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技術 大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法、粉豆乳及び粉豆乳を加工した乳製品

出願人 株式会社ペリカン
発明者 原田洋志
出願日 2001年7月13日 (19年4ヶ月経過) 出願番号 2001-213129
公開日 2003年1月28日 (17年9ヶ月経過) 公開番号 2003-023988
状態 拒絶査定
技術分野 乳製品 飼料または食品用豆類
主要キーワード ペリカン 異形物 剥皮機 日保ち 剥皮処理 製品出口 冷却タンク ゲル化作用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年1月28日)のものです。
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図面 (4)

課題

栄養価の優れたおからを分離せずに、大豆を丸ごと用いるので、栄養価が非常に高く、且つ、味わい食感の滑らかさ等の味覚上の評価においても大きく改善されて食用に適し、しかも、簡便で短時間に製造することのできる大豆粉原料とする粉豆乳の製造方法、粉豆乳及び粉豆乳を加工した乳製品を提供する。

解決手段

原料大豆粉と水とを混合する撹拌工程と、混合された水と原料大豆粉を所定温度煮沸し、粉豆を造る煮沸工程と、該粉豆汁を所定温度まで冷ます冷却工程と、該粉豆汁にトランスグルタミナーゼを添加する酵素添加工程と、該粉豆汁を加熱することにより、該酵素を活性化せしめた後、失活せしめ、粉豆乳とする加熱工程と、該粉豆乳を所定温度まで冷ます冷却工程と、からなるようにした。

概要

背景

概要

栄養価の優れたおからを分離せずに、大豆を丸ごと用いるので、栄養価が非常に高く、且つ、味わい食感の滑らかさ等の味覚上の評価においても大きく改善されて食用に適し、しかも、簡便で短時間に製造することのできる大豆粉原料とする粉豆乳の製造方法、粉豆乳及び粉豆乳を加工した乳製品を提供する。

原料大豆粉と水とを混合する撹拌工程と、混合された水と原料大豆粉を所定温度煮沸し、粉豆を造る煮沸工程と、該粉豆汁を所定温度まで冷ます冷却工程と、該粉豆汁にトランスグルタミナーゼを添加する酵素添加工程と、該粉豆汁を加熱することにより、該酵素を活性化せしめた後、失活せしめ、粉豆乳とする加熱工程と、該粉豆乳を所定温度まで冷ます冷却工程と、からなるようにした。

目的

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、栄養価の優れたおからを分離せずに、大豆を丸ごと用いるので、栄養価が非常に高く、且つ、味わいや食感の滑らかさ等の味覚上の評価においても大きく改善されて食用に適し、しかも、簡便で短時間に製造することのできる大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法、粉豆乳及び粉豆乳を加工した乳製品を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

原料大豆粉と水とを混合する撹拌工程と、混合された水と原料大豆粉を所定温度煮沸し、粉豆を造る煮沸工程と、該粉豆汁を所定温度まで冷ます冷却工程と、該粉豆汁にトランスグルタミナーゼを添加する酵素添加工程と、該粉豆汁を加熱することにより、該酵素を活性化せしめた後、失活せしめ、粉豆乳とする加熱工程と、該粉豆乳を所定温度まで冷ます冷却工程と、からなることを特徴とする大豆粉原料とする粉豆乳の製造方法。

請求項2

前記加熱工程は、トランスグルタミナーゼを活性化せしめる第1加熱処理と、トランスグルタミナーゼを失活せしめる第2加熱処理とを含むことを特徴とする請求項1記載の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法。

請求項3

前記第1加熱処理は、品温30〜70℃で20〜70分間の加熱処理であることを特徴とする請求項2記載の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法。

請求項4

前記第2加熱処理は、品温70〜100℃で10〜60分間の加熱処理であることを特徴とする請求項2又は3記載の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法。

請求項5

前記原料大豆粉が、無菌研磨子葉粉砕して製造されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項記載の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法により製造された粉豆乳。

請求項7

請求項1〜5のいずれか1項記載の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法により製造された粉豆乳を加工した乳製品

技術分野

0001

本発明は、豆乳の製造方法に係り、特に、大豆粉原料とする粉豆乳の製造方法に関する。

0002

まず、従来の豆乳の製造方法について説明する。図2は、従来の丸大豆を原料とする豆乳の製造方法の各工程を示すフローチャートであり、前処理工程(S101)と、浸漬工程(S102)と、磨砕工程(S103)と、煮沸工程(S104)と、冷却工程(S105)と、濾過工程(S106)と、からなっている。

0003

即ち、原料丸大豆(102)を前処理工程(S101)において、選別及び洗浄し、浸漬工程(S102)において、水に数時間浸し、水を吸わせて柔らかくした後、磨砕工程(S103)において、磨り潰し、煮沸工程(S104)において、水を加えて100℃以上の温度に加熱して煮沸し、いわゆる豆(ご)を造る。そして、冷却工程(S105)で、10℃以下程度にまで冷ました後、濾過工程(S106)において、この豆汁(ご)を漉して搾ることにより、おから(108)を分離し、豆乳(106)が製造される。

0004

なお、濾過工程(S106)を磨砕工程(S103)の後であって、煮沸工程(S104)の前に行うようにした、通称、生搾りと呼ばれる製造方法も知れられており、その場合、濾過工程(S106)で、生の豆乳と生のおからに分離し、その生の豆乳について、煮沸工程(S104)と冷却工程(S105)を経て豆乳(106)が製造される。

0005

このような従来の豆乳の製造方法では、通例、原料丸大豆(102)の投入から前処理工程(S101)を経て浸漬工程(S102)までは、約8時間程度を要する。特に、浸漬工程(S102)において、原料丸大豆(102)に充分に水を吸わせるための浸漬時間がその大半を占めている。また、磨砕工程(S103)から濾過工程(S106)までは、約2時間程度を要する。従って、全工程(S101〜S106)では、略10時間程度を要することとなり、非常に長時間の作業を強いられている。

0006

また、従来の豆乳の製造方法にあっては、上記した濾過工程において、豆汁(ご)を漉して搾り、豆乳とおからとに分離されている。これは、おからの食物繊維等が、豆乳の味わい食感の滑らかさ等に悪影響を及ぼすことから、味わいや食感の滑らかさ等の味覚上の評価を良好なものとするためにも必須の工程とされている。

0007

この分離されたおからは、大豆栄養素の多くを含み、食物繊維が大変に豊富であることが知られているが、食用に供されるのは極一部であり、大部分は、家畜飼料肥料となるか或いは廃棄されてしまうのが通例であり、栄養価の高いおからの有効利用が図られているとは言い難い。

0008

他方、丸大豆を原料とするのではなく、予め丸大豆を粉砕した大豆粉とし、この大豆紛を原料とした豆乳、即ち粉豆乳を製造する方法も知られている。この大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法では、大豆の栄養素や食物繊維を丸ごと含んだ粉豆乳を製造できることから、栄養価の非常に高いものが製造可能であり、また、丸大豆を水に数時間浸し、水を吸わせて柔らかくする必要も無いので、製造時間が非常に短縮されるという利点もある。

0009

しかし、この大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法では、本来分離すべきおからの食物繊維等が未分離であることから、味わいや食感の滑らかさ等の味覚上の評価において、劣悪なものになり、食用に適さないものとなる。つまり、栄養価は高いものの、不味い。従って、殆ど商品化もされず、市場流通もされていない。

0010

なお、本明細書においては、従来の丸大豆を原料とする豆乳と区別するために、大豆粉を原料とする豆乳を粉豆乳と称し、また、従来の豆乳製造における豆汁(ご)に相当するものを粉豆汁と称する。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、栄養価の優れたおからを分離せずに、大豆を丸ごと用いるので、栄養価が非常に高く、且つ、味わいや食感の滑らかさ等の味覚上の評価においても大きく改善されて食用に適し、しかも、簡便で短時間に製造することのできる大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法、粉豆乳及び粉豆乳を加工した乳製品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、大豆粉を原料とする粉豆乳の製造について、鋭意研究検討を重ねた処、粉豆乳の製造工程において、タンパク質ゲル化作用を有する酵素として知られるトランスグルタミナーゼ(特公平1−50382号公報、特公平6−65280号公報等参照、以下、TGと略称する場合がある)を添加することにより、おからを分離せずとも、粉豆乳の味わいや食感の滑らかさ等の味覚上の評価において大きく改善することができることを見出し、本提案に及ぶものである。

0013

上記課題を解決するために、本発明の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法は、原料大豆粉と水とを混合する撹拌工程と、混合された水と原料大豆粉を所定温度で煮沸し、粉豆汁を造る煮沸工程と、該粉豆汁を所定温度まで冷ます冷却工程と、該粉豆汁にトランスグルタミナーゼを添加する酵素添加工程と、該粉豆汁を加熱することにより、該酵素を活性化せしめた後、失活せしめ、粉豆乳とする加熱工程と、該粉豆乳を所定温度まで冷ます冷却工程と、からなることを特徴とする。

0014

即ち、大豆粉を原料として粉豆汁を造り、この粉豆汁に特定の酵素(トランスグルタミナーゼ)を添加し作用せしめることにより、味わいや食感の滑らかさ等を改善した粉豆乳を得ることができるものである。このようにして得られた粉豆乳は、おからを分離していないので大豆の成分を全て含むことから、極めて栄養価の高いものとなり、且つ、味わいや食感の滑らかさ等の点でも改善されているので、食用に適したものとなる。

0015

前記加熱工程は、トランスグルタミナーゼを活性化せしめる第1加熱処理と、トランスグルタミナーゼを失活せしめる第2加熱処理とを含むことが好ましい。

0016

即ち、上記第1加熱処理で、トランスグルタミナーゼを活性化せしめて、粉豆汁のタンパク質をゲル化せしめ、次いで、第2加熱処理で、トランスグルタミナーゼを失活せしめることにより、得られた粉豆乳の成分中からは、トランスグルタミナーゼは検出されないようになる。

0017

前記第1加熱処理は、品温30〜70℃で20〜70分間の加熱処理であることが好ましく、より好ましくは、品温55〜60℃で30〜60分間の加熱処理である。

0018

即ち、第1加熱処理は、トランスグルタミナーゼを活性化させるための加熱処理であり、当該酵素は、略70℃以上では失活してしまうので、70℃以下で且つ活性化に最適な温度で適宜時間加熱するものである。

0019

前記第2加熱処理は、品温70〜100℃で10〜60分間の加熱処理であることが好ましく、より好ましくは、品温80〜100℃で20〜60分間の加熱処理である。

0020

即ち、第2加熱処理は、トランスグルタミナーゼを失活させるための加熱処理であり、当該酵素は、略70℃以上で失活するので、70℃以上で且つ失活に最適な温度で適宜時間加熱するものである。

0021

前記原料大豆粉が、無菌研磨子葉を粉砕して製造されたものであることが好ましい。

0022

即ち、原料大豆粉に雑菌混入していると、味覚上の良し悪しや日保ちの良さ等に悪影響を及ぼすので、予め大豆の皮の剥皮の際に、雑菌の多い皮を完全に除去し、且つ無菌状態にまで研磨された大豆(子葉)を用いて、原料大豆粉を製造するものである。

0023

また、本発明の粉豆乳は、前記粉豆乳の製造方法により得られた粉豆乳である。本発明の粉豆乳は、丸大豆を粉砕した大豆粉を全て含むものであるので、極めて栄養価が高く、食物繊維の豊富な豆乳となる。

0024

さらに、本発明の粉豆乳を加工した乳製品は、前記粉豆乳の製造方法により得られた粉豆乳を加工した乳製品である。なお、乳製品としては、バターチーズアイスクリームクリームヨーグルトプリン等、牛乳による乳製品の場合と同様の種類のものを常法により製造可能である。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下に本発明の実施の形態を添付図面中、図1に基づいて説明する。図1は本発明の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法の各工程を示すフローチャートである。

0026

図1において、2は原料大豆粉であり、4は水である。原料大豆粉2は、予め丸大豆を選別して粉砕し、生の大豆粉としたものである。

0027

撹拌工程S1では、常法により、原料大豆粉2と水4を撹拌して混ぜ合わせる。

0028

煮沸工程S2では、混合された原料大豆粉2と水4を100℃以上に加熱する。原料大豆粉2は生の大豆粉なので、これを加熱失活するためである。煮沸工程S2により、粉豆汁が造られる。この粉豆汁は、従来の豆乳製造で言えば豆汁(ご)に相当するものであるが、本発明では、大豆粉から製造していることから、従来の豆汁(ご)とは区別されるので、便宜上、粉豆汁と称しているものである。

0029

なお、原料大豆粉2と水4の投入から撹拌工程S1、煮沸工程S2までの所要時間は、略25分程度である。本発明にあっては、原料が大豆粉であることから、従来の豆乳の製造方法における浸漬工程のような非常に長時間を要する工程が不要であることによる。前述したように、従来の豆乳の製造方法においては、原料丸大豆の投入から前処理工程を経て浸漬工程までの所要時間が8時間程度を要することに比べると著しい作業時間の短縮を図ることが可能である。

0030

冷却工程S3では、煮沸工程S2で得られた粉豆汁を10℃以下程度になるまで貯乳して冷却する。

0031

酵素添加工程S4では、トランスグルタミナーゼ(TG)を冷却工程S3で冷却された粉豆汁に添加する。TGの添加は、TGを0.2重量%程度含有するTG製剤を粉豆汁に対して0.1〜0.4重量%程度になるように溶解することで行う。

0032

トランスグルタミナーゼは、タンパク質のゲル化作用を有する酵素であり、食品蛋白中に含量の多いグルタミン残基リジン残基間に架橋を形成させ、ゲル状物質を製造できるものとして知られている。このトランスグルタミナーゼを粉豆汁に添加し作用させることで、食物繊維等が混在していることによる食感の劣悪さが解消されて、滑らかな食感となる。

0033

加熱工程S5では、酵素添加工程S4で添加されたトランスグルタミナーゼを活性化せしめた後、失活せしめるための加熱処理を行う。

0034

加熱工程S5での加熱処理は、当該酵素を活性化せしめるための1回目の加熱処理(第1加熱処理)と、当該酵素を失活せしめるための2回目の加熱処理(第2加熱処理)との2段階の加熱処理を行うようにする。

0035

1回目の加熱処理(第1加熱処理)は、トランスグルタミナーゼを活性化させるために、品温で30℃〜70℃、好ましくは55〜60℃に加熱する。当該酵素は、略70℃以上では失活してしまうので、70℃以下で且つ最も活性化する温度で適宜加熱する。時間的には、20〜70分間、好ましくは30〜60分間の範囲で適宜時間の加熱を行えばよい。

0036

2回目の加熱処理(第2加熱処理)は、トランスグルタミナーゼを失活させるために、品温で、70℃〜100℃に加熱する。当該酵素は、略70℃以上で失活するので、当該酵素が完全に失活するように、70℃以上の温度で適宜加熱する。時間的には、10〜60分間の範囲で適宜時間の加熱を行えばよい。

0037

このようにして、トランスグルタミナーゼが添加された粉豆汁に、1回目の加熱処理で活性化した当該酵素が作用して、滑らかな食感の粉豆乳が造られ、また、2回目の加熱処理で当該酵素は失活し、粉豆乳から当該酵素は検出されないようになる。

0038

なお、上記例では、加熱処理を1回目と2回目との2段階の加熱処理をする場合を説明をしたが、必ずしも明確に2段階に分けて加熱処理を行う必要は無く、例えば、50℃程度から徐々に時間をかけて100℃程度まで昇温させるようにすれば、トランスグルタミナーゼの活性化と失活を1回の加熱処理で行うこともできるし、また、加熱処理を3回又は4回に分けて行なうことにより、完璧な当該酵素の活性化と失活を期すこともできる。

0039

冷却工程S6では、加熱工程S5で得られた粉豆乳を7〜13℃程度にまで冷却し、粉豆乳6が製造される。

0040

このようにして得られた粉豆乳6は、丸大豆を粉砕した大豆粉である原料大豆粉2を丸ごと全部含むものであり、従来の豆乳と異なり、おからの分離を行わないので、栄養価が非常に高く、食物繊維を豊富に含んだものであり、また、トランスグルタミナーゼの働きで、おからを未分離であるにもかかわらず、味わいや食感が損なわれておらず、味覚評価においても良好であり、食用に適したものとなる。

0041

また、この粉豆乳6は、従来の豆乳の代替品として使用することができ、いわゆる乳製品の原料として有効に用いることができる。乳製品としては、例えば、バター、チーズ、アイスクリーム、クリーム、ヨーグルト、プリン等の牛乳を原料とした乳製品の場合と同様の種類のものを挙げることができ、これら乳製品を従来の豆乳により製造する場合と同様の常法により製造可能である。

0042

本発明の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法で得られた粉豆乳は、非常に栄養価が高く、食物繊維を豊富に含むものであるので、この粉豆乳を原料として加工した乳製品も、非常に高い栄養価と豊富な食物繊維を含むものとなる。

0043

以下に本発明の実施例を挙げて更に具体的に説明するが、これら実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈すべきでないことはいうまでもない。

0044

なお、本発明の実施に際して、原料となる大豆粉自体は、特に限定されるものではないが、味覚上の良し悪しや日保ちの良さ等は、原料大豆粉の品質に大きく影響されるものでもある。例えば、味覚上の良し悪しは、大豆の皮の剥皮がより完全であることが重要であるし、また、日保ちの良さは、原料大豆粉が無菌状態に保たれている必要があり、雑菌は主に大豆の皮に存在することから、この観点からも、大豆の皮の完全なる除去が重要である。即ち、原料大豆粉となる大豆としては、大豆の皮が完全に除去された上、子葉表面が研磨されて雑菌が完全に除去された無菌研磨子葉を用いることが大切である。

0045

従って、本発明の実施の前提として、丸大豆を子葉と胚芽と皮とに完全に分離し、その子葉を粉砕して原料大豆粉とする技術についても、以下に説明する。なお、丸大豆を子葉と胚芽と皮とに完全に分離する方法の詳細は、特公平1−43544号公報、特開2001−17107号公報に記載されている。

0046

丸大豆を子葉と胚芽と皮に分離する方法の要旨は、原料丸大豆から異物を除去するための選別工程と、品温で40℃〜120℃で加熱することにより豆を柔軟とする加熱工程と、大豆の皮をずらすことによって大豆の皮に亀裂を生じさせる補助脱皮工程と、大豆の剥皮を行なう剥皮工程と、剥皮工程で剥皮された皮を除去する風選工程と、風選処理された大豆混合物から脱皮されなかった丸大豆と半割れ子葉及び胚芽の混合物とに分離する第1篩分け工程と、次いでその半割れ子葉及び胚芽の混合物を子葉と胚芽とに分離する第2篩分け工程と、第2篩分け工程によって分離された子葉を冷却する冷却工程と、冷却処理された子葉の剥皮を行う再剥皮工程とからなることである。

0047

丸大豆を子葉と胚芽と皮に分離する方法について、図3に基づき、以下に製造例を挙げて、より詳細に説明する。

0048

(製造例1)原料大豆100kgを篩装置(原田産業(株)製)にかけ大豆より大きい異物(コーン塊など)又は大豆より小さい異物(草の実、朝顔の種など)を除き、ついで石抜き装置(原田産業(株)製)によって混入している石などを除き、ロール選別機(原田産業(株)製)に通して異形物を除去した(選別工程S11)。

0049

次に、加熱機(原田産業(株)製)で、熱風空気温度約100℃、品温約60℃で5分程度加熱した(加熱工程S12)。

0050

この加熱した大豆を、補助脱皮機(原田産業(株)製)(二本のゴムローラーの隙間は、1〜5mm、二本のゴムローラーの回転は、1本が809回転/分、他の1本が1050回転/分で、両者の回転数の差は約20%の条件で使用した。)にかけて大豆に亀裂をおこさせた(補助脱皮工程S13)。

0051

この亀裂のおきた大豆を、剥皮機(原田産業(株)製)(複数の羽根の回転数は、300回転/分であった。)で剥皮した(剥皮工程S14)。この剥皮機には集塵手段が設置されており、この集塵手段によって剥皮された皮の半分程度が除去される。

0052

なお、この剥皮機は、従来から豆類等の表面を磨くための磨き機(研磨機)として周知の構造のものを転用したものであり、その基本的構造は、複数の回転する羽根を内部に有する固定状態の網状ドラムと、原料投入用のホッパーとを有するものである。網状ドラムに投入された原料大豆、即ち上記補助脱皮機によって亀裂を入れられた大豆は、回転する複数の羽根と網状ドラムとの相互作用によって完全に皮が剥けた状態となる。このとき、羽根の回転は大豆が小割状態とならないように調節される。脱皮された大豆、即ち半割大豆(子葉)、胚芽及び集塵手段によって除去されない皮は網状ドラム内を移動して製品出口から排出されるようになっている。このとき、網状ドラム内を子葉及び胚芽とともに移動する大きめの皮は集塵手段によって製品とは別の方向に集められる。また、網状ドラムから脱落した皮及びその他の夾雑物は下方に落下し、別の集塵手段によって集められる。

0053

ここで、冷却タンクにおいて用いられる冷却ファンの風量は12m3/min程度である。また、冷却時間は、季節によって変動があることはいうまでもないが、例えば、冬場では1時間程度、夏場では3時間程度、はその中間程度を目安として、適宜調整される。子葉の品温でいえば、冬場は10℃程度、夏場で20℃程度に冷却すれば充分である。

0054

次に、風選機(原田産業(株)製)によって剥離された皮のうち上記集塵装置によって除去されなかったものを除去した(風選工程S15)。剥皮工程S14及び風選工程S15で分離された皮は飼料等として利用される。

0055

さらに、皮を除去した残りの大豆混合物を多段式篩装置(原田産業(株)製)にかけて子葉と胚芽とに分離した(篩分け工程S16)。

0056

すなわち、風選処理された大豆混合物を第1のにかけて未だ脱皮されていない丸大豆(未脱皮丸大豆)と、二つの子葉に分かれた子葉(半割れ子葉)と胚芽との混合物とに分けた(第1篩分け工程S16a)。

0057

ついで、子葉と胚芽との混合物を、第2の篩にかけて半割れ子葉と胚芽とに分離した(第2篩分け工程S16b)。分離された胚芽は胚芽製品として利用する。

0058

この分離された子葉には多少の皮が残存しているが、この分離された子葉を冷却タンク(冷却ファン付、容量約8m3、原田産業(株)製)によって、常温風冷で冷却した(冷却工程S17)。

0059

この冷却した子葉を剥皮機(原田産業(株)製)で再度剥皮処理して子葉に残った皮を分離した(再剥皮工程S18)。なお、この再剥皮工程S18における剥皮機は、前述した剥皮工程S14における剥皮機と同様の構造を有するものであり、従来から豆類等の表面を磨くための磨き機(研磨機)として周知の構造のものを転用したものである。

0060

このようにして得られた子葉は、その皮の残っている子葉の比率を求めると、略0.2%であり、略100%に極めて近い割合で皮を除去できることが確認されている(特開2001−17107号公報参照)。

0061

また、得られた子葉は、剥皮工程S14と、再剥皮工程S18という2度の研磨工程を経ているので、皮が略完全に除去されるのみならず、その表面は研磨により略無菌の状態とされる。

0062

この無菌状態の研磨子葉を粉砕装置〔奈良機械(株)製〕により粉砕して大豆粉を製造し、本発明で用いる原料大豆粉2とすれば、皮の除去が完全になされ、且つ雑菌も完全に除去されていることから、味覚上の良し悪しも日保ちの良さも極めて優れたものとなる。

0063

以下の実施例では、上記製造例1に記載した丸大豆を子葉と胚芽と皮に分離する方法により得られた無菌研磨子葉を粉砕して大豆粉とし、これを原料大豆粉2として用いるものである。

0064

(実施例1)原料大豆粉2を2.8kg用意し、水4を13L用意して、これを撹拌装置〔(株)ペリカン製〕により、均質になるまで混ぜ合わせた(撹拌工程S1)。

0065

次いで、煮沸装置〔(株)ペリカン製〕により、約100℃の温度で、4.5分間煮沸した(煮沸工程S2)。

0066

得られた粉豆汁は、貯乳槽〔(株)ペリカン製〕で10℃以下の温度になるまで冷ました(冷却工程S3)。

0067

冷却された粉豆汁に対して、トランスグルタミナーゼ製剤〔製品名:アクティバスーパーガード、TG含有量:0.2重量%、味の素(株)製〕を50g添加した(酵素添加工程S4)。

0068

TGが添加された粉豆汁に対し、加熱装置〔(株)ペリカン製〕を用いて、1回目の加熱処理として、湯煎温度で約70℃(品温で約58℃)、40分間の加熱処理を施してTG酵素を活性化せしめた後、第2回目の加熱処理として、湯煎温度で約100℃(品温で約90℃)、30分間の加熱処理を施してTG酵素を失活し、粉豆乳を造った(加熱工程S5)。

0069

そして、得られた粉豆乳を約10℃にまで冷却し、粉豆乳6を得た。この粉豆乳6の成分を調べたところ、表1に示す結果が得られた。また、併せて味覚評価を行ったところ、表2に示す結果が得られた。

0070

(比較例1)前述した従来の豆乳の製造方法(図2参照)により、通常の条件で豆乳を製造し、得られた豆乳の成分を調べたところ、表1に示す結果が得られた。また、併せて味覚評価を行ったところ、表2に示す結果が得られた。

0071

(比較例2)TGの添加を行わなかった以外は、実施例1と同様の手順で粉豆乳を製造し、得られた粉豆乳の成分を調べたところ、表1に示す結果が得られた。また、併せて味覚評価を行ったところ、表2に示す結果が得られた。

0072

0073

上記表1に示されるように、実施例1(本発明の粉豆乳)では、比較例1(従来の豆乳)に比べて、食物繊維、レシチンサポニンイソフラボン等が2倍〜20倍程度も多く含まれていることが確認された。これは、比較例1(従来の豆乳)では、おからを分離しているのに対し、実施例1(本発明の粉豆乳)では、おからの成分も全て含んでいることによるものと考えられる。なお、比較例2(TG無添加の粉豆乳)は、TGの添加を行わなかった以外は、実施例1と同様のものであるため、成分的には略同様であった。

0074

0075

上記表2に示されるように、比較例2(TG無添加の粉豆乳)では、味覚評価が不良であったのに対し、実施例1(本発明の粉豆乳)では、比較例1(従来の豆乳)と同等の良好な味覚評価が得られた。

発明の効果

0076

以上述べた如く、本発明によれば、栄養価の優れたおからを分離せずに、大豆を丸ごと用いるので、栄養価が非常に高く、且つ、味わいや食感の滑らかさ等の味覚上の評価においても大きく改善されて食用に適し、しかも、簡便で短時間に製造することのできる大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法、粉豆乳及び粉豆乳を加工した乳製品を提供することができるという大きな効果を奏する。

図面の簡単な説明

0077

図1本発明の大豆粉を原料とする粉豆乳の製造方法の各工程を示すフローチャートである。
図2従来の丸大豆を原料とする豆乳の製造方法の各工程を示すフローチャートである。
図3丸大豆を子葉と胚芽と皮に分離する方法の各工程を示すフローチャートである。

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0078

2:原料大豆粉,4:水,6:粉豆乳,102:原料丸大豆,106:豆乳,108:おから,S1:撹拌工程,S2:煮沸工程,S3:冷却工程,S4:酵素添加工程,S5:加熱工程,S6:冷却工程,S11:選別工程,S12:加熱工程,S13:補助脱皮工程,S14:剥皮工程,S15:風選工程,S16:篩分け工程,S16a:第1篩分け工程,S16b:第2篩分け工程,S17:冷却工程,S18:再剥皮工程,S101:前処理工程,S102:浸漬工程,S103:磨砕工程,S104:煮沸工程,S105:冷却工程,S106:濾過工程。

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