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課題・解決手段

キメラ呼吸系発疹ウイルス(RSV)およびそのワクチン組成物が、一つのRSVサブグループまたは株からの一つまたはそれ以上の異種遺伝子または遺伝子セグメントを異なったサブグループまたは株の受容体RSVバックグラウンド内へ導入することにより製造される。生じたキメラRSVウイルスまたはサブウイルス粒子感染性でありおよび弱毒化されており、好適には、弱毒化表現型を特定する選択された突然変異のキメラゲノムまたはアンチゲノム内への導入により、例えば、温度感受性(ts)および/または低温適合(ca)ワクチン株が得られる。もしくは、キメラRSVおよびそのワクチン組成物は所望の構造的および/または表現型特性を特定している他の突然変異を感染性キメラRSV中に取り込んでいる。そのようなキメラRSVは一つまたはそれ以上の選択されたヌクレオチド配列、遺伝子または遺伝子セグメントの挿入、欠損置換または転位により特定される所望の突然変異をキメラRSVクローン中に取り込んでいる。このことは異種株の保護的抗原発現するための共通の弱毒化バックボーンベクターとして使用することにより、多様なRSV株に対する新規ワクチン開発のための方法を提供する。個体の免疫系は天然RSV感染に対する保護を誘導するように、好適には多RSV株および/またはサブグループに対する保護を達成するために多価様式で刺激される。

概要

背景

概要

キメラ呼吸系発疹ウイルス(RSV)およびそのワクチン組成物が、一つのRSVサブグループまたは株からの一つまたはそれ以上の異種遺伝子または遺伝子セグメントを異なったサブグループまたは株の受容体RSVバックグラウンド内へ導入することにより製造される。生じたキメラRSVウイルスまたはサブウイルス粒子感染性でありおよび弱毒化されており、好適には、弱毒化表現型を特定する選択された突然変異のキメラゲノムまたはアンチゲノム内への導入により、例えば、温度感受性(ts)および/または低温適合(ca)ワクチン株が得られる。もしくは、キメラRSVおよびそのワクチン組成物は所望の構造的および/または表現型特性を特定している他の突然変異を感染性キメラRSV中に取り込んでいる。そのようなキメラRSVは一つまたはそれ以上の選択されたヌクレオチド配列、遺伝子または遺伝子セグメントの挿入、欠損置換または転位により特定される所望の突然変異をキメラRSVクローン中に取り込んでいる。このことは異種株の保護的抗原発現するための共通の弱毒化バックボーンベクターとして使用することにより、多様なRSV株に対する新規ワクチン開発のための方法を提供する。個体の免疫系は天然RSV感染に対する保護を誘導するように、好適には多RSV株および/またはサブグループに対する保護を達成するために多価様式で刺激される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

単離された感染性キメラ呼吸系発疹ウイルス(RSV)であって、主ヌクレオキャプシド(N)タンパク質、ヌクレオキャプシドホスホタンパク質(P)、ラージポリメラーゼタンパク質(L)、RNAポリメラーゼ延長因子、および一つのRSV株またはサブグループウイルスの部分または完全RSVゲノムまたはアンチゲノムが異なったRSV株またはサブグループウイルスの異種遺伝子または遺伝子セグメントと結合されて形成されたキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムから成るキメラRSV。

請求項2

キメラゲノムまたはアンチゲノムが、異なった、ヒトまたは非ヒトRSVサブグループまたは株からの異種遺伝子または遺伝子セグメントと結合された一つのRSVサブグループまたは株の部分または完全ヒトRSVゲノムまたはアンチゲノムから成る請求項1に記載のキメラRSV。

請求項3

異種遺伝子または遺伝子セグメントがヒトRSVサブグループA、ヒトRSVサブグループB、ウシRSVまたはマウスRSVからのものである請求項2に記載のキメラRSV。

請求項4

異種遺伝子または遺伝子セグメントがNS1、NS2、N、P、M、SH、M2(ORF1)、M2(ORF2)、L、FまたはG遺伝子または遺伝子セグメントから選択される請求項1に記載のキメラRSV。

請求項5

異種遺伝子または遺伝子セグメントがRSVF、GまたはSH糖タンパク質またはそれらの細胞質ドメイン膜貫通ドメイン外部ドメインまたは免疫原性エピトープコード化している請求項4に記載のキメラRSV。

請求項6

キメラゲノムまたはアンチゲノムが、ヒトRSVBサブグループウイルスからの異種遺伝子または遺伝子セグメントと結合された部分または完全ヒトRSV Aサブグループゲノムまたはアンチゲノムから成る請求項1に記載のキメラRSV。

請求項7

ヒトRSVBサブグループウイルスからの異種遺伝子または遺伝子セグメントがRSV F、GまたはSH糖タンパク質またはそれらの細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、外部ドメインまたはそれらの免疫原性エピトープをコード化している請求項6に記載のキメラRSV。

請求項8

一つまたはそれ以上のヒトRSVBサブグループ糖タンパク質遺伝子F、GおよびSHまたはそれらの細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、外部ドメインまたは免疫原性エピトープがRSV Aゲノムまたはアンチゲノム内に置換されている請求項6に記載のキメラRSV。

請求項9

ヒトRSVBサブグループ糖タンパク質遺伝子FおよびGの一つまたは両方が、RSV Aゲノムまたはアンチゲノム中のFおよびG糖タンパク質遺伝子相対物の一つまたは両方を置き換えるために置換されている請求項8に記載のキメラRSV。

請求項10

ヒトRSVBサブグループ糖タンパク質遺伝子FおよびGの両方が、RSV Aゲノムまたはアンチゲノム中のFおよびG糖タンパク質遺伝子相対物を置き換えるために置換されている請求項9に記載のキメラRSV。

請求項11

第一の異種遺伝子または遺伝子セグメントが、部分または完全RSVゲノムまたはアンチゲノム内の遺伝子または遺伝子セグメント相対物を置き換えるために置換され、および第二の異種遺伝子または遺伝子セグメントが部分または完全RSVゲノムまたはアンチゲノムに付加されてキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムを形成している請求項1に記載のキメラRSV。

請求項12

キメラゲノムまたはアンチゲノムがさらに一つのまたはそれ以上の弱毒化突然変異により修飾されている請求項1に記載のキメラRSV。

請求項13

キメラゲノムまたはアンチゲノムが生物学的に誘導された変異体RSV株のパネル内に存在する弱毒化突然変異を少なくとも一つおよび十分に補足するまで取り込んでいる請求項12に記載のキメラRSV、該パネルはcpts RSV 248(ATCCVR2450)、cpts RSV 248/404(ATCC VR 2454)、cpts RSV 248/955(ATCC VR 2453)、cpts RSV 530(ATCC VR 2452)、cpts RSV 530/1009(ATCC VR 2451)、cpts RSV 530/1030(ATCC VR 2455)、RSV B-1 cp52/2B5(ATCC VR 2542)およびRSV B-1 cp-23(ATCC VR 2579)を含んでいる。

請求項14

キメラゲノムまたはアンチゲノムが、RSVポリメラーゼ遺伝子中のPhe521、Gln831、Met1169、またはTyr1321での温度感受性アミノ酸置換、または遺伝子M2の遺伝子開始配列中の温度感受性ヌクレオチド置換を特定している弱毒化突然変異を少なくとも一つのおよび十分に補足するまで取り込んでいる請求項12に記載のキメラRSV。

請求項15

キメラゲノムまたはアンチゲノムが、低温継代弱毒化RSVからの突然変異を少なくとも一つおよび十分に補足するまで取り込んでいる請求項12に記載のキメラRSV、該突然変異の補足はRSV N遺伝子中のVal267、RSV F遺伝子中のGlu218またはThr523、RSVポリメラーゼ遺伝子L中のCys319またはHis1690のアミノ酸置換を特定している突然変異を含んでいる。

請求項16

ヒトRSVBサブグループ糖タンパク質遺伝子FおよびGの各々がヒトRSV Aゲノムまたはアンチゲノム内に付加または置換されてキメラゲノムまたはアンチゲノムを形成し、それがさらに一つまたはそれ以上の弱毒化突然変異を取り込むように修飾されている請求項1に記載のキメラRSV。

請求項17

ヒトRSVBサブグループ糖タンパク質遺伝子FおよびGの両方が、RSV Aゲノムまたはアンチゲノム内のFおよびG糖タンパク質遺伝子相対物を置き換えるために置換されてキメラゲノムまたはアンチゲノムを形成し、それが(i)RSVポリメラーゼ遺伝子L中のGln831およびTyr1321での温度感受性アミノ酸置換を特定している突然変異のパネル;(ii)遺伝子M2の遺伝子開始配列中の温度感受性ヌクレオチド置換;(iii)RSV N遺伝子中のVal267からIle、およびRSVポリメラーゼ遺伝子L中のCys319からTyrおよびHis1690からTyrへのアミノ酸置換を特定する低温継代RSVから採用された突然変異の弱毒化パネル;または(iv)SH遺伝子の欠損から選択される弱毒化点突然変異を取り込むようにさらに修飾される請求項16に記載のキメラRSV。

請求項18

キメラゲノムまたはアンチゲノムが少なくとも二つの弱毒化突然変異を取り込む請求項12に記載のキメラRSV。

請求項19

キメラゲノムまたはアンチゲノムが異なった、生物学的に誘導された変異体RSV株から採用された弱毒化突然変異を取り込む請求項18に記載のキメラRSV。

請求項20

キメラゲノムまたはアンチゲノムが突然変異を特定しているコドン中の多ヌクレオチド変化により安定化されている少なくとも一つの弱毒化突然変異を含む請求項12に記載のキメラRSV。

請求項21

弱毒化ウイルスが103から106PFU投与量で処方されている請求項1に記載のキメラRSV。

請求項22

さらに増殖特性の変化、弱毒化、温度感受性、低温適合プラークサイズ宿主範囲制限または免疫原性の変化から選択される表現型変化を特定しているヌクレオチド修飾を含んでいる請求項1に記載のキメラRSV。

請求項23

SH、NS1、NS2、M2ORF2またはG遺伝子が修飾されている請求項22に記載のキメラRSV。

請求項24

SH、NS1、NS2、M2ORF2またはG遺伝子の全体がまたは一部が欠損されている、または該遺伝子の読み取り枠中への一つまたはそれ以上の停止コドンの導入により該遺伝子の発現が除去されている請求項23に記載のキメラRSV。

請求項25

ヌクレオチド修飾がキメラRSVゲノムまたはアンチゲノム内の選択されたRSV遺伝子シス作用性制御配列のヌクレオチド欠損、挿入、置換、付加または転位を含む請求項22に記載のキメラRSV。

請求項26

選択されたRSV遺伝子のシス作用性制御配列が対応する、異なったRSVサブグループまたは株からの選択されたRSV遺伝子のシス作用性制御配列相対物から成る異種制御配列または異なったRSV遺伝子のシス作用性制御配列へ変更される請求項25に記載のキメラRSV。

請求項27

NS1またはNS2遺伝子の遺伝子末端(GE)シグナルが対応するRSVN遺伝子のGEシグナルへ改変される請求項25に記載のキメラRSV。

請求項28

ヌクレオチド修飾がキメラゲノムまたはアンチゲノム内の翻訳開始部位の挿入、欠損、置換または転位を含む請求項22に記載のキメラRSV。

請求項29

RSVG糖タンパク質の分泌形のための翻訳開始部位が除去される請求項28に記載のキメラRSV。

請求項30

キメラゲノムまたはアンチゲノムがサイトカイン、T-ヘルパーエピトープ、制限部位マーカーまたは哺乳類宿主において保護的免疫応答惹起できる微生物病原体のタンパク質から選択される非RSV分子をコード化するように修飾される請求項22に記載のキメラRSV。

請求項31

パラインフルエンザウイルス(PIV)からの遺伝子または遺伝子セグメントを取り込んでいる請求項22に記載のキメラRSV。

請求項32

遺伝子または遺伝子セグメントがPIV HNまたはF糖タンパク質をコード化している請求項31に記載のキメラRSV。

請求項33

遺伝子セグメントがPIV1、PIV2またはPIV3のHNまたはFの細胞質尾部、膜貫通ドメイン、外部ドメインまたは免疫原性エピトープをコード化している請求項32に記載のキメラRSV。

請求項34

キメラゲノムまたはアンチゲノムが、ウシまたはマウスRSVからの弱毒化、異種遺伝子または遺伝子セグメントと結合された部分または完全ヒトRSVゲノムまたはアンチゲノムを含む請求項1に記載のキメラRSV。

請求項35

ウイルスである請求項1に記載のキメラRSV。

請求項36

サブウイルス粒子である請求項1に記載のキメラRSV。

請求項37

生理学的に受容可能な担体と混合された請求項1のキメラRSVの免疫学的に十分な量を個体に投与することから成る、RSVに対する保護を誘導するために個体の免疫系を刺激するための方法。

請求項38

キメラRSVが103から106PFUの投与量で投与される請求項37に記載の方法。

請求項39

キメラRSVが上気道に投与される請求項37に記載の方法。

請求項40

キメラRSVがスプレイ小滴またはエアロゾルにより投与される請求項37に記載の方法。

請求項41

キメラRSVが、RSVに対する抗体が血清陰性または経胎盤で獲得されたRSVに対する母体抗体を持っている個体に投与される請求項37に記載の方法。

請求項42

キメラRSVがヒトRSV AかまたはRSV Bに対する免疫応答を惹起する、ヒトRSV AおよびRSV Bのキメラである請求項37に記載の方法。

請求項43

キメラRSVがヒトRSV AおよびRSV Bの両方に対する免疫応答を惹起する、ヒトRSV AおよびRSV Bのキメラである請求項37に記載の方法。

請求項44

キメラRSVがヒトRSV AかまたはRSV Bに対する免疫応答を惹起する、ヒトRSV AおよびRSV Bのキメラであり、およびヒトRSV AまたはRSV Bに対する免疫応答を惹起できる免疫学的に十分量の第二の弱毒化RSVを同時に投与し、それによりヒトRSV AまたはRSV Bの両方に対する免疫応答が惹起される請求項37に記載の方法。

請求項45

キメラRSVおよび第二の弱毒化RSVが混合物として同時に投与される請求項44に記載の方法。

請求項46

生理学的に受容可能な担体中に請求項1のキメラRSVを免疫学的に十分な量を含んでいる、RSVに対する免疫応答を惹起するための免疫学的組成物

請求項47

103から106PFUの投与量で処方されている請求項46に記載の免疫学的組成物。

請求項48

スプレイ、小滴またはエアロゾルによる上気道への投与のために処方されている請求項46に記載の免疫学的組成物。

請求項49

キメラRSVがヒトRSV AかまたはRSV Bに対する免疫応答を惹起するヒトRSV AおよびRSV Bのキメラである請求項46に記載の免疫学的組成物。

請求項50

キメラRSVがヒトRSV AおよびRSV Bの両方に対する免疫応答を惹起するヒトRSV AおよびRSV Bのキメラである請求項46に記載の免疫学的組成物。

請求項51

キメラRSVがヒトRSV AかまたはRSV Bに対する免疫応答を惹起するヒトRSV AおよびRSV Bのキメラであり、および組成物はさらにヒトRSV AまたはRSV Bに対する免疫応答を惹起できる免疫学的に十分量の第二の弱毒化RSVを含んでおり、それにより組成物がヒトRSV AまたはRSV Bの両方に対する免疫応答を惹起する請求項46に記載の免疫学的組成物。

請求項52

異なったRSV株またはサブグループウイルスの異種遺伝子または遺伝子セグメントと結合された一つのRSV株またはサブグループウイルスの部分または完全RSVゲノムまたはアンチゲノムを含んでいるキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムから成る単離されたポリヌクレオチド分子

請求項53

キメラゲノムまたはアンチゲノムが、異なった、ヒトまたは非ヒトRSVサブグループまたは株からの異種遺伝子または遺伝子セグメントと結合された一つのRSVサブグループまたは株の部分または完全ヒトRSVゲノムまたはアンチゲノムから成る請求項52に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項54

異種遺伝子または遺伝子セグメントがヒトRSVサブグループA、ヒトRSVサブグループB、ウシRSV、鳥類RSVまたはマウスRSVからのものである請求項52に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項55

異種遺伝子または遺伝子セグメントがRSVF、GまたはSH糖タンパク質またはそれらの細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、外部ドメインまたは免疫原性エピトープをコード化している請求項52に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項56

キメラゲノムまたはアンチゲノムが、ヒトRSVBサブグループウイルスからの異種遺伝子または遺伝子セグメントと結合された部分または完全ヒトRSV Aサブグループゲノムまたはアンチゲノムから成る請求項52に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項57

ヒトRSVBサブグループ糖タンパク質遺伝子FおよびGの一つまたは両方が、RSV Aゲノムまたはアンチゲノム中のFおよびG糖タンパク質遺伝子相対物の一つまたは両方を置き換えるために置換されている請求項52に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項58

ヒトRSVBサブグループ糖タンパク質遺伝子FおよびGの両方が、RSV Aゲノムまたはアンチゲノム中のFおよびG糖タンパク質遺伝子相対物を置き換えるために置換されている請求項57に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項59

キメラゲノムまたはアンチゲノムがさらに一つまたはそれ以上の弱毒化突然変異により修飾されている請求項52に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項60

ヒトRSVBサブグループ糖タンパク質遺伝子FおよびGの両方が、RSV Aゲノムまたはアンチゲノム内のFおよびG糖タンパク質遺伝子相対物を置き換えるために置換されてキメラゲノムまたはアンチゲノムを形成し、それが(i)RSVポリメラーゼ遺伝子L中のGln831からLeuおよびTyr1321からAsnへの温度感受性アミノ酸置換を特定している突然変異のパネル;(ii)遺伝子M2の遺伝子開始配列中の温度感受性ヌクレオチド置換;(iii)RSV N遺伝子中のVal267からIle、およびRSVポリメラーゼ遺伝子L中のCys319からTyrおよびHis1690からTyrへのアミノ酸置換を特定する低温継代RSVから採用された突然変異の弱毒化パネル;または(iv)SH遺伝子の欠損から選択される弱毒化点突然変異を取り込むようにさらに修飾される請求項52に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項61

さらに増殖特性の変化、弱毒化、温度感受性、低温適合、プラークサイズ、宿主範囲制限または免疫原性の変化から選択される表現型変化を特定しているヌクレオチド修飾を含んでいる請求項52に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項62

SH、NS1、NS2、M2ORF2またはG遺伝子が修飾されている請求項61に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項63

ヌクレオチド修飾がキメラRSVゲノムまたはアンチゲノム内の選択されたRSV遺伝子シス作用性制御配列のヌクレオチド欠損、挿入、置換、付加または転位を含む請求項61に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。

請求項64

感染性弱毒化キメラRSVをコード化している一つまたはそれ以上の単離されたポリヌクレオチドから該RSV粒子を製造する方法であって:キメラRSVゲノムまたはアンチゲノムおよびRSV N、P、LおよびRNAポリメラーゼ延長因子タンパク質を含む単離されたポリヌクレオチドを含んでいる発現ベクター細胞または無細胞溶解産物中で発現させることから成る方法。

請求項65

キメラRSVゲノムまたはアンチゲノムおよびRSV N、P、LおよびRNAポリメラーゼ延長因子タンパク質が二つまたはそれ以上の異なった発現ベクターにより発現される請求項64に記載の方法。

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0001

関連出願

0002

本出願は米国特許仮出願番号60/047,634(1997年5月23日出願);60/046,141(1997年5月9日出願);および60/021,773(1996年7月15日出願)の一部継続出願である1997年7月15日に出願された米国特許出願番号08/892,403(これらの各々は本明細書において援用される)の便益を請求し、およびその一部継続出願である。

背景技術

0003

ヒト呼吸系発疹ウイルス(RSV)は一以下の幼児における肺炎および細気管支炎の原因として、全ての他の微生物病原体より上位である。実際、全ての子供は2歳までに感染し、より年齢の高い子供および若い成人においてかなりの頻度での再感染が起こる(Chanock et al., Viral Infections of Humans, 第3版, A.S. Evans編, Plenum Press, N.Y. (1989))。RSVが呼吸器疾患による小児入院の原因であるのは5例の内の1例以上であり、米国単独でも、推定で91,000例の入院および4,500例の死亡を毎年起こしている。ほとんどの健康な成人はRSV感染による重度の疾患を持っていないが、年をとった患者および免疫無防備状態の個体はしばしばこの病原体による重度のおよび生命脅かすかもしれない感染を起こす。

0004

RSVに対する有効なワクチンを開発するためのこの十年の研究にも関わらず、RSV感染に付随する重度の病的状態および著しい死亡率を防止する安全で有効なワクチン作製は未だに成し遂げられていない。好結果を生むワクチンの開発における失敗の一部は、小さな幼児はRSV抗原応答する血清および分泌抗体が少ないという事実によっている。従って、これらの個体はRSVのより重度な感染を患うが、一方、免疫性の累積がウイルスのより重い衝撃に対して大きな子供および成人を保護しているようである。一つの抗ウイルス化合物リババリンが重度に感染した幼児の処置に有望であることが示されているが、それが入院期間を短くした、または支持療法に対する幼児のニーズを少なくしたことは何ら示されていない。

0005

RSV感染における免疫性の機構は最近注目を集めるようになった。分泌抗体は上気道の保護に最も重要であるようであり、一方、高レベル血清抗体下気道においてのRSV感染に対する抵抗性に主たる役割を持っていると考えられている。高力価のRSVへの中和抗体を含んでいる精製ヒトイムノグロブリンは、幼児および小児における重度下気道疾患免疫治療法のいくつかの例において有用であると証明されている。しかしながら、免疫グロブリン製剤は血液が運ぶウイルスへ送り届ける可能性、および製造および保存においての困難さおよび高価さのようないくつかの欠点を持っている。

0006

RSV特異的細胞障害性T細胞誘導された免疫性の別の作動因子)もまたRSV感染の解明に重要である。この作動因子は前もっての免疫化により増加させることができウイルス攻撃に対して増大した抵抗性を得る、しかしながら、その効果は短寿命である。FおよびG表面糖タンパク質はRSVの二つの主な保護的抗原であり、RSV中和抗体を誘導し、攻撃に対する長期間の抵抗性が示されているただ二つのRSVタンパク質である(Collins et al., FieldsVirology, Fields et al. eds., 2:1313-1352. Lippincott-Raven, Philadelphia. (1996); Connors et al., J. Virol. 65(3):1634-7(1991))。第三のRSV表面タンパク質、SHはRSV中和抗体を誘導せず、RSV攻撃に対する有意の抵抗性を示さない。

0007

生RSVワクチンの開発の妨げになっているもの一つは、弱毒化および免疫原性間の適切なバランスを達成することが困難であることである。弱毒化ウイルスの遺伝子安定性も問題であろう。ワクチン開発はまた細胞培養におけるRSVの比較的貧弱な増殖およびウイルス粒子不安定性によっても妨げられている。RSV感染の別の特色は、誘導された免疫性が続いての感染に対して完全には保護的でないことである。多分、気道管腔表面ウイルス感染を制限する免疫系の相対的無効力さ、局所粘膜免疫性の短寿命性、迅速で広範囲なウイルス複製、免疫学的未成熟さによる幼体での減少した免疫応答、経胎盤で誘導された移行血清抗体による免疫抑制、およびGタンパク質の高度のグリコレーションのようなウイルスのある種の特性を含む多くの因子がこのことに寄与している。また以下に説明されるように、RSVは二つの抗原性サブグループAおよびBとして存在し、一つのサブグループに対する免疫性は他に対しては有効性が減少されている。

0008

RSVは生涯の間多数回再感染できるが、再感染では通常以前の感染により誘導された保護的免疫性のため重症度が軽減され、免疫予防法が容易である。生弱毒化RSVワクチンは穏和な免疫化感染を開始させるために鼻孔内投与されるであろう。このことは非経口経路と比較して簡単でおよび安全という利点を持っている。それはまた、RSVに対する抵抗性に主たる役割を果たす局所気道免疫性に直接的刺激を与える。それはまた、非常に若い幼体で観察されるRSV特異的経胎盤由来移行血清抗体の免疫抑制効果を排除する。また、RSV抗原の非経口投与はしばしば免疫病理学的合併症が付随するのに対し(Murphy et al., Vaccine 8(5):497-502(1990))、生ウイルスではこのことは観察されていない。

0009

ホルマリン不活性化ウイルスワクチンが1960年代半ばにRSVに対して試験されたが、RSV感染または疾患に対して保護することができず、実際、ウイルスによる続いての感染の間に再燃された徴候が観察された(Kim et al., Am. J. Epide
miol. 89:422-434(1969);Chin et al., Am. J. Epidemiol., 89:449-463(1969);Kapikian et al., Am. J. Epidemiol., 89:405-421(1969))。

0010

より最近では、RSVに対するワクチン開発は弱毒化RSV変異体焦点が当てられている。Friedewald et al., J. Amer. Med. Assoc. 204:690-694(1968)、は候補ワクチンとして十分に弱毒化されているようであるRSVの低温継代変異体(c
pRSV)を報告している。この変異体は、その野生型(wt)親ウイルスと比較して26℃での増殖にわずかに増加した効率を示したが、その複製は温度感受性でもなく、有意に低温適合でもなかった。しかしながら、低温継代変異体は成人に対しては弱毒化されていた。以前にRSVに感染している幼児および子供(即ち、血清陽性個体)には満足できるほど弱毒化されおよび免疫原性であったが、cpRSV変異体は血清陰性幼児の上気道に対しては低レベルの毒性を保持していた。

0011

同様に、Gharpure et al., J. Virol. 3:414-421(1969)、はワクチン候補として見込みのある温度感受性RSV(tsRSV)変異体の単離を報告している。一つの変異体、ts-1は実験室およびボランティアで広範囲に評価された。変異体は成人ボランティアでは無徴候感染であり、免疫化後45日は野生型ウイルスの攻撃に対する抵抗性を与えた。再び、血清陽性幼児および子供は無徴候感染を受けたが、血清陰性幼児は鼻炎およびその他の緩和な症状の徴候が現れた。さらに、ts表現型の不安定さが検出され、部分的または完全な温度感受性の損失を示しているウイルスはワクチンから回収可能なウイルスの少しの割合ではあったが、軽い鼻炎以外の疾患の徴候は付随しなかった。

0012

これらおよびその他の研究は、ある種の低温継代および温度感受性RSV株は弱毒化が足らず、いくつかのワクチンで疾患の軽い徴候を起こし(特に血清陰性幼児において)、一方、その他は弱毒化が強すぎて、保護的免疫応答を惹起するほど十分に複製できなかったことを明らかにしている(Wright et al., Infect. I
mmun., 37:397-400(1982))。さらに、ワクチン候補変異体の遺伝子不安定性はその温度感受性表現型の損失を生じ、有効なRSVワクチン開発をさらに妨げている。一般的には、Hodes et al., Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 145:1158-1164(1974), McIntosh et al., Pediatr. Res. 8:689-696(1974)およびBelshe et al., J. Med. Virol., 3:101-110(1978)を参照されたい。

0013

研究者は低温継代のような不確定生物学的方法による適した弱毒化RSV株を作り出す研究方法をやめ、精製したRSVエンベロープ糖タンパク質を使用してサブユニットワクチン候補を試験した。糖タンパク質はコトンラットでのRSウイルス感染に対する抵抗性を誘導したが(Walsh et al., J. Infect. Dis. 155:ll98-1204(1987))、抗体は非常に弱い中和活性しか持っておらず、精製サブユニットワクチンによる齧歯動物の免疫は疾患増強を導いた(Murphy et al., Vac
cine 8:497-502(1990))。

0014

FまたはGエンベロープ糖タンパク質を発現するワクシニアウイルス組換え体に基づいたワクチンもまた探査された。これらの組換え体は基準ウイルス相対物と区別不可能であるRSV糖タンパク質を発現し、ワクシニア-RSV FおよびG組換え体を皮内に感染させた齧歯動物は、ウイルス感染性を中和する特異的抗体を高レベルで発生させた。実際、ワクシニア-F組換え体によるコトンラットの感染は、下気道におけるRSV複製に対してほとんど完全な抵抗性を、上気道においては有意な抵抗性を刺激した。Olmsted et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:7462-7466(1986)。しかしながら、ワクシニア-Fおよび-G組換え体によるチンパンジーの免疫化は、上気道におけるRSV攻撃に対して何の保護も与えず(Collins et al., Vaccine 8:164-168(1990))、下気道においての保護とは相反していた(Crowe et al., Vaccine 11:1395-1404(1993)。

0015

弱毒化RSV株、サブユニットワクチンおよびその他のRSVワクチン開発のための戦略の満たされていない見込みは、新規RSVワクチンを開発する新規方法、特に生きている弱毒化RSV組換え体に新しい表現型特性を得る遺伝子変化取り込ませるために組換え体RSVを操作するための方法に対する必要性を強調している。しかしながら、RSVおよびその他の負センスRNAウイルスゲノムRNAの操作はこれまで困難であることが証明されている。これに関する主な障害には、これらのウイルスにおけるのゲノムRNAの非感染性組織培養における貧弱なウイルス増殖、長々しい複製サイクルビリオン不安定性、複雑なゲノム、および遺伝子産物の御しがたい組織化が挙げられる。

0016

組換え体DNA技術は、cDNAから感染性マイナス鎖RNAウイルスの回収、新規ワクチン候補を構築するためのウイルスクローン遺伝子操作、および減弱ベルおよび表現型安定性の迅速な評価を可能にした(総説として、Conzelmann, J. Gen
. Virol. 77:381-89(1996);Palese et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A
. 93:11354-58, (1996)を参照されたい)。これに関連して、必須ウイルスタンパク質存在下、cDNAコード化アンチゲノムRNAからの組換え体救出が感染性呼吸系発疹ウイルス(RSV)、パラインフルエンザウイルス(PIV)、狂犬病ウイルス(RaV)、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、麻疹ウイルス(MeV)および仙台ウィルス(SeV)について報告されている(例えば、Garcin et al.,EMBO J. 14:6087-6094(1995);Lawson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 92:4477-81(1995);Radecke et al., EMBO J. 14:5773-5784(1995);Schnell et al., EMBO J. 13:4195-203(1994);Whelan et al., Proc. Natl. Acad. Sci.
U.S.A. 92:8388-92(1995);Hoffman et al., J. Virol. 71:4272-4277(1997);Kato et al., Genes to Cells 1:569-579(1996);Roberts et al., Vir
ology 247(1), 1-6(1998);Baron et al., J. Virol. 71:1265-1271(1997);国際出願第WO 97/06270号;Collins et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA
92:11563-11567(1995);Durbin et al., Virology 235:323-332(1997);1997年7月15日に出願された米国特許出願第08/892,403(公開された国際特許出願第WO 98/02530号に対応し、および1997年5月23日に出願された第60/047,634号、1997年5月9日に出願された第60/046,141号、1996年7月15日に出願された第60/021,773号の米国仮出願に優先権を持つ);Juhasz et al., J. Virol. 71(8):5814-5819(1997);He et al., Virology 237:249-260(1997);Baron et al., J. Virol. 71:1265-1271(1997);Whitehead et al., Virology 247(2):232-9(1998a):Whitehead et al., J. Virol. 72(5):4467-4471(1998b);Jin et al. Virology 251:206-214(1998);Bucholz et al. J. Viro
l. 73:251-259(1999);およびWhitehead et al., J. Virol. 73:(4)3438-3442(1999)を参照されたい、各々は本明細書において援用される)。

0017

RSVワクチン開発の挑戦で残っているのは、広範囲に存在するおよび緊急性があるRSVの株およびサブグループに対して有効であるワクチン候補を達成することの困難さである。特に、RSVサブグループB特異的ワクチンウイルス、ならびにRSV AおよびRSVBサブグループの両方に対する保護を提供する多価ワクチンを提供するのが有用であろう。これに関連して、最近の研究はウイルス株間の抗原決定基を運んでいるキメラウイルスの開発に焦点が当てられている。例えば、ヒトパラインフルエンザウイルス3型(PIV3)のHNおよびF糖タンパク質がヒトパラインフルエンザウイルス1型(HPIV1)のものと置き換えられ、得られたキメラウイルスは細胞培養および実験動物内でその野生型親株と同様な効率で増殖した(Tao et al., J. Virol. 72(4):2955-61(1998)、本明細書において援用される)。また、HおよびF糖タンパク質が水疱性口内炎ウイルスのG糖タンパク質で置き換えられたキメラ麻疹ウイルスが報告されており、それは麻疹ウイルスFの細胞質および膜貫通領域でGの細胞質および膜貫通領域を置き換えてまたは置き換えずに挿入された(Spielhofer et al., J. Virol. 72(3):2150-9(1998))。このことにより、記載されているところによれば増殖が50倍弱められたキメラウイルスが得られている。第三の例において、Jin et al., Virology 251(1):206-14(1998)は追加の遺伝子としてサブグループB RSVのGタンパク質を発現するサブグループAウイルスを報告している(Jin et al., Virology 251(1):206-14(1998))。しかしながら、Fタンパク質もまた著しいサブグループ特異性を示すので、サブグループB特異的ワクチンにおいて両方のサブグループB糖タンパク質を発現するのが好適であろう。加えて、キメラA-Bウイルスの製造は、適切な減弱および毒性を達成するためにさらなる修飾なしでは発育可能なワクチン候補を生み出さないであろう。

0018

従って、RSVに帰することができる重大な健康問題を軽減するための安全で有効なワクチン、特に、RSVの多数の存在しているおよび緊急性がある株およびサブグループに対して有効であろうワクチンを遺伝子操作する手段および方法に関してこの分野では差し迫った必要性が残っている。

0019

発明の要約

0020

本発明は感染性であり、およびヒトまたは他の哺乳類に予防的または治療的免疫応答を惹起するキメラ呼吸系発疹ウイルス(RSV)を提供する。関連する態様において、本発明はワクチン使用に適した弱毒化、キメラRSVを設計するおよび製造するための新規方法および組成物を提供する。本発明のこれらの態様に含まれるのは、異なったRSV株またはサブグループウイルスの一つまたはそれ以上の異種遺伝子または遺伝子セグメントが結び付けられた一つのRSV株またはサブグループウイルスからの部分的または完全RSVゲノムまたはアンチゲノムを含んでいるキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムから成る分子を取り込んでいる新規の、単離されたポリヌクレオチド分子およびベクターである。本発明で提供されるのはまた、RSV感染の予防および処置のためにキメラ組換え体RSVを取り込む方法および組成物である。

0021

本発明のキメラRSVは、感染性キメラウイルスまたはサブウイルス構造粒子を生成するため、一つより多くのRSV株またはサブグループからのヌクレオチド配列を取り込むように組換え的に遺伝子操作される。この方法において、候補ワクチンウイルスは哺乳類宿主(ヒトおよび非ヒト霊長類を含んで)においてRSVに対する免疫応答を惹起するように遺伝子操作される。本発明に従ったキメラRSVは特異的RSVサブグループまたは株に対する免疫応答を惹起するか、または多RSVサブグループまたは株に対する多特異的応答を惹起するであろう。

0022

本発明のキメラRSVの例は、キメラRSVRSVゲノムまたはアンチゲノム、ならびに主ヌクレオキャプシド(N)タンパク質、ヌクレオキャプシドホスホタンパク質(P)、ラージポリメラーゼタンパク質(L)およびRNAポリメラーゼ延長因子を取り込んでいる。感染性のサブウイルス構造粒子ならびに完全ウイルス粒子の幅を提供するために追加のRSVタンパク質が種々の組み合わせで含まれるであろう。

0023

本発明のキメラRSVはキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムを形成するため、異なったRSV株またはサブグループウイルスの一つまたはそれ以上の異種遺伝子または遺伝子セグメントが結合された一つのRSV株またはサブグループウイルスからの部分的または完全RSVゲノムまたはアンチゲノムを含んでいる。本発明の好適な態様において、キメラRSVは異なったヒトRSVサブグループまたは株からの一つまたはそれ以上の異種遺伝子または遺伝子セグメントが結合された一つのRSVサブグループまたは株の部分的または完全ヒトRSVゲノムまたはアンチゲノムを取り込んでいる。例えば、キメラRSVはヒトRSVBサブグループウイルスからの一つまたはそれ以上の異種遺伝子または遺伝子セグメントが結合された部分的または完全ヒトRSV Aサブグループゲノムまたはアンチゲノムから成るキメラゲノムまたはアンチゲノムを取り込んでいるであろう。

0024

一つのRSV株またはサブグループからの異種遺伝子または遺伝子セグメントとは、”受容体”RSVゲノムまたはアンチゲノムと結合されるまたはその中に置換される”供与体”遺伝子またはポリヌクレオチドを示している。受容体RSVゲノムまたはアンチゲノムは典型的には、新規表現型特性を示すキメラRSVを得るため、異種遺伝子または遺伝子セグメントを持ち込むための”主鎖”またはベクターとして働く。例えば、選択された受容体RSV株内での異種遺伝子または遺伝子セグメントの付加または置換は対応する非修飾受容体および/または供与体の表現型と比較した場合、新しい表現型効果、例えば、弱毒化、増殖変化、改変された免疫原性または他の所望の表現型変化を生じるであろう。本発明の異種挿入物または付加物として使用するために選択されるであろう遺伝子または遺伝子セグメントにはNS1、NS2、N、P、M、SH、M2(ORF1)、M2(ORF2)、L、FまたはGタンパク質またはその一部をコード化している遺伝子または遺伝子セグメントが含まれる。

0025

本発明の好適な態様において、キメラRSVはRSV F、GまたはSH糖タンパク質をコード化している一つまたはそれ以上の異種遺伝子を取り込んでいる。もしくは、キメラRSVはRSV F、GまたはSH糖タンパク質の細胞質ドメイン膜貫通ドメイン外部ドメインまたは免疫原性エピトープをコード化している遺伝子セグメントを取り込んでいるであろう。これらの免疫原性タンパク質ドメインおよびエピトープは、それらが免疫化宿主中で新規免疫応答を発生することができるのでキメラRSV内で特に有用である。

0026

例えば、異なったRSVサブグループまたは株の受容体RSVゲノムまたはアンチゲノム内への一つの供与体RSVサブグループまたは株からの一つまたはそれ以上の免疫原性遺伝子または遺伝子セグメントの付加または置換は、供与体サブグループまたは株に対してまたは供与体および受容体サブグループまたは株両方に対して方向付けられた免疫応答を発生できる。一つの例示の態様において、一つまたはそれ以上のヒトRSVサブグループB糖タンパク質遺伝子F、GおよびSHまたはその細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、外部ドメインまたは免疫原性エピトープがRSV Aゲノムまたはアンチゲノム内へ付加または置換される。

0027

本発明の別の態様において、キメラゲノムまたはアンチゲノムが、弱毒化表現型を特定している一つまたはそれ以上の弱毒化点突然変異を導入することによりさらに修飾されている、弱毒化キメラRSVが製造される。これらの点突然変異は、合理的設計突然変異発生戦略に従って新たに発生され、弱毒化効果が試験されるであろう。もしくは、弱毒化点突然変異は生物学的に誘導された変異体RSVで同定され、その後本発明のキメラRSV内へ取り込まれる。

0028

好適には、本発明のキメラRSVは、既知の生物学的に誘導された変異体RSV株のパネルから同定された弱毒化点突然変異を少なくとも一つ、およびより好適には二つまたはそれ以上取り込むことにより弱毒化される。本明細書に記載されている好適な変異体RSV株は低温継代(cp)および/または温度感受性(ts)変異体である:例えば、”cpts RSV 248. (ATCCVR2450)、cpts RSV 248/404(ATCC VR 2454)、cpts RSV 248/955(ATCC VR 2453)、cpts RSV 530(ATCC VR 2452)、cpts RSV 530/1009(ATCC VR 2451)、cpts RSV 530/1030(ATCC VR 2455)、RSV B-1 cp52/2B5(ATCC VR 2542)およびRSV B-1 cp-23(ATCC VR 2579)”(各々はブタペスト条約の期間、American Type Culture Collection(ATCC), 10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209, U.S.A. に寄託されており、上に示した登録番号で授与される)で示される変異体。この例示の生物学的に誘導された変異体のパネルから、弱毒化変異体の大きな”メニュー”が提供され、ワクチン使用のための組換え体、キメラRSV中の弱毒化レベルを較正するために、各々がパネル内の任意の他の突然変異と組み合わされる。追加の突然変異は例えば、小プラーク(sp)、冷温適合(ca)または宿主範囲制限(hr)変異体株として同定されている非-tsおよび非-cp突然変異を持っているRSVに由来するであろう。

0029

本発明のさらに別の態様において、弱毒化点突然変異を持っているまたは持っていないキメラRSVは非点ヌクレオチド修飾により突然変異されて所望の表現型、構造または機能変化がひき起こされる。典型的には、選択されたヌクレオチド修飾は表現型変化、例えば、増殖特性の変化、弱毒化、温度感受性、低温適合、プラークサイズ、宿主範囲制限または免疫原性を特定するであろう。構造または機能変化には、操作および同定を容易にするための、cDNAをコード化しているRSV内への制限部位の導入または除去が含まれる。

0030

好適な態様において、SH、NS1、NS2またはG遺伝子はキメラRSVにおいて、例えば、遺伝子の欠損またはその発現の除去により修飾される。もしくは、ヌクレオチド修飾は選択されたRSV遺伝子のシス作用性制御配列の欠損、挿入、付加または転位を含むことができる。

0031

一つの例において、一つのRSV遺伝子のシス作用性制御配列は、異なったRSV中の同一遺伝子のシス作用性制御配列相対物または異なったRSV遺伝子のシス作用性制御配列であろう対応する異種制御配列へ変更される。例えば、遺伝子末端シグナルは、同一のRSV株中の異なった遺伝子の遺伝子末端シグナルへの変換または置換により修飾されるであろう。

0032

別の態様において、ヌクレオチド修飾はキメラゲノムまたはアンチゲノム内の翻訳開始部位の欠損、挿入、付加または転位を含んでいる(例えば、タンパク質の選択された形のための別の翻訳開始部位を除去するため)。一つの例において、RSVGタンパク質の分泌形のための翻訳開始部位が除去されてGタンパク質のこの形の発現が修飾され、それにより所望の生体内効果がひき起こされる。

0033

さらに追加の修飾が本発明に従ったキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムへ行われ、サイトカイン、T-ヘルパーエピトープ、制限部位マーカーまたは哺乳類宿主において病原体に対する保護的免疫応答を惹起できる微生物病原体のタンパク質のような非RSV分子をキメラゲノムまたはアンチゲノム内へ導入する修飾が含まれる。一つのそのような態様において、キメラRSVは、パラインフルエンザウイルス(PIV)からの遺伝子または遺伝子セグメント、例えば、PIV HNまたはF糖タンパク質またはその免疫原性ドメインまたはエピトープを取り込むように構築される。

0034

ワクチン使用のために設計および選択されたキメラRSVはしばしば、広範囲の臨床使用のための満足する弱毒化レベルを達成するために少なくとも二つのおよび時には三つまたはそれ以上の弱毒化突然変異を持っている。一つの態様において、少なくとも一つの弱毒化突然変異がRSVポリメラーゼ遺伝子(供与体かまたは受容体遺伝子のどちらか)中に存在し、弱毒化表現型(温度感受性(ts)表現型を含んでいてもいなくてもよい)を特定しているポリメラーゼタンパク質中のアミノ酸変化を特定している一つまたはそれ以上のヌクレオチド置換を含んでいる。これに関連するキメラRSVの例はラージポリメラーゼ遺伝子L中に一つまたはそれ以上のヌクレオチド置換を取り込んでおり、Phe521に対してはLeu、Gln831に対してはLeu、Met1169に対してはVal、およびTyr1321に対してはAsnで例示されるようなアミノ酸Phe521、Gln831、Met1169、またはTyr1321でのアミノ酸変化を生じている。この位置での別の代わりのアミノ酸割り当てはもちろん可能であり、同定された変異体置換と同様な効果が得られる。これに関しては、キメラゲノムまたはアンチゲノムを、変異体ウイルス中で同定された改変に保存的に対応する改変を突然変異の問題部位にコード化させるのが好適である。例えば、もしアミノ酸置換が対応する野生型配列と比較して変異体ウイルス中の突然変異部位に印を付けるならば、同様の置換が組換え体ウイルス中の対応する残基で遺伝子操作されなければならない。好適には、変異体ウイルスタンパク質中に存在する置換残基に対して同一または保存的なアミノ酸が置換に含まれているであろう。しかしながら、変異体タンパク質中の置換残基に関して非保存的に、突然変異部位で天然アミノ酸残基を改変することも可能である(例えば、野生型残基の同一性および機能を破壊または害する他のアミノ酸を使用することにより)。欠損または挿入により印を付けられた突然変異の場合、これらは対応する欠損または挿入として組換え体ウイルス内へ導入できるが、欠損されたまたは挿入されたタンパク質断片の特定のサイズおよびアミノ酸配列は変化できる。本発明のキメラRSVは、Lのほかの任意の追加のRSV遺伝子に(例えば、M2遺伝子)ts突然変異を取り込んでいてもよい。

0035

好適には、二つまたはそれ以上のヌクレオチド変化が弱毒化突然変異を特定するコドン(例えば、ts突然変異を特定しているコドン)中に含まれており、それにより弱毒化表現型からの復帰の可能性を減少させている。

0036

弱毒化突然変異は供与体または受容体RSV遺伝子のコード部分またはシス制御配列のような非コード領域で選択される。非コード突然変異の例には、ヌクレオチド7605(組換え体配列でのヌクレオチド7506)のM2遺伝子開始配列中の単一または多塩基置換で例示されているような遺伝子開始配列中の単一または多塩基変化が含まれる。

0037

本発明の別の態様において、感染性キメラRSVを製造および単離するための組成物(例えば、単離されたポリヌクレオチドおよびRSV-コード化cDNAを取り込んでいるベクター)および方法が提供される。これらの組成物および方法を使用し、キメラRSVゲノムまたはアンチゲノム、ヌクレオキャプシド(N)タンパク質、ヌクレオキャプシドホスホタンパク質(P)、ラージ(L)ポリメラーゼタンパク質およびRNAポリメラーゼ延長因子から感染性キメラRSVが発生される。本発明の関連態様において、組換えキメラRSV内へ前記の構造および表現型変化を導入して感染性、弱毒化ワクチンウイルスを得るために組成物および方法が提供される。

0038

一つの態様において、キメラRSVゲノムまたはアンチゲノムをコード化している単離されたポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターが提供される。N、P、LおよびRNAポリメラーゼ延長因子タンパク質をコード化している一つまたはそれ以上の単離されたポリヌクレオチド分子を含んでいる同一のまたは異なった発現ベクターも提供される。ベクターは好適には細胞または無細胞溶解産物中で発現または共発現され、感染性キメラRSV粒子またはサブウイルス粒子を産生する。RSVゲノムまたはアンチゲノムおよびN、P、LおよびRNAポリメラーゼ延長因子(好適には、RSVのM2(ORF1)の生成物)タンパク質は同一または異なった発現ベクターにより共発現できる。いくつかの例において、N、P、LおよびRNAポリメラーゼ延長因子タンパク質は各々異なった発現ベクター上にコード化されている。キメラRSVゲノムまたはアンチゲノムをコード化しているポリヌクレオチド分子は異なったヒトRSVサブグループまたは株のキメラであろう、例えば、サブグループB RSVからの配列と作動可能なように連結されたサブグループA RSVからの配列を含んでいるポリヌクレオチド。もしくは、キメラゲノムまたはアンチゲノムはヒトおよび非ヒト(例えば、ウシまたはマウス)配列のキメラであってもよい。本発明のさらに別の態様において、キメラゲノムまたはアンチゲノムはRSVおよび非RSV配列のキメラであってもよい、例えば、PIVと作動可能なように連結されたヒトRSVからの配列を含んでいるポリヌクレオチド。点突然変異、部位特異的ヌクレオチド変化、および異種供与体遺伝子または遺伝子セグメントまたは受容体バックグラウンドゲノムまたはアンチゲノム内に導入された全遺伝子または遺伝子セグメントを含まれる変化を含む、一つまたはそれ以上のヌクレオチドの挿入、転位、欠損または置換により、キメラゲノムまたはアンチゲノムはさらに修飾されていてもよい。これらの変化は典型的には生じた組換えRSVにおいて、弱毒化、温度感受性、低温適合、小さなプラークサイズ、宿主範囲制限、遺伝子発現の変化または免疫原性エピトープの変化を生じる表現型変化のような一つまたはそれ以上の表現型変化を特定している。

0039

キメラRSVを製造するための前記の方法および組成物から感染性ウイルスまたはサブウイルス粒子またはそれらの誘導体が得られる。感染性ウイルスは基準RSVウイルス粒子に匹敵し、そのままで感染性である。それは新しい細胞へ直接感染できる。感染性サブウイルス粒子は典型的には、ウイルス粒子の副構成要素であり、適切な条件下で感染を開始できる。例えば、ゲノムまたはアンチゲノムRNAを含んでいるヌクレオチドレオキャプシドおよびN、P、LおよびM2(ORF1)タンパク質はサブウイルス粒子の例であり、もし細胞の細胞質内へ導入されたら、感染を開始できる。本発明で提供されるサブウイルス粒子には、特に、一つまたはそれ以上のタンパク質、タンパク質セグメントまたは感染性には必須ではない他のウイルス成分欠くウイルス粒子が含まれる。

0040

本発明に従った感染性キメラRSVは、任意のRSVまたはRSV様ウイルス、例えば、ヒト、ウシ、マウス(マウスの肺炎ウイルス)または鳥類シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス)RSVからの、または別の被覆ウイルス、例えば、パラインフルエンザウイルス(PIV)からの異種、コードまたは非コードヌクレオチド配列を取り込むことができる。例示の態様において、組換えRSVは一つまたはそれ以上の異種RSV配列と組換え的に連結されたヒトRSVゲノムまたはアンチゲノム配列のキメラを含んでいる。異種配列の例には、異なったヒトRSV株からの配列と結び合わされた一つのヒトRSV株からのRSV配列が含まれる。例えば、本発明のキメラRSVは二つまたはそれ以上の野生型または変異体RSV株(例えば、cpts RSV 248、
cpts 248/404、cpts 248/955、cpts RSV 530、cpts 530/1009またはcpts 530/1030から選択される変異体株)からの配列を取り込んでいるであろう。もしくは、キメラRSVは二つまたはそれ以上の野生型または変異体RSVサブグループからの配列を取り込んでいるであろう、例えば、RSVサブグループAおよびサブグループB配列の組み合わせ。さらに別の態様において、一つまたはそれ以上のヒトRSVコードまたは非コードポリヌクレオチドは、新規弱毒化ワクチン株を得るため、ウシまたはマウスRSVからの配列相対物単独または一つまたはそれ以上の選択された弱毒化点突然変異(例えば、cpおよび/またはts突然変異)と組み合わせて置換されている。一つの態様において、キメラウシ-ヒトRSVはヒトRSV NP遺伝子または遺伝子セグメントのウシNP遺伝子または遺伝子セグメント相対物による置換を取り込んでおり、そのキメラは随意に、SH遺伝子欠損、一つまたはそれ以上のcpまたはts点突然変異、またはこれらおよび本明細書で記載されているその他の突然変異の種々の組み合わせを取り込んでいる。

0041

本発明の一つの態様において、キメラRSVを製造するための単離されたポリヌクレオチド、発現ベクターおよび方法が提供され、そこではゲノムまたはアンチゲノムは供与体または受容体配列と比較すると組換え的に改変されている。
特に、キメラRSVクローンの構造および/または機能を改変する能力に基づいて、突然変異がキメラRSVゲノムまたはアンチゲノム内に取り込まれている、例えば、コード化されている選択されたタンパク質の構造、発現および/または機能またはシス作用性RNA配列を改変することにより、所望の表現型変化が得られる。所望の表現型変化には、例えば、培養におけるウイルス増殖、温度感受性、プラークサイズ、弱毒化および免疫原性の変化が含まれる。

0042

本発明の一つの態様において、単離されたポリヌクレオチドおよび発現ベクターが提供され、それは生物学的に誘導された変異体RSVから採用された少なくとも一つの弱毒化点突然変異を持っているキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムを含んでいる。一つのそのような態様においては、ts表現型を特定するヌクレオチド置換を含んでいる少なくとも一つの点突然変異がポリメラーゼ遺伝子Lに存在する。RSVクローンおよびベクターの例はPhe521、Gln831、Met1169、またはTyr1
321のポリメラーゼ遺伝子でのアミノ酸変化を生じるヌクレオチド置換を取り込んでいる。好適には、遺伝子安定性のレベルを増加させるため、二つまたは三つの突然変異が弱毒化突然変異を特定するコドン中に取り込まれている。他の例のRSVは少なくとも二つの弱毒化ts突然変異を取り込んでいる。

0043

本発明のキメラcDNA、ベクターおよびウイルス粒子に取り込まれている突然変異は完全長RSVcDNA内へ個々にまたは組み合わせて導入でき、導入された突然変異を含んでいる救い出されたウイルスの表現型は容易に決定できる。例示の態様において、アミノ酸変化が弱毒化、生物学的誘導ウイルスと野生型ウイルスを比較して示されている、例えば、cpRSVまたはtsRSVにより示された変化は組み合わされて組換えRSV内へ取り込まれ、所望のレベルの弱毒化が得られている。

0044

本発明はまた、選択された組み合わせでキメラゲノムまたはアンチゲノム内へ導入された多表現型特異的突然変異を取り込んでいるキメラRSVクローン、ベクターおよび粒子が提供され、弱毒化、感染性ウイルスまたはサブウイルス粒子が製造される。この方法は、ルーチン的な表現型評価と組み合わせて、弱毒化、温度感受性、改変された免疫原性、低温適合、小プラークサイズ、宿主範囲制限などのような所望の特性を持っているキメラRSVを提供する。そのように同定された突然変異は”メニュー”内へ集められ、選択されたレベルの弱毒化、免疫原性および安定性へワクチンウイルスを調整するために種々の組み合わせで導入される。

0045

好適な態様において、本発明は、生物学的に誘導されたRSVから採用された一つまたはそれ以上の突然変異(例えば、cpおよびts突然変異)に、同一または異なった遺伝子を含んでいる追加の型の突然変異の補足を提供する。これに関連する突然変異のための標的遺伝子には付着(G)タンパク質、融合(F)タンパク質、小疎水性タンパク質(SH)、RNA結合タンパク質(N)、ホスホタンパク質(P)、ラージポリメラーゼタンパク質(L)、転写延長因子(M2)、M2 ORF2、マトリックス(M)タンパク質、および二つの非構造タンパク質、NS1およびNS2が含まれる。これらのタンパク質は各々、全体がまたは一部が、単独でまたは組み合わせて、選択的に欠損、置換または転位でき、新規キメラRSV組換え体が構成される。

0046

一つの態様において、SH遺伝子が供与体または受容体環境から欠損され、インビトロでの増殖促進および/またはインビボでの弱毒化を含む新規表現型特性を持つキメラRSVが得られる。関連する態様において、この遺伝子の欠損、または別の選択された非必須遺伝子または遺伝子セグメント欠損(NS1またはNS2のような)が、一つまたはそれ以上の別の弱毒化表現型を特定している突然変異、例えば、生物学的に誘導された弱毒化RSV変異体から直接採用された点突然変異(または修飾形、例えば、突然変異を特定しているコドン中に多ヌクレオチド変化を導入することにより)とキメラRSVにおいて結合される。

0047

例えば、SH遺伝子またはNS2遺伝子が欠損され、cpts 248/404、cpts 530/1009、cpts 530/1030または他の選択された変異体RSV株から採用された一つまたはそれ以上のcpおよび/またはts突然変異と組み合わせると、異なった突然変異の組み合わせ効果により、増加したウイルス収率、促進された弱毒化および弱毒化表現型からの復帰に対する遺伝的抵抗性を持っているキメラRSVが得られる。

0048

加えて、種々の他の遺伝子改変が、単独でまたは生物学的に誘導された変異体RSVから採用された一つまたはそれ以上の点突然変異と一緒にキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムに産生できる。例えば、非RSV起源の遺伝子または遺伝子セグメントの全体がまたは一部が挿入されるであろう。もしくは、遺伝子の順序が変更でき、遺伝子重複が除去され、またはRSVプロモーターがそのアンチゲノム相対物で置き換えられる。種々の遺伝子間領域またはその他の場所での独特な制限部位挿入のような(例えば、GおよびF遺伝子間の独特なStu1部位)、異なったまたは追加の修飾が操作を容易にするためにキメラゲノムまたはアンチゲノム中で実施できる。非翻訳遺伝子配列は異種配列挿入の収容能力を増加させるために除去できる。

0049

もしくは、キメラRSVゲノムまたはアンチゲノムをコード化しているポリヌクレオチドまたはベクターは、非RSV配列をコード化するように修飾できる、例えば、サイトカイン、T-ヘルパーエピトープ、制限部位マーカーまたは意図する宿主において保護的免疫応答を惹起できる微生物病原体(例えば、ウイルス、細菌または真菌)のタンパク質。

0050

別の態様において、前記のようなキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムをコード化している単離されたポリヌクレオチド分子を含んでいる発現ベクター、およびRSVのN、P、LおよびRNAポリメラーゼ延長因子タンパク質をコード化している一つまたはそれ以上の単離されたポリヌクレオチド分子を含んでいる発現ベクター(同一または異なったベクター)を含む細胞または無細胞溶解産物を提供する。ゲノムまたはアンチゲノムおよびN、P、LおよびRNAポリメラーゼ延長因子タンパク質の発現により、結合されて感染性RSVウイルスまたはサブウイルス粒子が産生される。

0051

本発明の弱毒化キメラRSVは感染ヒト宿主で保護的免疫応答を惹起できる、さらに免疫化宿主において重度の呼吸器疾患の受容不可能な徴候を起こさないように十分に弱毒化されている。弱毒化キメラウイルスまたはサブウイルス粒子は細胞培養上清に中に存在するか、培養液から単離されるか、または部分的にまたは完全に単離されている。ウイルスはまた凍結乾燥されていてもよいし、必要に応じ、保存または宿主への送達のため種々の他の成分と混合できる。

0052

本発明はさらに、生理学的に受容可能な担体および/または補助剤、および前記の単離された弱毒化キメラRSVを含んでいる新規ワクチンを提供する。一つの態様において、少なくとも一つの、好適には前記のような二つまたはそれ以上の弱毒化突然変異または他のヌクレオチド修飾を持っているキメラRSVからワクチンが構成されている。ワクチンは弱毒化ウイルスの103から106PFUの投与量で処方できる。ワクチンは単一のRSV株または抗原性サブグループ(例えば、AまたはB)に対して、または多RSV株またはサブグループに対して免疫応答を惹起する弱毒化キメラウイルスから構成されているであろう。これに関して、本発明のキメラRSVは単一特異性免疫応答を、または多RSV株またはサブグループに対する多特異的免疫応答を個々に惹起できる。キメラRSVはワクチン処方において、単一または多RSV株またはサブグループに対するより有効な保護のため異なった免疫原性特性を持っている他のキメラRSVまたは非キメラRSVと混合できる。

0053

関連する態様において、哺乳動物患者においてRSVの一つまたはそれ以上の株またはサブグループに対する免疫応答を惹起するために個体の免疫系を刺激するための方法を本発明は提供する。該方法は、生理学的に受容可能な担体および/または補助剤に、免疫学的に十分な量の前記のような弱毒化キメラRSVを加えた製剤を投与することを含んでいる。一つの態様において、免疫原性組成物は少なくとも一つの、および好適には二つまたはそれ以上の前記のような弱毒化突然変異または他のヌクレオチド修飾を持っているキメラRSVから構成されたワクチンである。ワクチンは弱毒化ウイルスの103から106PFUの投与量で処方できる。ワクチンは単一のRSV株または抗原性サブグループ(例えば、AまたはB)に対して、または多RSV株またはサブグループに対して免疫応答を惹起する弱毒化キメラウイルスから構成されているであろう。これに関して、キメラRSVは単一特異性免疫応答を、または多RSV株またはサブグループに対する多特異的免疫応答を惹起できる。もしくは、異なった免疫原性特性を持っているキメラRSVがワクチン混合物に混合でき、または一つのRSV株に対する、または多RSV株またはサブグループに対するより有効な保護を惹起するために対等の処置プロトコールで別々に投与できる。

0054

発明の詳細な説明

0055

本発明は弱毒化され、呼吸系発疹ウイルス(RSV)感染が疑われている哺乳類患者に予防的または治療的免疫応答を惹起できる感染性キメラRSVを提供する。また、弱毒化、キメラRSVを設計するおよび製造するための新規方法および組成物、ならびにRSV感染の予防および処置のための方法および組成物も本発明で提供される。

0056

本発明のキメラRSVは一つ以上のRSV株またはサブグループからのヌクレオチド配列を取り込むように組換え遺伝子操作された、感染性、キメラウイルスまたはサブウイルス粒子が製造される。この方法において、候補ワクチンウイルスは哺乳類宿主(ヒトおよび非ヒト霊長類を含んで)においてRSVに対する免疫応答を惹起するように組換え遺伝子操作される。本発明に従ったキメラRSVは特異的RSVサブグループまたは株に対する免疫応答を惹起するか、または多RSVサブグループまたは株に対する多特異的応答を惹起するであろう。

0057

本発明の例示的態様において、異種遺伝子、遺伝子セグメントまたは一つのRSVの単一または多ヌクレオチドが部分的または完全RSVゲノムまたはアンチゲノムへ追加されるか、または異種RSVからの配列相対物により置換され、キメラRSVゲノムまたはアンチゲノムが製造される。本発明のキメラRSVは従って、異なったRSV株またはサブグループウイルスの追加または置換”供与体”遺伝子または遺伝子セグメントと組み合わされた一つのRSV株またはサブグループウイルスからの部分的または完全”受容体”RSVゲノムまたはアンチゲノムを含んでいる。

0058

本発明の好適な態様において、キメラRSVには異なったヒトRSVサブグループまたは株からの異種遺伝子または遺伝子セグメントが結合された一つのRSVサブグループまたは株の部分的または完全ヒトRSVゲノムまたはアンチゲノムが取り込まれている。例えば、好適なキメラRSVには、異なったヒトRSV AまたはBサブグループウイルスからの異種遺伝子または遺伝子セグメントと結合された部分的または完全ヒトRSV AまたはBサブグループゲノムまたはアンチゲノムを含んだキメラゲノムまたはアンチゲノムが取り込まれている。

0059

一つのRSV株またはサブグループからの異種供与体遺伝子または遺伝子セグメントは受容体は、供与体遺伝子または遺伝子セグメントの挿入または付加のための主鎖として働く受容体ゲノムまたはアンチゲノム内へ結合されて、または置換されている。従って、受容体ゲノムまたはアンチゲノムは異種ゲノムまたはアンチゲノムを持ち込むおよび発現するためのベクターとして働き、新規構造および/または表現型特性を示すキメラRSVが得られる。好適には、選択された受容体RSV株内の異種遺伝子または遺伝子セグメントの付加または置換は、対応する非修飾受容体および/または供与体の表現型と比較した場合、新しい表現型効果、例えば、弱毒化、増殖変化、改変された免疫原性または他の所望の表現型変化を生じる。

0060

キメラRSVゲノムまたはアンチゲノム内の異種挿入物または付加物として有用である遺伝子または遺伝子セグメントにはNS1、NS2、N、P、M、SH、M2(ORF1)、M2(ORF2)、L、FまたはGタンパク質またはその一部をコードしている遺伝子または遺伝子セグメントが含まれる。本発明の好適な態様において、キメラRSVはRSV F、GまたはSH糖タンパク質をコード化している異種遺伝子を取り込んでいる。もしくは、キメラRSVは選択されたタンパク質の一部のみをコード化している遺伝子セグメントを取り込んでいるであろう(例えば、RSV F、GまたはSH糖タンパク質の細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、外部ドメインまたは免疫原性エピトープ)。

0061

別の態様において、ワクチン形成に有用なキメラRSVは循環ウイルスにおける抗原連続変異適応させるように都合よく修飾できる。典型的には、修飾はGおよび/またはFタンパク質内であろう。一つのRSV株からの全GまたはF遺伝子、または特定の免疫原性領域をコード化している遺伝子セグメントは異なったRSV株またはサブグループの受容体クローン中の対応する領域の置換によりキメラRSVゲノムまたはアンチゲノム内へ取り込まれる。修飾RSVクローンから生成される後代ウイルスが出現RSV株に対するワクチン接種プロトコールで使用できる。

0062

従って、キメラRSVを製造するための異種免疫原性タンパク質、ドメインおよびエピトープの導入は、免疫化宿主において新規免疫応答を発生させるために特に有用である。異なったRSVサブグループまたは株の受容体ゲノムまたはアンチゲノム内での一つの供与体RSVサブグループまたは株からの免疫原性遺伝子または遺伝子セグメントの付加または置換は、供与体サブグループまたは株、受容体サブグループまたは株に対して、または供与体および受容体両方のサブグループまたは株に対して方向付けられた免疫応答を発生できる。この目的を達成するには、キメラタンパク質、例えば、異なったRSVの外部ドメインへ融合された、一つのRSV株またはサブグループに特異的な細胞質尾部および/または膜貫通ドメインを持っている免疫原性タンパク質、を発現するようにキメラRSVを構築できる。この型の他の組み換え体は例では二重の免疫原性領域のような二重のタンパク質領域を発現するであろう。

0063

キメラゲノムまたはアンチゲノム内に全遺伝子(シス作用性要素およびコード領域を含んで)を付加または置換するのがしばしば有用であるが、問題とする供与体遺伝子の一部のみを導入するのも有用である。全く普通に、シス作用性要素および遺伝子間配列は供与体遺伝子コード領域とともに導入される必要はない。加えて、種々の遺伝子セグメントはキメラゲノムまたはアンチゲノム内包含のための有用な供与体ポリヌクレオチドを提供し、新規および有用な特性を持つキメラRSVを発現させる。従って、異種遺伝子セグメントは有益には、一つのRSVから選択されたタンパク質の細胞質尾部、膜貫通ドメインまたは外部ドメイン、エピトープ部位または領域、結合部位または領域、活性部位または活性部位を含んでいる領域などをコード化しているであろう。これらおよびその他の遺伝子セグメントは別のRSV中の遺伝子セグメント相対物に付加または相対物と置換され新規キメラ組換え体が得られる、例えば、別のRSVの外部ドメインへ融合された一つのRSVの細胞質尾部および/または膜貫通ドメインを持っているキメラタンパク質を発現している組換え体。これに関して有用なゲノムセグメントは、タンパク質の小さな機能性ドメイン(例えば、エピトープ部位)をコード化している遺伝子セグメントの場合の約15-35ヌクレオチドから、より大きなドメインまたはタンパク質領域をコード化している遺伝子セグメントのための約50、75、100、200-500および500-1500またはそれ以上の範囲である。

0064

キメラRSVを構築するには、異種遺伝子は全体としてまたはその一部がバックグラウンドゲノムまたはアンチゲノムへ付加または置換されてキメラゲノムまたはアンチゲノムが形成される。置換により発生させたキメラの場合、一つのRSVからの選択されたタンパク質またはタンパク質領域(例えば、細胞質尾部、膜貫通ドメインまたは外部ドメイン、エピトープ部位または領域、結合部位または領域、活性部位または活性部位を含んでいる領域など)が異なったRSVゲノムまたはアンチゲノム中の相対遺伝子または遺伝子セグメントで置換され、野生型または親RSV株と比較して所望の表現型変化を持っている新規組み換え体が得られる。本明細書で使用される場合、遺伝子、遺伝子セグメント、タンパク質またはタンパク質領域”相対物”とは、異種起源(単一のRSV株中の異なった遺伝子を含んで)または同一の遺伝子の異なった変異体(異なったRSVサブグループまたは株間の種および対立変異体を含んで)からの二つのよく似たポリヌクレオチドを意味する。

0065

遺伝子または遺伝子セグメント相対物は少なくとも中程度の構造同一性を共有している。例えば、遺伝子セグメント相対物は細胞質ドメイン、膜貫通ドメイン、外部ドメイン、結合部位または領域、エピトープ部位または領域などのような問題とするタンパク質の共通構造ドメインをコード化しているであろう。典型的には、それらは同様に共通の生物学的機能を共有しているであろう。例えば、遺伝子セグメント相対物によりコード化されているタンパク質ドメインは共通の膜スパニング機能、特異的結合活性、免疫学的認識部位などを提供する。典型的には、遺伝子または遺伝子セグメント相対物の生成物間で共有されている所望の生物学的活性は定量的には実質的に同じであろう、即ち、それらは30%以上、好適には20%以上、より好適には5-10%以上は異なってはいないであろう。

0066

発明内での使用される遺伝子または遺伝子セグメント相対物はサイズ範囲および配列変異を持っている代替種の集団を包含している。しかしながら、相対物遺伝子または遺伝子セグメントの選択は対照相対物間の実質的配列同一性をあてにしている。これに関連し、選択されたポリヌクレオチド”参照配列”は供与体かまたは受容体ゲノムまたはアンチゲノムに存在する配列またはその一部として定義される。この参照配列は、配列比較のための理論的根拠を提供するために定義された配列として使用される。例えば、参照配列は定義されたcDNAまたは遺伝子のセグメントまたは完全cDNAまたは遺伝子配列であろう。

0067

一般には、遺伝子または遺伝子セグメント相対物を定義するために使用する参照配列は少なくとも20ヌクレオチド長、しばしば少なくとも25ヌクレオチド長、およびたびたび少なくとも50ヌクレオチド長である。二つのポリヌクレオチドは各々(1)二つのポリヌクレオチド間で類似している配列を含んでいる(即ち、完全ポリヌクレオチド配列の一部)、および(2)二つのポリヌクレオチド間で異なっている配列をさらに含んでいるであろうので、二つ(またはそれ以上)のポリヌクレオチド間の配列比較は、典型的には、配列類似性局所的領域を同定および比較する”比較窓”で二つのポリヌクレオチドの配列を比較することにより実施される。本明細書で使用される場合、”比較窓”とは少なくとも20の連続するヌクレオチド位概念セグメントを意味しており、ポリヌクレオチド配列は少なくとも20の連続するヌクレオチド位が参照配列と比較され、二つの配列の最適アラインメントのためには、比較窓中のポリヌクレオチド配列部分は参照配列(付加または欠損を含んでいない)と比較して20パーセントまたはそれ未満の付加または欠損(即ち、ギャップ)しか含んでいないであろう。比較窓を並べる配列の最適アラインメントはSmith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482(1981)による局所相同性アルゴリズムにより、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443(1970)による相同性アラインメントアルゴリズムにより、Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444(1988)の類似性探索法により(これらの各々は本明細書において援用される)、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実施により(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0中のGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA、Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI、本明細書において援用される)、または精査により実施され、種々の方法により生じた最適のアラインメント(即ち、比較窓で最も高いパーセントの配列類似性が生じた)が選択される。

0068

本明細書で使用される場合、用語”配列同一性”とは二つのポリヌクレオチド配列が比較窓において同一である(即ち、ヌクレオチド-ヌクレオチドを基準にして)ことを意味している。用語”配列同一性のパーセント”は比較窓について二つの最適に整列された配列を比較し、両方の配列に見い出される同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、UまたはI)の位置の数を決定して一致した位置の数を得、一致した位置の数を比較窓の位置の総数で割り、その結果を100倍すると配列同一性のパーセントが得られる。本明細書で使用する場合、用語”実質的に同一”とはポリヌクレオチド配列の特徴を示しており、ここでポリヌクレオチドは、少なくとも85%の配列同一性を、好適には少なくとも90から95%の配列同一性、より通常には少なくとも99%の配列同一性を、少なくとも20ヌクレオチド位の比較窓において、しばしば少なくとも25-50ヌクレオチドの窓において参照配列と比較した場合に持つ配列を含んでおり、ここで配列同一性のパーセントは参照配列と、比較窓において参照配列の総計で20パーセントまたはそれ未満の欠失または付加を含んでいるであろうポリヌクレオチド配列を比較することにより計算される。参照配列はより大きな配列の部分集合であろう。

0069

これらのポリヌクレオチド配列関係に加え、本発明のキメラRSVによりコード化されているタンパク質およびタンパク質領域もまた典型的には、保存的関係を持つように、即ち、選択された参照ポリペプチドと実質的な配列同一性または配列類似性を持つように選択される。ポリペプチドに応用される場合、用語”配列同一性”とはペプチドが対応する位置に同一のアミノ酸を共有していることを意味している。用語”配列類似性”とはペプチドが対応する位置に同一のまたは類似のアミノ酸(即ち、保存的置換)を持っていることを意味している。用語”実質的な配列同一性”とは、二つのペプチド配列が、デフォルトギャップ重みを使用したプログラムGAPまたはBESTFITによるように最適に整列された場合、少なくとも80パーセントの配列同一性、好適には少なくとも90パーセントの配列同一性、より好適には少なくとも95パーセントの配列同一性またはそれ以上(例えば、99パーセントの配列同一性)を共有していることを意味している。用語”実質的に類似”とは二つのペプチド配列が対応するパーセント配列類似性を持っていることを意味している。

0070

好適には、同一ではない残基位置保存的アミノ酸置換において異なっている。保存的アミノ酸置換とは類似の側鎖を持っている残基の相互交換可能性を意味している。例えば、脂肪族側鎖を持っているアミノ酸の保存的群はグリシンアラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンであり;脂肪族ヒドロキシル側鎖を持っているアミノ酸群セリンおよびスレオニンであり;アミド含有側鎖を持っているアミノ酸群はアスパラギンおよびグルタミンであり;芳香族側鎖を持っているアミノ酸群はフェニルアラニンチロシンおよびトリプトファンであり;塩基性側鎖を持っているアミノ酸群はリジンアルギニンおよびヒスチジンであり;および硫黄含有側鎖を持っているアミノ酸群はシステインおよびメチオニンである。好適な保存的アミノ酸置換群は:バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリンおよびアスパラギン-グルタミンである。20の保存的アミノ酸の立体異性体(例えば、D-アミノ酸)、α,α-二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、乳酸およびその他の非通常のアミノ酸のような非天然のアミノ酸もまた本発明のポリペプチドのための適した成分であろう。非通常のアミノ酸の例には:4-ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタメート、ε-N,N,N-トリメチルリジン、ε-N-アセチルリジン、O-ホスホセリン、N-アセチルセリンN-ホルミルメチオニン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、ω-N-メチルアルギニン、およびその他のアミノおよびイミノ酸(例えば、4-ヒドロキシプロリン)が挙げられる。さらに、アミノ酸は糖化リン酸化などにより修飾されていてもよい。

0071

本明細書で開示されている発明は組換え体、キメラRSVウイルスおよびサブウイルス粒子の大きなパネルを構築するために有用であるcDNAに基づいた方法を記載している。これらの組換え構築物ワクチン剤として使用するために弱毒化および免疫原性についての改良された特性を与える。これに関連する所望の表現型変化は、弱毒化表現型からの復帰に対する抵抗性、培養または選択された宿主環境においての弱毒化の改良、免疫原性特性(例えば、惹起された免疫応答の促進または減少で決定されるような)、選択されたウイルス生成物の転写および/または翻訳上方制御または下方制御である。

0072

本発明の一つの態様において、弱毒化表現型を特定する一つまたはそれ以上の弱毒化点突然変異を導入することによりキメラゲノムまたはアンチゲノムがさらに修飾された弱毒化キメラRSVが製造される。これらの点突然変異はあらためて発生され、理論的設計突然変異発生戦略に従って弱毒化効果が試験されるであろう。もしくは、弱毒化点突然変異が生物学的に誘導された変異体RSV中で同定され、その後本発明のキメラRSV内へ導入される。

0073

キメラワクチン株内へ取り込むための生物学的に誘導されたRSVの弱毒化点突然変異は天然に発生するか、またはよく知られた突然変異発生法により野生型RSV内へ導入されるであろう。例えば、一般的に本明細書で、およびUSSN08/327,263(本明細書において援用される)で説明されているように、突然変異誘発化学物質が添加されている細胞培地中でのウイルス増殖間の化学的突然変異誘発により、増殖制限突然変異を導入するために亜最適温度で継代されたウイルスの選択により、または細胞培養で小プラーク(sp)を生成する突然変異誘発ウイルスの選択により不完全に弱毒化された親RSV株が製造できる。

0074

”生物学的に誘導されたRSV”とは組換え手段により生成されていないRSVを意味している。従って、生物学的に誘導されたRSVは、例えば、野生型ゲノム配列を持っている天然に存在するRSVおよび参照野生型RSV配列からのゲノム変異を持っているRSV(例えば、弱毒化表現型を特定する突然変異を持っているRSV)を含む天然に存在するRSVのすべてのサブグループまたは株を含んでいる。そのうえ、生物学的に誘導されたRSVは、特に人工的突然変異誘発および選択法により親RSV株から誘導されたRSV変異体を含んでいる。

0075

生物学的に誘導された株から満足するほど弱毒化されたRSVを生成させるため、RSVサブグループAのA2株のよく知られたts-1またはts-1NGまたはcpRSV変異体、またはその誘導体またはサブクローンのような不完全にまたは部分的に弱毒化されている親株内へ突然変異が好適に導入された。これらのおよびその他の部分的に弱毒化された株を使用し、例えば、ワクチン接種体において保護を与えるのに十分な免疫原性を保持しつつ、哺乳類宿主における制限された複製を所望のレベルまで株をさらに弱毒化させる追加の突然変異が発生できる。

0076

サブグループAまたはBウイルスの部分的弱毒化変異体は、野生型ウイルスを受容可能な細胞基質中で生物学的にクローニングしおよび発育させる(例えば、その低温継代変異体)、ウイルスに化学的突然変異誘発剤を加えてts変異体を生み出す、または小プラークまたは同様の表現型変異体を選択するよく知られた方法により生成させることができる(例えば、Murphy et al.,国際特許公開WO93/21310、本明細書において援用される、を参照されたい)。サブグループBのウイルスの例としての部分的に弱毒化された親ウイルスはサブグループBのB1株の変異体であるcp23である。

0077

本明細書に記載されているようなさらなる誘導体化に有用である、非弱毒化サブグループAまたはB株からの部分的弱毒化変異体を生成させるために、種々の既知の選択技術が組み合わされるであろう。さらに、弱毒化表現型を特定する突然変異は不完全に弱毒化されたサブグループAまたはBウイルスに個々にまたは組み合わせて導入され、ワクチン接種体において所望のレベルの弱毒化および免疫原性を与える多数のわかった弱毒化突然変異を持っているワクチンウイルスが製造される。

0078

前に指摘したように、十分に弱毒化された生物学的に誘導されたRSV変異体の製造はいくつかの既知の方法により達成できる。一つのそのような方法は、部分的に弱毒化されたウイルスをだんだんと低くする弱毒化温度での細胞培養で継代することを含んでいる。例えば、野生型ウイルスは典型的には約34-37℃で培養されるが、部分的に弱毒化された変異体は亜最適温度、例えば、20-26℃での細胞培養(例えば、初代ウシ腎臓細胞)での継代により生成される。従って、cp変異体または他の部分的弱毒化株(例えば、ts-1またはspRSV)は、約20-24℃、好適には20-22℃へ温度を下げMRC-5またはベロ細胞で継代することにより、より低い温度で効率よく増殖するように適合される。低温継代間の変異体RSVのこの選択は、部分的弱毒化親と比較すると誘導体株中の残留毒性を実質的に除去する。

0079

もしくは、部分的弱毒化親ウイルスを化学突然変異誘発にかけることにより生物学的に誘導したRSV内へ特異的突然変異を導入できる(例えば、ts突然変異を導入するため、または、すでにtsであるウイルスの場合は、追加のts突然変異は弱毒化された誘導体の表現型に増加した弱毒化および/または安定性を与えるのに十分である)。RSVウイルス内へのts突然変異導入のための手段には、約10-3から10-5M、好適には約10-4M濃度の5-フルオロウリジンまたは5-フルオロウラシルのような突然変異誘発物質存在下でのウイルスの複製、例えば、Gharpure et al., J. Virol. 3:414-421(1969)およびRichardson et al., J. Med. Virol. 3:91-100(1978)に記載されている一般法による、約100μg/mlの濃度のニトロソグアニジンへのウイルスの暴露、または特異的ts突然変異の遺伝子導入が含まれる。他の化学突然変異誘発物質もまた使用できる。ほとんどのRSV遺伝子にt
s突然変異からの弱毒化が生じるが、この目的に特に敏感に反応する標的はポリメラーゼ(L)遺伝子であることが観察されている。

0080

本発明での使用のための模範的な弱毒化RSVの複製の温度感受性レベルは、その複製許容温度での複製をいくつかの制限的温度での複製を比較することにより決定できる。許容温度での複製と比較して、ウイルスの複製が100分の1またはそれ以下に減少する最も低い温度はシャットオフ温度と名付けられている。実験動物およびヒトにおいて、RSVの複製および毒性の両方が変異体のシャットオフ温度と相関している。39℃のシャットオフ温度を持つ変異体の複製は適度に制限されているが、一方、38℃のシャットオフを持つ変異体はより複製せず、病気の徴候は主として上気道に制限されている。35から37℃のシャットオフ温度を持つウイルスは典型的にはヒトでは完全に弱毒化されているであろう。従って、tsである本発明の弱毒化生物学的誘導変異体およびキメラRSVは約35から39℃、および好適には35から38℃の範囲のシャットオフ温度を持っているであろう。部分的に弱毒化された株内へのts突然変異の付加は、本発明のワクチン組成物で有用な多弱毒化ウイルスを生成する。

0081

低温継代の間にすでに弱毒化されているウイルス内へ多数の突然変異を導入するために多数回の化学突然変異誘発を使用して、鼻孔内投与のための候補ワクチンとして多数の弱毒化RSV株が開発されている(例えば、Connors et al., Virol
ogy 208:478-484(1995);Crowe et al., Vaccine 12:691-699(1994);およびCrowe et al., Vaccine 12:783-790(1994)、本明細書において援用される)。齧歯類、チンパンジー、成人および幼児での評価は、ある種のこれらの候補ワクチン株は比較的遺伝子的に安定であり、高度に免疫原性であり、および多分満足するように弱毒化されていることを示している。以下に例示するように、いくつかのこれらの弱毒化ウイルスのヌクレオチド配列分析は、増加した弱毒化の各々のレベルは特定のヌクレオチドおよびアミノ酸置換と関連していることを示している。本発明は、感染性RSVクローンのゲノムまたはアンチゲノム内へ突然変異を別々にまたは種々の組み合わせで導入することにより、沈黙偶発的突然変異と表現型相違の原因突然変異を区別する能力を提供する。この方法は親および誘導体ウイルスの表現型特性と対になって、弱毒化、温度感受性、低温適合、小プラークサイズ、宿主範囲制限などのような所望の特性の原因となる突然変異を同定する。

0082

そのように同定された突然変異は”メニュー”内へ集められ、所望されるような適正レベルの弱毒化、免疫原性、弱毒化表現型からの復帰に対する遺伝子抵抗性へキメラワクチンウイルスを較正するように、単独でまたは組み合わされて望まれるように導入される。好適には、本発明のキメラRSVは、少なくとも一つの、および好適には二つまたはそれ以上のそのようなメニューから同定された弱毒化点突然変異(生物学的に誘導された変異体RSV株のパネル内の既知突然変異の群として同定されているであろう)の取り込みにより弱毒化される。本明細書で記載されている変異体RSV株の好適なパネルは低温継代(cp)および/または温度感受性(ts)変異体であり、例えば、パネルは”cpts RSV 248(ATCCVR2450)、cpts RSV 248/404(ATCC VR 2454)、cpts RSV 248/955(ATCC VR 2453)、cpts RSV 530(ATCC VR 2452)、cpts RSV 530/1009(ATCC VR 2451)、cpts
RSV 530/1030(ATCC VR 2455)、RSV B-1 cp52/2B5(ATCC VR 2542)およびRSV B-1 cp-23(ATCC VR 2579)”(各々はブタペスト条約の期間、American Type Culture Collection(ATCC), 10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209, U.S.A. に寄託されており、上に示した登録番号で授与される)と称されるRSV変異体から成っている。

0083

生物学的に誘導された変異体のこの例示のパネルから、大きなメニューの弱毒化突然変異が提供され、その各々はワクチン使用のための組換えキメラRSVにおける弱毒化のレベルを較正するためにパネル内の他の突然変異と組み合わせることができる。追加の弱毒化突然変異は、例えば、小プラークサイズ(sp)、低温適合(ca)または宿主範囲制限(hr)変異体株として同定されている非tsおよび非cp弱毒化突然変異を持っているRSVから誘導されるであろう。弱毒化突然変異は供与体または受容体RSV遺伝子のコード部分、またはシス作用性配列のような非コード領域から選択されるであろう。例えば、弱毒化突然変異は、M2遺伝子開始配列のヌクレオチド7605における単一または多塩基置換で例示されるような単一または多塩基置換を含んでいるであろう。

0084

ワクチンでの使用に設計および選択されたキメラRSVは、広範囲な臨床使用で満足するレベルの弱毒化を達成するためにしばしば少なくとも二つのおよび時には三つまたはそれ以上の弱毒化突然変異を持っている。一つの態様において、少なくとも一つの弱毒化突然変異がRSVポリメラーゼ遺伝子(供与体かまたは受容体遺伝子)に存在し、温度感受性(ts)表現型を特定するポリメラーゼタンパク質中のアミノ酸変化を特定しているヌクレオチド置換を含んでいる。これに関するキメラRSVの例はラージポリメラーゼ遺伝子Lでの一つまたはそれ以上のヌクレオチド置換を取り込んでおり、Phe521に対してはLeu、Gln831に対してはLeu、Met1169に対してはVal、およびTyr1321に対してはAsnで例示されるようなアミノ酸Phe521、Gln831、Met1169、またはTyr1321でのアミノ酸変化を生じている。もしくはまたは追加的に、本発明のキメラRSVは異なったRSV遺伝子中のts突然変異を取り込んでいるであろう(例えば、M2遺伝子中の)。好適には、二つまたはそれ以上のヌクレオチド変化が弱毒化突然変異を特定しているコドン中に、例えば、ts突然変異を特定しているコドン中に取り込まれ、それにより弱毒化表現型からの復帰の可能性を減少させている。

0085

本発明の方法に従うと、生物学的に誘導された変異体RSV株のパネル内に存在する弱毒化点突然変異を少なくとも一つのおよび完全に補足されるまで取り込んでいるキメラRSVが容易に構築でき、および特徴付けできる。従って、変異体の選択されたパネル、例えば、cpts RSV 248.(ATCCVR2450)、cpts RSV 248/404(ATCC VR 2454)、cpts RSV 248/955(ATCC VR 2453)、cpts RSV 530(ATCC VR 2452)、cpts RSV 530/1009(ATCC VR 2451)、cpts RSV 530/1030(ATCC VR 2455)、RSV B-1 cp52/2B5(ATCC VR 2542)およびRSV B-1 cp-23(ATCC VR 2579)からの任意の組み合わせで突然変異を組み立てることができる。この様式で、キメラワクチン候補を血清陰性幼児を含む一つまたはそれ以上の群の患者で使用するために精密に較正できる。

0086

より特別の態様において、ワクチン使用のためのキメラRSVはRSVポリメラーゼ遺伝子L中のPhe521、Gln831、Met1169、またはTyr1321での温度感受性アミノ酸置換、またはM2遺伝子の遺伝子開始配列中の温度感受性ヌクレオチド置換を特定する弱毒化突然変異を少なくとも一つのおよび完全に補足されるまで取り込んでいる。もしくはまたは追加的に、請求のキメラRSVは、低温継代弱毒化RSVからの突然変異、例えば、RSV N遺伝子中のVal267、RSV F遺伝子中のGlu218またはThr5
23、RSVポリメラーゼ遺伝子L中のCys319またはHis1690のアミノ酸置換を特定している一つまたはそれ以上の突然変異を少なくとも一つのおよび完全に補足されるまで取り込んでいるであろう。

0087

別の詳細な態様において、本発明のキメラRSVは、ヒトRSVBサブグループ糖タンパク質遺伝子FおよびGがヒトRSV Aゲノムまたはアンチゲノム内へ付加または置換されてキメラクローンを形成し、それは生物学的に誘導された変異体RSVから採用された一つまたはそれ以上の弱毒化点突然変異を取り込むようにさらに修飾されている。種々の実施例において、キメラRSVはヒトRSV Bサブグループ糖タンパク質FおよびGの両方がRSV Aゲノム内のFおよびG糖タンパク質を置き換えるために置換され、それはさらに(i)RSVポリメラーゼ遺伝子L中のGln831からLeuおよびTyr1321からAsnへの温度感受性アミノ酸置換を特定している突然変異のパネル;(ii)遺伝子M2の遺伝子開始配列中の温度感受性ヌクレオチド置換;(iii)RSV N遺伝子中のVal267からIle、およびRSVポリメラーゼ遺伝子L中のCys319からTyrおよびHis1690からTyrへのアミノ酸置換を特定する低温継代RSVから採用された突然変異の弱毒化パネル;または(iv)SH遺伝子の欠損から選択される弱毒化点突然変異を取り込むようにさらに修飾されている。好適には、キメラRSVのこれらおよびその他の例は、同一のまたは異なった生物学的に誘導された変異体RSV株から誘導されるであろう生物学的に誘導された変異体RSVから採用された少なくとも二つの弱毒化点突然変異を取り込んでいる。また好適には、これらの例示変異体は突然変異を特定しているコドン中の多ヌクレオチド変化により安定化された一つまたはそれ以上の弱毒化突然変異を持っている。

0088

これまでの説明に従うと、cDNAから感染性RSVを製造する能力は、キメラRSV内の特定の遺伝子操作変化の導入を可能にしている。特に、感染性組換え体RSVが、生物学的に誘導された弱毒化RSV株中の特異的突然変異、例えば、ts、ca、att
およびその他の表現型を特定する突然変異の同定に用いられた。所望の突然変異がそのように同定され、組換え、キメラRSVワクチン株内へ導入された。cDNAからウイルスを製造する能力は、完全長cDNAクローン内へのこれらの突然変異の個々のまたは種々の組み合わせのルーチン的な導入を可能にし、その後、導入された突然変異を含んでいる拾い出された組換え体ウイルスの表現型が容易に決定される。感染性キメラRSVクローン内へ所望の表現に関連する特異的で、生物学的に誘導された突然変異(例えば、cpまたはts表現型)を同定しおよび取り込ませることにより、本発明は同定された突然変異での、または非常に近接した場所での他の部位特異的修飾を提供する。生物学的に誘導されたRSV中に生成されたほとんどの弱毒化突然変異は単一のヌクレオチド変化であるがゆえに、生物学的に誘導されたまたは組み換えられたRSV内へ組換え技術により他の”部位特異的”突然変異を取り込ませることができる。本明細書で使用される場合、部位特異的突然変異は1から3、約5-15までのまたはそれ以上の改変されたヌクレオチド(例えば、野生型RSV配列から、選択された変異体株の配列から、または突然変異誘発にかけられた親組換え体RSVクローンから改変された)の挿入、置換、欠損または転位を含んでいる。そのような部位特異的突然変異は、選択された生物学的に誘導された点突然変異に、またはその領域内に取り込まれるであろう。もしくは、突然変異はRSVクローン内の種々の他の環境、例えば、シス作用性制御配列または活性部位、結合部位、免疫原性エピトープなどをコード化しているヌクレオチド配列にまたはその近辺に導入することができる。部位特異的RSV変異体は典型的には所望の弱毒化表現型を保持しているが、実質的に改変された弱毒化には関係していない表現型特性、例えば、促進されたまたは範囲が広げられた免疫原性または改良された増殖を示すであろう。所望の部位特異的突然変異のさらなる例には、弱毒化点突然変異を特定しているコドン中に追加の安定化ヌクレオチド突然変異を取り込むように設計された組換え体RSVが含まれる。可能な場合、親変異体または組換え体RSVクローン中で弱毒化アミノ酸変化を特定しているコドンに二つまたはそれ以上のヌクレオチド置換が導入され、弱毒化表現型からの復帰に対して遺伝子抵抗性を持っている生物学的に誘導されたまたは組換え体RSVが得られる。別の態様において、例えば存在するシス作用性制御要素を構築または除去するため、部位特異的ヌクレオチド置換、付加、欠損または転位が標的化されたヌクレオチド位置に関して上流N末端方向)または下流(C末端方向)に(例えば、1から3、5-10および15ヌクレオチドまでまたはそれ以上の5'または3'に)導入される。

0089

単一または多点突然変異および部位特異的突然変異に加え、本明細書で開示されているキメラRSVへの変化には全遺伝子または遺伝子セグメントの欠損、挿入、置換または転位が含まれる。これらの突然変異は変化の性質に依存して供与体または受容体ゲノムまたはアンチゲノムの少数塩基(例えば、15-30塩基から35-50塩基またはそれ以上まで)またはヌクレオチドの大きなブロック(例えば、50-100、100-300、300-500、500-1,000塩基)を変化させる(即ち、免疫原性エピトープを挿入または除去するためまたは小さな遺伝子セグメントを変化させるためには少数の塩基が変えられ、一方、遺伝子または大きな遺伝子セグメントが付加、置換、欠損または転位される場合は塩基の大きなブロックが含まれる)。

0090

追加の態様において、さらに修飾されたキメラRSVクローンにおける、同一のまたは異なった遺伝子を含む追加の型の突然変異による、生物学的に誘導されたRSVからキメラRSVクローン内へ採用された突然変異(例えば、cpおよびts突然変異)の補給を提供する。RSVは10のmRNAおよび10または11のタンパク質をコードしている。これらのうちの3つは膜貫通表面タンパク質である、即ち、結合Gタンパク質、貫入に関する融合Fタンパク質、および小疎水性SHタンパク質。GおよびFは主ウイルス中和および保護抗原である。4つの追加のタンパク質がウイルスヌクレオキャプシドに付随している、即ち、RNA結合タンパク質N、ホスホタンパク質P、ラージポリメラーゼタンパク質Lおよび転写延長因子M2 ORF1。マトリックスMタンパク質は内部ビリオンの一部であり、多分ヌクレオキャプシドおよびエンベロープ間の会合仲介する。最後に、機能が知られていない2つの非構造性タンパク質NS1およびNS2が存在する。これらのタンパク質は、発現レベルに関して選択的に改変でき、または全体がまたは一部が、単独でまたは他の所望の修飾と組み合わせて付加、欠損、置換または転位でき、新規ワクチン特性を示すキメラRSVが得られる。

0091

従って、生物学的に誘導されたRSV変異体から採用された弱毒化突然変異に加えてまたは組み合わせて、本発明はまた、感染性RSVクローンの組換え遺伝子操作に基づいた弱毒化キメラRSVのためのある範囲の追加の方法も提供する。本発明のこの態様に従うと、感染性クローン内への取り込みのためのキメラRSVゲノムまたはアンチゲノムをコード化している単離されたポリヌクレオチド配列に種々の改変が生成できる。より特別には、キメラRSVにおける所望の構造および表現型変化を達成するため、本発明は親キメラゲノムまたはアンチゲノムからの選択されたヌクレオチドまたは多数のヌクレオチドを欠損、置換、導入または転位する修飾、ならびにキメラRSVクローン内で全遺伝子または遺伝子セグメントを欠損、置換、導入または転位する突然変異を導入することを可能にする。

0092

感染性キメラRSVの所望の修飾は典型的には所望の表現型変化、例えば、ウイルス増殖の変化、温度感受性、宿主免疫応答を惹起する能力、弱毒化などを特定するように選択される。これらの変化は、例えば、特異的遺伝子または遺伝子領域(例えば、細胞質、膜貫通または細胞外ドメインのような構造ドメイン、免疫原性エピトープ、結合領域、活性部位などをタンパク質をコード化している遺伝子セグメント)の突然変異誘発により供与体または受容体ゲノムかまたはアンチゲノムに持ち込むことができる。これに関して問題とする遺伝子には、RSVゲノムのすべての遺伝子:3'-NS1-NS2-N-P-M-SH-G-F-M2-L-5'、ならびに他のRSV、他のウイルスおよび本明細書で示したような種々の他の非RSV起源からの異種遺伝子が含まれる。

0093

例えば、選択されたRSVコード配列内へ終止コドンを導入することにより、作動可能なように連結されたプロモーターに関してRSV遺伝子の位置を変化させることにより、発現比を改変するために上流開始コドンを導入することにより、表現型を改変するため(例えば、増殖、転写に対する温度制限その他)GSおよび/またはGE転写シグナルを修飾することにより(例えば、位置を変えることにより、存在する配列を改変することにより、または存在する配列を異種配列で置換することにより)、および選択された遺伝子のウイルス複製、転写または選択されたタンパク質の翻訳の定量的または定性的変化を特定する、種々の他の欠損、置換、付加および転位により選択された遺伝子の発現を単純に改変または除去する、キメラRSVにおける修飾もまた提供される。

0094

ワクチン開発のためのキメラRSV内へ他の型の弱毒化突然変異を分析するおよび取り込む能力は、RSVクローン中の標的化された変化の広範囲な組み立てを可能にする。例えば、SH遺伝子の欠損により、促進された増殖含んだ新規表現型特性を持っている組換え体RSVを得る。本発明において、SH遺伝子欠損(または、任意の他の選択された非必須遺伝子または遺伝子セグメント欠損)はキメラRSVにおいて、弱毒化表現型を特定する一つまたはそれ以上の追加の突然変異(例えば、生物学的に誘導された弱毒化RSV変異体から採用された一つまたはそれ以上の点突然変異)と組み合わされる。例示の態様において、SH遺伝子またはNS2遺伝子が欠損され、cpts248/404、cpts530/1009、cpts530/1030または他の選択されたRSV株から採用された一つまたはそれ以上のcpおよび/またはts突然変異と組み合わされて、異なった突然変異の協力効果による増加したウイルス収率、促進された弱毒化および表現型復帰抵抗性を持っている組換え体RSVが得られた。

0095

これに関し、増殖に必須ではないRSV遺伝子(例えば、SH、N、P、NS1およびNS2遺伝子)はキメラRSVにおいては除去またはさもなくば修飾でき、毒性、病原性発生、免疫原性および他の表現型特性に対する所望の効果が得られる。理論に縛られるのを望んでいるわけではないが、この効果は一部ウイルスゲノムのヌクレオチド長が減少しているためであるようである。一つの例としてのSH-マイナスクローンの場合、修飾されたウイルスゲノムは14,825 nt長であり、野生型よりも398ヌクレオチド短い。ゲノムサイズを減少させる同様の突然変異の遺伝子操作により(例えば、P、M、FおよびM2遺伝子のようなRSVゲノムのほかの場所の他のコードまたは非コード領域における)、本発明はキメラRSV増殖を改良するためのいくつかの容易に入手できる方法および材料を提供する。

0096

加えて、感染性キメラRSV内への取り込みのため、種々の他の遺伝子改変が、単独でまたは生物学的に誘導された変異体RSVから採用された一つまたはそれ以上の弱毒化点突然変異と組み合わせて生成できる。追加の異種遺伝子または遺伝子セグメント(例えば、異なったRSV遺伝子、異なったRSV株または型、または非RSV起源)が、全体でまたは一部が、遺伝子の順序を変更して、遺伝子重複を除いて、RSVゲノムプロモーターをそのアンチゲノム相対物に置き換えて、遺伝子の一部を除去または置換して、および全遺伝子を欠損させて挿入されるであろう。種々の遺伝子間領域またはそのほかの場所における独特の制限部位の挿入のような、配列中の異なったまたは追加の修飾が操作を容易にするために実施できる。非翻訳遺伝子配列は外来配列を挿入するための収容力を増加させるために除去できる。

0097

キメラRSVクローンからの遺伝子または遺伝子セグメントを除去することなく選択された遺伝子または遺伝子セグメントの発現を改変または除去するキメラRSV中の遺伝子修飾もまた本発明で提供される。例えば、このことは選択されたRSVコード配列内へ終止コドンを導入することにより、位置を変化させることにより、発現比を改変するために上流開始コドンを導入することにより、または表現型を改変するため(例えば、増殖、転写に対する温度制限その他)GSおよび/またはGE転写シグナルを変化させることにより達成できる。

0098

これに関して好適な突然変異には、例えば、RSVミニゲノムの突然変異分析により同定できる、シス作用性シグナルに関する突然変異が含まれる。例えば、リーダーおよびトレーラーおよび隣接する配列の挿入的および欠損的分析はウイルスプロモーターおよび転写シグナルを同定しており、種々の程度のRNA複製または転写の減少に関連する一連の突然変異を提供している。これらのシス作用性シグナルの飽和突然変異誘発(順に各々の位置が各々のヌクレオチド代替物へ修飾される)もまたRNA複製または転写を減少させる(一つの例では増加した)多くの突然変異を同定している。これらの突然変異は前記のようにキメラアンチゲノムまたはゲノム内へ挿入できる。

0099

完全アンチゲノムcDNAを使用するトランス作用性タンパク質およびシス作用性RNA配列の評価および操作はRSVミニゲノムの使用により援助され(例えば、Grosfeld et al., J. Virol. 69:5677-5686(1995)、本明細書において援用される、を参照されたい)、そのヘルパー依存性状態は、複製-非依存性、感染性ウイルスで回収するには非常に抑制的であるこれらの変異体の特徴付けに有用である。

0100

本発明のキメラRSV内の他の突然変異にはゲノムの3'末端の、アンチゲノムからのその相対物での置き換えを含んでおり、それはRNA複製および転写に関連している。加えて、遺伝子間領域(Collins et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA
83:4594-4598(1986)、本明細書において援用される)は短くするまたは長くするまたは配列内容物を変化させることができ、および天然に存在する遺伝子重複(Collins et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:5134-5138(1987)、本明細書において援用される)はここに記載されている方法により除去または異なった遺伝子間領域へ変更できる。

0101

例示の態様において、保護的FおよびG抗原のような特異的RSVタンパク質の発現レベルは、効率的な翻訳を満足するように合成的に作製されおよび設計されている配列で天然の配列を置換することにより増加できる。これに関し、コドン用法が哺乳類ウイルスタンパク質の翻訳レベルの主たる因子であろうことが示されている(Haas et al., Current Biol. 6:315-324(1996))。主保護的抗原であるRSVのFおよびGタンパク質をコード化しているmRNAのコドン用法の試験は、該コドン用法は貧弱な発現に一致していることを示している。従って、選択された遺伝子の改良された発現を達成するため、本発明の組換え法によりコドン用法が改良できる。

0102

別の例示的態様において、選択されたRSV遺伝子の翻訳開始部位を囲んでいる配列(好適には-3位のヌクレオチドを含んで)が、翻訳の上方-または下方-制御を特定することにより、キメラRSV遺伝子発現を調節するために、単独でまたは上流開始コドンの導入と組み合わせて修飾される。

0103

もしくは、本明細書に開示された他のRSV修飾と組み合わせて、ウイルスの選択された遺伝子の転写GSシグナルを改変することによりキメラRSV遺伝子発現が調節できる。一つの例示の態様において、NS2のGSシグナルが決められた突然変異(例えば、以下に示されるような404(M2)突然変異)を含むように修飾され、ウイルス複製上のts制限に重ね合わせられた。

0104

本発明のさらに追加のキメラRSVクローンは、転写GEシグナルへの修飾を取り込んでいる。例えば、N遺伝子のもので置換または突然変異されたNS1およびNS2遺伝子のGEシグナルを持つRSVクローンが発生され、リードスルーmRNAの減少および下流遺伝子からのタンパク質発現の増加を生じた。生じたキメラウイルスは増殖速度論の増加およびプラークサイズの増加を示すであろう(RSVゲノム中のシス作用性制御要素の修飾によるRSV増殖特性改変の一つの例を除いて)。

0105

別の例示的態様において、Gタンパク質の発現がGmRNAの修飾により増加される。Gタンパク質は膜結合および分泌形の両方で発現され、後者の形はG翻訳読み取り枠内の開始部位での翻訳開始により発現されている。分泌形は発現されたGタンパク質の半分ほどである。内部開始部位の除去(例えば、配列除去による、欠損、その他)は、単独でまたは上流開始部位の配列内容の改変と一緒に、Gタンパク質発現の所望の変化を生じる。Gの分泌形は中和抗体を捕捉するための”おとり”として働くと考えられているので、Gの分泌形の除去も例えば、キメラRSVに対する宿主免疫応答の質を改良するであろう。また、可溶性Gタンパク質はそのTh2に偏りのある応答の優先刺激のため、高められた免疫病理学に関係している。

0106

別の態様において、キメラRSV遺伝子発現のレベルは転写のレベルで修飾される。一つの態様においてRSV遺伝子地図中の選択された遺伝子の位置がよりプロモーター近位またはプロモーター遠位へ変化でき、それにより、遺伝子は各々より効率的にまたはより非効率的に発現されるであろう。この態様に従うと、特定の遺伝子の発現調節が達成でき、野生型レベルと比較して2倍から、より典型的には4倍から10倍またはそれ以上までの遺伝子発現の減少または増加が得られる。一つの例において、NS2遺伝子(RSV遺伝子地図において2番目)がSH遺伝子(6番目)の位置へ置換され、予想されるNS2発現の減少が得られた。位置変化による選択されたRSV遺伝子の増加した発現は10倍、30倍、50倍、100倍またはそれ以上に達することができるが、しばしば相互に位置れた置換遺伝子の発現レベルにおける釣り合った減少が伴う。

0107

別の例示の態様において、FおよびG遺伝子は、遺伝子発現のより高いまたはより低いレベルを達成するため、キメラRSV遺伝子地図内の各々、よりプロモーター近位またはよりプロモーター遠位へ、単独でまたは一緒に転位される。これらおよび他の転位変化は、例えば、RNA複製に関与する選択されたウイルスタンパク質の減少した発現により、弱毒化表現型を持っている新規キメラRSVクローンを生じる。

0108

本発明のより詳細な態様において、例えば、翻訳読み取り枠(ORF)内へ2つの直列翻訳終止コドンを導入することにより、遺伝子またはその遺伝セグメントを欠損させることなく翻訳レベルでウイルス遺伝子(例えば、NS2遺伝子)の発現が取り除かれたキメラRSVが提供される。このことから、選択された遺伝子を欠損させることなく、翻訳レベルでその遺伝子が発現されない生存可能なウイルスが得られる。これらの形の”ノックアウト”ウイルスは、組織培養で増殖速度の減少および小さなプラークサイズを示すであろう。従って、本発明の方法および組成物は、主ウイルス保護的抗原の一つではないウイルス遺伝子の発現が除去する、さらに追加の新規の型の弱毒化突然変異を提供する。これに関して、遺伝子または遺伝子セグメントの欠損無しに生成された”ノックアウト”ウイルス表現型は、本明細書で説明されるような、標的タンパク質の合成を回復するで老補正突然変異を効率的に排除するための欠損突然変異誘発によっても生成できる。

0109

キメラRSVのためのいくつかの他の遺伝子”ノックアウト”が別の設計を使用して作製できる。例えば、ORF内への翻訳終止コドンの挿入またはRNA編集部位の破壊は選択された遺伝子発現の沈黙化または減弱化のための代替物を与える。これらおよびその他のノックアウトを生成させる方法は本分野ではよく知られている(例えば、Kretzschmar et al., Virilogy 216:309-316(1996);Radecke et al., Virilogy 217:418-412(1996):およびKato et al.,EMBO J. 16:178-587(1987);およびSchneider et al., Virilogy 277:314-322(1996)、各々本明細書において援用される、に記載されているように)。

0110

本発明の感染性キメラRSVクローンは、野生型RSVまたは親キメラRSVの感染により提供されるものよりも免疫原性を促進し、およびより優れたレベルの保護を誘導するために本明細書に開示されている方法および組成物に従って遺伝子操作できる。例えば、異種RSV株または型からの、またはPIVのような非RSV源からの免疫原性エピトープが、キメラゲノムまたはアンチゲノムをコード化しているポリヌクレオチド配列内の適切なヌクレオチド変化によりキメラクローンへ付加できる。もしくは、キメラRSVは望ましいまたは望ましくない免疫学的反応に関連した免疫原性エピトープを付加または除去するように遺伝子操作できる(例えば、アミノ酸挿入、置換または欠損により)。

0111

本発明の方法において、追加の遺伝子または遺伝子セグメントは受容体RSVゲノムまたはアンチゲノム内または近傍に挿入されるであろう。これらの遺伝子は受容体遺伝子と共通制御下にあるかまたは、転写シグナルの独立した組の制御下であろう。問題とする遺伝子には前に同定したRSV遺伝子、ならびに非RSV遺伝子が含まれる。問題とする非RSV遺伝子には、サイトカイン(例えば、IL-2からIL-15まで、特にIL-2、IL-6およびIL-12など)、ガンマ-インターフェロンおよびTヘルパー細胞エピトープに豊富なタンパク質をコード化している遺伝子が含まれる。これらの追加のタンパク質は別々のタンパク質として、またはRSVタンパク質の一つの(SHのような)第二のコピーから遺伝子操作されたキメラとして発現できる。このことは、RSVに対する免疫応答を定量的および定性的の両方で修飾および改良する能力を提供する。

0112

本発明の例示の態様において、キメラRSVゲノム内の外来遺伝子または遺伝子セグメント、およびいくつかの場合の非コードヌクレオチド配列の挿入は、ゲノム長の望まれる増加を生じ、さらに追加の望まれた表現型効果を起こす。増加したゲノム長は、挿入の長さに一部依存して、生じるRSVの弱毒化を生じる。加えて、本発明のキメラRSV内へ挿入された非RSV遺伝子からの、例えば、サイトカインのようなある種のタンパク質の発現は、タンパク質の作用によるウイルスの弱毒化を生じるであろう。このことはワクシニアウイルスにおいて発現されたIL-2で記載されており(例えば、Flexner et al., Nature 33:-259-62(1987))、ガンマ-インターフェロンでも期待される。

0113

本発明のキメラRSV内の全ウイルス遺伝子または遺伝子セグメント変化を含んでいる欠損、挿入、置換および他の突然変異は高度に安定なワクチン候補を与え、それは免疫抑制個体の場合には特に重要である。これらの変化の多くは生じるワクチン株の弱毒化を生じるであろうが、所望の表現型変化の異なった型を特定するのもあるであろう。例えば、宿主免疫性を特異的に妨害するタンパク質をコード化しているある種のウイルス遺伝子が知られている(例えば、Kato et al.,EMBO J. 16:578-87(1997)、本明細書において援用される、を参照されたい)。キメラワクチンウイルスにおいてのそのような遺伝子の除去は毒性および病的発生を減少すること、および/または免疫原性を改良することが期待される。

0114

本発明の別の態様において、cDNA発現ゲノムまたはアンチゲノムから生成された感染性キメラRSVは任意のRSVまたはRSV様株(例えば、ヒト、ウシ、マウスその他)または任意の肺炎ウイルス(例えば、マウスの肺炎ウイルスまたはシチメンチョウ鼻気管炎ウイルス)であろう。保護的免疫応答を発生させるためには、ヒトを免疫するのにヒトRSVが使用されているように、RSV株は免疫されている患者に対して内因性であるものであろう。しかしながら、内因性RSVのゲノムまたはアンチゲノムは、異なった起源の組み合わせからの(例えば、異なったRSV種、サブグループまたは株からの遺伝子または遺伝子セグメントの組み合わせ)、またはRSVおよびPIVのような別の呼吸系病原体からのRSV遺伝子または遺伝子セグメントを発現するように修飾できる。

0115

本発明のある態様において、ヒトRSV内の遺伝子または遺伝子セグメントが非ヒトRSV(例えば、ウシまたはマウスRSV)からの異種遺伝子または遺伝子セグメント相対物で置き換えられているキメラRSVが提供される。もしくは、キメラRSVは非ヒトRSV受容体またはバックグラウンドクローン(例えば、ウシまたはマウスRSVクローン)中にヒトRSVからの遺伝子または遺伝子セグメントを取り込んでいるであろう。これに関連したRSV遺伝子または遺伝子セグメントの置換、欠損および付加はNS1、NS2、N、P、M、SH、M2(ORF1)、M2(ORF2)およびL遺伝子、またはGおよびF遺伝子の非免疫原性部分の一つまたはそれ以上の部分またはすべてを含むことができる。また、プロモーターまたは転写シグナルのようなヒトおよび非ヒトRSVシス作用性配列が、各々非ヒトまたはヒト配列相対物で置き換えできる。従って、ウシゲノムまたはアンチゲノムバックグラウンド内へヒト弱毒化遺伝子またはシス作用性配列を挿入することにより、生弱毒化ウシRSVを発生させる方法が提供される。

0116

異種遺伝子またはシス作用性要素を運んでいるキメラヒト/非ヒトRSVは宿主範囲制限およびワクチン使用に好適なその他の望まれる表現型で選択される。例示の態様において、例えば、Pastey et. al., J. Gen. Viol. 76:193-197(1993);Pastey et al., Virus Res. 29:195-202(1993);Zamora et al., J. Ge
n. Virol. 73:737-741(1992);Mallipeddi et al., J. Gen. Virol. 74:2001-2004(1993);Mallipeddi et al., J. Gen. Virol. 73:2441-2444(1992);およびZamora et al., Virus Res. 24:115-121(1992)(各々は本明細書において援用される)に提供されているようなウシRSV構造および機能の既知の特色に基づいて、およびこれらに記載されている教えに従って、ヒトRSV内への導入のためのウシRSV配列が選択される。

0117

本発明の別の態様において、キメラRSV内導入のための問題とする突然変異はGタンパク質の細胞質尾部を欠く(Randhawa et al., Virology 207:240-245(1995))マウス肺炎ウイルスの組織培養適合非病原性株(ヒトRSVのマウス相対物)で規範が作られる。従って、本発明の一つの態様において、所望の弱毒化を達成するため、一つまたはそれ以上のヒトRSV糖タンパク質F、GおよびSHの細胞質および/または膜貫通ドメインが異種配列相対物(例えば、マウス肺炎ウイルスのF、GまたはSHの細胞質または膜貫通ドメインからの配列)を使用してキメラRSV内で付加、欠損、修飾または置換される。別の例では、Fタンパク質の切断部位または近傍の、またはGタンパク質の推定結合ドメインのヌクレオチド配列が、点突然変異、部位特異的変化、または全遺伝子または遺伝子セグメントを含む改変により修飾でき、組織培養におけるウイルス増殖および/または感染および病的発生に対する新規効果が達成される。

0118

従って、ヒトへの投与が意図される感染性キメラRSVは、弱毒化の目的のためのように、例えば、ウシまたはマウスRSVまたはPIVからの遺伝子を含むように修飾されているヒトRSVであろう。例えば、PIVからの遺伝子または遺伝子セグメントを挿入することによりPIVおよびRSV両方に対する二価ワクチンが提供できる。もしくは、異種RSV種、サブグループまたは株、またはPIVのような異なった呼吸系病原体は例えば、ヒトRSV感染に対する保護を惹起するエピトープまたはタンパク質をコード化する遺伝子を含むように修飾される。例えば、得られるキメラRSVがウシバックグラウンドにヒトRSV表面糖タンパク質を運び、残存するウシ遺伝子バックグラウンドによるヒト宿主での制限された複製能力を保持し、一方、ヒトにおいてヒトRSV株に対する保護的免疫応答を惹起するように、ヒトRSV糖タンパク質遺伝子でウシ糖タンパク質遺伝子が置換できる。

0119

本発明の一つの態様において、キメラウシ-ヒトRSVはウシNP遺伝子または遺伝子セグメントによるヒトRSV NPゲノムまたはアンチゲノムの置換を取り込んでおり、そのキメラは任意に追加の遺伝子変化、例えば、点突然変異または遺伝子欠損を取り込むように構築できる。例えば、ヒトRSVコード配列(例えば、NS1、NS2、NPその他)または非コード配列(例えば、プロモーター、遺伝子末端、遺伝子開始、遺伝子間または他のシス作用性要素)のウシまたはマウス配列相対物による置き換えは、種々の可能な弱毒化および他の表現型効果を持っているキメラRSVが得られると期待される。特に、宿主範囲および他の所望の効果はヒトRSVバックグラウンド内へ引き入れられた非ヒトRSV遺伝子から生じると期待され、ここで異種配列またはタンパク質と生物学的に相互作用するヒトRSV配列またはタンパク質(即ち、ウイルス転写、翻訳、組み立てその他のための置換配列と通常協同する、配列またはタンパク質)との不適合性により、非ヒト遺伝子はヒト細胞中では有効に機能しない。

0120

本発明のより詳細な態様において、キメラRSVは、他の病原体、特にパラインフルエンザウイルス(PIV)のような呼吸気道病原体の保護的抗原のためのベクターとして用いられる。例えば、キメラRSVはPIVからの保護的抗原をコード化する配列を取り込むように遺伝子操作され、感染性弱毒化ワクチンウイルスが製造される。PIVcDNAのクローニングおよびその他の説明は”クローン化ヌクレオチド配列からのパラインフルエンザウイルスワクチンの製造”と題し、1998年5月22日に出願された米国特許出願第09/083,793号(国際特許出願番号WO98/53078に対応する)およびその先取権、1997年5月23日に出願された仮出願第60/047,575号(各々が本明細書において援用される)に提供されている。この開示は感染性PIVウイルスクローンを製造するために用いられた以下のプラスミドの説明を含んでいる:p3/7(131)(ATCC97990);p3/7(131)2G(ATCC 97889);およびp218(131)(ATCC 97991);各々はブタペスト条約条項のもと、American Type Culture Collection (ATCC), 10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110-2209, U.S.A.に寄託されており、上に示した登録番号で授与される。

0121

本発明のこの態様に従うと、RSVゲノムまたはアンチゲノム配列および少なくとも一つのPIV配列、例えば、RSVおよびPIV1、PIV2、PIV3またはウシPIV両方からの配列を含んでいるポリヌクレオチドのキメラを含むキメラRSVが提供される。例えば、RSVの個々の遺伝子はPIV1、PIV2またはPIV3のHNおよび/またはF糖タンパク質のようなヒト遺伝子からの遺伝子相対物で置き換えられているであろう。もしくは、選択された異種遺伝子セグメント(HPIV1、HPIV2またはHPIV3のHNまたはFの細胞質尾部、膜貫通ドメインまたは外部ドメインのような)が、例えば、RSVクローンの同一遺伝子中の、RSVクローンの異なった遺伝子中の遺伝子セグメント相対物で、またはRSVゲノムまたはアンチゲノムの非コード配列中へ置換できる。一つの態様において、HPIV3のHNまたはFからの遺伝子セグメントがRSV A型中の遺伝子セグメント相対物で置換され、キメラタンパク質(例えば、RSVの外部ドメインに融合されたRSVの細胞質尾部および/または膜貫通ドメインを持っている融合タンパク質)をコード化している構築物が得られ、新規弱毒化ウイルスおよび/またはPIVおよびRSV両方に対して免疫原性の多価ワクチンが得られた。

0122

前に説明した組換え体RSVに対する修飾に加え、種々の遺伝子間領域またはその他の場所への特有の制限部位の挿入(例えば、GおよびF遺伝子間の特有のStu1部位)のような、操作を容易にするための異なったまたは追加の修飾がRSVクローン中で実施できる。非翻訳遺伝子配列は外来配列挿入のための収容力を増加させるために除去できる。

0123

本発明の別の態様において、単離された感染性キメラRSVを製造するための組成物(例えば、単離されたポリヌクレオチドおよびキメラRSVコード化cDNAを含んでいるベクター)が提供される。これらの組成物および方法を使用して、キメラRSVゲノムまたはアンチゲノム、ヌクレオキャプシド(N)、ヌクレオキャプシドホスホタンパク質(P)、ラージ(L)ポリメラーゼタンパク質およびRNAポリメラーゼ延長因子から感染性キメラRSVが発生される。本発明の関連した態様において、前記の構造的および表現型変化を組換え体RSV内へ導入するために組成物および方法が提供され、感染性、弱毒化ワクチンウイルスが得られる。

0124

感染性キメラRSVクローン内への前に定義した突然変異の導入は種々のよく知られた方法により達成できる。”感染性クローン”とは感染性ウイルスまたはサブウイルス粒子のゲノムを生成するために鋳型として働くことができるRNAゲノムまたはアンチゲノム内へ転写できるcDNAまたはその生成物(合成でもその他でも)を意味している。従って、定義された突然変異はゲノムまたはアンチゲノムのcDNAコピー内へ通常の技術(例えば、部位特異的突然変異誘発)により導入できる。ここで説明されているような完全アンチゲノムまたはゲノムcDNAを組み立てるためのアンチゲノムまたはゲノムcDNA副断片の使用は、各々の領域が別々に操作でき(より小さなcDNAはより大きなものよりも容易に操作できる)、その後完全cDNAへ容易に組み立てられるという利点を持っている。従って、完全アンチゲノムまたはゲノムcDNA、またはそれらの副断片はオリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発のための鋳型として使用できる。このことは、Bio-Rad Laboratories(Richmond, CA)のMuta-geneRキットを使用するような一本鎖ファージミド形の中間体を通して、またはStratagene(La Jolla, CA)のChameleonのように二本鎖プラスミドを直接鋳型として使用する方法、または問題とする突然変異を含んでいるオリゴヌクレオチドプライマーかまたは鋳型を用いるポリメラーゼ連鎖反応により実施できる。突然変異した副断片は続いて完全アンチゲノムまたはゲノムcDNAへ組み立てることができる。種々の他の突然変異誘発技術が知られておりRSVアンチゲノムまたはゲノムcDNA中の問題とする突然変異の生成での使用に利用できる。突然変異は単一ヌクレオチド変化から一つまたはそれ以上の遺伝子またはゲノム領域を含んでいる大きなcDNA片の置き換えまで変化することができる。

0125

従って、一つの例示的実施例での突然変異はBio-Radから入手可能なMuta-geneファージミドインビトロ突然変異誘発キットを使用することにより導入される。簡単には、RSVゲノムまたはアンチゲノムの一部をコード化しているcDNAがプラスミドpTZ18U内へクローン化され、CJ236細胞(Life Technologies)を形質転換するために使用された。ファージミド調製試料製造元により推薦されているように準備された。オリゴヌクレオチドはゲノムまたはアンチゲノムの所望の位置での改変されたヌクレオチドの導入による突然変異誘発のために設計される。遺伝子が改変されたゲノムまたはアンチゲノム断片を含んでいるプラスミドが次に増幅され、変異した断片は次に完全長ゲノムまたはアンチゲノムクローン内へ再導入される。

0126

決められた突然変異を感染性RSV内へ導入できることは、RSV分子生物学および病因論の分析を含む多くの応用を可能にする。例えば、NS1、NS2、SH、M2(ORF1)およびM2(ORF2)タンパク質を含むRSVタンパク質の機能は、その発現レベルを除去または減少させる、または変異体タンパク質を生じる突然変異を導入することにより調査および操作できる。下記の一つの例示的態様において、ウイルス遺伝子(即ち、SH遺伝子)の発現がmRNAコード配列および隣接する転写シグナルの欠損により除去されているような組換え体RSVが構築される。驚くべきことに、このウイルスは回収できたばかりでなく、組織培養で効率よく増殖した。実際、その増殖は感染ウイルス収率およびプラークサイズの両方について野生型よりも実質上増加していた。本発明のSH欠損および他のRSV誘導体の組織培養におけるこの改良された増殖はRSVワクチンを開発するための有用な手段を提供し、それは他の系においてワクチンウイルスの複雑な生成を示す組織培養におけるRSVの不十分な収率の問題を克服している。これらの欠損は遺伝子復帰に対して高度に安定であり、誘導されたRSVクローンをワクチン剤として特に有用なものにしている。

0127

本発明はまた、一つまたはそれ以上の単離されたポリヌクレオチド(例えば、一つまたはそれ以上のcDNA)から感染性キメラRSVを製造する方法にも関している。本発明に従うと、RSVゲノムまたはアンチゲノムをコード化しているcDNAは感染性RSVを形成させるため、必須なウイルスタンパク質との細胞内またはインビトロ共発現のために構築される。”RSVアンチゲノム”とは後代RSVゲノムの合成のための鋳型として働く単離された正センスポリヌクレオチド分子を意味している。好適には、転写し、複製するヌクレオキャプシドを発生させるために必要なタンパク質をコード化している相補的配列(即ち、N、P、LおよびM2(ORF1)タンパク質をコード化している配列)の正センス転写体ハイブリダイズする可能性を最少にするため、複製中間体RNA(またはアンチゲノム)に対応するRSVゲノムの正センス版であるcDNAが構築される。RSVミニゲノム系において、RSVにより補体形成されようがプラスミドによろうが、ゲノムおよびアンチゲノムは回収において同等に活性であり、ゲノムかまたはアンチゲノムが使用できること、およびそれ故方法論または他の分野で選択ができることを示している。

0128

天然のRSVゲノムは典型的には負センスポリヌクレオチド分子を含んでおり、それは、相補的ウイルスmRNAを通して、11種のウイルスタンパク質をコード化している、即ち、Mink et al., Virology 185:615-624(1991), Stec et al., V
irology 183:273-287(1991)およびConnors et al., Virol. 208:478-484(1995)(各々本明細書において援用される)に記載されているような非構造的種NS1およびNS2、N、P、マトリックス(M)、小疎水性(SH)、糖タンパク質(G)、融合(F)、M2(ORF1)、M2(ORF2)、およびL。本発明の目的には本発明の組換え体RSVのゲノムまたはアンチゲノムは、コード化されているウイルスまたはサブウイルス粒子を感染性にするのに必要なこれらの遺伝子またはその一部が含まれている必要がある。さらに、該遺伝子またはその一部は一つ以上のポリヌクレオチド分子により提供されるであろう、即ち、遺伝子は相補性によりまたは別のヌクレオチド分子からの同等物により提供されるであろう。

0129

組換え体RSVとは組換え発現系から直接的または間接的に誘導された、またはそれらから生成されたウイルスまたはサブウイルス粒子の増殖によるRSVまたはRSV様ウイルスまたはサブウイルス粒子を意味している。組換え発現系では、RSV遺伝子発現に制御的役割を持っている遺伝子要素(例えば、プロモーター)、RSV RNAへ転写される構造的またはコード配列、および適切な転写開始および終止配列集合を少なくとも含んでいる作動可能なように連結された転写ユニットから成る組換え発現ベクターが用いられるであろう。

0130

cDNA発現ゲノムまたはアンチゲノムから感染性RSVを製造するには、ゲノムまたはアンチゲノムは(1)RNA複製可能なヌクレオキャプシドを生成する、および(ii)後代ヌクレオキャプシドをRNA複製および転写両方に対して適格にするのに必要なRSVタンパク質と共発現される。ゲノムヌクレオキャプシドによる転写は他のRSVタンパク質を提供し、生産的な感染を開始する。もしくは、生産的感染に必要とされる追加のRSVタンパク質は共発現により供給できる。

0131

RSVアンチゲノムは、例えば、クローン化cDNAセグメントを組み立てることにより、完全ゲノムを集合体として示すことにより、RSVmRNAまたはゲノムRNAの逆転写コピーのポリメラーゼ連鎖反応(PCR:例えば、米国特許第4,683,195号および4,683,202号、およびPCR Protocols:A Guide to Methodsan Applications
, Innis et al.編、Academic Press, San Diego(1990)、本明細書において援用される)により、本発明で使用するために構築される。例えば、アンチゲノムの左末端を含み、適当なプロモーター(例えば、T7RNAポリメラーゼプロモーター)からSH遺伝子に相補的なリーダー領域にわたるcDNAは、プラスミド(例えば、pBR322)または種々の入手可能なコスミドファージまたはDNAウイルスベクターのような適した発現ベクター中に組み立てられる。ベクターは突然変異誘発および/または組み立てを容易にするように設計された特有の制限部位を持つ合成ポリリンカーの挿入により修飾されるであろう。例えば、本明細書に記載されているプラスミドベクターはPstI-EcoRI断片が都合のよい制限酵素部位を含んでいる合成DNAで置き換えられたpBR322から誘導された。ベクターとしてのpBR322の使用はRSV配列のヌクレオチド3715-3732を安定化し(その部分はさもなくばヌクレオチド欠損または挿入を受ける)、およびプラスミドの増殖は人工的重複および挿入(さもなくば、nt 4499近傍で起こる)を避けるために細菌株DH10B中であった。製造を容易にするため、G、FおよびM2遺伝子は、Lおよびトレーラー配列ができるように、別のベクターで組み立てることができる。アンチゲノムプラスミドの右末端(例えば、Lおよびトレーラー配列)は隣接するリボザイムおよび直列T7転写ターミネーターのような、望まれる追加の配列を含んでいる。リボザイムは単一の非ウイルスヌクレオチドを含んでいる3'末端が得られるであろうハンマーヘッド型(例えば、Grosfeld et al., J. Virol. 69:5677-5686(1995))でもよいし、または非RSVヌクレオチドがない3'末端が得られるであろう肝炎デルタウイルス(Perrotta et al., Nature 350:434-436(1991))のもののような任意の他の適したリボザイムであろう。中間セグメント(例えば、G-からM2の断片)は、リーダー-から-SHプラスミドの適した制限部位内へ挿入され、それは順にL-トレーラー-リボザイム-ターミネーター断片の受容体であり、完全なアンチゲノムが得られる。本明細書に記載されている一つの例示的実施例において、リーダー末端は至適活性に3つの転写されるG残基を含むT7RNAポリメラーゼのためのプロモーターと境を接するように構築された;転写はこれら3つの非ウイルスGをアンチゲノムの5'末端に与える。これら3つの非ウイルスG残基は削除でき、5'末端に何も持たない非ウイルスヌクレオチドが得られる。ほとんど正しい3'末端を発生させるため、トレーラー末端はハンマーヘッドリボザイムへ隣接するように構築され、それは切断によりコード化RNAの3'末端へ単一3'-リン酸化U残基を与えるであろう。

0132

本発明のある態様において、転写し、複製するRSVヌクレオキャプシドを発生させるのに必要なタンパク質をコード化している相補配列が一つまたはそれ以上のヘルパーウイルスにより提供される。そのようなヘルパーウイルスは野生型または突然変異体であろう。好適には、ヘルパーウイルスはRSVcDNAによりコード化されているウイルスとは表現型的に区別できる。例えば、ヘルパーウイルスとは免疫学的に反応するが、RSV cDNAによりコード化されているウイルスとは反応しないモノクローナル抗体を提供するのが望まれる。そのような抗体は中和抗体であろう。いくつかの例において、組換え体ウイルスからヘルパーウイルスを分離するためのアフィニティークロマトグラフィーで抗体が使用できる。そのような抗体の調達を助けるため、RSV cDNA内へ突然変異が導入できヘルパーウイルスとの抗原性相違が提供される(HNまたはF糖タンパク質遺伝子中のような)。

0133

弱毒化キメラクローンを発生させるため、RSVゲノムまたはアンチゲノム中に種々のヌクレオチド挿入および欠損が作製できる。野生型ヒトRSVゲノムのヌクレオチド長(15,222ヌクレオチド)は6の倍数であり、パラミキソウイルスおよびモルビリウイルス属のメンバーは”6の規則”に従っている、即ち、ゲノム(またはミニゲノム)はそのヌクレオチド長が6の倍数である場合にのみ効率よく複製する(キャプシド化NPタンパク質に関するヌクレオチド残基の正確な空間位置取りのための要求であると考えられている)。単一残基増加によるRSVゲノム長の改変は複製効率には何の影響も与えず、継代後のいくつかの異なったミニゲノム突然変異体の配列分析は、補償的変化なく長さの違いが維持されていたことを示した。従って、RSVは6の倍数であるゲノム長の厳密な要求を欠いており、本発明の組換え体RSVの複製を無効にすることなくRSVゲノムまたはアンチゲノム中にヌクレオチド挿入および欠損が作製できる。

0134

RSVゲノムまたはアンチゲノムをコードしているcDNAを構築する別の手段には、サブユニットcDNA成分の数を1または2片の少なさまで減少させる改良されたPCR条件を使用する逆転写-PCRが含まれる(例えば、Cheng et al., Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 91:5695-5699(1994);Samal et al., J. Virol 70:5075-5082(1996)、各々は本明細書において援用される、に記載されているような)。別の態様において、異なったプロモーター(例えば、T3、SP6)または異なったリボザイム(例えば、肝炎デルタウイルスのもののような)が使用される。異なったDNAベクター(例えば、コスミド)が大きなサイズのゲノムまたはアンチゲノムにより良く適合させるため、増殖に使用できる。

0135

RNA複製に必須のN、PおよびLタンパク質は、転写進行のためにM2(ORF1)タンパク質のようなRNAポリメラーゼ延長因子を必要とする。従って、負鎖RNAウイルスのためのM2(ORF1)または実質的に等価な転写延長因子が感染性RSVの製造に必要とされ、生産的感染間の機能性ヌクレオキャプシドの必須の成分である。

0136

M2(ORF1)に対する要求は、転写延長因子としてのその役割と一致している。負鎖RNAウイルスのためのRNAポリメラーゼ延長因子タンパク質発現への要求は本発明の特色である。M2(ORF1)はキメラゲノムまたはアンチゲノムかまたは共発現による完全M2遺伝子の発現により供給できるが、この形では第二のORF2もまた発現され、それはRNA複製に対して阻害効果を持っている。従って、完全M2遺伝子を使用する感染性ウイルスの製造のためには、転写延長活性が提供するためにM(ORF1)は十分な発現を許すが、RNA複製を阻害するほど多くのM(ORF2)は発現されないように二つのORFは均衡がとれてなければならない。もしくは、ORF1タンパク質はORF2が欠損したまたは不完全なORF2をコード化してするように遺伝子操作されたcDNAから提供される。ウイルス製造の効率はまた、エンベロープ構成物(即ち、SH、M、G、Fタンパク質)をコード化している遺伝子のような追加のウイルスタンパク質遺伝子の共発現によっても改良されるであろう。

0137

RSVゲノムまたはアンチゲノムをコード化している単離されたポリヌクレオチド(例えば、cDNA)および、別々にまたはシスに、N、P、PおよびM2(ORF1)タンパク質はトランスフェクションエレクトロポレーション機械的挿入、トランスダクションなどにより、生産的RSV感染を支えることができる細胞内(例えば、HEp-2、FRhL-DBS2、MRCおよびベロ細胞)へ挿入される。例えば、リン酸カルシウム仲介トランスフェクション(Wigler et al., Cell 14:725(1978);Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7:603(1981);Graham and Van der Eb, Virology 52:456(1973))、エレクトロポレーション(Neumann et al.,EMBO J. 1:841-845(1982))、DEAE-デキストラン仲介トランスフェクション(Ausubel et al., (編)Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Inc., NY(1987))、カチオン性脂質仲介トランスフェクション(Hawley-Nelson et al., Focus 15:73-79(1993))または商業的に入手可能なトランスフェクション試薬、例えば、LipofectACER(Life Technologies)(前記の各々の文献は本明細書において援用される)により細胞内へ単離されたポリヌクレオチド配列がトランスフェクトされる。

0138

N、P、LおよびM2(ORF1)タンパク質は、一つまたはそれ以上の発現ベクターによりコード化されており、それは同一または別々のゲノムまたはアンチゲノムをコード化しているベクターでも、およびそれらの種々の組み合わせでもよい。追加のタンパク質は望まれるように、それ自身のベクターまたはN、P、LおよびM2(ORF1)タンパク質および/または完全ゲノムまたはアンチゲノムをコード化しているベクターにより含まれているであろう。トランスフェクトされたプラスミドからのゲノムまたはアンチゲノムおよびタンパク質の発現は、例えば、T7RNAポリメラーゼのプロモーター(T7 RNAポリメラーゼのための発現系による感染、トランスフェクションまたはトランスダクションにより、例えば、T7 RNAポリメラーゼを発現するワクシニアウイルスMVA株組換え体、Wyatt et al., Virolog
y, 210:202-205(1995)、本明細書において援用される、順に供給される)の制御下にある各々のcDNAにより達成される。ウイルスタンパク質および/またはT7 RNAポリメラーゼはまた形質転換哺乳類細胞から、または前もって形成されたmRNAまたはタンパク質のトランスフェクションにより提供できる。

0139

もしくは、アンチゲノムまたはゲノムの合成は、結合転写-翻訳反応、続いての細胞内へのトランスフェクションでインビトロ(無細胞)で実施できる。または、アンチゲノムまたはゲノムRNAはインビトロで合成でき、RSVタンパク質を発現している細胞内へトランスフェクトされる。

0140

本発明に従った候補キメラワクチンウイルスを選択するため、生存率、弱毒化および免疫原性の基準がよく知られた方法に従って決定された。本発明のワクチンで最も望ましいであろうウイルスは生存率を維持し、安定した弱毒化表現型を持っており、免疫化宿主で複製を示し(たとえより低いレベルでも)、続いての野生株ウイルスの感染により起こされる重度の疾患に対する保護を与えるのに十分なほど、ワクチン接種者における免疫応答の生成を効率よく惹起しなければならない。明らかに、これまで知られているおよび報告されているRSVウイルス変異体はすべてのこれらの基準には合っていない。本当に、既知の弱毒化RSVで報告されている結果に基づいた期待に反し、本発明のウイルスは生存可能であるばかりでなく、以前の変異体よりも弱毒化されており、インビボで以前に研究された変異体よりも遺伝子的により安定であり(保護的免疫応答を刺激する能力を保持している)、およびいくつかの例では、多修飾により与えられた保護が拡張されている、例えば、異なったウイルス株またはサブグループに対する保護、または異なった免疫学的基礎による保護、例えば、分泌に対する血清イムノグロブリン細胞性免疫など。本発明以前は、インビボ複製後のts表現型の遺伝子不安定性はtsウイルスの通例であった(Murphy et al., Infect. Immun. 37:235-242(1982))。

0141

ワクチン使用のためおよびその他の目的でRSVウイルスを増殖させるため、RSV増殖を可能にする多数の細胞株が使用された。RSVは種々のヒトおよび動物細胞中で増殖する。ワクチン使用のための弱毒化RSVウイルスを増殖させるために好適な細胞株にはDBS-FRhL-2、BdRC-5およびベロ細胞が含まれる。最も高いウイルス収率は通常ベロ細胞のような上皮細胞株で達成される。細胞は典型的には約0.001から1.0またはそれ以上の感染多重度でウイルスが接種され、ウイルスの複製を許容する条件下、例えば、約30-37℃で約3-5日、でウイルスが適した力価に達するのに必要なだけ長く培養する。細胞培養物からウイルスを除き、細胞性成分と分離し(典型的にはよく知られた清澄化法、例えば、遠心分離)、望まれるなら当業者にはよく知られている方法を用いてさらに精製される。

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