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技術 カルノソールまたは/及びカルノジック酸を含有する機能性加工油脂の劣化防止剤及びこれを含有する油脂

出願人 三菱化学株式会社
発明者 城戸浩胤
出願日 2001年8月21日 (18年6ヶ月経過) 出願番号 2001-249822
公開日 2003年2月26日 (17年0ヶ月経過) 公開番号 2003-055686
状態 特許登録済
技術分野 食用油脂 抗酸化剤,安定剤組成物 脂肪類、香料
主要キーワード 活性炭成分 油脂劣化 グリセリンジエステル 天然酸化防止剤 グリセリントリエステル 非水溶性成分 調理用油脂 揚げ物用
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この項目の情報は公開日時点(2003年2月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

健康に良い機能性加工油脂劣化防止剤を提供する。

解決手段

下記一般式の油脂に、カルノソールまたは/及びカルノジック酸を含有させる。

(上記式中、−C(=O)R1、−C(=O)R2は、炭素数14〜24の脂肪酸残基、R3は水素または炭素数6〜12の脂肪酸残基を表す。)

概要

背景

揚げ物用や炒め物用に用いられる調理用油脂は、調理時に加熱すると、分解・重合等の反応が生じ、その結果、揮発性物質揮散し、油特有の不快な匂いが発生するという問題点がある。特に揚げ物用に油を繰り返し使用すると、匂いがきつくなる。この問題を解決するために、種々の油脂劣化防止剤が開発されている。

一方、近年の健康ブームによって、健康に良い機能性加工油脂が市販されている。この機能性加工油脂の代表的なものは、従来より販売されてきた天然油脂長鎖脂肪酸グリセリントリエステルであるのに対し、長鎖脂肪酸のグリセリンジエステルや、構成脂肪酸の1つが中鎖脂肪酸であるグリセリントリエステルである。これらの加工油脂は、生体吸収メカニズムが従来の天然油脂と異なるため、健康に良いことが知られている。

概要

健康に良い機能性加工油脂の劣化防止剤を提供する。

下記一般式の油脂に、カルノソールまたは/及びカルノジック酸を含有させる。

(上記式中、−C(=O)R1、−C(=O)R2は、炭素数14〜24の脂肪酸残基、R3は水素または炭素数6〜12の脂肪酸残基を表す。)

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
6件

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請求項1

式(1)で表されるカルノソールまたは/及び式(2)で表されるカルノジック酸を含有する、一般式(3)で表される油脂の劣化防止剤

請求項

ID=000003HE=105 WI=059 LX=0305 LY=0550(上記式中、−C(=O)R1、−C(=O)R2は、炭素数14〜24の脂肪酸残基、R3は水素または炭素数6〜12の脂肪酸残基を表す。)

請求項2

一般式(3)の−C(=O)R1、−C(=O)R2、及びR3が、不飽和脂肪酸の残基であることを特徴とする請求項1に記載の油脂の劣化防止剤。

請求項3

カルノソール及びカルノジック酸がローズマリーより抽出されたものである請求項1または2に記載の油脂の劣化防止剤。

請求項4

請求項1乃至3のいずれかに記載の劣化防止剤を含有した、一般式(3)で表される油脂。

技術分野

0001

本発明は、調理用に用いられる機能性加工油脂劣化防止剤に関するものである。詳しくは、揚げ物用や炒め物用に用いられる、健康によい加工油脂の劣化防止剤、及びこれを含有する油脂に関するものである。

背景技術

0002

揚げ物用や炒め物用に用いられる調理用油脂は、調理時に加熱すると、分解・重合等の反応が生じ、その結果、揮発性物質揮散し、油特有の不快な匂いが発生するという問題点がある。特に揚げ物用に油を繰り返し使用すると、匂いがきつくなる。この問題を解決するために、種々の油脂劣化防止剤が開発されている。

0003

一方、近年の健康ブームによって、健康に良い機能性加工油脂が市販されている。この機能性加工油脂の代表的なものは、従来より販売されてきた天然油脂長鎖脂肪酸グリセリントリエステルであるのに対し、長鎖脂肪酸のグリセリンジエステルや、構成脂肪酸の1つが中鎖脂肪酸であるグリセリントリエステルである。これらの加工油脂は、生体吸収メカニズムが従来の天然油脂と異なるため、健康に良いことが知られている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、これらの機能性加工油脂は、その構造の違いにより、従来の天然油脂より酸化され易いという問題がある。また、従来油脂より、健康に悪い分解物重合物の生成を抑えると共に、不快な臭いを抑えて商品イメージを高める必要がある。

0005

そこで、機能性加工油脂の劣化防止剤の研究が行われているが、現在市販されている機能性加工油脂には、ビタミンE抗酸化剤として添加しているだけであり、更に劣化防止能力の高い劣化防止剤の開発が求められていた。

課題を解決するための手段

0006

そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、酸化防止剤として知られるローズマリー抽出物中に含まれる特定の成分が、特に機能性加工油脂の劣化防止に優れた効果を発揮することを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、式(1)で表されるカルノソールまたは/及び式(2)で表されるカルノジック酸を含有する、一般式(3)で表される油脂の劣化防止剤に存する。

0007

0008

(上記式中、−C(=O)R1、−C(=O)R2は、炭素数14〜24の脂肪酸残基、R3は水素または炭素数6〜12の脂肪酸残基を表す。)
別の要旨は、カルノソール及びカルノジック酸がローズマリーより抽出されたものである前記油脂の劣化防止剤に存する。別の要旨は、前記劣化防止剤を含有する、一般式(3)で表される油脂に存する。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明で用いられる油脂は、下記の一般式(3)で表される構造を有する。

0010

0011

上記式中、−C(=O)R1、−C(=O)R2は、炭素数14〜24の脂肪酸残基、R3は水素または炭素数6〜12の脂肪酸残基を表す。従来の天然油脂は、−C(=O)R1、−C(=O)R2、及びR3は、通常、炭素数14〜24の長鎖脂肪酸残基であるが、本発明で使用される油脂は、R3の部分が、水素または中鎖脂肪酸残基であることに特徴がある。−C(=0)R1、−C(=0)R2は、炭素数20〜24の脂肪酸残基であることが好ましい。又、−C(=0)R1、−C(=)R2、R3は不飽和脂肪酸の残基であることが好ましい。本発明の油脂は、通常、天然物由来の油脂、例えばサフラワー油オリーブ油綿実油ナタネ油コーン油大豆油パーム油、又、ひまわり油ごま油等の植物油から加工精製されて得られる。加工精製とは、食用天然油脂中のクロロフィルを除去し、その後エステル交換したり、食用天然油脂の分解・再エステル化、その後の分別蒸留又は吸着等を行うことである。具体的に説明すると、エステル交換法としては、例えば、油脂同士、あるいは油脂とグリセリン又は脂肪酸の混合物触媒としてナトリウムメチラート等のアルカリ触媒又はリパーゼ等の酵素を用いて反応させる方法が挙げられる。また、再エステル化法としては、例えば、グリセリンと脂肪酸を酸触媒リパーゼ触媒又は無触媒で反応させる方法が挙げられる。反応後の精製法としては、例えば、分子蒸留ウィンターリング溶剤分別及びカラム分別等が挙げられる。

0012

本発明で用いられる劣化防止剤は、下記式(1)で表される化合物慣用名;カルノソール)または/及び下記式(2)で表される化合物(慣用名;カルノジック酸)を含有する。

0013

0014

(上記式中、−C(=O)R1、−C(=O)R2は、炭素数14〜24の脂肪酸残基、R3は水素または炭素数6〜12の脂肪酸残基を表す。)
カルノソール及びカルノジック酸は、天然酸化防止剤として知られるローズマリー抽出物の成分である。カルノソールとカルノジック酸が一般式(3)の油脂の劣化防止に特に効果がある理由は明らかではないが、以下の様に推定される。まず、一般式(3)で表される油脂は、R3が水素または中鎖脂肪酸残基であるので、R3部分が長鎖脂肪酸である従来の油脂より親水性が増すため、両親媒性を有し、油脂が気液界面に配列し易くなる。その結果、一般式(3)で表される油脂は、従来の天然油脂より酸化され易くなる。これに対し、カルノソール及びカルノジック酸は、一般式(3)で表される油脂より親水性が高いため、油脂と空気の間に配列して、油脂が空気と接触するのを防止できる。また、カルノソール及びカルノジック酸が、油脂の酸化されやすい部分(主に、構成脂肪酸の二重結合部分)を立体的ブロックして、酸化を抑制するものと考えられる。

0015

カルノソール及びカルノジック酸は、通常、ロ−ズマリ−より抽出して得られる。ローズマリー抽出物には、抽出溶媒抽出液処理方法により、水溶性または非水溶性のものが得られるが、カルノソール及びカルノジック酸は、非水溶性の抽出物中に含まれる。非水溶性抽出物は、例えば、含水率20〜70%、好ましくは40〜60%のエタノールで処理し、この抽出液に水を加えて非水溶性成分析出させ、更にこれに活性炭を加えて撹拌した後、この溶液から非水溶性成分と活性炭成分との混合物をろ取し、この混合物をエタノールで処理抽出し、この抽出液から溶媒を留去して得られる(特公昭59−4469号公報)。抽出には、ローズマリーの全草、または、その葉、根、、花、果実、種子の何れを使用してもよいが、好ましくは葉を使用する。ローズマリーを刻んでから抽出した方が抽出効率が高くて好ましい。カルノソール及びカルノジック酸は、ローズマリー非水溶性抽出物から単離精製して使用してもよいが、精製せずにそのまま使用してもよい。本発明の劣化防止剤中には、カルノソールまたはカルノジック酸のいずれか一方のみを含有させてもよいし、両方含有させてもよい。劣化防止剤中のカルノソール及びカルノジック酸の含有量は、カルノソールとカルノジック酸の合計で通常1%以上、好ましくは3%以上、更に好ましくは10%以上、更に好ましくは40%以上である。本発明の劣化防止剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を含有することができる。例えば、ショ糖脂肪酸エステル有機酸モノグリセリドポリグリセリン脂肪酸エステルリン脂質等の乳化剤が挙げられる。また目的に応じては、各種の風味付与剤フレーバー)、栄養強化剤、減粘剤、ビタミンE等の他の酸化防止剤なども添加できる。

0016

本発明の劣化防止剤は、通常、油脂中にカルノソール及びカルノジック酸の合計量が0.05ppm 以上、1000ppm以下、好ましくは10ppm以上、500ppm以下、特に好ましくは50ppm以上、200ppm以下となるように添加する。本発明の劣化防止剤が添加された油脂は、野菜炒め等の炒め物調理、天ぷら唐揚げ等の揚げ物調理に好適に利用される。

0017

以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、特にこれらに制限されるものではない。
ローズマリー抽出物sample1の製造
ローズマリー1kgに50%含水エタノール10L加えて3時間加熱還流し、温時ろ過してろ液を得た。残さを50%含水エタノール6Lで同様に処理抽出する操作をさらに二回繰りかえしてろ液を得た。これらのろ液を合わせ、水5Lを加えると沈殿が析出した。このろ液に活性炭100gを加えて1時間攪拌し、一夜冷所放置した後、ろ過して沈殿と活性炭との混合物を得た。この混合物にエタノール4Lを加えて3時間加熱還流し、温時ろ過してろ液を得た。残さをエタノール2.4Lで同様に処理抽出する操作をさらに二回繰り返してろ液を得た。これらのろ液を合わせ、減圧濃縮し、エタノールを留去し、粉末状のローズマリー抽出物(三菱化学フーズ(株)商品名;RM21Bbase)を得た。
ローズマリー抽出物sample2の製造
ローズマリー500gにnーヘキサン1.2L加え、室温で一夜攪拌し、抽出を行った。吸引ろ過により、ろ液を分離後、残さに1.2Lのn−ヘキサンを加えて同様に処理した。この操作を3回行い、抽出ろ液を集め、減圧下で溶媒を留去し、濃縮してn−ヘキサン抽出物19.71gを得た。次にこの抽出物について水蒸気蒸留を行い、揮発成分2.75gを除き、16.95gのローズマリー抽出物を得た。
ローズマリー抽出物sample3の製造
sample1のローズマリー抽出物1重量部に対し、中鎖トリグリセリン(花王(株)製 商品名:ココナート)3.5重量部を加え、60℃で3時間撹拌し、常温になるまで放置して、ローズマリー抽出物を得た。

0018

製造されたローズマリー抽出物sample1〜3のカルノソール及びカルノジック酸の含有量を表−1に示す。

0019

0020

<油脂の劣化防止試験>市販の加工油脂A、Bに、製造したローズマリー抽出物を160ppm添加し、120℃に保持して、これに空気をバブリングし、出てくる揮発成分を脱塩水の溶液にトラップした。そのトラップした溶液の伝導度を測定する方法により、加工油脂の劣化を調べた。ローズマリー抽出物を添加しなかったブランクを比較例2とした。
*加工油脂の劣化解析
120℃でバブリング開始後、時間とともに一定の揮発成分が出てくる時期を誘導期とする。その後、急激に酸化劣化のために揮発成分が時間とともに増大していく時期を劣化期とする。誘導期までの伝導度を0として、劣化期に入った初期の伝導度の増加速度(uS/sec)を測定し、劣化の目安とした。

0021

劣化防止試験の結果を表−2に示す。

0022

0023

加工油脂A;一般式(3)の−C(=0)R1、−C(=0)R2はエルカ酸残基、R3は水素
加工油脂B;一般式(3)の−C(=0)R1、−C(=0)R2はエルカ酸残基、R3はC6〜C12の中鎖脂肪酸残基
表−2より、カルノソール及びカルノジック酸を添加すると、油脂の劣化が抑制されることがわかる。

発明の効果

0024

本発明の劣化防止剤は、健康によい機能性加工油脂の劣化防止に大変優れた効果を発揮する。

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