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技術 圧電アクチュエータとその駆動装置及び圧電アクチュエータを用いた可変ミラーを有するカメラ

出願人 オリンパス株式会社
発明者 百瀬巧
出願日 2001年6月11日 (19年5ヶ月経過) 出願番号 2001-176013
公開日 2003年2月21日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2003-052181
状態 未査定
技術分野 レンズ鏡筒 圧電、電歪、磁歪装置 超音波モータ、圧電モータ、静電モータ カメラ構造、機構 自動焦点調節 ストロボ装置 自動焦点調節 レンズ以外の光学要素 焦点調節 カメラ一般
主要キーワード 電流注入回路 隆起変形 出力側コイル 圧電セル 回転形状 変位面 メインキャパシタ Y座標
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図面 (20)

課題

簡単な構成で所望の変位を発生できる圧電アクチュエータを提供する。

解決手段

圧電アクチュエータ10は、所定方向に変位可能な複数の圧電セル11をそれぞれ2次元に配列してなる複数の圧電セルアレイ層を積層して構成される。

概要

背景

圧電セル圧電セラミックス電界による固体歪を変位量として利用する素子)は印加電圧に対する応答性が良好、すなわち電圧印加に対して高速変位が発生するという特性を持つため、高速動作が要求される対象物を駆動するアクチュエータとして広く利用されている。圧電セルを用いたアクチュエータは、圧電アクチュエータと呼ばれる。

例えば、銀塩写真カメラ電子カメラにおいては、焦点距離を調節するための可変光学デバイスを駆動するためのアクチュエータとして注目されている(特開平10−39122号、特開平6−167646号、特開平8−124196号等)。圧電アクチュエータを構成する圧電セルの駆動には、数十V〜数百Vの印加電圧を必要とする。

圧電アクチュエータとしては、圧電セルの縦圧電効果を利用して電気エネルギーを変位や力などの機械エネルギーに変換するセラミック圧電セルを多数積層して構成される積層型圧電アクチュエータが多くの分野で使用されてきている。しかし、積層型圧電アクチュエータは変位が圧電セルの積層方向のみの伸縮に制限され、また印加電圧に対する発生変位量ヒステリシスの影響が制御上、問題となっている。

積層型圧電アクチュエータに限らないが、従来の圧電アクチュエータでは変位量に対応して制御された印加電圧を圧電セルに与える必要がある。このように制御された印加電圧を発生する駆動系は大規模なものとなるため、カメラのような小型機器への搭載を困難にする。

一方、http://Guernsey.et.tudelft.nl/tyson4 なるURLのインターネットホームページ掲載された“Micromachined adaptive mirrors.”と題する論文には、2次元平面に配置した複数の圧電セルに個別に所定の異なる電圧を印加することによって所望の変位を発生する圧電アクチュエータが開示されている。この圧電アクチュエータは多様の変位を発生させることが可能であるが、各圧電セル毎に制御された印加電圧を必要とするため、駆動系及び電源系が複雑化、大型化してしまう。

概要

簡単な構成で所望の変位を発生できる圧電アクチュエータを提供する。

圧電アクチュエータ10は、所定方向に変位可能な複数の圧電セル11をそれぞれ2次元に配列してなる複数の圧電セルアレイ層を積層して構成される。

目的

本発明は、簡単な構成で所望の変位を発生できる圧電アクチュエータとその駆動装置を提供することを目的とする。

さらに本発明の他の目的は、このような圧電アクチュエータと駆動装置を用いて焦点調節を行うカメラを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

所定方向変位可能な複数の圧電セルをそれぞれ2次元に配列した複数の圧電セルアレイ層を積層してなることを特徴とする圧電アクチュエータ

請求項2

前記圧電セルは、前記複数の圧電アレイ層間で変位方向が同一であり、前記圧電アクチュエータの該変位方向の少なくとも一方の端面に反射材を有することを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。

請求項3

前記圧電セルは、同一の圧電セルアレイ層内では同一で、異なる圧電セルアレイ層間では異なる変位量を有することを特徴とする請求項1または2記載の圧電アクチュエータ。

請求項4

前記圧電セルは、同一の圧電セルアレイ層内で不均一の変位量を有することを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。

請求項5

前記圧電セルを六角柱状としてハニカム状に配置することにより前記圧電セルアレイ層を構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の圧電アクチュエータ。

請求項6

請求項1乃至5のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータを駆動する駆動装置であって、前記複数の圧電セルアレイ層にそれぞれ対応して設けられ、対応する圧電セルアレイ層内の圧電セルをX−Yアドレスにより選択して同一印加電圧により駆動する複数の駆動回路と、前記駆動回路に対して前記X−Yアドレスによる圧電セルの選択のための制御データを供給する手段とを有することを特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。

請求項7

前記複数の駆動回路毎に前記印加電圧を異ならせたことを特徴とする請求項6記載の圧電アクチュエータの駆動装置。

請求項8

前記複数の駆動回路は、前記圧電セルが同一の圧電セルアレイ層内では同一で、異なる圧電セルアレイ層間では異なる変位量を有するように前記圧電セルを駆動することを特徴とする請求項6記載の圧電アクチュエータの駆動装置。

請求項9

前記複数の駆動回路は、前記圧電セルが同一の圧電セルアレイ層内で不均一の変位量を有するように前記圧電セルを駆動することを特徴とする請求項6記載の圧電アクチュエータの駆動装置。

請求項10

所定方向に変位可能な複数の圧電セルをそれぞれ2次元に配列した複数の圧電セルアレイ層を積層して構成され、複数の圧電アレイ層間で変位方向が同一の圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータの該変位方向の少なくとも一方の端面に配置された前記ミラー面を形成する反射材とからなるミラー面形状可変可変ミラーと、被写体光を前記可変ミラーのミラー面に入射させる光学系と、前記可変ミラーにより反射された被写体光が撮像面に結像されるように配置された撮像素子と、前記可変ミラーのミラー面を所望の凹面形状とするための制御データに基づいて前記圧電アクチュエータを駆動する駆動装置とを有することを特徴とするカメラ

請求項11

前記駆動装置は、前記複数の圧電セルアレイ層にそれぞれ対応して設けられ、対応する圧電セルアレイ層内の圧電セルをX−Yアドレスにより選択して同一印加電圧により駆動する複数の駆動回路を有し、該駆動回路は前記制御データに基づいて前記X−Yアドレスによる圧電セルの選択を行うことを特徴とする請求項10記載のカメラ。

請求項12

前記駆動装置は、前記カメラに付属されるストロボ発光させるためのストロボ回路を利用して前記複数の駆動回路に前記印加電圧を供給する印加電圧供給部をさらに有することを特徴とする請求項11記載のカメラ。

請求項13

前記可変ミラーは、焦点調節を司る位置に配置されることを特徴とする請求項10記載のカメラ。

請求項14

前記可変ミラーのミラー面形状を検出するミラー面形状検出手段と、前記ミラー面形状検出手段からの検出信号に基づいて前記可変ミラーの焦点位置を示す焦点信号を生成する焦点信号生成手段と、前記焦点信号に基づいて前記制御データを生成する制御データ生成手段とをさらに有することを特徴とする請求項10記載のカメラ。

請求項15

前記撮像素子を前記可変ミラーのミラー面形状を検出するミラー面形状検出手段として兼用し、前記撮像素子からの前記ミラー面形状の検出信号に基づいて前記可変ミラーの焦点位置を示す焦点信号を生成する焦点信号生成手段と、前記焦点信号に基づいて前記制御データを生成する制御データ生成手段とをさらに有することを特徴とする請求項10記載のカメラ。

請求項16

前記ミラー面形状検出手段は、前記可変ミラーにより反射された被写体光が結像されるように配置された2次元光電変換素子アレイからなることを特徴とする請求項14記載のカメラ。

請求項17

前記ミラー面形状検出手段は、前記可変ミラーのミラー面の中心に対応した第1エリアを有し、前記焦点信号生成手段は、前記ミラー面形状検出手段の前記第1エリアからの検出信号に基いて前記焦点信号を生成し、前記制御データ生成手段は、前記ミラー形状検出手段の前記第1エリアに対応した位置の圧電セルの駆動により前記可変ミラーのミラー面を所望の凹面形状とするための制御データを生成し、前記駆動装置は、該制御データに従って前記圧電アクチュエータを構成する圧電セルのうち少なくとも前記第1エリアに対応した位置の圧電セルを駆動することを特徴とする請求項14または15記載のカメラ。

請求項18

前記制御データ生成手段及び前記駆動装置は、前記第1エリアに対応した位置の圧電セルの駆動により前記可変ミラーのミラー面の凹面形状を徐々に深くし、前記焦点信号がピーク値となる合焦状態に至ったとき該圧電セルの変位を固定させた後、前記第1エリアの周辺に対応した位置の圧電セルの駆動により前記可変ミラーのミラー面を所望の放物面形状とするように構成されることを特徴とする請求項17記載のカメラ。

請求項19

前記第1エリアの周辺に対応した位置の圧電セルのうち駆動対象の圧電セルを徐々に外周に移行させることを特徴とする請求項18記載のカメラ。

請求項20

前記ミラー面形状検出手段は、前記可変ミラーのミラー面の中心に対応した第1エリア及び該ミラー面の周辺対応した第2エリアを有し、前記焦点信号生成手段は、前記ミラー面形状検出手段の前記第1エリア及び前記第2エリアのうちの指定された一つのエリアからの検出信号に基いて前記焦点信号を生成し、前記制御データ生成手段は、前記ミラー形状検出手段の前記第1エリア及び前記第2エリアのうちの指定された一つのエリアに対応した位置の圧電セルの駆動により前記可変ミラーのミラー面を所望の凹面形状とするための制御データを生成し、前記駆動装置は、該制御データに従って前記圧電アクチュエータを構成する圧電セルのうち前記第1エリアに対応した位置及び前記第2エリアのうちの指定された一つのエリアに対応した位置の圧電セルを駆動することを特徴とする請求項14または15記載のカメラ。

請求項21

前記制御データ生成手段及び前記駆動装置は、前記第1エリアに対応した位置の圧電セルの駆動により前記可変ミラーのミラー面を放物面形状とした後、前記第2エリアのうちの指定された一つのエリアに対応した位置の圧電セルの駆動により前記可変ミラーのミラー面を前記所望の凹面形状とするように構成されることを特徴とする請求項20記載のカメラ。

請求項22

前記制御データ生成手段は、前記可変ミラーの所望のミラー面形状に対応した前記圧電セルの位置及び該圧電セルの変位量を求め、該圧電セルの位置及び変位量に基づいて前記制御データを生成する制御データ生成手段をさらに有することを特徴とする請求項10記載のカメラ。

請求項23

前記駆動装置は、前記可変ミラーのミラー面を前記所望の凹面形状より大きな初期凹面形状とした後、該初期凹面形状を隆起変形させて前記所望の凹面形状とするように構成されることを特徴とする請求項10記載のカメラ。

請求項24

前記可変ミラーの入射光路及び出射光路収差補正光学系を配置したことを特徴とする請求項10記載のカメラ。

技術分野

0001

本発明は、3次元構造圧電アクチュエータとその駆動装置及び圧電アクチュエータを用いた焦点調節装置並びにカメラに関する。

背景技術

0002

圧電セル圧電セラミックス電界による固体歪を変位量として利用する素子)は印加電圧に対する応答性が良好、すなわち電圧印加に対して高速変位が発生するという特性を持つため、高速動作が要求される対象物を駆動するアクチュエータとして広く利用されている。圧電セルを用いたアクチュエータは、圧電アクチュエータと呼ばれる。

0003

例えば、銀塩写真カメラ電子カメラにおいては、焦点距離を調節するための可変光学デバイスを駆動するためのアクチュエータとして注目されている(特開平10−39122号、特開平6−167646号、特開平8−124196号等)。圧電アクチュエータを構成する圧電セルの駆動には、数十V〜数百Vの印加電圧を必要とする。

0004

圧電アクチュエータとしては、圧電セルの縦圧電効果を利用して電気エネルギーを変位や力などの機械エネルギーに変換するセラミック圧電セルを多数積層して構成される積層型圧電アクチュエータが多くの分野で使用されてきている。しかし、積層型圧電アクチュエータは変位が圧電セルの積層方向のみの伸縮に制限され、また印加電圧に対する発生変位量ヒステリシスの影響が制御上、問題となっている。

0005

積層型圧電アクチュエータに限らないが、従来の圧電アクチュエータでは変位量に対応して制御された印加電圧を圧電セルに与える必要がある。このように制御された印加電圧を発生する駆動系は大規模なものとなるため、カメラのような小型機器への搭載を困難にする。

0006

一方、http://Guernsey.et.tudelft.nl/tyson4 なるURLのインターネットホームページ掲載された“Micromachined adaptive mirrors.”と題する論文には、2次元平面に配置した複数の圧電セルに個別に所定の異なる電圧を印加することによって所望の変位を発生する圧電アクチュエータが開示されている。この圧電アクチュエータは多様の変位を発生させることが可能であるが、各圧電セル毎に制御された印加電圧を必要とするため、駆動系及び電源系が複雑化、大型化してしまう。

発明が解決しようとする課題

0007

上述したように、従来の圧電アクチュエータでは発生すべき変位に応じて制御された印加電圧を必要とするため、圧電アクチュエータの駆動系や電源系が複雑かつ大型なものとなってしまい、カメラのような小型機器への搭載が難しいという問題点があった。

0008

本発明は、簡単な構成で所望の変位を発生できる圧電アクチュエータとその駆動装置を提供することを目的とする。

0009

さらに本発明の他の目的は、このような圧電アクチュエータと駆動装置を用いて焦点調節を行うカメラを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記の課題を解決するため、本発明に係る圧電アクチュエータは、所定方向に変位可能な複数の圧電セルをそれぞれ2次元に配列した複数の圧電セルアレイ層を積層してなることを基本的な特徴とする。

0011

圧電セルを複数の圧電アレイ層間で変位方向が同一とし、圧電アクチュエータの該変位方向の少なくとも一方の端面に反射材を配置することにより、ミラー面形状が可変の可変ミラーを構成することもできる。

0012

圧電セルは、同一の圧電セルアレイ層内では同一で、異なる圧電セルアレイ層間では異なる変位量を有していてもよく、また同一の圧電セルアレイ層内で不均一の変位量を有していてもよい。さらに、圧電セルを六角柱状としてハニカム状に配置することにより、圧電セルアレイ層を構成してもよい。

0013

また、本発明に係る圧電アクチュエータの駆動装置は、圧電アクチュエータの複数の圧電セルアレイ層にそれぞれ対応して設けられ、対応する圧電セルアレイ層内の圧電セルをX−Yアドレスにより選択して同一印加電圧により駆動する複数の駆動回路と、これらの駆動回路に対してX−Yアドレスによる圧電セルの選択のための制御データを供給する手段とを有することを基本的な特徴とする。

0014

ここで、印加電圧は複数の駆動回路で共通でもよく、各駆動回路毎に異なっていてもよい。複数の駆動回路は、前記圧電セルが同一の圧電セルアレイ層内では同一で、異なる圧電セルアレイ層間では異なる変位量を有するように圧電セルを駆動してもよいし、圧電セルが同一の圧電セルアレイ層内で不均一の変位量を有するように圧電セルを駆動してもよい。

0015

本発明に係るカメラは、上述したミラー面形状が可変の可変ミラーと、被写体光を可変ミラーのミラー面に入射させる光学系と、可変ミラーにより反射された被写体光が撮像面に結像されるように配置された撮像素子と、可変ミラーのミラー面を所望の凹面形状とするための制御データに基づいて圧電アクチュエータを駆動する駆動装置とを有することを基本的な特徴とする。この場合、可変ミラーは、焦点調節を司る位置、例えばインナーフォーカスズームレンズフォーカシングレンズの機能する位置に配置される。

0016

駆動装置は、より具体的には複数の圧電セルアレイ層にそれぞれ対応して設けられ、対応する圧電セルアレイ層内の圧電セルをX−Yアドレスにより選択して同一印加電圧により駆動する複数の駆動回路を有し、該駆動回路は前記制御データに基づいてX−Yアドレスによる圧電セルの選択を行う。

0017

また、駆動装置はカメラに付属されるストロボ発光させるためのストロボ回路を利用して複数の駆動回路に印加電圧を供給する印加電圧供給部をさらに有する。

0018

本発明に係るカメラにおいては、可変ミラーのミラー面形状を検出するミラー面形状検出手段と、このミラー面形状検出手段からの検出信号に基づいて可変ミラーの焦点位置を示す焦点信号を生成する焦点信号生成手段と、該焦点信号に基づいて制御データを生成する制御データ生成手段とをさらに有する。ミラー面形状検出手段は、例えば可変ミラーにより反射された被写体光が結像されるように配置された2次元光電変換素子アレイにより構成される。

0019

ここで、可変ミラーにより反射された被写体光が撮像面に結像されるように配置された前述の撮像素子をミラー面形状検出手段として兼用してもよく、その場合は撮像素子からのミラー面形状の検出信号に基づいて焦点信号生成手段により可変ミラーの焦点位置を示す焦点信号を生成する構成とすればよい。

0020

可変ミラーの第1のミラー面形状制御方法によると、ミラー面形状検出手段は可変ミラーのミラー面の中心に対応した第1エリアを有し、焦点信号生成手段はミラー面形状検出手段の第1エリアからの検出信号に基いて焦点信号を生成し、制御データ生成手段はミラー形状検出手段の第1エリアに対応した位置の圧電セルの駆動により可変ミラーのミラー面を所望の凹面形状とするための制御データを生成し、駆動装置は該制御データに従って圧電アクチュエータを構成する圧電セルのうち少なくとも第1エリアに対応した位置の圧電セルを駆動する。

0021

ここで、制御データ生成手段及び駆動装置は、例えば第1エリアに対応した位置の圧電セルの駆動により可変ミラーのミラー面の凹面形状を徐々に深くし、焦点信号がピーク値となる合焦状態に至ったとき該圧電セルの変位を固定させた後、第1エリアの周辺に対応した位置の圧電セルの駆動により可変ミラーのミラー面を所望の放物面形状とするように構成されることが望ましい。また、第1エリアの周辺に対応した位置の圧電セルのうち駆動対象の圧電セルを徐々に外周に移行させるようにしてもよい。

0022

可変ミラーの第2のミラー面形状制御方法によると、ミラー面形状検出手段は可変ミラーのミラー面の中心に対応した第1エリア及び該ミラー面の周辺対応した第2エリアを有し、焦点信号生成手段はミラー面形状検出手段の第1エリア及び第2エリアのうちの指定された一つのエリアからの検出信号に基いて焦点信号を生成し、制御データ生成手段はミラー形状検出手段の第1エリア及び第2エリアのうちの指定された一つのエリアに対応した位置の圧電セルの駆動により可変ミラーのミラー面を所望の凹面形状とするための制御データを生成し、駆動装置は該制御データに従って圧電アクチュエータを構成する圧電セルのうち第1エリアに対応した位置及び第2エリアのうちの指定された一つのエリアに対応した位置の圧電セルを駆動する。

0023

ここで、制御データ生成手段及び駆動装置は、第1エリアに対応した位置の圧電セルの駆動により可変ミラーのミラー面を放物面形状とした後、第2エリアのうちの指定された一つのエリアに対応した位置の圧電セルの駆動により可変ミラーのミラー面を所望の凹面形状とするように構成される。

0024

可変ミラーの第3のミラー面形状制御方法によると、制御データ生成手段は可変ミラーの所望のミラー面形状に対応した圧電セルの位置及び該圧電セルの変位量を求め、該圧電セルの位置及び変位量に基づいて制御データを生成する制御データ生成手段をさらに有する。

0025

さらに、第4のミラー面形状制御方法によると、駆動装置は可変ミラーのミラー面を所望の凹面形状より大きな初期凹面形状から、該初期凹面形状を隆起変形させて所望の凹面形状とするように構成される。

0026

本発明に係るカメラにおいては、可変ミラーの入射光路及び出射光路収差補正光学系を配置することがより望ましい。

発明を実施するための最良の形態

0027

以下、画面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータの構成を示している。この圧電アクチュエータ10は、この例では図2(a)に示すような直方体形状の圧電セル11を2次元(図の例では6×6セル)に配列した圧電セルアレイ層を複数層(図の例では5層)積層して構成されている。圧電セル11は、図2(a)に示すように直方体形状の圧電体ブロックの対向する2面に電極を付着したものであり、これらの電極間に電圧が印加されることによって、電極に垂直な方向に変位を発生する。

0028

図1の例では各圧電セル11の変位方向は同一となっているが、図2(b)のように隣接する圧電セルアレイ層間で圧電セル11の変位方向を直交させて圧電アクチュエータ10を構成することも可能である。

0029

圧電セル11の形状は、図2(a)に示したような直方体形状に限られず、例えば後述するように六角柱状であってもよい。六角柱の圧電セルを互いに密着させて2次元に組み合わせるとハニカム状の配置となり、圧電アクチュエータ10が全体として波紋状に広がって変形しやすい構造となる。

0030

図3は、図1に示した圧電アクチュエータ10の応用例であり、圧電セル11の変位方向における圧電アクチュエータ10の一端面(以下、これを変位面という)上に、フィルム状の反射材12が接着等により配置され、可変ミラー13が構成されている。圧電アクチュエータ10を構成する個々の圧電セル11の変位量を制御することによって、圧電アクチュエータ10の変位面は3次元の変位を発生できるため、この変位面上に反射材12を配置することによって、反射面の形状が任意に変化する可変ミラー13を実現することが可能である。この場合、各圧電セル11は図1に示したように変位方向が同一となっている。

0031

次に、図4を用いて本実施形態における圧電アクチュエータ10の駆動原理を説明する。図4に示すように、圧電アクチュエータ10の圧電セルアレイ層Z1〜Z5のそれぞれを構成する2次元配列された個々の圧電セル11には、積層方向(変位方向)Zと直交し、かつ互いに直交した2つの方向(X方向及びY方向)の位置(Xアドレス及びYアドレスという)が定められている。圧電セルアレイ層Z1〜Z5の選択とXアドレス及びYアドレスの指定によって一つの圧電セル11が選択され、選択された圧電セル11への印加電圧のオンオフによってその圧電セル11に選択的に変位が発生し、結果として圧電アクチュエータ10全体としての変位面に変位が発生する。

0032

圧電アレイ層Z1〜Z5におけるXアドレス及びYアドレスがそれぞれ同一の圧電セル11に発生した変位は、加減算されて変位面に現れる。従って、個々の圧電セル11への印加電圧のオン・オフを制御することによって、圧電アクチュエータ10の変位面に所望の3次元形状、例えば後述する放物面のような3次元に湾曲した凹面形状の変位を発生させることができる。

0033

個々の圧電セル11の電圧が印加されたときの変位量は、全て同一である必要は必ずしもなく、不均一であってもよい。圧電セル11の変位量を不均一にするためには、例えば個々の圧電セルの変位特性(印加電圧に対する変位量の変化)が異なるように、圧電セルの材質組成比を変えればよい。

0034

例えば、圧電セル11の変位量を不均一にする一つの形態は、同一の圧電セル11の変位量がアレイ層では同一で、異なる圧電セルアレイ層間では異なる変位量を有するようにすることである。また、圧電セル11の変位量は同一の圧電セルアレイ層で不均一であってもよく、例えば図5に示すようにX−Y平面の面内方向の中央部において変位量が最大で、周辺部に移るに従って変位量が減少するようにすると、同じ印加電圧のオン・オフで変位面を容易に凹面形状にでき、かつ印加電圧のオン・オフにより凹面の曲率を変化させることができる。

0035

図6は、圧電アクチュエータ10のための駆動装置の概略構成を示している。圧電アクチュエータ10の圧電セルアレイ層Z1〜Z5のそれぞれに対応して、圧電アクチュエータ駆動回路21−1〜21−5が設けられ、これらの圧電アクチュエータ駆動回路21−1〜21−5に印加電圧供給部22から所定の印加電圧が供給される。

0036

入力部23から圧電アクチュエータ10の変位を制御するための制御データが入力され、この制御データはデコード部24によりデコードされた後、圧電アクチュエータ駆動回路21−1〜21−5に供給される。圧電アクチュエータ駆動回路21−1〜21−5は、Xアドレス制御部25とYアドレス制御部26及びX−Yアドレス定電流回路27によって構成されている。

0037

図7は、図6中の一層分の圧電アクチュエータ駆動回路21と印加電圧供給部22の詳細な構成を示している。印加電圧供給部22は、後に詳しく説明するようにストロボ昇圧回路31を含んで構成される。入力部23からデコード部24を経て圧電アクチュエータ駆動回路21に入力された制御データは、Xアドレス制御部25及びYアドレス制御部26に与えられる。Xアドレス制御部25及びYアドレス制御部26は、電圧を印加すべき圧電セル11のXアドレス(X0,X1,…,Xn)及びYアドレス(Y0,Y1,…,Yn)を指定するためのXアドレス指定信号及びYアドレス指定信号をそれぞれ発生する。

0038

図6中のX−Yアドレス定電流回路27に対応するX−Yアドレス定電流注入回路32及びXYアドレス定電流放電回路33は、この例では電界効果トランジスタによって構成され、それぞれ一つの圧電セルアレイ層内の圧電セルと同数個設けられる。このように定電流化された回路を用いる理由は、圧電セル11の持つ静電容量の影響を受けずに圧電セル11を一定の電圧で駆動して、圧電セル11に安定した変位を発生させるためである。

0039

X−Yアドレス定電流注入回路32は、X1アドレス指定信号によってオン・オフされるスイッチM1と、Y1アドレス指定信号によってオン・オフされるスイッチM2及び定電流源M3からなり、これらが印加電圧供給部22の出力端と圧電セル11の一端との間に直列に接続されている。一方、X−Yアドレス定電流放電回路33は、X1アドレス指定信号とY1アドレス指定信号を入力とするNANDゲート34と、NANDゲート34の出力によってオン・オフされるスイッチM4及び定電流源M5からなり、スイッチM4と定電流源M5が圧電セル11の一端とグラウンド間に接続されている。

0040

図8は、図7中の印加電圧供給部22のさらに詳細な構成を示した回路図である。トランジスタQ1,Q2,Q3A,Q3B、キャパシタC1〜C3、抵抗R1〜R7、ツェナーダイオードDZ、トランスT1及びダイオードD1,D2によって、公知のスイッチングレギュレータ方式DC−DCコンバータからなる図7に示したストロボ昇圧回路31が構成される。このストロボ昇圧回路31によって電源Bの電圧が昇圧され、メインキャパシタMCを介して図示しないカメラに付属のストロボに供給される。

0041

このような構成のストロボ昇圧回路31において、トランスT1の出力側コイルに複数の中間タップを設けることにより、各タップからダイオードを介して圧電アクチュエータ駆動回路21−1〜21−5にそれぞれ異なる印加電圧を供給することができる。なお、図8に示したストロボ昇圧回路31の構成は一例であり、種々の変形が可能である。

0042

次に、圧電アクチュエータ駆動回路21の動作を説明する。入力部23からデコード部24を介して入力される制御データに従って、Xアドレス制御部25から“H”レベルのX1アドレス指定信号が出力され、Yアドレス制御部26から“H”レベルのY1アドレス指定信号が出力されると、XYアドレス定電流注入回路32においてスイッチM1,M2がオンとなり、印加電圧供給部22から供給される印加電圧がスイッチM1,M2及び定電流源M3を介してX=X1,Y=Y1のアドレスの圧電セル11に電圧が供給される。これによって、印加電圧が供給された圧電セル11に変位が発生する。

0043

一方、Xアドレス制御部25から“L”レベルのX1アドレス指定信号が出力され、Yアドレス制御部26から“L”レベルのY1アドレス指定信号が出力されると、XYアドレス定電流放電回路33においてNANDゲート34の出力によってスイッチM4がオンとなり、圧電セル11の電荷放電されるため、圧電セル11の変位は解除される。

0044

このようにXアドレス指定信号とYアドレス指定信号によって、対応するアドレスの圧電セル11への印加電圧をオン・オフすることにより、任意の圧電セル11に変位を発生させることが可能である。従って、入力部23から入力される制御データによって圧電セルアレイ層Z1〜Z5の圧電セル11を任意の組み合わせで変位させることにより、圧電セルアレイ層Z1〜Z5の積層方向(Z方向)に重なった各圧電セル11の変位量が加減算されて合成される結果、圧電アクチュエータ10の変位面に任意形状の変位を発生させることができる。

0045

この場合、圧電セルアレイ層Z1〜Z5の各層毎に異なる電圧を印加電圧供給部22から供給することができるため、圧電セルアレイ層Z1〜Z2が同じ特性であっても各層毎に異なった変位量とすることが可能となる。さらに、圧電アクチュエータ駆動回路21−1〜21−5及び印加電圧供給部22を簡易な構成として駆動装置を小型化でき、圧電アクチュエータ10及び駆動装置を後述する焦点調節装置に適用してカメラに搭載する場合に有利となる。

0046

次に、上述した圧電アクチュエータ及び駆動装置をカメラの焦点調節装置に適用した実施形態について説明する。本発明は電子カメラ及び銀塩写真カメラのいずれにも適用でき、前者の場合は固体撮像素子を用い、後者の場合はフィルムを用いればよい。

0047

まず、図9を用いて従来のカメラにおける焦点調節の原理を述べる。このカメラではレンズ系として、インナーフォーカス型ズームレンズが用いられ、第一群41、第二群42、第三群43、第四群44の各レンズからなる。被写体光は、これらのレンズ群を介してミラー45に導かれる。ミラー45を透過した光はシャッタ46を介して固体撮像素子(またはフィルム)47上に結像され、ミラー45を反射した光はペンタプリズム48に導かれる。

0048

従来のカメラでは、フォーカシングレンズである第四群44をモータ等のアクチュエータによって矢印で示すように光軸方向に駆動させることにより、焦点調節が行われている。この構成では、フォーカシングレンズである第四群44を光軸方向に直線移動させるための空間が必要であるため、カメラの小型化の妨げとなるばかりでなく、モータの応答性が悪いために高速の焦点調節ができないという問題があった。

0049

一方、フォーカシングレンズを移動させるアクチュエータとして、積層型圧電アクチュエータや前述した論文“Micromachined adaptive mirrors.”に記載された圧電アクチュエータを用いると、制御された印加電圧を必要とするために電源系を含めた駆動系が複雑かつ大型化するという問題があった。

0050

これに対し、本実施形態では例えば図10に示すように図9のインナーフォーカス型ズームレンズのフォーカシングレンズ位置である第四群44の位置に、前述した圧電アクチュエータ10とその変位面に配置された反射材12により構成される可変ミラー13を配置している。被写体光は第一群41、第二群42、第三群43を介して可変ミラー13に入射し、この可変ミラー13のミラー面(反射材12面)で反射されてミラー(この場合は、ペリクルミラーが用いられる)45に導かれる。ペリクルミラー45を反射した光はシャッタ46を介して固体撮像素子(またはフィルム)47上に結像され、ペリクルミラー45を透過した光はペンタプリズム48に導かれる。

0051

ここで、焦点調節は可変ミラー13の圧電アクチュエータ10を駆動して、ミラー面を形成する反射材12を変位させることにより行われる。このため、フォーカシングレンズを直線移動させる図9の焦点調節装置で必要とした、フォーカシングレンズの直線移動のための空間が不要となる。また、圧電アクチュエータ10の応答性がモータに比較して良好であることから焦点調節を高速に行うことができる。さらに、積層型圧電アクチュエータや論文“Micromachined adaptivemirrors.”に記載された圧電アクチュエータと異なり、X−Yアドレスの指定と単一もしくは少数の固定された限られた印加電圧により圧電アクチュエータ10を駆動するため、駆動装置を含めた焦点調節装置の簡略化及び小型化を図ることができ、カメラ全体の小型化に大きく寄与する。

0052

図11は、本実施形態に係る焦点調節装置の制御系を含めたカメラの構成をより詳しく示した図である。図11では本発明の要旨に関係のない部分については図示を省略している。図10と同一部分に同一符号を付して説明すると、ペンタプリズム48に入射した被写体光の一部は、例えばCMOSセンサまたはCCDセンサのような2次元の光電変換素子アレイによって構成されるミラー面形状検出用センサ51に入射する。ミラー面形状検出用センサ51は可変ミラー13で反射した被写体光を検出することにより、可変ミラー13のミラー面形状、すなわち圧電アクチュエータ10の変位に基づくミラー面の形状(変位状態)を検出するために設けられ、そのミラー面形状に応じた画像信号を検出信号として出力する。

0053

ミラー面形状検出用センサ51から出力される検出信号は、サンプルホールド(S/H)及び自動利得制御(AGC)回路52によって所定のサンプリング間隔サンプリングされ、かつ一定レベルとなるように利得制御が行われた後、A/D変換器53によりディジタル信号に変換され、カメラ信号処理部54に入力される。カメラ信号処理部54では、入力された検出信号に対して信号処理が施され、輝度(Y)信号が生成される。この輝度信号AF自動焦点調節検波部55に入力される。

0054

尚、図11ではミラー面形状検出用センサ51を撮像素子47とは別個に設けたが、図12に示すように撮像素子47をミラー面形状検出用センサとして兼用させてもよい。

0055

図13にAF検波部55の詳細な構成を示したように、AF検波部55においてはカメラ信号処理部54からの輝度信号がフィルタハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタ)61を介して整流回路62により整流された後、ゲート回路63に入力される。ゲート回路63は、記憶部57のROMに記憶された制御プログラムに従いCPU56によって制御され、入力された信号からフォーカシングエリア(AFエリア)内の信号のみを抽出する。フォーカシングエリアは、ファインダ内でカメラのユーザ(撮影者)によって指定可能となっていることが望ましい。

0056

ゲート回路63で抽出された信号は検波回路64によって検波され、焦点の合焦状態(焦点誤差)を表す焦点信号として出力される。検波回路64の検波方式としては、(a)平均値積分値)検波方式、(b)ピーク値検波方式、あるいは(c)平均値検波とピーク値検波との中間的な検波方式のいずれかを用いることができる。

0057

こうしてAF検波部55から出力される焦点信号はCPU56に入力され、制御データが生成される。この制御データはデコード部58によってデコードされた後、圧電アクチュエータ駆動回路21(21−1〜21−5)に入力され、フィードバック制御が行われる。CPU56及びデコード部58は図6図7で説明した入力部23及びデコード部24にそれぞれ対応している。

0058

記憶部57は、制御プログラムを格納したROM及び作業用のRAMを含んでいる。CPU56は、ROMに格納された制御プログラムに従いゲート回路63を制御することにより、ゲート回路63が信号抽出を行うべきフォーカシングエリアを中心から外側に向かって波紋が広がるように段階的に変化させる。すなわち、記憶部57に含まれるROMには段階的に変化させるべき各フォーカシングエリアの情報が格納されており、このフォーカシングエリア情報に従ってCPU56はゲート回路63を制御する。また、補間データをROMに格納しておき、これを演算することにより検波回路64での検波(焦点信号の検出)を間引いて行ってもよい。

0059

このフォーカシングエリアの段階的な変化に伴ってCPU56で逐次生成される制御データがデコード部58を介して圧電アクチュエータ駆動回路21(21−1〜21−5)に入力されることによって、可変ミラー13のミラー面のうちフォーカシングエリアに対応する領域内の圧電セルが駆動されて変位を発生し、ミラー面の形状が変化する。

0060

可変ミラー13のミラー面の形状変化に伴ってAF検波部55から出力される焦点信号は、再びCPU56及びデコード部58を介して圧電アクチュエータ駆動回路21(21−1〜21−5)に入力される。このようにして焦点信号が最大、すなわち合焦状態となるようなフィードバック制御が行われる。

0061

次に、上記の焦点調節動作についてさらに詳しく説明する。図9で説明した従来の焦点調節装置においては、上記と同様にしてAF検波部から出力される焦点信号をCPUに入力して制御演算を行い、フォーカス方向及びスピードを検出してフォーカシングレンズ(第四群)を光軸方向に移動させる閉ループ制御を行っていた。実際には、フォーカシングレンズを微小量移動させてレンズの移動方向を確認した後、図14に示すような山登り制御を行って、焦点信号が最大となる合焦位置を検出している。

0062

これに対して、本実施形態ではフォーカシングレンズに代えて、前述した圧電アクチュエータ10とその変位面に配置された反射材12とからなる可変ミラー13を用い、図15に示すように圧電アクチュエータ10を反射材12面であるミラー面が凹型となり、かつその深さが段階的に変化するように制御し、焦点信号が最大となる合焦位置を検出している。

0063

図16は、図11中のミラー面形状検出用センサ51のセンサ面を示す図である。このセンサ面は中央部にAFエリア71、周辺部に多点AF用周辺変位エリア72を有する。カメラの撮影時には、これらのAFエリア及び多点AF用周辺変位エリアを撮影者が確認できるように、ファインダ上に各エリアの区分が表示されるものとする。

0064

ここで、図11において可変ミラー13のペリクルミラー45及びペンタプリズム48を介して形成される焦点位置に、ミラー面形状検出用センサ51のAFエリア71が配置されているものとする。この場合、可変ミラー13のミラー面が完全な回転放物面であれば、ミラー面で反射した被写体光は焦点に集束するため、焦点位置に置かれたAFエリア71による被写体光の検出に基づいて図11のような制御系により可変ミラー13のミラー面形状を適切に制御することが可能である。

0065

以下、本実施形態におけるミラー面形状制御方法の幾つかの例を説明する。まず、説明の前に図22を用いて放物線及び放物面の定義について確認しておく。図22に示す一定点Fと一定直線dからの距離が等しい点の軌跡放物線といい、この場合の点Fを焦点、直線dを準線と呼ぶ。焦点Fを通り、準線dに垂直な直線Xは放物線の対称軸となり、これを放物線の軸という。

0066

X軸を中心として放物線を回転させると、放物面(回転放物面という)が形成され、X軸に平行に入射した光は全て焦点Fに結像する特性を持つ。X軸と放物線または放物面の交点を放物線または放物面の頂点という。X軸に直角(準線dに平行)で放物線または放物面の頂点を通る直線をyとし、さらに頂点を原点とし、焦点Fと準線d間の距離を2aとすると、y2=4aXが成り立つ。これを放物線の方程式と呼ぶ。このときの焦点Fの(X,Y)座標は、F(X,0)となる。ここでは平行光の例で示したが、X軸上に点光源を置き、発散光を入射させた場合であっても、X軸上に焦点を結ぶことは明らかである。

0067

(第1のミラー面形状制御方法)
(1−1)まず、圧電アクチュエータ10の圧電セル11のうち、可変ミラー13のミラー面に形成すべき放物面の頂点(原点)を通るX軸上の圧電セルを、ミラー面形状検出用センサ51の中心(X軸上の焦点Fに対応する位置)にあるAFエリア71によって検出された信号に基づいて生成される焦点信号が最大となるまで変位させ、その状態で固定する。これにより合焦状態が得られる。

0068

(1−2)圧電アクチュエータ10の圧電セル11のうち周辺の圧電セルを図17に示すように波紋が広がるように順次変位させることによって、可変ミラー13のミラー面を所望の放物面形状とする。このとき可変ミラー13のミラー面に入射した被写体光は、ペリクルミラー45及びシャッタ46を経由して撮像素子47上に集束されて結像され、被写体像が撮像される。図17において、センサ相対位置とは可変ミラー13のミラー面のうちミラー面形状検出用センサ51に対応する位置であり、AFエリア相対位置とはAFエリア71に対応する位置である。

0069

図18は、上記のような制御を行うのに適した圧電アクチュエータ10の好ましい例であり、圧電セル11は六角柱状に形成される。これら六角柱状の圧電セル11が図17にも示されるようにハニカム状に配置されることにより圧電セルアレイ層を構成し、これらの圧電セルアレイ層が複数層積層されて圧電アクチュエータ10を構成している。このような構成にすると、圧電アクチュエータ10における圧電セル11の集積率を高め、かつ図17に示したように波紋状に周辺に広がるような変位を発生させることが容易となる。

0070

図19に、上記のようにして可変ミラー13に所望の放物面形状のミラー面を形成する過程のミラー面の形状変化を示す。図19(a)(b)(c)(d)は、ミラー面をAFエリア相対位置を中心として凹状に変位させ、ミラー面形状検出用センサ51のAFエリア71から検出された信号に基づき生成された焦点信号が最大となる位置までAFエリア相対位置にある圧電セルを変位させて固定する過程を示している。図19(d)の状態で、AFエリア相対位置にある圧電セルが固定される。図19(e)は、図19(d)のように圧電セルを固定した状態から、符号1→2→3→4→5の示す順序で波紋が広がるように、AFエリア相対位置の周辺の圧電セルを順次変位させることにより、最終的な放物面形状のミラー面を形成した状態を示している。

0071

図20は、図19(a)(b)(c)(d)(e)に示した可変ミラー13のミラー面形状変化に対応した焦点信号の変化を示している。図20の符号1,2,3,4,5は、図19(e)の符号1,2,3,4,5と対応している。

0072

(第2のミラー面形状制御方法)上述した第1のミラー面形状制御方法では、ミラー面形状検出用センサ51のうち可変ミラー13のミラー面の中心(放物面の頂点)に対応する中央部のAFエリア71からの信号に基づき生成された焦点信号に従って、AFエリア相対位置にある圧電セルを変位させることでAFエリアにおいて合焦状態とし、その後AFエリア相対位置の周辺の圧電セルを変位させることでミラー面を放物面形状としていた。

0073

一方、第2のミラー面形状制御方法として、ミラー面形状検出用センサ51の各エリアのうち、可変ミラー13のミラー面の周辺部に対応する複数の多点AF用周辺変位エリア72のうちの一つがユーザにより指定された場合に、その指定されたエリアからの信号に基づき生成された焦点信号に従って、指定されたエリアに対応する位置にある圧電セルを変位させてもよい。図21を用いて、この第2のミラー面形状制御方法について説明する。

0074

(2−1)まず、第1のミラー面形状制御方法における(1−1)(1−2)と同様の手順によって、可変ミラー13のミラー面を回転形状の放物面形状とする。図21(a)に、この状態における可変ミラー13のミラー面の平面図及び断面図を示す。
(2−2)次に、ミラー面形状検出用センサ51の多点AF用周辺変位エリア72のうちの、指定されたエリアからの信号に基づき生成された焦点信号に従って、当該指定されたエリアに対応する位置にある圧電セルを変位させることにより、ミラー面形状に補正を施す。図21(b)に、この状態における可変ミラー13のミラー面の平面図及び断面図を示す。図21(b)の下側の図において、矢印で指し示した位置が多点AF用周辺変位エリア72のうちの指定されたエリアに対応する位置であり、この位置にある圧電セルを変位させることによりミラー面形状が補正されている。

0075

このように多点AF用周辺変位エリア72のうちの一つのエリアが指定された場合、その指定されたエリアに対応した位置に合焦を行うことが可能となる。従って、例えばカメラ撮影において被写体の合焦させたい位置が画面中央でなく、周辺部にある場合にも合焦状態を得ることができる。

0076

(第3のミラー面形状制御方法)上述した第2のミラー面形状制御方法では、可変ミラー13のミラー面を構成する放物面の頂点(原点)から周辺部に至る全てのミラー面形状制御をフィードバック制御によって行うため、システムが簡単となる反面、制御に時間がかかる。そこで、制御に要する時間を短縮可能とした第3のミラー面形状制御方法について説明する。

0077

(3−1)まず、可変ミラー13に形成しようとする放物面形状のミラー面の深さ、すなわち図22のX軸上の焦点Fの位置を求める。
(3−2)次に、(3−1)で求められた焦点Fの位置から、先に示した放物線の方程式
y2=4aX
より、Y座標に対応する圧電セルの変位量を求める。これは図11の記憶部57にミラー面の種々の深さ(焦点Fの位置)に対応した圧電セルの変位量の情報を記憶させておき、所望の焦点Fの位置に対応した変位量の情報をCPU56が読み出して、圧電アクチュエータ10を駆動するための制御データを生成することにより、達成できる。

0078

(3−3)次に、(3−2)で求められた変位量に応じた制御データをCPU56が生成し、これに基づいてデコード部58及び圧電アクチュエータ駆動回路21を介して圧電アクチュエータ10を駆動し、対応する圧電セルをX−Yアドレス指定で選択して、その圧電セルを(3−2)で求められた変位量だけ変位させることにより、所望の放物面形状のミラー面を形成する。

0079

第1、第2のミラー面形状制御方法では、フィードバック制御(閉ループ制御)によって可変ミラー13のミラー面を制御していたのに対し、第3のミラー面形状制御方法では、開ループ制御を用いることによって可変ミラー13のミラー面を所望の放物面形状に高速に制御することが可能となる。

0080

以上述べた第1〜第3のミラー面形状制御方法では、可変ミラー13のミラー面を平面形状から凹状に変位させて最終的に所望の放物面形状にしたが、最終的に必要な所望の放物面形状に対応する圧電セルの変位量が予め想定可能である場合には、図23に示すような制御方法を用いてもよい。

0081

(4−1)まず、図23(a)に示すように可変ミラー13のミラー面を初期状態では所望の凹面形状(放物面形状)よりも深さが大きい凹面形状(初期凹面形状)とする。この初期凹面形状は、必ずしも放物面形状でなくともよい。
(4−2)次に、ミラー面を図23(b)に示すように初期凹面形状から徐々に隆起変位させ、最終的に図23(c)に示すような所望の凹面形状(放物面形状)をミラー面に形成する。

0082

図24は、本発明の他の実施形態における焦点調節装置の光学系の要部構成を示している。図10図11及び図12に示した光学系のように圧電アクチュエータ10を用いた可変ミラー13のみで焦点調節を行う方法では、収差キャンセルするためにミラー面を非対称として、所望の放物面形状にしなければならず、制御が比較的複雑となる。

0083

これに対し、図24に示す光学系では収差補正光学系として、可変ミラー13への入射光路と出射光路(撮像素子47への入射光路)に収差補正ミラー81,82を配置している。このようにすることにより、収差のない被写体像を可変ミラー13のミラー面及び撮像素子47の撮像面上に結像することができ、収差補正のための複雑な制御を省略することが可能となる。

0084

図25は、本発明のさらに別の実施形態に係る焦点調節装置の光学系の要部構成を示す図であり、図24中の収差補正ミラー81,82に代えて偏心プリズム90を収差補正光学系として用いている。被写体光は偏心プリズム90に第1面91から入射し、第2面92で反射した後、第3面93から偏心プリズム90外に出て可変ミラー13のミラー面に入射する。可変ミラー13で反射された被写体光は、第3面93から偏心プリズム90内に入射し、第4面94で反射された後、第2面92から偏心プリズム90外に出て撮像素子47に入射する。

0085

このような構成によっても、図24の例と同様に収差のない被写体像を可変ミラー13のミラー面及び撮像素子47の撮像面上に結像することができるため、収差補正のための複雑な制御を省略することが可能となる。その他、本発明はその主旨の範囲内で種々変形して実施することができる。

発明の効果

0086

以上説明したように、本発明によれば簡単な構成で所望の変位を発生できる圧電アクチュエータとその駆動装置及び圧電アクチュエータと駆動装置を用いて焦点調節を行うカメラを提供することができる。

図面の簡単な説明

0087

図1本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータの構成を示す斜視図
図2同実施形態に係る圧電アクチュエータを構成する圧電セルと各圧電セルの変位方向についての説明図
図3同実施形態に係る圧電アクチュエータとその変位面に配置された反射材からなる可変ミラーの構成を示す図
図4同実施形態に係る圧電アクチュエータの駆動原理を説明するための図
図5同実施形態に係るX−Y平面の面内方向の中央部において変位量が最大で、周辺部に移るに従って変位量が減少するように構成された圧電アクチュエータの変位前及び変位後の断面図
図6同実施形態に係る圧電アクチュエータを駆動する駆動装置の概略構成を示す図
図7図6中の一つの圧電アクチュエータ駆動回路と印加電圧供給部の詳細な構成を示す図
図8図7におけるストロボ昇圧回路の詳細な構成を示す回路図
図9従来の焦点調節装置を説明するためのカメラの概略図
図10本発明による圧電アクチュエータとその変位面に配置された反射材からなる可変ミラーを焦点調節装置に用いた本発明の一実施形態に係るカメラの概略図
図11同実施形態に係るカメラの焦点調節装置の制御系を含めた詳細な構成を示す図
図12同実施形態に係るカメラの焦点調節装置の制御系を含めた詳細な構成を示す図
図13図11及び図12におけるAF検波部の詳細な構成を示す図
図14自動焦点調節の原理説明図
図15同実施形態に係る可変ミラーの動作原理を示す図
図16同実施形態に係るミラー形状検出用センサのAFエリア及び多点AF用周辺変位エリアについて説明するための図
図17同実施形態に係る可変ミラーのミラー面とミラー形状検出用センサの各エリアとの相対位置関係及びミラー面の形状が波紋状に変化する様子を示す図
図18本発明に係る可変ミラーに適した圧電アクチュエータの構成例を示す図
図19同実施形態に係る可変ミラーに放物面形状のミラー面を形成する過程のミラー面の形状変化を示す図
図20同実施形態に係る可変ミラーのミラー面の図19に示した形状変化に対応した焦点信号の変化を示す図
図21同実施形態に係る可変ミラーのミラー面形状を放物面とした後に多点AF用周辺変位エリアのうちの指定されたエリアに合焦させるために補正する様子を示す図
図22放物線及び放物面についての説明図
図23同実施形態に係る可変ミラーのミラー面を凹状から隆起変位させて所望の放物面形状を得る様子を示す図
図24同実施形態に係る可変ミラーに収差補正光学系を組み合わせた焦点調節装置を含む本発明の他の実施形態に係るカメラの要部の概略図
図25同実施形態に係る可変ミラーを偏心光学系に用いた本発明の別の実施形態に係るカメラの要部の概略図

--

0088

10…圧電アクチュエータ
11…圧電セル
12…反射材(ミラー面)
13…可変ミラー
21(21−1〜21−5)…圧電アクチュエータ駆動回路
22…印加電圧供給部
23…入力部
24…デコード部
25…Xアドレス制御部
26…Yアドレス制御部
27…X−Yアドレス定電流回路
31…ストロボ昇圧回路
MC…ストロボメインキャパシタ
32…X−Yアドレス定電流注入回路
33…X−Yアドレス定電流放電回路
41…第一群
42…第二群
43…第三群
44…第四群(フォーカシングレンズ)
45…ミラー(ペリクルミラー)
46…シャッタ
47…撮像素子(またはフィルム)
48…ペンタプリズム
51…ミラー面形状検出用センサ
55…AF検波部
56…CPU
57…記憶部
58…デコード部
71…AFエリア(第1エリア)
72…多点AF用周辺変位エリア(第2エリア)
81,82…収差補正ミラー(収差補正光学系)
90…偏心プリズム(収差補正光学系)
91〜94…反射面

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