図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2003年3月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

ウエル微小化が容易でウエル表面を親水性化して生体成分吸着を低く抑えたマイクロプレート、逆に疎水性化して、抗原等の標的タンパク質を吸着または共有結合させることができる表面としたマイクロプレート、更に、親水性ウエル底部と疎水性ウエル壁部を持つ水溶液が外部に溢れにくいマイクロプレート等の種々の物性を有するマイクロプレート及びその簡便な製造方法を提供する。

解決手段

試料収納用凹部であるウエルが基材上に多数配列して設けられ、前記ウエルの壁部と底部の少なくとも一つが活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成ることを特徴とするマイクロプレート。

概要

背景

医学特に診断分野製薬及びバイオ分野では、96穴マイクロプレートの様なマイクロプレートを使用した反応と分析が多く行われている。近年、より高価な試薬(例えばDNA)等による診断出現や、検出器機の精度向上、反応と分析の時間短縮のために、使用される機器並びに試薬量微小化されてきた。それに伴い、反応と分析用容器としてのマイクロプレートの微小化及びマイクロプレートへの生体成分吸着防止が必要になってきた。

しかしながら、現在使用されているマイクロプレートは、射出成形で製造された96穴型、384穴型及び1536穴型の3種類のものである。使用されるポリマーは主にポリスチレンポリカーボネートのような熱可塑性樹脂であり、これらの樹脂疎水性で、タンパクなどの生体成分に対する吸着性が強いという欠点を有している。

一方、ウエル底部の直径を0.5mm以下にするマイクロプレートの微小化に関しては、従来の射出成形法による製造では限界であり、また、ウエル内表面への官能基付与などによる生体成分の低吸着型のマイクロプレートや、ウエルの底部が親水性で壁部が疎水性のような底部と壁部の表面物性が異なるマイクロプレートを製造することは、熱可塑性樹脂を用いた従来の射出成型法では製造が困難であった。

概要

ウエルの微小化が容易でウエル表面を親水性化して生体成分の吸着を低く抑えたマイクロプレート、逆に疎水性化して、抗原等の標的タンパク質を吸着または共有結合させることができる表面としたマイクロプレート、更に、親水性のウエル底部と疎水性のウエル壁部を持つ水溶液が外部に溢れにくいマイクロプレート等の種々の物性を有するマイクロプレート及びその簡便な製造方法を提供する。

試料収納用凹部であるウエルが基材上に多数配列して設けられ、前記ウエルの壁部と底部の少なくとも一つが活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成ることを特徴とするマイクロプレート。

目的

従って、本発明が解決しようとする課題は、試料収納凹部であるウエルの微小化が容易で、ウエル表面を親水性化して生体成分の吸着を低く抑えたマイクロプレート、逆に疎水性化して、抗原等の標的タンパク質を吸着または共有結合させることができる表面としたマイクロプレート、更に、親水性のウエル底部と疎水性のウエル壁部を持つ水溶液が外部に溢れにくいマイクロプレート等の種々の物性を有するマイクロプレート及びその簡便な製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

試料収納用凹部であるウエル基材上に多数配列して設けられ、前記ウエルの壁部と底部の少なくとも一つが活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成ることを特徴とするマイクロプレート

請求項2

基材がガラス熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性樹脂から成る群から選ばれる素材から成るシートである請求項1に記載のマイクロプレート。

請求項3

基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成る層を有し、ウエルの壁部が前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成る請求項1または2に記載のマイクロプレート。

請求項4

基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成る層を有し、ウエルの壁部が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成り、ウエルの底部が(A)と同一もしくは異なる組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物から成る請求項1または2に記載のマイクロプレート。

請求項5

ガラスから成る基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成る層を有し、ウエルの底部が前記基材のガラスで形成され、ウエルの壁部が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成る請求項1または2に記載のマイクロプレート。

請求項6

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)が、その硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)から成る請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロプレート。

請求項7

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)が、その硬化物が親水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)から成る請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロプレート。

請求項8

ウエルの壁部が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)の疎水性の硬化物から成り、ウエルの底部が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)の親水性の硬化物から成る請求項4に記載のマイクロプレート。

請求項9

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)が両親媒性活性エネルギー線重合性化合物を含む請求項1,2,3,4,5,7及び8のいずれか1項に記載のマイクロプレート。

請求項10

下記の工程を含む、試料収納用凹部であるウエルが基材上に多数配列して設けられたマイクロプレートの製造方法。(1)活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を基材上に塗布または印刷して基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)から成る樹脂層(B1)を形成する第1工程と、(2)前記樹脂層(B1)上にパターン化したマスクをのせて活性エネルギー線照射し、ウエルとなる部分以外の樹脂層を硬化させ、次いで未硬化の樹脂層を除去してウエルを形成させる第2工程。

請求項11

基材がガラス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性樹脂から成る群から選ばれる素材から成るシートである請求項10に記載のマイクロプレートの製造方法。

請求項12

下記の工程を含む、試料収納用凹部であるウエルが基材上に多数配列して設けられたマイクロプレートの製造方法。(1)活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を基材上に塗布または印刷して、基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)から成る樹脂層(B1)を形成する第1工程、(2)前記樹脂層(B1)にエネルギー線を照射して、前記樹脂層(B1)を半硬化させる第2工程、(3)半硬化させた前記樹脂層(B1)上に前記樹脂層(B1)の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)と同一もしくは異なる組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布または印刷し、半硬化させた前記樹脂層(B1)上に更に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から成る樹脂層(B2)を形成する第3工程、及び、(4)前記樹脂層(B2)上にパターン化したマスクをのせて活性エネルギー線を照射してウエルとなる部分以外の樹脂層を硬化させ、次いで未硬化の樹脂層を除去してウエルを形成させる第4工程。

請求項13

基材がガラス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性樹脂から成る群から選ばれる素材から成るシートである請求項12に記載のマイクロプレートの製造方法。

請求項14

樹脂層(B1)を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)が、その硬化物が親水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)であり、樹脂層(B2)を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)がその硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)から成る請求項12または13に記載のマイクロプレートの製造方法。

請求項15

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)が両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物を含む請求項10〜14のいずれか1項に記載のマイクロプレートの製造方法。

請求項16

樹脂層(B1)が、その硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)から成り、前記樹脂層(B1)を半硬化させる際に、前記半硬化を親水性の活性エネルギー線重合性化合物の水溶液中で活性エネルギー線照射により行うことにより、前記樹脂層(B1)の前記水溶液との接触側の表面を親水性化する請求項12または13に記載のマイクロプレートの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、抗原抗体反応酵素反応、DNAの反応や分析、その他の化学生化学量反応、並びに反応生成物定性的または定量的な測定に使用されるマイクロプレート及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

医学特に診断分野製薬及びバイオ分野では、96穴マイクロプレートの様なマイクロプレートを使用した反応と分析が多く行われている。近年、より高価な試薬(例えばDNA)等による診断出現や、検出器機の精度向上、反応と分析の時間短縮のために、使用される機器並びに試薬量微小化されてきた。それに伴い、反応と分析用容器としてのマイクロプレートの微小化及びマイクロプレートへの生体成分吸着防止が必要になってきた。

0003

しかしながら、現在使用されているマイクロプレートは、射出成形で製造された96穴型、384穴型及び1536穴型の3種類のものである。使用されるポリマーは主にポリスチレンポリカーボネートのような熱可塑性樹脂であり、これらの樹脂疎水性で、タンパクなどの生体成分に対する吸着性が強いという欠点を有している。

0004

一方、ウエル底部の直径を0.5mm以下にするマイクロプレートの微小化に関しては、従来の射出成形法による製造では限界であり、また、ウエル内表面への官能基付与などによる生体成分の低吸着型のマイクロプレートや、ウエルの底部が親水性で壁部が疎水性のような底部と壁部の表面物性が異なるマイクロプレートを製造することは、熱可塑性樹脂を用いた従来の射出成型法では製造が困難であった。

発明が解決しようとする課題

0005

従って、本発明が解決しようとする課題は、試料収納凹部であるウエルの微小化が容易で、ウエル表面を親水性化して生体成分の吸着を低く抑えたマイクロプレート、逆に疎水性化して、抗原等の標的タンパク質を吸着または共有結合させることができる表面としたマイクロプレート、更に、親水性のウエル底部と疎水性のウエル壁部を持つ水溶液が外部に溢れにくいマイクロプレート等の種々の物性を有するマイクロプレート及びその簡便な製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、基材上に試料収納用凹部であるウエルが多数配列して設けられたマイクロプレートを、ウエルの壁部と底部の少なくとも一つを活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物で構成し、更に用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の種類を選択することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0007

即ち、本発明は、試料収納用凹部であるウエルが基材上に多数配列して設けられ、前記ウエルの壁部と底部の少なくとも一つが活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物から成ることを特徴とするマイクロプレートを提供する。

0008

本発明は、下記の工程を含む、試料収納用凹部であるウエルが基材上に多数配列して設けられたマイクロプレートの製造方法を提供する。
(1)活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を基材上に塗布または印刷して基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)から成る樹脂層(B1)を形成する第1工程と、(2)前記樹脂層(B1)上にパターン化したマスクをのせて活性エネルギー線照射し、ウエルとなる部分以外の樹脂層を硬化させ、次いで未硬化の樹脂層を除去してウエルを形成させる第2工程。

0009

更に本発明は、下記の工程を含む、試料収納用凹部であるウエルが基材上に多数配列して設けられたマイクロプレートの製造方法をも提供する。
(1)活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を基材上に塗布または印刷して、基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)から成る樹脂層(B1)を形成する第1工程、(2)前記樹脂層(B1)にエネルギー線を照射して、前記樹脂層(B1)を半硬化させる第2工程、

0010

(3)半硬化させた前記樹脂層(B1)上に前記樹脂層(B1)の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)と同一もしくは異なる組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布または印刷し、半硬化させた前記樹脂層(B1)上に更に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から成る樹脂層(B2)を形成する第3工程、及び、(4)前記樹脂層(B2)上にパターン化したマスクをのせて活性エネルギー線を照射してウエルとなる部分以外の樹脂層を硬化させ、次いで未硬化の樹脂層を除去してウエルを形成させる第4工程。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明に用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)は、紫外線可視光赤外線の如き活性エネルギー線の照射により重合し、硬化物となる活性エネルギー線重合性化合物を含むものであれば良く、これら活性エネルギー線重合性化合物はラジカル重合性化合物アニオン重合性化合物カチオン重合性化合物などのいずれであっても良い。

0012

これらの活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば、分子内に、ビニル基ビニリデン基アクリロイル基メタクリロイル基[以下併せて(メタ)アクリロイル基と称する。(メタ)アクリル、(メタ)アクリレート等についても同様である]、マレイミド基などを有する化合物が挙げられるが、これらの中でも活性エネルギー線の照射による重合速度が早いことから、(メタ)アクリレートが好ましい。

0013

上記の活性エネルギー線重合性化合物は親水性の重合性化合物と疎水性の重合性化合物、及び両親媒性の重合性化合物の3種類に分けることができる。ここで言う親水性とは上記の重合性化合物の硬化物が水との接触角が約55°以下の重合性化合物であることをいい、また、疎水性とは、その硬化物が水との接触角が約55°を越える重合性化合物のことを言う。

0014

1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する疎水性の重合性化合物(以下、単官能化合物という)としては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルプロピルトリス(トリメチルシロキシシラン等が挙げられる。

0015

1分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有する疎水性の重合性化合物(以下、2官能化合物という)として、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノメタクリレート

0016

2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニルプロパン2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロイルオキシエチルヒドロキシエチルイソシアネートフェニルグリシジルエーテルアクリレートトリレンジイソシアネートアジピン酸ジビニル等が挙げられる。

0017

1分子中に3個の(メタ)アクリロイル基を有する疎水性の重合性化合物(以下、3官能化合物という)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0018

1分子中に4個の(メタ)アクリロイル基を有する疎水性の重合性化合物(以下、4官能化合物という)として、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。また、1分子中に5個の(メタ)アクリロイル基を有する疎水性の重合性化合物(以下、5官能化合物という)として、例えば、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0019

1分子中に6個の(メタ)アクリロイル基を有する疎水性の重合性化合物(以下、6官能化合物という)として、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。また、疎水性の重合性化合物として、ビスフェノールA−ジエポキシ−(メタ)アクリル酸付加物の如きエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステルポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリル基を有するポリウレタン樹脂なども挙げられる。これら疎水性の活性エネルギー線重合性化合物は、単独で用いることも、2種以上の化合物を混合して用いることもできる。

0020

一方、親水性の活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの如きポリエチレングリコール親水鎖を有する重合性化合物や、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチレンビス(メタ)アクリルアミドの如きアミド基を有する(メタ)アクリレートや、

0021

(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸ナトリウムスルホン酸ナトリウム2−メチルプロパン−2−アクリルアミドの如き陰イオンを有する(メタ)アクリレートや、トリ−ブチル{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}ホスホニウムクロライドジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物の如き陽イオンを有する(メタ)アクリレートや、

0022

2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシエチル琥珀酸、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレートの如きカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートや、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如き水酸基を有する(メタ)アクリレートや、

0023

モノ{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシッドホスフェート[CH2=C(R)COOCH2CH2OPO(OH)2、ここで、R=H、−CH3]、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジヒドロジエンホスフェート[CH2=C(R)COO(CH2)10OPO(OH)2、ここで、R=H、−CH3]、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルリン酸[CH2=C(R)COOCH2CH2OPO(OH)OC6H5、ここで、R=H、CH3]の如きリン酸(メタ)アクリレートや、糖(メタ)アクリレート及びアミノ酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの親水性重合性化合物は、単独で用いることも、2種以上の化合物を混合して用いることもできる。

0024

更に、本発明に用いる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)に両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物を含有させることにより、マイクロプレートのウエル表面に親水性を付与することが出来る。ここで言う両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物とは、分子内に親水基疎水基の両方を含有し、活性エネルギー線の照射により、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)に含有される活性エネルギー線重合性化合物と共重合することが可能な重合性官能基を有するものである。

0025

両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物が有する親水基としては、例えば、アミノ基、四級アンモニウム基フォスフォニウム基の如きカチオン基スルホン基燐酸基、カルボキシル基の如きアニオン基;水酸基、ポリエチレングリコール鎖、アミド基の如きノニオン基または重合鎖;アミノ酸の如き両性イオン基等が挙げられる。中でも、本発明に用いる両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物が有する親水基としては、窒素雰囲気中での重合による親水性付与の点から、ポリエーテル鎖、特に繰り返し数6〜20のポリエチレングリコール鎖を有する化合物が好ましい。

0026

一方、両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物の疎水基としては、例えば、アルキル基アルキレン基アルキルフェニル基長鎖アルコキシ基、フッ素置換アルキル基シロキサン基などが挙げられる。中でも、本発明に用いる両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物は、疎水基としては、炭素数6〜20のアルキル基またはアルキレン基を有する化合物であることが好ましい。炭素数6〜20のアルキル基またはアルキレン基は、例えば、アルキルフェニル基、アルキルフェノキシ基アルコキシ基フェニルアルキル基などの形で含有されていてもよい。

0027

本発明に使用する両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物は、中でも、親水基として繰り返し数6〜20のポリエチレングリコール鎖を有し、且つ、疎水基として炭素原子数6〜20のアルキル基またはアルキレン基を有する化合物であることが好ましい。これら両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物の中でも、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(n=8〜17)(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(n=8〜17)(メタ)アクリレートが特に好ましい。

0028

これらの両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物を活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)に含有させることにより、該樹脂組成物を窒素雰囲気中で重合させても、良好な親水性かつ低タンパク吸着性の樹脂硬化物表面が得られるので好ましい。

0029

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)に含有させる両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物と(メタ)アクリレート等の他の活性エネルギー線重合性化合物との好ましい割合は、両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物及び他の活性エネルギー線重合性化合物の種類によって異なるが、(メタ)アクリレートを含む他の活性エネルギー線重合性化合物1重量部に対して、両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物を0.1重量部以上含むことが好ましく、0.2重量部以上であることが更に好ましい。0.1重量部未満であると、高い親水性の表面を形成することが困難となる。

0030

また、両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物が(メタ)アクリレートを含む他の活性エネルギー線重合性化合物1重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、3重量部以下であることが更に好ましい。5重量部よりも多い場合は、水に対して膨潤性になりがちである。

0031

本発明のマイクロプレートは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の架橋重合体からなることにより、耐溶剤性耐熱性などの特性が向上し、好ましい。ここで言う架橋重合体とは、2官能以上の活性エネルギー線重合性化合物を使用することにより、架橋重合による硬化物(重合体)の生成と同時にマイクロプレートの構造が形成され、新たな成形加工が不要なものである。

0032

また、マイクロプレートに機能性(特に抗原などのタンパク質との高吸着性または高結合性等)を付与できる活性エネルギー線重合性化合物として、例えば、アクロレインの如きアルデヒド基を有する(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリロイルクロライドの如き(メタ)アクリレートの酸ハロゲン化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートの如きイソシアナト基(−NCO)を有する(メタ)アクリレートや、グリシジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0033

これらの活性エネルギー線重合性化合物は、単独、あるいは2種以上の活性エネルギー線重合性化合物または上記の疎水性の活性エネルギー線重合性化合物、または親水性の活性エネルギー線重合性化合物と混合して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)に用いることができる。

0034

本発明が提供できるマイクロプレートのウエル横断面の形状は特に限定されないが、例えば、円形楕円形三角形正方形長方形六角形などの形状が挙げられる。中でも洗浄のしやすさや底面積の大きさより、円形や正方形以上の多角形の方が好ましい。また、本発明が提供できるマイクロプレートのウエル底部面積も特に限定されないが、反応・分析に使用される場合の操作性の観点から、7×10−5mm2〜38mm2であることが好ましく、試薬量の微量化の観点から、ウエル底部面積が7×10−5mm2〜0.1mm2であることが更に好ましい。

0035

ウエル内の試料の洗浄性やウエル内の乾燥性、及びウエル底部への透過光を利用する測定の観点から、本発明のマイクロプレートのウエルの底部/側壁部の面積比は0.005〜10であることが好ましく、0.05〜1であることが更に好ましい。

0036

本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物からなるマイクロプレートは一般に透明であるが、特にウエル底部が透明であるものは、透過光を利用する測定に利用できるためにより好ましい。具体的には、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物からなるマイクロプレートのウエル底部の全光透過率が70%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。

0037

更に、ウエルとウエルの間の距離も特には限定されないが、操作性の点から、ウエルの直径(ウエル形状が円以外の場合は同一底面積の円の直径とする)/ウエルの中心間距離ピッチ)の比が0.01〜0.5であることが好ましく、0.1〜0.3であることが更に好ましい。

0038

本発明の製造方法に使用される基材の素材は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)と同じ素材であっても良いし、異なる素材であっても良い。マイクロプレートと異なる素材としては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物との接着性が良ければ特に限定されず、金属、ガラス、不織布、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性樹脂からなる群から選ばれる素材から成るシートであれば良い。

0039

例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル酢酸ビニルポリプロビレンポリスルホンなどの熱可塑性樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂ポリエステル系樹脂アミノ樹脂フェノール樹脂、ガラス(特に無蛍光ガラス)、不織布、金属等が挙げられる。

0040

また、本発明のマイクロプレートは、ウエルの壁部と底部の素材を組み合わせることにより、下記のような種々のマイクロプレートを製造することが出来る。
(1)ウエル壁部が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物からなり、ウエル底部も活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物からなるもの。
(2)ウエル壁部が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物からなり、ウエル底部は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)と異なる組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなるもの。

0041

(3)ウエル壁部が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の硬化物からなり、ウエル底部は他の基材(例えばガラス)からなるもの。
(4)ウエル壁部も底部も、その硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)の硬化物からなるもの。
(5)ウエル壁部も底部も、その硬化物が親水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)の硬化物からなるもの。

0042

(6)ウエル壁部は、その硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)の硬化物からなり、ウエル底部は、その硬化物が親水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)の硬化物からなるもの等が挙げられる。

0043

その硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)は、(A1)の硬化物の水との接触角が55°を越える活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であり、その成分として、上記の疎水性の活性エネルギー線重合性化合物を含むもので、更に該疎水性の活性エネルギー線重合性化合物の種類によって、その他の活性エネルギー線重合性化合物、例えば親水性の活性エネルギー線重合性化合物や両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物を含有させてもよいが、得られた組成物の硬化物の水接触角が55°を越えるものであればよい。

0044

一方、その硬化物が親水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)とは、その硬化物の水との接触角が55°以下である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。その成分として、上記した親水性の活性エネルギー線重合性化合物を含むもので、更に該親水性の重合性化合物の種類により、その他の重合性化合物、例えば疎水性の活性エネルギー線重合性化合物、両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物を含有させてもよいが、得られた硬化物の水との接触角が55°以下になるものであればよい。

0045

換言すれば、用途に応じて、その硬化物が疎水性の活性エネルギー線重合性化合物、親水性の活性エネルギー線重合性化合物及び両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物を種類と含有割合とを調整することにより、得られるマイクロプレートの表面の親水性と疎水性とを任意に調整することが出来る。

0046

例えば、マイクロプレートのウエルの容積が小さくなるにつれ、ウエル内の液が溢れ易くなり、隣接するウエル間での汚染が発生しやすくなるが、ウエル底部を親水性表面にし、その他の部分を疎水性にすることにより、ウエル内から液が溢れにくくなり、隣接のウエルを汚染しにくくなる。上述した(1)〜(4)及び(6)のマイクロプレートがこの用途に特に適している。

0047

また、上記(5)のマイクロプレートはウエル壁部も底部も親水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)の硬化物からなるマイクロプレートであるが、このようなマイクロプレートを用いると、タンパク質、酵素等の生体成分に対する吸着性が低くなり、測定の感度再現性が向上して好ましい。

0048

本発明のマイクロプレートの製造方法は大きく分けて二つある。第一の製造方法は、(1)活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を基材上に塗布または印刷して基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)から成る樹脂層(B1)を形成する第1工程と、(2)前記樹脂層(B1)上にパターン化したマスクをのせて活性エネルギー線を照射し、ウエルとなる部分以外の樹脂層(B1)を硬化させ、次いで未硬化の樹脂層(B1)を除去してウエルを形成させる第2工程とからなるマイクロプレートの製造方法である。

0049

本発明の製造方法に使用される活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)、両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物については、上記マイクロプレートの説明に述べられたものと同じものであるので、ここでは説明を省略する。

0050

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の塗布方法(樹脂層(B1)の形成方法)は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)が塗膜状に形成できれば良く、特に限定されない。例えばコーターによる塗布方法や、基材を活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)に浸漬する塗布方法、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の基材へのスプレーによる塗布方法、及びスピンコーターによる塗布方法などが挙げられる。操作の簡便さから、コーターによる塗布方法が好ましい。

0051

また、印刷はウエルの浅いマイクロプレートの製造に特に有効である。印刷方法としては特に限定されないが、例えばスクリーン印刷グラビア印刷スタンプ印刷等の印刷方法が挙げられる。

0052

本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を硬化させるために活性エネルギー線を照射する方法は任意であり、例えば、照射不要部分をマスキングして照射する、或いはレーザーなどの活性エネルギー線のビーム走査する、照射部分のみに焦点を結ばせる等のフォトリソグラフの手法が利用できる。

0053

その他に、いわゆる光造形法によっても製造できる。即ち、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)からなる樹脂層(B1)にエネルギー線をパターニング照射し、未照射部分の未硬化の樹脂層(B1)を除去すること無く、その上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の第2層を置き(或いは活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の液面下に、第2層の厚みとなる深さだけ第1層を沈め)第2層にエネルギー線をパターニング照射し、この工程を繰り返す方法を採ることも出来る。

0054

この際、パターニング照射した活性エネルギー線が表面層のみを硬化させ、下の層の非照射部を硬化させないようにするためには、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の活性エネルギー線吸収率を高くして下層に届かないようにする方法、吸収されやすいエネルギー線、例えば電子線を用いる方法、口径比の大きい光学系を使用して表面層にのみ焦点を合わせる方法、2光子過程で硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を使用する、などにより実施できる。この場合も、活性エネルギー線照射は、パターニング照射法であっても、活性エネルギー線走査法によっても良い。

0055

未硬化の樹脂層(B1)の除去が必要な場合は、その除去方法として例えば、物理的な除去や、水や水溶液または溶剤洗浄による除去、または物理的な除去の後、溶剤洗浄による除去などが挙げられる。洗浄後、必要に応じ、更に活性エネルギー線照射などによる再硬化を行っても良い。

0056

本発明の製造方法に使用される基材としては、マイクロプレートと同じ素材である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)であっても良いし、異なる素材であっても良い。また、基材として、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)と同じ組成のもの、または違う組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を上記の基材に塗布して、活性エネルギー線の照射により、硬化または半硬化物を形成させて用いても良い。

0057

基材に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)と同じ組成のもの、または違う組成の樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線照射などによる硬化または半硬化は、窒素雰囲気中で行っても良いし、親水性重合性化合物の水溶液中で行っても良い。

0058

その硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)を、親水性の活性エネルギー線重合性化合物(例えば、親水基を有する(メタ)アクリレート)の水溶液中で半硬化(本発明の第二の製造方法)または硬化を行うと、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)の硬化物の表面に親水性の活性エネルギー線重合性化合物がグラフト重合し、硬化物もしくは半硬化物の表面が親水性のものが得られる。

0059

従って、親水性の活性エネルギー線重合性化合物により親水性化した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)の硬化物の上に更に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を塗布し、ウエル部以外の部分を活性エネルギー線照射によって硬化させた後、未重合の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を除去すると、ウエル底部が親水性化されたマイクロプレートを得ることが出来る。

0060

親水性の活性エネルギー線重合性化合物の水溶液中での硬化または半硬化は、疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)の硬化物の表面のみに親水性の活性エネルギー線重合性化合物をグラフト重合できる特徴を有する。硬化物が疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)の硬化物の表面にグラフト重合させる親水性の活性エネルギー線重合性化合物の量は、水溶液中の親水性の活性エネルギー線重合性化合物の濃度や疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)中の重合開始剤含有量、及び硬化温度を変えることにより調整することが出来る。

0061

親水性の活性エネルギー線重合性化合物の水溶液中の濃度は1〜20重量%が好ましく、5〜15重量%が更に好ましい。また、硬化物が疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)中の重合開始剤の含有量は0.1重量%〜5重量%が好ましく、1〜5重量%が更に好ましい。更に、親水性の活性エネルギー線重合性化合物の水溶液中に界面活性剤を添加すると、親水性の活性エネルギー線重合性化合物が疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)とより馴染みやすく、より親水性の高い表面が得られるので好ましい。

0062

そのような界面活性剤は、親水性の活性エネルギー線重合性化合物の水溶液に溶解するものであれば良く、例えば、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコールモノーパラノニルフェニルエーテルの如き非イオン性界面活性剤などが挙げられる。親水性の重合性化合物の水溶液中の界面活性剤濃度は0.1重量%〜15重量%が好ましく、0.5重量%〜5重量%が更に好ましい。

0063

上記の硬化物が疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)を親水性の活性エネルギー線重合性化合物の水溶液中で硬化または半硬化させる方法は、疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)に親水性の活性エネルギー線重合性化合物を含有させて基材に塗布し、空気中または窒素雰囲気中で硬化または半硬化させる方法に比べて、硬化物内部に親水性の重合性化合物が存在しない為に、膨潤や強度低下が起こらない利点を有する。

0064

本発明の第二の製造方法は、(1)活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を基材上に塗布または印刷して、基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)から成る樹脂層(B1)を形成する第1工程と、(2)前記樹脂層(B1)にエネルギー線を照射して、前記樹脂層(B1)を半硬化させる第2工程と、

0065

(3)半硬化させた前記樹脂層(B1)上に前記樹脂層(B1)の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)と同一もしくは異なる組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布または印刷し、半硬化させた前記樹脂層(B1)上に更に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から成る樹脂層(B2)を形成する第3工程と、及び、(4)前記樹脂層(B2)上にパターン化したマスクをのせて活性エネルギー線を照射して、ウエルとなる部分以外の樹脂層を硬化させ、次いで未硬化の樹脂層を除去してウエルを形成させる第4工程とからなるマイクロプレートの製造方法である。

0066

本発明の第二の製造方法で使用される活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)、両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物、基材、及び活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の塗布方法及び印刷方法については、上記マイクロプレートの説明に述べられたものと同じものであるので、ここでは説明を省略する。

0067

本発明の第2の製造方法は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の粘度が低い場合、またはウエルの壁部とウエルの底部が同じ素材、または異なる素材、特にウエルの壁部が疎水性で、ウエルの底部が親水性のマイクロプレートの製造に特に有効である。

0068

例えば、ウエルの壁部が疎水性で、ウエルの底部が親水性のマイクロプレートを製造するには、上記第2の製造方法において、樹脂層(B1)を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)として、硬化物が親水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)を、また樹脂層(B2)を構成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)として、硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)を用いれば良い。更に必要に応じて各組成物に両親媒性の重合性化合物を添加しても良い。

0069

本発明の第2の製造方法において、活性エネルギー線などによる樹脂層(B1)の半硬化(第2工程)は、基材に塗布された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の流動性がなくなる程度で良い。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)の粘度が低い場合は、(A)からなる樹脂層(B1)の上に更に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を塗布して樹脂層(B2)を形成させた時に、樹脂層(B1)の形状を維持しにくい場合がある。このような場合、樹脂層(B1)を予め活性エネルギー線で半硬化させてから、該半硬化した樹脂層(B1)の表面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)を塗布または印刷した方が樹脂層(B1)及び(B2)の平滑性が向上するので好ましい。

0070

樹脂層(B1)と樹脂層(B2)の硬化物間の接着性を十分に保つ為、樹脂層(B1)表面に重合性不飽和二重結合残留している程度に半硬化を止める必要があるが、この最適条件は簡単な実験により求めることが出来る。半硬化は窒素雰囲気中において短時間で行うことも出来るが、重合阻害を受けやすい空気中で短時間不完全硬化させる方法が好ましい。

0071

本発明の第二の製造方法において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)に親水性の活性エネルギー線重合性化合物を併用することにより、マイクロプレートに親水性を付与することが出来る。そのような親水性の活性エネルギー線重合性化合物は、先に述べた親水性の活性エネルギー線重合性化合物と同じものであるので、ここでは説明を省略する。

0072

また、樹脂層(B1)の半硬化は親水性の活性エネルギー線重合性化合物の水溶液中で行っても良い。硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)から形成した樹脂層(B1)を親水性の活性エネルギー線重合性化合物(例えば、親水基を有する(メタ)アクリレート)の水溶液中で半硬化を行うと、樹脂層(B1)の半硬化物の表面に親水性重合性化合物がグラフト重合され、表面が親水性化されたものが得られる。

0073

樹脂層(B1)の半硬化物表面にグラフト重合させる親水性の活性エネルギー線重合性化合物の量は、水溶液中の親水性の活性エネルギー線重合性化合物の濃度、疎水性の活性エネルギー線樹脂組成物(A1)中の重合開始剤の含有量および硬化温度などにより調整することが出来る。ここで用いる親水性の活性エネルギー線重合性化合物の種類、添加しても良い界面活性剤の種類は先に述べたものと同様であり、ここでの記載は省略する。

0074

用いる親水性の活性エネルギー線重合性化合物の水溶液中の親水性の活性エネルギー線重合性化合物濃度は1〜20重量%が好ましく、5〜15重量%が更に好ましい。また、硬化物が疎水性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)中の重合開始剤の含有量は0.1重量%〜5重量%が好ましく、1〜5重量%が更に好ましい。また親水性の重合性化合物の水溶液中の界面活性剤濃度は0.1重量%〜15重量%が好ましく、0.5重量%〜5重量%が更に好ましい。

0075

本発明に用いられる重合方法生産効率などの面から、活性エネルギー線(例えば電子線、γ線X線、紫外線、可視光線等)を用いることが好ましい。これらの中でも、装置及び取扱いの簡便さから紫外線を用いることが更に望ましい。照射する紫外線の強度は、10〜500mW/cm2 (100〜5000W/m2 )の範囲が好ましく、照射時間は、0.1〜180秒の範囲が好ましい。

0076

エネルギー線として紫外線や可視光線を用いる場合、重合速度を速める目的で、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)に光重合開始剤を含有させることもできる。また、紫外線の照射を不活性ガス雰囲気下で行うことによって、更に重合速度を速めることができる。電子線もまた本発明に用いることのできる好ましいエネルギー線である。電子線を用いると、添加剤(例えば増粘剤増白剤抗菌剤)などの紫外線吸収の影響を受けないため、これらの選択の幅が広がると共に、製造速度も向上する。

0077

本発明で使用する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)には、例えば、重合開始剤、重合遅延剤重合禁止剤溶剤、増粘剤、消泡剤紫外線吸収剤浸透剤pH調整剤、塩、顔料染料等の着色剤、界面活性剤、耐水化剤、ポリマー、無機物シリカアルミナ等)、酸、アルカリ防黴剤、抗菌剤等のその他成分を溶解または分散した状態で含有させることもできる。

0078

本発明で使用する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)に混合することができる紫外線重合開始剤としては、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル1−フェニルプロパン−1−オンの如きアセトフェノン類ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンの如きケトン類

0079

ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの如きベンゾインエーテル類ベンジルジメチルケタールヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベンジルケタール類、などが挙げられる。また、開始剤の代わりに、マレイミド化合物の如きマイクロプレート成分に組み込まれ、かつ、開始剤としての機能を有する化合物を用いても良い。

0080

活性エネルギー線として可視光や紫外線等を使用する場合には、パターニング精度を向上させるために、重合遅延剤及び/または重合禁止剤と光重合開始剤を併用することが好ましい。重合遅延剤や重合禁止剤としては、α−メチルスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどのエネルギー線重合性化合物としては重合速度の低いビニル系モノマー;tert−ブチルフェノールなどのヒンダンフェノール類などが挙げられる。

0081

以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、「部」は特に断りのない限り「重量部」を表わす。

0082

[実施例1]
(疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)1の調製)疎水性アクリレートとして、「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製の1分子内に平均して3個のアクリル基を有するウレタンアクリレート)59.5部、「ニューフロンティアDDA」(第一工業製薬株式会社製のヘキサンジオールジアクリレート)40部、重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(和光純薬工業株式会社製)0.5部、紫外線重合開始剤として「イルガキュアー184」(日本チバガイギー社製)5部を均一に混合して、疎水性樹脂組成物(A1)1を得た。

0083

(マイクロプレート1の作製)厚さ2mmのガラス板周りシリコーンゴムで厚さ1mm、50mm角四角い囲いを作って、その中に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)1を流し込んで樹脂層(B1)を形成し、該樹脂層(B1)の上に厚さ50μmのポリプロピレン製フィルムを載せて、更にその上に直径3mmの円形状が3個×3個、6mmのピッチ(円の中心間距離)で配列されているポリエチレンテレフタレート製マスクを載せて、メタルハライドランプにより波長360nmの強度が80mW/cm2(800W/m2)の紫外線(垂直光)を15秒間照射した。

0084

照射後、マスク及びポリプロピレンフィルムを取り除いて、エタノールで未硬化部分の樹脂層(B1)を除去して、自然乾燥させて、透明なマイクロプレート1を得た。マイクロプレート1を顕微鏡で観察した結果、ウエルが直径約3mmの円筒状になっており、ピッチ(円の中心間距離)が約6mm、ウエルの深さが約0.9mmであった。このマイクロプレート1はウエル底部がガラスで出来ており、ウエルの寸法から体積は約6.4μlであった。

0085

ウエル底部の親水性を測定する為、上記の厚さ2mmのガラス板を水接触角測定に用いた。測定は協和科学株式会社製の液滴法CA−D型接触角計を用いた。測定の結果、該ガラス表面の水との接触角が約27°であった。またウエルの壁部の疎水性を測定する為、厚さ1mmのアクリル板にコーターを用いて活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)1を厚さ100μmになるように塗布し、窒素雰囲気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を60秒照射して硬化させて、水接触角の測定に用いた。測定の結果、塗膜表面の水との接触角は約71°であった。

0086

[実施例2]
(親水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)2の調製)疎水性アクリレートとして、「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製の1分子内に平均して3個のアクリル基を有するウレタンアクリレート)74.5部、「ニューフロンティアHDDA」(第一工業製薬株式会社製のヘキサンジオールジアクリレート)5部、両親媒性の活性エネルギー線重合性化合物として「ニューフロンティアN−177E」(第一工業製薬株式会社製のノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート)20部、重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(和光純薬工業株式会社製)0.5部、紫外線重合開始剤として「イルガキュアー184」(日本チバガイギー社製)5部を均一に混合して、親水性樹脂組成物(A2)2を得た。

0087

(マイクロプレート2の作製)ウエル底部の作製として、厚さ1mmのアクリル板にコーターを用いて活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)2を厚さ100μmになるように塗布し樹脂層(B1)を形成し、空気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を5秒照射し、半硬化させた。

0088

次いでウエルの壁部の作製として、この半硬化させた樹脂層(B1)の上にコーターを用いて活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)2を厚み250μmになるように塗布して樹脂層(B2)を形成し、該樹脂層(B2)の上に厚さ50μmのポリプロピレン製フィルムを載せ、更にその上に500μm角の正方形が40個×60個、700μmのピッチ(正方形の中心間距離)で格子状に配列されているポリエチレンテレフタレート製のマスクを載せて、メタルハライドランプにより波長360nm、強度が80mW/cm2(800W/m2)の紫外線(垂直光)を15秒間照射した。

0089

照射後、マスク及びポリプロピレンフィルムを取り除き、エタノールで未硬化部分の樹脂層(B2)を除去し、自然乾燥させて、ウエルの底部と壁部が親水性のマイクロプレート2を得た。マイクロプレート2を電子顕微鏡で観察した結果、ウエルが約500μm角の正方形筒状になっており、ピッチ(正方形の中心間距離)が約700μm、ウエルの深さが約200μmであった。上記のウエルの寸法から、ウエルの体積は約0.05μlであった。

0090

ウエルの底部及び壁部の親水性度合いを測定する為、厚さ1mmのアクリル板にコーターを用いて親水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)2を厚さ100μmになるように塗布し、窒素雰囲気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を60秒照射して硬化させて、水接触角の測定に用いた。測定は協和科学株式会社製の液滴法CA−D型接触角計を用いた。測定の結果、該塗膜表面の水との接触角は約10°であった。

0091

[実施例3]
(疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)3の調製)疎水性アクリレートとして、「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製の1分子内に平均して3個のアクリル基を有するウレタンアクリレート)80部、「ニューフロンティアHDDA」(第一工業製薬株式会社製のヘキサンジオールジアクリレート)19部、「ビスコート17F」(大阪有機化学工業株式会社製のヘプタデカフルオロデシルアクリレート)0.5部、重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(和光純薬工業株式会社製)0.5部、紫外線重合開始剤として「イルガキュアー184」(日本チバガイギー社製)5部を均一に混合して、疎水性の樹脂組成物(A1)3を得た。

0092

(親水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)3の調製)疎水性アクリレートとして、「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製の1分子内に平均して3個のアクリル基を有するウレタンアクリレート)75部、「ニューフロンティアHDDA」(第一工業製薬株式会社製のヘキサンジオールジアクリレート)5部、親水性アクリレートとして「ライトエステルP−2M」(共栄社化学株式会社製の2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート)5部、両親媒性の活性エネルギー線硬化性化合物として「ニューフロンティアN−177E」(第一工業製薬株式会社製のノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート)15部、紫外線重合開始剤として「イルガキュアー184」(日本チバガイギー社製)5部を均一に混合して、親水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)3を得た。

0093

(マイクロプレート3の作製)ウエル底部の作製として、厚さ2mmのガラス板にコーターを用いて親水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A2)3を厚さ100μmになるように塗布して樹脂層(B1)を形成し、空気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を2秒照射して半硬化させた。

0094

次いで、ウエルの壁部の作製として、この半硬化した樹脂層(B1)の上にコーターを用いて疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)3を厚み250μmになるように塗布して樹脂層(B2)を形成し、該樹脂層(B2)の上に厚さ50μmのポリプロピレン製フィルムを載せて、更にその上に直径500μmの円形状が40個×60個、1000μmのピッチ(円の中心間距離)で配列されているポリエチレンテレフタレート製マスクを載せて、メタルハライドランプにより波長360nm、強度80mW/cm2(800W/m2)の紫外線(垂直光)を15秒間照射した。

0095

照射後、マスク及びポリプロピレンフィルムを取り除いて、エタノールで未硬化部分の樹脂層(B2)を除去し、自然乾燥させて、ウエル底部が親水性で壁部が疎水性であるマイクロプレート3を得た。マイクロプレート3を電子顕微鏡で観察した結果、ウエル直径が約500μm、ピッチ(円の中心間距離)が約1000μm、深さが約200μmであった。ウエルの直径及び深さから、ウエルの体積は約0.04μlであった。

0096

ウエル底部の親水性を測定する為、厚さ2mmのガラス板にコーターを用いて親水性樹脂組成物(A2)3を厚さ100μmになるように塗布し、窒素雰囲気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を60秒照射して硬化させ、水接触角の測定に用いた。測定は協和科学株式会社製の液滴法CA−D型接触角計を用いた。測定の結果、該塗膜表面の水との接触角は約12°であった。

0097

一方、ウエル壁部の疎水性を測定する為に、厚さ2mmのガラス板にコーターを用いて疎水性樹脂組成物(A1)3を厚さ100μmになるように塗布し、窒素雰囲気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を60秒照射して硬化させて、水接触角の測定に用いた。測定の結果、該塗膜表面の水との接触角は約76°であった。

0098

[実施例4]
(疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)4の調製)疎水性アクリレートとして、「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製の1分子内に平均して3個のアクリル基を有するウレタンアクリレート)80部、「ニューフロンティアHDDA」(第一工業製薬株式会社製のヘキサンジオールジアクリレート)19.5部、重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(和光純薬工業株式会社製)0.5部、紫外線重合開始剤として「イルガキュアー184」(日本チバガイギー社製)5部を均一に混合して、疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)4を得た。

0099

(ウエル底部の樹脂組成物(A1)4の親水性化とマイクロプレート4の作製)ウエルの底部作製として、厚さ1mmのアクリル板にコーターを用いて疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)4を厚さ100μmになるように塗布して樹脂層(B1)を形成し、このアクリル板をアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)10重量%の水溶液中に浸漬したまま、メタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を5秒照射して半硬化させ、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)4を親水性化した。

0100

次いで、ウエルの壁部の作製として、この半硬化した樹脂層(B1)の上にコーターを用いて疎水性樹脂組成物(A1)4を300μmになるように塗布し樹脂層(B2)を形成し、その上に直径1mmの円形状が3個×3個、4mmのピッチ(円の中心間距離)で配列されているポリエチレンテレフタレート製マスクを載せて、メタルハライドランプにより波長360nm、強度80mW/cm2(800W/m2)の紫外線(垂直光)を15秒間照射した後、マスク及びポリプロピレンフィルムを取り除いて、エタノールで未硬化部分の樹脂層(B2)を除去して自然乾燥させ、更に窒素雰囲気中で上記の紫外線を照射して、ウエル底部が親水性で壁部が疎水性であるマイクロプレート4を得た。

0101

マイクロプレート4を顕微鏡で観察した結果、ウエルが直径約1mmの円筒状になっており、ピッチ(円の中心間距離)が約4mm、ウエルの深さが約250μmであった。上記のウエルの寸法から、ウエル体積は約0.2μlであった。

0102

ウエル底部の親水性を測定する為に、厚さ1mmのアクリル板にコーターを用いて疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)4を厚さ250μmになるように塗布し、このアクリル板をアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)10重量%の水溶液中に浸漬したまま、メタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を40秒照射して硬化させて、水接触角の測定に用いた。測定は協和科学株式会社製の液滴法CA−D型接触角計を用いた。測定の結果、該塗膜表面の水との接触角は約20°であった。

0103

一方、ウエル側壁部の疎水性を測定する為に、厚さ1mmのアクリル板にコーターを用いて疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)4を厚さ250μmになるように塗布し、窒素雰囲気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を40秒照射して硬化させたものを水接触角測定に用いた。測定は協和科学株式会社製の液滴法CA−D型接触角計を用いた。測定の結果、該塗膜表面の水との接触角は約67°であった。

0104

[実施例5]
(マイクロプレート5の作製)ウエル底部の作製として、厚さ1mmのアクリル板にコーターを用いて疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)1を厚さ100μmになるように塗布して樹脂層(B1)を形成し、空気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を3秒照射して半硬化させた。

0105

次いで、ウエル壁部の作製として、この半硬化した樹脂層(B1)の上にコーターを用いて疎水性の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A1)3を厚み300μmになるように塗布して樹脂層(B2)を形成し、その上に直径1mmの円形状が3個×3個、4mmのピッチ(円の中心間距離)で配列されているポリエチレンテレフタレート製マスクを載せて、メタルハライドランプにより波長360nm、強度80mW/cm2(800W/m2)の紫外線(垂直光)を15秒間照射した。

0106

照射後、マスク及びポリプロピレンフィルムを取り除き、エタノールで未硬化部分の樹脂層(B2)を除去し自然乾燥させ、更に窒素雰囲気中で上記の紫外線を照射して、ウエルの底部と壁部が異なる樹脂組成物の硬化物からなるマイクロプレート5を得た。マイクロプレート5を顕微鏡で観察した結果、ウエルが直径約1mmの円筒状になっており、ピッチ(円の中心間距離)が約4mm、ウエルの深さが約250μmであった。ウエルの寸法から、ウエルの体積は約0.2μlであった。

0107

ウエル底部の疎水性を測定する為に、厚さ1mmのアクリル板にコーターを用いて、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(A)1を厚さ100μmになるように塗布し、窒素雰囲気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を60秒照射して硬化させて水接触角の測定に用いた。測定の結果、該塗膜表面の水との接触角は約71°であった。

0108

一方、ウエル壁部の疎水性を測定する為に、厚さ1mmのアクリル板にコーターを用いて疎水性樹脂組成物(A1)3を厚さ100μmになるように塗布し、窒素雰囲気中でメタルハライドランプにより波長360nm、強度60mW/cm2(600W/m2)の紫外線を60秒照射して硬化させて、水接触角の測定に用いた。測定の結果、塗膜表面の水との接触角は約76°であった。

発明の効果

0109

本発明は、試料収納凹部であるウエルの微小化が容易で、ウエル部の形状や寸法(底部面積やウエル深さ)の調整幅が広いマイクロプレートの製造方法、及びウエル表面を親水性化して生体成分の吸着を低く抑えたマイクロプレート、逆に疎水性化して、抗原等の標的タンパク質を吸着、または共有結合させることができる表面としたマイクロプレート、更に、親水性のウエル底部と疎水性のウエル壁部を持つ水溶液が外部に溢れにくいマイクロプレート等の種々の物性を有するマイクロプレートとその簡便な製造方法を提供することができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ