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技術 動力伝達装置

出願人 株式会社SUBARU
発明者 小沢勝久
出願日 2001年7月4日 (19年6ヶ月経過) 出願番号 2001-203924
公開日 2003年1月15日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2003-011685
状態 未査定
技術分野 動力伝達装置の配置~駆動
主要キーワード トランスファー機構 内側ディスク リヤリング 外側ディスク 車体寸法 ポンプ側ケース フロントリング 後輪回転数センサ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

解決手段

リヤドライブシャフト15の振動を検出する加速度センサGと油圧コントロールユニットCUとを設け、加速度センサGからの信号に基づいてタイトコーナーブレーキング現象を検知したときに、トランスファー機構40の締結力解除する方向に制御する。

概要

背景

四輪駆動車に適用される動力伝達装置は、変速機出力軸の回転を前輪に伝達する前輪駆動系後輪に伝達する後輪駆動系とを有している。

たとえば、特開2000-335272号公報に示す場合では、エンジン出力トルク直接伝達される前輪駆動系と、この前輪駆動系とプロペラシャフトで接続された後輪駆動系とを有している。

このような動力伝達装置には、変速機の出力軸の出力トルクを前輪と後輪とに分配するためのトランスファー機構が設けられている。このトランスファー機構は前輪駆動系と後輪駆動系との間に設けられており、内部に設けられた摩擦材締結力を増加させることにより、通常状態では前輪駆動系のみに伝達される出力トルクを後輪駆動系に分配するようにしている。また、この摩擦材の締結力は油圧コントロールユニットにより制御されるようになっており、この締結力を変化させることにより、前輪と後輪とに分配される出力トルクの配分比を車両の運転状態に応じて変化させ、旋回性能等の車両走行性能を向上することができるようになっている。

一方、車両が旋回する場合には、回転半径の差によって、操舵輪となる前輪が後輪より速く回転する必要がある。したがって、車両が、トランスファー機構の締結力が大きい状態つまり前輪駆動系と後輪駆動系との締結力が大きい状態で旋回半径が小さい旋回を行うと、この動力伝達装置は前後輪の回転数差を吸収することができず、前輪にブレーキがかかったようになるいわゆるタイトコーナーブレーキング現象が発生することになる。タイトコーナーブレーキング現象が発生すると、運転者に違和感を与えるばかりでなく、前輪が滑ることにより、前後輪の回転差を吸収しようと捻れたプロペラシャフトがその捻れを解放されることにより振動を発生させることになる。また、前後輪の回転差はトランスファー機構の摩擦材にシャダー現象を引き起こすことになる。

そのため、このような動力伝達装置には、アクセル開度車速、前後輪の回転差を検出するためのセンサが設けられており、これらのセンサにより車両の運転状態がタイトコーナーブレーキング現象が発生し得る状態となったと判断したときには、トランスファー機構の締結力を前輪と後輪の回転差を吸収することができる程度にまで低減するようにしている。

概要

動力伝達装置のタイトコーナーブレーキング現象防止機能の精度を向上することである。

リヤドライブシャフト15の振動を検出する加速度センサGと油圧コントロールユニットCUとを設け、加速度センサGからの信号に基づいてタイトコーナーブレーキング現象を検知したときに、トランスファー機構40の締結力を解除する方向に制御する。

目的

本発明の目的は、動力伝達装置のタイトコーナーブレーキング現象防止機能の精度を向上することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
5件

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請求項1

原動機の回転が入力される入力軸の回転を出力軸変速して出力する変速機と、前記出力軸に連結される前輪駆動軸を有し、前記出力軸の回転を前輪に伝達する前輪駆動系と、前記出力軸に連結される後輪駆動軸および前記後輪駆動軸に連結されるリヤデファレンシャル機構を備え、前記出力軸の回転を後輪に伝達する後輪駆動系と、前記前輪駆動系と前記後輪駆動系との間に配置され、前記前輪と前記後輪に分配される出力トルク配分比を変えるトランスファー機構と、前記後輪駆動系の振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段からの信号に基づいて、前記出力トルクの配分比を制御する制御手段とを有することを特徴とする動力伝達装置

請求項2

請求項1記載の動力伝達装置において、前記振動検出手段は前記リヤデファレンシャル機構または前記後輪駆動軸の振動を検出することを特徴とする動力伝達装置。

請求項3

請求項1記載の動力伝達装置において、前記振動検出手段は前記後輪駆動軸と前記リヤデファレンシャル機構との間に配置されたプロペラシャフトの振動を検出することを特徴とする動力伝達装置。

技術分野

0001

本発明は原動機駆動力前輪後輪に伝達するようにした四輪駆動車に適用する動力伝達装置に関する。

背景技術

0002

四輪駆動車に適用される動力伝達装置は、変速機出力軸の回転を前輪に伝達する前輪駆動系と後輪に伝達する後輪駆動系とを有している。

0003

たとえば、特開2000-335272号公報に示す場合では、エンジン出力トルク直接伝達される前輪駆動系と、この前輪駆動系とプロペラシャフトで接続された後輪駆動系とを有している。

0004

このような動力伝達装置には、変速機の出力軸の出力トルクを前輪と後輪とに分配するためのトランスファー機構が設けられている。このトランスファー機構は前輪駆動系と後輪駆動系との間に設けられており、内部に設けられた摩擦材締結力を増加させることにより、通常状態では前輪駆動系のみに伝達される出力トルクを後輪駆動系に分配するようにしている。また、この摩擦材の締結力は油圧コントロールユニットにより制御されるようになっており、この締結力を変化させることにより、前輪と後輪とに分配される出力トルクの配分比を車両の運転状態に応じて変化させ、旋回性能等の車両走行性能を向上することができるようになっている。

0005

一方、車両が旋回する場合には、回転半径の差によって、操舵輪となる前輪が後輪より速く回転する必要がある。したがって、車両が、トランスファー機構の締結力が大きい状態つまり前輪駆動系と後輪駆動系との締結力が大きい状態で旋回半径が小さい旋回を行うと、この動力伝達装置は前後輪の回転数差を吸収することができず、前輪にブレーキがかかったようになるいわゆるタイトコーナーブレーキング現象が発生することになる。タイトコーナーブレーキング現象が発生すると、運転者に違和感を与えるばかりでなく、前輪が滑ることにより、前後輪の回転差を吸収しようと捻れたプロペラシャフトがその捻れを解放されることにより振動を発生させることになる。また、前後輪の回転差はトランスファー機構の摩擦材にシャダー現象を引き起こすことになる。

0006

そのため、このような動力伝達装置には、アクセル開度車速、前後輪の回転差を検出するためのセンサが設けられており、これらのセンサにより車両の運転状態がタイトコーナーブレーキング現象が発生し得る状態となったと判断したときには、トランスファー機構の締結力を前輪と後輪の回転差を吸収することができる程度にまで低減するようにしている。

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、前述のセンサを用いた場合では、トランスファー機構の摩擦材の滑り特性車体寸法、もしくはタイヤの状態やトランスファー機構を制御する油圧のばらつきなどの要因により、タイトコーナーブレーキング現象の発生を精度良く推定することが困難であった。そのため、タイトコーナーブレーキング現象を精度良く解消するためのトランスファー機構の制御が困難となっていた。

0008

本発明の目的は、動力伝達装置のタイトコーナーブレーキング現象防止機能の精度を向上することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の動力伝達装置は、原動機の回転が入力される入力軸の回転を出力軸に変速して出力する変速機と、前記出力軸に連結される前輪駆動軸を有し、前記出力軸の回転を前輪に伝達する前輪駆動系と、前記出力軸に連結される後輪駆動軸および前記後輪駆動軸に連結されるリヤデファレンシャル機構を備え、前記出力軸の回転を後輪に伝達する後輪駆動系と、前記前輪駆動系と前記後輪駆動系との間に配置され、前記前輪と前記後輪に分配される出力トルクの配分比を変えるトランスファー機構と、前記後輪駆動系の振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段からの信号に基づいて、前記出力トルクの配分比を制御する制御手段とを有することを特徴とする。

0010

本発明の動力伝達装置は、前記振動検出手段は前記リヤデファレンシャル機構または前記後輪駆動軸の振動を検出することを特徴とする。

0011

本発明の動力伝達装置は、前記振動検出手段は前記後輪駆動軸と前記リヤデファレンシャル機構との間に配置されたプロペラシャフトの振動を検出することを特徴とする。

0012

本発明にあっては、後輪駆動系の振動を検出する振動検出手段と、前輪と後輪に出力トルクを分配するトランスファー機構を制御する制御手段とを設け、振動検出手段からの信号に基づいてトランスファー機構のトルク配分比を制御するようにしたので、トランスファー機構の制御の際にトランスファー機構の摩擦材の滑り特性や車体寸法、もしくはタイヤの状態やトランスファー機構を制御する油圧のばらつきなどの影響を受けることがなく、動力伝達装置のタイトコーナーブレーキング現象防止機能の精度を向上することができる。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

0014

図1は本発明の一実施の形態である動力伝達装置の概略を示すスケルトン図であり、図2は、図1に示す動力伝達装置の要部を示す断面図である。また、図3は、図1に示す動力伝達装置の制御体系を示すブロック図である。

0015

図1に示すように、この動力伝達装置1は自動変速機2を有している。この自動変速機2は車両に搭載される原動機としての図示しないエンジンに取り付けられており、そのトランスミッションケース3の内部にトルクコンバータ20と変速機部30とを有している。

0016

トルクコンバータ20は、エンジンのクランク軸4に固定されたフロントカバー21と、このフロントカバー21に連結されたポンプ側ケース22とを有し、ポンプ側ケース22内に設けられたポンプインペラ23に対向して配置されたタービンランナー24は入力軸5に直結されている。また、ポンプ側ケース22には油圧ポンプシャフト6が取り付けられており、油圧ポンプ7を回転駆動するようになっている。ポンプインペラ23とタービンランナー24との間には、ワンウェイクラッチ25により支持されたステータ26が配置されている。

0017

タービンランナー24には、フロントカバー21に係合するロックアップクラッチ27が取り付けられており、このロックアップクラッチ27をフロントカバー21に係合させることにより、クランク軸4と入力軸5とを直結状態とすることができるようになっている。

0018

変速機としての変速機部30は、トルクコンバータ20を介してエンジンの回転が入力される入力軸5の回転を1速から4速までもしくは後進段に自動的に変速して出力軸8へ伝達する構造となっている。

0019

この入力軸5にはハイクラッチドラム31が固定されており、このハイクラッチドラム31の内側にはハイクラッチハブ32が配置されている。また、ハイクラッチドラム31とハイクラッチハブ32との間にはハイクラッチHCが設けられている。

0020

ハイクラッチハブ32にはフロントプラネタリギヤPFが回転自在に取り付けられており、このフロントプラネタリギヤPFに噛み合うフロントサンギヤSFにはブレーキハブ33が固定されている。このブレーキハブ33とハイクラッチドラム31との間にはリバースクラッチReCが設けられており、さらにこのブレーキハブ33とトランスミッションケース3との間には2アンド4ブレーキ2,4Bが設けられている。

0021

フロントプラネタリギヤPFにはロークラッチドラム34が取り付けられており、ロークラッチドラム34に対してフロントプラネタリギヤPFは回転自在となっている。さらに、ロークラッチドラム34にはローアンドリバースブレーキハブ35が取り付けられており、ローアンドリバースブレーキハブ35はその内側に設けられたローワンウェイクラッチ36によりトランスミッションケース3に対して回転自在に支持されている。さらに、ローアンドリバースブレーキハブ35とトランスミッションケース3との間にはローアンドリバースブレーキLRBが設けられている。

0022

フロントリングギヤRFは出力軸8と一体に回転するように連結されており、フロントリングギヤRFと出力軸8との間には、リヤプラネタリギヤPRが回転自在に取り付けられている。

0023

リヤプラネタリギヤPRと噛み合うリヤサンギヤSRは入力軸5と一体に回転するように連結されており、また、リヤプラネタリギヤPRと噛み合うリヤリングギヤRRとロークラッチドラム34との間にはロークラッチLCが設けられている。

0024

変速機部30におけるそれぞれのクラッチおよびブレーキは、クラッチハブなどの内側の部材に軸方向に僅かに移動自在に装着された環状の複数の内側ディスクと、クラッチドラムやトランスミッションケース3などの外側の部材に軸方向に僅かに移動自在に装着された環状の複数の外側ディスクとを有している。これらの内側ディスクと外側ディスクとを締め付け密着させることにより摩擦係合させると、内側の部材と外側の部材とが連結された状態となる。一方、締め付け力解除すると、係合状態開放されて両方の部材の連結が断たれた状態となる。摩擦係合要素であるディスクに対して締め付け力を加えた状態と締め付け力を解除した状態との設定は、それぞれのクラッチおよびブレーキに設けられている油圧ピストンによって行われるようになっている。それぞれの油圧ピストンの作動は、クランク軸4に駆動される油圧ポンプ7により発生する油圧を制御装置としての油圧コントロールユニットCUを介して供給することにより行われるようになっている。

0025

出力軸8には、この出力軸8の回転を前輪9a,9bに伝達するための前輪駆動系FDが設けられている。以下にこの前輪駆動系FDの構成を示す。

0026

出力軸8には、この出力軸8に固定されたリダクションドライブギヤ10とこのリダクションドライブギヤ10に噛み合うリダクションドリブンギヤ11とを介して前輪駆動軸としてのドライブピニオンシャフト12が連結されており、出力軸8の回転がドライブピニオンシャフト12に伝達されるようになっている。ドライブピニオンシャフト12は出力軸8と平行にトランスミッションケース3内に設けられており、その先端はフロントデファレンシャル機構13と接続されている。また、このフロントデファレンシャル機構13には前輪9a,9bが連結されている。これらの部材により前輪駆動系FDが構成されて、出力軸8の回転がそれぞれの前輪9a,9bに伝達されるようになっている。

0027

また、出力軸8には、この出力軸8の回転を後輪14a,14bに伝達するための後輪駆動系RDが設けられている。以下にこの後輪駆動系RDの構成を示す。

0028

出力軸8の図中右側には後輪駆動軸としてのリヤドライブシャフト15が連結されており、このリヤドライブシャフト15の図中右側に位置する端部はトランスミッションケース3から突出している。このリヤドライブシャフト15には、ぞれぞれ継手部材16a,16bとにより接続されるプロペラシャフト17を介してリヤデファレンシャル機構18が連結されている。また、リヤデファレンシャル機構18には後輪14a,14bが連結されている。これらの部材により後輪駆動系RDが構成されて、出力軸8の回転がそれぞれの後輪14a,14bに伝達されるようになっている。

0029

また、前輪駆動系FDと後輪駆動系RDとの間には、出力軸8とリヤドライブシャフト15との間に位置してトランスファー機構40が設けられている。

0030

トランスファー機構40は、出力軸8に固定されたトランスファクラッチハブ41とリヤドライブシャフト15に固定されたトランスファクラッチドラム42との間にトランスファクラッチTCを設けた構造となっており、変速機部30の図中右側に位置してトランスミッションケース3内に設けられている。

0031

このトランスファー機構40は、トランスファクラッチTCの締結力を変化させることにより、出力軸8に伝達されたエンジンの出力トルクを、リダクションドライブギヤ10とリダクションドリブンギヤ11とを介してドライブピニオンシャフト12に向かう方向と、トランスファクラッチハブ41とトランスファクラッチTCおよびトランスファクラッチドラム42とを介してリヤドライブシャフト15に向かう方向とに分配するようになっている。つまり、トランスファクラッチTCの締結力を変化させることにより、前輪9a,9bと後輪14a,14bとに分配されるエンジンの出力トルクの配分比を100:0から50:50の間で変化させることができるようになっている。たとえば、トランスファクラッチTCを締結状態とすると、前輪9a,9bと後輪14a,14bとが直結状態つまりエンジンの出力トルクの配分比が50:50の4輪駆動状態となり、開放状態とするとエンジンの出力トルクの配分比が100:0、つまり前輪駆動の状態となる。

0032

図示しないアクセルペダルにはアクセル開度センサが設けられており、また、トランスミッションケース3には、車速および前輪回転数を検出する前輪回転数センサFSと、後輪回転数を検出する後輪回転数センサRSとが設けられている。

0033

さらに、この動力伝達装置1には、リヤドライブシャフト15の振動を検出する振動検出手段としての加速度センサGが設けられている。この加速度センサGは、リヤドライブシャフト15の外側に位置するトランスミッションケース3の後端部3aに取り付けられている。なお、本実施の形態においては、加速度センサGはリヤドライブシャフト15の振動を検出するためにトランスミッションケース3の後端部3aに取り付けられているがこれに限らず、図1破線で示すように加速度センサGをリヤデファレンシャル機構18に固定して、リヤデファレンシャル機構18の振動を検出したり、加速度センサGに換えてたとえば光学式回転センサ磁気センサなどを用いてプロペラシャフト17の回転数を検出し、この回転数の変化からプロペラシャフト17の振動を検出するなど、後輪駆動系RDの振動を検出できれば、いずれの位置や方法であってもよい。

0034

図3に示すように、これらのセンサの信号は油圧コントロールユニットCUに入力されるようになっており、これらの信号から判断される車両の走行状態に応じて前輪9a,9bと後輪14a,14bとに分配されるエンジンの出力トルクの配分比が油圧コントロールユニットCUによって制御されるようになっている。また、この油圧コントロールユニットCUには、車両がタイトコーナーブレーキング現象を生じたときにリヤドライブシャフト15に生じる振動の振幅および周波数が予め格納されており、これらの格納情報と加速度センサGからの入力とを比較できるようになっている。なお、本実施の形態においては、車速および前輪回転数を検出する前輪回転数センサFSと、後輪回転数を検出する後輪回転数センサRSに加えて加速度センサGを設け、これらのセンサからの信号に応じてトランスファー機構40の締結力を制御するようにしているがこれに限らず、加速度センサGが設けられていれば他のセンサは省略してもよい。

0035

次にこのような構造を持つ動力伝達装置1の作動について説明する。

0036

図示しないエンジンの回転がクランク軸4を介してトルクコンバータ20に入力されると、このエンジンの回転は入力軸5を介して変速機部30に入力される。

0037

エンジンの回転が入力された変速機部30は、それぞれのクラッチおよびブレーキを所定のパターンに従って作動させることにより、このエンジンの回転を変速して出力軸8に伝達する。たとえば、第1速に変速する際には、ロークラッチLCとローアンドリバースブレーキLRBがオンに設定され、入力軸5の回転はリヤサンギヤSRからリヤプラネタリギヤPRに伝達される。このとき、リヤリングギヤRRはロークラッチLCとローアンドリバースブレーキLRBにより回転を規制されているので、リヤプラネタリギヤPRはリヤサンギヤSRの周囲を回転し、出力軸8を回転させる。第1速の場合と同様に、油圧コントロールユニットCUによりそれぞれのクラッチとブレーキとを作動させることにより、走行状態に応じて前進4速と後進段との変速制御が自動的に行われる。

0038

そして、出力軸8に伝達されたエンジンの出力トルクは、油圧コントロールユニットCUにより制御されるトランスファー機構40により、前輪9a,9bと後輪14a,14bとに分配されることになる。このようにして、エンジンの出力トルクを前輪9a,9bと後輪14a,14bとに伝達することにより車両が走行することになる。

0039

このような動力伝達装置1を有する車両がタイトコーナーブレーキング現象を発生すると、プロペラシャフト17が振動を発生することになる。この振動は、プロペラシャフト17から継手部材16aを介してリヤドライブシャフト15に伝達され、このリヤドライブシャフト15を振動させることになる。この振動が加速度センサGにより検出され油圧コントロールユニットCUに入力されると、油圧コントロールユニットCUは、この入力と予め格納された振幅および周波数とを比較することになる。そして、加速度センサGからの信号と予め格納された振幅および周波数とが一致した場合には、この振動がタイトコーナーブレーキング現象により生じたものと判断して、トランスファー機構40の締結力を解除する方向に制御することになる。このような制御を行うことにより、前輪9a,9bと後輪14a,14bとに分配されるエンジンの出力トルクの配分比が前輪9a,9b側に偏り、つまり、前輪駆動系FDと後輪駆動系RDとの締結力が低減されて、前輪9a,9bと後輪14a,14bとの回転差がトランスファー機構40により吸収されることになる。したがって、車両のタイトコーナーブレーキング現象は防止されることになり、運転者に与える違和感やプロペラシャフト17の振動、また、トランスファー機構40のトランスファクラッチTCに生じるシャダー現象を防止することができる。

0040

このように、リヤドライブシャフト15の振動を検出する加速度センサGと油圧コントロールユニットCUとを設け、加速度センサGからの信号に基づいてタイトコーナーブレーキング現象が発生したと判断したときに、トランスファー機構40の締結力を解除する方向に制御するようにしたので、トランスファー機構40の制御の際に、トランスファクラッチTCの滑り特性や車体寸法、もしくはタイヤの状態やトランスファー機構40を制御する油圧のばらつきなどの影響を受けることがなく、この動力伝達装置1を有する車両のタイトコーナーブレーキング現象やトランスファクラッチTCに生じるシャダー現象の防止機能の精度を向上することができる。また、このような構造としたことにより、プロペラシャフト17を有する動力伝達装置であればいずれのものにも適用することができる。

0041

また、タイトコーナーブレーキング現象やトランスファクラッチTCに生じるシャダー現象の防止機能の精度が向上したことにより、車両の運転状態に対するトランスファー機構40の締結力を全体的に高めに設定することができるため、雪道等の低ミュー路での発進性能を向上することができる。

0042

さらに、加速度センサGと油圧コントロールユニットCUのみを用いてタイトコーナーブレーキング現象の防止機能を構成することができるので、この動力伝達装置1を簡素化してコストを低減することができる。

0043

本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、この動力伝達装置が自動変速機2を有するものとなっているがこれに限らず、手動変速機など他の変速機を有するものとしてもよい。

発明の効果

0044

本発明によれば、後輪駆動系の振動を検出する振動検出手段と、前輪と後輪に出力トルクを分配するトランスファー機構を制御する制御手段とを設け、振動検出手段からの信号に基づいてトランスファー機構のトルク配分比を制御するようにしたので、トランスファー機構の制御の際にトランスファー機構の摩擦材の滑り特性や車体寸法、もしくはタイヤの状態やトランスファー機構を制御する油圧のばらつきなどの影響を受けることがなく、動力伝達装置のタイトコーナーブレーキング現象防止機能の精度を向上することができる。

0045

また、タイトコーナーブレーキング現象の防止機能の精度が向上したことにより、車両の運転状態に対するトランスファー機構の締結力を全体的に高めに設定することができるため、雪道等の低ミュー路での発進性能を向上することができる。

0046

さらに、タイトコーナーブレーキング現象防止機能を振動検出手段と制御手段とで行うことができるので、この動力伝達装置のシステムを簡素化してコストを低減することができる。

図面の簡単な説明

0047

図1本発明の一実施の形態である動力伝達装置の概略を示すスケルトン図である。
図2図1に示す動力伝達装置の要部を示す断面図である。
図3図1に示す動力伝達装置の制御体系を示すブロック図である。

--

0048

1動力伝達装置
2自動変速機
3トランスミッションケース
4クランク軸
5入力軸
8出力軸
9a,9b前輪
14a,14b後輪
15リヤドライブシャフト
17プロペラシャフト
18リヤデファレンシャル機構
20トルクコンバータ
30変速機部
40トランスファー機構
CU油圧コントロールユニット
FD前輪駆動系
RD後輪駆動系
G 加速度センサ

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