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技術 金属配線の製造方法およびその方法を用いた金属配線基板

出願人 シャープ株式会社
発明者 近間義雅和泉良弘
出願日 2002年3月5日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2002-059461
公開日 2003年2月21日 (17年10ヶ月経過) 公開番号 2003-051463
状態 未査定
技術分野 化学的被覆 液晶5(電極、アクティブマトリックス) 半導体の電極 薄膜トランジスタ 半導体集積回路装置の内部配線
主要キーワード 金属フルオロ錯体 水酸化膜 加水分解平衡反応 二水和塩 コストダウン効果 湿式成膜技術 バルク抵抗率 遅延問題
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年2月21日)のものです。
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課題

金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線断線を防止し得る金属配線の製造方法およびその方法を用いた金属配線基板を提供する。

解決手段

金属配線は、絶縁基板10上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜12を形成する第1の工程と、非導電性酸化膜12上にめっき触媒14を付与する第2の工程と、めっき触媒14の上にめっき法によって金属膜16を形成する第3の工程と、金属膜16を配線形状パターニングする第4の工程とにより形成される。

概要

背景

液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)に代表されるフラットパネルディスプレイは、通常一対の基板の間液晶放電ガス等の表示材料が挟持され、この表示材料に電圧印加する方法により構成される。この少なくとも一方の基板には導電材料からなる金属配線が配列されている。

例えば、アクティブマトリクス駆動型ディスプレイの場合には、表示材料を挟持する一対の基板の内、一方のアクティブマトリクス基板上にゲート電極データ電極とがマトリクス状に配設されると共に、その交差部毎に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)と画素電極とが配設されている。通常、このゲート電極およびデータ電極はタンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属材料から形成されており、スパッタ法等のドライ成膜法によって成膜されている。

ところで、このようなフラットパネルディスプレイにおいて、大面積化高精細化を図ろうとした場合、駆動周波数が高まると共に、金属配線の抵抗寄生容量が増大することから、駆動信号遅延が大きな問題となってくる。

そこで、この駆動信号の遅延問題を解決するために、従来の配線材料であるアルミニウム(Al:バルク抵抗率2.7μΩ・cm)、α−タンタル(α−Ta:バルク抵抗率13.1μΩ・cm)、モリブデン(Mo:バルク抵抗率5.8μΩ・cm)の代わりに、より電気抵抗の低い銅(Cu:バルク抵抗率1.7μΩ・cm)を配線材料に用いる試みがなされている。例えば、「Low ResistanceCopper Address Line for TFT-LCD」(Japan Display '89 p.498-501 )において、ゲート電極材料に銅(Cu)を用いたTFT−LCDの検討結果が開示されている。この文献によれば、スパッタ法により成膜した銅(Cu)膜は下地ガラス基板との密着性が悪いため、下地にタンタル(Ta)等の金属膜を介在させることによって密着性の向上を図る必要があることが明記されている。

しかしながら、上述の文献に示された配線構造の場合、銅(Cu)膜とタンタル(Ta)等の下地金属膜とに対して、個別のドライ成膜工程やエッチングプロセスが必要となり、プロセスが増加し、コストアップにつながるといった問題を有する。

そこで、例えば、特開平4−232922号公報においては、ITO(indium-tin oxide:インジウムすず酸化物)からなる透明電極下地膜に使用し、該下地膜上に銅(Cu)等の金属膜をめっき技術によって成膜する方法が提案されている。本技術によれば、めっき金属はITO膜上にのみ選択的に成膜することができるため、パターニングプロセスは透明電極のITO膜だけで良く、銅(Cu)配線を大面積でも高率良く成膜できる効果が明記されている。また、ITOと密着性のよいニッケル(Ni)等の金属膜をITOと銅(Cu)との間に介在させる構造についても記載されている。

一方、上記の特開平4−232922号公報に限らず、アクティブマトリクス基板のプロセスの短縮、単純マトリクス型のLCD等の透明電極の低抵抗化、ITO膜上の半田濡れ性の向上といった種々の目的として、パターニングされたITO膜上に、ニッケル(Ni)、金(Au)、銅(Cu)等の金属膜をめっき技術により成膜する方法が提案されている(例えば、特開平2−83533号公報、特開平2−223924号公報、特開昭62−288883号公報、特開平1−96383号公報)。

さらに、特開2001−32086号公報においては、下地膜をスパッタITOからゾルゲル法等の湿式成膜技術を利用した方法によりITOを成膜するという提案がなされている。

湿式成膜技術は、真空装置を利用せず、スピンコート法またはディップ法等により成膜し、その後焼成を行い膜を形成する技術である。この方法を用いた場合には、コスト削減、大画面成膜の容易性等のメリットが得られる。なお、上記スピンコート法とは、基板をコーティングする場合に、回転する基板にゾル状態塗料滴下し、遠心力により広げるコーティング法をいう。また、上記ディップ法とは、基板をコーティングする場合に、基板をゾル状態の塗料に浸漬し、引き上げ浸漬法をいう。

また、感光性のあるゾルゲル膜を使用することによりフォト工程のみで成膜・パターニングが完結し、エッチング装置がいらない等のメリットもあることが報告されている。

さらに、この方法では、ゾルゲル膜が多孔質ポーラス)であるため、めっき膜との密着力も高いというメリットがあるという効果も明記されている。

概要

金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得る金属配線の製造方法およびその方法を用いた金属配線基板を提供する。

金属配線は、絶縁基板10上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜12を形成する第1の工程と、非導電性酸化膜12上にめっき触媒14を付与する第2の工程と、めっき触媒14の上にめっき法によって金属膜16を形成する第3の工程と、金属膜16を配線形状にパターニングする第4の工程とにより形成される。

目的

本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、または、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇を回避し得る金属配線の製造方法およびその方法を用いた金属配線基板を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜を形成する第1の工程と、上記非導電性酸化膜上にめっき触媒を付与する第2の工程と、上記めっき触媒の上にめっき法によって金属膜を形成する第3の工程と、上記金属膜を配線形状パターニングする第4の工程とにより形成されることを特徴とする金属配線の製造方法。

請求項2

絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜を形成する第1の工程と、上記非導電性酸化膜上に感光性めっき触媒を付与する第2の工程と、上記感光性めっき触媒を配線形状にパターニングする第3の工程と、上記配線形状にパターニングされた感光性めっき触媒の上にめっき法によって選択的に金属膜を形成する第4の工程とにより形成されることを特徴とする金属配線の製造方法。

請求項3

第1の工程の湿式成膜技術は、ゾルゲル法であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属配線の製造方法。

請求項4

第1の工程の湿式成膜技術は、化学析出法または液相析出法であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属配線の製造方法。

請求項5

非導電性酸化膜は、透明であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属配線の製造方法。

請求項6

感光性めっき触媒は、パラジウム(Pd)を含有することを特徴とする請求項2に記載の金属配線の製造方法。

請求項7

金属膜は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)を主成分とし、そのいずれかの単層膜、またはこれらの単層膜の少なくとも1層を含む多層膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属配線の製造方法。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載された金属配線の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする金属配線基板

技術分野

0001

本発明は、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、エレクトロクロミック表示装置(ECD)、エレクトロルミネッセント表示装置(ELD)等のフラットパネルディスプレイに用いられる金属配線、および二次元画像検出器等の各種センサー、電子機器に用いる電気回路基板等に用いられる金属配線の製造方法およびその方法を用いた金属配線基板に関するものである。

背景技術

0002

液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)に代表されるフラットパネルディスプレイは、通常一対の基板の間液晶放電ガス等の表示材料が挟持され、この表示材料に電圧印加する方法により構成される。この少なくとも一方の基板には導電材料からなる金属配線が配列されている。

0003

例えば、アクティブマトリクス駆動型ディスプレイの場合には、表示材料を挟持する一対の基板の内、一方のアクティブマトリクス基板上にゲート電極データ電極とがマトリクス状に配設されると共に、その交差部毎に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)と画素電極とが配設されている。通常、このゲート電極およびデータ電極はタンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属材料から形成されており、スパッタ法等のドライ成膜法によって成膜されている。

0004

ところで、このようなフラットパネルディスプレイにおいて、大面積化高精細化を図ろうとした場合、駆動周波数が高まると共に、金属配線の抵抗寄生容量が増大することから、駆動信号遅延が大きな問題となってくる。

0005

そこで、この駆動信号の遅延問題を解決するために、従来の配線材料であるアルミニウム(Al:バルク抵抗率2.7μΩ・cm)、α−タンタル(α−Ta:バルク抵抗率13.1μΩ・cm)、モリブデン(Mo:バルク抵抗率5.8μΩ・cm)の代わりに、より電気抵抗の低い銅(Cu:バルク抵抗率1.7μΩ・cm)を配線材料に用いる試みがなされている。例えば、「Low ResistanceCopper Address Line for TFT-LCD」(Japan Display '89 p.498-501 )において、ゲート電極材料に銅(Cu)を用いたTFT−LCDの検討結果が開示されている。この文献によれば、スパッタ法により成膜した銅(Cu)膜は下地ガラス基板との密着性が悪いため、下地にタンタル(Ta)等の金属膜を介在させることによって密着性の向上を図る必要があることが明記されている。

0006

しかしながら、上述の文献に示された配線構造の場合、銅(Cu)膜とタンタル(Ta)等の下地金属膜とに対して、個別のドライ成膜工程やエッチングプロセスが必要となり、プロセスが増加し、コストアップにつながるといった問題を有する。

0007

そこで、例えば、特開平4−232922号公報においては、ITO(indium-tin oxide:インジウムすず酸化物)からなる透明電極下地膜に使用し、該下地膜上に銅(Cu)等の金属膜をめっき技術によって成膜する方法が提案されている。本技術によれば、めっき金属はITO膜上にのみ選択的に成膜することができるため、パターニングプロセスは透明電極のITO膜だけで良く、銅(Cu)配線を大面積でも高率良く成膜できる効果が明記されている。また、ITOと密着性のよいニッケル(Ni)等の金属膜をITOと銅(Cu)との間に介在させる構造についても記載されている。

0008

一方、上記の特開平4−232922号公報に限らず、アクティブマトリクス基板のプロセスの短縮、単純マトリクス型のLCD等の透明電極の低抵抗化、ITO膜上の半田濡れ性の向上といった種々の目的として、パターニングされたITO膜上に、ニッケル(Ni)、金(Au)、銅(Cu)等の金属膜をめっき技術により成膜する方法が提案されている(例えば、特開平2−83533号公報、特開平2−223924号公報、特開昭62−288883号公報、特開平1−96383号公報)。

0009

さらに、特開2001−32086号公報においては、下地膜をスパッタITOからゾルゲル法等の湿式成膜技術を利用した方法によりITOを成膜するという提案がなされている。

0010

湿式成膜技術は、真空装置を利用せず、スピンコート法またはディップ法等により成膜し、その後焼成を行い膜を形成する技術である。この方法を用いた場合には、コスト削減、大画面成膜の容易性等のメリットが得られる。なお、上記スピンコート法とは、基板をコーティングする場合に、回転する基板にゾル状態塗料滴下し、遠心力により広げるコーティング法をいう。また、上記ディップ法とは、基板をコーティングする場合に、基板をゾル状態の塗料に浸漬し、引き上げ浸漬法をいう。

0011

また、感光性のあるゾルゲル膜を使用することによりフォト工程のみで成膜・パターニングが完結し、エッチング装置がいらない等のメリットもあることが報告されている。

0012

さらに、この方法では、ゾルゲル膜が多孔質ポーラス)であるため、めっき膜との密着力も高いというメリットがあるという効果も明記されている。

発明が解決しようとする課題

0013

しかしながら、上述の特開2001−32086号公報に開示された技術の場合、下地膜であるゾルゲル膜と金属膜との密着がよいため、逆に下地膜と基板との密着が悪い場合、または、下地膜上への金属配線形成の際に使用するめっき浴により下地膜が侵される場合では、下地膜のパターンエッジのような特異点になっている部分と基板との界面から下地膜が剥がれるという問題点があった。

0014

また、下地膜の膜厚が厚い場合、配線全体の膜厚も厚くなってしまい、LCDのゲート配線としてこの配線を使用する場合のように、該配線の上層に別の配線が形成される場合には、当該別の配線が乗り越え部分で断切れするという問題点もある。

0015

また、上述の方法では、ゾルゲル法等の湿式成膜技術により成膜した下地膜をパターニングした後に、その上に金属膜を形成する工程であったために、下地膜をパターニングする工程が必要であり、工程が複雑になるという問題点を有している。

0016

さらに、下地膜を感光性ゾルゲル材料にした場合には、感光性でないものと比較して、液安定性が下がることや、コストが上昇する等の問題点があった。

0017

本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、または、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇を回避し得る金属配線の製造方法およびその方法を用いた金属配線基板を提供することにある。

課題を解決するための手段

0018

本発明の金属配線の製造方法は、上記課題を解決するために、絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜を形成する第1の工程と、上記非導電性酸化膜上にめっき触媒を付与する第2の工程と、上記めっき触媒の上にめっき法によって金属膜を形成する第3の工程と、上記金属膜を配線形状にパターニングする第4の工程とにより形成されることを特徴としている。

0019

上記の発明によれば、金属膜の下地膜となる非導電性酸化膜を湿式成膜技術にて絶縁基板全体に形成することにより、この非導電性酸化膜はパターニングされないので、当該非導電性酸化膜にはパターンエッジという特異点がなくなる。したがって、パターンエッジの存在による剥がれの発生を防止することができる。

0020

また、上述したように、金属膜の下地のパターニングプロセスを省くことが可能になるので、パターニング工程の削除による工程の単純化が可能になる。

0021

さらに、めっき触媒が付与された層は、湿式成膜技術により形成された下地膜に比較するとかなり薄いため、金属配線全体の膜厚も薄くなる。このため、LCD等の配線の交差があるようなものの場合に、この金属配線の上側に形成される他の配線の乗り越えによる当該他の配線の断線がなくなることのメリットが大きい。

0022

また、金属膜の下地膜として非導電性酸化膜を使用していることから、電流のリーク、および他の上部の金属配線と下地膜との間での容量の形成もなく悪影響を及ぼさない。

0023

したがって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が絶縁基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得る金属配線の製造方法を提供することができる。

0024

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記課題を解決するために、絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜を形成する第1の工程と、上記非導電性酸化膜上に感光性めっき触媒を付与する第2の工程と、上記感光性めっき触媒を配線形状にパターニングする第3の工程と、上記配線形状にパターニングされた感光性めっき触媒の上にめっき法によって選択的に金属膜を形成する第4の工程とを有することを特徴としている。

0025

上記の発明によれば、めっき触媒付与の工程において、感光性めっき触媒を利用していることから、エッチング工程が必要なくなることにより工程の簡略化になる。

0026

また、触媒付与面に選択的に金属膜を形成することが可能であり、金属材料低減、およびエッチング装置の不要化によるコスト削減が可能になる。

0027

したがって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得ると共に、加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇を回避し得る金属配線の製造方法を提供することができる。

0028

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜形成の工程に用いられる湿式成膜技術がゾルゲル法であることを特徴としている。

0029

上記ゾルゲル法とは、湿式成膜技術の一種であり、金属の有機化合物または無機化合物溶液とし、その溶液中で化合物加水分解重縮合反応を進ませて、ゾルゲルとして固化し、ゲルの加熱によって酸化物固体を作成する方法である。

0030

上記方法を用いることによって、真空成膜装置を用いることなく、例えばガラス等の絶縁基板上にゾルゲル溶液を塗布して焼成するだけで非導電性酸化膜を成膜することができるため、安価になおかつ大面積成膜にも容易に対応できる。

0031

また、上記ゾルゲル法では、真空成膜装置によって成膜された酸化膜の滑らかな表面に比べて、微細な孔が網目状に存在するポーラスな酸化膜を形成することが可能である。

0032

したがって、ゾルゲル法によって得られた非導電性酸化膜上に金属膜をめっきすると、非導電性酸化膜の微細な孔がアンカー効果を発揮して、非常に密着性のよいめっき膜を得ることができる。これにより、従来困難であった無機絶縁膜上への無電解Cuめっきも可能となる。

0033

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜形成の工程に用いられる湿式成膜技術が化学析出法または液相析出法のいずれか一方であることを特徴としている。

0034

上記化学析出法は、水溶液中に基板を浸漬し、水溶中での酸化還元反応を用いて、基板上に酸化膜を析出する方法である。また、液相析出法(LPD法:Liquid Phase Deposition )は、金属フルオロ錯体またはケイフッ化水素酸加水分解平衡反応を用いて、基板上に酸化膜を析出する方法である。

0035

上記の発明によれば、このような化学析出法または液相析出法を用いることによって、真空成膜装置を用いることなく、絶縁基板を水溶液に浸漬するだけで非導電性酸化膜を成膜することができるため、安価にかつ大面積成膜にも容易に対応できる。

0036

また、上記化学析出法によって得られた非導電性酸化膜は、絶縁基板上に付着させた金属触媒を核に結晶粒成長していくため、真空装置によって成膜された酸化膜に比べると表面凸凹が激しい。したがって、化学析出法によって得られた非導電性酸化膜上に金属膜をめっきすれば、非導電性酸化膜の表面凹凸がアンカー効果を発揮して、非常に密着性のよいめっき膜を得ることができる。

0037

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜が透明であることを特徴としている。

0038

上記の発明によれば、絶縁基板全面に非導電性酸化膜を形成するため、透明でない場合、LCDでは反射型CD用としてのみ使用可能となり、用途が限られてくる。透明であれば、基板として例えばガラスを使用するような透過型表示素子全般に利用可能になり大きなメリットとなる。

0039

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記感光性めっき触媒がパラジウム(Pd)を含有することを特徴としている。

0040

上記の発明によれば、パラジウム(Pd)は、ほとんどのめっきに対して触媒性を示すため、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)等の様々な金属によるめっきが可能になるという利点がある。

0041

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記金属膜が、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)を主成分とし、そのいずれかの単層膜またはこれらの単層膜を少なくとも1層を含む多層膜であることを特徴としている。

0042

上記の発明によれば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)共に感光性めっき触媒上に密着性良く成膜することができ、さらに選択的に無電解めっきを行うこともできる。また、銅(Cu)や金(Au)は比抵抗が小さく、低抵抗な金属配線を実現することができる。特に感光性めっき触媒上にニッケル(Ni)を成膜し、さらにその上に銅(Cu)、金(Au)、銅(Cu)/金(Au)等の膜を成膜すれば、密着性よく低抵抗な金属配線を実現することが可能になる。また、例えば、感光性めっき触媒上にニッケル(Ni)−レニウム(Re)−リン(P)を成膜し、さらにその上に銅(Cu)、銅(Cu)/金(Au)を成膜し、さらにその上にニッケル(Ni)−レニウム(Re)−リン(P)を成膜することにより、バリアメタルであるニッケル(Ni)−レニウム(Re)−リン(P)に囲まれた銅(Cu)配線の形成が可能になる。

0043

また、本発明の金属配線基板は、上記課題を解決するために、上記発明のいずれか1つに記載された金属配線の製造方法を用いて製造されたことを特徴としている。

0044

上記の発明の金属配線基板は、上記いずれか1つの金属配線の製造方法に記載の効果と同様の効果を得ることができる。

0045

したがって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、さらに、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇を回避し得る金属配線基板を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0046

〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について、図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。

0047

本実施の形態の金属配線の製造方法は、図1(a)〜(d)に示すように、絶縁基板10上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜12を形成する第1の工程と、上記非導電性酸化膜12上にめっき触媒14を付与する第2の工程と、上記めっき触媒14の上にめっき法によって金属膜16を形成する第3の工程と、上記金属膜16を配線形状にパターニングする第4の工程とを有している。以下、各工程について詳細に説明する。

0048

(第1の工程)まず、第1の工程においては、図1(a)に示すように、例えばガラス基板からなる絶縁基板10上に、ゾルゲル法によって非導電性酸化膜12としてSiO2 (シリコン酸化膜)を成膜する。この際、ゾルゲル溶液はアルコールにより適当な粘性希釈し、スピンコートによって約0.2μmの厚みで塗布する。そして、150℃で乾燥させた後、500℃で焼成を行う。これにより約0.1μmの厚みの多孔質のSiO2 からなる非導電性酸化膜12が完成する。

0049

なお、本実施の形態においては絶縁基板10としてガラスの基板を用いているが、必ずしもガラスに限定されず、例えば、セラミック等の無機基板の他、エポキシ、PES(polyether sulphone:ポリエーテルサルホン)、PET(polyethylene terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)、ABS(Acrylonitrile-Butadience-Styrene:アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)、PC(polycarbonate :ポリカーボネイト)等の各種有機物の基板またはフィルムとすることも可能である。

0050

なお、SiO2 からなる非導電性酸化膜12は透明なものを用いた。これにより基板としてガラスを使用するような透過型表示素子全般に利用可能になる。ただし、反射型液晶表示装置等の光が透過する必要のない場合には、非透明なものを用いてもよい。

0051

また、第1の工程における湿式成膜技術として、ゾルゲル法の他に、水溶液中での化学析出法や液相析出法、溶液のミスト(霧)を用いた化学的霧化堆積法(CMD法:Chemical Mist Deposition)、またはスプレー法を用いてもよい。

0052

ゾルゲル法とは、金属の有機化合物または無機化合物を溶液とし、溶液中で化合物の加水分解・重縮合反応を進ませてゾルをゲルとして固化し、ゲルの加熱によって酸化物固体を作成する方法である。出発原料としては、重縮合反応が可能な金属アルコキシドが適しているが、金属アルコキシドと一緒であれば金属塩金属アセチルアセトナート錯体も使用できる。溶媒には各種アルコールが使用されるのが一般的である。金属アルコキシドを溶媒で希釈した後、水を加えて加水分解・重縮合反応を行わせてゾルを形成する。そして、ゾルを基板に塗布し、ゲル膜を生成する。塗布法としては、ディッピング法スピンコーティング法、メニカスコーティング法等がある。その後、ゲル膜を乾燥後、残留有機物を除去するために400℃程度の熱処理を行うことにより酸化膜が成膜される。通常、乾燥後のゲル膜は、多孔体キセロゲル)となり、微細な孔が網目状に存在する膜となりやすい。ゾルゲル溶液の組成焼成条件を工夫することにより微細な孔が網目状に存在するポーラスな膜から、空孔の少ない緻密な膜まで任意に成膜することが可能である。

0053

このようなゾルゲル法を用いれば、ガラス等の絶縁基板10上にゾルゲル溶液を塗布・焼成するだけで非導電性酸化膜12を形成することができるため、真空装置を用いずに成膜することができ、安価になおかつ大面積成膜にも容易に対応できる。

0054

なお、ゾルゲル法により成膜が可能な酸化膜の種類、原理等の詳細については、「ゾル−ゲル法の科学」(発行:アグネ承風社、著者:作花済夫)等に詳しく記載されている。

0055

(第2の工程)第2の工程では、図1(b)に示すように、第1の工程で得られた非導電性酸化膜12上にめっき触媒14を塗布する。

0056

本実施の形態においては、塩化パラジウム含有液として、商品名「エンプレートアクチベーター440(メルテックス社製)」を30mL/Lに希釈し、1mol/L(1N)の水酸化カリウム(KOH)水溶液によりpHを5.5に調整したものに浸漬することによって、非導電性酸化膜12上にパラジウム(Pd)イオンからなるめっき触媒14を付着させる。

0057

なお、塩化パラジウム含有液は上述に限定されず、例えば、パラジウム(Pd)イオンを含有したコロイドもしくは有機錯体等の他の触媒付与方式を用いてもかまわない。また、必要に応じてパラジウム(Pd)イオン付着後還元剤を利用してパラジウム(Pd)イオンを還元しておいてもよい。

0058

(第3の工程)第3の工程では、図1(c)に示すように、第2の工程で得られためっき触媒14上に、めっきを用いて金属膜16を成膜する。

0059

本実施の形態においては、まず、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解ニッケル(Ni)めっき液を用いて、ニッケル(Ni)膜を約0.3μmの厚みで成膜する。無電解めっきでは、触媒性を示す下地上のみに選択的に金属膜16を成膜することができるため、これにより触媒付与面に選択的にニッケル(Ni)膜を成膜することができる。

0060

このようにして得られた無電解ニッケル(Ni)めっき膜は、還元剤の影響によりニッケル(Ni)とリン(P)との共析膜となるため、膜の面抵抗が4〜5Ω/□と高く金属配線の用途としては限られたものとなる。そこで、ニッケル(Ni)膜の低抵抗化を図るために、必要に応じて、ニッケル(Ni)膜上に金(Au)めっきを施す。

0061

金(Au)めっきは、ニッケル(Ni)膜に対して無電解置換めっきが可能である。したがって、例えば、ニッケル(Ni)膜の表面から約0.05μmを金(Au)に置換することにより、膜の面抵抗を約0.5Ω/□に低減することが可能になる。

0062

また、低抵抗化が必要な場合は、金(Au)を電気めっきで厚く成膜するかまたは金(Au)膜上に銅(Cu)等の低抵抗金属を電解または無電解めっきにて成膜すると良い。ただし、金(Au)を厚くめっきするとコストアップにつながるので、銅(Cu)めっきにより低抵抗化を図ることが望ましい。例えば、金(Au)/ニッケル(Ni)/ITO膜上に銅(Cu)電気めっきで約0.15μm成膜すると、膜の面抵抗は約0.1Ω/□まで低減し、大型高精細のフラットパネルディスプレイ用金属配線としても充分に使用できるものとなる。

0063

なお、本実施の形態においては、金属配線構造を銅(Cu)/金(Au)/ニッケル(Ni)の積層膜としたが、必ずしもこれに限らず、銀(Ag)単層、銅(Cu)/銀(Ag)、銅(Cu)単層、銅(Cu)/ニッケル(Ni)、金(Au)/ニッケル(Ni)のように、用途によって構造を変えることができる。

0064

またこの時、金属配線の表面は銅(Cu)が露出した構造になるが、銅(Cu)の酸化および銅(Cu)の拡散を防ぐためにさらにバリア金属を積層したり、酸化を防ぐために酸素遮断膜をコートして次工程まで銅(Cu)を保護することも有用である。

0065

さらに、本工程で成膜する金属膜16は、単層でも良いし、それぞれ役割の異なる金属膜16の積層膜でも構わない。例えば、はじめに密着性の良いニッケル(Ni)、その後低抵抗な金(Au)を置換めっきにより積層しても良い。また、さらに低抵抗で低コストな銅(Cu)を無電解めっきまたは電気めっきを利用し、積層しても良い。

0066

上述のように、本実施の形態の金属配線は、真空成膜装置を一切使用しないので、従来例で示した方法に比べて充分なコストダウン効果を得ることができる。また、湿式成膜技術は、真空成膜技術に比べて大面積成膜が容易であることから、大面積基板に対しても容易に対応することが可能となる。

0067

めっき方法として、本実施の形態では主に無電解めっきを使用しているが、めっきには大きくわけて無電解めっきと電気めっきがある。電気めっきの場合は、金属イオンを溶解しためっき液に陽極となる金属と陰極となる被めっき電極とを配置して、めっき液に直流電流を流すことにより陰極表面に金属膜16が析出する。

0068

一方、無電解めっき、例えば還元めっきおよび置換めっきの場合は、めっき液に電流を流さずに金属膜16を析出させることが可能である。したがって、第1の工程で形成される酸化膜が非導電性であっても金属膜16を析出させることが可能になる。

0069

この二つのめっき方法を組み合わせてさらに多様なめっき膜を形成することが可能である。

0070

(第4の工程)次に、第4の工程では、図1(d)に示すように、第3の工程で形成された金属膜16のパターニングを行う。

0071

パターニングの方法としては、金属膜16上にポジ型レジストをスピンコートにより約2μmの厚みで塗布する。次に、80℃でプリベークを行い、その後フォトマスクを介して紫外線照射を行う。その後、現像処理および120℃でポストベークを行うことにより、金属膜16上に配線形状を有するレジストパターンを形成する。このレジストパターンが形成された金属膜16を有する絶縁基板10をエッチング液に浸漬することにより、レジストに覆われていない部分の金属膜16をエッチングする。例えばニッケル(Ni)等をエッチングする場合硝酸等を用いるときれいにエッチング可能である。

0072

最後に、レジスト剥離液を用いてレジストを除去することにより金属配線パターンを形成することができる。

0073

なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、湿式成膜技術としてゾルゲル法を使用したが、特にこれに限定するものではなく、化学析出法または液相析出法を使用することもことも可能である。

0074

以下に非導電性酸化膜12を液相析出法により形成する方法について述べる。

0075

(第1の工程)まず、第1の工程として、商品名「#1737(コーニング社製)」のガラス基板からなる絶縁基板10上に、液相析出法によりSiO2 からなる非導電性酸化膜12を成膜する。

0076

液相析出法(LPD法)とは、金属フルオロ錯体やケイフッ化水素酸の加水分解平衡反応を用いて基板上に酸化膜(SiO2 )を析出する方法である。

0077

また、水溶液中で酸化膜を成膜する方法としては、上述の液相析出法の他に化学析出法等の方法がある。

0078

化学析出法とは、水溶液中に基板を浸漬し、水溶中での酸化還元反応を用いて基板上に酸化膜を析出する方法であり、陽極析出法陰極析出法がある。それぞれ、酸化剤または還元剤を用いることによって、無電解で基板上に酸化膜を析出させることが可能である。

0079

例えば、金属の硝酸塩ジメチルアミンボランDMAB)等の還元剤とを共存させた水溶液中に、触媒が付着した基板を浸漬すると、還元剤から供給される電子により硝酸−亜硝酸還元反応が駆動され、その結果、金属酸化膜または水酸化膜が析出する。例えば、金属の硝酸塩として、硝酸亜鉛を用いることにより、基板上に高抵抗酸化亜鉛膜が析出する。

0080

このように、水溶液中で酸化膜を成膜する方法として、化学析出法を用いれば、ガラス基板を水溶液に浸漬するだけで酸化膜を形成することができる。このため、真空装置を用いずに成膜することができ、安価にかつ大面積成膜にも容易に対応できる。

0081

(第2の工程)第2の工程では、前記第2の工程と同様の方法により、第1の工程で得られた非導電性酸化膜12上にめっき触媒14を塗布する。

0082

(第3の工程)第3の工程では、前記第3の工程と同様の方法により、第2の工程で得られためっき触媒14上に、めっきを用いて金属膜16を成膜する。

0083

めっき膜の成膜方法としては、前記第3の工程と同様の方法が可能であり、ニッケル(Ni)/感光性パラジウム(Pd)触媒/SiO2 、金(Au)/ニッケル(Ni)/感光性パラジウム(Pd)触媒/SiO2 、銅(Cu)/金(Au)/ニッケル(Ni)/感光性パラジウム(Pd)触媒/SiO2 、銅(Cu)/ニッケル(Ni)/感光性パラジウム(Pd)触媒/SiO2 、銅(Cu)/感光性パラジウム(Pd)触媒/SiO2 等の構成が可能である。特に、銅(Cu)や金(Au)を用いた膜の構成を用いれば、膜の面抵抗は約0.1Ω/□となり、大型高精細のフラットパネルディスプレイ用金属配線としても充分に使用できるものとなる。

0084

本実施の形態においては、非導電性酸化膜12を水溶液中で析出しているため、100℃以下の低温で成膜することが可能である。また、その非導電性酸化膜12上にめっき成膜する金属膜16も100℃以下の成膜が可能なため、密着性を向上させるための成膜後の補助的な焼成を除けば、全て100℃以下の低温プロセスにより金属配線の形成が可能になる。したがって、ガラス基板に限定されず、PES、エポキシ、ABS、PC、PET等の有機系基板もしくはフィルム上にも容易に金属配線を形成することが可能になる。

0085

(第4の工程)次に、第4の工程では、前記第4の工程と同様の方法により、第3の工程で形成された金属膜16のパターニングを行う。

0086

このように、本実施の形態の金属配線の製造方法では、金属膜16の下地膜となる非導電性酸化膜12を湿式成膜技術にて絶縁基板10全体に形成することにより、この非導電性酸化膜12はパターニングされないので、当該非導電性酸化膜12にはパターンエッジという特異点がなくなる。したがって、パターンエッジの存在による剥がれの発生を防止することができる。

0087

また、上述したように、金属膜16の下地のパターニングプロセスを省くことが可能になるので、パターニング工程の削除による工程の単純化が可能になる。

0088

さらに、めっき触媒14が付与された層は、湿式成膜技術により形成された下地膜に比較するとかなり薄いため、金属配線全体の膜厚も薄くなる。このため、LCD等の配線の交差があるようなものの場合に、この金属配線の上側に形成される他の配線の乗り越えによる当該他の配線の断線がなくなることのメリットが大きい。

0089

また、金属膜の下地膜として非導電性酸化膜12を使用していることから、電流のリーク、および他の上部の金属配線と下地膜との間での容量の形成もなく悪影響を及ぼさない。

0090

したがって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が絶縁基板10から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得る金属配線の製造方法を提供することができる。

0091

また、本実施形態の金属配線の製造方法は、非導電性酸化膜12形成の工程に用いられる湿式成膜技術がゾルゲル法である。

0092

このため、上記方法を用いることによって、真空成膜装置を用いることなく、ガラス等の絶縁基板10上にゾルゲル溶液を塗布して焼成するだけで非導電性酸化膜12を成膜することができるため、安価になおかつ大面積成膜にも容易に対応できる。

0093

また、上記ゾルゲル法では、真空成膜装置によって成膜された酸化膜の滑らかな表面に比べて、微細な孔が網目状に存在するポーラスな酸化膜を形成することが可能である。

0094

したがって、ゾルゲル法によって得られた非導電性酸化膜12上に金属膜16をめっきすると、非導電性酸化膜12の微細な孔がアンカー効果を発揮して、非常に密着性のよいめっき膜を得ることができる。これにより、従来困難であった無機絶縁膜上への無電解Cuめっきも可能となる。

0095

また、本実施形態の金属配線の製造方法は、非導電性酸化膜12形成の工程に用いられる湿式成膜技術が化学析出法または液相析出法のいずれか一方である。

0096

このため、このような化学析出法または液相析出法を用いることによって、真空成膜装置を用いることなく、絶縁基板10を水溶液に浸漬するだけで非導電性酸化膜12を成膜することができるため、安価にかつ大面積成膜にも容易に対応できる。

0097

また、上記化学析出法によって得られた非導電性酸化膜12は、絶縁基板10上に付着させた金属触媒を核に結晶粒が成長していくため、真空装置によって成膜された酸化膜に比べると表面凸凹が激しい。したがって、化学析出法によって得られた非導電性酸化膜12上に金属膜16をめっきすれば、非導電性酸化膜12の表面凹凸がアンカー効果を発揮して、非常に密着性のよいめっき膜を得ることができる。

0098

また、本実施形態の金属配線の製造方法は、非導電性酸化膜12が透明である。

0099

このため、基板としてガラスを使用するような透過型表示素子全般に利用可能になり大きなメリットとなる。

0100

また、本実施形態の金属配線の製造方法は、金属膜16がニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)を主成分とし、そのいずれかの単層膜またはこれらの単層膜を少なくとも1層を含む多層膜である。

0101

銅(Cu)や金(Au)は比抵抗が小さいため、低抵抗な金属配線を実現することができる。

0102

また、本実施の形態の金属配線は、真空成膜装置を一切使用しないので、従来例で示した方法に比べて充分なコストダウン効果を得ることができる。また、湿式成膜技術は、真空成膜技術に比べて大面積成膜が容易であることから、大面積基板に対しても容易に対応することが可能となる。さらには、真空系を用いないメリットを生かし、非常に長いロール状に巻き付けフィルム基材を順次搬送しながら、ロールツーロール方式により生産性良く配線を形成することも可能である。

0103

〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態について図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。

0104

また、前記実施の形態1で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。

0105

本実施の形態の金属配線の製造方法は、図2(a)〜(d)に示すように、絶縁基板10上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜12を形成する第1の工程と、上記非導電性酸化膜12上に感光性めっき触媒18を付与する第2の工程と、上記感光性めっき触媒18を配線形状にパターニングする第3の工程と、上記配線形状にパターニングされた感光性めっき触媒18の上にめっき法によって選択的に金属膜16を形成する第4の工程とを有している。以下、各工程について詳細に説明する。

0106

(第1の工程)まず、第1の工程においては、図2(a)に示すように、例えばガラス基板からなる絶縁基板10上に、ゾルゲル法によってSiO2 からなる非導電性酸化膜12を成膜する。この際、ゾルゲル溶液はアルコールにより適当な粘性に希釈し、スピンコートによって約0.2μmの厚みで塗布する。そして150℃で乾燥させた後、500℃で焼成を行う。これにより約0.1μmの厚みの多孔質のSiO2 からなる非導電性酸化膜12が完成する。

0107

(第2の工程)第2の工程では、図2(b)に示すように、第1の工程で得られたSiO2 からなる非導電性酸化膜12上に感光性めっき触媒18を塗布する。

0108

感光性めっき触媒18とは、めっき触媒前駆体、すなわち、触媒となる金属、コロイド、化合物、イオンを含有する感光性材料に対して紫外線等の光を配線形状に対応したパターン露光し、この露光によってめっき触媒前駆体が化学反応を引き起こし、露光された領域のみめっき触媒が析出するというものである。

0109

なお、本実施の形態においては、感光性めっき触媒18として、パラジウムアセチルアセトナートクロロホルムに溶解したものを用い、スピン法により成膜を行う。スピン法にて成膜を行った場合、膜厚は約100Å以下である。その後、露光の前のベークを行う。

0110

なお、感光性めっき触媒18は、本実施の形態ではパラジウム(Pd)を含有しているが、必ずしもこれに限らず、例えばニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)を含有するものを用いてもよい。

0111

感光性めっき触媒18は、塗布後、露光、現像を行うことにより触媒パターンを形成できるもので、金属配線の下地を選択的に形成する方法としては非常に有効である。

0112

(第3の工程)第3の工程では、図2(c)に示すように、第2の工程で得られた感光性めっきパラジウム(Pd)触媒からなる感光性めっき触媒18のパターニングを行う。

0113

感光性であるため、パターニングの方法としては、所望のパターンのマスクを用いてステッパー等の露光機により露光を行い、その後現像、ベークを行うことによりパターンを形成する。

0114

めっき触媒をパターニングする具体的な方法としては、感光性触媒をスピン法により塗布し、その後プリベークを行う。そして配線形状に対応したパターンで露光を行う。露光を行うことにより露光を行った領域のみに下地膜上に金属パラジウム(Pd)が析出する。

0115

その後、露光されなかった領域の感光性めっき触媒18を有機溶剤、本実施の形態においては、溶媒としてクロロホルムを用いているため有機溶剤としてクロロホルムを用いて洗い流し、ポストベークを行い、パラジウム(Pd)パターンが形成される。

0116

有機溶剤は上述に限定されず、シュウ酸第2鉄と塩化パラジウムとを水酸化カリウム溶液に溶解した感光性触媒、またはシュウ酸第2鉄、もしくはシュウ酸ルテニウムのようなシュウ酸塩と塩化パラジウムとアンモニア水とを含む感光性触媒液を用いることも可能である。

0117

この場合、感光性触媒の基板上への均一な塗布を容易に行えるように、ポリビニルアルコール等の親水性バインダを前述の感光性触媒液に添加することも有効である。

0118

さらに、紫外線照射による銀(Ag)イオンの還元反応を利用して銀(Ag)を選択的に析出させる方法もある。また、フォトレジスト等の感光性樹脂に、触媒となる金属、その化合物、イオン、コロイドを分散させた材料を用いるという方法もある。

0119

(第4の工程)次に、第4の工程では、図2(d)に示すように、第3の工程で得られた感光性めっき触媒18のパターン上に、実施の形態1の第3の工程と同様の方法により、めっき法にて金属膜16を成膜する。

0120

また、感光性パラジウム(Pd)触媒上に形成されるめっき膜としては、前記に限らず、ニッケル、コバルト、スズ、金、銅、銀、パラジウム等、各種の金属、またはそれを組み合わせて使用することも可能である。

0121

このように、本実施の形態の金属配線の製造方法では、上記めっき触媒付与の工程において、感光性めっき触媒18を利用していることから、エッチング工程が必要なくなることにより工程の簡略化になる。また、触媒付与面に選択的に金属膜16を形成することが可能であり、金属材料低減、およびエッチング装置の不要化によるコスト削減が可能になる等メリットが大きい。

0122

したがって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得ると共に、加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇を回避し得る金属配線の製造方法を提供することができる。

0123

また、本実施形態の金属配線の製造方法は、感光性めっき触媒18がパラジウム(Pd)を含有する。

0124

パラジウム(Pd)は、ほとんどのめっきに対して触媒性を示すため、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)等の様々な金属によるめっきが可能になるという利点がある。ただし、パラジウム(Pd)の他にニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)等のめっきの触媒となる成分を含有する感光性めっき触媒18を用いてもよい。

0125

また、本実施形態の金属配線の製造方法は、金属膜16がニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)を主成分とし、そのいずれかの単層膜またはこれらの単層膜を少なくとも1層を含む多層膜である。

0126

このため、ニッケル(Ni)、銅(Cu)共に感光性めっき触媒18上に密着性良く成膜することができ、さらに選択的に無電解めっきを行うこともできる。

0127

また、銅(Cu)や金(Au)は比抵抗が小さく、低抵抗な金属配線を実現することができる。特に感光性めっき触媒18上にニッケル(Ni)を成膜し、さらにその上に銅(Cu)、金(Au)、銅(Cu)/金(Au)等の膜を成膜すれば、密着性よく低抵抗な金属配線を実現することが可能になる。

0128

また、例えば、感光性めっき触媒18上にニッケル(Ni)−レニウム(Re)−リン(P)を成膜し、さらにその上に銅(Cu)、銅(Cu)/金(Au)を成膜し、さらにその上にニッケル(Ni)−レニウム(Re)−リン(P)を成膜することにより、バリアメタルであるニッケル(Ni)−レニウム(Re)−リン(P)に囲まれた銅(Cu)配線の形成が可能になる。

0129

また、前記実施の形態1および本実施の形態では、湿式成膜技術よって得られた非導電性酸化膜12、めっき触媒14もしくは感光性めっき触媒18上に、めっき法により金属膜16を形成することにより金属配線を形成している。したがって、真空成膜装置を一切使用しないので、従来例で示した方法に比べて充分なコストダウン効果を得ることができる。また、湿式成膜技術は、真空成膜技術に比べて大面積成膜が容易であることから、大面積基板に対しても容易に対応することが可能となる。

0130

したがって、アクティブマトリクス駆動型やパッシブマトリクス駆動型のフラットパネルディスプレイ全般、またはフラットパネル形状をした二次元画像検出器、もしくは金属配線を具備するあらゆる電子機器にも広く適用することが可能である。

0131

なお、前記実施の形態1で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用することができ、そのときには、前記実施の形態1にて述べた各効果を得ることができる。

0132

〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施の形態について図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1および実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。

0133

また、前記実施の形態1および実施の形態2で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。

0134

本実施の形態では、図3に示すように、前記実施の形態1および実施の形態2で説明した金属配線をLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)用の金属配線基板としてのアクティブマトリクス基板のゲート配線20に用いた場合について説明する。

0135

アクティブマトリクス基板には、同図に示すように、ガラス基板からなる絶縁基板10上にゲート配線20およびゲート電極21が形成されており、スパッタ法によって成膜される従来のアルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)といった金属配線の代わりに、前記実施の形態1および実施の形態2に示した金属配線を簡単に適用することが可能である。

0136

さらに、その上には窒化ケイ素(SiNx)からなるゲート絶縁膜22が形成される。そして、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)素子24部では、a−Si:H(水素化アモルファスシリコン:amorphous Silicon )32からなるチャネル層、n+型のa−Si:H34からなるコンタクト層、モリブデン(Mo)等の金属からなるソース電極26・ドレイン電極28が形成される。また、画素部には透明電極や反射電極が形成される。また、TFT素子部24およびバスライン部の上には窒化ケイ素(SiNx)や有機絶縁膜からなる絶縁保護膜30が形成される。

0137

このようにして得られたアクティブマトリクス基板は、例えば、透過型LCDや反射型LCD、二次元画像検出器に使用することができる。中でも大面積が求められるディスプレイ分野のように、配線の低抵抗化の目的により銅(Cu)の使用が求められる場合、またはドライ成膜に代わり湿式成膜による配線形成が求められる場合に極めて有効である。

0138

また、本発明は、フラットパネルディスプレイおよび二次元画像検出器用の金属配線の製造方法に限定されるものではなく、他の分野の金属配線の製造方法としても広く応用できるものである。

0139

このように、本実施の形態のアクティブマトリクス基板は、前述した金属配線の製造方法を用いて製造されている。このため、前記金属配線の製造方法に記載の効果と同様の効果を得ることができる。

0140

したがって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、さらに、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇を回避し得るアクティブマトリクス基板を提供することができる。

0141

〔実施例1〕実施例1では、実施の形態1にて説明した金属配線を形成する方法について具体例を挙げて説明を行う。

0142

(第1の工程)まず、図1(a)に示すように、ガラスからなる絶縁基板10の表面に、ゾルゲル法を用いてSiO2 からなる非導電性酸化膜12を形成する。

0143

商品名「#1737(コーニング社製)」のガラス基板からなる絶縁基板10上に、ゾルゲル法によりSiO2 からなる非導電性酸化膜12を成膜する。この際、ゾルゲル溶液はアルコールにより適当な粘性に希釈し、スピンコートによって約0.2μmの厚みで塗布する。そして150℃で乾燥させた後、500℃で焼成を行う。これにより約0.1μmの厚みの多孔質のSiO2 からなる非導電性酸化膜12が完成する。

0144

(第2の工程)図1(b)に示すように、第1の工程で得られた非導電性酸化膜12上にめっき触媒14を塗布する。

0145

塩化パラジウム含有液、例えば商品名「エンプレートアクチベーター440(メルテックス社製)」を30mL/Lに希釈し、1mol/L(1N)の水酸化カリウム(KOH)水溶液によりpHを5.5に調整したものに浸漬することによって、非導電性酸化膜12上にパラジウム(Pd)イオンからなるめっき触媒14を付着させる。

0146

(第3の工程)図1(c)に示すように、第2の工程で得られためっき触媒14上に、めっきを用いて金属膜16を成膜する。

0147

今回は、まず、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解ニッケル(Ni)めっき液を用いてニッケル(Ni)膜からなる金属膜16を約0.3μmの厚みで成膜する。無電解めっきでは、触媒性を示す下地上のみに選択的に金属膜16を成膜することができるため、これにより触媒付与面に選択的にニッケル(Ni)膜からなる金属膜16を成膜することができる。

0148

(第4の工程)図1(d)に示すように、第3の工程で形成された金属膜16のパターニングを行う。

0149

パターニングの方法としては、金属膜16上にポジ型のレジストをスピンコートにより約2μmの厚みで塗布した後、80℃でプリベークを行い、その後フォトマスクを介して紫外線照射を行う。その後、現像処理と120℃でポストベークとを行うことにより、金属膜16上に配線形状を有するレジストパターンを形成する。このレジストパターンが形成された金属膜基板をエッチング液に浸漬することによりレジストに覆われていない部分の金属膜16をエッチングする。

0150

最後にレジスト剥離液を用いてレジストを除去することにより金属配線パターンを形成することができる。

0151

〔実施例2〕実施例2では、実施の形態2にて説明した金属配線を形成する方法について具体的に説明を行う。

0152

(第1の工程)まず、図2(a)に示すように、ガラスからなる絶縁基板10の表面に、ゾルゲル法を用いてSiO2 からなる非導電性酸化膜12を形成する。

0153

商品名「#1737(コーニング社製)」のガラス基板からなる絶縁基板10上に、ゾルゲル法によりSiO2 からなる非導電性酸化膜12を成膜する。このゾルゲル溶液はアルコールにより適当な粘性に希釈し、スピンコートによって約0.2μmの厚みで塗布する。そして150℃で乾燥させた後、500℃で焼成を行う。これにより、約0.1μmの厚みの多孔質のSiO2 からなる非導電性酸化膜12が完成する。

0154

(第2の工程)第2の工程では、図2(b)に示すように、感光性めっき触媒18を塗布する。

0155

感光性めっき触媒18として、パラジウムアセチルアセトナートをクロロホルムに溶解したものを用い、スピン法により成膜を行う。スピン法にて成膜を行った場合、膜厚は約100Å以下である。その後、露光の前のベークを行う。

0156

(第3の工程)第3の工程では、図2(c)に示すように、感光性パラジウム(Pd)めっき触媒からなる感光性めっき触媒18をパターニングする。

0157

感光性であるため、パターニングの方法としては、所望のパターンのマスクを用いてステッパー等の露光機により露光を行い、その後、現像、ベークを行うことによりパターンを形成する。

0158

めっき触媒をパターニングする具体的な方法としては、感光性触媒をスピン法により塗布し、その後、プリベークを行う。そして、配線形状に対応したパターンで露光を行う。露光を行うことにより露光を行った領域のみに下地膜上に金属パラジウム(Pd)が析出する。

0159

その後、露光されなかった領域の感光性めっき触媒18を例えばクロロホルム等の有機溶剤を用いて洗い流し、ポストベークを行うことにより、パラジウム(Pd)パターンが形成される。なお、本実施例では溶媒としてクロロホルムを用いているので有機溶剤としてクロロホルムを用いている。

0160

(第4の工程)図2(d)に示すように、第3の工程で得られた感光性パラジウム(Pd)触媒からなる感光性めっき触媒18のパターン上に、実施例1の第3の工程と同様の方法により、めっきを用いて金属膜16を成膜する。

0161

〔実施例3〕実施例3では、実施の形態1にて説明した非導電性酸化膜12を液相析出法により形成する方法について具体的に説明を行う。

0162

(第1の工程)まず、図2(a)に示すように、第1の工程として、商品名「#1737(コーニング社製)」のガラス基板からなる絶縁基板10上に、液相析出法によりSiO2 からなる非導電性酸化膜12を成膜する。

0163

(第2の工程)次に、図2(b)に示すように、第2の工程として、前記実施例2と同様の方法により、感光性パラジウム(Pd)触媒膜からなる感光性めっき触媒18を形成する。

0164

(第3の工程)次に、図2(c)に示すように、第3の工程として、前記実施例2と同様の方法により、第2の工程で作製された感光性パラジウム(Pd)触媒からなる感光性めっき触媒18のパターニングを行う。

0165

(第4の工程)次に、図2(d)に示すように、第4の工程として、SiO2 からなる非導電性酸化膜12上にめっきにより金属膜16を形成する。めっき膜の成膜方法は、前記実施例1と同様である。

0166

〔実施例4〕実施例4では、実施の形態1にて説明した非導電性酸化膜12を水溶液中での化学析出法により形成する方法について具体的に説明を行う。

0167

(第1の工程)まず、図2(a)に示すように、第1の工程として、商品名「#1737(コーニング社製)のガラス基板からなる絶縁基板10上に、化学析出法により酸化亜鉛(ZnO)からなる非導電性酸化膜12を成膜する。

0168

具体的には、二水和塩化スズ(SnCl2 ・2H2 O)を1g/dm3 、37%塩酸(HCl)を1.0mL/dm3 の比率で溶解したセンシタイザー溶液に、上記基板を浸漬させて、まずスズ(Sn)イオンを吸着させる。

0169

次に、その基板を、塩化パラジウム(PdCl2 )を0.1g/dm3 、37%塩酸(HCl)を1.0mL/dm3 の比率で溶解したアクティベーター溶液に浸漬させて、スズ(Sn)イオンをパラジウム(Pd)イオンに置換させることにより、パラジウム(Pd)触媒を付与することができる。

0170

このパラジウム(Pd)付与工程の条件は、上述に限定されるものではなく、センシタイザー−アクティベーター方式以外にも、キャタリストアクセレーター方式でも構わない。

0171

また、特開2000−336486号公報に開示されているように、スズ(Sn)イオンを銀(Ag)イオンとパラジウム(Pd)イオンとに置換させて、触媒核を高密度に付与するセンシタイザー−アクティベーター方法も好適に用いることができる。

0172

次に、パラジウム(Pd)触媒が付与された上述の基板に、酸化物半導体として酸化亜鉛(ZnO)からなる膜を水溶液中で成膜する。

0173

具体的には、硝酸亜鉛(Zn(NO3 )2 )を0.05mol/Lに溶解した水溶液に、還元剤としてジメチルアミンボラン(DAMB)を0.1mol/Lの濃度で添加し、pHを約6.5に調整した水溶液を作製する。そして、該水溶液を70〜80℃に保温しながら撹拌させた状態で、上述の触媒付き基板を浸漬させる。

0174

これにより、触媒が付与され基板表面にのみ、酸化亜鉛(ZnO)の膜が析出する。これは、例えば、J. Electrochem. Soc., Vol. 144, No.1, p. L3, 1997に記載されている周知の方法を利用したものであり、化学反応の詳細説明については割愛する。

0175

ところで、この方法によって析出する酸化亜鉛膜は、触媒を核にして酸化亜鉛(ZnO)の結晶成長が始まるため、析出初期段階では結晶の成長方向がランダムであり、微細な凹凸が多数存在する表面状態の膜になる。

0176

(第2の工程)次に、図2(b)に示すように、第2の工程として、前記実施例2と同様の方法により、感光性パラジウム(Pd)触媒膜からなる感光性めっき触媒18を形成する。

0177

(第3の工程)次に、図2(c)に示すように、第3の工程として、前記実施例2と同様の方法により、第2の工程で作製された感光性パラジウム(Pd)触媒からなる感光性めっき触媒18のパターニングを行う。

0178

(第4の工程)次に、図2(d)に示すように、第4の工程として、酸化亜鉛(ZnO)からなる非導電性酸化膜12上に、めっきにより金属膜16を形成する。めっき膜の成膜方法は、前記実施例1と同様である。

0179

このようにして得られたZnO膜は、ゾルゲル法で得られたSiO2 膜に比べると、アンカー効果を得る上で最適な凹凸が多数存在することにより、その上に形成される金属膜の密着性がより向上するといった効果を得ることができる。

0180

これら実施例1ないし実施例4の金属配線の製造方法によって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、または、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇を回避し得ることが確認できた。

発明の効果

0181

本発明の金属配線の製造方法は、以上のように、絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜を形成する第1の工程と、上記非導電性酸化膜上にめっき触媒を付与する第2の工程と、上記めっき触媒の上にめっき法によって金属膜を形成する第3の工程と、上記金属膜を配線形状にパターニングする第4の工程とにより形成される方法である。

0182

それゆえ、金属膜の下地膜となる非導電性酸化膜を湿式成膜技術にて絶縁基板全体に形成するので、当該非導電性酸化膜にはパターンエッジという特異点がなくなり、パターンエッジの存在による剥がれの発生を防止することができる。

0183

また、金属膜の下地のパターニングプロセスを省くことが可能になるので、工程の単純化が可能になる。

0184

さらに、めっき触媒が付与された層は薄いので、金属配線の上側に形成される他の配線の乗り越えによる当該他の配線の断線がなくなる。

0185

また、金属膜の下地膜として非導電性酸化膜を使用していることから、電流のリーク、および他の上部の金属配線と下地膜との間での容量の形成もなく悪影響を及ぼさない。

0186

したがって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が絶縁基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得る金属配線の製造方法を提供することができるという効果を奏する。

0187

また、本発明の金属配線の製造方法は、以上のように、絶縁基板上に湿式成膜技術によって非導電性酸化膜を形成する第1の工程と、上記酸化膜上に感光性めっき触媒を付与する第2の工程と、上記感光性めっき触媒を配線形状にパターニングする第3の工程と、上記配線形状にパターニングされた感光性めっき触媒の上にめっき法によって選択的に金属膜を形成する第4の工程とを有する方法である。

0188

それゆえ、めっき触媒付与の工程において、感光性めっき触媒を利用していることから、エッチング工程が必要なくなることにより工程の簡略化になる。また、触媒付与面に選択的に金属膜を形成することが可能であり、金属材料低減、およびエッチング装置の不要化によるコスト削減が可能になる。

0189

したがって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し得ると共に、加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇を回避し得る金属配線の製造方法を提供することができるという効果を奏する。

0190

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜形成の工程に用いられる湿式成膜技術がゾルゲル法であることを特徴とする方法である。

0191

それゆえ、ゾルゲル法では、真空装置によって成膜された酸化膜と比較すると、微細な孔が網目状に存在するポーラスな酸化膜を形成することが可能である。

0192

したがって、ゾルゲル法によって得られた酸化膜上に、非常に密着性のよいめっき膜を得ることができる。これにより、従来困難であった無機絶縁膜上への無電解銅(Cu)めっきも可能となるという効果を奏する。

0193

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜形成の工程に用いられる湿式成膜技術が化学析出法または液相析出法のいずれか一方である方法である。

0194

それゆえ、ガラス基板を水溶液に浸漬するだけで酸化膜を形成することができるため、真空装置を用いずに成膜することができ、安価になおかつ大面積成膜にも容易に対応できる。また、化学析出法によって得られた酸化膜は、基板上に付着させた金属触媒を核に結晶粒が成長していくため、真空装置によって成膜された酸化膜に比べると表面凸凹が激しい。したがって、化学析出法によって得られた酸化膜上に、非常に密着性の良いめっき膜を得ることができるという効果を奏する。

0195

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記非導電性酸化膜が透明である方法である。

0196

それゆえ、基板としてガラスを使用するような透過型表示素子全般に利用可能になるという効果を奏する。

0197

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記感光性めっき触媒がパラジウム(Pd)を含有する方法である。

0198

それゆえ、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)等の様々な金属によるめっきが可能になるという効果を奏する。

0199

また、本発明の金属配線の製造方法は、上記の金属配線の製造方法において、上記金属膜が、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)を主成分とし、そのいずれかの単層膜またはこれらの単層膜を少なくとも1層を含む多層膜である方法である。

0200

それゆえ、ニッケル(Ni)、銅(Cu)共に感光性めっき触媒上に、密着性良く成膜することができ、さらに選択的に無電解めっきを行うこともできる。また、銅(Cu)や金(Au)は、低抵抗な金属配線を実現することができる。特に感光性めっき触媒上にニッケル(Ni)を成膜し、さらにその上に銅(Cu)、金(Au)、銅(Cu)/金(Au)等の膜を成膜すれば、密着性良く低抵抗な金属配線を実現することが可能になる。また、バリアメタルに囲まれた銅(Cu)配線の形成が可能になるという効果を奏する。

0201

また、本発明の金属配線基板は、以上のように、上記発明のいずれか1つに記載された金属配線の製造方法により作製されたものである。

0202

それゆえ、上記の発明の金属配線基板は、上記いずれか1つの金属配線の製造方法に記載の効果と同様の効果を奏する。

0203

したがって、金属配線をめっき法にて形成する場合に下地膜が基板から剥がれることを防止すると共に、金属配線全体の膜厚が厚くなることを回避して金属配線の上側に配設される他の配線の断線を防止し、さらに、上記に加えて、工程の複雑さおよび製造コストの上昇を回避し得る金属配線基板を提供することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0204

図1(a)〜(d)は本発明における金属配線の製造方法の実施の一形態を示すものであり、各工程を示す断面図である。
図2(a)〜(d)は本発明における金属配線の製造方法の他の実施の一形態を示すものであり、各工程を示す断面図である。
図3上記金属配線をLCD用のアクティブマトリクス基板のゲート配線に用いた場合の、アクティブマトリクス基板の断面図である。

--

0205

10絶縁基板
12非導電性酸化膜
14 めっき触媒
16金属膜
18感光性めっき触媒
20ゲート配線
21ゲート電極
22ゲート絶縁膜
24TFT素子
26ソース電極
28ドレイン電極
30絶縁保護膜
32 a−Si:H
34 n+型のa−Si:H

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