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技術 シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度測定方法

出願人 信越半導体株式会社
発明者 速水善範
出願日 2001年7月27日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2001-227182
公開日 2003年2月14日 (18年8ヶ月経過) 公開番号 2003-045926
状態 特許登録済
技術分野 半導体等の試験・測定
主要キーワード コロナ放電ユニット 表面光電圧法 正電荷密度 通常抵抗率 常圧CVD ポテンシャルφ シリコンエピタキシャルウエーハ 表面光電圧
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図面 (8)

課題

表面光電圧法によってシリコンエピタキシャル層キャリア濃度を測定する方法において、シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を非接触かつ迅速・簡便に測定でき、さらに日間変動や再現性等のばらつきが小さく信頼性の高いキャリア濃度測定方法を提供する。

解決手段

シリコンウエーハ上に成長させたシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を表面光電圧法によって測定するキャリア濃度測定方法であって、シリコンエピタキシャルウエーハの表面に電界印加して最大空乏層幅の空乏層を形成し、該最大空乏層幅を測定することによってキャリア濃度を求めることを特徴とするキャリア濃度測定方法。

概要

背景

シリコンエピタキシャルウエーハは、その優れた特性から広く個別半導体バイポーラIC等を製造するウエーハとして、古くから用いられてきた。また、MOS LSIについても、ソフトエラーラッチアップ特性が優れている事から、マイクロプロセッサユニットフラッシュメモリデバイスに広く用いられている。さらに、シリコン単結晶製造時に導入される、いわゆるGrown−in欠陥によるDRAM信頼性不良を低減させるため、エピタキシャルウェーハ需要はますます拡大している。

このようなシリコンエピタキシャルウエーハにおいては、エピタキシャル層が直接デバイス活性領域となるため、そのキャリア濃度を正確に制御すること及び測定する事は、デバイス動作上極めて重要である。

従来、シリコンウエーハのエピタキシャル層のキャリア濃度を測定する方法としては、一般的にショットキー接合を形成し、いわゆるC−V法(Capacitance−Voltage法)により測定する方法が行なわれている。ショットキー接合を形成するために、エピタキシャル層表面金属電極蒸着することが一般的に行われているが、エピタキシャル層表面にHgプローブを接触させることにより、ショットキー接合を形成する方法も行なわれている。

しかしながら、上記従来のC−V法では、真空蒸着によるショットキー接合を形成する前処理には約1時間必要とされ、キャリア濃度の測定を行うまでに時間がかかっていた。そのため、キャリア濃度の測定の間はエピタキシャル成長中断せざるを得ず、生産性が低下するという問題があった。また、ショットキー接合を形成するために金属蒸着あるいはHgプローブをウェーハ表面に接触させる為、いわゆる破壊検査となり、検査用モニターウエーハ別途に必要とするため、コストの点から見ても問題があった。

そこで、このような問題を解決するために、キャリア濃度の測定において、表面光電圧法(Surface Photovoltage法:SPV法)を用いた測定方法が近年検討されている。この測定方法は、例えば測定点1点につき約0.1秒しか測定時間がかからず、その上非接触で測定できるため、ウエーハを汚染破壊することなく生産性、コストともに優れた測定方法として期待されている。

このキャリア濃度の測定方法は、表面光電圧法により空乏層幅Wを測定できることを利用し、空乏層幅Wからキャリア濃度を求めるものである。表面光電圧法による空乏層幅Wの測定に関しては、例えば、J.Voc.Sci.Technol.20(1982)p.811のEq.15に示されている。また最大空乏層幅Wmaxと空乏層中でのドーパント濃度(キャリア濃度)Nsとの関係については、例えば、Physics and technology of semiconductor devices(Jhon Willey & Sons,Inc.,New York,1967)p.270において示されている。

また、表面光電圧を測定する装置として、例えばQCSolutions社製のSurface Charge Profiler(以後、SCPと略す)が知られている。このSCPによる測定可能抵抗率の範囲は、通常0.1〜1000Ωcmである。

SCPの測定原理について以下に説明する。まず、熱平衡状態にあるウエーハにSiのバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光(hν)をサンプル表面照射することにより、照射した光の波長に対応した侵入深さで過剰キャリアが発生する。発生した電子は表面側へ、ホールは空乏層の端へ移動する。発生した少数キャリアp型半導体では電子e)は表面の障壁高さをδVsだけ変化させる。この時の電位δVsをSPV値と呼ぶ。

このSPV値を用い、次の(1)式に従って空乏層幅を算出することができる。
δVs=−j(δφ/ω)(1−R)q(Wd/εs) ・・・(1)
ここで、jは虚数単位、φは励起光強度、ωは励起光角周波数、Rはウェーハ表面の反射率、qは単位電荷量、εsは半導体の誘電率である。

そして、SCPでは測定された空乏層幅Wdを最大空乏層幅Wmaxと仮定し、次の(2)式よりキャリア濃度Nsを算出することができる。
Wmax=[2εskTln(Ns/ni)/q2Ns]1/2・・・(2)
ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、niは真性自由キャリア濃度を表す。

測定に用いる励起光源を通常の表面光電圧法で用いられるものよりも短波長(例えば450nm)の励起光源を用いることによって、光の侵入深さを0.4μm以下にでき、ウェーハ表層のみのキャリア濃度(厳密にはドーパント濃度)を評価することができる。

このように表面光電圧法は、シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度の測定を、迅速・簡便かつ非接触で行うことができ、特にエピタキシャル層の表層の評価ができるという利点がある。ところが、この方法でエピタキシャル層のキャリア濃度を測定すると、測定値が安定せず、経時的に変化したり、また測定ウエーハの洗浄方法やその他の処理方法の違いによって、データが変ってしまうという問題があった。

そこで、特開平10−270517号では、シリコンウエーハ上に成長させたシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を表面光電圧法によって測定する方法において、予めキャリア濃度の経時変化を求めておき、エピタキシャルウエーハ製造装置からウエーハを取り出してから表面光電圧法によりキャリア濃度を測定するまでの時間を計測することによって、キャリア濃度の測定値Nsと前記キャリア濃度の経時変化とから真のキャリア濃度N0を求めるキャリア濃度測定方法が開示されている。

ところが、特開平10−270517号に示されている方法を用いてシリコンエピタキシャルウエーハのキャリア濃度を測定しても、日間変動や再現性のばらつきが大きい場合があり、測定値の信頼性が十分とは言えず、検査品質保証等に用いることは困難であった。

概要

表面光電圧法によってシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を測定する方法において、シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を非接触かつ迅速・簡便に測定でき、さらに日間変動や再現性等のばらつきが小さく信頼性の高いキャリア濃度測定方法を提供する。

シリコンウエーハ上に成長させたシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を表面光電圧法によって測定するキャリア濃度測定方法であって、シリコンエピタキシャルウエーハの表面に電界印加して最大空乏層幅の空乏層を形成し、該最大空乏層幅を測定することによってキャリア濃度を求めることを特徴とするキャリア濃度測定方法。

目的

本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、表面光電圧法によってシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を測定する方法において、シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を非接触かつ迅速・簡便に測定できるとともに、さらに日間変動や再現性等のばらつきが小さく信頼性の高いキャリア濃度測定方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

シリコンウエーハ上に成長させたシリコンエピタキシャル層キャリア濃度表面光電圧法によって測定するキャリア濃度測定方法であって、シリコンエピタキシャルウエーハの表面に電界印加して最大空乏層幅の空乏層を形成し、該最大空乏層幅を測定することによってキャリア濃度を求めることを特徴とするキャリア濃度測定方法。

請求項2

前記シリコンエピタキシャルウエーハの表面に電界を印加するのは、シリコンエピタキシャルウェーハの表面をコロナ放電処理することによって行うことを特徴とする請求項1に記載のキャリア濃度測定方法。

技術分野

0001

本発明はシリコンエピタキシャル層キャリア濃度測定方法に関するもので、詳しくは表面光電圧法によりエピタキシャル層のキャリア濃度を高い信頼性をもって測定する方法に関する。

背景技術

0002

シリコンエピタキシャルウエーハは、その優れた特性から広く個別半導体バイポーラIC等を製造するウエーハとして、古くから用いられてきた。また、MOS LSIについても、ソフトエラーラッチアップ特性が優れている事から、マイクロプロセッサユニットフラッシュメモリデバイスに広く用いられている。さらに、シリコン単結晶製造時に導入される、いわゆるGrown−in欠陥によるDRAMの信頼性不良を低減させるため、エピタキシャルウェーハ需要はますます拡大している。

0003

このようなシリコンエピタキシャルウエーハにおいては、エピタキシャル層が直接デバイス活性領域となるため、そのキャリア濃度を正確に制御すること及び測定する事は、デバイス動作上極めて重要である。

0004

従来、シリコンウエーハのエピタキシャル層のキャリア濃度を測定する方法としては、一般的にショットキー接合を形成し、いわゆるC−V法(Capacitance−Voltage法)により測定する方法が行なわれている。ショットキー接合を形成するために、エピタキシャル層表面金属電極蒸着することが一般的に行われているが、エピタキシャル層表面にHgプローブを接触させることにより、ショットキー接合を形成する方法も行なわれている。

0005

しかしながら、上記従来のC−V法では、真空蒸着によるショットキー接合を形成する前処理には約1時間必要とされ、キャリア濃度の測定を行うまでに時間がかかっていた。そのため、キャリア濃度の測定の間はエピタキシャル成長中断せざるを得ず、生産性が低下するという問題があった。また、ショットキー接合を形成するために金属蒸着あるいはHgプローブをウェーハ表面に接触させる為、いわゆる破壊検査となり、検査用モニターウエーハ別途に必要とするため、コストの点から見ても問題があった。

0006

そこで、このような問題を解決するために、キャリア濃度の測定において、表面光電圧法(Surface Photovoltage法:SPV法)を用いた測定方法が近年検討されている。この測定方法は、例えば測定点1点につき約0.1秒しか測定時間がかからず、その上非接触で測定できるため、ウエーハを汚染破壊することなく生産性、コストともに優れた測定方法として期待されている。

0007

このキャリア濃度の測定方法は、表面光電圧法により空乏層幅Wを測定できることを利用し、空乏層幅Wからキャリア濃度を求めるものである。表面光電圧法による空乏層幅Wの測定に関しては、例えば、J.Voc.Sci.Technol.20(1982)p.811のEq.15に示されている。また最大空乏層幅Wmaxと空乏層中でのドーパント濃度(キャリア濃度)Nsとの関係については、例えば、Physics and technology of semiconductor devices(Jhon Willey & Sons,Inc.,New York,1967)p.270において示されている。

0008

また、表面光電圧を測定する装置として、例えばQCSolutions社製のSurface Charge Profiler(以後、SCPと略す)が知られている。このSCPによる測定可能抵抗率の範囲は、通常0.1〜1000Ωcmである。

0009

SCPの測定原理について以下に説明する。まず、熱平衡状態にあるウエーハにSiのバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光(hν)をサンプル表面照射することにより、照射した光の波長に対応した侵入深さで過剰キャリアが発生する。発生した電子は表面側へ、ホールは空乏層の端へ移動する。発生した少数キャリアp型半導体では電子e)は表面の障壁高さをδVsだけ変化させる。この時の電位δVsをSPV値と呼ぶ。

0010

このSPV値を用い、次の(1)式に従って空乏層幅を算出することができる。
δVs=−j(δφ/ω)(1−R)q(Wd/εs) ・・・(1)
ここで、jは虚数単位、φは励起光強度、ωは励起光角周波数、Rはウェーハ表面の反射率、qは単位電荷量、εsは半導体の誘電率である。

0011

そして、SCPでは測定された空乏層幅Wdを最大空乏層幅Wmaxと仮定し、次の(2)式よりキャリア濃度Nsを算出することができる。
Wmax=[2εskTln(Ns/ni)/q2Ns]1/2・・・(2)
ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、niは真性自由キャリア濃度を表す。

0012

測定に用いる励起光源を通常の表面光電圧法で用いられるものよりも短波長(例えば450nm)の励起光源を用いることによって、光の侵入深さを0.4μm以下にでき、ウェーハ表層のみのキャリア濃度(厳密にはドーパント濃度)を評価することができる。

0013

このように表面光電圧法は、シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度の測定を、迅速・簡便かつ非接触で行うことができ、特にエピタキシャル層の表層の評価ができるという利点がある。ところが、この方法でエピタキシャル層のキャリア濃度を測定すると、測定値が安定せず、経時的に変化したり、また測定ウエーハの洗浄方法やその他の処理方法の違いによって、データが変ってしまうという問題があった。

0014

そこで、特開平10−270517号では、シリコンウエーハ上に成長させたシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を表面光電圧法によって測定する方法において、予めキャリア濃度の経時変化を求めておき、エピタキシャルウエーハ製造装置からウエーハを取り出してから表面光電圧法によりキャリア濃度を測定するまでの時間を計測することによって、キャリア濃度の測定値Nsと前記キャリア濃度の経時変化とから真のキャリア濃度N0を求めるキャリア濃度測定方法が開示されている。

0015

ところが、特開平10−270517号に示されている方法を用いてシリコンエピタキシャルウエーハのキャリア濃度を測定しても、日間変動や再現性のばらつきが大きい場合があり、測定値の信頼性が十分とは言えず、検査品質保証等に用いることは困難であった。

発明が解決しようとする課題

0016

本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、表面光電圧法によってシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を測定する方法において、シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を非接触かつ迅速・簡便に測定できるとともに、さらに日間変動や再現性等のばらつきが小さく信頼性の高いキャリア濃度測定方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0017

上記課題を解決するために、本発明によれば、シリコンウエーハ上に成長させたシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を表面光電圧法によって測定するキャリア濃度測定方法であって、シリコンエピタキシャルウエーハの表面に電界印加して最大空乏層幅の空乏層を形成し、該最大空乏層幅を測定することによってキャリア濃度を求めることを特徴とするキャリア濃度測定方法が提供される(請求項1)。

0018

このように、表面光電圧法によりシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を測定する際に、シリコンエピタキシャルウエーハの表面に電界を印加して最大空乏層幅の空乏層を形成し、この最大空乏層幅を測定することによって、非接触かつ迅速・簡便に測定できるとともに、空乏層幅の変動がほとんどないため、測定値のばらつきが小さく信頼性の高いキャリア濃度測定を行うことができる。

0019

この場合、前記シリコンエピタキシャルウエーハの表面に電界を印加するのは、シリコンエピタキシャルウェーハの表面をコロナ放電処理することによって行うことが好ましい(請求項2)。

0020

このように、シリコンエピタキシャルウエーハの表面をコロナ放電処理することによって、非接触・非破壊で最大空乏層幅の空乏層を形成でき、それによって、シリコンウエーハを汚染することなく正確なキャリア濃度を測定することが可能となる。なお、コロナ放電処理とは、直径100ミクロン程度の金属線に6〜10kVの高電圧を印加してコロナ放電させ、目的の誘電体等の表面を処理するものであり、半導体産業においても帯電防止処理等に広く用いられている。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。従来、表面光電圧法によりシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を測定する際、日間変動や再現性等のばらつきが大きく、測定値の信頼性に欠け、品質保証等に用いることが困難であった。本発明者等は、これらの問題を解決するために、表面光電圧法によるキャリア濃度測定において、日間変動や再現性等のばらつきが大きくなる原因について鋭意調査・検討を行った結果、シリコンエピタキシャルウエーハ表面の電荷状態の変化に影響され、測定された空乏層幅Wdが、キャリア濃度Nsを算出する際に用いられる最大空乏層幅Wmaxと必ずしも一致していないことが推定された。

0022

例えば、p型のシリコンエピタキシャルウエーハは、表面の正電荷密度が増加すると空乏層が広がり、やがて飽和状態に達する。この時、SCPによりキャリア濃度を測定する場合、上述したように、測定された空乏層幅Wdを最大空乏層幅Wmaxと仮定し、(2)式を用いてキャリア濃度Nsを算出するため、正確にキャリア濃度を測定するためには、ウエーハ表面に十分な量の正電荷が存在し、形成された空乏層の幅が最大空乏層幅Wmaxに達していることが重要となる。

0023

しかしながら、従来の表面光電圧法によるキャリア濃度の測定では、エピタキシャル層表面の電荷量が最大空乏層幅Wmaxに達するほど十分ではない場合が有り、空乏層幅は必ずしも最大空乏層幅Wmaxと一致せず、それによって見かけ上のキャリア濃度の変動を招いていたと考えられる。したがって、従来の表面光電圧法により測定されたキャリア濃度における日間変動等のばらつきは、空乏層幅の変化、すなわち、ウエーハ表面の電荷の状態の変化に原因があると予想された。

0024

そこで、本発明者は、空乏層幅が最大空乏層幅Wmaxに到達するまで十分な電界をウェーハ表面に印加したシリコンエピタキシャルウエーハを表面光電圧法により測定することによって、日間変動、再現性等のばらつきが小さく信頼性の高いキャリア濃度測定を行うことができることを発想し、本発明を完成させるに至った。

0025

すなわち、シリコンウエーハ上に成長させたシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を表面光電圧法によって測定する際に、シリコンエピタキシャルウエーハの表面に電界を印加することにより、最大空乏層幅Wmaxの空乏層を形成し、この最大空乏層幅Wmaxを測定することによって、信頼性の高いキャリア濃度測定を行うことができる。この時、最大空乏層幅Wmaxに達するために必要な電界強度あるいは表面電荷密度は、キャリア濃度の関数として計算によって求めることができる。

0026

算出する際の数式は、例えば、Physics of Semiconductor Devices(WILEY−INTERSCIENCE、New York、1969)p.431の式16を用いればよい。図8に、p型10Ωcm(ドーパント濃度NA=1.34×1015/cm3)の場合の表面ポテンシャルφSと半導体表面の電荷密度QSの関係の計算例を示す。最大空乏層幅Wmaxに到達するには、表面ポテンシャルφSがフェルミポテンシャルφfの2倍以上になれば良いことが知られている。φS=2φfの場合の半導体表面の電荷密度は、この図より0.02μC/cm2である。すなわち、シリコンエピタキシャルウェーハ上に0.02μC/cm2以上の正電荷が存在すれば、理論的には最大空乏層幅Wmaxに到達する。

0027

しかしながら、今回のように酸化膜のような誘電体が存在しない場合は、正電荷はシリコンエピタキシャルウェーハ上で安定には存在しない。このため、より多くの正電荷を付着させる必要がある。従って、必要な電荷量あるいは電界強度は、測定されたキャリア濃度が飽和して一定となるように実験的に求めることが望ましい。シリコンエピタキシャル層は狙いのキャリア濃度(抵抗率)が得られるように形成されるため、その狙いのキャリア濃度に対してある程度のマージンを取って電界を印加すればよい。

0028

また、SCPで測定する場合、エピタキシャル層成長後のウェーハ表面は、通常正に帯電している為、p型エピタキシャル層の評価には未処理或いはHF洗浄仕上げ後に正電荷を帯電させる処理が有効である。一方、n型ウェーハは空乏層がなくなる方向に進むため、SC−1洗浄(NH4OH/H2O2/H2Oの混合液による洗浄)或いはSC−2洗浄(HCl/H2O2/H2Oの混合液による洗浄)後に負電荷を帯電させる処理を行うことが望ましい。

0029

以下、本発明について図面を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明で用いられるコロナ放電処理の概念図を図1に示す。図1に示したように、ステージ1上に例えばp型の低抵抗率基板上にp型の通常抵抗率のエピタキシャル層を成長させたP/P+のシリコンエピタキシャルウェーハ2を置き、シリコンウェーハ2のほぼ中央部上方に配置された金属線電極3とステージ1間に、金属線電極3が正極となるようにして高電圧を印加し、シリコンウェーハ上でコロナ放電を発生させる。すると、負にチャージしたステージ上のシリコンウェーハ表面には、正イオン4が降り注がれることになる。

0030

このようにして、P型のシリコンウェーハ2に電界が印加され、空乏層が形成される。この時、空乏層幅が最大空乏層幅Wmaxに達していることが重要であるため、シリコンエピタキシャル層のキャリア濃度に応じ、ある程度のマージンを計算し、ウェーハと金属線電極間の距離あるいは放電時間を調整して電界を印加することが好ましい。なお、電極の形状はどのような形状でも良く、例えば針状(ロッド)あるいは線状(ワイヤー)等、種々の形態のものを用いることができる。

0031

また、本発明の測定方法を実施するには、コロナ放電処理を行う装置と表面光電圧法によりエピ層のキャリア濃度を測定する測定器をそれぞれ別に用意して、電界印加処理、キャリア濃度測定を個別に行えばよいが、図2に示すようにコロナ放電処理装置5とキャリア濃度測定器6を組み合わせて、信頼性の高いキャリア濃度測定装置7を構成してもよい。

0032

さらに、同一ステージ上でコロナ放電処理後あるいは処理中にキャリア濃度測定ができるように、コロナ放電用電極と測定用プローブを組み合わせることが好ましい。例えば、図3に示したように、コロナ放電用ロッド8を用いてシリコンウエーハ2上でコロナ放電を発生させて正電荷4を帯電させた後、測定用プローブ9を用いて空乏層幅を測定しても良く、図4に示したように、コロナ放電用ワイヤー10を電極としてコロナ放電処理を行い、その後すぐに待機していたプローブで測定することもできる。また、図5に示したように、コロナ放電用ユニット11からチューブ12を介してウエーハ2上に正電荷4を帯電させながら、測定用プローブ9により空乏層を測定することも可能である。

0033

以上のように、シリコンウェーハの表面に電界を印加する手段とキャリア濃度を測定する手段とを組み合わせたものとすれば、個々の装置で夫々処理する場合より、極めて簡単かつ迅速に測定することができるとともに、表面の電荷状態を安定に保つことができ、より信頼性の高い測定を行うことが可能となる。

0034

以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)枚葉常圧CVD装置にて、0.008Ωcmのp型シリコンウェーハ上に、狙いの抵抗率の水準がそれぞれ20、10、5Ωcmで、膜厚が5μmのp型エピタキシャル層を有する、いわゆるP/P++エピタキシャルウェーハを作製した。ウェーハをCVD装置から取り出した後、コロナ放電処理においてコロナ放電を発生させ、正電荷をウェーハ表面に付着させた。この時、コロナ放電処理には、KG101 CORONACHARGE GENERATOR(SEMILAB社製)を用い、最大空乏幅を得るために1μCの正電荷を付着させる設定とした。コロナ放電処理直後、SCPによりエピタキシャル層のキャリア濃度を測定した。その後、同一ウェーハを用いて、上記と同様のコロナ放電処理とキャリア濃度測定を10日間繰り返し行い、測定値の日間変動を調べた。

0035

抵抗率の異なるそれぞれのシリコンエピタキシャルウエーハについて測定した結果を図6に示す。測定されたキャリア濃度の日間変動はいずれのウエーハにおいても2.3%以下であり、本発明によるキャリア濃度測定方法は、ばらつきが小さく信頼性の高い測定方法であることがわかる。尚、絶対値に関しては、測定値をC−V法等と比較し、補正式を得ておくことが望ましい。

0036

(比較例)次に、実施例1と同様に3水準の抵抗率を有するシリコンエピタキシャルウエーハを用意し、それぞれのウエーハに対して電界を印加せずにSCPによるキャリア濃度測定を15日間繰り返し行った。その結果を図7に示す。エピタキシャルウェーハ作製後、いずれのウエーハにおいてもキャリア濃度は5日目までは単調に減少し、また、5日目以降の10日間の日間変動が約4%と大きな値を示した。

0037

なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

発明の効果

0038

以上説明したように、本発明によれば、表面光電圧法によってシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度を測定する場合において、シリコンウェーハの表面に電界を印加することにより最大空乏層幅の空乏層を形成して測定を行うことによって、信頼性の高いシリコンエピタキシャル層のキャリア濃度測定が可能となる。また、コロナ放電処理も、表面光電圧法による測定も、非接触、非破壊で行うことができるため、モニタウェーハを必要とせず、大きなコスト削減効果が得られる。

図面の簡単な説明

0039

図1本発明で用いるコロナ放電処理の概念図である。
図2本発明によるキャリア濃度測定装置の概念図である。
図3コロナ放電用ロッドと測定用プローブを組み合わせた測定装置を示した概念図である。
図4コロナ放電用ワイヤーと測定用プローブを組み合わせた測定装置を示した概念図である。
図5コロナ放電ユニットと測定用プローブを組み合わせた測定装置を示した概念図である。
図6実施例により測定したキャリア濃度の日間変動を示したグラフである。
図7比較例により測定したキャリア濃度の日間変動を示したグラフである。
図8表面ポテンシャルφSと半導体表面の電荷密度QSの関係を示したグラフである。

--

0040

1…ステージ、 2…シリコンウエーハ、3…金属線電極、 4…正電荷、5…コロナ放電処理装置、 6…キャリア濃度測定器、7…キャリア濃度測定装置、 8…コロナ放電用ロッド、9…測定用プローブ、 10…コロナ放電用ワイヤー
11…コロナ放電ユニット、 12…チューブ。

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