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技術 電磁波解析装置および電磁波解析プログラム

出願人 富士通株式会社
発明者 並木武文
出願日 2001年6月26日 (20年3ヶ月経過) 出願番号 2001-193224
公開日 2003年1月10日 (18年9ヶ月経過) 公開番号 2003-006181
状態 特許登録済
技術分野 CAD その他の電気量の測定 特定用途計算機 複合演算
主要キーワード 配置地点 テーラー級数 計算時刻 励振条件 壁境界 座標軸毎 差分近似 解析終了時刻
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年1月10日)のものです。
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図面 (15)

課題

不均一セルを用いた電磁波解析誤差を低減させる。

解決手段

セルサイズ判断手段2は、解析領域1に設定された各計算位置P1,P2に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断する。第1の計算手段3は、セルサイズ判断手段2において周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置P1における電磁界を、第1の計算手法で計算する。第2の計算手段4は、セルサイズ判断手段2において周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置P2における電磁界を、第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算する。出力手段5は、第1の計算手段と第2の計算手段とにより計算された各計算位置における電磁界の値を出力する。

概要

背景

電磁波の過渡的な挙動を、電子計算機を使った数値計算によって解析する方法の一つに時間領域差分法(Finite-Difference Time-Domain Method、以下FDTD法という)がある。この手法は、マックスウェル方程式を時間と空間について差分法解く方法であり、適用範囲が広いこと、計算精度や計算効率が良好であることなどから、今日幅広く利用されている。FDTD法については、「K.S.Yee, "Numerical solution of initial boundary value problems involving Maxwell's equations in isotropic media,"IEEE Trans.AP-14, pp.302-307, 1966.」や「A.Taflove, Computational Electrodynamics, MA, Artech House, 1995.」に詳しい。

FDTD法は、マックスウェル方程式の2つの回転の式を、時間tと空間(x−y−z空間)について差分法で解く方法である。以下に、マックスウェル方程式について説明する。なお、以下の式において、Exは電界のx軸方向の成分、Eyは電界のy軸方向の成分、Ezは電界のz軸方向の成分、Hxは磁界のx軸方向の成分、Hyは磁界のy軸方向の成分、Hzは磁界のz軸方向の成分、μは透磁率、εは誘電率、σは電気伝導率である。

次元(X軸方向に伝搬する電磁波)のマックスウェル方程式は、次の式で表される。

概要

不均一セルを用いた電磁波解析誤差を低減させる。

セルサイズ判断手段2は、解析領域1に設定された各計算位置P1,P2に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断する。第1の計算手段3は、セルサイズ判断手段2において周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置P1における電磁界を、第1の計算手法で計算する。第2の計算手段4は、セルサイズ判断手段2において周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置P2における電磁界を、第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算する。出力手段5は、第1の計算手段と第2の計算手段とにより計算された各計算位置における電磁界の値を出力する。

目的

本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、不均一セルを用いた電磁波解析の誤差を低減させた電磁波解析装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

解析領域を複数のセルに分割し、セル毎の電磁界過渡的な挙動数値計算する電磁波解析装置において、前記解析領域に設定された各計算位置に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断するセルサイズ判断手段と、前記セルサイズ判断手段において周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置における電磁界を、第1の計算手法で計算する第1の計算手段と、前記セルサイズ判断手段において周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置における電磁界を、前記第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算する第2の計算手段と、前記第1の計算手段と前記第2の計算手段とにより計算された前記各計算位置における電磁界の値を出力する出力手段と、を有することを特徴とする電磁波解析装置。

請求項2

前記第2の計算手段は、前記第2の計算手法として、陰的スキームを用いることを特徴とする請求項1記載の電磁波解析装置。

請求項3

前記第2の計算手段は、前記陰的スキームにより、周囲のセルのサイズが異なる計算位置の電磁界の偏微分係数を算出することを特徴とする請求項2記載の電磁波解析装置。

請求項4

前記第1の計算手段は、周囲のセルのサイズが同じである計算位置の電磁界の偏微分係数を計算し、前記第2の計算手段は、周囲のセルのサイズが異なる計算位置の周囲の電磁界の微分係数を前記第1の計算手段から取得し、前記第1の計算手段で計算された電磁界の微分係数を用いて、前記陰的スキームの解を求めることを特徴とする請求項3記載の電磁波解析装置。

請求項5

解析領域を複数のセルに分割し、セル毎の電磁界の過渡的な挙動を数値計算するための電磁波解析プログラムにおいて、コンピュータに、前記解析領域に設定された各計算位置に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断し、周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置における電磁界を、第1の計算手法で計算し、周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置における電磁界を、前記第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算し、前記第1の計算手段と前記第2の計算手段とにより計算された前記各計算位置における電磁界の値を出力する、処理を実行させることを特徴とする電磁波解析プログラム。

技術分野

0001

本発明はマックスウェル方程式を時間と空間について差分法解く電磁波解析装置および電磁波解析プログラムに関し、特に空間を不均一なサイズのセルに分割してマックスウェル方程式の解を求める電磁波解析装置および電磁波解析プログラムに関する。

背景技術

0002

電磁波の過渡的な挙動を、電子計算機を使った数値計算によって解析する方法の一つに時間領域差分法(Finite-Difference Time-Domain Method、以下FDTD法という)がある。この手法は、マックスウェル方程式を時間と空間について差分法で解く方法であり、適用範囲が広いこと、計算精度や計算効率が良好であることなどから、今日幅広く利用されている。FDTD法については、「K.S.Yee, "Numerical solution of initial boundary value problems involving Maxwell's equations in isotropic media,"IEEE Trans.AP-14, pp.302-307, 1966.」や「A.Taflove, Computational Electrodynamics, MA, Artech House, 1995.」に詳しい。

0003

FDTD法は、マックスウェル方程式の2つの回転の式を、時間tと空間(x−y−z空間)について差分法で解く方法である。以下に、マックスウェル方程式について説明する。なお、以下の式において、Exは電界のx軸方向の成分、Eyは電界のy軸方向の成分、Ezは電界のz軸方向の成分、Hxは磁界のx軸方向の成分、Hyは磁界のy軸方向の成分、Hzは磁界のz軸方向の成分、μは透磁率、εは誘電率、σは電気伝導率である。

0004

次元(X軸方向に伝搬する電磁波)のマックスウェル方程式は、次の式で表される。

0005

0006

0007

2次元(X軸、Y軸方向に伝搬する電磁波)のマックスウェル方程式は、TM波(Transverse Magnetic wave)については次の式で表される。

0008

0009

0010

0011

2次元(X軸、Y軸方向に伝搬する電磁波)のマックスウェル方程式は、TE波(Transverse Electric wave)については次の式で表される。

0012

0013

0014

0015

3次元のマックスウェル方程式は、次の式で表される。

0016

0017

0018

0019

0020

0021

0022

FDTD法では、通常、解析領域直方体のセル(差分格子)に分割することにより、空間的な離散化を行う。このとき、セルの大きさが小さいほど、電磁波の過渡的な挙動が急激に変わる領域においても、少ない誤差で計算することができる。

0023

ところが、空間を均一なセルで一様に分割した場合、しばしば多大なセル数を必要とし、計算時間や計算機メモリの増加を引き起こす。そこで、大きさの異なるセルを組み合わせて用いるいわゆる不均一なセルで解析領域を分割することにより、セル数を節約することがたびたび行われる。

発明が解決しようとする課題

0024

しかし、解析領域をサイズが不均一なセルで分割した場合、セルサイズが相異なる領域の境界(以下、セルサイズ境界という)において、誤差が増加することが知られている。

0025

すなわち、セルサイズ境界では、隣接するセルに基づいた差分近似の中心位置とセルサイズ境界の位置とがずれてしまう。この位置のずれに基づく差分近似の打ち切り誤差が、電磁波解析における誤差の増加を招いている。

0026

セルサイズが同一の領域では、差分近似の打ち切り誤差は2次のオーダであるが、セルサイズ境界における差分近似の打ち切り誤差は1次のオーダである。これは、解析対象よっては、計算制度を著しく低下させる要因となる。

0027

本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、不均一セルを用いた電磁波解析の誤差を低減させた電磁波解析装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0028

本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような電磁波解析装置が提供される。本発明に係る電磁波解析装置は、解析領域1を複数のセルに分割し、セル毎の電磁界の過渡的な挙動を数値計算するものである。

0029

本発明の電磁波解析装置は、セルサイズ判断手段2、第1の計算手段3、第2の計算手段4および出力手段5を有している。セルサイズ判断手段2は、解析領域1に設定された各計算位置P1,P2に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断する。第1の計算手段3は、セルサイズ判断手段2において周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置P1における電磁界を、第1の計算手法で計算する。第2の計算手段4は、セルサイズ判断手段2において周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置P2における電磁界を、第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算する。出力手段5は、第1の計算手段と第2の計算手段とにより計算された各計算位置における電磁界の値を出力する。

0030

このような電磁波解析装置によれば、サイズの同じセルサイズが均一な領域内の計算位置においては、セルサイズ判断手段2によって、周囲のセルのサイズが同一であると判断される。すると、その計算位置の電磁界は、第1の計算手段3により、第1の計算手法で計算される。一方、異なるサイズのセル同士の隣接する計算位置では、セルサイズ判断手段2によって、周囲のセルのサイズが異なると判断される。すると、その計算位置の電磁界は、第2の計算手段4により、第1の計算手法よりも誤差の少ない第2の計算手法で計算される。第1の計算手段3および第2の計算手段4で計算された電磁界の値は、出力手段5によって出力される。

発明を実施するための最良の形態

0031

以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の原理構成図である。本発明に係る電磁波解析装置は、電磁波の挙動を数値計算する場合に、マックスウェル方程式を時間と空間について差分法で解くものである。差分法では、解析領域1を複数のセルに分割し、セル毎の電磁界の過渡的な挙動を数値計算するものである。

0032

本発明の電磁波解析装置は、セルサイズ判断手段2、第1の計算手段3、第2の計算手段4および出力手段5を有している。セルサイズ判断手段2は、解析領域1に設定された各計算位置P1,P2に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断する。

0033

たとえば、セルサイズ判断手段2は、解析領域1に設定された座標軸毎に、隣接するセルの各軸方向の幅の同一性を判断する。すなわち、セルサイズ判断手段2は、ある軸方向に隣接するセル同士のその軸方向へのセルの幅が同じであれば、その軸方向への電磁波解析においては、周囲のセルのサイズが同一であるものと判断する。一方、セルサイズ判断手段2は、ある軸方向に隣接するセル同士のその軸方向へのセルの幅が異なれば、その軸方向への電磁波解析においては、周囲のセルのサイズが異なるものと判断する。

0034

第1の計算手段3は、セルサイズ判断手段2において周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置P1における電磁界を、第1の計算手法で計算する。たとえば、第1の計算手段3は、電界または磁界の偏微分係数を算出する際に、陰的スキーム(陰解法に基づいた計算手法)を用いず、既に算出されている磁界の値から算出する。

0035

第2の計算手段4は、セルサイズ判断手段2において周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置P2における電磁界を、第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算する。

0036

たとえば、第2の計算手段4は、周囲のセルのサイズが異なる計算位置の電磁界の偏微分係数を算出する際に、高次の陰的スキームを用いて算出する。このとき、第2の計算手段4は、周囲のセルのサイズが異なる計算位置の周囲の電磁界の微分係数を前記第1の計算手段3から取得し、第1の計算手段3で計算された電磁界の微分係数を用いて、陰的スキームの解を求める。

0037

出力手段5は、第1の計算手段3と第2の計算手段4とにより計算された各計算位置における電磁界の値を出力する。このような電磁波解析装置によれば、セルサイズが均一な領域内の計算位置においては、セルサイズ判断手段2によって、周囲のセルのサイズが同一であると判断される。すると、その計算位置の電磁界は、第1の計算手段3により、第1の計算手法で計算される。一方、異なるサイズのセル同士の隣接する計算位置では、セルサイズ判断手段2によって、周囲のセルのサイズが異なると判断される。すると、その計算位置の電磁界は、第2の計算手段4により、第1の計算手法よりも誤差の少ない第2の計算手法で計算される。第1の計算手段3および第2の計算手段4で計算された電磁界の値は、出力手段5によって出力される。

0038

このように、本発明では、セルの大きさが相異なる領域が存在する場合、セルの大きさが均一の領域における電磁界の計算式と、異なる大きさのセルの境界における電磁界の計算式とが異なる。セルの中心を磁場の計算位置とし、セル同士の境界を電界の計算位置とした場合、たとえば、以下の計算式で電磁界を求め出すことができる。

0039

ここでは、簡単のため1次元問題について考える。また、電気伝導率σは0とする。電磁波解析シミュレーションにおける時刻Δt(時間刻み幅)×n(nは0以上の整数)までの電磁界の過渡的変化が計算されているときに、時刻Δt×(n+1)までの電磁界を求めるときの計算式を以下に示す。

0040

なお、時刻Δt×nを単にnと表し、時刻Δt×(n+1)をn+1と表し、時刻Δt×(n+1/2)をn+1/2と表すものとする。各物理量の右上に、その物理量の計算時刻シミュレーション上の時刻)を示す。

0041

また、iは0以上の整数であり、i番目のセルの始点位置を示している。i+Δx(x軸方向の空間刻み幅:セルサイズ)は、i+1番目のセルの始点位置である。i+1/2は、i番目のセルの中心位置である。各物理量の右下に、その物理量の計算位置を示す。

0042

まず、時刻n+1/2における磁界は、

0043

0044

で算出される。式(15)における電界の偏微分係数は、

0045

0046

で算出される。また、時刻n+1の電界は、

0047

0048

で算出される。式(17)における磁界の偏微分係数は、セルサイズが均一な領域においては、

0049

0050

で算出される。式(18)の差分近似式の打ち切り誤差は2次のオーダである。打ち切り誤差の詳細は後述する。また、セルサイズ境界における偏微分係数は、

0051

0052

で算出される。なお、A、B、Cは、以下の通りである。

0053

0054

0055

0056

式(19)の差分近似式の打ち切り誤差は3次のオーダである。打ち切り誤差の詳細は後述する。なお、セルサイズ境界における偏微分係数を求める場合、始めにセルサイズ境界以外の場所における空間についての偏微分係数を式(16)および式(18)を用いて差分近似する。次にセルサイズ境界上における空間についての偏微分係数を式(19)を用いて差分近似する。

0057

なお、式(15)から式(22)に示した計算は、ある特定の軸方向(ここではx方向)に着目し、E(電界)がセルの端、H(磁界)がセルの中心に配置した場合に成立する。E(電界)がセルの中心、H(磁界)がセルの端に配置してある場合は、式(15)から式(22)の各式のEとHならびにεとμを入れ替えればよい。

0058

このように、本発明によれば、セルの大きさが相異なる領域の境界上における空間についての偏微分係数は、式(19)を用いて差分近似しているため、差分近似の打ち切り誤差は2次のオーダとなる。なお、それ以外の場所における空間についての偏微分係数を差分近似する場合には、従来と同様の式(16)および式(18)を用いるが、これは中心差分であることが保証されるので、差分近似の打ち切り誤差は常に2次のオーダとなる。

0059

これにより、打ち切り誤差の増加を防ぐことができる。すなわち、不均一セルを用いた電磁波解析全体としての計算精度が向上する。ここで、上記計算式の導出方法について説明する。

0060

FDTD法による差分近似を行う場合、関数f(x)について、次のテーラー級数を考える。

0061

0062

0063

式(23)から式(24)を減算し、f’について解くと、

0064

0065

となる。ここで、δは、クロネッカーデルタである。すなわち、(Δxi−Δxi-1)=0のときδ(Δxi−Δxi-1)=0であり、(Δxi−Δxi-1)≠0のときδ(Δxi−Δxi-1)=1である。O(Δxm)は、Δxに関してm次のオーダの項を表している。Δxは、十分小さな値(1未満)であるため、ある項の次数が高いほど、その項の値は小さな値となる。

0066

なお、式(23)〜式(25)は、空間についての差分近似を考察しているが、時間についても同様である。すなわち、x座標を時間tに置き換え、Δxを電磁波解析における時間刻み幅Δtに置き換え、計算位置iを時刻nに置き換えればよい。ここで、時間刻み幅Δtは常に一定であるものとする。すると、(Δti−Δti-1)=0、すなわちδ=0である。

0067

以上のテーラー級数の式に基づいて、まず、セルサイズが均一な場合の計算式を求める。図2は、均一セルにおける電磁界計算位置の配置図である。図2では、電界計算位置21を黒棒で示し、磁界計算位置22を白棒で示している。図2に示すように、電界計算位置21と磁界計算位置22とが、X軸上に交互に配置されている。この例では、隣接する2つの電界計算位置21に挟まれる領域がセルである。従って、電界計算位置21の間隔が空間刻み幅(セルサイズ)Δxである。

0068

均一セルの場合には、複数の電界計算位置21は等間隔に配置されている。隣接する電界計算位置21の中間に、磁界計算位置22が配置されている。なお、i番目のセルの中央に配置された磁界計算位置22は、「i+1/2」で表すものとする。

0069

空間のセルのサイズが均一な場合、(Δxi−Δxi-1)=0となる。すなわち、δ=0である。従って、均一セルの場合には、式(1)、式(2)に示した1次元のマックスウェル方程式に対して、時間と空間とに関して式(25)に基づく差分法を適用すると、

0070

0071

0072

0073

0074

となる。このように、解析対象となる空間を均一なサイズのセルで一様に分割した場合、電磁界成分の時間と空間についての偏微分係数は、式(27)および式(29)に示す中心差分で近似され、打ち切り誤差は2次のオーダである。

0075

一方、大きさの異なるセルが存在する場合、セルの大きさが相異なる領域の境界上での偏微分係数は、空間についての差分近似が中心差分からずれる。図3は、不均一セルにおける電磁界計算位置の配置図である。図3では、電界計算位置23を黒棒で示し、磁界計算位置24を白棒で示している。図3に示すように、電界計算位置23と磁界計算位置24とが、X軸上に交互に配置されている。この例では、隣接する2つの電界計算位置23に挟まれる領域がセルである。

0076

図3では、電界計算位置23の間隔が不定であり、不均一なセルが形成されている。図3の例では、i−1番目のセルの電界計算位置(i−1)とi番目のセルの電界計算位置(i)との距離よりも、i番目のセルの電界計算位置(i)とi+1番目のセルの電界計算位置(i+1)との距離の方が長い。すなわち、i−1番目のセルのセルサイズΔxi-1とi番目のセルのセルサイズΔxiとは異なる大きさである。すなわち、電界計算位置(i)は、セルサイズ境界である。

0077

セルサイズ境界である電界計算位置(i)における磁界の偏微分係数は、i−1番目のセルの中心に設定された磁界計算位置(i−1/2)とi+1番目のセルの中心に設定された磁界計算位置(i+1/2)とに基づいて計算される。ところが、電界計算位置(i)は、磁界計算位置(i−1/2)と磁界計算位置(i+1/2)との中点とずれている。

0078

そのため、i番目のセルの電界計算位置(i)での磁界の偏微分係数を求める式(29)は、以下の式(30)に置き換えられる。

0079

0080

式(30)に示すように、セルサイズが不均一な場合、打ち切り誤差が1次のオーダになってしまう。この打ち切り誤差の増加は、解析対象によっては著しい計算誤差の原因となる。

0081

そこで、本発明では、打ち切り誤差を低減する方法として、高次の差分近似を用いる方法を部分的に適用する。高次の差分近似については、「W.J.Goedheer and J.H.H.M.Potters,"A compact finite difference scheme on a non-equidistance mesh,"Journal of Computational Physics, Vol. 61, pp.269-279, 1985.」や「A.Taflove, Advances in Computational Electro- dynamics, MA, ArtechHouse, pp.71, 1998.」に説明されている。

0082

本発明では、高次の陰的スキームによる差分近似を、以下のようにして導出した。まず、次のテーラー級数を考える。

0083

0084

0085

0086

0087

{式(31)}−{式(32)}から、

0088

0089

を得る。同様に、{式(33)}−{式(34)}から、

0090

0091

を得る。{式(35)}−{式(36)}×{(Δxi−Δxi-1)/8}から、

0092

0093

を得る。{式(33)}×Δxi-1+{式(34)}×Δxiから、

0094

0095

を得る。{式(37)}×Δxi-1Δxi−{式(38)}×{(−2Δxi2+5ΔxiΔxi-1−2Δxi-12)/24}から、

0096

0097

を得る。式(39)の両辺を{(Δxi-1+Δxi-1)Δxi-1 Δxi-1}/2で割って整理すると、

0098

0099

となる。なお、A,B,Cは、式(20)〜式(22)に示した通りである。ここで、均一セルであればδ=0となり、電界および磁界のそれぞれに関して、

0100

0101

0102

が得られる。なお、

0103

0104

である。式(40)、式(41)および式(42)による電磁波解析を行えば、打ち切り誤差は、式(41)と式(42)とを用いた均一セルでは4次のオーダとなる。不均一セルでは、セルサイズ境界において式(40)が適用され、部分的に3次のオーダとなる。すなわち、従来の方法に比べて打ち切り誤差を低減させることが可能となる。

0105

なお、式(40)、式(41)および式(42)は陰解法である。すなわち、1つの式の中の複数の項に、同じ時刻の異なる計算位置の偏微分係数が含まれている。そのため、任意の偏微分係数を算出するには、以下の式(44)で表現される連立一次方程式を解く必要が生じる。

0106

0107

このような連立方程式の解を、解析領域のすべてに関して求めると、計算時間の増加を招いてしまう。そこで、式(40)を局所的に適用することを考える。はじめに、セルサイズ境界以外の偏微分係数を式(29)により、2次のオーダの打ち切り誤差で算出する。式(29)は、すでに求められている磁界の値から、直接算出することができる。

0108

次に、セルサイズ境界上の偏微分係数を式(40)により算出する。このとき、式(40)の左辺の第1項および第3項は、式(29)によりすでに計算されているので、式(40)の左辺の第2項を直ちに計算することができる。

0109

なお、式(40)の左辺の第1項、第3項は、打ち切り誤差が2次のオーダで計算されているので、式(40)の左辺の第2項の打ち切り誤差も2次のオーダである。

0110

式(40)の左辺の第2項を算出する式は、以下のようになる。

0111

0112

式(45)から3次のオーダの項の計算を省くことで、式(19)が得られる。このように、本発明では、セルサイズ境界に限定して高次元の差分近似法を適用する。これにより、計算時間の増加を最小限に抑えながら、打ち切り誤差を低減させることが可能となる。

0113

なお、上記の説明では簡単のために、1次元(x軸方向に伝搬する電磁波)の場合について説明したが、この手法は、2次元や3次元にも容易に拡張することができる。

0114

また、セルサイズが連続して変化する場合についても適用可能である。ただし、セルサイズが連続して変化する場合には、式(19)を計算するために連立一次方程式を解く必要がある。

0115

以下に、本発明を実現するためのコンピュータについて具体的に説明する。図4は、本発明の実施の形態に用いるコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、および通信インタフェース106が接続されている。

0116

RAM102は、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103は、OSやアプリケーションプログラムが格納される。

0117

グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。

0118

通信インタフェース106は、ネットワーク10に接続されている。ネットワーク10は、たとえばインターネットのような広域ネットワークである。通信インタフェース106は、ネットワーク10を介して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。

0119

以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。たとえば、電磁波解析プログラムをコンピュータ100に実行させることにより、コンピュータ100を電磁波解析装置として機能させることができる。

0120

図5は、電磁波解析装置として動作するコンピュータの機能ブロック図である。コンピュータ100には、入力装置12aと出力装置11aとが接続されている。

0121

入力装置12aは、キーボード12やマウス13などのデータを入力するための機器である。ユーザは、入力装置12aを介して、電磁波解析の初期値を入力することができる。

0122

出力装置11aは、モニタ11などのデータ出力機器である。コンピュータ100で計算された電磁界の過渡的な挙動を示す情報は、出力装置11aを介して出力される。

0123

コンピュータ100は、初期値設定部111,電磁界データ記憶部112、セルサイズ判定部113、および電磁界計算部114で構成される。初期値設定部111は、入力装置12aから入力された電磁波解析の初期値を、電磁界データ記憶部112に設定する。初期値としては、解析領域の定義(セルサイズ、誘電率、透磁率、電気伝導率など)や、電磁界の初期状態などが設定される。

0124

電磁界データ記憶部112は、たとえば、コンピュータ100のRAM102内の記憶領域である。電磁界データ記憶部112は、初期値設定部111によって設定された初期値や、電磁界計算部114によって計算された電磁界の過渡的な挙動を示す情報を保持する。

0125

セルサイズ判定部113は、電磁界データ記憶部112に設定されたセルサイズの情報を取得し、セルサイズ境界を判定する。セルサイズ判定部113は、セルサイズ境界の場所を、電磁界計算部114に通知する。

0126

電磁界計算部114は、電磁界データ記憶部112に設定された電磁界データに基づいて、電磁界の過渡的な挙動を計算する。電磁界計算部114は、計算結果を、逐一電磁界データ記憶部112に格納する。また、所定の時間分の計算が終了すると、電磁界計算部114は、電磁界の過渡的な挙動を示す情報を、解析結果として出力装置11aに対して出力する。解析結果は、時間刻み幅毎の各時刻における所定の計算位置での磁界や電界の値である。

0127

図6は、本実施の形態による電磁波解析処理のフローチャートである。以下に、図6に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]初期値設定部111は、入力装置12aからの入力に応じて初期設定を行う。初期設定の内容は、セル数、セルサイズ、各セルの材料定数誘電率ε透磁率μ、電気伝導率σなど)、境界条件吸収境界条件電気壁境界条件など)、励振条件波源の位置、波形など)、解析終了時間、時間刻み幅などの設定ならびに電磁界計算のための係数の算出である。

0128

なお、このとき、電磁波解析シミュレーションの時刻Tを0に設定する。
[ステップS12]セルサイズ判定部113は、初期設定で設定された各セルに関して、セルサイズを判定する。セルサイズの判定により、両側のセルサイズが等しい電界配置地点(電界の計算位置)と、両側のセルサイズが異なる電界配置地点とが区別される。

0129

[ステップS13]電磁界計算部114は、両側のセルサイズが等しい電界配置地点における磁界の偏微分係数を、式(18)によって計算する。
[ステップS14]電磁界計算部114は、両側のセルサイズが異なる電界配置地点における磁界の偏微分係数を、式(19)によって計算する。

0130

[ステップS15]電磁界計算部114は、ステップS13,S14で計算した磁界の偏微分係数を用いて、式(17)によって電界の計算を行う。
[ステップS16]電磁界計算部114は、境界条件に依存した電界を、別途その条件式に基づいて計算を行う。その後、電磁界計算部114は、時刻TをΔT/2だけ進める。

0131

[ステップS17]電磁界計算部114は、式(15)および(16)による磁界の計算を行う。
[ステップS18]電磁界計算部114は、境界条件に依存した磁界を、別途その条件式に基づいて計算を行う。その後、電磁界計算部114は、時刻TをΔT/2だけ進める。

0132

[ステップS19]電磁界計算部114は、時刻Tが、あらかじめ設定した解析終了時刻Tmaxを超えたか否か判断する。時刻Tが解析終了時刻Tmaxを超えた場合には、処理がステップS20に進められる。時刻Tが解析終了時刻Tmaxを超えていない場合には、処理がステップS13に進められる。

0133

[ステップS20]電磁界計算部114は、計算結果を出力装置11aへ出力する。以上のような処理により、様々な環境での電磁波の挙動を計算することができる。以下に、電磁波解析の計算事例について説明する。

0134

平面波伝播]まず、平面波の伝搬についての計算事例を説明する。図7は、平面波の伝搬を計算するモデルを示す図である。図7では、右方向がx軸の正、上方向がy軸の正、紙面手前方向がz軸の正である。ここでは、2次元TE波を扱うものとする。図7において格子状に表されたセルの辺上に電界Ex、Eyが配置され、セルの中心に磁界Hzが配置されている。

0135

解析領域30は、セルサイズの大きな領域31とセルサイズの小さな領域32とで構成される。領域31のセルサイズはΔxC×Δy、領域32のセルサイズはΔxF×Δyである。セルサイズの異なる2つの領域31,32は、セルサイズ境界33で接している。

0136

Y方向の終端には電気壁境界条件を設定し、X方向の終端はセルサイズ境界から十分遠方になるようにしてある。これは、X方向の終端からの反射の影響を除去するためである。

0137

セルサイズ境界は、電磁波解析の計算のために解析領域に便宜的に設けられたものであり、解析対象自身の特性ではない。そのため、解析領域に電磁波を伝搬させた場合、計算上、セルサイズ境界からの反射波が検出されないことが理想である。

0138

そこで、セルサイズ境界から−X方向に十分に離れた地点において、電界Eyをガウス波で励振し、パルスを+X方向へ伝搬させ、セルサイズ境界における反射量を計算した。Δy=Δxc=1.0mm、ΔxF=0.1 mmの場合(Δxc/ΔxF=10)の反射特性は、以下の通りである。

0139

図8は、セルサイズ境界における反射特性を示す図である。図8では、横軸周波数GHz)を示し、縦軸に反射量(dB)を示している。反射量の数値は、−120dBに近いほどセルサイズ境界からの反射が少ないことを意味している。従来手法の反射特性は実線41で表し、本発明の実施の形態に基づく手法の反射特性は、点線42で表している。

0140

図8からも分かるように、本実施の形態によれば、従来手法に比べ反射量が20〜40dB低減できていることがわかる。これは、セルサイズ境界上の電界Eyを計算する際に、打ち切り誤差が低減され領域の不連続性緩和されたからであると考えられる。

0141

なお、この特性は、Δy=Δxc=1.0mm、ΔxF=0.025mmの場合(Δxc/ΔxF=40)でもほとんど変わらない。
パッチアンテナの反射特性]次に、パッチアンテナの反射特性の解析結果について説明する。

0142

図9は、パッチアンテナの平面図である。図9の例では、解析領域50内にパッチアンテナ51が配置されている。解析領域50は、縦横118.0mmの正方形の領域である。パッチアンテナ51の先端部は、縦横共に11.8mmの大きさであり、解析領域50の4方の縁から50.0mm離れている。

0143

パッチアンテナ51は、幅1.8mmの信号線52で外部に接続される。パッチアンテナ51は、信号線52との接続部において、信号線52の両側に深さ4.0mm、幅1.0mmの溝が形成されている。

0144

なお、パッチアンテナ51が形成されている基板の厚さは0.8mm、比誘電率は3.274であるものとする。図9に示したパッチアンテナ51は、社団法人電子情報通信学会マイクロ波シミュレータ研究会において規範問題とされているマイクロストリップ給電パッチアンテナである。たとえば、「並木武文,坂口拓史, 伊公一, “FDTD法を用いたパッチアンテナ解析における計算精度についての一考察,”信学技法,AP99-12, pp.17-22, May 1999.」や「田口光雄, “アンテナ設計から見た電磁界シミュレータ使い方と評価,” 信学誌, vol.83, no.11, pp.878-883, Nov. 2000.」において、パッチアンテナ51を用いたシミュレーション例が詳しく説明されている。

0145

本実施の形態では、このパッチアンテナ51を計算するために、不均一セルを使って領域分割し、計算モデルを作成する。図10は、パッチアンテナの計算モデルの一例を示す図である。図中、右方向がx軸の正、上方向がy軸の正、紙面手前方向がz軸の正である。

0146

ここで、放射パッチであるパッチアンテナ51の端部近傍は、電磁界の特異性を考慮して非常に微細なセルに分割してある。セルの分割手法に関しては、「E.M.Daniel and C.J.Railton, "Fast finite difference time domain analysis of microstrip patch antennas,"IEEEAP-S Digest, pp.414-417, 1991.」や「大西輝夫, 柏達也, 内藤行雄, 細矢良雄, “同軸給電パッチアンテナのFD-TD解析における効率化の一検討,”信学総大, B-1-128, 1997.」で説明されている。

0147

Z方向についても同様に、パッチアンテナ51の近傍は非常に微細なセルに分割している。図10の計算モデルにおける全セル数は76380個である。図11は、図10の計算モデルにおける最小ならびに最大セルサイズを示す図である。x軸方向のセルサイズΔXの最小値(Minimum cell)は、0.200mmである。x軸方向のセルサイズΔXの最大値(Maximum cell)は、2.000mmである。y軸方向のセルサイズΔYの最小値(Minimum cell)は、0.050mmである。y軸方向のセルサイズΔYの最大値(Maximum cell)は、2.000mmである。z軸方向のセルサイズΔZの最小値(Minimum cell)は、0.069mmである。z軸方向のセルサイズΔZの最大値(Maximum cell)は、1.200mmである。

0148

また、解析領域の終端にはMurの1次の吸収境界条件を設定した。Murの1次の吸収境界条件に関しては、「G.Mur,"Absorbing Boundary Conditions for the finite-difference approximation of the time-domain electromagnetic fieldequations,"IEEE Trans.EMC-23, pp.377-382, 1981.」で説明されている通りである。

0149

このようなパッチアンテナ51のサンプルを用意し、そのサンプルを用いて反射特性を測定すると共に、本実施の形態における解析手法と従来の解析手法とにより反射特性を計算した。

0150

図12は、図10に示す計算モデルの反射特性の計算結果と測定結果とを示す図である。図12では、横軸に周波数(GHz)を示し、縦軸に反射量(dB)を示している。サンプルによる測定結果を破線61で表し、本発明の実施の形態に基づく手法による計算結果を点線62で表し、従来手法による計算結果を実線63で表している。

0151

図12からも分かるように、本発明の実施の形態に基づく手法で電磁波解析を行えば、従来に比べて、測定結果に近い計算結果を得ることができる。なお、測定値信頼性については、十分に検討してある。測定値の信頼性の検討内容は、「並木武文,坂口拓史, 伊藤公一, “FDTD法を用いたパッチアンテナ解析における計算精度についての一考察,”信学技法,AP99-12, pp.17-22, May 1999.」(以下、この文献を「計算精度考察例」と呼ぶ)に説明されているものと同様である。

0152

ここで、図12に示した反射特性から共振周波数を抽出し、測定値に対する計算値相対誤差を算出した。図13は、共振周波数と相対誤差を示す図である。測定値に基づく共振周波数(Resonant frequency)は、7.0100GHzである。従来の手法の計算値に基づく共振周波数は6.8624GHzであり、相対誤差(Relative error)は2.10%である。本発明の実施の形態に係る手法の計算値に基づく共振周波数は6.9756GHzであり、相対誤差は0.49%である。

0153

図12図13から明らかなように、図10の計算モデルを用いた場合、本手法によって大幅な精度改善が図れることがわかる。今回の計算で必要としたCPU時間とメモリサイズを以下に示す。

0154

図14は、計算に使用されたCPU時間とメモリサイズとを示す図である。従来の手法で使用したCPU時間は493秒であり、使用したメモリサイズは5.5MBである。本発明の実施の形態の手法で使用したCPU時間は666秒であり、使用したメモリサイズは6.4MBである。

0155

なお、計算には、ワークステーション(CPU:UltraSPARC II 360MHz)を使用した。本発明による手法の場合、通常のFDTD法と比較して、CPU時間は約1.35倍、メモリは1.16倍増加している。しかし、その精度改善効果からすれば問題となる程度ではないと考えられる。

0156

前記の計算精度考察例における通常のFDTD法を用いた同様の検討では、不均一セルを使用した場合は、共振周波数を相対誤差1.0%以下で算出することが出来なかった。そして、共振周波数を相対誤差1.0%以下で算出するためには、莫大な数の微細な均一セルを使用しなければならなかった。この場合、ほぼ同性能のワークステーションを使用して、CPU時間が600分以上、メモリが250MB必要であった。これらの結果を鑑みれば、本発明による手法の有効性は明らかである。

0157

なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、電磁波解析装置が有すべき機能の処理内容記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置光ディスク光磁気記録媒体半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disc)などがある。

0158

プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体販売される。また、プログラムをサーバコンピュータ記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。

0159

プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。

0160

(付記1)解析領域を複数のセルに分割し、セル毎の電磁界の過渡的な挙動を数値計算する電磁波解析装置において、前記解析領域に設定された各計算位置に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断するセルサイズ判断手段と、前記セルサイズ判断手段において周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置における電磁界を、第1の計算手法で計算する第1の計算手段と、前記セルサイズ判断手段において周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置における電磁界を、前記第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算する第2の計算手段と、前記第1の計算手段と前記第2の計算手段とにより計算された前記各計算位置における電磁界の値を出力する出力手段と、を有することを特徴とする電磁波解析装置。

0161

(付記2) 前記第2の計算手段は、前記第2の計算手法として、陰的スキームを用いることを特徴とする付記1記載の電磁波解析装置。
(付記3) 前記第2の計算手段は、前記陰的スキームにより、周囲のセルのサイズが異なる計算位置の電磁界の偏微分係数を算出することを特徴とする付記2記載の電磁波解析装置。

0162

(付記4) 前記第1の計算手段は、周囲のセルのサイズが同じである計算位置の電磁界の偏微分係数を計算し、前記第2の計算手段は、周囲のセルのサイズが異なる計算位置の周囲の電磁界の微分係数を前記第1の計算手段から取得し、前記第1の計算手段で計算された電磁界の微分係数を用いて、前記陰的スキームの解を求めることを特徴とする付記3記載の電磁波解析装置。

0163

(付記5) 前記セルサイズ判断手段は、解析領域に設定された座標軸毎に、隣接するセルの各軸方向の幅の同一性を判断することを特徴とする付記1記載の電磁波解析装置。

0164

(付記6)解析領域を複数のセルに分割し、セル毎の電磁界の過渡的な挙動を数値計算するための電磁波解析プログラムにおいて、コンピュータに、前記解析領域に設定された各計算位置に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断し、周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置における電磁界を、第1の計算手法で計算し、周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置における電磁界を、前記第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算し、前記第1の計算手段と前記第2の計算手段とにより計算された前記各計算位置における電磁界の値を出力する、処理を実行させることを特徴とする電磁波解析プログラム。

0165

(付記7) 前記第2の計算手法として、陰的スキームを用いることを特徴とする付記6記載の電磁波解析プログラム。
(付記8) 第2の計算手法による計算の際には、前記陰的スキームにより、周囲のセルのサイズが異なる計算位置の電磁界の偏微分係数を算出することを特徴とする付記7記載の電磁波解析プログラム。

0166

(付記9) 前記第1の計算手法による計算の際には、周囲のセルのサイズが同じである計算位置の電磁界の偏微分係数を計算し、前記第2の計算手段は、周囲のセルのサイズが異なる計算位置の周囲の電磁界の微分係数を前記第1の計算手段から取得し、前記第1の計算手段で計算された電磁界の微分係数を用いて、前記陰的スキームの解を求めることを特徴とする付記8記載の電磁波解析プログラム。

0167

(付記10) 前記セルサイズ判断手段は、解析領域に設定された座標軸毎に、隣接するセルの各軸方向の幅の同一性を判断することを特徴とする付記6記載の電磁波解析プログラム。

0168

(付記11)解析領域を複数のセルに分割し、セル毎の電磁界の過渡的な挙動を数値計算するための電磁波解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記コンピュータに、前記解析領域に設定された各計算位置に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断し、周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置における電磁界を、第1の計算手法で計算し、周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置における電磁界を、前記第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算し、前記第1の計算手段と前記第2の計算手段とにより計算された前記各計算位置における電磁界の値を出力する、処理を実行させることを特徴とする記録媒体。

0169

(付記12)解析領域を複数のセルに分割し、セル毎の電磁界の過渡的な挙動を数値計算するための電磁波解析方法において、前記解析領域に設定された各計算位置に関し、周囲のセルのサイズの同一性を判断し、周囲のセルのサイズが同じであると判断された計算位置における電磁界を、第1の計算手法で計算し、周囲のセルのサイズが異なると判断された計算位置における電磁界を、前記第1の計算手法よりも少ない誤差で計算可能な第2の計算手法で計算し、前記第1の計算手段と前記第2の計算手段とにより計算された前記各計算位置における電磁界の値を出力する、ことを特徴とする電磁波解析方法。

発明の効果

0170

以上説明したように本発明では、周囲のセルのサイズが異なる計算位置における電磁界を、他の計算位置よりも少ない誤差の計算手法で計算するようにしたため、セルのサイズが切り替わるセルサイズ境界における計算誤差を減少させることができ、むやみに計算量を増大させることなく、誤差の少ない電磁波解析を行うことができる。

図面の簡単な説明

0171

図1本発明の原理構成図である。
図2均一セルにおける電磁界計算位置の配置図である。
図3不均一セルにおける電磁界計算位置の配置図である
図4本発明の実施の形態に用いるコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図5電磁波解析装置として動作するコンピュータの機能ブロック図である。
図6本実施の形態による電磁波解析処理のフローチャートである。
図7平面波の伝搬を計算するモデルを示す図である。
図8セルサイズ境界における反射特性を示す図である。
図9パッチアンテナの平面図である。
図10パッチアンテナの計算モデルの一例を示す図である。
図11図10の計算モデルにおける最小ならびに最大セルサイズを示す図である。
図12図10に示す計算モデルの反射特性の計算結果と測定結果とを示す図である。
図13共振周波数と相対誤差を示す図である。
図14計算に使用されたCPU時間とメモリサイズとを示す図である。

--

0172

1解析領域
2セルサイズ判断手段
3 第1の計算手段
4 第2の計算手段
5 出力手段
10ネットワーク
11モニタ
12キーボード
13マウス
100コンピュータ
101 CPU
102 RAM
103ハードディスクドライブ
104グラフィック処理装置
105入力インタフェース
106通信インタフェース
107 バス

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