図面 (/)
※この項目の情報は公開日時点(2003年3月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります
図面 (0)
図面はありません
課題
解決手段
生分解性樹脂100重量部に対して、ハーブ系の植物精油成分0.1〜2重量部を配合しテープ状に成形された農業用テープであり、該生分解性樹脂として、脂肪族ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族ポリエステル樹脂等の脂肪族ポリエステルを主成分とする生分解性樹脂を用いる。
概要
背景
従来の農作物栽培では、病害虫を防除するために各種の農薬が使用されている。しかし、それにもかかわらず、農薬での防除の困難な病害虫が存在し、農作物の栽培上大きな問題となっている。駆除が困難な病害虫としては、スリップス、アブラムシ類、ヨトウムシ等が挙げられる。
これらの原因は、病害虫に農薬耐性が生じるためであり、農薬による防除には限界が現われ、農薬の使用量の増大は生産者や消費者にとっても敬遠される傾向にある。
一方、多くの野菜、花、果樹等の栽培では、現在各種の熱可塑性合成樹脂からなる農業用フイルムを用いたハウス栽培が行われている。このハウス栽培によって栽培作物の生育を促進又は抑制し、栽培作物の早期収穫や収穫時期の調整を行っている。
概要
農作物への病害虫飛来、侵入を防止すると共に、病害虫の繁殖を大幅に抑制でき、かつ病害虫の防除効果の持続性が優れた農業用テープを提供する。
生分解性樹脂100重量部に対して、ハーブ系の植物精油成分0.1〜2重量部を配合しテープ状に成形された農業用テープであり、該生分解性樹脂として、脂肪族ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族ポリエステル樹脂等の脂肪族ポリエステルを主成分とする生分解性樹脂を用いる。
目的
本発明の目的は、ハウス栽培やトンネル栽培において、換気を行う窓やサイド部に設置して農作物への病害虫飛来、侵入を少なくすることができると共に、病害虫の繁殖を大幅に抑制でき、かつ病害虫の防除効果の持続性が優れた農業用テープを提供することにある。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0001
本発明は病害虫や病害菌の防除効果を有する農業用テープに関し、詳しくは農作物への病害虫の飛来、侵入を防止できると共に、病害虫の繁殖を大幅に抑制でき、かつ病害虫の防除効果の持続性が優れた農業用テープに関する。
背景技術
0002
従来の農作物栽培では、病害虫を防除するために各種の農薬が使用されている。しかし、それにもかかわらず、農薬での防除の困難な病害虫が存在し、農作物の栽培上大きな問題となっている。駆除が困難な病害虫としては、スリップス、アブラムシ類、ヨトウムシ等が挙げられる。
0004
一方、多くの野菜、花、果樹等の栽培では、現在各種の熱可塑性合成樹脂からなる農業用フイルムを用いたハウス栽培が行われている。このハウス栽培によって栽培作物の生育を促進又は抑制し、栽培作物の早期収穫や収穫時期の調整を行っている。
発明が解決しようとする課題
0005
農業用フイルムを用いたハウス栽培やトンネル栽培では、日中ハウス内の気温が上昇してくると、高温になり過ぎないように通常は窓を開けたり、サイド部のフィルムの裾を上げて換気を行うので、病害虫の飛来や侵入を避けることができないという問題があった。
0006
本発明の目的は、ハウス栽培やトンネル栽培において、換気を行う窓やサイド部に設置して農作物への病害虫飛来、侵入を少なくすることができると共に、病害虫の繁殖を大幅に抑制でき、かつ病害虫の防除効果の持続性が優れた農業用テープを提供することにある。
課題を解決するための手段
0007
上記目的を達成する本発明に係る農業用テープは、脂肪族ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族ポリエステル樹脂等の脂肪族ポリエステルを主成分とする生分解性樹脂100重量部に対して、ハーブ系の植物精油成分0.1〜2重量部を配合しテープ状に成形されてなることを特徴とするものであり、該樹脂100重量部に対して、無機粉末0.5〜30重量部添加されてなることを特徴とするものである。
0008
本発明に用いられるハーブ系の植物精油成分は、クローブ油、ティーツリー油、ラベンダー油、パイン油、ローズマリー油、キャットニップ油、ジンジャー油、ミント油、ペパー油、タイム油、ワームウッド油、カモミール油、ユーカリ油等やこれらの混合物を有効成分とするものであり、これら油は植物の花、種子、枝葉、樹皮、根、茎等から各種抽出処理によって得ることができる。
0009
これらの植物精油成分は、脂肪族ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステルを主成分とする樹脂からなる生分解性樹脂と溶融混練することができるが、溶融混練中の揮散を防止するために、包接化合物に含浸処理することが好ましい。
0010
この包接化合物としては、クラウンエーテル、サイクロデキストリン等各種のものが用いられるが、本発明では特にサイクロデキストリンが好ましく用いられる。サイクロデキストリンは、グルコースがリング状につながった分子構造をしており、グルコースが6個、7個、8個と繋ったものが、各々α−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、γ−サイクロデキストリンと称されており、本発明ではこれらのいずれをも用いることができる。
0011
本発明において、無機粉末を添加することが好ましい。例えば、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、パーライト、アルミナ、ゼオライト、セピオライト、蛭石、活性白土、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、ベントナイト、ケイソウ土、活性炭等の微粉末が挙げられる。これらの無機粉末の粒径は、平均粒径30μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下である。
0012
本発明で用いられる脂肪族ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族ポリエステル樹脂等の脂肪族ポリエステルを主成分とする生分解性樹脂は、脂肪族ジオール成分と脂肪族ジカルボン酸成分を構成成分とする脂肪族ポリエステル樹脂や、脂肪族ジオール成分と芳香族ジカルボン酸成分を構成成分とする脂肪族芳香族ポリエステル樹脂やこれらの成分に他の成分である芳香族ジカルボン酸等を含んだ脂肪族ポリエステルを主成分とする樹脂が挙げられる。
0013
上記の脂肪族ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5ペンタンジオール−、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等やこれらの混合物が挙げられる。
0015
これらの生分解性樹脂の具体例としては、昭和高分子社製のビオノーレ#1001(1,4−ブタンジオールとコハク酸からなる脂肪族ポリエステル樹脂)、ビオノーレ#3001(1,4−ブタンジオールとコハク酸およびアジピン酸からなる脂肪族ポリエステル樹脂)、BASF社製のエコフレックス(1,4−ブタンジオールとアジピン酸およびテレフタル酸からなる脂肪族芳香族ポリエステル樹脂)を挙げることができる。また、これらの生分解性樹脂以外の生分解性樹脂も必要に応じて、樹脂分の30重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で配合することができる。例えば、「ラクティ」(島津製作所社製)などのポリ乳酸系樹脂や、「プラクセル」「セルグリーン」(ダイセル社製)などのポリカプロラクトン系樹脂を挙げることができる。
0016
本発明の農業用テープは、目的に応じて他の生分解性樹脂や添加剤を配合することができ、例えば着色剤、光安定剤、酸化防止剤、光反射性金属粉等を添加することができる。また、本発明の農業用テープは、生分解性樹脂からなるテープ基材に、本発明のハーブ系植物精油成分を含む生分解性樹脂層を積層することもできる。
0017
本発明の農業用テープの厚さは20〜200μm、幅は10〜150mm程度のものが好ましく、その使用方法については、農業用ハウスのサイド換気部において、テープを所定の高さで水平に1本ないし数本設置すればよいが、数本のテープを間隔を置いて垂直に並置してもよい。
0019
本発明は、ハーブ系の植物精油成分の害虫忌避作用によって病害虫の防除をはかるため、一般の農薬(ピレスロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、あるいは有機リン系殺虫剤等)と比較し、毒性等の副作用が少なく、特に特定の脂肪族ポリエステル系の生分解性樹脂とハーブ系の植物精油成分とを溶融混練、成形されてなる農業用テープは、徐放性を有し、長期間に渡って薬効が持続する。
0020
以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明はかかる実施例によって何ら限定されるものではない。
0021
テープA(実施例)およびテープa(比較例)
生分解性脂肪族ポリエステル樹脂「ビオノーレ#1001」(昭和高分子社製)100重量部当たり、クローブ油、ティーツリー油、ラベンダー油およびパイン油の混合精油成分(大洋香料社製)0.5重量部を配合して製造したペレットを原料とし、インフレーション成形機で成形した厚さ50μmのフイルムを幅70mmに裁断してテープAを作成した。また、精油を用いない以外は上記のテープAと同様にして、厚さ50μm、幅70mmのテープaを作成した。
0022
テープB(実施例)およびテープb(比較例)
生分解性脂肪族芳香族ポリエステル樹脂「エコフレックス」(BASF社製)70重量部および生分解性脂肪族ポリエステル樹脂「ビオノーレ#1001」30重量部当たり、クローブ油、ティーツリー油、キャットニップ油およびローズマリー油の混合精油成分(大洋香料社製)0.5重量部、炭酸カルシウム粉末10重量部を配合して製造したペレットを原料とし、インフレーション成形機で成形した厚さ50μmのフイルムを幅70mmに裁断してテープBを作成した。また、精油を用いない以外は上記のテープBと同様にして、厚さ50μm、幅70mmのテープbを作成した。
0023
テープC(実施例)およびテープc(比較例)
生分解性脂肪族芳香族ポリエステル樹脂「エコフレックス」60重量部、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂「ビオノーレ#1001」20重量部および生分解性脂肪族ポリエステル樹脂「ビオノーレ#3001」(昭和高分子社製)20重量部当たり、クローブ油、ティーツリー油、ラベンダー油およびパイン油の混合精油成分(大洋香料社製)0.5重量部、炭酸カルシウム粉末10重量部を配合して製造したペレットを原料とし、インフレーション成形機で成形した厚さ50μmのフイルムを幅70mmに裁断してテープCを作成した。また、精油を用いない以外は上記のテープCと同様にして、厚さ50μm、幅70mmのテープcを作成した。
0024
(実験例)以上のようにして得られたテープA、BおよびC(実施例)およびテープa、bおよびc(比較例)を用いて、下記の要領でいちごを栽培し,害虫(スリップス)に対する忌避効果を調査した。スリップスの発生が確認された圃場に、高さ2m、長さ10mのビニールハウス6棟を設置し、その中にいちご(品種:とよのか)を移植した。該ハウスの換気を行うサイド部に、各種精油成分が配合されたテープA、BおよびC各2本を各ハウス毎に水平に張り渡して固定した。対象として、各種精油成分が配合されていないテープa、bおよびcをテープA、BおよびCと同様に固定した。移植して10日および20日経過後、任意に採取した各畝の20花を50重量%エタノール水溶液に浸漬して害虫を洗い落とし、飛来した成虫の数を調査した。結果を表1に示す。
0025
発明の効果
技術視点だけで見ていませんか?
この技術の活用可能性がある分野
分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成