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課題

固体培養によって得られた糸状菌分生胞子生存率を低下させることなく製剤化することができる製剤の製造方法を提供する。

解決手段

(1)固体培地を用いる糸状菌の固体培養終了後の培養物に糸状菌の胞子を分散させることができる媒体を加えて混合する工程と、(2)混合する工程で得られた懸濁液から培養物の残渣と胞子分散液を分離する工程と、(3)分離する工程で分離した胞子分散液と賦形剤を混合する工程と、(4)混合する工程で得られた混合物造粒する工程と、からなる。

概要

背景

農業分野における有害生物防除には、即効性、効果の安定性コスト対効果優位性、使用時の簡便性等の理由により化学合成農薬が主に使用されている。

しかしその一方で、薬剤耐性菌出現による効力の低下、有用生物に対する悪影響、薬剤の環境あるいは作物への残留等の問題も顕在化してきた。

近年、これらの問題点を補う方法として総合防除(化学合成農薬依存型農業を改め様々な防除システムを駆使する方法)の考え方取り入れられてきているが、その中でも特に生物農薬が注目されている。

この第一の理由は、生物農薬に使用される生物あるいはその原体は、本来自然界に存在するものを使用していることと対象となる有害生物が限定されることから、化学合成農薬の持つ欠点を補うものとして期待できるからである。

特に、植物の土壌病害(土壌中で生育する病害糸状菌によって引き起こされる病害)分野は、化学農薬でも安定した効果が期待できない病害が多いため微生物農薬に注目が集まっている。

土壌病害糸状菌防除のためには通常、病害菌に拮抗能を有する糸状菌(カビ)が使われ、トリコデルマ属トリコデルマハルジアナム、トリコデルマハマタム、トリコデルマビリデ、トリコデルマリグラムグリオクラディウム属のグリオクラディウムビレンス、グリオクラディウムカテヌラタムやペニシリウム属ペニシリウムグリカンス、ペニシリウムクリソジーナム、ペニシリウム オキザリカム等が知られている。これらの糸状菌は、宿主細胞膜の破壊グルカナーゼキチナーゼ等の溶菌酵素による宿主細胞壁の分解、抗生物質生産等によって病害菌の生育を阻害する。

通常糸状菌の能力を利用した生物農薬は、その取扱い易さと環境変化に対する耐久性の点から、菌糸よりも胞子の形態が好ましいため、分生胞子の状態で製品化される。

したがって、分生胞子の生産量を増やすことを目的に、液状物質あるいは固体培地を水に溶解あるいは分散させた培地を使用する液体培養や、固体培地を用いる固体培養の様々な研究がなされている。

液体培養では菌糸は容易に増殖し、さらに培養条件を調整することで厚膜胞子出芽胞子を生成させることができるが、一般に、培地と気相の界面で形成される分生胞子は液体培養ではほとんど生成しない。

液体培養で生成される厚膜胞子、あるいは出芽胞子は、固体培養法で容易に生産される分生胞子と比較して、その胞子濃度は、およそ1/100以下であるため、糸状菌の胞子を目的とする場合は、固体培養法による分生胞子の生産が採用されるのが一般的である。

この固体培養とは、天然物由来固形成分に加水微生物生育環境を整えた後、一定の含水率を維持しつつ微生物の成育適温で培養する方法であり、代表的な例としては、酒、味噌醤油等の製造に使われる種麹生産を挙げることができる。

糸状菌を培養する固体培地としては、ふすま、籾、米糠、木材粉腐葉土ピートモス堆肥、きのこ廃材、及びこれらの粉砕物等の有機物を含むものを単独あるいはその他の栄養分を添加して使われる。

培養は、調湿した上記培地を発酵槽あるいは金属トレー等に一定の層厚になるように仕込み種菌接種して行われる。培養が始まると固体培地内は、菌糸体の増殖に伴い発熱し、さらに培地菌糸によって培地が固化してくるため培養温度の均一化及び培地利用率向上のため培地をほぐす操作を必要に応じて行う。

菌糸体増殖終了後、胞子着生が進み一般的には約1週間〜1ヶ月で培養が終了する。このときの培養終了物の含水率は、培地組成によっても異なるがおよそ20〜80%(w/w)の範囲にあり、培養が終了した固体培養物では、雑菌汚染防止及び保存安定性向上を目的に凍結乾燥送風乾燥等の方法によって含水率を40%(w/w)以下に調整される。

得られた培養物は、製剤としての各種特性を付与するための物質である賦形剤、例えば、有機栄養分、微量栄養素結合剤硬度調整剤等と均一に混合され、更に製剤化のための水分が添加されて製剤化される。

有機栄養分としては、ふすま、籾、米糠、木材粉、腐葉土、ピートモス、堆肥、きのこ廃材、あるいはこれらの粉砕物等で、目的とする菌の栄養分となるものである。

微量栄養素としては鉄、マグネシウムカリウム等を含む無機物、あるいは、カニガラ油粕血粉肉粉木酢液等有機物の菌の生育を活性化する物質である。

結合剤とはいわゆる製剤のバインダーであり、カルボキシルメチルセルロースメチルセルロースポリビニルアルコールクレー有機ポリマーラテックス澱粉等が使われる。

硬度調整剤とは製剤自体の強度、硬度、あるいは水中での崩壊度等を調整する助剤であり前述の結合剤等が同様に使用される。

もちろん、これらの賦形剤は、使用する菌種、目的とする製剤の使用方法等によって適宜選択されるものである。

これらの賦形剤と培養物の混合は、培養終了物の含水率が通常40%以上であるため均一混合が困難となる。

また、均一混合を行うために機械的に高い剪断力をかけて混合分散すると、胞子が熱、機械的剪断に弱いため、胞子が死滅することになる。

そこで一旦培養物を乾燥して混合攪拌することも考えられるが、この場合も乾燥物は乾燥の過程ブロック化してしまい、それを解砕する必要があり、上述した場合と同様に機械的剪断力により胞子の死滅を招いてしまうことになる。

胞子の死滅を防止するには、機械的剪断及びそれに伴う温度上昇を招く粉砕処理工程を省略すれば良いが、例えば培地として用いるフスマ粒子径は100μmから5mm程度と幅が広く、200μm程度の平均粒子径を持つ栄養成分としての機能と賦形剤としての機能を有する増量剤(例えば小麦粉)と均一に混合して製剤化するためには粉砕処理は必須であった。

また、培地を事前に200μm程度にまで粉砕して固体培養する方式も考えられるが、培地の通気性が著しく低下するため、糸状菌の固体培養に問題が発生してしまう。

概要

固体培養によって得られた糸状菌の分生胞子の生存率を低下させることなく製剤化することができる製剤の製造方法を提供する。

(1)固体培地を用いる糸状菌の固体培養終了後の培養物に糸状菌の胞子を分散させることができる媒体を加えて混合する工程と、(2)混合する工程で得られた懸濁液から培養物の残渣と胞子分散液を分離する工程と、(3)分離する工程で分離した胞子分散液と賦形剤を混合する工程と、(4)混合する工程で得られた混合物造粒する工程と、からなる。

目的

本発明が解決しようとする課題は、固体培養によって得られた糸状菌の分生胞子の生存率(または回収率)を低下させることなく製剤化できる製剤の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

(1)固体培地を用いる糸状菌固体培養終了後の培養物に該糸状菌の胞子を分散させることができる媒体を加えて混合する工程と、(2)該混合する工程で得られた懸濁液から該培養物の残渣と胞子分散液を分離する工程と、(3)該分離する工程で分離した該胞子分散液と賦形剤を混合する工程と、(4)該混合する工程で得られた混合物造粒する工程と、からなることを特徴とする製剤の製造方法。

請求項2

該固体培地がふすま培地である請求項1に記載の製剤の製造方法。

請求項3

(3)該分離する工程が、口径50〜1000μmのを用いて分離する工程である請求項1又は2に記載の製剤の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、固体培養した糸状菌培養物胞子を有効成分とする製剤の製造方法に関し、さらに詳細には微生物農薬又は土壌改質剤である製剤の製造方法に関する。

背景技術

0002

農業分野における有害生物防除には、即効性、効果の安定性コスト対効果優位性、使用時の簡便性等の理由により化学合成農薬が主に使用されている。

0003

しかしその一方で、薬剤耐性菌出現による効力の低下、有用生物に対する悪影響、薬剤の環境あるいは作物への残留等の問題も顕在化してきた。

0004

近年、これらの問題点を補う方法として総合防除(化学合成農薬依存型農業を改め様々な防除システムを駆使する方法)の考え方取り入れられてきているが、その中でも特に生物農薬が注目されている。

0005

この第一の理由は、生物農薬に使用される生物あるいはその原体は、本来自然界に存在するものを使用していることと対象となる有害生物が限定されることから、化学合成農薬の持つ欠点を補うものとして期待できるからである。

0006

特に、植物の土壌病害(土壌中で生育する病害糸状菌によって引き起こされる病害)分野は、化学農薬でも安定した効果が期待できない病害が多いため微生物農薬に注目が集まっている。

0007

土壌病害糸状菌防除のためには通常、病害菌に拮抗能を有する糸状菌(カビ)が使われ、トリコデルマ属トリコデルマハルジアナム、トリコデルマハマタム、トリコデルマビリデ、トリコデルマリグラムグリオクラディウム属のグリオクラディウムビレンス、グリオクラディウムカテヌラタムやペニシリウム属ペニシリウムグリカンス、ペニシリウムクリソジーナム、ペニシリウム オキザリカム等が知られている。これらの糸状菌は、宿主細胞膜の破壊グルカナーゼキチナーゼ等の溶菌酵素による宿主細胞壁の分解、抗生物質生産等によって病害菌の生育を阻害する。

0008

通常糸状菌の能力を利用した生物農薬は、その取扱い易さと環境変化に対する耐久性の点から、菌糸よりも胞子の形態が好ましいため、分生胞子の状態で製品化される。

0009

したがって、分生胞子の生産量を増やすことを目的に、液状物質あるいは固体培地を水に溶解あるいは分散させた培地を使用する液体培養や、固体培地を用いる固体培養の様々な研究がなされている。

0010

液体培養では菌糸は容易に増殖し、さらに培養条件を調整することで厚膜胞子出芽胞子を生成させることができるが、一般に、培地と気相の界面で形成される分生胞子は液体培養ではほとんど生成しない。

0011

液体培養で生成される厚膜胞子、あるいは出芽胞子は、固体培養法で容易に生産される分生胞子と比較して、その胞子濃度は、およそ1/100以下であるため、糸状菌の胞子を目的とする場合は、固体培養法による分生胞子の生産が採用されるのが一般的である。

0012

この固体培養とは、天然物由来固形成分に加水微生物生育環境を整えた後、一定の含水率を維持しつつ微生物の成育適温で培養する方法であり、代表的な例としては、酒、味噌醤油等の製造に使われる種麹生産を挙げることができる。

0013

糸状菌を培養する固体培地としては、ふすま、籾、米糠、木材粉腐葉土ピートモス堆肥、きのこ廃材、及びこれらの粉砕物等の有機物を含むものを単独あるいはその他の栄養分を添加して使われる。

0014

培養は、調湿した上記培地を発酵槽あるいは金属トレー等に一定の層厚になるように仕込み種菌接種して行われる。培養が始まると固体培地内は、菌糸体の増殖に伴い発熱し、さらに培地菌糸によって培地が固化してくるため培養温度の均一化及び培地利用率向上のため培地をほぐす操作を必要に応じて行う。

0015

菌糸体増殖終了後、胞子着生が進み一般的には約1週間〜1ヶ月で培養が終了する。このときの培養終了物の含水率は、培地組成によっても異なるがおよそ20〜80%(w/w)の範囲にあり、培養が終了した固体培養物では、雑菌汚染防止及び保存安定性向上を目的に凍結乾燥送風乾燥等の方法によって含水率を40%(w/w)以下に調整される。

0016

得られた培養物は、製剤としての各種特性を付与するための物質である賦形剤、例えば、有機栄養分、微量栄養素結合剤硬度調整剤等と均一に混合され、更に製剤化のための水分が添加されて製剤化される。

0017

有機栄養分としては、ふすま、籾、米糠、木材粉、腐葉土、ピートモス、堆肥、きのこ廃材、あるいはこれらの粉砕物等で、目的とする菌の栄養分となるものである。

0018

微量栄養素としては鉄、マグネシウムカリウム等を含む無機物、あるいは、カニガラ油粕血粉肉粉木酢液等有機物の菌の生育を活性化する物質である。

0020

硬度調整剤とは製剤自体の強度、硬度、あるいは水中での崩壊度等を調整する助剤であり前述の結合剤等が同様に使用される。

0021

もちろん、これらの賦形剤は、使用する菌種、目的とする製剤の使用方法等によって適宜選択されるものである。

0022

これらの賦形剤と培養物の混合は、培養終了物の含水率が通常40%以上であるため均一混合が困難となる。

0023

また、均一混合を行うために機械的に高い剪断力をかけて混合分散すると、胞子が熱、機械的剪断に弱いため、胞子が死滅することになる。

0024

そこで一旦培養物を乾燥して混合攪拌することも考えられるが、この場合も乾燥物は乾燥の過程ブロック化してしまい、それを解砕する必要があり、上述した場合と同様に機械的剪断力により胞子の死滅を招いてしまうことになる。

0025

胞子の死滅を防止するには、機械的剪断及びそれに伴う温度上昇を招く粉砕処理工程を省略すれば良いが、例えば培地として用いるフスマ粒子径は100μmから5mm程度と幅が広く、200μm程度の平均粒子径を持つ栄養成分としての機能と賦形剤としての機能を有する増量剤(例えば小麦粉)と均一に混合して製剤化するためには粉砕処理は必須であった。

0026

また、培地を事前に200μm程度にまで粉砕して固体培養する方式も考えられるが、培地の通気性が著しく低下するため、糸状菌の固体培養に問題が発生してしまう。

発明が解決しようとする課題

0027

本発明が解決しようとする課題は、固体培養によって得られた糸状菌の分生胞子の生存率(または回収率)を低下させることなく製剤化できる製剤の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0028

上記課題を解決するには、固体培養後の培養物が水分に馴染みやすい性質を持つこと、胞子が水分や油脂分中で分散しやすいこと、さらに培養物と胞子の大きさに対して培養物の大きさが格段に大きいことから容易に分離できることに着目して本発明を完成するに至った。

0029

すなわち本発明は、(1)固体培地を用いる糸状菌の固体培養終了後の培養物に糸状菌の胞子を分散させることができる媒体を加えて混合する工程と、(2)混合する工程で得られた懸濁液から培養物の残渣と胞子分散液を分離する工程と、(3)分離する工程で分離した胞子分散液と賦形剤を混合する工程と、(4)混合する工程で得られる混合物造粒する工程と、からなることを特徴とする製剤の製造方法を提供するものである。

0030

固体培養終了後の培養物に対して加える媒体としては、蒸留水イオン交換水水道水等の水分や、これらにさらに緩衝液生理食塩水等の無機あるいは有機塩を含有した溶液であってもよく、または、胞子の死滅がなければ大豆油オリーブ油等の天然油脂であってもよい。

0031

この加える媒体の量としては、固体培地の種類と上記媒体の種類にもよるが、懸濁液中の培養物の分散状態と胞子の分散状態との点から、乾燥培養物1部に対して5〜5000倍(重量換算)とすることが好適である。

0032

また、上記媒体にさらに胞子に対して栄養成分となる溶液を混合した混合液としても構わない。

0033

固体培地としては上述したような種々の培地が挙げられるが、菌糸を培養しやすく多数の胞子が得られること、品質均一性に優れること、および上記(2)の懸濁液から培養物の残渣と胞子分散液を分離する工程において分離がしやすいこと等の点から、ふすま培地が好適である。

0034

ふすま培地であれば、トリコデルマ属のトリコデルマハルジアナム、トリコデルマハマタム、トリコデルマビリデ、トリコデルマリグノラムやグリオクラディウム属のグリオクラディウムビレンス、グリオクラディウムカテヌラタムやペニシリウム属のペニシリウムニグリカンス、ペニシリウムクリソジーナム、ペニシリウム オキザリカム等の種々の糸状菌に対して好適に使用することができるのである。

0035

こうして得られる懸濁液中の残渣の大きさは、例えばふすま培地の場合には通常乾燥状態では500〜1000μmであるが、膨潤していることにより2000〜5000μmとなっている。

0036

一方、懸濁液中の胞子の大きさは10μm以下であることから、両者の大きさは2オーダー以上の違いがあることになる。

0037

したがって、懸濁液から胞子分散液を分離する際には、上記それぞれの粒径の大きさに対して分離できるものであれば濾紙濾布中空紙等の種々の分離手段を適用することができるが、分離速度目詰まり等の分離効率を考慮すると口径50〜1000μmの篩を用いることが好適である。

0038

この口径は、作製する製剤の種類によって変えることが好ましい。すなわち顆粒水和剤を作製する場合は50〜200μm、粒剤を作製する場合は200〜1000μmが好ましく、特に300〜500μmが好ましい。

0039

この分離手段は複数段の構成としてもよい。例えば顆粒水和剤製造に当たり2段の分離工程とする際には、第1段として口径の大きな篩(例えば200〜1000μmの篩)を使用して粗濾過を行い、第2段として口径の小さな篩(例えば50〜200μm)を使用して密濾過する構成としてもよい。

0040

同じように粒剤製造に当たり2段の分離工程とする際には、第1段として口径の大きな篩(例えば500〜1000μmの篩)を使用して粗濾過を行い、第2段として口径の小さな篩(例えば200〜500μm)を使用して密濾過する構成としてもよい。

0041

これらは懸濁液の総量に対して適宜選択すればよく、また、混合槽バッチ処理するような製造ラインにおいては循環ライン中に上記篩を複数段配置した構成としてもよく、混合槽からの連続製造ラインを構成する場合には、配管に上記篩を複数段配置して濾液回収槽に濾液のみを回収する構成としてもよい。

0042

培養物中の胞子は、例えば水を加え攪拌することで容易に水中に分散するが、濾過残渣保水能は通常、非常に大きいので、胞子回収効率は、専ら濾過残渣中の濾液の回収率に依存することになる。

0043

したがって、胞子の回収率を上げるためには、分離工程として減圧濾過加圧濾過、あるいは濾過残渣を絞る等の方法を使用してもよく、またこれらの方法を複数併用することも効果的である。また、さらに胞子を死滅させることのないような界面活性剤等を併用して濾過効率を高めることも有効である。

0044

こうして得られた胞子分散液は、製剤化するための造粒工程にそのまま使用することができるのである。

0045

上述した各種賦形剤を均一に混合した原料に、上記胞子分散液を噴霧等の方法により加液し、これを混練したものを押出し造粒により造粒して製剤とする。

0046

もちろん、原料の混練と胞子分散液の噴霧とを同時に行い、さらに造粒する工程とを同時に行うことにより、製剤工程の効率化を図ることも好ましく、その際には転動造粒機混合造粒機を使用することが好適である。

0047

転動造粒機には、例えば回転容器型、振動型パン型、ドラム型混合機械型などがあり、また混合造粒機には、ブレード造粒機ピン造粒機など種々の造粒機があるが、いずれの方式を採用しても構わない。

0048

以下、実施例と比較例を用い本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)ポテトデキストロース寒天培地(ディフコ社製)で培養温度28℃、1週間培養したトリコデルマハルジアナムATCC74058の分生胞子を121℃、60分殺菌済みのふすま培地(千葉製粉(株)社製)に接種し、含水率68%、培養温度28℃で1週間培養した。

0049

次に、図1に示す工程に従い、この固体培養終了後の培養物1に対し重量比で9倍量の水道水2を加えて撹拌混合し、懸濁液を作製した。次にこの懸濁液を目開き1000μmの篩3と、続いて300μmの篩4に通し、培地として使用したフスマのみを取り除いた。

0050

胞子を含む濾液1kgに対し2kg(重量換算2倍量)の小麦粉(日清製粉(株)社製)を予め混合造粒装置レーディミキサーM−20型(総発売元(株)マツボー)に仕込んでおき、主軸回転数毎分230回転で撹拌しながら濾液を毎分1Lで噴霧し、20分間造粒処理を行い、その後50℃で4時間乾燥して造粒品6とした。

0051

以上の製造方法で得られた造粒品7は、分生胞子生存率が固体培養後の培養物に比し、80%という極めて高い数値を示した。

0052

(実施例2)ポテトデキストロース寒天培地(ディフコ社製)上で培養温度25℃、1週間培養したグリオクラディウムビレンスIFO6355の分生胞子を121℃、60分殺菌済みのふすま培地(千葉製粉(株)社製)に接種し、含水率68%、培養温度25℃で1週間培養した。

0053

この固体培養終了後の培養物に対し重量比で9倍量の水道水を加えて撹拌混合し、懸濁液を作製した。次にこの懸濁液を目開き1000μm、続いて300μmの篩に通し、培地として使用したフスマのみを取り除いた。

0054

胞子を含む濾液100gに対し200g(重量換算2倍量)の小麦粉(日清製粉(株)社製)を予め転動造粒装置ラボラトリーマトリックス(LMA5)(奈良機械(株)社製)に仕込んでおき、主軸回転数毎分600回転で撹拌しながら濾液を毎分10gの速度で滴下し小麦粉と濾液を良くなじませた後、主軸回転数を毎分100回転に変え10分間造粒処理を行った。造粒終了物は、30℃で24時間送風乾燥し造粒品とした。

0055

以上の製造方法で得られた造粒品は、分生胞子生存率が固体培養後の培養物に比し、72%という極めて高い数値を示した。

0056

(比較例1)ポテトデキストロース寒天培地(ディフコ社製)で培養温度28℃、1週間培養したトリコデルマハルジアナムATCC74058の分生胞子を121℃、60分殺菌済みのふすま培地(千葉製粉(株)社製)に接種し、含水率68%、培養温度28℃で1週間培養した。

0057

次に、図2に示す工程に従い、この固体培養終了後の培養物を除湿乾燥機7T−5F型((株)田中化学機械製造所社製)を使用し30℃、24時間乾燥した。

0058

次にこの乾燥物をエックサンプルミル8KII−1型(不二パウダル社製:現(株)ダルトン)にて平均粒子径300μmまで粉砕し粒剤の原料とした。

0059

この乾燥培養物粉砕品1kgと2kg(重量換算2倍量)の小麦粉(日清製粉(株)社製)を予め混合造粒装置5レーディゲミキサーM−20型(総発売元(株)マツボー)に仕込んでおき、主軸回転数毎分230回転で撹拌しながら水道水1.5Lを毎分1Lで噴霧し、20分間造粒処理を行い、その後50℃で4時間乾燥し造粒品9とした。

0060

以上の製造方法で得られた造粒品9は、分生胞子生存率が固体培養後の培養物に比し、12%であり大幅に低下していた。

0061

(比較例2)ポテトデキストロース寒天培地(ディフコ社製)上で培養温度28℃、1週間培養したグリオクラディウムビレンスIFO6355の分生胞子を121℃、60分殺菌済みのふすま培地(千葉製粉(株)社製)に接種し、含水率68%、培養温度25℃で1週間培養した。

0062

この固体培養終了後の培養物を除湿乾燥機T−5F型((株)田中化学機械製造所社製)を使用し30℃、24時間乾燥した。

0063

次にこの乾燥物をエックサンプルミルKII−1型(不二パウダル社製:現(株)ダルトン)にて平均粒子径300μmまで粉砕し粒剤の原料とした。

0064

この乾燥培養物粉砕品100gに対し200g(重量換算2倍量)の小麦粉(日清製粉(株)社製)を予め転動造粒装置ラボラトリーマトリックス(LMA5)(奈良機械(株)社製)に仕込んでおき、主軸回転数毎分600回転で撹拌しながら水道水150gを毎分10gの速度で滴下し小麦粉と濾液を良くなじませた後、主軸回転数を毎分100回転に変え10分間造粒処理を行った。造粒終了物は、30℃で24時間送風乾燥し造粒品とした。

0065

以上の製造方法で得られた造粒品は、分生胞子生存率が固体培養後の培養物に比し、8%であり大幅に低下していた。

発明の効果

0066

以上、詳細に説明したように、固体培養終了後の培養物に糸状菌の胞子を分散させることができる媒体を加えて混合した懸濁液から、培養物の残渣と胞子分散液を分離し、この分離した胞子分散液と賦形剤を混合・造粒することにより、糸状菌の分生胞子の生存率を低下させることなく製剤化することができる。

図面の簡単な説明

0067

図1本発明による製剤の製造方法の一例を示す工程図。
図2従来方法による製剤の製造方法の一例を示す工程図。

--

0068

1培養物
2水道水
3篩
4 篩
5 混合・造粒・乾燥機
6造粒品
7 乾燥機
粉砕機
9 造粒品

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