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課題

割断予定線に沿って正しく基板割断することが可能なレーザ割断装置及び方法を提供する。

解決手段

レーザ光照射して割断対象物の表面上にレーザ照射点を形成するレーザ5と、冷却ガス噴射して前記割断対象物の表面上に冷却点9を形成する冷却手段10と、前記レーザ照射点及び前記冷却点を、前記割断対象物上に規定される割断予定線7に沿って移動させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記レーザ照射点と前記冷却点との相対位置を可変に制御する。レーザ照射点と冷却点との相対的位置を適切に可変制御することにより、割断予定線に沿って安定的な割断が実行される。

概要

背景

一般に、液晶パネルなどの電気光学装置に用いられるガラス基板割断ブレイク)する場合には、基板表面にスクライブ溝を形成し、このスクライブ溝に沿って外部応力を加えることにより基板を破断させるスクライブ・ブレイク法が知られている。しかし、このスクライブ・ブレイク法で基板を分割する場合には、チッピングによる周囲の汚染破断面形状の不安定性という問題がある。近年、これらの問題を解決する方法として、レーザ光を用いたレーザ割断による基板分割が行われるようになってきた。

レーザ割断による基板分割においては、通常、基板の割断開始側の端部に切り欠きを形成し、この切り欠きの形成部からレーザ光の照射を開始し、レーザ光の照射スポット分割予定線に沿って移動させていくことにより、切り欠きの形成部から亀裂を割断予定線に沿って進行させ、基板を徐々に破断させて基板を分割する。

このレーザ割断の原理は、レーザ光が照射される部分が加熱されると基板内部に圧縮応力が生ずるが、その後レーザ光が照射されなくなると温度が低下して基板内部に引張応力が発生し、この引張応力によって基板が引き裂かれるようにして破断されるものであると考えられている。

このようなレーザ割断は、レーザ光による加熱中心であるレーザ光の照射スポット位置と、その周囲との間に発生する温度勾配により生じる応力により亀裂を成長させていく方法である。このため、割断点の位置を正確に割断予定線上に位置させて割断を進行させるために、割断対象物であるガラス基板に冷却ガス又は冷却エアーなどを当てて積極的に温度勾配を形成することが行われている。即ち、ガラス基板上に予め規定された割断予定線に沿ってレーザ光を進行させるとともに、割断予定線に沿ってレーザ光に追従するように冷却点を移動させることにより、割断予定線に沿って温度勾配を形成することが行われている。

このように、レーザ光の照射及び冷却ガスなどによる冷却を組み合わせて利用するレーザ割断方法においては、従来、先行するレーザ光に対して所定の距離をおいて冷却点が追従するようにレーザ照射点と冷却点が制御されていた。即ち、レーザ光を所定の速度で割断予定線上に移動させるとともに、冷却点が所定距離をおいてレーザ光を追従するように冷却ノズルなどを移動させていた。

概要

割断予定線に沿って正しく基板を割断することが可能なレーザ割断装置及び方法を提供する。

レーザ光を照射して割断対象物の表面上にレーザ照射点を形成するレーザ5と、冷却ガスを噴射して前記割断対象物の表面上に冷却点9を形成する冷却手段10と、前記レーザ照射点及び前記冷却点を、前記割断対象物上に規定される割断予定線7に沿って移動させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記レーザ照射点と前記冷却点との相対位置を可変に制御する。レーザ照射点と冷却点との相対的位置を適切に可変制御することにより、割断予定線に沿って安定的な割断が実行される。

目的

本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その課題は、割断予定線に沿って正しく基板を割断することが可能なレーザ割断装置及び方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
10件

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請求項1

レーザ光照射して割断対象物の表面上にレーザ照射点を規定するレーザと、冷却ガス噴射して前記割断対象物の表面上に冷却点を規定する冷却手段と、前記レーザ照射点及び前記冷却点を、前記割断対象物上に規定される割断予定線に沿って移動させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記レーザ照射点と前記冷却点との相対位置を可変に制御することを特徴とするレーザ割断装置

請求項2

前記制御手段は、前記割断予定線に沿った割断方向において、前記冷却点よりも先行する前記レーザ照射点と、前記冷却点との間に、前記割断対象物上に形成された亀裂の先端部である割断進行点が位置するように前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御することを特徴とする請求項1に記載のレーザ割断装置。

請求項3

前記制御手段は、前記レーザ照射点及び前記冷却点の移動速度を可変に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ割断装置。

請求項4

前記制御手段は、割断対象物の前記割断予定線上における割断終了側端付近において、前記割断対象物の他の部分の場合よりも前記冷却点を前記レーザ照射点に近づけるように前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレーザ割断装置。

請求項5

前記制御手段は、前記割断予定線上における前記レーザ照射点及び前記冷却点の経時的な移動量を示す移動量チャートを記憶する手段と、前記移動量チャートを参照して、前記レーザ照射点及び前記冷却点の移動を制御する手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレーザ割断装置。

請求項6

前記割断対象物に形成される前記割断進行点の位置を検出する位置検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された前記割断進行点の位置に応じて、前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のレーザ割断装置。

請求項7

前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された割断進行点の位置が、前記レーザ照射点と前記冷却点とのほぼ中間に位置するように、前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御することを特徴とする請求項6に記載のレーザ割断装置。

請求項8

前記制御手段は、割断対象物の前記割断予定線上における割断終了側端部付近において、前記レーザ照射点の移動速度を低下させることを特徴とする請求項6に記載のレーザ割断装置。

請求項9

前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された割断進行点と前記レーザ照射点との距離が、予め決められた所定距離より小さくなったときに、前記レーザ照射点の移動速度を低下させることを特徴とする請求項6に記載のレーザ割断装置。

請求項10

前記制御手段は、前記レーザ照射点の移動速度の低下割合に応じて、前記レーザの出力パワーを低下させることを特徴とする請求項8又は9に記載のレーザ割断装置。

請求項11

レーザ光を照射して割断対象物の表面上にレーザ照射点を規定する工程と、冷却ガスを噴射して前記割断対象物の表面上に冷却点を規定する工程と、前記レーザ照射点及び前記冷却点を、前記割断対象物上に規定される割断予定線に沿って移動させる制御工程と、を備え、前記制御工程は、前記レーザ照射点と前記冷却点との相対位置を可変に制御することを特徴とするレーザ割断方法

請求項12

前記制御工程は、割断予定線に沿った割断方向において、前記冷却点よりも先行する前記レーザ照射点と、前記冷却点との間に、前記割断対象物上に形成された亀裂の先端部である割断進行点が位置するように前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御することを特徴とする請求項11に記載のレーザ割断方法。

請求項13

前記制御工程は、割断対象物の前記割断予定線上における割断終了側端部付近において、前記割断対象物の他の部分における場合よりも前記冷却点を前記レーザ照射点に近づけるように前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御することを特徴とする請求項11又は12に記載のレーザ割断方法。

請求項14

前記制御工程は、前記割断予定線上における前記レーザ照射点及び前記冷却点の経時的な移動量を示す移動量チャートを参照して、前記レーザ照射点及び前記冷却点の移動を制御することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載のレーザ割断方法。

請求項15

前記割断対象物に形成される前記割断進行点の位置を検出する工程をさらに備え、前記制御工程は、検出された前記割断進行点の位置に応じて、前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載のレーザ割断方法。

請求項16

電気光学パネルを構成する2枚の基板のそれぞれに対して、レーザ割断がほぼ同時に進行するように、請求項11乃至15のいずれか一項に記載のレーザ割断方法を実行することを特徴とする電気光学パネルの割断方法

技術分野

0001

本発明は、ガラスセラミックス半導体ウェハのような脆性材料レーザビームなどを照射して割断する加工方法の技術分野に属し、特に液晶パネルなどの電気光学パネルを構成するガラス基板を割断するのに好適なレーザ割断方法に関する。

背景技術

0002

一般に、液晶パネルなどの電気光学装置に用いられるガラス基板を割断(ブレイク)する場合には、基板表面にスクライブ溝を形成し、このスクライブ溝に沿って外部応力を加えることにより基板を破断させるスクライブ・ブレイク法が知られている。しかし、このスクライブ・ブレイク法で基板を分割する場合には、チッピングによる周囲の汚染破断面形状の不安定性という問題がある。近年、これらの問題を解決する方法として、レーザ光を用いたレーザ割断による基板分割が行われるようになってきた。

0003

レーザ割断による基板分割においては、通常、基板の割断開始側の端部に切り欠きを形成し、この切り欠きの形成部からレーザ光の照射を開始し、レーザ光の照射スポット分割予定線に沿って移動させていくことにより、切り欠きの形成部から亀裂を割断予定線に沿って進行させ、基板を徐々に破断させて基板を分割する。

0004

このレーザ割断の原理は、レーザ光が照射される部分が加熱されると基板内部に圧縮応力が生ずるが、その後レーザ光が照射されなくなると温度が低下して基板内部に引張応力が発生し、この引張応力によって基板が引き裂かれるようにして破断されるものであると考えられている。

0005

このようなレーザ割断は、レーザ光による加熱中心であるレーザ光の照射スポット位置と、その周囲との間に発生する温度勾配により生じる応力により亀裂を成長させていく方法である。このため、割断点の位置を正確に割断予定線上に位置させて割断を進行させるために、割断対象物であるガラス基板に冷却ガス又は冷却エアーなどを当てて積極的に温度勾配を形成することが行われている。即ち、ガラス基板上に予め規定された割断予定線に沿ってレーザ光を進行させるとともに、割断予定線に沿ってレーザ光に追従するように冷却点を移動させることにより、割断予定線に沿って温度勾配を形成することが行われている。

0006

このように、レーザ光の照射及び冷却ガスなどによる冷却を組み合わせて利用するレーザ割断方法においては、従来、先行するレーザ光に対して所定の距離をおいて冷却点が追従するようにレーザ照射点と冷却点が制御されていた。即ち、レーザ光を所定の速度で割断予定線上に移動させるとともに、冷却点が所定距離をおいてレーザ光を追従するように冷却ノズルなどを移動させていた。

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、レーザ照射点及び冷却点に対する割断進行点の位置関係は、割断対象となるガラス基板の材質やその他の種々の要因に応じて変化し、必ずしも規則的でない場合があるので、上記のように単純にレーザ照射点から所定距離後を冷却点が追従するような制御方法では、レーザ割断を安定的に行えないことがある。例えば、何らかの原因でレーザ照射点及び冷却点の進行に対して割断進行点の進行が遅い場合には、冷却点が割断進行点を追い越してしまうことがありうる。割断はレーザ照射点と冷却点により生じる温度勾配の傾斜部分において生じるため、冷却点が割断進行点を追い越してしまうと、割断がそれ以上進行しなくなってしまう。

0008

また、レーザ照射点及び冷却点に対する割断進行点の位置関係は、1枚のガラス基板上でもその位置によって異なる傾向がある。例えば、1枚の矩形のガラス基板をその長さ方向に規定された割断予定線に沿ってレーザ割断する場合、レーザ照射点及び冷却点は基板の一端(以下、「入口側端部」とも呼ぶ。)からその長さ方向に進行し、基板の他端(以下、「出口側端部」とも呼ぶ。)を通過していくように移動される。しかし、レーザ光の基板への入口側端部と、基板の中央部と、基板からの出口側端部とでは、割断が進行する速度が異なることが通例である。よって、上記のように単純にレーザ照射点から所定距離後を冷却点が追従するような制御方法では、割断予定線に沿って正しくレーザ割断が行えないことがある。

0009

本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その課題は、割断予定線に沿って正しく基板を割断することが可能なレーザ割断装置及び方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するために、本発明のレーザ割断装置は、レーザ光を照射して割断対象物の表面上にレーザ照射点を規定するレーザと、冷却ガスを噴射して前記割断対象物の表面上に冷却点を規定する冷却手段と、前記レーザ照射点及び前記冷却点を、前記割断対象物上に規定される割断予定線に沿って移動させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記レーザ照射点と前記冷却点との相対位置を可変に制御する。

0011

上記のレーザ割断装置によれば、割断対象物にレーザ光を照射することにより、レーザ照射点が高温となり、一方、割断対象物に冷却ガスを噴射することにより冷却点が低温となる。レーザ照射点と冷却点を、割断予定線に沿って移動することにより、レーザ照射点と冷却点との間に急峻な温度勾配が形成され、温度勾配に起因する応力によって割断対象物上の亀裂が進行する。レーザ照射点と冷却点との相対的位置を適切に可変制御することにより、割断予定線に沿って安定的な割断が実行される。

0012

上記のレーザ割断装置の一態様では、前記制御手段は、前記割断予定線に沿った割断方向において、前記冷却点よりも先行する前記レーザ照射点と、前記冷却点との間に、前記割断対象物上に形成された亀裂の先端部である割断進行点が位置するように前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御する。

0013

この態様によれば、亀裂の先端部である割断進行点がレーザ照射点と冷却点との間に位置するようにレーザ照射点及び冷却点が制御されるので、確実に割断が進行する。

0014

上記レーザ割断装置の他の一態様では、前記制御手段は、前記レーザ照射点及び前記冷却点の移動速度を可変に制御する。

0015

この態様によれば、レーザ照射点と冷却点の移動速度を可変制御するので、割断進行点の様々な挙動に対応して割断を制御することができる。

0016

上記レーザ割断装置のさらに他の一態様では、前記制御手段は、割断対象物の前記割断予定線上における割断終了側端部付近において、前記割断対象物の他の部分における場合よりも前記冷却点を前記レーザ照射点に近づけるように前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御する。

0017

この態様によれば、割断終了側端部付近においては、冷却点がレーザ照射点に近づくように制御されるので、割断進行点をレーザ照射点方向に追い込むことができ、レーザ照射点と割断進行点との距離が短くなる。よって、レーザが割断対象物から離れた際に割断終了側端部付近に残る未割断部分を短くすることができる。

0018

上記のレーザ割断装置のさらに他の一態様では、前記制御手段は、前記割断予定線上における前記レーザ照射点及び前記冷却点の経時的な移動量を示す移動量チャートを記憶する手段と、前記移動量チャートを参照して、前記レーザ照射点及び前記冷却点の移動を制御する手段と、を備える。

0019

この態様によれば、予め実験などを行うことにより、好ましい割断を実現するためのレーザ照射点及び冷却点の移動量チャートを作成し、記憶しておく。割断の実行時には、制御手段は、このチャートを参照して、レーザ照射点及び冷却点を移動する。よって、安定的な割断処理を効率的に行うことができる。

0020

上記のレーザ割断装置のさらに他の一態様は、前記割断対象物に形成される前記割断進行点の位置を検出する位置検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された前記割断進行点の位置に応じて、前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御する。

0021

この態様によれば、割断進行点の実際の位置を検出し、それに基づいてレーザ照射点及び冷却点が制御される。よって、割断進行点が予想外の挙動を示したような場合でも、レーザ照射点及び冷却点を適切に制御することができる。

0022

上記のレーザ割断装置のさらに他の一態様では、前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された割断進行点の位置が、前記レーザ照射点と前記冷却点とのほぼ中間に位置するように、前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御する。

0023

この態様によれば、冷却点が必ず割断進行点の後方に位置することが確保されるので、安定的に割断を進行させることができる。

0024

上記のレーザ割断装置のさらに他の一態様では、前記制御手段は、割断対象物の前記割断予定線上における割断終了側端部付近において、前記レーザ照射点の移動速度を低下させる。

0025

この態様によれば、割断対象物の割断終了側端部付近においては、レーザ照射点の移動速度を低下させてレーザ照射点と割断進行点との距離を短くする。これにより、割断が終了した後に割断終了側端部付近に形成される未割断部分を短くすることができる。

0026

上記のレーザ割断装置のさらに他の一態様では、前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された割断進行点と前記レーザ照射点との距離が、予め決められた所定距離より小さくなったときに、前記レーザ照射点の移動速度を低下させる。

0027

この態様によれば、何らかの原因で割断の進行が遅くなったような場合に、レーザ照射点の移動速度を減速してレーザ照射点が割断進行点から離れすぎないようにし、割断を促進することができる。

0028

上記のレーザ割断装置のさらに他の一態様では、前記制御手段は、前記レーザ照射点の移動速度の低下割合に応じて、前記レーザの出力パワーを低下させる。

0029

この態様によれば、レーザ照射点の移動速度の低下に応じて、レーザのパワーを低下させるので、レーザ移動速度の低下により過大な熱エネルギー印加されて割断対象物が損傷を受けることを防止できる。

0030

本発明のレーザ割断方法は、レーザ光を照射して割断対象物の表面上にレーザ照射点を規定する工程と、冷却ガスを噴射して前記割断対象物の表面上に冷却点を規定する工程と、前記レーザ照射点及び前記冷却点を、前記割断対象物上に規定される割断予定線に沿って移動させる制御工程と、を備え、前記制御工程は、前記レーザ照射点と前記冷却点との相対位置を可変に制御する。

0031

上記のレーザ割断方法によれば、割断対象物にレーザ光を照射することにより、レーザ照射点が高温となり、一方、割断対象物に冷却ガスを噴射することにより冷却点が低温となる。レーザ照射点と冷却点を、割断予定線に沿って移動することにより、レーザ照射点と冷却点との間に急峻な温度勾配が形成され、温度勾配に起因する応力によって割断対象物上の亀裂が進行する。レーザ照射点と冷却点との相対的位置を適切に可変制御することにより、割断予定線に沿って安定的な割断が実行される。

0032

上記のレーザ割断方法の一態様では、前記制御工程は、割断予定線に沿った割断方向において、前記冷却点よりも先行する前記レーザ照射点と、前記冷却点との間に、前記割断対象物上に形成された亀裂の先端部である割断進行点が位置するように前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御する。

0033

この態様によれば、亀裂の先端部である割断進行点がレーザ照射点と冷却点との間に位置するようにレーザ照射点及び冷却点が制御されるので、確実に割断が進行する。

0034

上記のレーザ割断方法の他の一態様では、前記制御工程は、割断対象物の前記割断予定線上における割断終了側端部付近において、前記割断対象物の他の部分よりも前記冷却点を前記レーザ照射点に近づけるように前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御する。

0035

この態様によれば、割断終了側端部付近においては、冷却点がレーザ照射点に近づくように制御されるので、割断進行点をレーザ照射点方向に追い込むことができ、レーザ照射点と割断進行点との距離が短くなる。よって、レーザが割断対象物から離れた際に割断終了側端部付近に残る未割断部分を短くすることができる。

0036

上記のレーザ割断方法のさらに他の一態様では、前記制御工程は、前記割断予定線上における前記レーザ照射点及び前記冷却点の経時的な移動量を示す移動量チャートを参照して、前記レーザ照射点及び前記冷却点の移動を制御する。

0037

この態様によれば、予め実験などを行うことにより、好ましい割断を実現するためのレーザ照射点及び冷却点の移動量チャートを作成し、記憶しておく。割断の実行時には、制御手段は、このチャートを参照して、レーザ照射点及び冷却点を移動する。よって、安定的な割断処理を効率的に行うことができる。

0038

上記のレーザ割断方法のさらに他の一態様では、前記割断対象物に形成される前記割断進行点の位置を検出する工程をさらに備え、前記制御工程は、検出された前記割断進行点の位置に応じて、前記レーザ照射点及び前記冷却点を制御する。

0039

この態様によれば、割断進行点の実際の位置を検出し、それに基づいてレーザ照射点及び冷却点が制御される。よって、割断進行点が予想外の挙動を示したような場合でも、レーザ照射点及び冷却点を適切に制御することができる。

0040

本発明の電気光学パネルの割断方法は、電気光学パネルを構成する2枚の基板のそれぞれに対して、レーザ割断がほぼ同時に進行するように、上記のレーザ割断方法を実行する。これにより、電気光学パネルなど、2枚の基板を組み合わせて形成されるパネルをも確実に割断することができる。

発明を実施するための最良の形態

0041

[原理説明]まず、本発明の好適な実施形態の説明に先立って、本発明によるレーザ割断方法の原理について説明しておく。

0042

図1(A)は、冷却を利用しないレーザ割断方法の一例を示す。図1(A)において、割断対象物であるガラス基板1は割断予定線7に沿って割断される。割断予定線7に沿って割断方向Xにレーザ5を移動することにより、レーザ照射点(レーザスポット)6が割断予定線7上を図の右方向へ移動する。図1(A)では、は基板の左側端部(入口側端部)から基板1にレーザ照射が開始され、基板のほぼ中央あたりまで進行した状態を示している。割断予定線7上でレーザ照射点6から距離yだけ遅れて割断進行点Brが同じく割断方向Xに移動している。割断進行点Brの割断方向Xにおける後方には割断により基板1に亀裂8が形成されている。割断進行点Brは亀裂8の先頭位置である。

0043

レーザ5を割断予定線7に沿って割断方向Xに移動させると、それに追従するように割断進行点Brが割断予定線7に沿って割断方向Xに移動する。レーザ5が基板の出口側端部へ向かって移動すると、割断進行点Brは割断予定線7に沿って基板1の出口側端部近くまで進むが、レーザ照射点6が基板1の出口側端部を通過して基板1から離れて行ってしまうと、割断進行点Brは基板1の出口側端部の少し手前の割断停止点3で停止する。従って、基板の出口側端部には、未割断部分(長さE)が残る。

0044

図1(B)に、レーザ照射点6の移動に伴って、レーザ照射点6と割断進行点Brとの距離がどのように変化するかを示す。横軸はレーザ照射点6の基板1上の変位xを示し、基板の入口側端部を原点としている。縦軸図1(A)に示すように、レーザ照射点6と割断進行点Brとの間の距離y(即ち、割断進行点Brのレーザ照射点6に対する遅れy)を示す。

0045

図1(B)からわかるように、レーザ照射点6の変位xが小さい時、即ち、レーザ照射点が基板の入口側端部から基板に入ってしばらくの間は、割断進行点Brのレーザ照射点6に対する遅れyは大きい。レーザ照射点6が割断方向Xに移動するにつれて割断進行点Brの遅れyは小さくなり、レーザ照射点6が基板1の出口側端部に至ったとき(即ちx=Lのとき)、割断進行点Brの遅れはEとなる。その後はレーザ照射点6が基板1を通り抜けて行くので、割断進行点Brはそれ以上は進行せずに割断停止点3で停止し、その結果、長さEの未割断部が生じる(図1(A)参照)。

0046

つまり、基板1に対してレーザ割断が始まり、レーザ照射点6が入口側端部から出口側端部へ向かって移動すると、最初のうちは割断進行点Brはレーザ照射点6の移動と比較してかなりゆっくりと進行し、割断進行点Brの遅れyは大きい。その後、基板の中央付近まである程度レーザ照射点6が移動すると、割断進行点Brの進行が加速し始め、割断進行点Brの遅れは小さくなっていく。そして、最終的にレーザ照射点6が基板1の出口側端部を通り抜けたときに割断進行点Brは割断停止点3に至り、そこで停止する。このように、割断進行点Brの進行は、基板の入口付近、中央部分及び出口付近で異なる挙動を示すことがわかっている。

0047

図2(A)に、レーザ照射点の後方から冷却を行った場合のレーザ割断方法の一例を示す。図2(A)において、図1(A)と同様に、レーザ5を割断方向Xに移動させ、割断予定線7に沿ってレーザ照射点6が移動する。また、割断予定線7に沿って、かつ、レーザ5の後方から、冷却ノズル10を割断方向Xに移動させ、割断予定線7上に冷却点9を形成している。冷却ノズル10は、例えば窒素又は空気などの冷却ガスを基板1の表面に対して噴射することにより基板面を冷却する。冷却点9は割断進行点Brより後方を割断方向Xに移動するように制御される。これにより、レーザ照射点6がレーザ光により加熱されて高温になるのに対し、冷却点9は冷却されるので、これらの2点間に温度勾配が形成されて割断が進行する。

0048

図2(B)は、図1(B)と同様に、レーザ照射点6の変位xを横軸に示し、割断進行点Brのレーザ照射点6からの遅れyを縦軸に示したグラフである。なお、図2(B)の実線101は図2(A)に示すように冷却点9を形成した場合のグラフであり、比較のために波線100として図1(B)に示す冷却なしの場合のグラフを示してある。

0049

図2(B)の実線101からわかるように、冷却を行った場合でも、基板1の入口側端部付近では割断進行点Brの進行は比較的ゆっくりであり、レーザ照射点6に対して遅れて進行する。基板中央付近では割断進行点Brは進行速度を上げ、基板の出口側端部付近では遅れyは小さくなる。レーザ照射点6が基板の出口側端部を通り抜けると、割断進行点Brは割断停止点4で停止し、長さEcの未割断部が残るが、この未割断部の長さEcは冷却なしの場合の未割断部の長さEより短い。

0050

図2(B)から、冷却を行った場合でも、基板の入口側付近では割断進行点Brはレーザ照射点6から遅れて進行することがわかる。しかし、冷却を行った場合と行わない場合と比較すると、冷却を行った場合の方が割断進行点Brの遅れの程度は小さくなり、最終的に基板の出口側端部に残る未割断部も短くなることがわかる。

0051

図3に、冷却を行わない場合と冷却を行った場合の基板の表面温度の変化を示す。図3上段が冷却を行わない場合のレーザ割断状態を示し、中段は冷却を行った場合のレーザ割断状態を示す。下段は、基板面上の各点の温度を示している。下段の表面温度グラフにおいて、グラフ103は冷却なしの場合の温度変化を示し、グラフ104は冷却ありの場合の温度変化を示す。グラフ103及び104ともに、レーザ照射点6の位置では最高の温度を示しており、レーザ照射点6より先(基板の出口側端部より)は未だレーザ光が照射されていないので、温度は低くなっている。

0052

冷却なしの場合は、グラフ103に示されるようにレーザ照射点6より後方の温度勾配は緩やかであり、その勾配中腹付近に割断進行点Brが位置している。その結果、割断進行点Brはレーザ照射点6に対してかなり遅れている。一方、冷却ありの場合は、グラフ104に示されるように、レーザ照射点6の後方の温度勾配は冷却なしの場合と比べて急峻であり、温度勾配の中腹あたりに割断進行点Brが位置している。よって、冷却ありの場合は、冷却なしの場合と比較して、割断進行点Brの進行は早い。

0053

上より、割断進行点Brの後方を冷却することにより、レーザ照射点6と冷却点9との間に明確な温度勾配が形成され、その結果、割断の進行を早めることができることがわかる。また、割断進行点Brの後方を冷却することにより、割断進行点Brをレーザ照射点6に近づけることができ、それにより最終的に基板の出口側端部に残る未割断部を短くすることができることがわかる。

0054

以上の考察に基づき、本発明では、レーザ照射点の後方に冷却点を設け、かつ、レーザ照射点と冷却点との距離を可変制御することとした。即ち、常に割断進行点Brの後方に冷却点を形成してレーザ照射点との間に比較的急峻な温度勾配を形成し、冷却点を移動させることにより割断進行点を後方から押し進めるようにして、安定的に割断を進行させるのである。

0055

図4に本発明によるレーザ照射点及び冷却点の制御方法の一例を示す。図4(A)は基板上でのレーザ照射点及び冷却点の位置関係を示す図である。図4(A)において、レーザ照射点6と割断進行点Brとの距離をy1とし、レーザ照射点6と冷却点9との距離をy2とする。レーザ照射点6の変位xに対して距離y1及びy2を移動させる一例を図4(B)に示している。図4(B)の例では、常に距離y1<y2として冷却点9が割断進行点Brの後方に位置するようにしている。また、冷却点9は、基板の入口側端部付近ではレーザ照射点6に対する遅れを大きくし、レーザ照射点6が基板の中央付近から出口側端部へ近づくにつれて冷却点9のレーザ照射点6からの遅れを小さくするように冷却点9を制御する。

0056

このように、本発明では、まず、冷却点が必ず割断進行点より後方にあるようにし、割断が停止しないように冷却点の位置を制御する。また、割断進行点の進行に応じて、冷却点を割断進行点の後方で割断進行点になるべく近くに位置することにより、レーザ照射点との間に急峻な温度勾配を形成して、割断進行点を割断予定線に沿って安定的に(直進性よく)進行させる。また、基板の出口側端部付近において割断進行点をレーザ照射点になるべく近づけるように冷却点を移動することにより、基板の出口側端部付近にできる未割断部分をできる限り短くする。

0057

[第1実施形態]次に、本発明の第1実施形態について図5を参照して説明する。図5において、基板1の上方にはレーザ5及び冷却ノズル10が割断予定線7に沿って移動可能に配置される。なお、基板1は図示しないテーブルなどの上に固定されている。レーザ5により基板1上にレーザ照射点6が形成され、冷却ノズル10により冷却点9が形成される。また、コントローラ15及び図示しない移動機構により、レーザ5及び冷却ノズル10の移動を制御する。

0058

図4(A)の場合と同様に、レーザ照射点6と割断進行点Brとの距離をy1とし、レーザ照射点6と冷却点9との距離をy2とすると、y1及びy2が図4(B)のグラフに示すように冷却点9の進行を制御すれば、割断予定線に沿った直進性のよい割断が実現される。よって、そのようなレーザ照射点6及び冷却点9の移動量のチャート110を予め実験的に用意し、それに従ってレーザ5及び冷却ノズル10の移動を制御する。

0059

図4(B)に示すグラフでは、レーザ照射点6の変位xと、レーザ照射点6と冷却点9の距離y2との関係が示されているので、これによりレーザ照射点6と冷却点9の移動を制御することができる。レーザ照射点6はレーザ5の位置を制御することにより制御でき、冷却点9は冷却ノズル10の位置を制御することにより制御できるので、コントローラ15が、事前の実験により得られた移動量チャート110に従ってレーザ5及び冷却ノズル10の位置を制御することにより、レーザ照射点6と冷却点9を制御し、それにより安定的に割断を進行させることができる。

0060

この方法によれば、各種のガラス基板について事前に実験を行い、どのガラス基板にも適用できるように多少の安全マージンを見込んだ移動量チャート110を作成しておけば、実際のガラス基板1の割断工程はそのチャート110を参照してコントローラ15がレーザ5及び冷却ノズル10を移動させるだけでよく、割断工程を効率的に行うことができる。

0061

[第2実施形態]次に本発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。第1実施形態は、予め実験などにより得られた移動量チャートに基づいてレーザ照射点6と冷却点9の位置を制御するものであったが、本実施形態では、割断進行点Brの実際の位置を検出し、実際の割断進行点Brの位置に応じてレーザ照射点6及び冷却点9の位置を制御するものである。

0062

図6に示すように、本実施形態においては、割断進行点Brを検出するためにCCDカメラ20が基板1の下方に配置される。CCDカメラ20は割断進行点付近の画像を撮影して画像信号画像処理部21へ出力する。画像処理部21は、画像信号に対して2値化などの信号処理を行って割断進行点Brの位置を検出する。割断進行点Brの基板1に対する位置は、割断方向XにおけるCCDカメラ20の位置及びCCDカメラ20で撮影した画像中における割断進行点Brの位置を計算することにより得られる。画像処理部21はこうして得られた割断進行点Brの位置座標をコントローラ15へ供給する。

0063

また、コントローラ15は、第1実施形態と同様に、図示しない移動機構により、レーザ5及び冷却ノズル10の割断方向Xへの移動を制御する。コントローラ15は、移動機構により得られるレーザ5の基板1に対する位置、及びレーザ5とレーザ照射点6との位置関係に基づいて、レーザ照射点6の座標を得ることができる。また、コントローラ15は、冷却ノズル10の位置、及び冷却ノズル10と冷却点9との位置関係に基づいて冷却点9の基板1に対する座標を得ることができる。こうして、コントローラ15は、レーザ照射点6、冷却点9及び割断進行点Brの基板1に対する座標を取得し、制御することができる。なお、第1実施形態と同様に、基板1は図示しないテーブルなどの上に載置され、固定されているものとする。

0064

次に、コントローラ15によるレーザ照射点6及び冷却点9の制御方法について説明する。

0065

(第1の方法)第1の方法は、レーザ5の移動速度VLを一定速度とし、冷却ノズル10の移動速度を割断進行点Brの位置に応じて変化させる。より具体的には、割断進行点Brがレーザ照射点6と冷却点9のほぼ中間に位置するように、割断進行点Brに基づいて冷却点9を制御する。図6に示すように、レーザ照射点6と割断進行点Brの距離をy1とし、レーザ照射点6と冷却点10との距離をy2とすると、y2=2×y1となるように、冷却点9を移動させる。コントローラ15は、レーザ照射点6を一定速度で割断方向Xへ移動しており、レーザ照射点6の座標を認識しているので、これと画像処理部21から供給された割断進行点Brの座標とから、y2=2×y1となるように、冷却点9の座標を決定し、冷却ノズル10を移動すればよい。

0066

この制御により、冷却点9は常に割断進行点Brの後方に位置し、レーザ照射点6と冷却点9とにより形成される温度勾配中に割断進行点Brが位置するようになるので、割断を安定的に行うことができる。なお、ここでは、割断進行点Brがレーザ照射点6と冷却点9のほぼ中間点に位置するようにしたが、これに限らず、割断進行点Brがレーザ照射点6と冷却点9の間に位置することが確保されれば、y1とy2とが他の比となるように冷却点9を決めることも可能である。

0067

(第2の方法)第2の方法は、レーザ照射点6及び冷却点9の移動速度を、基板1上の位置に応じて変化させる方法である。基板上の位置を、入口側端部付近、中央付近及び出口側端部付近の3つの領域に区分したとすると、入口側端部付近及び中央付近においては、例えば上述の第1の方法と同様にレーザ5及び冷却ノズル10の移動を制御する。即ち、コントローラ15は、レーザ5の速度VLを一定とし、割断進行点Brの実際の位置をCCDカメラ20で検出して、割断進行点Brがレーザ照射点6と冷却点9とのほぼ中間付近に位置するように冷却ノズル9を移動させる。

0068

そして、レーザ照射点が出口側端部付近に近づいたら(例えば、出口側端部から予め決められた所定距離内に入ったとき)、レーザ5の移動速度をそれまでより遅くするとともに、冷却点9の位置をレーザ照射点6に近づけるようにする。但し、冷却点9が割断進行点Brを追い越してしまうと割断が停止してしまうので、あくまでも冷却点9は割断進行点より後方に位置させる。こうして、出口側端部付近ではレーザ照射点6と冷却点9との距離を短くしていく。レーザ照射点6が出口側端部を通り抜けてしまうと、割断進行点Brはそのときの位置で停止し、未割断領域が残るので、出口側端部付近では、割断進行点Brをなるべくレーザ照射点6に近づけることにより、未割断領域を短くすることができる。つまり、出口側端部付近で、レーザ照射点6の移動を遅くするとともに、冷却点9の移動を早めて冷却点9をレーザ照射点6に近づけていき、それにより割断進行点Brをレーザ照射点6の方向へ追い込む(又は、囲い込む)ようにするのである。

0069

但し、単純にレーザ5の移動速度を遅くすると、基板上のレーザ照射点6に与えられるエネルギーが大きくなり、基板1に焼き付きなどが生じるので、レーザ5の移動速度の低下に応じて、レーザ5の出力パワーも低下させる。例えば、出口側端部付近でレーザ5の移動速度VLを20%減速したならば、レーザ5の出力パワーも20%減少させる。また、出口側端部付近でレーザ5の移動速度VLを100%から徐々に60%まで減速するならば、レーザ5のパワーも同じ割合で100%から徐々に60%まで減少させる。こうすることにより、レーザ5の移動速度の減少によってガラス基板上のレーザ照射点6の温度が増加してガラス基板に焼き付きなどの損傷を与えることを防止することができる。

0070

このように、第2の方法によれば、出口側端部付近でレーザ照射点6の進行を減速し、冷却点の移動を加速して割断進行点Brをレーザ照射点6の方向へ追い込んでやるので、最終的に出口側端部に形成される未割断領域をできる限り小さくすることができる。

0071

(第3の方法)上述の第2の方法では、レーザ照射点6が出口側端部付近に近づいたときにレーザ照射点6の移動速度を減速したが、第3の方法では、出口側端部付近に限らず、基板上の他の位置においても、割断進行点Brの進行速度に応じてレーザ照射点6の移動速度を調整するものである。

0072

レーザ照射点6と冷却点9とにより形成される温度勾配が急峻なほど、割断進行点Brは安定的に形成され、かつ、割断進行点Brのレーザ照射点6への追従性がよくなることはわかっているが、ガラス基板1の厚さのばらつきなどのガラス基板自体の要因、又は、他のレーザ割断を行う環境における要因などの様々の要因により、割断進行点Brが全てのガラス基板についてスムーズに進行するとは限らない。つまり、何らかの原因により、基板上のある位置において割断進行点Brの進行が非常に遅くなったりすることがある。

0073

そこで、第3の方法では、割断進行点Brの進行速度が遅くなったときに、レーザ照射点6の移動速度を遅くし、割断進行点Brがレーザ照射点6から離れすぎないようにする。つまり、割断の進行が遅い場合には、レーザ照射点6が減速して、割断進行点Brがレーザ照射点6に近づいてくるのを待ってやるように制御する。図3を参照して説明したように、レーザ照射点6と冷却点9との間の距離が短いほど(即ち、これら2点間の温度勾配が急峻であるほど)割断は進行しやすいことが経験的にわかっているので、レーザ照射点6の移動速度を減速して、レーザ照射点6と冷却点9との距離を近づけ、割断の進行速度が上がるのを待つのである。

0074

具体的には、コントローラ15は画像処理部21からの出力に基づいてレーザ照射点6と割断進行点Brとの距離y1を監視し、その距離y1が予め実験的に決められた所定値を越えたときに、レーザ5の移動速度を所定の割合で低下させてレーザ照射点6の移動速度を減速する。なお、この際も、第2の方法と同様に、レーザ5の移動速度の低下割合に応じて、レーザ5の出力パワーも減少させて、基板の焼き付きなどを防止する。

0075

このように、第3の方法によれば、何らかの原因で割断がスムーズに進まない場合でも、割断進行点Brに対するレーザ照射点6と冷却点9の位置を調整することにより、割断の進行を促進させることができる。

0076

[変形例]上述のように、基板の出口側端部付近でレーザ5と冷却ノズル10の移動速度を調整したとしても、未割断部分を完全になくすことは難しい。よって、レーザ割断工程が終わった後、残った未割断部分に機械的な応力を加えて基板を完全に2つに分断することが行われる。

0077

そのような分断工程を行う代わりに、基板1の出口側端部付近に予め切り欠きを設けておくことができる。例えば図7に示すように、基板1の出口側端部に切り欠き27を設けておく。こうすると、上述のレーザ割断のためのレーザ照射点6が出口側端部付近へ到達したときに、レーザ照射による熱エネルギーが切り欠き27に到達し、熱衝撃により切り欠き27に沿ってガラスが割れて基板が切断される。よって、割断予定線7に沿ってレーザ割断を行うと、レーザ照射点6が出口側付近に至ったときに、基板が完全に2つに分断されることになる。

0078

切り欠き27を設けておくと、レーザ照射による熱によりガラス基板1が切り欠き27の亀裂に沿って割れるので、切り欠き27は基板の下面まで到達した切り込みである必要はない。図7では説明の便宜上、比較的大きな切り欠き27が図示されているが、レーザ照射による熱衝撃によってガラス基板が割れる方向を規定することができればよいので、切り欠き27は小さなスジや傷程度のものであってもよい。それゆえ、切り欠き27は、図1及び図2に示す未割断部分の長さ(E、Ecなど)を有する必要もない。切り欠き27は、例えばダイヤモンド製などのカッタにより機械的に形成することができる。もちろん、レーザなど他の種々の方法を利用して切り欠き27を形成することも可能である。

0079

[応用例]次に本発明のレーザ割断をガラス基板を液晶パネルなどの電気光学パネルの割断に適用する例を図8を参照して説明する。図8において、割断対象物である液晶パネル30は、2枚のガラス基板1を、その間にシール材31及び図示しないスペーサなどを挿入して貼り合わせることにより形成したものである。

0080

このような2枚のガラス基板からなる液晶パネル30を割断する際には、これまで説明してきたレーザ割断方法を2枚の基板各々に対して適用し、上下方向から同時にレーザ割断を行う。コントローラ15は、液晶パネル30の上側基板1aの割断のためにレーザ5a、CCDカメラ20a及び冷却ノズル10aを制御し、下側基板1bの割断のためにレーザ5b、CCDカメラ20b及び冷却ノズル10bを制御する。また、コントローラ15は、上側基板1aと下型基板1bの割断がほぼ同期して進行するように、それぞれのレーザ、CCDカメラ及び冷却ノズルの移動を制御する。

0081

なお、この応用例においても、先に述べた切り欠き27を基板1a及び1bの出口側端部に形成して、上記変形例によるレーザ割断を行うことができる。

0082

[その他の変形]上述の第1及び第2実施形態においては、ガラス基板1をテーブルなどの上に固定し、レーザ5、冷却ノズル10及びCCDカメラを移動させていたが、その代わりに基板1を保持したテーブルを移動させることもできる。その場合には、レーザ5、冷却ノズル10又はCCDカメラ20のいずれか1つを固定とし、残りの2つを基板の移動に伴って移動させればよい。

発明の効果

0083

以上説明したように、本発明によれば、レーザ照射点及び冷却点の位置を、割断の進行に応じて適切に可変制御するので、割断予定線に沿って直進性よく安定的に割断を進行させることができる。

0084

また、基板の出口側端部付近でレーザ照射点と冷却点との距離を短くし、割断進行点を出口側端部方向へ追い込むことにより、未割断部分を短くすることができる。また、何らかの原因で割断の進行が遅くなった場合などにも、レーザ照射点と冷却点の位置を適切に制御することにより、割断を促進することができる。

0085

さらに、本発明によるレーザ割断を上下方向から同期して適用することにより、2枚のガラス基板を貼り合わせて構成される液晶パネルなどの電気光学パネルの割断を行うことができる。

図面の簡単な説明

0086

図1一般的なレーザ割断方法の一例を示す図である。
図2冷却を伴うレーザ割断方法の一例を示す図である。
図3冷却を伴うレーザ割断方法と冷却を伴わないレーザ割断方法を比較説明する図である。
図4本発明によるレーザ割断方法の基本的原理を説明するための図である。
図5本発明の第1実施形態によるレーザ割断方法を示す図である。
図6本発明の第2実施形態によるレーザ割断方法を示す図である。
図7基板の割断方向端部に切り欠きを設けた本発明の変形例を示す図である。
図8本発明のレーザ割断方法を、電気光学パネルの割断(ブレイク)に適用する例を示す図である。

--

0087

1ガラス基板
5レーザ
6レーザ照射点
7割断予定線
8 亀裂
9 冷却点
10冷却ノズル
15コントローラ
20CCDカメラ
21画像処理部
27切り欠き
Br割断進行点

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