち、まず、樹脂充填材層のスルーホールからの露出面に触媒を付与しておき、次いで、スルーホールのランド部分と樹脂充填材層の露出面とに無電解めっき膜を形成することにより蓋めっき層を形成することができる。なお、無電解めっき処理を施した後、電解めっき等を施し、蓋めっき層の厚さを厚くしてもよい。

0092

次に、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法の全工程について、工程順に説明する。
(1)まず、上述した(A)〜(D)の工程を行い、基板の表面に導体回路を形成するとともに、該基板を挟んだ導体回路間を接続し、その内部に樹脂充填材層が形成されたスルーホールを形成する。その後、必要に応じて、(E)の工程を行い、上記樹脂充填材層を覆う蓋めっき層を形成してもよい。

0093

(2)次に、導体回路上に熱硬化性樹脂や樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。上記未硬化の樹脂層は、未硬化の樹脂をロールコータカーテンコータ等により塗布して成形してもよく、また、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着して形成してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅箔等の金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよい。また、熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム状に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成することが望ましい。

0094

上記未硬化の樹脂を塗布する場合には、樹脂を塗布した後、加熱処理を施す。上記加熱処理を施すことにより、未硬化の樹脂を熱硬化させることができる。なお、上記熱硬化は、後述するバイアホール用開口を形成した後に行ってもよい。

0095

このような樹脂層の形成において使用する熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。

0096

上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂フェノール類フェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物エポキシ化物トリグリシジルイソシアヌレート脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。

0097

上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレンポリプロピレンポリイソブチレンポリブタジエンポリイソプレンシクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。

0098

また、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体(樹脂複合体)としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを含むものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、粗化面形成樹脂組成物等が挙げられる。

0099

上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性物質が分散されたもの等が挙げられる。なお、上記「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。

0100

上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、感光性樹脂であってもよい。後述するバイアホール用開口を形成する工程において、露光現像処理により開口を形成することができるからである。

0101

上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂に感光性を付与した樹脂、すなわち、メタクリル酸アクリル酸等を用い、熱硬化基を(メタアクリル化反応させた樹脂を用いてもよい。具体的には、エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが望ましく、さらに、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。

0102

上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイドポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。

0103

上記可溶性の物質としては、例えば、無機粒子、樹脂粒子金属粒子ゴム粒子液相樹脂および液相ゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。

0104

上記無機粒子としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物;炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等のカルシウム化合物;炭酸カリウム等のカリウム化合物;マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等のマグネシウム化合物;シリカ、ゼオライト等のケイ素化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。上記アルミナ粒子は、ふっ酸で溶解除去することができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去することができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイトはアルカリ水溶液で溶解除去することができる。

0105

上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリックスよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、アミノ樹脂メラミン樹脂尿素樹脂グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。なお、上記樹脂粒子は予め硬化処理されていることが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうため、均一に混合されてしまい、酸や酸化剤で樹脂粒子のみを選択的に溶解除去することができないからである。

0106

上記金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、上記金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。

0107

(3)次に、その材料として熱硬化性樹脂や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、未硬化の樹脂層に硬化処理を施すとともに、バイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。上記バイアホール用開口は、レーザ処理により形成することが望ましい。上記レーザ処理は、上記硬化処理前に行ってもよいし、硬化処理後に行ってもよい。また、感光性樹脂からなる層間樹脂絶縁層を形成した場合には、露光、現像処理を行うことにより、バイアホール用開口を設けてもよい。なお、この場合、露光、現像処理は、上記硬化処理前に行う。

0108

また、その材料として熱可塑性樹脂を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂からなる樹脂層にレーザ処理によりバイアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とすることができる。

0109

このとき、使用するレーザとしては、例えば、炭酸ガスレーザエキシマレーザUVレーザYAGレーザ等が挙げられる。これらは、形成するバイアホール用開口の形状等を考慮して使い分けてもよい。

0110

上記バイアホール用開口を形成する場合、マスクを介して、ホログラム方式のエキシマレーザによるレーザ光照射することにより、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。また、短パルスの炭酸ガスレーザを用いて、バイアホール用開口を形成すると、開口内の樹脂残りが少なく、開口周縁の樹脂に対するダメージが小さい。

0111

また、光学系レンズとマスクとを介してレーザ光照射する場合には、一度に多数のバイアホール用開口を形成することができる。光学系レンズとマスクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射角度が同一のレーザ光を複数の部分に同時に照射することができるからである。

0112

(4)次に、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面に、必要に応じて、酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する。なお、この粗化面は、層間樹脂絶縁層とその上に形成する薄膜導体層との密着性を高めるために形成するものであり、層間樹脂絶縁層と薄膜導体層との間に充分な密着性がある場合には形成しなくてもよい。

0113

上記酸としては、硫酸硝酸、塩酸、リン酸蟻酸等が挙げられ、上記酸化剤としては、クロム酸クロム硫酸、過マンガン酸ナトリウム等の過マンガン酸塩等が挙げられる。また、粗化面を形成した後には、アルカリ等の水溶液中和液等を用いて、層間樹脂絶縁層の表面を中和することが望ましい。次工程に、酸や酸化剤の影響を与えないようにすることができるからである。また、上記粗化面の形成は、プラズマ処理等を用いて行ってもよい。

0114

(5)次に、バイアホール用開口を設けた層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。上記薄膜導体層は、無電解めっき、スパッタリング蒸着等の方法を用いて形成することができる。なお、層間樹脂絶縁層の表面に粗化面を形成しなかった場合には、上記薄膜導体層は、スパッタリングにより形成することが望ましい。なお、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、被めっき表面に、予め、触媒を付与しておく。上記触媒としては、例えば、塩化パラジウム等が挙げられる。

0115

上記薄膜導体層の厚さは特に限定されないが、該薄膜導体層を無電解めっきにより形成した場合には、0.6〜1.2μmが望ましく、スパッタリングにより形成した場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。また、上記薄膜導体層の材質としては、例えば、Cu、Ni、P、Pd、Co、W等が挙げられる。これらのなかでは、CuやNiが望ましい。

0116

(6)次に、上記薄膜導体層上の一部にドライフィルム等を用いてめっきレジストを形成し、その後、上記薄膜導体層をめっきリードとして電解めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成する。

0117

また、この工程では、バイアホール用開口を電解めっきで充填してフィールドビア構造としてもよく、一旦、その上面に窪みを有するバイアホールを形成し、その後、この窪みに導電性ペーストを充填してフィールドビア構造としてもよい。また、上面に窪みを有するバイアホールを形成した後、その窪みに樹脂充填材等を充填し、さらに、その上に蓋めっき層を形成して上面が平坦なバイアホールとしてもよい。バイアホールの構造をフィールドビア構造とすることにより、バイアホールの直上にバイアホールを形成することができる。

0118

(7)次に、めっきレジストを剥離し、めっきレジストの下に存在していた薄膜導体層をエッチングにより除去し、独立した導体回路とする。エッチング液としては、例えば、硫酸−過酸化水素水溶液過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩水溶液塩化第二鉄塩化第二銅、塩酸等が挙げられる。また、エッチング液として上述した第二銅錯体有機酸とを含む混合溶液を用いてもよい。

0119

また、上記(6)および(7)に記載した方法に代えて、以下の方法を用いることにより導体回路を形成してもよい。すなわち、上記薄膜導体層上の全面に電解めっき層を形成した後、該電解めっき層上の一部にドライフィルムを用いてエッチングレジストを形成し、その後、エッチングレジスト非形成部下の電解めっき層および薄膜導体層をエッチングにより除去し、さらに、エッチングレジストを剥離することにより独立した導体回路を形成してもよい。

0120

(8)この後、上記(2)〜(7)の工程を1回または2回以上繰り返すことにより、層間樹脂絶縁層上に最上層の導体回路が形成された基板を作製する。なお、上記(2)〜(7)の工程を何回繰り返すかは、多層プリント配線板の設計に応じて適宜選択すればよい。ここでは、バイアホールがスタックビア構造となるように、バイアホールの直上にバイアホールを形成してもよい。

0121

(9)次に、最上層の導体回路を含む基板上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジスト層を形成する。具体的には、未硬化のソルダーレジスト組成物をロールコータやカーテンコータ等により塗布したり、フィルム状に成形したソルダーレジスト組成物を圧着したりした後、レーザ処理や露光現像処理により半田バンプ形成用開口を形成し、さらに、必要に応じて、硬化処理を施すことによりソルダーレジスト層を形成する。

0122

上記ソルダーレジスト層は、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等を含むソルダーレジスト組成物を用いて形成することができる。

0123

また、上記以外のソルダーレジスト組成物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度の(メタ)アクリル酸エステル重合体、ビスフェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリル系モノマー等の感光性モノマーグリコールエーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げられ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されていることが望ましい。また、上記ソルダーレジスト組成物は、エラストマー無機フィラーが配合されていてもよい。また、ソルダーレジスト組成物として、市販のソルダーレジスト組成物を使用してもよい。

0124

また、上記半田バンプ形成用開口を形成する際に用いるレーザとしては、上述したバイアホール用開口を形成する際に用いるレーザと同様のもの等が挙げられる。

0125

次に、上記半田バンプ形成用開口の底面に露出した導体回路の表面に、必要に応じて、半田パッドを形成する。上記半田パッドは、ニッケル、パラジウム、金、銀、白金等の耐食性金属により上記導体回路表面を被覆することにより形成することができる。具体的には、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により形成することが望ましい。また、上記半田パッドは、例えば、めっき、蒸着、電着等の方法を用いて形成することができるが、これらのなかでは、被覆層均一性に優れるという点からめっきが望ましい。

0126

(10)次に、上記半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填し、リフロー処理を施したり、半田ペースト充填した後、導電性ピンを取り付け、さらにリフロー処理を施したりすることにより半田バンプやBGA(Ball Grid Array) 、PGA(Pin Grid Array) を形成する。なお、製品認識文字などを形成するための文字印刷工程やソルダーレジスト層の改質のために、酸素四塩化炭素などのプラズマ処理を適時行ってもよい。このような工程を経ることにより多層プリント配線板を製造することができる。

0127

次に、第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する。第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法は、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを少なくとも一層ずつ形成した後、層間樹脂絶縁層の表面に上層導体回路を形成するとともに、上記基板および上記層間樹脂絶縁層を挟んだ上層導体回路間を接続するスルーホールを形成するスルーホール形成工程と、樹脂充填用マスクを介して樹脂充填材を印刷することにより、上記スルーホール内に樹脂充填材を充填する樹脂充填工程と、上記樹脂充填材の盛り上がった部分に、研磨処理を施し、上記樹脂充填材の表層部を平坦化する研磨工程と、上記樹脂充填材に硬化処理を施し、樹脂充填材層とする樹脂充填材層形成工程とを含む多層プリント配線板の製造方法であって、上記樹脂充填用マスクとして、本発明の樹脂充填用マスクを用いることを特徴とする。

0128

第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法によれば、樹脂充填工程において、樹脂充填用マスクとして、本発明の樹脂充填用マスクを用いるため、樹脂充填材にスルーホールの上面より深い凹部が生じることがない。従って、表層部が平坦な樹脂充填材層を形成することができ、その上層に層間樹脂絶縁層を形成した際に、厚さの均一な層間樹脂絶縁層を形成することができる。また、スルーホールの直上にバイアホールを形成する場合であっても、バイアホールにおいて接続不良が発生することがない多層プリント配線板を製造することができる。この理由は、第一の製造方法について説明する際に述べた理由と同様である。

0129

第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法(以下、単に第二の製造方法ともいう)もまた、上述したように、スルーホール内に樹脂充填材層を形成する方法に特徴を有するものである。従って、ここでは、まず、スルーホール形成工程、樹脂充填工程、研磨工程および樹脂充填材層形成工程について説明し、多層プリント配線板を製造する全製造工程については、後述することとする。

0130

(a)上記スルーホール形成工程においては、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを少なくとも一層ずつ形成した後、層間樹脂絶縁層の表面に上層導体回路を形成するとともに、上記基板および上記層間樹脂絶縁層を挟んだ上層導体回路間を接続するスルーホールを形成する。

0131

以下、まず、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを少なくとも一層ずつ形成する方法について説明する。
(i)ここでは、まず、上記基板の表面に無電解めっき処理やスパッタリング等によりベタの導体層を形成した後、該導体層上に導体回路パターンに対応したエッチングレジストを形成し、その後、エッチング処理を施すことにより基板の両面に導体回路を形成する。

0132

また、基板の表面に薄いベタの導体層を形成した後、この導体層上にめっきレジストと電気めっき層とを形成し、その後、めっきレジストを剥離し、該めっきレジスト下の導体層をエッチング除去することにより、基板の両面に導体層と電気めっき層とからなる導体回路を形成してもよい。上記基板としては、例えば、第一の製造方法で用いたものと同様のものを用いることができる。

0133

さらに、基板の両面に導体回路を形成するとともに、基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールを形成してもよく、このようなスルーホールを形成した場合には、その内部に樹脂充填材層を形成することが望ましい。このような、内部に樹脂充填材層を有し、基板を挟んだ導体回路間を接続するスルーホールは、第一の製造方法の(A)〜(D)の工程と同様の方法により形成することができる。さらに、この場合には、第一の製造方法の(E)の工程と同様の方法により、樹脂充填材層を覆う蓋めっき層を形成してもよい。

0134

(ii)次に、その両面に導体回路が形成された基板上に、熱硬化性樹脂や樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成し、その後、必要に応じて、乾燥処理や硬化処理を施すとともに、バイアホール用開口を設けることにより層間樹脂絶縁層を形成する。

0135

具体的には、第一の製造方法の(2)および(3)の工程と同様の方法を用いるとことにより層間樹脂絶縁層を形成することができる。また、層間樹脂絶縁層を形成した後、第一の製造方法の(4)の工程と同様、層間樹脂絶縁層の表面(バイアホール用開口の内壁面を含む)に粗化面を形成してもよい。

0136

このような(i)および(ii)の工程を経ることより、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを一層ずつ形成することができる。また、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを二層以上ずつ形成する場合には、上記(i)および(ii)の工程の後、第一の製造方法の(5)〜(7)の工程を同様の方法を用いた導体回路(バイアホールを含む)の形成と、第一の製造方法の(2)〜(4)の工程を同様の方法を用いた層間樹脂絶縁層の形成とを繰り返し行えばよい。

0137

この(a)の工程では、その両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを少なくとも一層ずつ形成された基板を作成した後、層間樹脂絶縁層の表面に上層導体回路を形成するとともに、上記基板および上記層間樹脂絶縁層を挟んだ上層導体回路間を接続するスルーホールを形成する。ここでは、まず、基板とその両面に形成した層間樹脂絶縁層と貫通する貫通孔を形成し、次いで、該基板の壁面と層間樹脂絶縁層の表面(バイアホール用開口の壁面を含む)とに薄膜導体層を形成する。その後、この薄膜導体層上の一部にめっきレジストを形成し、さらに、上記めっきレジスト非形成部に電解めっき層を形成した後、めっきレジストの剥離と該めっきレジスト下の薄膜導体層の除去とを行うことにより、上記した上層導体回路とスルーホールとを形成することができる。

0138

上記貫通孔は、例えば、ドリル加工やレーザ処理等により形成することができる。また、上記貫通孔の直径は、特に限定されないが、通常、100〜500μmである。また、第一の製造方法と同様、貫通孔の直径が300μm以下の場合には、該貫通孔をレーザ処理により形成することが望ましく、貫通孔の直径が300μmを超える場合には、該貫通孔をドリル加工により形成することが望ましい。

0139

上記薄膜導体層の形成は、第一の製造方法の(5)の工程で用いた方法と同様の方法により形成することができる。なお、上記薄膜導体層は、無電解めっき処理を用いて形成することが望ましい。貫通孔の壁面に均一な導体層を形成する方法として適しているからである。

0140

また、上記めっきレジストの形成、および、電解めっき層の形成は、第一の製造方法の(6)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。また、上記めっきレジストの剥離、および、該めっきレジスト下の薄膜導体層の除去は、第一の製造方法の(7)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。

0141

なお、上記上層導体回路およびスルーホールの形成は、薄膜導体層を形成した後、めっきレジストの形成から薄膜導体層の除去までの一連の工程を行う方法に代えて、例えば、薄膜導体層を形成した後、該薄膜導体層の全面に電解めっき層を形成し、さらに、電解めっき層上の一部にドライフィルム等を用いてエッチングレジストを形成し、その後、エッチングレジスト非形成部下の電解めっき層および薄膜導体層の除去と、エッチングレジストの剥離とを行うことにより上層導体回路等を形成してもよい。

0142

(b)次に、上記樹脂充填工程においては、樹脂充填用マスクを介して、樹脂充填材を印刷することにより、上記スルーホールに樹脂充填材を充填する。この工程においては、上記樹脂充填用マスクとして、本発明の樹脂充填用マスクを用いる。

0143

具体的には、本発明の樹脂充填用マスクを基板上に取り付けた後、樹脂充填材を保持したスキージを上記樹脂充填用マスクに押し当て、上記スキージを上記樹脂充填用マスク上で移動させ、樹脂充填材を印刷することにより、マスクの開口部を介して樹脂充填材をスルーホール内に充填する。

0144

ここでは、上記樹脂充填用マスクとして、補助開口部が2個形成され、この2個の補助開口部が、開口部を挟んで、同一直線上に配置されている本発明の樹脂充填用マスクを用い、樹脂充填材を印刷する方向、すなわち、上記スキージを上記樹脂充填用マスク上で移動させる方向を、上記開口部および上記補助開口部の配置方向と同一とすることが望ましい。この理由は、第一の製造方法の(B)の工程で説明した通りである。

0145

この工程で用いる樹脂充填材や、樹脂充填材を印刷する際に用いるスキージとしては、第一の製造方法の(B)の工程で用いたものと同様のもの等が挙げられる。

0146

また、この工程では、上記スルーホールに相当する部分に開口部を有するとともに、上層導体回路非形成部に相当する部分にも開口部を有する樹脂充填用マスクを用い、スルーホール内に樹脂充填材を充填すると同時に、上記上層導体回路非形成部にも樹脂充填材を充填することが望ましい。なお、最初に、スルーホールに相当する部分にのみ開口部を有する樹脂充填用マスクを用いてスルーホールにのみ樹脂充填材を充填し、その後、上層導体回路非形成部に相当する部分にのみ開口部を有する樹脂充填用マスクを用いて上層導体回路非形成部に樹脂充填材を充填してもよい。また、樹脂充填材を充填した後には、該樹脂充填材を乾燥させて半硬化状態(60〜70%の硬化状態)とすることが望ましい。

0147

(c)上記研磨工程においては、上述した樹脂充填工程においてスルーホールに充填した樹脂充填材の盛り上がった部分に、研磨処理を施し、上記樹脂充填材の表層部を平坦化する。このとき、スルーホールの近傍に付着した樹脂充填材や、上層導体回路非形成部分に充填した樹脂充填材の表面等も研磨する。上記研磨処理は、第一の製造方法の(C)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。

0148

なお、上述した樹脂充填工程において、上記樹脂充填用マスクとして、補助開口部が2個形成され、この2個の補助開口部が、開口部を挟んで、同一直線上に配置されている本発明の樹脂充填用マスクを用い、樹脂充填材を印刷する方向を、上記開口部および上記補助開口部の配置方向と同一とした場合には、この研磨工程では、樹脂充填材を印刷した方向と直交する方向に研磨処理を施すことが望ましい。研磨処理を効率よく行うことができ、また、より確実に樹脂充填材の表層部を平坦にすることができるからである。

0149

(d)上記樹脂充填材層形成工程においては、上記樹脂充填材に硬化処理を施し、上記樹脂充填材を完全に硬化させ、樹脂充填材層とする。上記硬化処理は、第一の製造方法の(D)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。このような(a)〜(d)の工程を経ることにより、基板および層間樹脂絶縁層を挟んだ上層導体回路間を接続し、その内部に樹脂充填材層を有するスルーホールを形成することができる。

0150

(e)上記樹脂充填材層形成工程の後には、必要に応じて、上記樹脂充填材層を覆う蓋めっき層を形成する蓋めっき層形成工程を行うことが望ましい。該蓋めっき層を形成することにより、スルーホールの直上にバイアホールを形成することができるからである。第二の製造方法では、上述した工程を経て形成した樹脂充填材層の表層部が平坦であるため、蓋めっき層を好適に形成することができる。なお、上記蓋めっき層の形成は、第一の製造方法の(E)の工程で用いた方法と同様の方法により行うことができる。

0151

次に、第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法の全製造工程について、工程順に簡単に説明する。
(1)まず、上述した(a)〜(d)の工程を行う。すなわち、基板の両面に導体回路と層間樹脂絶縁層とを少なくとも1層ずつ形成し、その後、基板と層間樹脂絶縁層とを貫通し、その内部に樹脂充填材層が形成されたスルーホールを形成するとともに、層間樹脂絶縁層上に、上記スルーホールを介して電気的に接続された上層導体回路を形成する。

0152

次に、必要に応じて、上記(e)の工程、すなわち、スルーホール内の樹脂充填材層を覆う導体層(蓋めっき層)を形成する。特に、後工程でスルーホールの直上にバイアホールを形成する場合には、ここで蓋めっき層を形成しておくことが望ましい。

0153

(2)この後、第一の製造方法の(2)〜(7)の工程と同様の工程を1回または2回以上繰り返すことにより、層間樹脂絶縁層上に最上層の上層導体回路が形成された基板を作製する。なお、第一の製造方法の(2)〜(7)の工程と同様の工程を何回繰り返すかは、多層プリント配線板の設計に応じて適宜選択すればよい。また、この(2)〜(7)の工程を繰り返す際には、スルーホールを形成してもよいし、形成しなくてもよい。なお、上記スルーホールの形成は、第二の製造方法の(a)〜(d)の工程と同様の方法を用いて行うことができる。さらに、スルーホールを形成した後には、蓋めっき層を形成してもよい。

0154

(3)次に、第一の製造方法の(9)および(10)の工程と同様にして、ソルダーレジスト層の形成と、半田バンプやBGA(Ball Grid Array) 、PGA(Pin Grid Array) 等を行う、このような工程を経ることにより多層プリント配線板を製造することができる。

0155

以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量469、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製エピクロンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビスヒドロキシメチルイミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコータを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。

0156

B.樹脂充填材の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2球状粒子アドテック社製、CRS 1101−CE)72重量部およびレベリング剤サンノプコ社製レノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で130〜350Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。

0157

C.多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板1の両面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図1(a)参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔して貫通孔を形成した後、無電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に導体回路4とスルーホール9を形成した(図1(b)参照)。なお、全てのスルーホールは、導体層の厚さが25μmであり、スルーホールの中央に存在する空隙の直径が360μmであった。

0158

(2)スルーホール9および下層導体回路4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2(40g/l)、Na3PO4(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール9を含む導体回路4の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。

0159

(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール9内、および、基板1の片面の導体回路非形成部と導体回路4の外縁部とに樹脂充填材10′の層を形成した。すなわち、スルーホールおよび導体回路非形成部に相当する部分に開口部を有する樹脂充填用マスクを基板上に載置し、スキージを用いてスルーホール内、凹部となっている導体回路非形成部、および、導体回路の外縁部に樹脂充填材10′を充填し、100℃/20分の条件で乾燥(半硬化)させた(図1(c)参照)。

0160

ここで用いた樹脂充填用マスクは、隣り合うスルーホールとの距離が2.0mm未満のスルーホールに相当する部分に形成された開口部の直径が、360μm(スルーホールの面積の約1.0倍)である。

0161

また、上記樹脂充填用マスクは、隣り合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部の直径が700μm(スルーホールの面積の約3.78倍)であり、その近傍に、直径が750μmの補助開口部(開口部の面積の約1.15倍)を2つ有している。また、この2つの補助開口部と上記開口部とは同一直線上に配置されており、上記開口部と上記補助開口部との距離は100〜280μmである。

0162

また、スキージを用いて樹脂充填材を印刷する際、樹脂充填材を印刷する方向が、上記開口部および上記補助開口部の配置方向と同一になるようにした。

0163

(4)上記(3)の処理を終えた基板の両面にバフ研磨による研磨処理を施し、導体回路4の外縁部やスルーホール9のランドの外縁部に樹脂充填材10′が残らないように研磨するとともに樹脂充填材の表面を平坦にした。このとき、樹脂充填材を印刷した方向と直交する方向に、研磨処理を施した。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填材10′を硬化した。

0164

このようにして、スルーホール9や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材層10の表層部および導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材層10と導体回路4の側面4aとが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール9の内壁面9aと樹脂充填材層10とが粗化面を介して強固に密着した基板を得た(図1(d)参照)。すなわち、この工程により、樹脂充填材層10の表面と導体回路4の表面とが略同一平面となる。

0165

(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、導体回路4の表面とスルーホール9のランド表面とをエッチングすることにより、導体回路4の全表面に粗化面(図示せず)を形成した。エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。

0166

(6)次に、上記処理を終えた基板を水洗いし、さらに、基板の表面にパラジウム触媒を付与することにより、樹脂充填材層10の表層部に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl2)と塩化第一スズ(SnCl2)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属析出させることにより触媒を付与した。

0167

(7)次に、基板の表面に市販の感光性ドライフィルム張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト23を設けた。

0168

(8)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、樹脂充填材層の表層部、および、スルーホールのランド部分に厚さ3〜10μm程度の無電解銅めっき膜22を形成した(図2(a)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸0.200 mol/l
硫酸銅0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で40分

0169

(9)さらに、めっきレジスト23を5%KOHで剥離除去した。この工程を経ることにより、蓋めっき層(無電解めっき膜)22が形成されることとなる(図2(b)参照)。

0170

(10)基板の両面に、Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付けるとともに硬化処理を施すことにより層間樹脂絶縁層2を形成した(図2(c)参照)。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で30分間熱硬化させた。

0171

(11)次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を形成した(図2(d)参照)。

0172

(12)バイアホール用開口6を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口6の内壁を含む層間樹脂絶縁層2の表面を粗面(図示せず)とした。

0173

(13)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口6の内壁面に触媒核を付着させた(図示せず)。なお、触媒の付与は、上記(6)の工程と同様にして行った。

0174

(14)次に、無電解銅めっき水溶液中に、触媒を付与した基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜12を形成し、バイアホール用開口の内壁を含む層間樹脂絶縁層の表面に無電解銅めっき膜12が形成された基板を得た(図3(a)参照)。なお、無電解めっき水溶液としては、上記(8)の工程で用いたものと同様のものを用いた。また、無電解めっき条件も上記(8)の工程の条件と同様の条件とした。

0175

(15)無電解銅めっき膜12が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっきレジスト3を設けた(図3(b)参照)。

0176

(16)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト3非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜13を形成した(図3(c)参照)。
電解めっき液
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅0.26 mol/l
添加剤19.5 ml/l
アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃

0177

(17)さらに、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、独立の上層の導体回路5(バイアホール7を含む)とした(図3(d)参照)。

0178

(18)ついで、上記(5)と同様の処理を行い、上層の導体回路表面に粗化面(図示せず)を形成した。

0179

(15)上記(10)〜(18)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た(図4(a)〜図5(a)参照)。

0180

(16)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテルDMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることにより、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60min-1の場合はローターNo.4、6min−1の場合はローターNo.3によった。

0181

(17)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口を形成した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジストパターン層14を形成した。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。

0182

(18)次に、ソルダーレジスト層14を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。

0183

(19)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層14の開口に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、さらに他方の面のソルダーレジスト層14の開口にスズ−アンチモンを含有するはんだペーストを印刷した後、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、はんだバンプ17を有する多層プリント配線板を製造した(図5(b)参照)。

0184

(実施例2)
A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製、および、樹脂充填材の調製
実施例1と同様にして層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製、および、樹脂充填材の調製を行った。

0185

B.多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板30の両面に18μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図6(A)参照)。まず、この銅張積層板を導体回路パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に導体回路34を形成した(図6(B)参照)。

0186

(2)導体回路34を形成した基板30を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2(40g/l)、Na3PO4(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4(6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、導体回路34の表面に粗化面34aを形成した(図6(C)参照)。

0187

(3)次に、上記Aで作製した層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを、温度50〜150℃まで昇温しながら、0.5MPaで真空圧着ラミネートして貼り付け、樹脂フィルム層50αを形成した(図6(D)参照)。さらに、樹脂フィルム層50αを貼り付けた基板30に、ドリル加工により貫通孔35を形成した(図6(E)参照)。

0188

(4)次に、樹脂フィルム層50α上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で樹脂フィルム層50αに、直径80μmのバイアホール用開口52を形成し、層間樹脂絶縁層50とした(図7(A)参照)。

0189

(5)バイアホール用開口52を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、貫通孔35の壁面にデスミア処理を施すとともに、層間樹脂絶縁層50の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口52の内壁面を含むその表面に粗化面50a、52aを形成した(図7(B)参照)。

0190

(6)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層50の表面(バイアホール用開口52の内壁面を含む)、および、貫通孔35の壁面に触媒核を付着させた(図示せず)。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PdCl2)と塩化第一スズ(SnCl2)とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。

0191

(7)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層50の表面(バイアホール用開口52の内壁面を含む)、および、貫通孔35の壁面に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜42を形成した(図7(C)参照)。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸0.200 mol/l
硫酸銅0.030 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で40分

0192

(8)次に、無電解銅めっき膜42が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、100mJ/cm2で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ25μmのめっきレジスト43を設けた(図7(D)参照)。

0193

(9)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト43非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜44を形成した(図7(E)参照)。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l硫酸銅0.26 mol/l
添加剤19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃

0194

(10)さらに、めっきレジスト43を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト43下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、スルーホール36、および、上層導体回路(バイアホール46を含む)とした(図8(A)参照)。なお、全てのスルーホールが、導体層の厚さが25μmであり、スルーホールの中央に存在する空隙の直径が350μmであった。

0195

(11)次に、スルーホール36等を形成した基板30をエッチング液に浸漬し、スルーホール36、および、上層導体回路(バイアホール46を含む)の表面に粗化面36a、46aを形成した(図8(B)参照)。なお、エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。

0196

(12)次に、上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール36内、および、基板30の片面のバイアホール46内に樹脂充填材54′を充填した。すなわち、スルーホールおよびバイアホールに相当する部分に開口部を有する樹脂充填用マスクを、上層導体回路が形成された層間樹脂絶縁層上に載置し、スキージを用いてスルーホール内、および、凹部となっているバイアホール内に樹脂充填材を充填し、100℃、20分の条件で乾燥(半硬化処理)を行った。さらに、同様にして、基板の他方の面のバイアホール内にも樹脂充填材54′を充填し、乾燥(半硬化処理)を行った(図8(C)参照)。

0197

ここで用いた樹脂充填用マスクは、隣り合うスルーホールとの距離が2.0mm未満のスルーホールに相当する部分に形成された開口部の直径が、350μm(スルーホールの面積の1.0倍)である。

0198

また、上記樹脂充填用マスクは、隣り合うスルーホールとの距離が2.0mm以上のスルーホールに相当する部分に形成された開口部の直径が700μm(スルーホールの面積の4.00倍)であり、その近傍に、直径が750μmの補助開口部(開口部の面積の1.15倍)を2つ有している。また、この2つの補助開口部と上記開口部とは同一直線上に配置されており、上記開口部と上記補助開口部との距離は100〜280μmである。

0199

また、スキージを用いて樹脂充填材を印刷する際、樹脂充填材を印刷する方向が、上記開口部および上記補助開口部の配置方向と同一になるようにした。

0200

(13)次に、上記(12)の処理を終えた基板の両面にバフ研磨を施し、スルーホール36およびバイアホール46から露出した樹脂充填材の表面を平坦化した。このとき、樹脂充填材を印刷した方向と直交する方向に、研磨処理を施した。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱硬化を行い、樹脂充填材層54とした。

0201

(14)次に、層間樹脂絶縁層50の表面、および、樹脂充填材層54の露出面に、上記(6)と同様の処理を行いてパラジウム触媒(図示せず)を付与した。さらに、上記(7)と同様の条件で無電解めっき処理を施し、層間樹脂絶縁層50の表面、および、樹脂充填材層54の露出面に無電解めっき膜56を形成した(図9(A)参照)。

0202

(15)次に、上記(8)と同様の方法を用いて、無電解めっき膜56上に、厚さ20μmのめっきレジストを設けた(図示せず)。さらに、上記(9)と同様の条件で電解めっきを施して、めっきレジスト非形成部に電解めっき膜57を形成した。その後、めっきレジストと、その下に存在する無電解めっき膜56とを除去し、スルーホール36上およびバイアホール46上に、無電解めっき膜56と電解めっき膜57とからなる蓋めっき層58を形成した(図9(B)参照)。

0203

(16)次に、蓋めっき層58の表面に上記(11)で用いたエッチング液(メックエッチボンド)を用いて粗化面58aを形成した(図9(C)参照)。

0204

(17)次に、上記(3)〜(11)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層60、導体回路(バイアホール66を含む)を形成し、多層配線板を得た(図9(D)参照)。なお、上記(3)〜(11)の工程を繰り返す際には、スルーホールを形成しなかった。

0205

(18)次に、実施例1と同様の方法を用いてソルダーレジスト組成物を得、さらに、多層配線基板の両面に、このソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行い、ソルダーレジスト組成物の層70αを形成した(図10(A)参照)。次いで、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口71を形成した。そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレジスト層70を形成した(図10(B)参照)。

0206

(19)次に、ソルダーレジスト層70を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10−1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10−3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10−1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10−1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10−1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層72上に、厚さ0.03μmの金めっき層74を形成した(図10(C)参照)。

0207

(20)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層70の開口71に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)76を形成し、他方の面には、半田ペーストを印刷した後、導電性接続ピン78を取り付けることにより、多層プリント配線板を製造した(図11参照)。

0208

(比較例1)実施例1の(3)の工程において、下記の樹脂充填用マスクを使用した以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。すなわち、ここで用いた樹脂充填用マスクは、スルーホールに相当する部分に形成された開口部の直径が360μm(スルーホールの面積の1.0倍)である。なお、補助開口部は設けられていない。

0209

(比較例2)実施例2の(12)の工程において、下記の樹脂充填用マスクを使用した以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。すなわち、ここで用いた樹脂充填用マスクは、スルーホールに相当する部分に形成された開口部の直径が350μm(スルーホールの面積の1.0倍)である。なお、補助開口部は設けられていない。

0210

実施例1、2および比較例1、2で得られた多層プリント配線板について、ICチップを実装導通試験を行った。また、それぞれスルーホールを含む部分で切断し、その断面の形状を顕微鏡で観察した。

0211

その結果、実施例1〜2で得られた多層プリント配線板では、導通が良好であった。実施例1〜2で得られた多層プリント配線板の断面を顕微鏡で観察した結果、スルーホール内に充填された樹脂充填材層の表層部は平坦であり、その直上に形成されている蓋めっき層とバイアホールとは接触していた。

0212

これに対して、比較例1〜2で得られた多層プリント配線板では、導通不良が発生しているものがあった。比較例1〜2で得られた多層プリント配線板の断面を顕微鏡で観察した結果、スルーホール内に充填された樹脂充填材層において、表層部に凹部が生じている箇所が複数箇所存在し、その箇所の直上では、形成されている蓋めっき層とバイアホールとが接触していなかった。

発明の効果

0213

以上説明したように、本発明の樹脂充填用マスクは、上述の構成からなるため、多層プリント配線板を製造する際に用いることにより、表層部が平坦な樹脂充填材層を形成することができ、そのため、この樹脂充填材層上に形成した層間樹脂絶縁層は、厚さが均一となる。また、スルーホールの直上にバイアホールを形成しても、バイアホールにおいて接続不良が発生することがない多層プリント配線板を製造することができる。

0214

また、第一および第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法では、本発明の樹脂充填用マスクを用いるため、表層部が平坦な樹脂充填材層を形成することができ、その上層に層間樹脂絶縁層を形成した際に、厚さの均一な層間樹脂絶縁層を形成することができる。また、スルーホールの直上にバイアホールを形成する場合であっても、バイアホールにおいて接続不良が発生することがない多層プリント配線板を製造することができる。

図面の簡単な説明

0215

図1(a)〜(d)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図2(a)〜(d)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図3(a)〜(d)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図4(a)、(b)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図5(a)、(b)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図6(A)〜(E)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図7(A)〜(E)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図8(A)〜(D)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図9(A)〜(D)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図10(A)〜(C)は、本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図11本発明の樹脂充填用マスクを用いた別の多層プリント配線板の製造工程の一部を示した断面図である。
図12(a)〜(c)は、従来の多層プリント配線板の製造工程の一部を模式的に示す部分断面図である。
図13(a)〜(c)は、従来の多層プリント配線板の製造工程の一部を模式的に示す部分断面図である。
図14本発明の樹脂充填用マスクを模式的に示す平面図である。

--

0216

1基板
2層間樹脂絶縁層
3めっきレジスト
4下層導体回路
4a、9a粗化面
5上層導体回路
7バイアホール用開口
8銅箔
9スルーホール
10樹脂充填材
12無電解銅めっき層
13電解めっき層
14ソルダーレジスト層
15ニッケルめっき層
16金めっき層
17半田バンプ
22 蓋めっき層

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ