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技術 射出成形機の型締装置及び方法

出願人 住友重機械工業株式会社
発明者 岡田則人
出願日 2001年7月16日 (19年4ヶ月経過) 出願番号 2001-214607
公開日 2003年1月29日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2003-025398
状態 拒絶査定
技術分野 プラスチック等の成形用の型 プラスチック等の射出成形
主要キーワード 圧油配管 ガイドピン挿入孔 トグルレバー トグルアーム リンク結合 移動区間 トグルリンク 低圧型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年1月29日)のものです。
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図面 (10)

課題

可動金型圧縮力が低くなりすぎて、可動プラテンが停止するようなことがなく、かつ、可動金型又は固定金型金型面に付着した異物が比較的小さなものであっても、異物の抵抗によって、可動プラテンが停止するようにして、金型面が異物による損傷を防止することができるようにする。

解決手段

固定金型及び可動金型を備える金型装置と、前記可動金型を支持する可動金型支持部材と、クロスヘッドを備え、基端部がトグル機構支持部材に取り付けられ、先端部が前記可動金型支持部材に取り付けられるトグル機構と、前記クロスヘッドを移動させる駆動源と、前記可動金型支持部材を前進させて型締を行う時に、前記可動金型支持部材の位置が前記トグル機構のトグル倍率が上昇する区間進入すると、前記駆動源の型締力漸次低下させる制御装置とを有する。

概要

背景

従来、射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され、溶融させられた樹脂高圧射出して金型装置キャビティ空間充填てん)し、該キャビティ空間内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品成形するようになっている。

そのために、前記金型装置は固定金型及び可動金型から成り、型締装置によって前記可動金型を進退させ、前記固定金型に対して接離させることによって、型開閉、すなわち、型閉型締及び型開を行うことができるようになっている。そして、前記型締装置は、一般に、固定金型を保持する固定プラテン及び可動金型を保持する可動プラテンを有し、該可動プラテンを進退させる開閉装置としてのトグル機構が配設され、該トグル機構は、駆動部に配設された油圧シリンダ電動モータ等の駆動源を駆動することによって作動させられる。

一般に、トグル機構としては、型締装置全体の長さを短くすることができるために、内巻5節式ダブルトグル機構が多く使用されている。この場合、トグル機構の基端部を支持するトグルサポートの背面部に取り付けられた前記駆動源を作動させると、クロスヘッドが進退してトグルリンク伸縮させられ、トグル機構の先端部に取り付けられた可動プラテンがガイド部材に沿って進退させられるようになっている。

ここで、前記トグル機構の動作の特徴として、前記可動プラテンが後方に位置し、前記可動金型が固定金型から離れている時は、クロスヘッドの移動量に対して可動プラテンの移動量の方が大きい増速状態である。そして、前記可動プラテンが前進して可動金型と固定金型との距離が所定の値以下になると、クロスヘッドの移動量と可動プラテンの移動量との関係が逆転して、可動プラテンの移動量に対してクロスヘッドの移動量の方が大きい減速状態になる。なお、可動プラテンの移動量に対するクロスヘッドの移動量の比はトグル倍率と呼ばれており、トグル倍率が1以下の状態は増速状態であり、トグル倍率が1以上の状態は減速状態である。

一般のトグル機構において、可動プラテンの位置とトグル倍率との関係は、可動プラテンが型開位置から前進してから、その移動区間のほとんどにおいて、一定である。そして、トグル倍率の数値は1以下である。そのため、この区間では、クロスヘッドの移動量に対して可動プラテンの移動量の方が大きい増速状態である。

次に、可動プラテンの位置が型閉位置に近づくと、トグル倍率は急激に上昇して1以上となる。すなわち、クロスヘッドの移動量と可動プラテンの移動量との関係が逆転して、可動プラテンの移動量に対してクロスヘッドの移動量の方が大きい減速状態になる。可動プラテンの位置がガイドピン挿入位置から金型接触位置までの区間でトグル倍率が急激に上昇する。ここで、前記ガイドピン挿入位置は、可動金型に取り付けられたガイドピンが、固定金型に形成されたガイドピン挿入孔への進入を開始する位置であり、前記金型接触位置は、可動金型の金型面が固定金型の金型面に接触を開始する位置である。

したがって、クロスヘッドに一定の力を加えて一定の速度で移動させると、可動プラテンが前記金型接触位置の近傍に到達すると、トグル倍率が急激に上昇するので、可動金型の移動速度は低下するが、可動金型の型締力が急激に上昇する。

ここで、可動金型又は固定金型の金型面に異物が付着している場合、可動金型の型締力が低いと、可動金型の金型面と固定金型の金型面との間に挟まった前記異物の抵抗によって、可動プラテンは停止してしまうので、金型が型閉されることがない。しかし、可動金型の型締力が高いと、前記異物の抵抗に打ち勝って、可動プラテンが前進し続け、金型が型閉されてしまうので、可動金型又は固定金型の金型面が前記異物によって損傷してしまう。

そのため、従来の射出成形機の型締装置においては、可動プラテンが前記金型接触位置の近傍に到達すると、クロスヘッドに加える力を低下させるように型締力を制御している。

図2は従来の射出成形機の型締方法を示す図である。

図において、グラフ(a)における曲線Gは可動金型型締力と可動プラテン位置との関係を表し、グラフ(b)における曲線Hはクロスヘッドに加えられる駆動源型締力と可動プラテン位置との関係を表している。横軸において、oは可動プラテンが最も後方に位置する型開位置であり、gは型締力を低下させる低圧型開始点、hは型締力を上昇させる高圧型締開始点、iは可動プラテンが最も前方に位置する型閉位置である。該型閉位置iにおいては、金型が型閉された状態である。

また、グラフ(a)の縦軸におけるjは、ガイドピン等の摩擦抵抗に打ち勝って可動プラテンを移動させるために必要な可動金型型締力としての最低可動型締力である。

まず、可動プラテンが型開位置oから移動して、低圧型締開始点gに到達するまでの区間においては、曲線Hで表されるように、駆動源型締力は一定である。そして、前記区間においてはトグル倍率もほぼ一定であるから、曲線Gで表されるように、可動金型型締力は一定である。なお、前記低圧型締開始点gは、前記ガイドピン挿入位置にほぼ対応する位置である。

次に、可動プラテン位置が低圧型締開始点gに到達すると、曲線Hで表されるように、駆動源型締力を低下させる。そのため、可動金型型締力は前記ガイドピン挿入位置にほぼ対応する低圧型締開始点gにおいて一旦(たん)低下する。ここで、前記低圧型締開始点gにおいて低下した可動金型型締力の値は、最低可動型締力j以上となっているので、ガイドピン等の摩擦抵抗に負けて、可動プラテンが停止してしまうことはない。

続いて、可動金型型締力は、曲線Gで表されるように、低圧型締開始点g以降においては、トグル倍率が急激に上昇するので、急激に上昇する。そして、可動プラテンが高圧型締開始点hに近づくと、可動金型型締力はかなり高い値となる。なお、前記高圧型締開始点hは、前記金型接触位置にほぼ対応する位置である。

次に、可動プラテン位置が高圧型締開始点hに到達すると、曲線Hで表されるように、駆動源型締力を上昇させ、低圧型締開始点gに到達するまでの区間における値以上の値とする。そのため、可動金型型締力は金型接触位置にほぼ対応する高圧型締開始点h以降において高い値となるので、金型の型締が効果的に行われ、加熱され、溶融させられた樹脂が高圧で射出され金型装置のキャビティ空間に充填されても、樹脂漏れが発生することがない。

このように、可動プラテン位置が低圧型締開始点gに到達すると、駆動源型締力を低下させ、可動金型型締力を低下させるので、可動金型又は固定金型の金型面に異物が付着している場合、可動金型の金型面と固定金型の金型面との間に挟まった前記異物の抵抗によって、可動プラテンは停止する。したがって、金型が型閉されることがないので、可動金型又は固定金型の金型面が前記異物によって損傷してしまうことがない。

概要

可動金型圧縮力が低くなりすぎて、可動プラテンが停止するようなことがなく、かつ、可動金型又は固定金型の金型面に付着した異物が比較的小さなものであっても、異物の抵抗によって、可動プラテンが停止するようにして、金型面が異物による損傷を防止することができるようにする。

固定金型及び可動金型を備える金型装置と、前記可動金型を支持する可動金型支持部材と、クロスヘッドを備え、基端部がトグル機構支持部材に取り付けられ、先端部が前記可動金型支持部材に取り付けられるトグル機構と、前記クロスヘッドを移動させる駆動源と、前記可動金型支持部材を前進させて型締を行う時に、前記可動金型支持部材の位置が前記トグル機構のトグル倍率が上昇する区間に進入すると、前記駆動源の型締力を漸次低下させる制御装置とを有する。

目的

本発明は、前記従来の射出成形機の型締装置及び方法の問題点を解決して、可動金型型締力が低くなりすぎて、可動プラテンが停止するようなことがなく、かつ、可動金型又は固定金型の金型面に付着した異物が比較的小さなものであっても、異物の抵抗によって、可動プラテンが停止するようにして、金型面が異物による損傷を防止することができる射出成形機の型締装置及び方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

(a)固定金型及び可動金型を備える金型装置と、(b)前記可動金型を支持する可動金型支持部材と、(c)クロスヘッドを備え、基端部がトグル機構支持部材に取り付けられ、先端部が前記可動金型支持部材に取り付けられるトグル機構と、(d)前記クロスヘッドを移動させる駆動源と、(e)前記可動金型支持部材を前進させて型締を行う時に、前記可動金型支持部材の位置が前記トグル機構のトグル倍率が上昇する区間進入すると、前記駆動源の型締力漸次低下させる制御装置とを有することを特徴とする射出成形機型締装置

請求項2

前記制御装置は、前記駆動源の型締力を複数段階に分けて低下させる請求項1に記載の射出成形機の型締装置。

請求項3

前記制御装置は、前記駆動源の型締力を可動金型支持部材の移動する距離に比例して低下させる請求項1に記載の射出成形機の型締装置。

請求項4

前記制御装置は、前記駆動源の型締力をトグル倍率の逆数となるように低下させる請求項1に記載の射出成形機の型締装置。

請求項5

前記制御装置は、前記可動金型の型締力が最低可動型締力以上となるように前記駆動源の型締力を低下させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形機の型締装置。

請求項6

(a)駆動源を作動させてクロスヘッドを前進させてトグル機構を作動させ、(b)該トグル機構の先端に取り付けられた可動金型を支持する可動金型支持部材を前進させ、(c)該可動金型支持部材の位置が前記トグル機構のトグル倍率が上昇する区間に進入すると、前記駆動源の型締力を漸次低下させることを特徴とする射出成形機の型締方法

請求項7

前記駆動源の型締力は、複数段階に分けて低下させる請求項6に記載の射出成形機の型締方法。

請求項8

前記駆動源の型締力は、前記可動金型支持部材の移動する距離に比例して低下させる請求項6に記載の射出成形機の型締方法。

請求項9

前記駆動源の型締力は、トグル倍率の逆数となるように低下させる請求項6に記載の射出成形機の型締方法。

請求項10

前記駆動源の型締力は、前記可動金型の型締力が最低可動型締力以上となるように低下させる請求項6〜9のいずれか1項に記載の射出成形機の型締方法。

技術分野

0001

本発明は、射出成形機型締装置及び方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され、溶融させられた樹脂高圧射出して金型装置キャビティ空間充填てん)し、該キャビティ空間内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品成形するようになっている。

0003

そのために、前記金型装置は固定金型及び可動金型から成り、型締装置によって前記可動金型を進退させ、前記固定金型に対して接離させることによって、型開閉、すなわち、型閉型締及び型開を行うことができるようになっている。そして、前記型締装置は、一般に、固定金型を保持する固定プラテン及び可動金型を保持する可動プラテンを有し、該可動プラテンを進退させる開閉装置としてのトグル機構が配設され、該トグル機構は、駆動部に配設された油圧シリンダ電動モータ等の駆動源を駆動することによって作動させられる。

0004

一般に、トグル機構としては、型締装置全体の長さを短くすることができるために、内巻5節式ダブルトグル機構が多く使用されている。この場合、トグル機構の基端部を支持するトグルサポートの背面部に取り付けられた前記駆動源を作動させると、クロスヘッドが進退してトグルリンク伸縮させられ、トグル機構の先端部に取り付けられた可動プラテンがガイド部材に沿って進退させられるようになっている。

0005

ここで、前記トグル機構の動作の特徴として、前記可動プラテンが後方に位置し、前記可動金型が固定金型から離れている時は、クロスヘッドの移動量に対して可動プラテンの移動量の方が大きい増速状態である。そして、前記可動プラテンが前進して可動金型と固定金型との距離が所定の値以下になると、クロスヘッドの移動量と可動プラテンの移動量との関係が逆転して、可動プラテンの移動量に対してクロスヘッドの移動量の方が大きい減速状態になる。なお、可動プラテンの移動量に対するクロスヘッドの移動量の比はトグル倍率と呼ばれており、トグル倍率が1以下の状態は増速状態であり、トグル倍率が1以上の状態は減速状態である。

0006

一般のトグル機構において、可動プラテンの位置とトグル倍率との関係は、可動プラテンが型開位置から前進してから、その移動区間のほとんどにおいて、一定である。そして、トグル倍率の数値は1以下である。そのため、この区間では、クロスヘッドの移動量に対して可動プラテンの移動量の方が大きい増速状態である。

0007

次に、可動プラテンの位置が型閉位置に近づくと、トグル倍率は急激に上昇して1以上となる。すなわち、クロスヘッドの移動量と可動プラテンの移動量との関係が逆転して、可動プラテンの移動量に対してクロスヘッドの移動量の方が大きい減速状態になる。可動プラテンの位置がガイドピン挿入位置から金型接触位置までの区間でトグル倍率が急激に上昇する。ここで、前記ガイドピン挿入位置は、可動金型に取り付けられたガイドピンが、固定金型に形成されたガイドピン挿入孔への進入を開始する位置であり、前記金型接触位置は、可動金型の金型面が固定金型の金型面に接触を開始する位置である。

0008

したがって、クロスヘッドに一定の力を加えて一定の速度で移動させると、可動プラテンが前記金型接触位置の近傍に到達すると、トグル倍率が急激に上昇するので、可動金型の移動速度は低下するが、可動金型の型締力が急激に上昇する。

0009

ここで、可動金型又は固定金型の金型面に異物が付着している場合、可動金型の型締力が低いと、可動金型の金型面と固定金型の金型面との間に挟まった前記異物の抵抗によって、可動プラテンは停止してしまうので、金型が型閉されることがない。しかし、可動金型の型締力が高いと、前記異物の抵抗に打ち勝って、可動プラテンが前進し続け、金型が型閉されてしまうので、可動金型又は固定金型の金型面が前記異物によって損傷してしまう。

0010

そのため、従来の射出成形機の型締装置においては、可動プラテンが前記金型接触位置の近傍に到達すると、クロスヘッドに加える力を低下させるように型締力を制御している。

0011

図2は従来の射出成形機の型締方法を示す図である。

0012

図において、グラフ(a)における曲線Gは可動金型型締力と可動プラテン位置との関係を表し、グラフ(b)における曲線Hはクロスヘッドに加えられる駆動源型締力と可動プラテン位置との関係を表している。横軸において、oは可動プラテンが最も後方に位置する型開位置であり、gは型締力を低下させる低圧型開始点、hは型締力を上昇させる高圧型締開始点、iは可動プラテンが最も前方に位置する型閉位置である。該型閉位置iにおいては、金型が型閉された状態である。

0013

また、グラフ(a)の縦軸におけるjは、ガイドピン等の摩擦抵抗に打ち勝って可動プラテンを移動させるために必要な可動金型型締力としての最低可動型締力である。

0014

まず、可動プラテンが型開位置oから移動して、低圧型締開始点gに到達するまでの区間においては、曲線Hで表されるように、駆動源型締力は一定である。そして、前記区間においてはトグル倍率もほぼ一定であるから、曲線Gで表されるように、可動金型型締力は一定である。なお、前記低圧型締開始点gは、前記ガイドピン挿入位置にほぼ対応する位置である。

0015

次に、可動プラテン位置が低圧型締開始点gに到達すると、曲線Hで表されるように、駆動源型締力を低下させる。そのため、可動金型型締力は前記ガイドピン挿入位置にほぼ対応する低圧型締開始点gにおいて一旦(たん)低下する。ここで、前記低圧型締開始点gにおいて低下した可動金型型締力の値は、最低可動型締力j以上となっているので、ガイドピン等の摩擦抵抗に負けて、可動プラテンが停止してしまうことはない。

0016

続いて、可動金型型締力は、曲線Gで表されるように、低圧型締開始点g以降においては、トグル倍率が急激に上昇するので、急激に上昇する。そして、可動プラテンが高圧型締開始点hに近づくと、可動金型型締力はかなり高い値となる。なお、前記高圧型締開始点hは、前記金型接触位置にほぼ対応する位置である。

0017

次に、可動プラテン位置が高圧型締開始点hに到達すると、曲線Hで表されるように、駆動源型締力を上昇させ、低圧型締開始点gに到達するまでの区間における値以上の値とする。そのため、可動金型型締力は金型接触位置にほぼ対応する高圧型締開始点h以降において高い値となるので、金型の型締が効果的に行われ、加熱され、溶融させられた樹脂が高圧で射出され金型装置のキャビティ空間に充填されても、樹脂漏れが発生することがない。

0018

このように、可動プラテン位置が低圧型締開始点gに到達すると、駆動源型締力を低下させ、可動金型型締力を低下させるので、可動金型又は固定金型の金型面に異物が付着している場合、可動金型の金型面と固定金型の金型面との間に挟まった前記異物の抵抗によって、可動プラテンは停止する。したがって、金型が型閉されることがないので、可動金型又は固定金型の金型面が前記異物によって損傷してしまうことがない。

発明が解決しようとする課題

0019

しかしながら、前記従来の射出成形機の型締装置及び方法においては、可動金型又は固定金型の金型面に付着した異物が比較的小さなものである場合、可動金型の型締力が高く、前記異物の抵抗に打ち勝って、可動プラテンが前進し続けて、金型が型閉されてしまうことがある。その結果、可動金型又は固定金型の金型面が前記異物によって損傷してしまう。

0020

図2における曲線Gで表されるように、可動金型型締力は、可動プラテン位置がガイドピン挿入位置にほぼ対応する低圧型締開始点gにおいて一旦低下するが、急激に上昇して、可動プラテン位置が金型接触位置にほぼ対応する高圧型締開始点hに近づくと、かなり高い値となる。そして、小さな異物が可動金型の金型面と固定金型の金型面との間に挟まって抵抗となるのは、可動プラテン位置が高圧型締開始点hに近づいてからである。そのため、異物が小さなものである場合、可動プラテン位置が高圧型締開始点hに近づき、可動金型型締力が上昇して前記異物の抵抗以上となっている。したがって、可動プラテンが前進し続け、金型が型閉されてしまうので、可動金型又は固定金型の金型面が前記異物によって損傷してしまう。

0021

異物が小さなものであっても、可動金型の金型面と固定金型の金型面との間に挟まった異物の抵抗によって、可動プラテンが停止するためには、図2における曲線H’で表されるように、駆動源型締力を低下させることが考えられる。この場合、可動金型型締力は、曲線G’で表されるように、可動プラテン位置が高圧型締開始点hに近づいても、低い値に維持される。しかし、可動プラテン位置が低圧型締開始点gにおいて、可動金型型締力が最低可動型締力j以下となるので、ガイドピン等の摩擦抵抗に負けて、可動プラテンが停止してしまう。

0022

本発明は、前記従来の射出成形機の型締装置及び方法の問題点を解決して、可動金型型締力が低くなりすぎて、可動プラテンが停止するようなことがなく、かつ、可動金型又は固定金型の金型面に付着した異物が比較的小さなものであっても、異物の抵抗によって、可動プラテンが停止するようにして、金型面が異物による損傷を防止することができる射出成形機の型締装置及び方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0023

そのために、本発明の射出成形機の型締装置においては、固定金型及び可動金型を備える金型装置と、前記可動金型を支持する可動金型支持部材と、クロスヘッドを備え、基端部がトグル機構支持部材に取り付けられ、先端部が前記可動金型支持部材に取り付けられるトグル機構と、前記クロスヘッドを移動させる駆動源と、前記可動金型支持部材を前進させて型締を行う時に、前記可動金型支持部材の位置が前記トグル機構のトグル倍率が上昇する区間に進入すると、前記駆動源の型締力を漸次低下させる制御装置とを有する。

0024

本発明の他の射出成形機の型締装置においては、さらに、前記制御装置は、前記駆動源の型締力を複数段階に分けて低下させる。

0025

本発明の更に他の射出成形機の型締装置においては、さらに、前記制御装置は、前記駆動源の型締力を可動金型支持部材の移動する距離に比例して低下させる。

0026

本発明の更に他の射出成形機の型締装置においては、さらに、前記制御装置は、前記駆動源の型締力をトグル倍率の逆数となるように低下させる。

0027

本発明の更に他の射出成形機の型締装置においては、さらに、前記制御装置は、前記可動金型の型締力が最低可動型締力以上となるように前記駆動源の型締力を低下させる。

0028

本発明の射出成形機の型締方法においては、駆動源を作動させてクロスヘッドを前進させてトグル機構を作動させ、該トグル機構の先端に取り付けられた可動金型を支持する可動金型支持部材を前進させ、該可動金型支持部材の位置が前記トグル機構のトグル倍率が上昇する区間に進入すると、前記駆動源の型締力を漸次低下させる。

0029

本発明の他の射出成形機の型締方法においては、さらに、前記駆動源の型締力は、複数段階に分けて低下させる。

0030

本発明の更に他の射出成形機の型締方法においては、さらに、前記駆動源の型締力は、前記可動金型支持部材の移動する距離に比例して低下させる。

0031

本発明の更に他の射出成形機の型締方法においては、さらに、前記駆動源の型締力は、トグル倍率の逆数となるように低下させる。

0032

本発明の更に他の射出成形機の型締方法においては、さらに、前記駆動源の型締力は、前記可動金型の型締力が最低可動型締力以上となるように低下させる。

発明を実施するための最良の形態

0033

以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。

0034

図3は本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締装置の型閉時の状態を示す概略図、図4は本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締装置の型開時の状態を示す概略図である。

0035

図において、11は射出成形機10のフレーム、12は該フレーム11に固定された固定プラテン、13は該固定プラテン12との間に所定の距離を置いて、前記フレーム11に対して移動自在に配設されたトグル機構支持部材としてのトグルサポートである。

0036

そして、14は前記固定プラテン12と対向して配設され、図示されないタイバーに沿って進退(図における左右方向に移動)自在に配設された可動金型支持部材としての可動プラテンである。さらに、前記固定プラテン12における可動プラテン14と対向する固定金型取付面15に固定金型16が取り付けられ、また、前記可動プラテン14における前記固定プラテン12と対向する可動金型取付面17に可動金型18が取り付けられる。

0037

ここで、該可動金型18の可動金型面25には単数又は複数のガイドピン27が取り付けられ、固定金型16の固定金型面26には、前記ガイドピン27にそれぞれ対応するガイドピン挿入孔28が形成される。そして、図3に示されるような型閉時の状態においては、前記ガイドピン27は対応するガイドピン挿入孔28に挿入される。これにより、前記可動金型18の可動金型面25と固定金型16の固定金型面26との位置合わせが正確に行われ、前記可動金型面25及び固定金型面26の間に形成される図示されないキャビティ空間の形状精度が向上するので、該キャビティ空間に充填された樹脂を冷却し、固化させて成形される成形品の品質が向上する。

0038

なお、前記ガイドピン27は、可動金型18の可動金型面25でなく、固定金型16の固定金型面26に取り付けられていてもよい。この場合、前記ガイドピン挿入孔28は、固定金型16の固定金型面26でなく、可動金型18の可動金型面25に形成される。

0039

また、前記可動プラテン14の後端(図における左端) には図示されないエジェクタピンを移動させるための駆動装置を取り付けるようにしてもよい。

0040

そして、前記可動プラテン14とトグルサポート13との間には、トグル式型締装置としてのトグル機構20が、前記トグルサポート13の後端にはトグル機構20を作動させる型締用駆動源としての型締シリンダ装置31が取り付けられる。該型締シリンダ装置31は、油圧によって移動させられるピストン32及び該ピストン32に一端が取り付けられ、他端が被駆動部材としてのクロスヘッド21に取り付けられたピストンロッド33を有する。

0041

ここで、前記トグル機構20は、内巻5節式ダブルトグル機構であり、前記クロスヘッド21に対して揺動自在に支持されたトグルレバー22、前記トグルサポート13に対して揺動自在に支持されたトグルレバー23、及び、前記可動プラテン14に対して揺動自在に支持されたトグルアーム24から成り、前記トグルレバー22とトグルレバー23との間、及び、トグルレバー23とトグルアーム24との間がそれぞれリンク結合される。

0042

これにより、前記型締シリンダ装置31を作動させ、ピストン32及びピストンロッド33を図4に示されるような状態から前進(図における右方に移動)させると、前記可動プラテン14が前進させられて型閉が行われて、図3に示される状態となる。そして、型締シリンダ装置31による推進力にトグル倍率を乗じた型締力が発生させられ、該型締力によって型締が行われる。

0043

なお、前記型締シリンダ装置31は、図示されない油圧ポンプ圧油配管アキュームレータ等の圧油供給機構及び圧油供給量供給圧力を制御する圧油制御機構を備える。これにより、前記ピストン32及びピストンロッド33によってクロスヘッド21を移動させる速度、及び、クロスヘッド21を移動させる力である駆動源型締力を制御することができる。

0044

また、トグル機構20を作動させる型締用駆動源は、前記型締シリンダ装置31のような油圧によって作動する装置でなくてもよく、例えば、サーボモータのような電動モータを使用した装置であってもよい。この場合、電動モータをトグルサポート13に取り付け、前記電動モータの回転軸ボールねじ軸及びボールねじナットから成るボールねじ機構を配設して、前記電動モータの回転軸の回転運動往復運動に変換し、クロスヘッド21を進退させるようになっている。なお、前記電動モータの回転をプーリベルトによって、トグルサポート13に取り付けた回転軸に伝達するようにしてもよい。なお、前記型締用駆動源が電動モータである場合には、クロスヘッド21を移動させる速度及び駆動源型締力は電気的に制御される。

0045

そして、本実施の形態においては、固定プラテン12の図において右方に配設された図示されない射出装置から樹脂が高圧で射出され、金型装置のキャビティ空間に充填されるようになっている。前記射出装置は、内部にスクリュを備えた加熱シリンダを有し、該加熱シリンダ内において加熱され、溶融させられた樹脂を高圧で射出する。そして、前記キャビティ空間内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品を成形するようになっている。

0046

また、射出成形機10は図示されない制御装置を有する。該制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリハードディスク等の記憶手段、キーボードタッチパネル等の入力手段、CRT液晶ディスプレー等の表示手段、I/O(入出カインターフェイス)等を有し、型締装置、射出成形機10及び該射出成形機10に付随する装置のすべて又は一部の動作を総括的に制御する。なお、前記制御装置としては、独立したものでなくてもよく、他の制御装置に統合されたものであってもよい。また、前記制御装置は、前記圧油供給機構及び圧油制御機構や、電動モータの動作等も制御する。

0047

次に、前記構成の射出成形機の型締装置の動作を説明する。まず、トグル機構20の動作について説明する。

0048

トグル機構20のような内巻5節式ダブルトグル機構の場合、図4に示されるように、可動プラテン14が後方に位置し、可動金型18が固定金型16から離れている時は、クロスヘッド21の移動量に対して可動プラテン14の移動量の方が大きい増速状態である。そして、前記可動プラテン14が前進して可動金型18と固定金型16との距離が所定の値以下になると、クロスヘッド21の移動量と可動プラテン14の移動量との関係が逆転して、可動プラテン14の移動量に対してクロスヘッド21の移動量の方が大きい減速状態になる。なお、可動プラテン14の移動量に対するクロスヘッド21の移動量の比であるトグル倍率1以下の状態は増速状態であり、1以上の状態は減速状態である。

0049

図5は本発明の第1の実施の形態におけるトグル機構における可動プラテンの位置とトグル倍率との関係を表す図、図6は本発明の第1の実施の形態における図5のK部拡大図である。

0050

図5において横軸は可動プラテン14の位置である可動プラテン位置を表し、縦軸はトグル倍率を表している。横軸におけるoは、図4に示されるように、可動プラテン14が最も後方に位置する型開位置であり、kは、図3に示されるように、可動プラテン14が最も前方に位置する型閉位置である。該型閉位置kにおいては、金型が型閉された状態である。

0051

トグル機構20において、可動プラテン位置とトグル倍率との関係は、曲線Jのように変化する。すなわち、可動プラテン14が型開位置oから前進してから、その移動区間のほとんどにおいて、トグル倍率はほぼ一定で1以下である。そのため、この区間では、クロスヘッド21の移動量に対して可動プラテン14の移動量の方が大きい増速状態である。

0052

そして、可動プラテン位置が型閉位置kに近づくと、トグル倍率は急激に上昇して、1以上となる。すなわち、クロスヘッド21の移動量と可動プラテン14の移動量との関係が逆転して、可動プラテン14の移動量に対してクロスヘッド21の移動量の方が大きい減速状態になる。図6に示されるように、可動プラテン位置がガイドピン挿入位置lから金型接触位置mまでの区間でトグル倍率が急激に上昇することが分かる。ここで、前記ガイドピン挿入位置lは、可動金型18に取り付けられたガイドピン27が、固定金型16に形成されたガイドピン挿入孔28への進入を開始する位置であり、前記金型接触位置mは、可動金型18の可動金型面25が固定金型16の固定金型面26に接触を開始する位置である。

0053

したがって、クロスヘッド21に一定の力を加えて一定の速度で移動させると、可動プラテン14が前記金型接触位置mの近傍に到達すると、トグル倍率が急激に上昇するので、可動金型18の移動速度は低下するが、型締力が急激に上昇する。

0054

図1は本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締方法を示す図である。

0055

図において、グラフ(a)における曲線A1は可動金型型締力と可動プラテン位置との関係を表し、グラフ(b)における線B1はクロスヘッド21に加えられる駆動源型締力と可動プラテン位置との関係を表している。横軸において、oは前記型開位置であり、aは型締力を低下させる第1段階低圧型締開始点、bは型締力を更に低下させる第2段階低圧型締開始点、cは型締力を上昇させる高圧型締開始点、kは前記型閉位置である。

0056

また、グラフ(a)の縦軸におけるeは、ガイドピン27とガイドピン挿入孔28との間で発生する摩擦抵抗、可動プラテン14と図示されないタイバーとの間で発生する摩擦抵抗等の抵抗に打ち勝って可動プラテン14を移動させるために必要な可動金型型締力としての最低可動型締力である。

0057

まず、可動プラテン14が型開位置oから移動して、第1段階低圧型締開始点aに到達するまでの区間においては、線B1で表されるように、駆動源型締力は一定である。そして、前記区間においてはトグル倍率もほぼ一定であるから、曲線A1で表されるように、可動金型型締力は一定である。なお、前記第1段階低圧型締開始点aは、前記ガイドピン挿入位置lにほぼ対応する位置であることが望ましい。

0058

次に、可動プラテン位置が前記第1段階低圧型締開始点aに到達すると、線B1で表されるように、駆動源型締力をステップ状に1段階低下させる。なお、可動プラテン位置が前記第1段階低圧型締開始点aから第2段階低圧型締開始点bまでの区間にある時は、前記駆動源型締力は一定である。そのため、可動金型型締力は前記ガイドピン挿入位置lにほぼ対応する前記第1段階低圧型締開始点aにおいて一旦低下する。ここで、前記第1段階低圧型締開始点aにおいて低下した可動金型型締力の値は、最低可動型締力e以上となっているので、ガイドピン27とガイドピン挿入孔28との間で発生する摩擦抵抗、可動プラテン14と図示されないタイバーとの間で発生する摩擦抵抗等の抵抗に負けて、可動プラテン14が停止してしまうことはない。

0059

続いて、可動プラテン位置が前記第1段階低圧型締開始点aを越えて前進すると、該第1段階低圧型締開始点a以降において、トグル倍率が急激に上昇するので、可動金型型締力は、急激に上昇する。しかし、可動プラテン位置が前記第2段階低圧型締開始点bに到達すると、線B1で表されるように、駆動源型締力をステップ状に更に1段階低下させる。なお、可動プラテン位置が前記第2段階低圧型締開始点bから高圧型締開始点cまでの区間にある時は、前記駆動源型締力は一定である。そのため、可動金型型締力は前記第2段階低圧型締開始点bにおいて再び低下する。該第2段階低圧型締開始点bの直前における可動金型型締力は、第1段階低圧型締開始点aに到達するまでの区間における値を越えていないことが、曲線A1から見て取れる。

0060

ここで、前記第2段階低圧型締開始点bにおいて低下した可動金型型締力の値は、最低可動型締力e以上となっている。なお、前記第2段階低圧型締開始点bの位置は、前記第1段階低圧型締開始点aと高圧型締開始点cとの中間点、すなわち、第1段階低圧型締開始点a及び高圧型締開始点cから等距離にあることが望ましいが、適宜変更することができる。また、前記高圧型締開始点cは、前記金型接触位置mにほぼ対応する位置である。

0061

そして、可動プラテン位置が高圧型締開始点cに接近すると、トグル倍率が急激に上昇するので、可動金型型締力の値は急激に上昇するが、前記第2段階低圧型締開始点bにおいて低下した値からの上昇であるので、それほど高い値になることがない。前記高圧型締開始点cの直前における可動金型型締力は、第1段階低圧型締開始点aに到達するまでの区間における値をわずかに越える程度であることが、曲線A1から見て取れる。

0062

このように、可動プラテン位置がガイドピン挿入位置lにほぼ対応する位置から金型接触位置mに対応する位置までの区間においては、可動金型型締力の値が低い値に維持されるので、可動金型18の可動金型面25又は固定金型16の固定金型面26の間に異物が挟まった場合、該異物の抵抗によって、可動プラテン14は停止する。したがって、金型が型閉されることがないので、可動金型18の可動金型面25又は固定金型16の固定金型面26が前記異物によって損傷してしまうことがない。また、可動プラテン位置が金型接触位置mに対応する位置に接近しても可動金型型締力の値が低い値に維持されるので、前記異物が小さなものであっても、該異物の抵抗によって、可動プラテン14は停止する。

0063

次に、可動プラテン位置が高圧型締開始点cに到達すると、線B1で表されるように、駆動源型締力を上昇させ、可動プラテン位置が前記第1段階低圧型締開始点aに到達するまでの区間における値以上の値とする。そのため、可動金型型締力は、曲線A1で表されるように、前記高圧型締開始点c以降において高い値となる。

0064

ここで、前記高圧型締開始点cは、可動金型18の可動金型面25が固定金型16の固定金型面26に接触を開始する位置にほぼ対応するので、可動プラテン位置が高圧型締開始点c以降の可動金型型締力は型締力に対応する。したがって、高い型締力によって金型の型締が効果的に行われるので、溶融させられた樹脂が高圧で射出され可動金型面25及び固定金型面26の間に形成される図示されないキャビティ空間に充填されても、樹脂漏れが発生することがない。そのため、成形される成形品の品質が向上する。

0065

このように、本実施の形態においては、可動プラテン位置が型閉位置kに近づいてトグル倍率が急激に上昇する区間において、金型接触位置mに対応する位置に到達するまでに、駆動源型締力を複数段階に分けて低下させるように制御する。 そのため、可動プラテン位置が金型接触位置mに対応する位置に到達するまでの間、可動金型型締力の値が低い値に維持されるので、可動金型18の可動金型面25又は固定金型16の固定金型面26に付着した異物の大きさに関わらず、該異物の抵抗によって可動プラテン14は停止する。したがって、可動金型18の可動金型面25又は固定金型16の固定金型面26が前記異物によって損傷されることがない。

0066

なお、本実施の形態においては、駆動源型締力を2段階に分けて低下させる例について説明したが、前記駆動源型締力を3段階以上に分けて低下させることもできる。この場合、前記第1段階低圧型締開始点aと高圧型締開始点cとの間に複数の低圧型締開始点が設定される。例えば、前記駆動源型締力を3段階に分けて低下させる場合、前記第1段階低圧型締開始点aと高圧型締開始点cとの間を3等分して、第2段階低圧型締開始点及び第3段低圧型締開始点を設定することができる。そして、前記駆動源型締力を分けて低下させる段階数が多くなるほど、可動金型型締力の値の変動を少なくすることができる。

0067

次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構造のもの及び同じ動作については、その説明を省略する。

0068

図7は本発明の第2の実施の形態における射出成形機の型締方法を示す図である。

0069

図において、グラフ(a)における曲線A2は可動金型型締力と可動プラテン位置との関係を表し、グラフ(b)における線B2はクロスヘッド21に加えられる駆動源型締力と可動プラテン位置との関係を表している。なお、aは型締力を低下させる低圧型締開始点である。

0070

本実施の形態においては、可動プラテン位置が前記低圧型締開始点aに到達すると、線B2で表されるように、駆動源型締力をステップ状に低下させる。その後、前記低圧型締開始点aから高圧型締開始点cまでの区間において、可動プラテン位置の移動する距離に比例して駆動源型締力を低下させる。

0071

そのため、可動金型型締力は、曲線A2で表されるように、前記ガイドピン挿入位置lにほぼ対応する前記低圧型締開始点aにおいて一旦低下した後、金型接触位置mに対応する高圧型締開始点cまでの区間において、ほぼ一定の値に維持される。ここで、前記低圧型締開始点aから高圧型締開始点cまでの区間において低下した可動金型型締力の値は、最低可動型締力e以上となっているので、ガイドピン27とガイドピン挿入孔28との間で発生する摩擦抵抗、可動プラテン14と図示されないタイバーとの間で発生する摩擦抵抗等の抵抗に負けて、可動プラテン14が停止してしまうことはない。

0072

このように、本実施の形態においては、可動プラテン位置が型閉位置kに近づいてトグル倍率が急激に上昇する区間において、金型接触位置mに対応する位置に到達するまでに、駆動源型締力をステップ状に低下させた後、可動プラテン位置の移動する距離に比例して低下させる。

0073

そのため、可動プラテン位置が金型接触位置mに対応する位置に到達するまでの間、可動金型型締力の値がほぼ一定の低い値に維持されるので、異物の大きさに関わらず、また、可動プラテンの位置に関わらず、一定以上の抵抗によって可動プラテン14は停止する。したがって、可動金型18の可動金型面25又は固定金型16の固定金型面26が前記異物によって損傷されることがない。

0074

次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態と同じ構造のもの及び同じ動作については、その説明を省略する。

0075

図8は本発明の第3の実施の形態における射出成形機の型締方法を示す図である。

0076

図において、グラフ(a)における曲線A3は可動金型型締力と可動プラテン位置との関係を表し、グラフ(b)における線B3はクロスヘッド21に加えられる駆動源型締力と可動プラテン位置との関係を表している。

0077

本実施の形態においては、可動プラテン位置が前記低圧型締開始点aに到達すると、線B3で表されるように、高圧型締開始点cまでの区間において、可動プラテン位置の移動する距離に比例して駆動源型締力を低下させる。

0078

そのため、可動金型型締力は、曲線A3で表されるように、前記ガイドピン挿入位置lにほぼ対応する前記低圧型締開始点aから徐々に低下し始めて、金型接触位置mに対応する高圧型締開始点cに近接した位置に到達するまでに、低い値にまで低下する。ここで、前記高圧型締開始点cに近接した位置において低下した可動金型型締力の値は、最低可動型締力e以上となっているので、ガイドピン27とガイドピン挿入孔28との間で発生する摩擦抵抗、可動プラテン14と図示されないタイバーとの間で発生する摩擦抵抗等の抵抗に負けて、可動プラテン14が停止してしまうことはない。

0079

このように、本実施の形態においては、可動プラテン位置が型閉位置kに近づいてトグル倍率が急激に上昇する区間において、金型接触位置mに対応する位置に到達するまでに、駆動源型締力を可動プラテン位置の移動する距離に比例して低下させる。

0080

そのため、可動プラテン位置が金型接触位置mに対応する位置に到達する直前において、可動金型型締力の値が低い値に低下するので、可動プラテン位置が金型接触位置mに近づくと異物の抵抗によって可動プラテン14は停止する。したがって、可動金型18の可動金型面25又は固定金型16の固定金型面26が前記異物によって損傷されることがない。

0081

次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜3の実施の形態と同じ構造のもの及び同じ動作については、その説明を省略する。

0082

図9は本発明の第4の実施の形態における射出成形機の型締方法を示す図である。

0083

図において、グラフ(a)における線A4は可動金型型締力と可動プラテン位置との関係を表し、グラフ(b)における曲線B4はクロスヘッド21に加えられる駆動源型締力と可動プラテン位置との関係を表している。

0084

本実施の形態においては、可動プラテン位置が前記低圧型締開始点aに到達すると、曲線B4で表されるように、駆動源型締力をステップ状に低下させる。その後、前記低圧型締開始点aから高圧型締開始点cまでの区間において、図5又は6に示されるように変化するトグル倍率の逆数となるように駆動源型締力を低下させる。

0085

そのため、可動金型型締力は、線A4で表されるように、前記ガイドピン挿入位置lにほぼ対応する前記低圧型締開始点aにおいて一旦低下した後、金型接触位置mに対応する高圧型締開始点cまでの区間において、完全に一定の値に維持される。ここで、前記低圧型締開始点aから高圧型締開始点cまでの区間において低下した可動金型型締力の値は、最低可動型締力e以上となっているので、ガイドピン27とガイドピン挿入孔28との間で発生する摩擦抵抗、可動プラテン14と図示されないタイバーとの間で発生する摩擦抵抗等の抵抗に負けて、可動プラテン14が停止してしまうことはない。

0086

このように、本実施の形態においては、可動プラテン位置が型閉位置kに近づいてトグル倍率が急激に上昇する区間において、金型接触位置mに対応する位置に到達するまでに、駆動源型締力をステップ状に低下させた後、トグル倍率の逆数となるように低下させる。

0087

そのため、可動プラテン位置が金型接触位置mに対応する位置に到達するまでの間、可動金型型締力の値が完全に一定の低い値に維持されるので、異物の大きさに関わらず、また、可動プラテンの位置に関わらず、一定以上の抵抗によって可動プラテン14は停止する。したがって、可動金型18の可動金型面25又は固定金型16の固定金型面26が前記異物によって損傷されることがない。

0088

なお、前記第1〜4の実施の形態においては、可動プラテンが横方向(水平方向)に移動する横置型の射出成形機について説明したが、本発明の型締装置及び方法は、可動プラテンが縦方向垂直方向)に移動する縦置型の射出成形機にも適用することができる。さらに、本発明の型締装置及び方法は、射出成形機の他に、ダイキャストマシーン、IJ封止プレス等の成形機にも適用することができる。

0089

また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。

発明の効果

0090

以上詳細に説明したように、本発明によれば、射出成形機の型締装置においては、固定金型及び可動金型を備える金型装置と、前記可動金型を支持する可動金型支持部材と、クロスヘッドを備え、基端部がトグル機構支持部材に取り付けられ、先端部が前記可動金型支持部材に取り付けられるトグル機構と、前記クロスヘッドを移動させる駆動源と、前記可動金型支持部材を前進させて型締を行う時に、前記可動金型支持部材の位置が前記トグル機構のトグル倍率が上昇する区間に進入すると、前記駆動源の型締力を漸次低下させる制御装置とを有する。

0091

また、本発明によれば、射出成形機の型締方法においては、駆動源を作動させてクロスヘッドを前進させてトグル機構を作動させ、該トグル機構の先端に取り付けられた可動金型を支持する可動金型支持部材を前進させ、前記可動金型支持部材の位置が前記トグル機構のトグル倍率が上昇する区間に進入すると、前記駆動源の型締力を漸次低下させる。

0092

この場合、可動金型支持部材が、固定金型と可動金型とが接触する位置に到達するまでの間、可動金型の型締力が低い値に維持されるので、可動金型の可動金型面又は固定金型の固定金型面に付着した異物の大きさに関わらず、該異物の抵抗によって可動金型支持部材は停止する。したがって、可動金型の可動金型面又は固定金型の固定金型面が異物によって損傷されることがない。

図面の簡単な説明

0093

図1本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締方法を示す図である。
図2従来の射出成形機の型締方法を示す図である。
図3本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締装置の型閉時の状態を示す概略図である。
図4本発明の第1の実施の形態における射出成形機の型締装置の型開時の状態を示す概略図である。
図5本発明の第1の実施の形態におけるトグル機構における可動プラテンの位置とトグル倍率との関係を表す図である。
図6本発明の第1の実施の形態における図5のK部拡大図である。
図7本発明の第2の実施の形態における射出成形機の型締方法を示す図である。
図8本発明の第3の実施の形態における射出成形機の型締方法を示す図である。
図9本発明の第4の実施の形態における射出成形機の型締方法を示す図である。

--

0094

10射出成形機
13トグルサポート
14可動プラテン
16固定金型
18可動金型
20トグル機構
21 クロスヘッド

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