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技術 回折性光学要素および回折性光学要素を備えた光学装置

出願人 カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー
発明者 ベルント・クレーマンハンス-ユルゲン・ロスタルスキヴィリー・ウルリッヒ
出願日 2002年5月13日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2002-136968
公開日 2003年1月29日 (17年10ヶ月経過) 公開番号 2003-029013
状態 拒絶査定
技術分野 回折格子、偏光要素、ホログラム光学素子 回折格子、ホログラム光学素子
主要キーワード 整合形状 連続傾斜面 光学的境界 延在態様 過剰補償 ニュートラルフィルタ マルチレベル構造 灰色フィルタ
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図面 (14)

課題

光学装置の特定の光学収差補正する回折性光学素子回折効率を最適化する。

解決手段

回折性光学要素(101)は、特定の波長に対し多数の回折構造部(104ないし109)を備えている。回折構造部はそれぞれ回折性光学要素(101)の面内で測った幅(r)とこれに対し垂直に測った高さ(h)とを有している。回折構造部の幅(r)と高さ(h)は回折性光学要素(101)の面にわたって変化している。このような回折性光学要素を備えた光学装置は、補助的にニュートラルフィルタを有している。利用可能な光に対するこのような回折性光学要素(101)とこのような光学装置の効率は、局部的に最適化させることができる。

概要

背景

上記回折性光学要素は、論文"Zonal diffraction efficiencies and imagingof micro-Fresnel lenses"、J. Mod. Opt., 45, 1405, 1998年から知られている。この論文では、フレネルレンズ半径が増大するにつれて、すなわち構造幅が減少するにつれて回折構造部の構造高さを低くさせることが提案されている。これにより、この論文において選定された光学的境界条件の場合、レンズエッジにおける回折効率が増大する。

しかしながら、構造高さがこのように変化すると、すでに述べたような、構造幅が狭くなれば回折効率が減少する多くの回折性光学要素の場合、回折効率の改善には至らないので、この論文の教義一般化することはできない。

構造高さが一定の回折性光学要素は米国特許第5623365号明細書から知られている。この公報に記載されている透過型回折性光学要素は、特定の焦点距離を持ったレンズの機能を有している。このため、回折構造部の幅は中心間隔が増大するにつれて減少する。与えられた屈折率でこの種の回折性光学要素の所望の屈折力を大きくしようとすると、中心間隔とともに回折構造部の幅の変化がそのぶん大きくなり、それによってこの幅と波長との比の変化が大きくなる。幅と波長との比は、主に、得られる局部的回折効率に影響する。

前記米国特許第5623365号明細書に記載の回折性光学要素の場合、構造幅と波長との比の上記変化は、電磁理論をベースとした演算が示したところによると、前記比が変化すればするほどそれだけ多くの光が他の回折次数へ変化し、回折構造部がより幅狭になる点に認められる。これにより幅狭の回折構造部の領域で局部的回折効率のロスが生じ、通常は回折性光学要素の局部的回折効率は好ましい変化を示さない結果となる。

欧州特許公開第0312341A2号公報に記載されている透過型回折性光学要素は、同心に配置される複数の回折領域を有している。これらの回折領域はそれぞれ異なる照射波長に対し構成されており、これらの回折領域内では構造高さは一定である。したがってこの場合も、構造幅が変化すると、これら回折領域のそれぞれの内部で、前記米国特許第5623365号明細書に関連して述べた局部回折効率の依存性に関わる欠点が生じる。

上記欧州特許公開第0312341A2号公報の回折性光学要素はさらにリングゾーンを有している。リングゾーンは不透明または部分透過性として構成され、通過する光を制御して回折性光学要素への光路内で所望の強度分布を得るようになっている。よって、上記欧州特許公開第0312341A2号公報からは、請求項9の前文に記載の光学装置が知られている。照射波長に対し回折構造部の構造高さが一定であるので、この場合も前記米国特許第5623365号明細書に関連して述べた欠点がある。

概要

光学装置の特定の光学収差補正する回折性光学素子の回折効率を最適化する。

回折性光学要素(101)は、特定の波長に対し多数の回折構造部(104ないし109)を備えている。回折構造部はそれぞれ回折性光学要素(101)の面内で測った幅(r)とこれに対し垂直に測った高さ(h)とを有している。回折構造部の幅(r)と高さ(h)は回折性光学要素(101)の面にわたって変化している。このような回折性光学要素を備えた光学装置は、補助的にニュートラルフィルタを有している。利用可能な光に対するこのような回折性光学要素(101)とこのような光学装置の効率は、局部的に最適化させることができる。

目的

よって本発明の第1の課題は、多数の回折構造部を備えた回折性光学要素であって、回折構造部がそれぞれ回折性光学要素の面内で測った幅とこれに対し垂直に測った高さとを有し、回折構造部の幅と高さが回折性光学要素の面にわたって変化している前記回折性光学要素において、その局部的回折効率が使用目的に最適に適合されているように改良することである。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

多数の回折構造部を備えた回折性光学要素であって、回折構造部がそれぞれ回折性光学要素の面内で測った幅とこれに対し垂直に測った高さとを有し、回折構造部の幅と高さが回折性光学要素の面にわたって変化している前記回折性光学要素において、より幅広の回折構造部(105)がより幅の狭い回折構造部(109,h109)よりも低い高さ(h105)を有するように回折構造部(104ないし109)の幅に対し逆方向に変化していることを特徴とする回折性光学要素。

請求項2

回折性光学要素(101)の局部的回折効率が回折性光学要素の面にわたってほぼ一定であるように回折構造部(104ないし109)の高さ(h104ないしh109)が幅(r104ないしr109)に対し逆方向に変化していることを特徴とする、請求項1に記載の回折性光学要素。

請求項3

回折性光学要素(101)の局部的回折効率が回折性光学要素(101)の面を越えた範囲でも所定の回折効率関数に従うように回折構造部(104ないし109)の高さ(h104ないしh109)が変化していることを特徴とする、請求項1または2に記載の回折性光学要素。

請求項4

回折効率関数がアポダイゼーション関数であることを特徴とする、請求項3に記載の回折性光学要素。

請求項5

回折構造部(104ないし109)が同軸リング状に配置され、半径方向に測った幅(r104ないしr109)と軸線方向に測った高さ(h104ないしh109)とが回折性光学要素(101)の径方向に変化することを特徴とする、上記請求項のいずれか一つに記載の回折性光学要素。

請求項6

回折効率を増大させる層が設けられていることを特徴とする、上記請求項のいずれか一つに記載の回折性光学要素。

請求項7

透過性に構成されていることを特徴とする、上記請求項のいずれか一つに記載の回折性光学要素。

請求項8

反射性に構成されていることを特徴とする、上記請求項のいずれか一つに記載の回折性光学要素。

請求項9

a)多数の回折構造部を備えた回折性光学要素であって、回折構造部がそれぞれ回折性光学要素の面内で測った幅とこれに対し垂直に測った高さとを有し、回折構造部の幅と高さが回折性光学要素の面にわたって変化している前記回折性光学要素と、b)面にわたって透過率が変化するニュートラルフィルタであって、利用可能な光のための光学装置の局部的全効率が光学装置のアパーチャーに関し変化する所定の全効率関数に対応し、光学装置の局部的全効率に、回折性光学要素の局部的回折効率とニュートラルフィルタの局部的透過率とが含まれている前記ニュートラルフィルタと、を備えた光学装置において、c)照射波長のために設けられる回折構造部(104ないし109;204ないし209)の高さが、回折性光学要素(101;201)の面にわたって変化していること、を特徴とする光学装置。

請求項10

回折効率関数がアポダイゼーション関数であることを特徴とする、請求項9に記載の光学装置。

請求項11

回折性光学要素(201)とニュートラルフィルタ(220)とが互いに結合されて、一体型光学要素を形成していることを特徴とする、請求項10に記載の光学装置。

技術分野

0001

本発明は、多数の回折構造部を備えた回折性光学要素であって、回折構造部がそれぞれ回折性光学要素の面内で測った幅とこれに対し垂直に測った高さとを有し、回折構造部の幅と高さが回折性光学要素の面にわたって変化している前記回折性光学要素、および、その回折性光学要素を備えた光学装置に関する。

背景技術

0002

上記回折性光学要素は、論文"Zonal diffraction efficiencies and imagingof micro-Fresnel lenses"、J. Mod. Opt., 45, 1405, 1998年から知られている。この論文では、フレネルレンズ半径が増大するにつれて、すなわち構造幅が減少するにつれて回折構造部の構造高さを低くさせることが提案されている。これにより、この論文において選定された光学的境界条件の場合、レンズエッジにおける回折効率が増大する。

0003

しかしながら、構造高さがこのように変化すると、すでに述べたような、構造幅が狭くなれば回折効率が減少する多くの回折性光学要素の場合、回折効率の改善には至らないので、この論文の教義一般化することはできない。

0004

構造高さが一定の回折性光学要素は米国特許第5623365号明細書から知られている。この公報に記載されている透過型回折性光学要素は、特定の焦点距離を持ったレンズの機能を有している。このため、回折構造部の幅は中心間隔が増大するにつれて減少する。与えられた屈折率でこの種の回折性光学要素の所望の屈折力を大きくしようとすると、中心間隔とともに回折構造部の幅の変化がそのぶん大きくなり、それによってこの幅と波長との比の変化が大きくなる。幅と波長との比は、主に、得られる局部的回折効率に影響する。

0005

前記米国特許第5623365号明細書に記載の回折性光学要素の場合、構造幅と波長との比の上記変化は、電磁理論をベースとした演算が示したところによると、前記比が変化すればするほどそれだけ多くの光が他の回折次数へ変化し、回折構造部がより幅狭になる点に認められる。これにより幅狭の回折構造部の領域で局部的回折効率のロスが生じ、通常は回折性光学要素の局部的回折効率は好ましい変化を示さない結果となる。

0006

欧州特許公開第0312341A2号公報に記載されている透過型回折性光学要素は、同心に配置される複数の回折領域を有している。これらの回折領域はそれぞれ異なる照射波長に対し構成されており、これらの回折領域内では構造高さは一定である。したがってこの場合も、構造幅が変化すると、これら回折領域のそれぞれの内部で、前記米国特許第5623365号明細書に関連して述べた局部回折効率の依存性に関わる欠点が生じる。

0007

上記欧州特許公開第0312341A2号公報の回折性光学要素はさらにリングゾーンを有している。リングゾーンは不透明または部分透過性として構成され、通過する光を制御して回折性光学要素への光路内で所望の強度分布を得るようになっている。よって、上記欧州特許公開第0312341A2号公報からは、請求項9の前文に記載の光学装置が知られている。照射波長に対し回折構造部の構造高さが一定であるので、この場合も前記米国特許第5623365号明細書に関連して述べた欠点がある。

発明が解決しようとする課題

0008

よって本発明の第1の課題は、多数の回折構造部を備えた回折性光学要素であって、回折構造部がそれぞれ回折性光学要素の面内で測った幅とこれに対し垂直に測った高さとを有し、回折構造部の幅と高さが回折性光学要素の面にわたって変化している前記回折性光学要素において、その局部的回折効率が使用目的に最適に適合されているように改良することである。

0009

本発明の他の課題は、多数の回折構造部を備えた回折性光学要素であって、回折構造部がそれぞれ回折性光学要素の面内で測った幅とこれに対し垂直に測った高さとを有し、回折構造部の幅と高さが回折性光学要素の面にわたって変化している回折性光学要素と、面にわたって透過率が変化するニュートラルフィルタであって、利用可能な光のための光学装置の局部的全効率が光学装置のアパーチャーに対して変化する所定の全効率関数に対応し、光学装置の局部的全効率に、回折性光学要素の局部的回折効率とニュートラルフィルタの局部的透過率とが含まれているニュートラルフィルタとを備えた回折性光学要素を備えた光学装置において、光学装置に対する所定の局部的全効率を実現した上でフレキシビリティをさらに向上させることである。

課題を解決するための手段

0010

この課題は、本発明によれば、より幅広の回折構造部がより幅の狭い回折構造部よりも低い高さを有するように回折構造部の幅に対し逆方向に変化していることを特徴とする回折性光学要素により解決される。

0011

このような回折性光学要素は、たとえば、長さ色収差倍率色収差二次スペクトルコマ色変化のような光学装置の特定の光学収差補正するために使用される。また補助的に、単色収差も補正することができる。

0012

本発明が基礎とする認識は、回折構造部の高さを回折性光学要素の局部回折効率を制御するための自由度として考慮し、このために回折構造部の高さを回折性光学要素の面にわたって変化させることができるというものである。同時に、より幅狭の回折構造部の回折効率を増大させるために構造高さを低くするという前記論文の教義は、構造高さを低くすることによってブレーズ作用を達成するようにした特殊な光学的境界条件の場合にしか実際に回折効率を向上させないという認識に至った。他のほとんどのケースにおいては、構造高さを変化させることによってブレーズ作用は改善されず、前記論文の教義は所望の効果とは全く逆の効果を奏し、すなわち前記論文によれば回折効率が本来高くなるはずの個所において、すなわち低い回折構造部の領域において、回折効率は低下する。

0013

本発明による回折性光学要素により、幅広の構造部において比較的小さな回折ロスが増大され、したがって、面にわたって均一な局部回折効率を備えた回折性光学要素が得られるように比較的小さな回折ロスはより幅狭の構造部の領域における比較的大きな回折ロスに整合させられる。これは多くの適用例に対し望ましいことである。さらに、構造高さを変化させることにより、局部回折効率の所定の変化を実現でき、しかもこの場合、回折性光学要素の他の結像特性の著しい欠落を考慮する必要がない。

0014

本発明による回折性光学要素は、構造高さが変化しているので、幅広の回折構造部よりも幅狭の回折構造部のほうが構造高さによる効率ロスは小さい。これは、構造高さが一定である回折性光学要素の場合には強制的に生じる、より幅狭の回折構造部の領域における回折効率の構造幅による大きさを、完全にまたは部分的に補償するために、或いは過剰補償するために利用する。過剰補償する場合には、回折性光学要素は、通常回折効率が最も小さい個所において、すなわち幅が最小になっている回折構造部の領域において、最大の回折効率を有する。

0015

回折性光学要素の局部的回折効率が回折性光学要素の面にわたってほぼ一定であるように回折構造部の高さが幅に対して逆方向に変化している回折性光学要素は、その面にわたって回折効率関数コンスタントに経過し、多くの適用例に対し特に望ましい。回折効率関数のコンスタントな経過のため、幅広の構造部における回折効率の増大は、この幅広の回折構造部の領域において構造高さを対応的に低くすることにより正確に補償される。この場合構造高さは、公知の演算式が存在する回折構造部に対し最適な構造高さを起点として低くしていくのが有利である。

0016

回折性光学要素の局部的回折効率が回折性光学要素の面を越えた範囲でも所定の回折効率関数に従うように回折構造部の高さが変化している回折性光学要素により、たとえば、回折効率関数は回折性光学要素のエッジのほうへ向けて増大すべき回折性光学要素の回折効率関数に対する要求を満たすことができる。このような回折性光学要素により、他の光学要素の、半径方向において逆方向に低下する回折効率を補償することができる。

0017

回折効率関数がアポダイゼーション関数である回折性光学要素は、アポダイゼーション要素として使用することができる。

0018

回折構造部が同軸リング状に配置され、半径方向に測った幅と軸線方向に測った高さとが回折性光学要素の径方向に変化する回折性光学要素は妥当コストで製造でき、回転対称であるので位置調整もあまり問題にならない。回折効率を増大させる層が設けられている回折性光学要素では、回折効率が増大する。

0019

回折性光学要素は、使用目的に応じて、透過型回折性光学要素として構成でき、反射型光学要素として構成することもできる。

0020

本発明の前記した他の課題は、照射波長のために設けられる回折構造部の高さが、回折性光学要素の面にわたって変化していることを特徴とする光学装置によって解決される。

0021

補助的なニュートラルフィルタにより、たとえば、所定の全効率関数を達成するための微調整を実現することができる。この場合光学装置の局部的全効率は、回折性光学要素および場合によっては他の回折性光学部品の局部的回折効率と、ニュートラルフィルタおよび場合によっては他の光学部品の局部的透過率とから構成される。ニュートラルフィルタの透過率関数は無段階であってよく、すなわち透過率が連続的に変化するように構成してよく、或いは段階的に構成してもよく、すなわち透過率に不連続な跳躍があるように構成してもよい。

0022

光学装置を位置調整する際のニュートラルフィルタは通常あまり問題にならないので、透過率関数が異なる多数のニュートラルフィルタを相互に交換して、種々の所定の全効率関数を実現できる光学装置を実現することができる。回折性光学要素の構造高さの変化を介して高コストでしか実現できないような所望の局部的効果も、この種の光学装置ではニュートラルフィルタを用いて生じさせることができる。

0023

回折効率関数がアポダイゼーション関数であるると一連の適用例に対し使用可能である。回折性光学要素とニュートラルフィルタとが互いに結合されて、一体型の光学要素を形成している光学装置は少数光学的境界面を有している。

発明を実施するための最良の形態

0024

次に、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。図1において全体を符号1で示した回折性集光レンズは従来の技術のものに対応している。集光レンズ1は、片側に、該回折性集光レンズ1の光軸10に対し回転対称に配置された多数の回折構造部2ないし9を有している。回折性集光レンズ1は、他の側に、閉じた平らな対向面11を有している。

0025

中心の回折構造部2は凸状の表面を有している。その半径方向の終端部は筒状の段差面12を形成しており、段差面12は回折構造部2を環状に取り囲んでいる回折構造部3の一部でもある。段差面12には、半径方向外側へ傾斜している回折面13が接続し、回折面13も回折構造部3の一部である。回折構造部4ないし9も回折構造部3と同様に段差面と回折面とを有し、これら段差面と回折面とは回折性集光レンズ1において半径方向内側から外側へ向けて交互に配置されている。図1のメリジオナル断面図では、対向面11に対向している回折性集光レンズ1の表面は総じて鋸歯状の構造である。

0026

回折構造部2ないし9の個々の回折面(回折面13を参照)は、回折構造部2ないし9の幅に基づいて回折条件を満たすような特定の回折次数に光が有利に誘導されるような角度で外側へ傾斜している。回折構造部のこのような整合形状は「ブレーズプロフィール」と呼ばれる。

0027

回折構造部2ないし9の高さh、すなわち光軸10の方向における回折構造部2ないし9の最高点から最深点までの距離は、すべての回折構造部2ないし9において等しい。回折構造部3ないし9に対しては、高さhは光軸10に平行な方向における段差面(回折構造部3の段差面12を参照)の距離に相当している。

0028

回折構造部2ないし9の幅、すなわち光軸10に対する半径方向の距離は、予め設定された位相関数に応じて回折構造部2ないし9で異なっており、回折構造部2から回折構造部9まで連続的に減少している。図1では代表して回折構造部7の幅r7を記入した。この場合、一定の中心間隔での回折構造部の幅は、回折性集光レンズ1の実現位相関数を表わす量である。

0029

高さhと幅rとは、回折性集光レンズ1に使用する光の波長と比較しうる大きさを持っている。この場合、幅rと使用する波長との比は1と>100の間の範囲にある。

0030

図2は、回折性集光レンズ1の縁領域を拡大した部分図である。回折構造部の高さが一定である、図1図2の回折性集光レンズ1に対しては、電磁回折理論をベースにして、半径方向における回折効率Tの変化を算出することができる。この種の算出結果を図5に図示した。回折効率値T0を起点として、すなわち回折構造部4の回折効率を起点として、最も外側の回折構造部9までの回折効率は境界値TRへ低下している。すなわち回折効率Tは、中心間隔Rに関し、回折構造部4ないし9の幅rが減少するにつれて低下する。

0031

次に、回折性集光レンズの他の実施形態を説明する。なお、すでに図面を用いて説明した構成要素に対応する構成要素にはそれぞれ符号に100を加えて示し、再度詳細に説明することはしない。図2の部分図に対応する図3の部分図には、本発明による回折性集光レンズ101が図示されている。回折構造部104ないし109は、回折性集光レンズ1の対応する回折構造部4ないし9と同じ鋸歯状の基本形状を有している。回折構造部104ないし109の幅rも回折構造部4ないし9の幅に等しく、たとえば回折構造部7の幅r7と回折構造部107の幅r107とを比較して示したとおりである。

0032

回折構造部104ないし109の、それぞれ対向面111から最も遠く離れた部分、すなわち鋸歯の尖端は、すべての回折構造部104ないし109において対向面111に対し同じ間隔を持っており、これは従来の技術による回折性集光レンズ1の場合と同様である。しかしながら、図3の本発明による回折性集光レンズ101の場合には、回折構造部105ないし109の段差面114ないし118の高さは中心からの距離が減少するにつれて減少しており、それ故回折構造部の幅が増大するにつれて減少している。したがって、回折構造部105の高さh105は回折構造部109の高さh109よりも低い。

0033

回折性集光レンズ101の回折構造部のブレーズプロフィールは連続傾斜面として実施してよく、或いは、階段状の延在態様を持った公知のマルチレベル構造によって実施してもよい。

0034

図6には、回折構造部101の局部的回折効率変化を中心間隔の関数として図示されている。回折効率Tは、回折構造部104と109の間では一定で、回折構造部109の回折効率の境界値TRに等しい。これは、回折性集光レンズ101において回折効率に影響する2つの作用が相殺されることに関連している。すなわち一方では、すでに回折性集光レンズ1との関連で述べたように(図5を参照)、回折効率は回折構造部109ないし104の幅rが大きくなるにつれて増大し、他方では、回折効率は回折構造部109ないし104の高さが低くなるにつれて減少するという2つの作用が相殺されるからである。回折性集光レンズ101の場合、総じて中心間隔Rに関し一定の回折効率TRが生じるように高さ変化は幅変化に整合されている。

0035

図3図6を用いて、外側へ向けて幅が減少し且つ高さが増大する回折構造部を有する回折性集光レンズ101における局部的回折効率の変化について述べたが、図8ないし図10は、電磁回折理論をベースとした定量的な算出結果を示すものである。

0036

図8は、回折構造部の高さh(nm)と中心間隔Rとの関係を、図3の集光レンズの原理に対応する構造を備えた回折性集光レンズに対し示したものである。回折構造部の高さは、R=110mmの場合、エッジにおいてh=480nmである。回折構造部の高さhは、回折性集光レンズの中心の方向へ漸次減少し、中心間隔R=33mmで高さh=429nmになっている。

0037

回折構造部のこのような高さhの変化に対しては、中心間隔Rに対する回折効率Tは図9に図示したようになる。回折効率Tの算出にあたっては、パラメータとして照射波長(248.34nm)と回折性集光レンズの材料の屈折率(1.508)とを考慮した。回折構造部はブレーズプロフィールを有している。

0038

回折効率は、両偏光方向TE(開いた三角形)とTM(開いた円)に対しほぼ一定で、約0.89の値である。TE偏光に対する回折効率の値は、TM偏光に対する回折効率の値よりもわずかに高い傾向にある。この場合も、反射防止層のない回折性集光レンズに関し算出した。

0039

図8の回折構造部の高さ変化に対しては、図10に、それぞれの回折構造部を通過する光の位相Pの変化(rad)を中心間隔Rに関連づけて図示した。位相変化曲線形状は、定性的に、図8の高さ変化の曲線形状に対応している。位相PはR=100mmで相対値0radから出発して漸次降下し、R=33mmで−0.06radの値になっている。

0040

この種の回折性集光レンズを備えた光学装置において、照射光束横断面に関し位相変化が一定であるのが望ましい場合には、図10に図示したような位相変化は他の光学要素において、たとえば屈折性光学要素において予め補正される必要がある。

0041

図11は、図9の回折効率を生じさせる回折性集光レンズの回折構造部の構造幅rの変化を示すものである。構造幅は、集光レンズのエッジ(R=110mm)を起点として、集光レンズの中心領域(R=5mm)では幅r=2.5μmから幅r=60μmまで増大している。

0042

従来の技術による回折性集光レンズ201の他の変形例を図4に示すが、この場合回折構造部204ないし209の高さhの変化は図3の回折性集光レンズ101の場合とは全く逆になっており、すなわち高さhは図4に図示した最も内側の、最も幅の広い回折構造部204から、最も外側の、最も幅の狭い回折構造部209のほうへ減少している。したがって、回折構造部209の高さh209は回折構造部205の高さh205よりも低い。

0043

回折性集光レンズ201の場合、回折効率Tの位置依存性に影響する2つの作用が増強されている。すなわち一方では回折構造部の幅rが、他方ではその高さhが外側へ向けて減少しており、これはそれぞれ回折効率を低下させる。その結果、図7に図示したような回折効率の変化が生じる。この場合回折効率Tは、回折構造部204の回折効率T0を起点とし、中心間隔Rの関数として図5に比べてより大きな勾配で減少し、その結果回折性集光レンズ201においては、回折性集光レンズ1の場合よりも小さな回折効率最低値Tminが生じる。

0044

回折構造部の幅rと高さhを所定どおりに変化させれば、実質的に回折効率の任意の変化を設定できることは明らかである。この場合幅rは、前述のように内側から外側へ単調に減少する必要はなく、単調に増大してもよく、或いは、たとえば中心間隔Rの冪関数として記述することができ、主最大値または副最大値或いは主最小値または副最小値を有する他の依存性を持っていてもよい。

0045

回折性集光レンズ1ないし201は、その回折効率を増大させるために反射防止層を有していてよい。

0046

利用可能な光に対し半径方向における所望の全体効率変化を設定するための付加的な自由度(これには、関与する光学要素の回折効率も透過率も含まれる)は、灰色フィルタ220によって得られる。このための本発明による光学装置の一例を図12に示す。この光学装置は、灰色フィルタ220と図4の回折性光学要素とを組み合わせたものである。灰色フィルタ220は回折性集光レンズ201の対向面211と結合されている。この結合は適当な光学接着剤によって得られ、或いは、屈折率に関し適合している液体を介して回折性集光レンズ201と灰色フィルタ220とを光学的に連結させ、そのまま保持するようにしてもよい。

0047

灰色フィルタ220を、構造高さが変化している任意の回折性光学要素、特に図3の光学要素と組み合わせることができることは明らかである。

0048

回折性構造部を灰色フィルタに直接取り付けてもよい。このため、回折性光学要素と灰色フィルタとを1つの材料から製造してよい。この場合、回折性光学要素を直接灰色フィルタ内に構造化させることができる。

0049

灰色フィルタ220は、回折構造部204の領域においては完全な透過性を有しているのに対し、回折構造部209の領域では光を完全にブロックする。

0050

回折性集光レンズ201と灰色フィルタ220から成る光学装置の全効率変化を図13に示す。図13では、図7と同様に、回折性集光レンズ201の局部的な回折効率変化を実線で示した。図13において一点鎖線は、回折性集光レンズ201と灰色フィルタ220から成る光学装置の局部的な全効率変化である。光学装置の全効率は、図12において最も内側の回折構造部204での値T0を起点にエッジのほうへ減少して0に達している。

0051

もちろん、回折性集光レンズ201と灰色フィルタ220は空間的に別個の構成要素であってよい。

0052

灰色フィルタを設ける代わりに、回折性集光レンズを金属被覆してもよい。所定の透過変化を有するこの種の金属被覆は公知である。

0053

本実施形態の説明の範囲内で記載した効率に関する考察は、対応的に反射型回折性光学要素に対しても適用できる。反射型回折性光学要素の場合にも、構造幅または構造高さに対する回折効率の原理的な同等の依存性が存在する。

0054

反射型回折性光学要素の場合、反射効率を最適化するため、通常は反射層が使用される。この場合、金属層或いは誘電性反射(HR)層を使用してよい。後者の場合、回折性構造部はHR層ステムの上または下に配置されていてよい。両ケースとも、回折構造部の材料はHR層システムで使用される材料とは異なっていてよい。特に優れた効率は、HR層システムの内部周期性が回折構造部により設けられる層によって継続されるように、回折構造部に直接隣接しているHR層システムの層の屈折率が選定されている場合に得られる。高屈折層低屈折層とを交互に備えているHR層システムの場合には、たとえば、回折構造部によって設けられている層が低屈折性である場合、回折構造部に直接隣接しているHR層システムの最初の層は高屈折性である。

図面の簡単な説明

0055

図1従来の技術による回折性集光レンズのメリジオナル断面図である。
図2図1の部分図である。
図3本発明による回折性集光レンズの図2と同様の部分図である。
図4従来の技術による他の回折性集光レンズの図2と同様の部分図である。
図5図2の集光レンズの局部的回折効率を中心間隔の関数として示したグラフである。
図6図3の集光レンズの局部的回折効率を中心間隔の関数として示したグラフである。
図7図4の集光レンズの局部的回折効率を中心間隔の関数として示したグラフである。
図8図3と同様の回折性集光レンズに対し算出した構造高さを示すグラフである。
図9図8の構造高さを持った回折性集光レンズに対し算出した局部的回折効率変化を中心間隔の関数として示したグラフである。
図10図8の構造高さを持った回折性集光レンズに対し算出した局部的位相変化を中心間隔の関数として示したグラフである。
図11図3と同様の回折性集光レンズに対し算出した構造幅を示すグラフである。
図12図4の回折性集光レンズを備えた本発明による光学装置を示す図である。
図13図12の光学装置の局部的回折効率変化を示す概略的なグラフである。

--

0056

101回折性集光レンズ(光学要素)
201 回折性集光レンズ(光学要素)
104ないし109回折構造部
204ないし209 回折構造部
220灰色フィルタ(ニュートラルフィルタ)
h104ないしh109 回折構造部の高さ
r104ないしr109 回折構造部の幅

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