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技術 垂直磁気記録媒体

出願人 富士電機デバイステクノロジー株式会社
発明者 酒井泰志渡辺貞幸
出願日 2001年8月24日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2001-255072
公開日 2003年3月7日 (17年8ヶ月経過) 公開番号 2003-067909
状態 拒絶査定
技術分野 磁気記録担体 磁性薄膜
主要キーワード 程度値 非磁性合金 結晶質膜 補償点 磁気ディスク記録装置 硬質磁性材料 スパイクノイズ Coターゲット
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

希土類遷移金属合金非晶質膜において、高記録密度においても書き込まれた信号のシフト消滅がなく、かつ生産性に優れた垂直磁気記録媒体を提供すること。

解決手段

非磁性基体1上に、少なくとも軟磁性裏打ち層4と中間層5と磁気記録層6及び保護層7が順に形成された構造を有しており、さらにその上に液体潤滑剤層8が形成されている。磁気記録層6は、希土類−遷移金属合金非晶質膜からなる。希土類−遷移金属合金非晶質材料としては、TbCo,TbFeCo等が挙げられる。希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siあるいはそれらの硼化物炭化物が含まれており、その存在形態は、希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散している。

概要

背景

磁気ディスク記録装置大容量化に伴って、磁気記録媒体高記録密度化の要求が高まっている。従来の磁気記録方式では、長手磁気記録方式が主流であるが、最近、磁気記録の高記録密度化を実現する技術として、垂直磁気記録方式が注目されつつある。

垂直磁気記録媒体は、硬質磁性材料磁気記録層と、この磁気記録層への記録に用いられる磁気ヘッドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材料で形成される裏打ち層を構成要素に含んでいる。垂直磁気記録媒体用の磁気記録層用材料としては、現在、主にCoCr系合金結晶質膜が使用されている。この膜では、現状4000Oe程度の保磁力(Hc)が最大値であり、更なる高記録密度化のためにはHcを更に高める必要がある。しかしながら、この要求を満たすためには技術的な困難が伴う。

一方、光磁気記録用材料として使用されている希土類遷移金属合金非晶質膜は、大きな垂直磁気異方性定数Kuを有し、垂直磁気記録媒体の磁気記録層材料として非常に有望である。ところが、光磁気記録では補償点近傍の組成が使用されており、この組成域のHcは、垂直磁気記録用の材料として要求されるHcよりもかなり大きく、そのままでは垂直磁気記録媒体としては使用することは難しい。

概要

希土類−遷移金属合金非晶質膜において、高記録密度においても書き込まれた信号のシフト消滅がなく、かつ生産性に優れた垂直磁気記録媒体を提供すること。

非磁性基体1上に、少なくとも軟磁性裏打ち層4と中間層5と磁気記録層6及び保護層7が順に形成された構造を有しており、さらにその上に液体潤滑剤層8が形成されている。磁気記録層6は、希土類−遷移金属合金非晶質膜からなる。希土類−遷移金属合金非晶質材料としては、TbCo,TbFeCo等が挙げられる。希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siあるいはそれらの硼化物炭化物が含まれており、その存在形態は、希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散している。

目的

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、希土類−遷移金属合金非晶質膜において、高記録密度においても書き込まれた信号のシフトや消滅がなく、かつ生産性に優れた垂直磁気記録媒体を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

非磁性基体上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と中間層と磁気記録層と保護層及び液体潤滑剤層が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層が、希土類遷移金属合金非晶質膜により構成され、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siが含まれ、かつその存在形態が、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散していることを特徴とする垂直磁気記録媒体。

請求項2

非磁性基体上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と中間層と磁気記録層と保護層及び液体潤滑剤層が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層が、希土類−遷移金属合金非晶質膜により構成され、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Al,Siの硼化物が含まれ、かつその存在形態が、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散していることを特徴とする垂直磁気記録媒体。

請求項3

非磁性基体上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と中間層と磁気記録層と保護層及び液体潤滑剤層が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層が、希土類−遷移金属合金非晶質膜により構成され、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,Siの炭化物が含まれ、かつその存在形態が該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散していることを特徴とする垂直磁気記録媒体。

請求項4

前記希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上含まれるTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siあるいはそれらの硼化物、炭化物の濃度が1%以上20%以下であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の垂直磁気記録媒体。

請求項5

前記非磁性基体と前記軟磁性裏打ち層との間に、1層あるいは複数層下地層並びに磁区制御層を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の垂直磁気記録媒体。

技術分野

0001

本発明は、種々の磁気記録装置に搭載される垂直磁気記録媒体に関する。

背景技術

0002

磁気ディスク記録装置大容量化に伴って、磁気記録媒体高記録密度化の要求が高まっている。従来の磁気記録方式では、長手磁気記録方式が主流であるが、最近、磁気記録の高記録密度化を実現する技術として、垂直磁気記録方式が注目されつつある。

0003

垂直磁気記録媒体は、硬質磁性材料磁気記録層と、この磁気記録層への記録に用いられる磁気ヘッドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材料で形成される裏打ち層を構成要素に含んでいる。垂直磁気記録媒体用の磁気記録層用材料としては、現在、主にCoCr系合金結晶質膜が使用されている。この膜では、現状4000Oe程度の保磁力(Hc)が最大値であり、更なる高記録密度化のためにはHcを更に高める必要がある。しかしながら、この要求を満たすためには技術的な困難が伴う。

0004

一方、光磁気記録用材料として使用されている希土類遷移金属合金非晶質膜は、大きな垂直磁気異方性定数Kuを有し、垂直磁気記録媒体の磁気記録層材料として非常に有望である。ところが、光磁気記録では補償点近傍の組成が使用されており、この組成域のHcは、垂直磁気記録用の材料として要求されるHcよりもかなり大きく、そのままでは垂直磁気記録媒体としては使用することは難しい。

発明が解決しようとする課題

0005

現在、主に使用されているCo系合金結晶質磁気記録材料の場合、膜厚方向結晶粒成長して構成される柱状構造を有しており、これが記録再生の際に、媒体に起因したノイズの主原因の1つとなる。今後の記録の高密度化に伴い、この結晶粒界記録信号に及ぼす影響が益々大きな割合を占めるようになってくる。これに対し、結晶粒径微細化する等により影響を低減しようとする試みも行なわれてはいるが、結晶粒径が小さくなり過ぎると記録された信号の熱安定性が急激に劣化し、場合によっては記録された信号が消えてしまうという、いわゆる熱揺らぎの問題が急浮上してくる。

0006

一方、希土類−遷移金属合金非晶質膜を使用した場合、非晶質であるために結晶粒界というものは存在せず、上述した問題は発生しない。しかしながら、逆に、結晶粒界が存在しないために書き込まれた信号をその場所にとどめておくための核となるものが存在せず、信号がシフトしたり、消えたりしてしまうという問題がある。特に、この現象は高い周波数での記録時に発生し易く、高記録密度化を目指す垂直磁気記録用材料としてはそのまま用いることはできないという問題がある。

0007

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、希土類−遷移金属合金非晶質膜において、高記録密度においても書き込まれた信号のシフトや消滅がなく、かつ生産性に優れた垂直磁気記録媒体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、非磁性基体上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と中間層と磁気記録層と保護層及び液体潤滑剤層が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層が、希土類−遷移金属合金非晶質膜により構成され、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siが含まれ、かつその存在形態が、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散していることを特徴とするものである。

0009

また、請求項2に記載の発明は、非磁性基体上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と中間層と磁気記録層と保護層及び液体潤滑剤層が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層が、希土類−遷移金属合金非晶質膜により構成され、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Al,Siの硼化物が含まれ、かつその存在形態が、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散していることを特徴とするものである。

0010

また、請求項3に記載の発明は、非磁性基体上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と中間層と磁気記録層と保護層及び液体潤滑剤層が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層が、希土類−遷移金属合金非晶質膜により構成され、該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,Siの炭化物が含まれ、かつその存在形態が該希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散していることを特徴とするものである。

0011

また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至4いずれかに記載の発明において、前記希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上含まれるTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siあるいはそれらの硼化物、炭化物の濃度が1%以上20%以下であることを特徴とするものである。

0012

また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4いずれかに記載の発明において、前記非磁性基体と前記軟磁性裏打ち層との間に、1層あるいは複数層下地層並びに磁区制御層を有することを特徴とするものである。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。図1は、本発明の垂直磁気記録媒体の一実施例を示す断面模式図で、この垂直磁気記録媒体は、非磁性基体1上に、少なくとも軟磁性裏打ち層4と中間層5と磁気記録層6及び保護層7が順に形成された構造を有しており、さらにその上に液体潤滑剤層8が形成されている。

0014

図2は、本発明における垂直磁気記録媒体の他の実施例を示す断面模式図で、この垂直磁気記録媒体は、非磁性基体1上に、少なくとも1層あるいは複数層の下地層2と磁区制御層3と軟磁性裏打ち層4と中間層5と磁気記録層6および保護層7が順に形成された構造を有しており、さらにその上に液体潤滑剤層8が形成されている。

0015

本発明において、非磁性基板1としては、通常の磁気記録媒体用に用いられる、NiPメッキを施したAl合金強化ガラス結晶化ガラス等を用いることができる。磁区制御層3としては、Mnを含む合金系からなる反強磁性膜、あるいは非磁性基体1の半径方向に磁化配向させた硬質磁性膜を用いることが出来る。磁区制御層3の膜厚としては5〜300nm程度であることが好ましい。

0016

下地層2としては、磁区制御層3としてMn合金系の反強磁性膜を用いる場合には、面心立方構造を有する非磁性単金属あるいは非磁性合金等を用いることが望ましい。その場合、非磁性基体1と配向制御層2との間に、配向制御層2の微細構造を制御するためにさらに下地層を設けてもよい。

0017

また、磁区制御層3として硬質磁性膜を用いた場合には、下地層2としては、Cr合金等を用いることが出来る。この場合にも、非磁性基体1と前記下地層2との間に、下地層2の微細構造を制御するためにさらに複数層の下地層を設けてもよい。

0018

軟磁性裏打ち層4としては、NiFe合金センダスト(FeSiAl)合金等を用いることが出来るが、非晶質のCo合金、例えば、CoNbZr,CoTaZrなどを用いることにより良好な電磁変換特性を得ることが出来る。軟磁性裏打ち層4の膜厚は、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変化するが、10nm以上300nm以下であることが、生産性との兼ね合いから望ましい。

0019

中間層5は、軟磁性裏打ち層4と磁気記録層6を磁気的に分離するため、並びに磁気記録層6の特性を制御するために用いられ、非磁性元素あるいは非磁性合金が適宜用いられる。膜厚は、好ましくは5から30nmである。

0020

磁気記録層6は、希土類−遷移金属合金非晶質膜からなる。希土類−遷移金属合金非晶質材料としては、TbCo,TbFeCo等が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siが含まれており、その存在形態は、希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散している。

0021

または、少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Al,Siの硼化物が含まれており、その存在形態が、希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散している。あるいは、少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,Siの炭化物が含まれており、その存在形態が、希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散している。元素あるいは硼化物,炭化物が、希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散していることにより、記録されたビットとビットの間に存在する磁壁が、添加物の存在により書込まれた位置に固定されることにより高記録密度記録時においても、記録された信号がシフトあるいは消失したりすることが抑制される。

0022

高記録密度化のためには、微細な添加物を膜中に均一に分散させる必要がある。希土類−遷移金属合金非晶質膜中への元素あるいは硼化物,炭化物の添加方法としては、添加物を入れたターゲットを作製して希土類−遷移金属合金と共に成膜する方法や希土類−遷移金属合金非晶ターゲット上に添加物のチップを置いて成膜する方法が使用できる。

0023

元素あるいは硼化物,炭化物の膜中での濃度は1%以上20%以下であることが必要である。添加物の濃度が1%未満の場合、添加物の量が少なすぎるために十分に磁壁を固定することが出来ず、20%より多い場合には、添加物の量が多すぎるために希土類−遷移金属合金非晶質膜としての特性が十分に得られず、垂直磁気記録媒体として機能しなくなってしまう。したがって、垂直磁気記録媒体として十分な特性を得るためには、添加物の割合は1%以上20%以下でなくてはならない。

0024

本発明の磁気記録層6を成膜する際には、成膜時に使用するガスの圧力を10mTorr以上200mTorr以下にすることが望ましい。磁気記録層6の膜厚は、5nmから100nm、好ましくは10nmから50nmである。

0025

保護層7は、従来から使用されている保護膜を用いることができる。例えば、カーボン主体とする保護膜を用いることができる。保護層7の膜厚等の条件は、通常の磁気記録媒体で用いられる諸条件をそのまま用いることができる。また、液体潤滑剤層8も従来から使用されている材料を用いることができる。例えば、パーフルオロポリエーテル系の潤滑剤を用いることができる。液体潤滑剤層8の膜厚等の条件は、通常の磁気記録媒体で用いられる諸条件をそのまま用いることができる。

0026

[実施例1]以下に本発明の実施例について説明するが、以下の実施例は、本発明の好適な代表例に過ぎず、本発明をなんら限定するものではない。非磁性基体1として表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−5ガラス基板)を用い、これを洗浄スパッタ装置内に導入し、CoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層を200nm、TiCr中間膜を15nm成膜した。連続して、TbCoターゲット上にそれぞれTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siチップを載せた複合ターゲットを用い、20mTorrのガス圧にて磁気記録層の成膜を行なった。

0027

添加物の割合は、ターゲット上に載せるチップの数を変更して調整を行なった。磁気記録層の膜厚は30nm一定とした。最後にカーボンからなる保護層5nmを成膜後、真空装置から取り出した。磁気記録層6以外の成膜はすべてガス圧5mTorr下でDCマグネトロンスパッタリング法により行なった。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑剤層2nmでディップ法により形成し、垂直磁気記録媒体とした。

0028

上述した方法で、磁気記録層6に添加する添加物の種類を種々変化させて、垂直磁気記録媒体を作製した。磁気特性は、磁化曲線振動試料型磁力計にて測定して算出した。上述した実施例に示した方法にて全層成膜した垂直磁気記録媒体の電磁変換特性は、スピンスタンドテスターを用いMRヘッドにより測定を行なった。

0029

希土類−遷移金属合金非晶質膜へそれぞれTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siを10at%程度添加して作製した垂直磁気記録媒体の保磁力Hc並びに線記録密度350kFCIでのSNR(電磁変換特性の信号とノイズの比)の値を表1に示した。

0030

0031

比較例として、元素添加を行なわずに作製した垂直磁気記録媒体のHcとSNRの値も示してある。いずれの元素を添加した場合においても、添加を行なわなかった場合に比較するとHcはわずかに低下してしまっているが、Hc=3000Oe以上の比較的高い値が得られている。

0032

また、記録密度350kFCI時のSNR値は元素添加を行なわない場合には14.8dB程度であるが、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siを添加することにより、5.1〜8.3dB程度特性が向上していることが分かる。上述した添加物を2種類以上組み合わせた場合においても、同様に良好な磁気特性と電磁変換特性を得ることが出来る。

0033

[実施例2]TbCoターゲット上にのせるチップの種類をTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Al,Siの硼化物にした以外は実施例1と同様にして垂直媒体を作製した。

0034

希土類−遷移金属合金非晶質膜へそれぞれTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Al,Siの硼化物を10%程度添加して作製した垂直磁気記録媒体の保磁力Hc並びに線記録密度350kFCIでのSNR値を表2に示した。

0035

0036

比較例として、元素添加を行なわずに作製した垂直磁気記録媒体のHcとSNRの値も示してある。表1に示した結果と同様に、いずれの硼化物を添加した場合においてはも、添加を行なわなかった場合に比較するとHcはわずかに低下してしまっているが、TbB2を添加した場合に最も高い4020Oeの保磁力が得られている。最も低い保磁力を示したMoB2を添加した場合にも3240Oe程度値が得られている。

0037

SNR値は、いずれの添加物の場合においても、添加していない比較例に対して、8.3〜11.7dB程度特性が向上していることが分かる。最も高いSNR値が得られたのはTaB2を添加した時で、25.5dBという良好な特性であった。上述した硼化物を2種類以上組み合わせた場合においても、同様に良好な磁気特性と電磁変換特性を得ることが出来る。

0038

[実施例3]TbCoターゲット上にのせるチップの種類をTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,Siの炭化物にした以外は実施例1と同様にして垂直媒体を作製した。

0039

希土類−遷移金属合金非晶質膜へそれぞれTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,Siの炭化物を10%程度添加して作製した垂直磁気記録媒体の保磁力Hc並びに線記録密度350kFCIでのSNR値を表3に示した。

0040

0041

比較例として、元素添加を行なわずに作製した垂直磁気記録媒体のHcとSNRの値も示してある。表1に示した結果と同様に、いずれの炭化物を添加した場合においてはも、添加を行なわなかった場合に比較するとHcは低下してしまっている。しかしながら、最も保磁力の値が小さかったSiCの場合においても3420Oe程度の値が得られている。

0042

SNR値は、いずれの添加物の場合においても、比較例に示した添加を行なっていない垂直磁気記録媒体に対して、8〜10.3dB程度特性が向上していることが分かる。最も高いSNR値が得られたのはHfCあるいはTaCを添加した時で、線記録密度350kFCI時のSNRは24.1dBであった。上記炭化物を2種類以上組み合わせた場合においても、同様に良好な磁気特性と電磁変換特性を得ることが出来る。

0043

[実施例4]単元素を添加した場合の一例として、それぞれVあるいはBチップをTbCoターゲット上にのせた複合ターゲットを用い、ターゲット上にのせるチップの数を変更することにより希土類−遷移金属合金非晶質膜中に含まれる添加物の割合を調整して垂直磁気記録媒体を作製した。

0044

添加物の濃度を変更して作製した垂直磁気記録媒体の保磁力Hc並びに線記録密度350kFCLでのSNR値を表4に示した。Bは最も特性がよかった添加物、Vは最も測定が悪かった添加物の例として示してある。

0045

0046

比較例として、元素添加を行なわずに作製した垂直磁気記録媒体のHcとSNR値も示してある。どちらの元素の場合においても、添加物の濃度が増加するのにしたがいHcは単調に減少し、20at%以上添加した場合には、Hcは3000Oe以下の値となってしまう。いずれの元素の場合においても、1at%以上添加することにより、350kFCIの記録密度におけるSNR値は15dB以上の良好な値を示す。

0047

しかしながら、いずれの元素を添加した場合においても、添加量が20at%を超えるとSNR値は急激に低下し、Vの場合には8.6dB,Bの場合でも10.1dBという値になってしまう。したがって、いずれの元素の場合においても添加量としては1at%以上20at%以下にする必要があることがわかる。

0048

[実施例5]硼化物を添加した場合の一例として、それぞれTaB2あるいはAlB2チップをTbCoターゲット上にのせた複合ターゲットを用い、ターゲット上にのせるチップの数を変更することにより希土類−遷移金属合金非晶質膜中に含まれる添加物の割合を調整して垂直磁気記録媒体を作製した。

0049

表5には、TaB2あるいはAlB2の添加濃度を変更して作製した垂直磁気記録媒体の保磁力Hc並びに線記録密度350kFClでのSNR値を示した。TaB2は最も特性がよかった添加物、AlB2は成膜を行なった硼化物中で最も特定が低かった添加物の例として示してある。

0050

0051

比較例として、元素添加を行なわずに作製した垂直磁気記録媒体のHcとSNRの値も示してある。どちらの硼化物の場合においても、添加濃度が増加するにしたがいHcは単調に減少し、20at%以上添加した場合にはHcは3000Oe以下の値となってしまう。いずれの硼化物の場合においても、1at%以上添加することにより、350kFClの記録密度におけるSNR値は15dB以上の良好な値を示す。

0052

しかしながら、いずれの硼化物を添加した場合においても、添加量が20at%を超えるとSNR値は急激に低下し、TaB2の場合には12.5dB,AlB2の場合でも12.6dBという値になってしまう。したがって、いずれの硼化物の場合においても添加量としては1at%以上20at%以下にする必要があることがわかる。

0053

[実施例6]炭化物を添加した場合の一例として、それぞれHfCあるいはMo2CチップをTbCoターゲット上にのせた複合ターゲットを用い、ターゲット上にのせるチップの数を変更することにより希土類−遷移金属合金非晶質膜中に含まれる添加物の割合を調整して垂直磁気記録媒体を作製した。

0054

表6には、HfCあるいはMo2Cの添加濃度を変更して作製した垂直磁気記録媒体の保磁力Hc並びに線記録密度350kFClでのSNR値を示した。HfCは最も特性がよかった添加物、Mo2Cは成膜を行なった炭化物中で最も特定が低かった添加物の例として示してある。

0055

0056

比較例として、元素添加を行なわずに作製した垂直磁気記録媒体のHcとSNRの値も示してある。どちらの炭化物の場合においても、添加濃度が増加するにしたがいHcは単調に減少し、20at%以上添加した場合にはHcは3000Oe以下の値となってしまう。いずれの炭化物の場合においても、1at%以上添加することにより、350kFClの記録密度におけるSNR値は15dB以上の良好な値を示す。

0057

しかしながら、いずれの炭化物を添加した場合においても、添加量が20at%を超えるとSNR値は急激に低下し、HfCの場合には13.6dB,AlB2の場合でも11.1dBという値になってしまう。したがって、いずれの炭化物の場合においても添加量としては1at%以上20at%以下にする必要があることがわかる。

0058

[実施例7]単元素と炭化物,単元素と硼化物,炭化物と硼化物を同時に添加した場合の一例として、それぞれTaとW2C,ZrとNbB2,TiB2とCr3C2のチップをTbCoターゲット上にのせた複合ターゲットを用い、ターゲット上にのせるチップの数を変更することにより希土類−遷移金属合金非晶質膜中に含まれる添加物の割合を調整して垂直磁気記録媒体を作製した。

0059

表7には、作製した垂直磁気記録媒体の保磁力Hc並びに線記録密度350kFClでのSNR値を示した。

0060

0061

比較例として、元素添加を行なわずに作製した垂直磁気記録媒体のHcとSNRの値も示してある。1種類以上の添加元素を組み合わせた場合においても、単独で添加を行なった場合と同様に、1at%以上添加することにより、350kFClの記録密度におけるSNR値は15dB以上の良好な値を示す。

0062

しかしながら、添加量が20at%を超えるとSNR値は急激に低下し、15dB以下の値となってしまう。したがって、1種類以上の単元素、硼化物あるいは炭化物を組み合わせて添加を行なった場合においても、添加量としては1at%以上20at%以下にする必要があることがわかる。

0063

[実施例8]非磁性基体1として表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えばHOYA社製N−5ガラス基板)を用い、これを洗浄後スパッタ装置内に導入し、Ta下地層を5nm、NiFeCr配向制御層を5nm、IrMn磁区制御層を10nm、CoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層を200nm、TiCr中間膜を15nm成膜した。連続して、TbCoターゲット上にTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siあるいはそれらの硼化物,炭化物のチップを載せ、20mTorrのガス圧にて成膜を行なった。

0064

添加物の割合は、ターゲット上に載せるチップの数を変更して調整を行なった。磁気記録層の膜厚は30nm一定とした。最後にカーボンからなる保護層5nmを成膜後、真空装置から取り出した。磁気記録層6以外の成膜はすべてガス圧5mTorr下でDCマグネトロンスパッタリング法により行なった。その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑剤層2nmでディップ法により形成し、垂直磁気記録媒体とした。

0065

上述した方法で、磁気記録層6に添加する添加物の種類並びに割合を種々変化させて、垂直磁気記録媒体を作製した。磁気特性は、磁化曲線を振動試料型磁力計にて測定して算出した。上述した実施例に示した方法にて全層成膜した垂直磁気記録媒体の電磁変換特性は、スピンスタンドテスターを用いMRヘッドにより測定を行なった。

0066

実施例8の方法にて作製した垂直磁気記録媒体と実施例1の方法にて作製した垂直磁気記録媒体において、磁気特性並びにSNRに関しては、特に差異は認められなかった。

0067

実施例8に示した垂直磁気記録媒体のスピンスタンドテスターによる1周分の出力波形図3に示した。比較例として、下地層並びに磁区制御層を付与していない実施例1に示した垂直磁気記録媒体の出力波形も図中に示した。下地層並びに磁区制御層がない場合には、全周に渡り不均一にスパイクノイズが発生してい。これに対し、下地層並びに磁区制御層を付与することにより、全くスパイクノイズは発生していないことが分かる。これは、下地層並びに磁区制御層を付与することにより、軟磁性裏打ち層に磁壁が形成されないためである。

発明の効果

0068

以上述べたように本発明によれば、非磁性基体上に、少なくとも軟磁性裏打ち層と中間層と磁気記録層と保護層及び液体潤滑剤層が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、磁気記録層が、希土類−遷移金属合金非晶質膜により構成され、希土類−遷移金属合金非晶質膜中に少なくとも1種類以上のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,B,Al,C,Siあるいはそれらの硼化物、炭化物が含まれ、かつその存在形態が、希土類−遷移金属合金非晶質膜中に均一に分散しているので、添加を行わずに作製した場合に比較して、高記録密度において非常に良好な特性を得ることが出来る。添加する単元素あるいはそれらの硼化物,炭化物の濃度は1%以上20%以下にする必要があり、1種類以上の添加物を同時に添加しても良好な特性を示す垂直磁気記録媒体を作製することが出来る。

0069

また、非磁性基体と軟磁性裏打ち層の間に、1層あるいは複数層の下地層並びに軟磁性裏打ち層の磁区制御を目的とした反強磁性層を付与することにより、軟磁性層の磁壁形成に起因するスパイクノイズを完全に抑制する事が出来、垂直磁気記録媒体の実用化にあたって非常に好ましい。

0070

さらに、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、既存の製造装置を用いて行なう事が出来るため、大容量磁気記録媒体の大量生産にも適する方法である。

図面の簡単な説明

0071

図1本発明の垂直磁気記録媒体の一実施例を示す断面模式図である。
図2本発明における垂直磁気記録媒体の他の実施例を示す断面模式図である。
図3本発明の実施例を説明するためのもので、実施例8において作製した垂直磁気記録媒体と実施例1において作製した垂直磁気記録媒体のスピンスタンドテスターによる1周分の出力波形を示した図である。

--

0072

1非磁性基体
2下地層
3磁区制御層
4軟磁性裏打ち層
5 中間層
6磁気記録層
7 保護層
8 液体潤滑剤層

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