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技術 水中用送波器

出願人 沖電気工業株式会社
発明者 河守章好
出願日 2001年7月10日 (19年5ヶ月経過) 出願番号 2001-209015
公開日 2003年1月24日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2003-023687
状態 特許登録済
技術分野 超音波変換器
主要キーワード 変位部分 リアマス 共振帯域 ピストン振動 音響損失 フロントマス 解析信号 送波面
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この項目の情報は公開日時点(2003年1月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

ランジュバン送受波器高出力化広帯域化に関する課題と、ランジュバン型音源の広帯域化による高出力化に対する課題を解決することができる新しい送波器構造の水中送波器を提供すること。

解決手段

対向配置されたピストン型送波器1の間に屈曲部7を有するシェル6を結合し、駆動素子2とピストン型送波器1の基本共振周波数と、シェル6の屈曲部7が屈曲モード共振する屈曲共振周波数とを適切な間隔に近づけ、両周波数の間の帯域まで広帯域化する。

概要

背景

図4は、従来のランジュバン型送受波器の一例を示す構成図、図5はその作用説明図である。図において、10はランジュバン型送受波器の外筐、11はリアマス、12は駆動素子、13はフロントマスである(従来技術1)。この従来技術1においては、図5に示すように、内部の駆動素子12の単振動ピストン振動)が単純にフロントマス13に伝わり、フロントマス13から水中に音響が放射される。その特性は、駆動素子12の弾性と、フロントマス13及び水の負荷マスとの間の共振周波数付近を最大とした音圧となり、共振周波数から離れた帯域では音圧が小さくなる。

近年、水中(海洋)の様々な解析において、解析信号SN比及び解析精度向上などのため、複雑な信号波形再現できるように、周波数特性広帯域である送波器の開発が進められている。しかしながら、音圧レベルが小さくては仕方がないため、一般的な送波器は、その共振周波数を中心とした帯域を用いて、音圧レベルを少しでも上げようとしてきた。ところが、共振周波数を中心とした場合、その前後の周波数で音圧が下がっていくので、広帯域化が困難である。また、広帯域化を優先すると、音圧レベルが下がってしまうため、高出力と広帯域化を同時に実現するのは難しいとされてきた。

図6は、屈曲振動板音響放射面に設けたランジュバン型送受波器(蒲、山本、による海洋音響学講演論文集の第37頁〜40頁に記載、1999年6月)の一例を示す構成図、図7はその作用説明図である。この送受波器は、従来技術1を広帯域化するために、フロントマス13の表面内側に隙間14を設けることにより、水の負荷を合わせた機械的性質において、従来技術1の基本共振周波数に対し、やや高い周波数において屈曲共振が生じるようにしている(従来技術2)。

すなわち、屈曲共振周波数より低い周波数では、図7(a)に示すように、フロントマス13は剛体としてマスとしてのみ働き、従来技術1の場合と同様の基本共振が生じる。そして、基本共振周波数を過ぎて、音圧が下がり始めると、今度は屈曲共振周波数に近付き、図7(b)に示すように、再びフロントマス13の中心部の変位が大きくなり、音圧レベルが上昇する。その結果、従来技術1に比べて、基本共振周波数より高い周波数帯域でも音圧が下がる現象押さえられるため、広帯域化されたことになる。

概要

ランジュバン送受波器の高出力化と広帯域化に関する課題と、ランジュバン型音源の広帯域化による高出力化に対する課題を解決することができる新しい送波器構造の水中送波器を提供すること。

対向配置されたピストン型送波器1の間に屈曲部7を有するシェル6を結合し、駆動素子2とピストン型送波器1の基本共振周波数と、シェル6の屈曲部7が屈曲モードで共振する屈曲共振周波数とを適切な間隔に近づけ、両周波数の間の帯域まで広帯域化する。

目的

本発明は上記のランジュバン送受波器の高出力化と広帯域化に関する課題と、文献のランジュバン型音源の広帯域化による高出力化に対する課題を解決するためになされたもので、ピストン型送波器2個の間にあらかじめ曲率を持たせた屈曲部を設け、ピストン型送波器そのものの基本共振と、屈曲部が屈曲する屈曲共振を近づけて広帯域化し、ピストン型送波器の変位と屈曲部の変位が同相となり送波面積も大きくできるようにして、高出力化も可能となる新しい送波器構造の水中送波器を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

対向配置されたピストン送波器の間に屈曲部を有するシェルを結合し、駆動素子と前記ピストン型送波器の基本共振周波数と、前記シェルの屈曲部が屈曲モード共振する屈曲共振周波数とを適切な間隔に近づけ、両周波数の間の帯域まで広帯域化することを特徴とする水中用送波器

請求項2

屈曲部が中心から外側に屈曲したシェルを用いたことを特徴とする請求項1記載の水中用送波器。

技術分野

0001

本発明は、広帯域化及び高出力化を実現することができる水中用送波器に関するものである。

背景技術

0002

図4は、従来のランジュバン型送受波器の一例を示す構成図、図5はその作用説明図である。図において、10はランジュバン型送受波器の外筐、11はリアマス、12は駆動素子、13はフロントマスである(従来技術1)。この従来技術1においては、図5に示すように、内部の駆動素子12の単振動ピストン振動)が単純にフロントマス13に伝わり、フロントマス13から水中に音響が放射される。その特性は、駆動素子12の弾性と、フロントマス13及び水の負荷マスとの間の共振周波数付近を最大とした音圧となり、共振周波数から離れた帯域では音圧が小さくなる。

0003

近年、水中(海洋)の様々な解析において、解析信号SN比及び解析精度向上などのため、複雑な信号波形再現できるように、周波数特性広帯域である送波器の開発が進められている。しかしながら、音圧レベルが小さくては仕方がないため、一般的な送波器は、その共振周波数を中心とした帯域を用いて、音圧レベルを少しでも上げようとしてきた。ところが、共振周波数を中心とした場合、その前後の周波数で音圧が下がっていくので、広帯域化が困難である。また、広帯域化を優先すると、音圧レベルが下がってしまうため、高出力と広帯域化を同時に実現するのは難しいとされてきた。

0004

図6は、屈曲振動板音響放射面に設けたランジュバン型送受波器(蒲、山本、による海洋音響学講演論文集の第37頁〜40頁に記載、1999年6月)の一例を示す構成図、図7はその作用説明図である。この送受波器は、従来技術1を広帯域化するために、フロントマス13の表面内側に隙間14を設けることにより、水の負荷を合わせた機械的性質において、従来技術1の基本共振周波数に対し、やや高い周波数において屈曲共振が生じるようにしている(従来技術2)。

0005

すなわち、屈曲共振周波数より低い周波数では、図7(a)に示すように、フロントマス13は剛体としてマスとしてのみ働き、従来技術1の場合と同様の基本共振が生じる。そして、基本共振周波数を過ぎて、音圧が下がり始めると、今度は屈曲共振周波数に近付き、図7(b)に示すように、再びフロントマス13の中心部の変位が大きくなり、音圧レベルが上昇する。その結果、従来技術1に比べて、基本共振周波数より高い周波数帯域でも音圧が下がる現象押さえられるため、広帯域化されたことになる。

発明が解決しようとする課題

0006

上記のように構成した従来技術1においては、前述したように、単一共振の送波器であるため、広帯域化は難しい。従来技術2においては、従来技術1よりも広帯域化はなされているものの、厳密には基本共振時のフロントマス中心部の変位部分と、屈曲共振時のフロントマスの変位部分とは、駆動素子12の振動を基準にとると逆位相となっている。つまり、基本共振と屈曲共振で音圧低下帯域のレベルを補っているようであって、実際は、お互いの共振時のレベルをつぶし合って、結果として広帯域になっているに過ぎない。このため広帯域化は成されているが、音圧レベルを高出力化するには不利である。また、ランジュバン型送受波器そのものも、フロントマス13の面積で放射面が限定されるため、高出力化には不向きである。

0007

本発明は上記のランジュバン送受波器の高出力化と広帯域化に関する課題と、文献のランジュバン型音源の広帯域化による高出力化に対する課題を解決するためになされたもので、ピストン型送波器2個の間にあらかじめ曲率を持たせた屈曲部を設け、ピストン型送波器そのものの基本共振と、屈曲部が屈曲する屈曲共振を近づけて広帯域化し、ピストン型送波器の変位と屈曲部の変位が同相となり送波面積も大きくできるようにして、高出力化も可能となる新しい送波器構造の水中送波器を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0008

(1) 本発明に係る水中用送波器は、対向配置されたピストン型送波器の間に屈曲部を有するシェルを結合し、駆動素子とピストン型送波器の基本共振周波数と、シェルの屈曲部が屈曲モードで共振する屈曲共振周波数とを適切な間隔に近づけ、両周波数の間の帯域まで広帯域化する。こうして、水中送波器において、広帯域化及び高出力化を実現する。

0009

(2) 上記(1)の水中用送波器において、屈曲部が中心から外側に屈曲したシェルを用いた。

発明を実施するための最良の形態

0010

[実施の形態]本発明に係る水中用送波器は、2個のピストン型送波器を、送波器中心部から見て外側に曲率を持たせた屈曲部を有するシェルで結合したものである。

0011

上記のように構成した水中用送波器によれば、ピストン型送波器の共振帯域では、屈曲部の機械インピーダンスが大きく、2個のピストン型送波器が片端固定条件に近い状態で振動し、ピストン型送波器のフロントマスから音響出力される。そして、屈曲部を含めた屈曲共振に近づくと、屈曲部の機械インピーダンスが減少していき、ピストン型送波器部分において屈曲部結合側が振動し、片端固定条件ではなくなる。そして、屈曲共振付近ではピストン型送波器のフロントマスと、屈曲部の変位によりエネルギーが分割され、両方から音響出力される。ここで、低周波から屈曲共振帯域までは、ピストン型送波器のフロントマスと屈曲部の中心部変位とが同相であるため、ピストン型送波器の基本共振と、屈曲共振の設定により広帯域化されると同時に、音響損失の少ない、高出力な送波器となる。

0012

図1は本発明の一実施の形態の構成図である。図において、1は対向配置された一対のピストン型送波器で、駆動素子2、フロントマス3、リアマス4及びこれらが収容された筐体5からなっている。6は両ピストン型送波器1の間に介装されたシェルで、送波器中心部から外側に湾曲した屈曲部7と、屈曲部7の両端部に設けられた固定部8とからなり、この固定部8にピストン型送波器1のリアマス4が一体に固定されている。

0013

ここで駆動素子2の全長バネ定数と、フロントマス3及びフロントマス3の外側の水の負荷マスとの間で生じる基本共振周波数をf1、シェル6とシェル6の外側の水の負荷マスと、ピストン型送波器1全体がシェル6の屈曲モードでのバネ定数との間で共振する周波数とをf2とし、f1<f2に設定する。

0014

上記のように構成した本発明において、いま、音圧の周波数をfとすると、f<f1では、図2(a)に示すように、シェル6の機械インピーダンスが大きいため、ほぼフロントマス3のみが振動し、フロントマス3から音響出力される(音響放射面の変位を斜線で示す。以下同じ)。f=f1では、図2(b)に示すように、シェル6の機械インピーダンスは徐々に減少しているが、駆動素子2とフロントマス部(ピストン型送波器部)の機械インピーダンスが共振により最小となるため、同様にフロントマス3から大きな音響出力が得られる。このとき、シェル6も振動するが、その振動も屈曲部7ではフロントマス3と同位相であり、音響損失はない。

0015

f1<f<f2では、図2(c)に示すように、ピストン型送波器部の機械インピーダンスが増加し、シェル6の機械インピーダンスが更に減少していくので、ピストン音源とシェル6との結合面の変位が徐々に大きくなっていき、シェル6の屈曲振動モードが顕著となってくる。しかしこの領域でも、フロントマス3側は振動しており、ピストン型送波器部は両側に変位するモードで振動する。この場合、シェル6の屈曲振動による屈曲部7の変位と、フロントマス3の変位が送波器から外側にたいして同位相であるため、音響放射における損失は少ない。

0016

f=f2では、図2(d)に示すように、シェル6の屈曲モードが最大となり、フロントマス3と屈曲部6の両方から同相の音響出力が得られる。f>f2では、シェル6の屈曲モードが高次モードへと変わっていき、ピストン型送波器も高次共振へと移り、音圧レベルは低下していく。音圧レベルと周波数fとの関係を、図3に示す。図において、横軸は音圧の周波数f、縦軸は音圧レベルを示している。

発明の効果

0017

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ピストン型送波器部の共振とシェルまで含めた屈曲モードの共振とを適当に設定することで音響出力の広帯域化ができ、また、その帯域において、互いの音響放射面が独立し、かつ同位相で振動しているため、放射面が大きくとれることと、音響損失がないことにより、高出力化も可能となる。

図面の簡単な説明

0018

図1本発明の一実施の形態の構成図である。
図2図1の作用説明図である。
図3周波数と音圧レベルの関係を示す線図である。
図4従来のランジュバン型送受波器の一例を示す構成図である。
図5図4の作用説明図である。
図6従来の屈曲振動板を音響放射面に設けたランジュバン型送受波器の他の一例を示す構成図である。
図7図6の作用説明図である。

--

0019

1ピストン型送波器
2駆動素子
6シェル
7 屈曲部

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