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技術 電着塗装における塗膜厚み予測装置及び塗膜厚み予測方法

出願人 トヨタ自動車株式会社関西ペイント株式会社
発明者 吉田顕彰石鍋雅夫古川秀範
出願日 2001年6月27日 (18年1ヶ月経過) 出願番号 2001-195063
公開日 2003年1月15日 (16年6ヶ月経過) 公開番号 2003-013288
状態 特許登録済
技術分野 電気分解または電気泳動による被覆
主要キーワード 穴面積 複数電圧 単位面 析出機構 クーロン量 モデルチェンジ 袋構造 析出形成
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

電着塗装における塗膜厚みの制御を向上させる。

解決手段

塗膜厚み予測装置10を用い、試験用被塗物20に対して電着塗装を行い、電圧計24で監視しながら一定電圧における電流密度経時変化を電流密度計20により測定し、また電圧の印加時間を計測して、複数の印加電圧における電流密度と経時変化を求める。次いで[電流密度/印加電圧]に対する[電圧・時間積分値]との関係を求め、更に装置10の電流密度計20に替えクーロン量測定器28を用い、塗膜量測定器32にて塗膜量を測定して[単位面積当たりのクーロン量]と[塗膜量]との関係を求める。次に[電流密度/印加電圧]に[電圧・時間積分値]を乗じた値と[単位面積当たりのクーロン量]との相関に基づき、[電流密度/印加電圧]に[電圧・時間積分値]を乗じた値と[塗膜量]との関係が求め、この関係より印加電圧の経時変化と塗膜量との関係を求める。

概要

背景

従来より、例えば自動車等の被塗物塗装を行う方法として、静電塗装方法スプレー塗装方法、エアーレス塗装方法、浸漬塗装方法電着塗装方法が用いられてきた。

特に、電着塗装方法は、複雑な形状のものに対しても均一に塗装でき、塗料使用効率が高く、電着塗装時溶媒が水であるために火災に対して安全であり、また公害対策も有利であるという点で、上記他の塗装方法に比べ優れた特徴を有する。

一般に、電着塗装方法には、アニオン型とカチオン型がある。そして、その析出機構現象的には同一であり、水性電着塗料中に浸漬された金属被塗物を陽極又は陰極として対極との間に直流電流を流し、電気泳動現象と水の電界を利用して、電着成分を被塗物表面に塗膜として析出させる方法である。通常、アニオン型電着塗装方法では被塗物を陽極とし、一方カチオン型電着塗装方法では被塗物を陰極として通電させて、被塗物に塗膜を析出させる。

上記アニオン型及びカチオン型のいずれの電着塗装方法においても、電着塗装中に供給される電着槽内クーロン量と、被塗物に析出する塗膜量(すなわち、電着成分析出量、塗膜厚み)とは相関性があることが見出されている。また、上記クーロン量と、電着塗装時に被塗物に流れる電流電流密度の間にも相関関係があることが見出されている。

そこで、電着塗装時に被塗物に流れる電流を調整することによって、塗膜量を制御することが考えられるが、実際に被塗物に流れている電流量を、塗装中に測定することは不可能であるために、塗膜量を制御することは困難であった。

近年、塗膜量を予測して制御する方法が提案されている。例えば、特開平5−59593号公報の「電着塗装方法」には、自動車などの被塗物の袋構造部を想定したミニチュアボックス模擬袋構造)を、実際の被塗物と同時に電着塗装を行うことにより、ミニチュアボックスの穴の径を変化させ穴面積/袋構造部の内部面積との比と、電着塗装により形成された袋構造部内面塗装膜厚との関係を調べ、この関係より、実際の自動車などの被塗物の袋構造部内の塗装膜厚を予測する方法が提案されている。

また、特開平5−9793号公報の「電着塗装方法及び装置」には、電着槽内の固形物含有量とクーロン量とを用いて複数のクーロン効率(mg/C)を演算により求めるとともに、それらのクーロン効率により得られる塗膜膜厚を予め測定しておき、更に互いに異なるクローン効率を有する2つの電着塗料により形成される2つの塗膜膜厚d1,d2から予め係数k(k=d1/d2)を複数個求める方法が提案されている。この方法によれば、実際の電着塗装時のクーロン効率と所望の塗膜膜厚を得るために、係数kを求めたのち、この係数kを用いて、目標電圧V1=実際の印加電圧V×kの式より、目標電圧V1を求めている。

概要

電着塗装における塗膜厚みの制御を向上させる。

塗膜厚み予測装置10を用い、試験用被塗物20に対して電着塗装を行い、電圧計24で監視しながら一定電圧における電流密度の経時変化を電流密度計20により測定し、また電圧の印加時間を計測して、複数の印加電圧における電流密度と経時変化を求める。次いで[電流密度/印加電圧]に対する[電圧・時間積分値]との関係を求め、更に装置10の電流密度計20に替えてクーロン量測定器28を用い、塗膜量測定器32にて塗膜量を測定して[単位面積当たりのクーロン量]と[塗膜量]との関係を求める。次に[電流密度/印加電圧]に[電圧・時間積分値]を乗じた値と[単位面積当たりのクーロン量]との相関に基づき、[電流密度/印加電圧]に[電圧・時間積分値]を乗じた値と[塗膜量]との関係が求め、この関係より印加電圧の経時変化と塗膜量との関係を求める。

目的

そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、試験用被塗物を用いて予備試験を行い、電着塗装時の印加電圧の経時変化と試験用被塗物の塗膜量との関係を求め、実際の被塗物への電着塗装時の塗膜量を予測する電着塗装における塗膜厚み予測装置及び塗膜厚み予測方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

電着塗料が収容された電着槽内電極を配置し、前記電着槽試験用被塗物を浸漬し、更に電着塗装時における前記試験用被塗物の電流密度を測定する電流密度測定器を前記試験用被塗物に装着し、前記電極と前記試験用被塗物との間に電圧印加電着塗装における塗膜厚み予測方法であって、印加電圧と、そのときの前記電流密度の経時変化とを計測して、印加電圧と電流密度の経時変化との関係を求め、電着塗装時における前記試験用被塗物の単位面積当たりクーロン量と前記電着塗料の塗膜量とを測定し、単位面積当たりのクーロン量と塗膜量との関係を求め、前記電流密度の経時変化と単位面積当たりのクーロン量との相関に基づき、印加電圧の経時変化から電着塗料の予測塗膜量との関係を求めることを特徴とする塗膜厚み予測方法。

請求項2

電着塗料が収容された電着槽内に電極を配置し、前記電着槽に試験用被塗物を浸漬し、更に電着塗装時における前記試験用被塗物の電流密度を測定する電流密度測定器を前記試験用被塗物に装着し、前記電極と前記試験用被塗物との間に電圧を印加し電着塗装における塗膜厚み予測方法であって、実際に印加した電圧と、そのときの前記電流密度の経時変化とを計測し、前記電流密度を印加電圧で除した値に対する前記印加電圧と印加時間を乗じた電圧・時間積分値の関係を求め、電着塗装時における前記試験用被塗物の単位面積当たりのクーロン量と前記電着塗料の塗膜量とを測定し、単位面積当たりのクーロン量と塗膜量との関係を求め、前記電流密度を印加電圧で除した値を前記電圧・時間積分値に乗じて得られた値と単位面積当たりのクーロン量との相関に基づき、印加電圧の経時変化から電着塗料の予測塗膜量を求めることを特徴とする塗膜厚み予測方法。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の塗膜厚み予測方法において、前記印加電圧の経時変化から電着塗料の予測塗膜量との関係は、電着塗料毎に求めて適用することを特徴とする塗膜厚み予測方法。

請求項4

電着塗料が収容された電着槽と、前記電着槽内に配置された電極と、前記電着槽に浸漬された試験用被塗物と、前記電極と前記試験用被塗物との間に電圧を印加する電源と、前記電源の印加電圧を検出する電圧計と、前記試験用被塗物に配置され電着塗装時の電流密度を測定する電流密度計と、電圧印加時間を測定するタイマーと、電圧印加時間における印加電圧と電流密度との経時変化の関係を記憶する第1の記憶装置と、電着塗装時の前記試験用被塗物における単位面積当たりのクーロン量を測定するクーロン量測定器と、前記試験用被塗物における前記単位面積当たりの塗膜量を測定する塗膜量測定器と、前記単位面積当たりのクーロン量と塗膜量との関係を記憶する第2の記憶装置と、前記第1の記憶装置に記憶されている電流密度の経時変化と前記第2の記憶装置に記憶されている単位面積当たりのクーロン量との相関に基づき、印加電圧の経時変化から前記電着塗料の予測塗膜量を算出する演算装置と、を有することを特徴とする塗膜厚み予測装置

請求項5

請求項4に記載の塗膜厚み予測装置において、前記演算装置は、前記電流密度を印加電圧で除した値に対する前記印加電圧と印加時間を乗じた電圧・時間積分値の関係を求める第1の演算装置と、前記電流密度を印加電圧で除した値を前記電圧・時間積分値に乗じて得られた値と前記第2の記憶装置に記憶されている単位面積当たりのクーロン量との相関に基づき、印加電圧の経時変化と電着塗料の予測塗膜量との関係を求める第2の演算装置と、を有することを特徴とする塗膜厚み予測装置。

技術分野

0001

本発明は、特に被塗物への電着塗装の前に実測可能な印加電圧により予め塗膜量を予測する電着塗装における塗膜厚み予測装置及び塗膜厚み予測方法に関する。

背景技術

0002

従来より、例えば自動車等の被塗物に塗装を行う方法として、静電塗装方法スプレー塗装方法、エアーレス塗装方法、浸漬塗装方法電着塗装方法が用いられてきた。

0003

特に、電着塗装方法は、複雑な形状のものに対しても均一に塗装でき、塗料使用効率が高く、電着塗装時溶媒が水であるために火災に対して安全であり、また公害対策も有利であるという点で、上記他の塗装方法に比べ優れた特徴を有する。

0004

一般に、電着塗装方法には、アニオン型とカチオン型がある。そして、その析出機構現象的には同一であり、水性電着塗料中に浸漬された金属被塗物を陽極又は陰極として対極との間に直流電流を流し、電気泳動現象と水の電界を利用して、電着成分を被塗物表面に塗膜として析出させる方法である。通常、アニオン型電着塗装方法では被塗物を陽極とし、一方カチオン型電着塗装方法では被塗物を陰極として通電させて、被塗物に塗膜を析出させる。

0005

上記アニオン型及びカチオン型のいずれの電着塗装方法においても、電着塗装中に供給される電着槽内クーロン量と、被塗物に析出する塗膜量(すなわち、電着成分析出量、塗膜厚み)とは相関性があることが見出されている。また、上記クーロン量と、電着塗装時に被塗物に流れる電流電流密度の間にも相関関係があることが見出されている。

0006

そこで、電着塗装時に被塗物に流れる電流を調整することによって、塗膜量を制御することが考えられるが、実際に被塗物に流れている電流量を、塗装中に測定することは不可能であるために、塗膜量を制御することは困難であった。

0007

近年、塗膜量を予測して制御する方法が提案されている。例えば、特開平5−59593号公報の「電着塗装方法」には、自動車などの被塗物の袋構造部を想定したミニチュアボックス模擬袋構造)を、実際の被塗物と同時に電着塗装を行うことにより、ミニチュアボックスの穴の径を変化させ穴面積/袋構造部の内部面積との比と、電着塗装により形成された袋構造部内面塗装膜厚との関係を調べ、この関係より、実際の自動車などの被塗物の袋構造部内の塗装膜厚を予測する方法が提案されている。

0008

また、特開平5−9793号公報の「電着塗装方法及び装置」には、電着槽内の固形物含有量とクーロン量とを用いて複数のクーロン効率(mg/C)を演算により求めるとともに、それらのクーロン効率により得られる塗膜膜厚を予め測定しておき、更に互いに異なるクローン効率を有する2つの電着塗料により形成される2つの塗膜膜厚d1,d2から予め係数k(k=d1/d2)を複数個求める方法が提案されている。この方法によれば、実際の電着塗装時のクーロン効率と所望の塗膜膜厚を得るために、係数kを求めたのち、この係数kを用いて、目標電圧V1=実際の印加電圧V×kの式より、目標電圧V1を求めている。

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、上記特開平5−59593号公報の「電着塗装方法」は、主に電着塗料種、塗装条件などの変更を行った場合や自動車のモデルチェンジによる袋構造部の変化によって、塗膜膜厚が変化していないかどうか、塗装された自動車を解体し塗膜厚みを調べる煩雑さを解消するために、同一条件で同時に実際の被塗物と模擬構造物とを電着塗装し、そののち模擬構造物の塗膜膜厚を測定し、この模擬構造物の塗膜膜厚から実際の被塗物の塗膜膜厚を予測する方法である。従って、上記方法では、被塗物に所望の塗膜膜厚を得るための電着塗装条件を得ることはできなかった。

0010

また、上記特開平5−9793号公報の「電着塗装方法及び装置」は、電着槽内のクーロン効率を求め、更に上述したように異なる電着塗料に対して複数の係数kを求めておく必要があり、作業が煩雑であるとともに、上記目標電圧V1を求める演算も煩雑であった。更に、どの係数kを用いるかにより目標電圧V1が異なるため、係数kの選択が難しく、その結果、緻密な塗膜膜厚の制御が困難となるおそれがあった。

0011

そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、試験用被塗物を用いて予備試験を行い、電着塗装時の印加電圧の経時変化と試験用被塗物の塗膜量との関係を求め、実際の被塗物への電着塗装時の塗膜量を予測する電着塗装における塗膜厚み予測装置及び塗膜厚み予測方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0012

上記目的を達成するために、本発明の電着塗装における塗膜厚み予測方法は、以下の特徴を有する。

0013

(1)電着塗料が収容された電着槽内に電極を配置し、前記電着槽に試験用被塗物を浸漬し、更に電着塗装時における前記試験用被塗物の電流密度を測定する電流密度測定器を前記試験用被塗物に装着し、前記電極と前記試験用被塗物との間に電圧印加し電着塗装における塗膜厚み予測方法であって、印加電圧と、そのときの前記電流密度の経時変化とを計測して、印加電圧と電流密度の経時変化との関係を求め、電着塗装時における前記試験用被塗物の単位面積当たりのクーロン量と前記電着塗料の塗膜量とを測定し、単位面積当たりのクーロン量と塗膜量との関係を求め、前記電流密度の経時変化と単位面積当たりのクーロン量との相関に基づき、印加電圧の経時変化と電着塗料の予測塗膜量との関係を求める塗膜厚み予測方法である。

0014

上記試験用被塗物の電着塗装予備試験により、実測可能な印加電圧と予測塗膜量との関係を得ることができる。一方、通常、電着塗装では電圧を管理して行っている。従って、この予備試験により得られた印加電圧の経時変化と予測塗膜量との関係を用い、実際の被塗物への電着塗装時の印加電圧を調整することによって、所望の塗膜量を得ることができる。また、実際に調節可能な印加電圧により塗膜量を管理するため、より緻密な塗膜量の管理を行うことができる。

0015

(2)電着塗料が収容された電着槽内に電極を配置し、前記電着槽に試験用被塗物を浸漬し、更に電着塗装時における前記試験用被塗物の電流密度を測定する電流密度測定器を前記試験用被塗物に装着し、前記電極と前記試験用被塗物との間に電圧を印加し電着塗装における塗膜厚み予測方法であって、実際に印加した電圧と、そのときの前記電流密度の経時変化とを計測し、前記電流密度を印加電圧で除した値に対する前記印加電圧と印加時間を乗じた電圧・時間積分値の関係を求め、電着塗装時における前記試験用被塗物の単位面積当たりのクーロン量と前記電着塗料の塗膜量とを測定し、単位面積当たりのクーロン量と塗膜量との関係を求め、前記電流密度を印加電圧で除した値を前記電圧・時間積分値に乗じて得られた値と単位面積当たりのクーロン量との相関に基づき、印加電圧の経時変化と電着塗料の予測塗膜量を求める塗膜厚み予測方法である。

0016

上述の電流密度を印加電圧で除した値を前記電圧・時間積分値に乗じて得られた値の単位は、単位面積当たりのクーロン量の単位と同じである。従って、この乗じて得られた値と塗膜量との関係を求めることができ、その結果、印加電圧の経時変化と予測塗膜量との関係を得ることができる。従って、上述同様、上記予備試験により求められた印加電圧の経時変化と予測塗膜量との関係を用いて、実際の被塗物への電着塗装時の印加電圧を調整して、所望の塗膜量を得ることができる。

0017

(3)上記(1)又は(2)に記載の塗膜厚み予測方法において、前記印加電圧の経時変化と電着塗料の予測塗膜量との関係は、電着塗料毎に求められる。

0018

電着塗料種が異なる場合、電着塗装時の塗膜析出量も異なることから、予め実際に被塗物に電着塗装する際に用いる電着塗料毎に、印加電圧の経時変化と予測塗膜量との関係を求めておくことが好ましい。これにより、実際の電着塗装時における被塗物の塗膜量をより正確に予測することができる。

0019

また、本発明の電着塗装における塗膜厚み予測装置は、以下の特徴を有する。

0020

(1)電着塗料が収容された電着槽と、前記電着槽内に配置された電極と、前記電着槽に浸漬された試験用被塗物と、前記電極と前記試験用被塗物との間に電圧を印加する電源と、前記電源の印加電圧を検出する電圧計と、前記試験用被塗物に配置され電着塗装時の電流密度を測定する電流密度計と、電圧印加時間を測定するタイマーと、電圧印加時間における印加電圧と電流密度との経時変化の関係を記憶する第1の記憶装置と、電着塗装時の前記試験用被塗物における単位面積当たりのクーロン量を測定するクーロン量測定器と、前記試験用被塗物における前記単位面積当たりの塗膜量を測定する塗膜量測定器と、前記単位面積当たりのクーロン量と塗膜量との関係を記憶する第2の記憶装置と、前記第1の記憶装置に記憶されている電流密度の経時変化と前記第2の記憶装置に記憶されている単位面積当たりのクーロン量との相関に基づき、印加電圧の経時変化から前記電着塗料の予測塗膜量を算出する演算装置と、を有する塗膜厚み予測装置である。

0021

上述の構成により、試験用被塗物における印加電圧の経時変化から予測塗膜量が演算できるため、実際の被塗物への電着塗装における印加電圧を調整することにより、所望の塗膜量を得ることができ、更に緻密な塗膜量の管理を行うことができる。

0022

(2)上記(1)に記載の塗膜厚み予測装置において、前記演算装置は、前記電流密度を印加電圧で除した値に対する前記印加電圧と印加時間を乗じた電圧・時間積分値の関係を求める第1の演算装置と、前記電流密度を印加電圧で除した値を前記電圧・時間積分値に乗じて得られた値と前記第2の記憶装置に記憶されている単位面積当たりのクーロン量との相関に基づき、印加電圧の経時変化と電着塗料の予測塗膜量との関係を求める第2の演算装置と、を有する。

0023

上述したように、電流密度を印加電圧で除した値を前記電圧・時間積分値に乗じて得られた値の単位は、単位面積当たりのクーロン量の単位と同じである。従って、この乗じて得られた値と塗膜量との関係を求めることができ、その結果、印加電圧の経時変化と予測塗膜量との関係を第2の演算装置により求めることができる。従って、上記演算装置により得られた印加電圧の経時変化と予測塗膜量との関係を用いて、実際の被塗物への電着塗装時の印加電圧を調整して、所望の塗膜量を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、本発明の好適な実施形態を説明する。

0025

図1には、本実施の形態の電着塗装における塗膜厚みの予測装置の構成の一例が示されている。

0026

塗膜厚みの予測装置10の電着槽12内には、電着塗料14が収容され、電着塗料14に浸漬するように、電極16と試験用被塗物18とが配置されている。そして、電極16と試験用被塗物18との間に電圧を印加する電源22が設けられ、更に電源22から印加される電圧を測定する電圧計24が、電極16と試験用被塗物18と電源22とからなる回路内に配置されている。また、試験用被塗物18には、試験用被塗物18に流れる電流の電流密度を測定する電流密度計20が装着されている。

0027

また、電着塗装がアニオン型電着である場合には、試験用被塗物18は陽極として、一方カチオン型である場合には、試験用被塗物18は陰極として通電させる。これにより、試験用被塗物18に塗膜30が析出形成される。

0028

更に、上述の塗膜厚み予測装置10において、電流密時計20に替えクーロン量測定器を装着して、電着予備試験を行うことによって、単位面積当たりのクーロン量をクーロン量測定器で測定するとともに、そのときの析出する塗膜の塗膜量を塗膜量測定器により測定する。なお、本実施の形態では、電着塗料において塗膜量と塗膜厚みとは相関関係があることから、塗膜量を例に取って以下説明する。

0029

更に詳説すると、図2に示すように、本実施の形態の装置において、電流密時計20と電圧計24と電圧印加時間を測定するタイマー26とからの出力は、第1の記憶装置34に送られ、第1の記憶装置34は、電圧印加時間における印加電圧と電流密度との経時変化とを関連づけて記憶する。また、上述したクーロン量測定器28と塗膜量測定器32とからの出力は、第2の記憶装置36に送信され、第2の記憶装置36は、単位面積当たりのクローン量と塗膜量とを関連付けて記憶する。更に、第1の記憶装置34に記憶された電圧印加時間における印加電圧と電流密度との経時変化の情報は、演算装置40内の第1の演算装置42に出力され、第1の演算装置42は、上記情報に基づき、電流密度を印加電圧で除した値(以下「塗膜電気抵抗値逆数」という)と、印加電圧に印加時間を乗じた電圧・時間積分値とを求め、両者の関係を求める。また、第2の演算装置44は、第1の演算装置42から出力される塗膜電気抵抗値の逆数と電圧・時間積分値とを乗じた値が、第2の記憶装置36に記憶されている単位面クーロン量と相関性を有することから、その相関性に基づき、印加電圧の経時変化と塗膜量との関係を求める。

0030

これにより、実測可能な印加電圧に基づいて、被塗物に対する塗膜量を予測することができる。

0031

更に、電着塗料により電着塗装時の塗膜析出度合いが異なるため、電着塗装を行う電着塗料毎に、上記装置により印加電圧の経時変化と予想塗膜量との関係を求めておくのが好ましい。また、被塗物の材質によって電着塗装時の塗膜析出度合いが異なるため、実際に電着塗装を行う被塗物と同一の材質の試験用被塗物を用いて予備電着塗装試験を行うことが好ましい。

0032

次に、本実施の形態の電着塗装における塗膜厚みの予想方法について、図1図5を用いて説明する。なお、図3図5において、矢印方向に向かってグラフの軸の値は大きくなっている。

0033

まず、図1の装置10を用いて、図3に示すように、電圧計24で計測しながら、一定電圧における電流密度の経時変化を電流密度計20により測定し、更に上記タイマー26を用いて印加時間を計測して、複数電圧における電流密度の経時変化を測定しておく。ここで、図3において、例えばA電圧は250V、B電圧は100V、C電圧は50Vの順で電圧が低くなっている。また、電着塗装では、塗料粒子の析出と同時に水素ガス(カチオン型電着の場合)又は酸素ガス(アニオン型電着の場合)が発生するため、電圧印加初期では、塗膜内にこれらのガス流通路点在しており、電流が流れやすい。従って、図3のように、電圧が高いほど初期の電流密度は高い。一方、電着塗料の析出が促進されるにしたがって、塗膜厚みが増大するとともに、ガスの流通路内への析出も促進されるため、ガスの流通路の径が小さくなる。その結果、ガスの放出が困難になり、電極反応阻害され塗膜電気抵抗が増大することによって、ジュール熱により析出塗膜中の電着塗料が融合し流通路を塞ぐため、連続膜を形成するができる。このように、電圧印加時間が経過するにしたがって、電極反応が阻害されるため、図3に示すように、電流密度が低くなっていく。

0034

次に、図3に示す複数の電圧における電流密度の経時変化に基づき、図4に示すように、[電流密度/印加電圧](すなわち、塗膜電気抵抗値の逆数)に対する[電圧・時間積分値]との関係を求める。この関係は、電着塗料固有マスターカーブとして表される。通常、電着塗装の予備試験では、例えば被塗物140cm2の一枚板を試験用被塗物として用いるため、本実施の形態では、電流密度の単位を[A/mm2]と表すこととする。また、電圧の単位は[V]、印加時間は、秒[s]で表すこととする。

0035

従って、図4に示す[電流密度/印加電圧]の単位は「A/mm2・V」となり、[電圧・時間積分値]の単位は「V・s」となる。この[電流密度/印加電圧]の値に[電圧・時間積分値]を乗ずると、その単位は「A・s/mm2」となる。一方、「A・s」が「C」(クーロン)であることから、上記「A・s/mm2」の単位は、後述する[単位面積当たりのクーロン量]の単位「C/mm2」に相当する。

0036

更に、図1の装置10の電流密度計20に替えてクーロン量測定器28を用いて、更に塗膜量を塗膜量測定器32により計測して、図5に示すような[単位面積当たりのクーロン量]と[塗膜量]との関係を求めておく。

0037

そして、上述した[電流密度/印加電圧]に[電圧・時間積分値]を乗じた値と、[単位面積当たりのクーロン量]との相関に基づき、図4,5より、[電流密度/印加電圧]に[電圧・時間積分値]を乗じた値と[塗膜量](単位:mg)との関係が求められ、この関係に基づき、所望の塗膜量に対して、図4に示すマスターカーブ上のいくつかの点が選択される。この選択されたいくつかの点に対して印加する電圧値を決めることによって、図3のグラフに基づき、電圧印加時間を求めることができる。これらより、電着塗装における印加電圧の経時変化と塗膜量との関係を求めることができる。

0038

このように、本実施の形態の塗膜厚みの予測方法によれば、実測可能な印加電圧に基づいて、塗膜量を予測し、実際の被塗物への塗膜量を緻密に制御することができる。

発明の効果

0039

以上の通り、本発明の塗膜厚み予測装置及び予測方法によれば、実測可能な印加電圧を用いて、試験用被塗物により予め電着塗装時の印加電圧の経時変化と塗膜量との関係を求めているので、実際の被塗物に対する電着塗装時の印加させる電圧における塗膜量を予測することができる。これにより、より精度の高い塗膜量、すなわち塗膜厚みの制御を行うことができる。

図面の簡単な説明

0040

図1本発明の電着塗装における塗膜厚み予測装置の構造の概略を示す模式図である。
図2本発明における塗膜厚み予測装置の処理回路概略構成図である。
図3電着塗装において印加電圧一定条件下での電圧印加時間と電流密度との関係を示す図である。
図4電圧・時間積分値と電流密度/印加電圧との関係を示す図である。
図5電着塗装時の単位面積当たりのクーロン量と塗膜量との関係を示す図である。

--

0041

10塗膜厚みの予測装置、12電着槽、14電着塗料、16電極、18試験用被塗物、20電流密度計、22電源、24電圧計、26タイマー、28クーロン量測定器、30塗膜、32 塗膜量測定器、34 第1の記憶装置、36 第2の記憶装置、40演算装置、42 第1の演算装置、44 第2の演算装置。

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