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課題

排気再循環量の学習が行われる状態がスロットル開度学習値を求めた均質燃焼時とは大きく離れたスロットル開度状態となっていることによる排気再循環量における誤学習を防止する。

解決手段

成層燃焼EGR開度学習値EGRgを求める処理(S360〜S400)は、既に成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgが算出された後であり(S310で「YES」)、目標スロットル開度tTAはTbgにより補正されている。スロットル開度指示値吸気圧とのずれがスロットル開度により一律ではない場合であっても、EGRgを求める時のスロットル開度はTbgを求めた時のスロットル開度と同一あるいはほぼ同一である。このことによりEGRgを求める時には目標スロットル開度tTAは正確に補償されているので、EGRgは誤学習されることなく正確に求められる。

概要

背景

燃焼形態成層燃焼均質燃焼とで切り替え可能な内燃機関では、特に成層燃焼時において窒素酸化物排出を抑制するために排気再循環機構により排気燃焼室内に再循環させるシステムが存在する(特開平9−268935号公報)。

このような内燃機関においては、燃焼性エミッションの観点から燃焼室内に導入される排気再循環量は正確に調量される必要がある。しかし、この排気再循環量は、燃焼室内に導入される吸気量に大きく影響されるため、吸気量を正確に制御する必要がある。

このような内燃機関においては、燃焼室内への吸気量を調整するためのスロットルバルブ開度は、制御系からの開度指示値に基づいて制御されることになる。ところが、スロットルバルブ近傍に堆積するデポジットやスロットルバルブの個体差により、前記開度指示値が同じであっても実際の吸気量がばらつくという現象が生じる。このようなばらつきが生じると、燃焼室内の排気再循環割合が所望とは異なる状態が生じ、特に成層燃焼時の燃焼性やエミッションに影響するおそれが出てくる。したがって、前記従来技術では、排気再循環量を0としている均質燃焼時でのアイドル時においてスロットルバルブの開度指示値(スロットル開度指示値)と実際の吸気量や吸気圧とのずれをスロットル開度学習値として求め、このスロットル開度学習値によりスロットル開度指示値を補正するようにしている。

概要

排気再循環量の学習が行われる状態がスロットル開度学習値を求めた均質燃焼時とは大きく離れたスロットル開度状態となっていることによる排気再循環量における誤学習を防止する。

成層燃焼時EGR開度学習値EGRgを求める処理(S360〜S400)は、既に成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgが算出された後であり(S310で「YES」)、目標スロットル開度tTAはTbgにより補正されている。スロットル開度指示値と吸気圧とのずれがスロットル開度により一律ではない場合であっても、EGRgを求める時のスロットル開度はTbgを求めた時のスロットル開度と同一あるいはほぼ同一である。このことによりEGRgを求める時には目標スロットル開度tTAは正確に補償されているので、EGRgは誤学習されることなく正確に求められる。

目的

本発明は、上述したごとく排気再循環学習値における誤学習を防止することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

排気再循環機構を備えるとともに燃焼形態成層燃焼均質燃焼とで切り替え可能な内燃機関において吸気系における制御量の学習値を求める内燃機関制御学習装置であって、成層燃焼でのアイドル時に前記排気再循環機構による排気再循環を停止して、吸気量相当値スロットル開度指示値との対応関係のずれを学習して成層燃焼時スロットル開度学習値を求める成層燃焼時スロットル開度学習手段と、前記成層燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた成層燃焼時スロットル開度学習値に基づいて、成層燃焼時におけるスロットル開度指示値を補正するスロットル開度補正手段と、前記スロットル開度補正手段にて補正されたスロットル開度指示値によりスロットル開度制御がなされている成層燃焼でのアイドル時に、排気再循環量と排気再循環量指示値との対応関係のずれを学習して排気再循環学習値を求める排気再循環学習手段と、前記排気再循環学習手段にて求められた排気再循環学習値に基づいて排気再循環量指示値を補正する排気再循環量補正手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関制御量学習装置。

請求項2

請求項1記載の構成に対して、排気再循環が行われていない均質燃焼でのアイドル時に、吸気量相当値とスロットル開度指示値との対応関係のずれを学習して均質燃焼時スロットル開度学習値を求める均質燃焼時スロットル開度学習手段を備え、前記スロットル開度補正手段は、前記均質燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた均質燃焼時スロットル開度学習値に基づいて、均質燃焼時におけるスロットル開度指示値を補正することを特徴とする内燃機関制御量学習装置。

請求項3

請求項2記載の構成において、前記成層燃焼時スロットル開度学習手段は、前記均質燃焼時スロットル開度学習手段により均質燃焼時スロットル開度学習値が既に求められている場合には、該均質燃焼時スロットル開度学習値を初期値として前記成層燃焼時スロットル開度学習値を求めることを特徴とする内燃機関制御量学習装置。

請求項4

請求項2記載の構成において、前記均質燃焼時スロットル開度学習手段は、前記成層燃焼時スロットル開度学習手段により成層燃焼時スロットル開度学習値が既に求められている場合には、該成層燃焼時スロットル開度学習値を初期値として前記均質燃焼時スロットル開度学習値を求めることを特徴とする内燃機関制御量学習装置。

請求項5

請求項2〜4のいずれか記載の構成において、前記スロットル開度補正手段は、前記成層燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた成層燃焼時スロットル開度学習値と、前記均質燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた均質燃焼時スロットル開度学習値とに基づいて、成層燃焼時及び均質燃焼時におけるスロットル開度指示値を補正することを特徴とする内燃機関制御量学習装置。

請求項6

請求項1〜5のいずれか記載の構成において、前記排気再循環機構は、内燃機関の排気通路吸気通路とを接続して排気通路から吸気通路へ排気再循環させることができる排気再循環通路と、該排気再循環通路に設けられて排気再循環量を調整する排気再循環バルブとを備えると共に、前記排気再循環学習手段は、前記排気再循環量指示値として前記排気再循環バルブに対する開度指示値を用いることで、排気再循環学習値を求めることを特徴とする内燃機関制御量学習装置。

請求項7

請求項1〜5のいずれか記載の構成において、前記排気再循環機構は、吸気バルブあるいは排気バルブの一方又は両方のバルブタイミングを調整することにより、一旦燃焼室から排出した排気を再度燃焼室内に導入することが可能なバルブタイミング調整手段を備えると共に、前記排気再循環学習手段は、前記排気再循環量指示値として前記バルブタイミング調整手段におけるバルブタイミング調整指示値を用いることで、排気再循環学習値を求めることを特徴とする内燃機関制御量学習装置。

技術分野

0001

本発明は、排気再循環機構を備えるとともに燃焼形態成層燃焼均質燃焼とで切り替え可能な内燃機関において吸気系における制御量の学習値を求める内燃機関制御学習装置に関する。

背景技術

0002

燃焼形態を成層燃焼と均質燃焼とで切り替え可能な内燃機関では、特に成層燃焼時において窒素酸化物排出を抑制するために排気再循環機構により排気燃焼室内に再循環させるシステムが存在する(特開平9−268935号公報)。

0003

このような内燃機関においては、燃焼性エミッションの観点から燃焼室内に導入される排気再循環量は正確に調量される必要がある。しかし、この排気再循環量は、燃焼室内に導入される吸気量に大きく影響されるため、吸気量を正確に制御する必要がある。

0004

このような内燃機関においては、燃焼室内への吸気量を調整するためのスロットルバルブ開度は、制御系からの開度指示値に基づいて制御されることになる。ところが、スロットルバルブ近傍に堆積するデポジットやスロットルバルブの個体差により、前記開度指示値が同じであっても実際の吸気量がばらつくという現象が生じる。このようなばらつきが生じると、燃焼室内の排気再循環割合が所望とは異なる状態が生じ、特に成層燃焼時の燃焼性やエミッションに影響するおそれが出てくる。したがって、前記従来技術では、排気再循環量を0としている均質燃焼時でのアイドル時においてスロットルバルブの開度指示値(スロットル開度指示値)と実際の吸気量や吸気圧とのずれをスロットル開度学習値として求め、このスロットル開度学習値によりスロットル開度指示値を補正するようにしている。

発明が解決しようとする課題

0005

一方、排気再循環機構においても排気再循環経路におけるデポジットや排気再循環機構の個体差により、排気再循環機構への排気再循環量制御指示値が同じであっても実際の排気再循環量がばらつくという現象が生じる。したがって、正確な排気再循環量の制御のためには、上述したごとくにスロットル開度指示値の学習が終了した後のアイドル時において、スロットル開度学習値により補正されたスロットル開度指示値の下で、更に排気再循環量制御指示値と実際の排気再循環量とのずれを排気再循環学習値として求め、この排気再循環学習値により排気再循環量制御指示値を補正する必要がある。

0006

ところが、このような排気再循環機構により排気再循環が主として行われるアイドル時は成層燃焼時であり、前述のごとくスロットル開度指示値の学習が行われた均質燃焼時とは異なった燃焼形態となっている。均質燃焼でのアイドル時では吸気量と燃料量とが理論空燃比の関係にされており、吸気量は成層燃焼時よりも少なく、スロットルバルブは比較的小さい開度に調整されている。

0007

しかし、排気再循環機構により排気再循環が行われることにより排気再循環量制御指示値の学習が行われる成層燃焼でのアイドル時では、吸気量と燃料量とが理論空燃比よりも可成り吸気量が過剰な状態となるようにスロットルバルブは比較的大きい開度に調整されている。

0008

このため、排気再循環量制御指示値の学習が行われるスロットル開度状態は、スロットル開度学習値を求めたスロットル開度状態とは大きく離れた状態となっている。したがって、スロットル開度指示値と実際の吸気量や吸気圧とのずれが開度により一律ではない場合には、排気再循環学習値の誤学習が生じ、得られた排気再循環学習値が不正確なものとなるおそれがある。

0009

本発明は、上述したごとく排気再循環学習値における誤学習を防止することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。請求項1記載の内燃機関制御量学習装置は、排気再循環機構を備えるとともに燃焼形態を成層燃焼と均質燃焼とで切り替え可能な内燃機関において吸気系における制御量の学習値を求める内燃機関制御量学習装置であって、成層燃焼でのアイドル時に前記排気再循環機構による排気再循環を停止して、吸気量相当値とスロットル開度指示値との対応関係のずれを学習して成層燃焼時スロットル開度学習値を求める成層燃焼時スロットル開度学習手段と、前記成層燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた成層燃焼時スロットル開度学習値に基づいて、成層燃焼時におけるスロットル開度指示値を補正するスロットル開度補正手段と、前記スロットル開度補正手段にて補正されたスロットル開度指示値によりスロットル開度制御がなされている成層燃焼でのアイドル時に、排気再循環量と排気再循環量指示値との対応関係のずれを学習して排気再循環学習値を求める排気再循環学習手段と、前記排気再循環学習手段にて求められた排気再循環学習値に基づいて排気再循環量指示値を補正する排気再循環量補正手段とを備えたことを特徴とする。

0011

排気再循環学習手段が排気再循環学習値を求める成層燃焼でのアイドル状態では、スロットル開度補正手段にて補正されたスロットル開度指示値によりスロットル開度制御がなされている。ここで、スロットル開度補正手段は、成層燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた成層燃焼時スロットル開度学習値に基づいて成層燃焼時におけるスロットル開度指示値を補正している。このため、仮にスロットル開度指示値と吸気量相当値(例えば、実際の吸気量や吸気圧)とのずれがスロットル開度により一律ではない場合であっても、排気再循環学習手段が排気再循環学習値を求める状態は、成層燃焼時スロットル開度学習手段にて成層燃焼時スロットル開度学習値を求めたスロットル開度状態と同一あるいはほぼ同一である。このため、スロットル開度補正手段は、成層燃焼時におけるスロットル開度指示値を正確に補正していることになる。したがって、排気再循環学習手段は誤学習することなく、正確な排気再循環学習値を求めることができる。

0012

請求項2記載の内燃機関制御量学習装置では、請求項1記載の構成に対して、排気再循環が行われていない均質燃焼でのアイドル時に、吸気量相当値とスロットル開度指示値との対応関係のずれを学習して均質燃焼時スロットル開度学習値を求める均質燃焼時スロットル開度学習手段を備え、前記スロットル開度補正手段は、前記均質燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた均質燃焼時スロットル開度学習値に基づいて、均質燃焼時におけるスロットル開度指示値を補正することを特徴とする。

0013

更に、このような均質燃焼時スロットル開度学習手段を備えているため、スロットル開度補正手段は、均質燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた均質燃焼時スロットル開度学習値に基づいて、均質燃焼時におけるスロットル開度指示値を正確に補正することができる。

0014

したがって、仮にスロットル開度指示値と吸気量相当値とのずれが開度により一律ではない場合であっても、成層燃焼時と均質燃焼時との両方においてスロットル開度補正手段はスロットル開度指示値を正確に補正できる。

0015

請求項3記載の内燃機関制御量学習装置では、請求項2記載の構成において、前記成層燃焼時スロットル開度学習手段は、前記均質燃焼時スロットル開度学習手段により均質燃焼時スロットル開度学習値が既に求められている場合には、該均質燃焼時スロットル開度学習値を初期値として前記成層燃焼時スロットル開度学習値を求めることを特徴とする。

0016

このように均質燃焼時スロットル開度学習値が成層燃焼時スロットル開度学習値よりも先に得られている場合には、成層燃焼時スロットル開度学習手段においては、均質燃焼時スロットル開度学習値を初期値として、この初期値から出発して成層燃焼時スロットル開度学習値を求める。スロットル開度の違いによる学習値の差違は、一般的に学習値そのものよりも小さい値である。したがって既に学習されている均質燃焼時スロットル開度学習値を初期値として利用することにより、成層燃焼時スロットル開度学習値を得るまでの時間を短縮でき、効率的に成層燃焼時スロットル開度学習値を求めることができる。

0017

請求項4記載の内燃機関制御量学習装置では、請求項2記載の構成において、前記均質燃焼時スロットル開度学習手段は、前記成層燃焼時スロットル開度学習手段により成層燃焼時スロットル開度学習値が既に求められている場合には、該成層燃焼時スロットル開度学習値を初期値として前記均質燃焼時スロットル開度学習値を求めることを特徴とする。

0018

このように成層燃焼時スロットル開度学習値が均質燃焼時スロットル開度学習値よりも先に得られている場合には、均質燃焼時スロットル開度学習手段においては、成層燃焼時スロットル開度学習値を初期値として、この初期値から出発して均質燃焼時スロットル開度学習値を求める。スロットル開度の違いによる学習値の差違は、一般的に学習値そのものよりも小さい値である。したがって既に学習されている成層燃焼時スロットル開度学習値を初期値として利用することにより、均質燃焼時スロットル開度学習値を得るまでの時間を短縮でき、効率的に均質燃焼時スロットル開度学習値を求めることができる。

0019

請求項5記載の内燃機関制御量学習装置では、請求項2〜4のいずれか記載の構成において、前記スロットル開度補正手段は、前記成層燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた成層燃焼時スロットル開度学習値と、前記均質燃焼時スロットル開度学習手段にて求められた均質燃焼時スロットル開度学習値とに基づいて、成層燃焼時及び均質燃焼時におけるスロットル開度指示値を補正することを特徴とする。

0020

尚、均質燃焼時スロットル開度学習値と成層燃焼時スロットル開度学習値との両方を用いて、例えばスロットル開度指示値の大きさに基づいて均質燃焼時スロットル開度学習値と成層燃焼時スロットル開度学習値とを案分して補正に反映させることにより、より適切なスロットル開度指示値の補正が可能となる。

0021

請求項6記載の内燃機関制御量学習装置では、請求項1〜5のいずれか記載の構成において、前記排気再循環機構は、内燃機関の排気通路吸気通路とを接続して排気通路から吸気通路へ排気を再循環させることができる排気再循環通路と、該排気再循環通路に設けられて排気再循環量を調整する排気再循環バルブとを備えると共に、前記排気再循環学習手段は、前記排気再循環量指示値として前記排気再循環バルブに対する開度指示値を用いることで、排気再循環学習値を求めることを特徴とする。

0022

ここで排気再循環機構は、前記排気再循環通路と前記排気再循環バルブとを備えた構成とし、排気再循環学習手段は、排気再循環量指示値として排気再循環バルブに対する開度指示値を用いることで、排気再循環学習値を求めるものであっても良い。

0023

このような構成においても排気再循環学習手段は誤学習することなく、正確な排気再循環学習値を求めることができる。請求項7記載の内燃機関制御量学習装置では、請求項1〜5のいずれか記載の構成において、前記排気再循環機構は、吸気バルブあるいは排気バルブの一方又は両方のバルブタイミングを調整することにより、一旦燃焼室から排出した排気を再度燃焼室内に導入することが可能なバルブタイミング調整手段を備えると共に、前記排気再循環学習手段は、前記排気再循環量指示値として前記バルブタイミング調整手段におけるバルブタイミング調整指示値を用いることで、排気再循環学習値を求めることを特徴とする。

0024

排気再循環機構としては、前記バルブタイミング調整手段を利用し、排気再循環学習手段は、前記排気再循環量指示値としてバルブタイミング調整手段におけるバルブタイミング調整指示値を用いることで、排気再循環学習値を求めるものであっても良い。

0025

このような構成においても排気再循環学習手段は誤学習することなく、正確な排気再循環学習値を求めることができる。

発明を実施するための最良の形態

0026

[実施の形態1]図1は、車両に搭載された筒内噴射型ガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2及びその電子制御ユニット(以下、「ECU」と称す)4の概略構成を示している。尚、エンジン2の出力は変速機(図示略)を介して最終的に車輪走行駆動力として伝達される。エンジン2には、燃焼室10内に燃料直接噴射する燃料噴射バルブ12と、この噴射された燃料に点火する点火プラグ14とがそれぞれ設けられている。燃焼室10に接続している吸気ポート16は吸気バルブ18の駆動により開閉される。吸気ポート16に接続された吸気通路20の途中にはサージタンク22が設けられ、サージタンク22の上流側にはスロットルモータ24によって開度が調節されるスロットルバルブ26が設けられている。このスロットルバルブ26の開度(スロットル開度TA)により吸気量が調整される。スロットル開度TAはスロットル開度センサ28により検出され、サージタンク22内の吸気圧PMは、サージタンク22に設けられた吸気圧センサ30により検出されて、ECU4に読み込まれている。

0027

燃焼室10に接続している排気ポート32は排気バルブ34の駆動により開閉される。排気ポート32に接続された排気通路36の途中には三元触媒NOx吸蔵還元触媒等の排気浄化触媒38が配置されている。尚、排気通路36から吸気通路20へは排気再循環(以下、「EGR」と称する)通路40が形成されており、ECU4はEGRバルブ42の開度調整により、排気通路36から吸気通路20へ環流されるガス量(EGR量)を調整している。

0028

ECU4はデジタルコンピュータを中心として構成されているエンジン制御回路である。このECU4は、スロットル開度センサ28、吸気圧センサ30以外に、アクセルペダル44の踏み込み量アクセル開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ46からの信号を入力している。又、ECU4は、クランクシャフト48の回転からエンジン回転数NEを検出する回転数センサ50からの信号、及び図示していない吸気カムシャフトの回転から基準クランク角を決定する基準クランク角センサ52からの信号を入力している。尚、このようなセンサ以外にも、図示省略しているが、排気通路36において排気成分から混合気空燃比を検出する空燃比センサ、その他のセンサが必要に応じて設けられている。

0029

ECU4は、上述した各種センサからの検出内容に基づいて、エンジン2の燃料噴射時期燃料噴射量及びスロットル開度等を適宜制御する。このことにより、燃焼形態が成層燃焼と均質燃焼との間で切り替えられる。本実施の形態1では、冷間時などの状態を除いた通常運転時においては、図2に示すごとくエンジン回転数NEと負荷率eklqとのマップに基づいて、燃焼形態が決定されている。ここで負荷率eklqは、負荷に相当する値であり、アクセル開度ACCP及びエンジン回転数NEに基づいて、最大機関負荷に対する現在の負荷の割合を示すものとして、例えばアクセル開度ACCPとエンジン回転数NEとをパラメータとするマップから求められる値である。

0030

燃焼形態が成層燃焼に設定された場合には、スロットルバルブ26は可成り開いた状態となり、吸気量に対して理論空燃比よりも可成り少ない量の燃料が、圧縮行程後期に噴射されるように制御される。この結果、点火時期においては点火プラグ14近傍に層状に存在する点火可能な濃い混合気に点火されて成層燃焼が行われる。

0031

一方、燃焼形態が均質燃焼に設定された場合には、アクセル開度ACCPの程度に応じてスロットルバルブ26の開度が調整され、理論空燃比となる量(場合により理論空燃比よりも濃くなる量)の燃料が吸気行程中に噴射されるように制御される。この結果、点火時期においては燃焼室10内全体を占める理論空燃比(場合により理論空燃比より濃厚)でかつ均質な混合気に点火されて均質燃焼が行われる。

0032

次に、ECU4により実行される制御の内、均質燃焼時スロットル開度学習値算出処理、成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理及び成層燃焼時EGR開度学習値算出処理について説明する。これらの各処理は時間周期あるいはクランク角周期で繰り返し実行される処理である。なお個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。

0033

図3に均質燃焼時スロットル開度学習値算出処理のフローチャートを示す。本処理が開始されると、まず、エンジン回転数NE等に基づきエンジン2が始動完了しているか否かを判定する(S110)。始動完了でなければ(S110で「NO」)、一旦本処理を終了する。

0034

一方、エンジン始動完了であれば(S110で「YES」)、次に、燃焼形態が均質燃焼であるか否かを判定する(S120)。均質燃焼でなければ(S120で「NO」)、一旦本処理を終了する。一方、均質燃焼であれば(S120で「YES」)、次にアイドルスピードコントロール(以下、「ISC」と称する)によるフィードバック制御中か否かが判定される(S130)。ISCフィードバック制御の実行中でなければ(S130で「NO」)、一旦本処理を終了する。

0035

ここで、ECU4は、エンジン2の始動完了後には、燃焼方式を均質燃焼に固定した状態でアイドル運転を行い、ISCフィードバック制御によりエンジン回転数NEを予め定められたアイドル回転数に近づけるべくスロットル開度をフィードバック制御する。こうしたISCフィードバック制御によるスロットル開度調整により、エンジン2の吸気量がアイドル回転を実現できる値に調整される。

0036

そして、ステップS120,S130にて「YES」と判定されると、次に均質燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTagが「OFF」か否かが判定される(S140)。均質燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTagは、エンジン始動時あるいはエンジン停止時に「OFF」に初期設定されるフラグであるので、最初はXTag=「OFF」(S140で「YES」)と判定される。したがって、次に、次式1に示す計算により、スロットル開度差Tag0が算出される(S150)。

0037

Tag0 ← TA − Tab … [式1]
ここで、スロットル開度TAはスロットル開度センサ28から検出される実際のスロットル開度であり、スロットル基準開度Tabは、エンジン2の吸気系が正常であれば現在の吸気圧状態を実現しているスロットル開度を示している。このスロットル基準開度Tabは、図4に示すマップを参照して、回転数センサ50から検出されているエンジン回転数NE及び吸気圧センサ30から検出されている吸気圧PMに基づき算出することができる。このようなマップは予め実験により設定されて、ECU4内のROMに記憶されている。尚、図4のマップは、等高線にてスロットル基準開度Tabの大きさを表しており、エンジン回転数NEが高いほどスロットル基準開度Tabは大(開き側)となり、同じく吸気圧PMについても高いほどスロットル基準開度Tabは大(開き側)となる。

0038

エンジン2の吸気系が正常状態であるときには、すなわち、スロットル開度指示値と吸気圧との対応関係にずれが無いときには、実際のスロットル開度TAがスロットル基準開度Tabと同一となるため、スロットル開度差Tag0は「0」になる。これに対し、例えば吸気通路20に異物の付着等が生じ、スロットル開度指示値と吸気圧との対応関係にずれが生じた場合には、要求される吸気量を得るためにISCフィードバック制御により実際のスロットル開度TAがスロットル基準開度Tabよりも大きい値(開き側の値)になる。そのため、この場合にはスロットル開度差Tag0が「0」よりも大きくなる。スロットルバルブ26の個体差等により燃焼室10内に少な目の空気が吸入される場合も同じである。

0039

又、逆にスロットルバルブ26の個体差等により燃焼室10に多めの空気が吸入されることもあるが、この場合にはISCフィードバック制御により実際のスロットル開度TAがスロットル基準開度Tabよりも小さい値(閉じ側の値)になる。そのため、スロットル開度差Tag0は「0」よりも小さい値になる。

0040

次に、今回得られたスロットル開度差Tag0と前回制御周期において求められているスロットル開度差Tag0とを比較して、その変化量が変動判定値以下であるか否かに基づき、スロットル開度差Tag0が安定化しているか否かを判定する(S160)。

0041

スロットル開度差Tag0が安定化していなければ(S160で「NO」)、一旦本処理を終了する。一方、スロットル開度差Tag0が安定化していれば(S160で「YES」)、スロットル開度差Tag0の値を、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagに設定する(S170)。そして、均質燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTagに「ON」を設定することで(S180)、均質燃焼時スロットル開度学習の完了を示し、一旦本処理を終了する。以後の制御周期では、XTag=「ON」であることから(S140で「NO」)、次のエンジン始動まで、本処理においては実質的な処理は実行されない。すなわち、スロットル開度差Tag0の値が安定化することで(S160で「YES」)、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの値が決定される。

0042

このようにして求められた均質燃焼時スロットル開度学習値Tagは、以後の均質燃焼時のスロットル開度制御においては、アクセル開度ACCPに基づいて設定される基本目標スロットル開度TAbaseに対して次式2に示すごとく加算される。このことにより、目標スロットル開度tTAが算出される。

0043

tTA ← TAbase + Tag … [式2]
次に、成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理を、図5のフローチャートに示す。本処理が開始されると、まず、均質燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTagに「ON」が設定されているか否かが判定される(S210)。エンジン2の始動完了後に、前述したごとく均質燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図3)が実行されるが、この図3に示した処理にて、未だ均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの値が決定していなければ、XTag=「OFF」であることから(S210で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。

0044

一方、図3に示した処理にて、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの値が決定していれば、XTag=「ON」であることから(S210で「YES」)、次に、燃焼形態が成層燃焼でのアイドル時か否かを判定する(S220)。成層燃焼でのアイドル時でなければ(S220で「NO」)、一旦本処理を終了する。

0045

ここで、ECU4は、前述したエンジン2の始動完了後の均質燃焼に固定したアイドル運転により、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの値の決定(図3)等の必要な処理の終了後に、成層燃焼によるアイドル運転に移行する。ここでは、ISCフィードバック制御によりエンジン回転数NEを予め定められたアイドル回転数に近づけるべく燃料噴射量が調整される。しかし、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの値の決定後において、未だ均質燃焼から成層燃焼に移行していなければ(S220で「NO」)、一旦本処理を終了する。

0046

一方、燃焼形態が成層燃焼でのアイドル状態に移行すると(S220で「YES」)、次に成層燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTbgが「OFF」か否かが判定される(S230)。成層燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTbgは、エンジン始動時あるいはエンジン停止時に「OFF」に初期設定されるフラグであるので、最初はXTbg=「OFF」(S230で「YES」)と判定される。

0047

そして、次に、EGR開度指示値tEGRに「0」を設定する(S240)。このことにより、EGRバルブ42が開かれていたとしてもEGRバルブ42は全閉とされ、EGR通路40を介しての吸気通路20への排気導入が完全に停止される。

0048

次に、吸気圧センサ30にて検出されている吸気圧PMの値が安定化したか否かが判定される(S250)。すなわち、均質燃焼から成層燃焼に移行して吸気圧が変化した直後、あるいはこれに加えてEGRバルブ42が開いた状態から全閉になった直後においては、吸気圧への影響が存在することから、このような影響による圧力変動が無くなったか否かを判定するためである。吸気圧PMが安定化しない内は(S250で「NO」)、一旦本処理を終了する。

0049

吸気圧PMの値が安定化すると(S250で「YES」)、次に、次式3に示す計算により、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgが算出される(S260)。

0050

Tbg ← TA − (Tbb+Tag) … [式3]
ここで、スロットル開度TAはスロットル開度センサ28から検出される実際のスロットル開度であり、スロットル基準開度Tbbは、エンジン2の吸気系が正常であれば現在の吸気圧状態を実現しているスロットル開度を示している。このスロットル基準開度Tbbは、均質燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図3)にて用いた図4に示すマップを参照して、回転数センサ50から検出されているエンジン回転数NE及び吸気圧センサ30から検出されている吸気圧PMに基づき算出することができる。

0051

スロットル開度指示値と吸気圧とのずれがスロットル開度により一律であるときには、実際のスロットル開度TAがスロットル基準開度Tbbに均質燃焼時スロットル開度学習値Tagを加算した値と同一となるため、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgは「0」になる。これに対し、例えば吸気通路20に異物の付着等が生じた場合のスロットル開度指示値と吸気圧とのずれがスロットル開度の増大に伴い大きくなるときには、吸気量が少し不足して実際のスロットル開度TAがスロットル基準開度Tbbに均質燃焼時スロットル開度学習値Tagを加算した値よりも大きい値(開き側の値)になる。したがって、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgが「0」よりも大きくなる。

0052

又、逆にスロットル開度指示値と吸気圧とのずれがスロットル開度の増大に伴い小さくなることもあるが、この場合は実際のスロットル開度TAがスロットル基準開度Tbbに均質燃焼時スロットル開度学習値Tagを加算した値よりも小さい値(閉じ側の値)になる。したがって、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgは「0」よりも小さい値になる。

0053

次に、成層燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTbgに「ON」を設定することで(S270)、成層燃焼時スロットル開度学習の完了を示し、一旦本処理を終了する。以後、XTbg=「ON」であることから(S230で「NO」)、次のエンジン始動まで、本処理においては実質的な処理は実行されない。

0054

このようにして求められた成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgは、以後の成層燃焼時のスロットル開度制御においては、負荷率eklq及びエンジン回転数NEとに基づいて設定される基本目標スロットル開度TBbaseに対して次式4に示すごとく加算される。このことにより、目標スロットル開度tTAが算出される。

0055

tTA ← TBbase+Tag+Tbg … [式4]
次に、成層燃焼時EGR開度学習値算出処理を図6のフローチャートに示す。本処理が開始されると、まず、成層燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTbgに「ON」が設定されているか否かが判定される(S310)。XTbg=「ON」でなければ(S310で「NO」)、積算値EGR0に「0」を設定して(S320)、一旦本処理を終了する。

0056

一方、XTbg=「ON」であれば(S310で「YES」)、次に、燃焼形態が成層燃焼でのアイドル時か否かが判定される(S330)。成層燃焼でのアイドル時でなければ(S330で「NO」)、積算値EGR0に「0」を設定して(S320)、一旦本処理を終了する。

0057

一方、燃焼形態が成層燃焼でのアイドル時であれば(S330で「YES」)、次に成層燃焼時EGR開度学習完了フラグXEGRgが「OFF」か否かが判定される(S340)。成層燃焼時EGR開度学習完了フラグXEGRgは、エンジン始動時あるいはエンジン停止時に「OFF」に初期設定されるフラグであるので、最初はXEGRg=「OFF」(S340で「YES」)と判定される。

0058

そして、次に、吸気圧センサ30にて検出されている吸気圧PMの値が安定化したか否かが判定される(S350)。吸気圧PMが安定化しない内は(S350で「NO」)、一旦本処理を終了する。

0059

成層燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTbgが「OFF」から「ON」に切り替わると、EGR開度指示値tEGRを「0」とする処理(S240)が停止することから、EGR開度制御処理によりEGR開度指示値tEGRはエンジン運転状態に応じて調整されることになる。したがってXTbg=「ON」となった直後は吸気通路20への排気の導入が開始されることから吸気圧の安定化を待つ。

0060

吸気圧PMの値が安定化すると(S350で「YES」)、次に、吸気圧PMが図7のマップに基づいて、現在の運転状態、ここでは負荷率eklqとエンジン回転数NEとから求められる目標吸気圧PMxyより小さいか否かが判定される(S360)。図7のマップは、成層燃焼時において目標とされる吸気圧を示しており、スロットル開度とEGR開度とが正確に制御されていれば、吸気圧センサ30から検出される吸気圧PMはこのマップの値と一致するように設定されている。

0061

ここで既にスロットル開度については、成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図5)により成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgが求められ、この成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgにて前記式4により誤差補償されている。したがって、PM<PMxyの場合には(S360で「YES」)、EGR量が不足していることを示している。したがって、次式5に示すごとく、積算値EGR0は徐変値dE分の増加がなされる(S370)。

0062

EGR0 ← EGR0 + dE … [式5]
そして、この積算値EGR0を成層燃焼時EGR開度学習値EGRgとして設定する(S380)。こうして一旦本処理を終了する。このことにより、EGR開度制御においては、図8に示すごとく負荷率eklqとエンジン回転数NEとから求められる基本EGR開度指示値EGRxyに対して、次式6に示すごとく成層燃焼時EGR開度学習値EGRgが加えられてEGR開度指示値tEGRが求められる。そしてこのEGR開度指示値tEGRによりEGRバルブ42が調整される。

0063

tEGR← EGRxy + EGRg … [式6]
一方、PM≧PMxyである場合には(S360で「NO」)、次に吸気圧PMが目標吸気圧PMxyより大きいか否かが判定される(S390)。PM>PMxyの場合には(S390で「YES」)、EGR量が過剰であることを示している。したがって、次式7に示すごとく、積算値EGR0は徐変値dE分の減少がなされる(S400)。

0064

EGR0 ← EGR0 − dE … [式7]
そして、この積算値EGR0を成層燃焼時EGR開度学習値EGRgとして設定し(S380)、一旦本処理を終了する。このことにより、EGR開度制御においては、前記式6に示したごとく、図8から求められる基本EGR開度指示値EGRxyを、成層燃焼時EGR開度学習値EGRgにて補正してEGR開度指示値tEGRを求め、このEGR開度指示値tEGRによりEGRバルブ42が調整される。

0065

このような処理を繰り返すことで、吸気圧PMが目標吸気圧PMxyに一致すると(S390で「NO」)、次に成層燃焼時EGR開度学習完了フラグXEGRgに「ON」が設定される(S410)。こうして一旦本処理を終了する。

0066

このことにより、以後の制御周期ではステップS340にて「NO」と判定されて、積算値EGR0をクリアして(S320)、本処理を一旦停止するようになる。したがって、成層燃焼時EGR開度学習値EGRgの値は確定し、以後のEGR開度制御においては、前記式6に示したごとく、エンジン運転状態に応じて設定される基本EGR開度指示値EGRxyが成層燃焼時EGR開度学習値EGRgにより補正されることによりEGR開度指示値tEGRが算出され、このEGR開度指示値tEGRとなるようにEGRバルブ42が調整される。

0067

上述した構成において、均質燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図3)が均質燃焼時スロットル開度学習手段としての処理に、成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図5)が成層燃焼時スロットル開度学習手段としての処理に、均質燃焼時のスロットル開度制御において行われる前記式2に示すごとくの目標スロットル開度tTAの算出処理及び成層燃焼時のスロットル開度制御において行われる前記式4に示すごとくの目標スロットル開度tTAの算出処理がスロットル開度補正手段としての処理に、成層燃焼時EGR開度学習値算出処理(図6)が排気再循環学習手段としての処理に、EGR開度制御において行われる前記式6に示すごとくのEGR開度指示値tEGR算出処理が排気再循環量補正手段としての処理に相当する。

0068

以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).成層燃焼時EGR開度学習値算出処理(図6)において成層燃焼時EGR開度学習値EGRgを求める状況は、既に成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図5)にて成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgが算出された後である。したがって、成層燃焼時EGR開度学習値算出処理(図6)の実行時は、前記式4にて目標スロットル開度tTAが成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgにより補正されて算出されている状態である。

0069

仮にスロットル開度指示値と吸気圧とのずれがスロットル開度により一律ではない場合であっても、成層燃焼時EGR開度学習値EGRgを求める時のスロットル開度は、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgを求める時のスロットル開度と同一あるいはほぼ同一である。このことにより、EGR開度学習時においては目標スロットル開度tTAが正確に補償されているため、成層燃焼時EGR開度学習値EGRgは誤学習されることなく正確に求めることができる。

0070

[実施の形態2]本実施の形態2では、前記実施の形態1の成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図5)の代わりに、図9の成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理を実行するものである。これ以外の構成は、特に説明しない限り、前記実施の形態1と同じである。

0071

成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図9)について説明する。本処理が開始されると、まず、均質燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTagに「ON」が設定されているか否かが判定される(S510)。XTag=「ON」でなければ(S510で「NO」)、積算値Tbg0に「0」を設定して(S520)、一旦本処理を終了する。

0072

一方、XTag=「ON」であれば(S510で「YES」)、次に、燃焼形態が成層燃焼でのアイドル時か否かが判定される(S530)。成層燃焼でのアイドル時でなければ(S530で「NO」)、積算値Tbg0に「0」を設定して(S520)、一旦本処理を終了する。一方、燃焼形態が成層燃焼でのアイドル時であれば(S530で「YES」)、次に成層燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTbgが「OFF」か否かが判定される(S540)。成層燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTbgは、エンジン始動時あるいはエンジン停止時に「OFF」に初期設定されるフラグであるので、最初はXTbg=「OFF」(S540で「YES」)と判定される。

0073

次に、EGR開度指示値tEGRに「0」を設定する(S550)。このことにより、EGRバルブ42は全閉とされ、EGR通路40を介しての吸気通路20への排気導入が完全に停止される。そして、次に、吸気圧センサ30にて検出されている吸気圧PMの値が安定化したか否かが判定される(S560)。吸気圧PMが安定化しない内は(S560で「NO」)、一旦本処理を終了する。

0074

吸気圧PMの値が安定化すると(S560で「YES」)、次に、図4に示したマップを参照して、現在のエンジン回転数NE及びスロットル開度TAから得られた予想吸気圧Pbbと現在の吸気圧PMとを比較して、PM<Pbbか否かが判定される(S570)。

0075

前述したごとく図4のマップは、EGRバルブ42が全閉である均質燃焼時において、スロットルバルブ26が正常の場合のエンジン回転数NE、吸気圧PM及びスロットル開度TAの関係を表している。したがって、スロットル開度が正確に制御されていれば、吸気圧センサ30から検出される吸気圧PMは予想吸気圧Pbbと一致する。

0076

したがって、PM<Pbbの場合には(S570で「YES」)、吸気量が不足していることを示している。したがって、次式8に示すごとく、積算値Tbg0は徐変値dT分の増加がなされる(S580)。

0077

Tbg0 ← Tbg0 + dT … [式8]
そして、この積算値Tbg0を成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgとして設定する(S590)。こうして一旦本処理を終了する。このことにより、スロットル開度制御において、図10に示すごとく負荷率eklqとエンジン回転数NEとから求められる基本目標スロットル開度tTAxyに対して、次式9に示すごとく成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgが加えられて目標スロットル開度tTAが求められる。そしてこの目標スロットル開度tTAとなるようにスロットルバルブ26が調整される。

0078

tTA ← tTAxy + Tbg … [式9]
一方、PM≧Pbbである場合には(S570で「NO」)、次に吸気圧PMが予想吸気圧Pbbより大きいか否かが判定される(S600)。PM>Pbbの場合には(S600で「YES」)、吸気量が過剰であることを示している。したがって、次式10に示すごとく、積算値Tbg0は徐変値dT分の減少がなされる(S610)。

0079

Tbg0 ← Tbg0 − dT … [式10]
そして、この積算値Tbg0を成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgとして設定し(S590)、一旦本処理を終了する。このことにより、スロットル開度制御においては、前記式9に示したごとく基本目標スロットル開度tTAxyに対して成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgが加えられて目標スロットル開度tTAが求められる。そしてこの目標スロットル開度tTAとなるようにスロットルバルブ26が調整される。

0080

このような処理を繰り返すことで、吸気圧PMが予想吸気圧Pbbに一致すると(S600で「NO」)、次に成層燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTbgに「ON」が設定される(S620)。こうして一旦本処理を終了する。

0081

このことにより、以後の制御周期ではステップS540にて「NO」と判定されて、積算値Tbg0をクリアして(S520)、本処理を一旦停止するようになる。したがって、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgの値は確定し、以後の成層燃焼時のスロットル開度制御においては、前記式9に示したごとくに目標スロットル開度tTAが求められてスロットルバルブ26が調整される。

0082

以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)と同様な効果が得られる。
[実施の形態3]本実施の形態3では、前記実施の形態2の成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図9)のステップS540とステップS550の間に、図11に示す処理が行われる。これ以外の構成は、特に説明しない限り、前記実施の形態2と同じである。

0083

すなわち、成層燃焼時スロットル開度学習完了フラグXTbgが「OFF」である場合に(S540で「YES」)、次にステップS540にて「YES」となって最初の処理か否かが判定される(S542)。最初の処理であれば(S542で「YES」)、次に積算値Tbg0に、均質燃焼時スロットル開度学習値算出処理(図3)で求めた均質燃焼時スロットル開度学習値Tagを設定する(S544)。次に、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgに積算値Tbg0を設定する(S546)。そして、ステップS550の処理に移行する。次の制御周期では、最初ではないので(S542で「NO」)、ステップS544,S546の処理はなされない。

0084

したがって、本実施の形態3では、図11に示した処理が追加されることにより、積算値Tbg0は、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの値から積算が開始されることになる。

0085

以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)と同様な効果が得られる。
(ロ).積算値Tbg0は、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの値から積算が開始されることになるので、スロットル開度の小さい領域と大きい領域とのずれのみの学習時間で済む。したがって、効率的に学習ができる。

0086

[実施の形態4]本実施の形態4のエンジンでは、図1に示したごとくのEGR通路40及びEGRバルブ42は設けられていない。その代わりに、吸気バルブと排気バルブとの一方又は両方のバルブタイミングが可変バルブ作用角を可変とすることによるバルブタイミングを可変する場合も含む)とされていることにより、内部EGRが可能となっている。このようなバルブタイミングを可変とする機構としては、ベーン式機構等によりクランクシャフトと吸気カムシャフトあるいは排気カムシャフトとの回転位相差を可変とするもの、3次元カムを軸方向に移動させることによりバルブタイミングを可変とするもの、ベーン式機構等と3次元カムとの組み合わせによりバルブタイミングを可変とするもの、電磁駆動バルブを用いてバルブタイミングを可変とするもの等が挙げられる。この他の構成は、特に説明しない限り前記実施の形態1〜3のいずれかと同じである。

0087

本実施の形態4では、上述した可変バルブタイミングシステムにより、図12に示すごとくに、吸気バルブのバルブタイミングが可変とされることにより、吸気バルブの開弁タイミングθiが調整可能とされているものとする。

0088

図12(A)は吸気バルブの開弁タイミングθiが最遅角状態にあり、排気バルブとのバルブオーバーラップは最小となっている。この状態では、燃焼室から排出される排気は吸気ポートから吸気通路内に逆流することはない。したがって、内部EGR量は「0」である。

0089

図12(B)は吸気バルブの開弁タイミングθiが最進角状態にあり、排気バルブとのバルブオーバーラップは最大となっている。この状態では、吸気バルブの開弁が早期となり、排気行程において燃焼室内の排気の一部は、吸気ポートから吸気通路内に逆流することになる。したがって、一旦、吸気通路に逆流した排気は吸気行程にて再度燃焼室内に戻される。すなわち内部EGRが行われる。この内部EGR量は開弁タイミングθiの進角値dθの大きさに対応して大きくなるので、可変バルブタイミングシステムにより、この進角値dθを調整することで内部EGR量が制御できる。したがって、前記実施の形態1〜3において、EGRバルブ42を調整する代わりに、可変バルブタイミングシステムにて開弁タイミングθiの進角値dθを調整することにより、各学習が可能となる。

0090

上述した構成において、可変バルブタイミングシステムがバルブタイミング調整手段に相当する。以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。

0091

(イ).前記実施の形態1〜3のいずれかに記載したと同様な効果が得られる。
[その他の実施の形態]・前記各実施の形態において、エンジン始動時あるいはエンジン停止時に、各フラグXTag,XTbg,XEGRgを「OFF」に設定していたが、これら各フラグXTag,XTbg,XEGRgを基準走行距離(例えば、1000km)の走行毎に「OFF」としても良い。このようにすることにより、エンジン運転継続時間によりデポジットなどの堆積が懸念されるようになると学習処理が実行されることから、エンジン停止毎に実行しなくて良くなり、始動後において通常運転に迅速に移行できる。

0092

図1では、EGR通路40はサージタンク22の下流に排気を供給していたが、これ以外にサージタンク22に排気を供給しても良く、又、スロットルバルブ26とサージタンク22との間に排気を供給しても良い。

0093

・前記各実施の形態においては、成層燃焼時EGR開度学習値EGRgの学習時においては、直前に学習された成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgを用いて目標スロットル開度tTAを補正していた。しかし、通常のエンジン運転時において、特に、均質燃焼時においてはアクセルペダル44の操作により基本目標スロットル開度tTAxyは大きく変化する。このため、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagと成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgとを用い、基本目標スロットル開度tTAxyの大きさに応じてこれらの学習値Tag,Tbgを案分、例えば比例配分により、適切なスロットル開度学習値を求めても良い。成層燃焼時においても同じである。このことで、より適切な目標スロットル開度tTAを求めることが可能となる。

0094

・前記各実施の形態においては、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの算出を、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgの算出よりも優先したが、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgの算出を均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの算出よりも優先しても良い。この場合には、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagの算出において、成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgを初期値として学習しても良い。又、優先度を設けることなく、均質燃焼時スロットル開度学習値Tagと成層燃焼時スロットル開度学習値Tbgとの一方において学習の機会が生じれば直ちに学習し、その後、他方の学習の機会が生じれば直ちに学習するようにしても良い。この場合に、前記他方の学習においては、既に学習されている前記一方の学習値を初期値として用いても良い。

0095

・前記実施の形態4における可変バルブタイミングシステムでは、吸気バルブの開弁タイミングの進角量を調整することにより内部EGR量を可変としていたが、排気バルブの閉弁タイミングの遅角量を調整することにより内部EGR量を可変としても良い。この場合には、吸気行程に至るまで排気バルブが開弁していることにより、吸気行程において排気通路側に存在する排気が排気ポートから燃焼室内に戻される。排気バルブの閉弁タイミングが遅角するほど、排気の戻り量、すなわち内部EGR量が多くなるので、可変バルブタイミングシステムにより、閉弁タイミングを可変とすることで内部EGR量が調整でき、各学習が可能となる。又、吸気バルブの開弁タイミングの進角調整と排気バルブの閉弁タイミングの遅角調整とを組み合わせても良い。

図面の簡単な説明

0096

図1実施の形態1としてのエンジン及びそのECUの概略構成説明図
図2上記エンジンにより実行される燃焼形態を設定するためのマップ構成図。
図3上記ECUにより実行される均質燃焼時スロットル開度学習値算出処理のフローチャート。
図4エンジン回転数NE、吸気圧PM及びスロットル基準開度の関係を求めるためのマップ構成説明図。
図5上記ECUにより実行される成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理のフローチャート。
図6上記ECUにより実行される成層燃焼時EGR開度学習値算出処理のフローチャート。
図7エンジン回転数NE、負荷率eklq及び目標吸気圧PMxyの関係を求めるためのマップ構成説明図。
図8エンジン回転数NE、負荷率eklq及び基本EGR開度指示値EGRxyの関係を求めるためのマップ構成説明図。
図9実施の形態2においてECUにより実行される成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理のフローチャート。
図10エンジン回転数NE、負荷率eklq及び基本目標スロットル開度tTAxyの関係を求めるためのマップ構成説明図。
図11実施の形態3においてECUにより実行される成層燃焼時スロットル開度学習値算出処理の一部を示すフローチャート。
図12実施の形態4において可変バルブタイミングシステムが実行する吸気バルブ開弁タイミング調整状態を示すグラフ

--

0097

2…エンジン、4…ECU、10…燃焼室、12…燃料噴射バルブ、14…点火プラグ、16…吸気ポート、18…吸気バルブ、20…吸気通路、22…サージタンク、24…スロットルモータ、26…スロットルバルブ、28…スロットル開度センサ、30…吸気圧センサ、32…排気ポート、34…排気バルブ、36…排気通路、38…排気浄化触媒、40…EGR通路、42…EGRバルブ、44…アクセルペダル、46…アクセル開度センサ、48…クランクシャフト、50…回転数センサ、52…基準クランク角センサ。

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