図面 (/)

技術 帯電を防止された塗料組成物

出願人 赤穂化成株式会社
発明者 久保純一
出願日 2001年10月11日 (19年2ヶ月経過) 出願番号 2001-314113
公開日 2003年1月8日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2003-003124
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤
主要キーワード 無水無機塩 帯電防止性物質 水系エマルジョン塗料 塗料重量 無機塩水和物 テフロン基板 耐久性塗料 塗膜伸度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年1月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課 題

汚染性を軽減せしめた塗料及び帯電防止性塗料経済的に、且つ取り扱いの上で、簡便な帯電防止された塗料組成物の提供。

解決手段

水系塗料又は溶剤系塗料に対し、潮解性を有する無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物を添加することにより、塗料の外観(色、透明性等)を損なうことなく、塗料として物性を変えることなく、帯電を防止した塗料組成物とする。

概要

背景

塗料歴史は古く、以前は溶剤系がほとんどであった。最近、この分野でも、環境への配慮が必要となり、特にVOC(揮発性有機物質)の問題がクローズアップされ、水系塗料の台頭が著しく、今後もこの傾向は続くと考えられる。

しかし、最も古くて未だ未解決の問題は、塗布の状態をいかに長く保持できるか、すなわち、塗料の耐久性の問題である。その一つの原因である静電気の防止も重要な問題の一つである。すなわち、汚れの原因として、空気中のちり、油状物質などが静電気により塗膜表面に付着することが汚れの大きな原因と考えられている。この問題を解決するために、例えば、親水性塗料とか帯電防止性塗料などが提案されている。前者の親水性塗料では、例えば、OHなどの親水基を表面に存在させ、これにより空気中の水分を吸着させ、水の薄膜を形成させる。後者の帯電防止性塗料では、導電性物質又は帯電防止性物質を表面に塗布するか又は帯電防止性物質を塗料中に混ぜておくなどの手段を講じるのである。しかし、後者の帯電防止性物質を添加する場合の原理は、親水性塗料の場合と同様、空気中の水分を表面に吸着させ、水の薄膜を形成させる。この水薄膜の形成により、水洗による汚れの除去が容易になり、特に雨だれ汚染などに有効とされている。

この場合の問題となるのは、添加により、基材の持っている色、透明性、物性を大きく変えないこと、及び優れた帯電防止性を有することである。この帯電防止性を表す数値として、表面抵抗率がある。すなわち、表面抵抗率が大きいほど、帯電し易くなる。したがって、十分に帯電を防止するためには、表面抵抗率を下げる必要がある。

従来の方法では、基材塗料の外観、物性をあまり変化させることなく、表面抵抗率を 107Ω以下に下げることは困難であった。もし可能であったとしても、それは重大なコストアップをともない、工業的な実施は困難があった。

従来、塗料表面帯電を防止するには多くの手段が提案されている。例えば、帯電防止剤の添加又は塗布、導伝性物質の添加又は塗布、粉体塗料への導伝性物質の混入ポリマー自体の導電性の向上、親水性塗料等々である。しかし、いずれの手段においても、その効果と経済性を考慮すると、いずれも一長一短であり、未だ満足すべき手段とは言い難い。

また、塗料の耐久性を維持するものとして、超耐久性塗料と呼ばれるものがある。例えば、フッ素樹脂塗料アクリルシリコン系塗料、シリコンエマルジョン塗料等々である。しかし、これらは高価であり、どこにでも手軽に使えるというものではない。そこで、本発明は、一般に使用されている塗料の耐久性を簡単な手段で経済的に改善することを課題とするものである。

概要

汚染性を軽減せしめた塗料及び帯電防止性塗料を経済的に、且つ取り扱いの上で、簡便な帯電防止された塗料組成物の提供。

水系塗料又は溶剤系塗料に対し、潮解性を有する無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物を添加することにより、塗料の外観(色、透明性等)を損なうことなく、塗料として物性を変えることなく、帯電を防止した塗料組成物とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

潮解性を有する無水無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物基材ポリマー100重量部に対し1〜50重量部を添加することを特徴とする帯電を防止された塗料組成物

請求項2

無水無機塩が、CaCl2、MgCl2、AlCl3、Ca(No3)2、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2CO3、Na2SiO3、Na2HPO4又はNaH2PO4から選ばれたものであり、無機塩水和物がこれらの塩の水和物から選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の帯電を防止された塗料組成物。

請求項3

塗料組成物が、水系塗料組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電を防止された塗料組成物。

請求項4

塗料組成物が、溶剤系塗料組成物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の帯電を防止された塗料組成物。

請求項5

無機塩水和物を使用することを特徴とする請求項4に記載の帯電を防止された塗料組成物。

請求項6

帯電防止塗料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗料組成物。

技術分野

0001

本発明は、帯電が防止された塗料組成物に関する。さらに本発明は、無機塩水和物潮解性を利用して帯電を防止された塗料組成物に関する。なお、本発明の塗料は、いわゆる塗料を対象とすることは勿論、表面コーティングに使用される、いわゆるコーティング剤も対象とする。

背景技術

0002

塗料の歴史は古く、以前は溶剤系がほとんどであった。最近、この分野でも、環境への配慮が必要となり、特にVOC(揮発性有機物質)の問題がクローズアップされ、水系塗料の台頭が著しく、今後もこの傾向は続くと考えられる。

0003

しかし、最も古くて未だ未解決の問題は、塗布の状態をいかに長く保持できるか、すなわち、塗料の耐久性の問題である。その一つの原因である静電気の防止も重要な問題の一つである。すなわち、汚れの原因として、空気中のちり、油状物質などが静電気により塗膜表面に付着することが汚れの大きな原因と考えられている。この問題を解決するために、例えば、親水性塗料とか帯電防止性塗料などが提案されている。前者の親水性塗料では、例えば、OHなどの親水基を表面に存在させ、これにより空気中の水分を吸着させ、水の薄膜を形成させる。後者の帯電防止性塗料では、導電性物質又は帯電防止性物質を表面に塗布するか又は帯電防止性物質を塗料中に混ぜておくなどの手段を講じるのである。しかし、後者の帯電防止性物質を添加する場合の原理は、親水性塗料の場合と同様、空気中の水分を表面に吸着させ、水の薄膜を形成させる。この水薄膜の形成により、水洗による汚れの除去が容易になり、特に雨だれ汚染などに有効とされている。

0004

この場合の問題となるのは、添加により、基材の持っている色、透明性、物性を大きく変えないこと、及び優れた帯電防止性を有することである。この帯電防止性を表す数値として、表面抵抗率がある。すなわち、表面抵抗率が大きいほど、帯電し易くなる。したがって、十分に帯電を防止するためには、表面抵抗率を下げる必要がある。

0005

従来の方法では、基材塗料の外観、物性をあまり変化させることなく、表面抵抗率を 107Ω以下に下げることは困難であった。もし可能であったとしても、それは重大なコストアップをともない、工業的な実施は困難があった。

0006

従来、塗料表面帯電を防止するには多くの手段が提案されている。例えば、帯電防止剤の添加又は塗布、導伝性物質の添加又は塗布、粉体塗料への導伝性物質の混入ポリマー自体の導電性の向上、親水性塗料等々である。しかし、いずれの手段においても、その効果と経済性を考慮すると、いずれも一長一短であり、未だ満足すべき手段とは言い難い。

0007

また、塗料の耐久性を維持するものとして、超耐久性塗料と呼ばれるものがある。例えば、フッ素樹脂塗料アクリルシリコン系塗料、シリコンエマルジョン塗料等々である。しかし、これらは高価であり、どこにでも手軽に使えるというものではない。そこで、本発明は、一般に使用されている塗料の耐久性を簡単な手段で経済的に改善することを課題とするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、塗料の汚れ、劣化を防止するため、無機塩又は無機塩の水和物の潮解性を利用して帯電を防止することによって、表面の静電気の発生が防止された塗料を提供するものであり、基本的には以下の構成からなる。
(1)潮解性を有する無水無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物を基材ポリマー100重量部に対し1〜50重量部を添加した帯電を防止された塗料組成物。
(2)無水無機塩が、CaCl2、MgCl2、AlCl3、Ca(No3)2、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2CO3、Na2SiO3、Na2HPO4又はNaH2PO4から選ばれたものであり、無機塩水和物がこれらの塩の水和物から選ばれたものである上記(1)に記載の帯電を防止された塗料組成物。
(3)塗料組成物が、水系塗料組成物である上記(1)又は(2)に記載の帯電を防止された塗料組成物。
(4)塗料組成物が、溶剤系塗料組成物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の帯電を防止された塗料組成物。
(5)無機塩水和物を使用する上記(4)に記載の帯電を防止された塗料組成物。
(6)帯電防止塗料である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の塗料組成物。

0009

以下に本発明を詳細に説明する。塗料は、大別して溶剤系塗料と水系塗料があり、本発明で得られる帯電を防止した組成物は、この両者に対して有効である。しかし、本組成物が、最も効果を発揮するのは水系塗料の場合である。水系塗料の場合、無水無機塩の形で添加することが可能である。その理由は、無水無機塩で添加しても、これは水和物に変化し、水和物としてポリマーに取り込まれるからである。

0010

また、塗料にはハイソリッド塗料と呼ばれるものがあるが、これは溶媒の量を極力少なくし、速乾性を狙うものであり、このような塗料もその溶媒が水系か溶剤系かによって、本発明における水系塗料又は溶剤系塗料のいずれかに含まれる。

0011

本発明では、一般に使用されている塗料に潮解性を有する無機塩又はその水和物を添加することにより、帯電を防止し、汚染され難くすることが一つの目的とするものであるが、帯電防止塗料自体も本発明に含まれることは勿論である。一般に帯電防止塗料は、静電気を嫌う個所に塗布することによって、帯電を防止することを目的として使用されるもので、種々の工業分野で広く使用されているが、本発明の塗料組成物の優れた帯電防止性、基材の外観(色、透明性など)を損なわない性質、物性への影響の少なさ、及び経済性(コストアップの小ささ)により、上記のような各種工業で多くの用途に使用され得る可能性を有している。

0012

従来の帯電防止塗料は、例えば、繊維及び製紙などでの毛羽立ち、糸や繊維の巻き付き、折り畳み不良、糸むら等の防止、粉体工業での目詰まりの防止、プラスチックゴム工業での塵埃付着による品質劣化、加工中の帯電の防止、フィルム写真工業での機械への巻き付き、品質低下の防止、電子機器工業での誤作動、雑音電撃などの防止、精密機器工業での粉塵付着による品質低下の防止等々の用途に用いられているが、本発明の塗料組成物もこのような用途に使用することは、十分可能である。

0013

溶剤系塗料に添加する場合、添加する塩水和物はできるだけ細かく粉砕し、微粒化して添加することが好ましいが、水系塗料の場合、その必要はない。何故ならば、溶剤系の場合、添加された塩水和物は固体の形で塗料中に存在するため、帯電防止効果を大きくするため及び外観、物性への影響を小さくするためにも微粒化が必要である。微粒化の程度はその用途によって異なるが、一般には平均粒径200ミクロン以下、好ましくは 100ミクロン以下が望まれる。しかし、水系塗料の場合、添加された無水無機塩又は無機塩水和物は、水に溶解した状態でポリマーに取り込まれるため、微粒化の必要はない。

0014

本発明における無水無機塩又は無機塩水和物の添加量は、一般には基材ポリマー100重量部に対して 0.5〜 100重量部、好ましくは1〜50重量部であるが、この添加量は帯電防止効果及び基材への影響度から決められる。例えば、乾燥後の表面抵抗率を 107Ωまで落としたい場合には、塩水和物としての添加量は、基材ポリマ− 100重量部に対して5〜20重量部、 108Ω〜109Ωの場合には1〜10重量部で十分である。溶剤系塗料の場合にも、この範囲の添加量であれば、塩水和物の添加によって、基材塗料の色、透明性、物性の変化は大きくないが、水系塗料の場合には添加による影響は極めて軽微である。塗料の場合、特に塗料としての特性に対する影響が懸念されるが、実施例に示すとおり、それほど大きくはない。

0015

添加される塩としては、潮解性を有し、水和物を生成するものであれば使用可能であるが、帯電防止効果、基材塗料の外観(色、透明性など)及び物性に対する影響の小さいこと、安全性、価格等からCaCl2、MgCl2、AlCl3、Ca(No3)2、Mg(No3)2、Al(No8)3、Na2Co3、Na2SiO3、Na2HPO4又はNaH2PO4が特に好ましい。先に述べたとおり、これらの塩の水和物の形で添加することは勿論良い。しかし、水が存在しない塗料、すなわち溶剤系塗料の場合、上記無機塩を水和物として添加する必要がある。すなわち、CaCl26H2O、MgCl26H2O、AlCl39H2O、Ca(NO8)24H2O、 Mg(NO8)26H2O、Al(NO3)39H2O、Na2CO310H2O、Na2SiO3nH2O、Na2HPO412H2O又はNaH2PO42H2O(又は1H2O)の形で添加することが必要である。

0016

本発明によれば、基材塗料の外観、物性を大きく変化させることなく、表面抵抗率107Ω以下にまで容易に下げることができる。また、適切な塩とポリマーの組合わせによっては104Ω以下にまで下げることが可能である。表面抵抗率の低下と水に対する接触角との関係、さらには汚れ難さとの関係は、従来の多くの研究で明らかにされているとおりである。すなわち、表面抵抗率の低下は水の薄膜の生成を意味し、これが静電気の生じ難さにつながり、ひいては表面の汚れ難さを意味する。

0017

本発明では、基材塗料を構成するポリマーの化学構造に特に制限はない。添加された塩水和物は、物理的にポリマー分子間に取り込まれるため、ポリマーの化学構造ににかかわらず帯電防止効果を発揮する。

0018

本方法において、溶剤系塗料の場合は塩水和物の微粒、水系塗料の場合は無水無機塩又は塩水和物の添加は容易である。添加は例えば製品タンクのような場所で行われるが、十分に撹拌するだけで良い。また、製品として納入された塗料に上記無水無機塩又は無機塩水和物を添加することも可能である。上記添加は、一般には常温で良い。混合を促進するために、加熱することは差支えないが、この場合にも50℃以下の加熱で十分である。添加のために特別な設備は必要としない。強いて言えば、十分な撹拌を必要とするだけで良い。

0019

本発明の一つの重要な特徴は、その経済性にある。本方法で使用される無機塩は極めて安価である。したがって、その増量材としての効果を考慮すれば、添加によるコストアップは非常に小さい。従来の帯電防止剤がかなり、高価なことと比較すれば、その効果とあいまって極めて魅力的と言える。

0020

現在、上市されている帯電防止剤としては 400種にも及ぶものが知られているが、この中に無機物は含まれていない。本発明では、従来、帯電防止剤として用いられていない無機物の特性に着目し、驚くほどの帯電防止効果の発揮されることを見出したものである。

0021

本発明の塗料組成物では、上記無水無機塩又は無機塩水和物は、溶剤系でも使用可能であるが、その特徴は水系塗料でより顕著に発揮される。すなわち、塩水和物(無水無機塩も水和物に変化する)は水に溶けた状態でポリマーに取り込まれる。この状態で取り込まれると、基材中に非常に均一に分散し、基材の外観、物性を変化させることが少なく、かつ大きな帯電防止効果を発揮することが本発明者により見出され、本発明を完成するに至った。

発明を実施するための最良の形態

0022

以下の実施例によって、本発明の実施の態様及び奏せられる効果を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0023

スチレンアクリル系塗料水性エマルジョン、CaCl2, MgCl2, AlCl3 及びその水和物であるCaCl26H2O, MgCl26H2O又は AlCl39H2Oの帯電防止効果をみた。上記エマルジョンに上記無水無機塩又は無水塩水和物を常温で加え、十分撹拌した後、テフロン基板上に流し入れ、アプリケーターより厚さ0.03mmの膜を形成する。常温で、十分乾燥した後、膜表面の表面抵抗率、帯電圧及び半減期印加電圧10KV)、並びに摩擦帯電量を測定した(JIS L-1094による)。ブランクとして、これらの塩又は塩水和物を添加しないサンプルも同じ方法で作成し、同様の測定を行い、結果を比較した。測定は、20℃、相対湿度20%の条件下で行った。なお、上記塩又は塩水和物添加後のサンプルの外観(色、透明性)及び触感(軟らかさ、弾力性)はブランクのサンプルとほとんど相違はなかった。結果を表1に示す。なお、表1中の添加量はエマルジョン中の基材ポリマーに対する塩の水和物換算での重量部で示す。

0024

0025

先の実施例1と同じスチレン/アクリル系塗料用エマルジョンに塩化物に代えて硝酸塩を添加した。すなわち、 Ca(No3)2, Mg(No3)2, Al(No8)3 及びにその水和物であるCa(NO3)24H2O, Mg(NO3)26H2O又はAl(NO3)39H2Oを添加した。添加の方法、サンプルの作成方法測定方法及び測定条件、添加量はすべて実施例1と同じとした。なお、添加後のサンプルの外観、触感はブランクとほとんど相違はなかった。結果を表2に示す。

0026

0027

先の実施例1及び2と同じスチレン/アクリル系塗料用エマルジョンに、塩化物(実施例1)及び硝酸塩(実施例2)に代えて、Na2Co3及びNa2SiO3 又はその水和物を添加した。添加方法、サンプルの作成方法、測定方法及び測定条件、添加量はすべて実施例及び2と同じとした。なお、添加後のサンプルの外観、触感は今回もブランクとほとんど相違なかった。結果を表3に示す。

0028

ID=000004HE=080 WI=089 LX=0605 LY=1450
表中の添加量は、添加した塩又は塩水和物の量(g)/添加前の塗料の重量である。

0029

溶剤系塗料である外装用アクリル樹脂塗料(大日本塗料(株)製)を入手し、これにCaCl2, MgCl2, AlCl3 及びこれらの水和物であるCaCl26H2O, MgCl26H2O又は AlCl39H2O を添加して、その帯電防止効果をみた。すなわち、これらの塩又は塩水和物を乳鉢で十分細かく微粒化し(平均粒径60ミクロン)、これを塗料に加え、常温で十分撹拌した。得られた塗料をテフロン基板上に塗布し、常温で十分乾燥し、厚さ0.03mmの膜を形成した。この膜について、20℃、相対湿度20%の条件下で、表面抵抗率、帯電圧及び半減期(印加電圧10KV)及び摩擦帯電量を測定した(JIS L-1094による)。ブランクとして、これらの塩又は塩水和物を添加しないサンプルも同様の方法で作成し、同様の測定を行い、結果を比較した。結果を表4に示す。なお、上記塩又は塩水和物を添加したサンプルの外観及び触感はブランクと比較して、相違はほとんどなかった。

0030

0031

実施例4に用いた溶剤系塗料にCa(NO3)24H2O, Mg(NO3)26H2O, Al(NO3)39H2O,Na2CO310H2O又はNa2SiO3nH2O を添加し、その帯電防止効果をみた。添加試料の作成及び添加方法、及び添加量、測定方法、測定条件は実施例4と同じである。結果をブランクと比較して表5に示す。なお、本実施例においても添加後のサンプルの外観、触感はブランクと比較して相違はなかった。

0032

ID=000006HE=085 WI=093 LX=0585 LY=1400
なお、添加量は塗料重量(g) に対する添加した塩又は塩水和物重量(g) で示した。

0033

エチレン酢酸ビニール共重合樹脂塗料(水系エマルジョン塗料、不揮発分48%)にCa(NO3)2、Mg(NO3)2、Al(NO3)3及びその水和物であるCa(NO3)24H2O、Mg(NO3)26H2O又はAl(NO3)39H2Oを添加し、その帯電防止効果及び添加による塗料としての特性の変化をみた。塗料に対して上記無水無機塩又は無機塩水和物を常温で加え、十分撹拌した後、ガラス基板上に塗布し(膜厚0.02mm)、常温で十分乾燥した後、膜表面の表面抵抗率、帯電圧、半減期(印加電圧10KV)及び摩擦帯電量を測定した(JIS L-1094による)。測定は、20℃、相対湿度20%で行った。さらに、その後、これらのサンプルについて、光沢保持率耐候性試験)、塗膜伸度水接触角付着強度鉛筆硬度引張り強さ、曲げ強度をみた。結果をブランクと比較して表6に示す。結果を表6に示す。

0034

0035

スチレン/アクリル共重合樹脂塗料(水系エマルジョン、不揮発分49%)にCa(NO3)24H2O, Mg(NO3)26H2O, Al(NO3)39H2O, Na2CO310H2O 又は Na2SiO3nH2Oを添加し、その帯電防止効果及び添加による塗料としての特性の変化をみた。塗料に上記無機塩水和物を常温で加え、十分撹拌した後、ガラス基板上に塗布し(膜厚0.02mm)、常温で十分乾燥した後、膜表面の表面抵抗率、帯電圧及び半減期(印加電圧10KV)及び摩擦帯電量を測定した (JIS L-1094) 。測定は、20℃相対湿度20%で行った。さらに、これらのサンプルについて、光沢保持率(耐候性試)、塗膜伸度、水接触角、付着強度、鉛筆硬度、引張り強さ及び曲げ強度をみた。添加量とは、実施例6と同様に添加前の塗料重量(g) に対する添加物重量部(g) である。結果をブランクと比較して、表7に示す。

0036

0037

スチレン/アクリル酸エステル共重合樹脂塗料(水系エマルジョン、不揮発分50%)にNa2HPO4又はNaH2PO4を添加し、その帯電防止効果及び添加による塗料としての特性の変化をみた。塗料に各無機塩水和物を常温で加え、十分撹拌した後、ガラス基板上に塗布し(膜厚0.02mm)、常温で、十分乾燥した後、膜表面の表面抵抗率、帯電圧、半減期(印加電圧10KV)及び摩擦帯電圧を測定した(JIS L-1094)。測定は、20℃、相対湿度20%で行った。さらに、これらのサンプルについて、光沢保持率(耐候性試験)、塗膜伸度、水接触角、付着強度、引張り強さ及び曲げ強度をみた。添加量とは、実施例6、7と同様に添加前の塗料重量(g)に対する添加物重量(g)である。結果をブランクと比較して表8に示す。

0038

0039

実施例1〜9から以下のことが確認できた。
イ.潮解性を有する無機塩水和物が塗料表面の帯電を防止することは明らかである。
ロ.この帯電防止効果は大きく、表面抵抗率を107Ω以下にまで容易に低下させることができ、適切な塩とポリマーの組合わせよっては104Ω以下に下げることも可能である。
ハ.本発明の帯電防止組成物は、水系塗料は勿論、溶剤系塗料においても効果がある。ただし、溶剤系の場合には、添加する塩水和物を微粒化して添加することが好ましい。
ニ.水系塗料の場合には、無水無機塩を添加しても、無機塩水和物を添加しても、その効果は変わらない。このことは、無水無機塩が水和物に変化してポリマーに取り込まれることと考えられる。
ホ.帯電防止のための無機塩又はその塩水和物の添加によって、基材塗料の外観(色、透明性)が損なわれることはほとんどない。
ヘ.本発明の帯電防止組成物は、ポリマ−を用いた基材塗料の化学組成にはほとんど関係なく効果を発揮する。これは、塩水和物が物理的にポリマー中の取り込まれるためと考えられる。
ト.本組成物の使用により、塗料表面での帯電が著しく抑制されるため、水接触角は大幅に減少し、汚染性が著しく改善される。
チ.添加により、伸度、付着強度、引張り強さ、曲げ強さなどは多少変化するが、その変化は小さく、実用上ほとんど問題ない。

発明の効果

0040

本発明では、ポリマーに対して潮解性を有する無機塩又はその水和物の添加することによって、塗料表面の帯電が著しく防止され、その結果、水に対する接触角の減少や汚染性の低減が達成される。また、無機塩又はその水和物の添加によって塗料の色、透明性等はほとんど損なわれることなく、また塗料としての性質も大きく変化させることなく、実用上ほとんど支障がない。さらに、無機塩及びその水和物の添加は、経済的にほとんどコストアップにはつながらない。これらの塩又はその水和物の添加、特にに水系塗料への添加は極めて容易であり、特別の設備を必要としないばかりか塗布する直前での添加も可能であり、取り扱いはきわめて簡単である。これらのことから、一般に使用されている塗料の汚染性の軽減策として容易に実施されるだけでなく、その帯電防止効果の大きさから、帯電防止塗料として特殊な用途も期待される。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ