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課題・解決手段

本発明は、嘔吐治療および予防のための経皮投与抗嘔吐剤組成物およびこれを含む製剤に関するものであって、さらに詳細には、(a)(1)親水性有機溶媒20〜80重量%、(2)脂肪酸およびその誘導体脂肪酸アルコールおよびその誘導体、アミド化合物テルペン化合物界面活性剤並びにこれらの混合物からなる群から選択された皮膚透過促進剤1〜50重量%、および(3)水15 〜80重量%を含む経皮投与用基剤と、(b)前記基剤100重量%に対して1〜15重量%の、トロピセトロンオンダンセトロングラニセトロンおよびそれらの有効な塩からなる群から選択された抗嘔吐剤薬物とが含まれ、有効な速度で皮膚を通過して約1日以上有効血中濃度に保持され、且つ皮膚刺激のない嘔吐治療および予防のための抗嘔吐剤組成物およびこれを含む経皮投与製剤に関するものである。

概要

背景

概要

本発明は、嘔吐治療および予防のための経皮投与抗嘔吐剤組成物およびこれを含む製剤に関するものであって、さらに詳細には、(a)(1)親水性有機溶媒20〜80重量%、(2)脂肪酸およびその誘導体脂肪酸アルコールおよびその誘導体、アミド化合物テルペン化合物界面活性剤並びにこれらの混合物からなる群から選択された皮膚透過促進剤1〜50重量%、および(3)水15 〜80重量%を含む経皮投与用基剤と、(b)前記基剤100重量%に対して1〜15重量%の、トロピセトロンオンダンセトロングラニセトロンおよびそれらの有効な塩からなる群から選択された抗嘔吐剤薬物とが含まれ、有効な速度で皮膚を通過して約1日以上有効血中濃度に保持され、且つ皮膚刺激のない嘔吐治療および予防のための抗嘔吐剤組成物およびこれを含む経皮投与製剤に関するものである。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
7件

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請求項1

(a)(1)親水性有機溶媒20〜80重量%、(2)脂肪酸およびその誘導体脂肪アルコールおよびその誘導体、アミド化合物テルペン化合物界面活性剤並びにこれらの混合物からなる群から選択された皮膚透過促進剤1〜50重量%、および(3)水15〜80重量%を含む経皮投与基剤と、(b)該経皮投与用基剤100重量%に対して1〜15重量%の、トロピセトロンオンダンセトロングラニセトロン、およびそれらの薬学的に有効な塩からなる群から選択された抗嘔吐剤薬物とが含有されていることを特徴とする経皮投与用抗嘔吐剤組成物

請求項2

請求項3

前記親水性有機溶媒がエタノールとプロピレングリコールとの混合物であることを特徴とする請求項2記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項4

前記エタノールが経皮投与用基剤100重量%中に10〜30重量%含有され、前記プロピレングリコールが経皮投与用基剤100重量%中に10〜50重量%含有されていることを特徴とする請求項3記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項5

前記脂肪酸がカプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸オレイン酸リノール酸またはリノレン酸であることを特徴とする請求項1記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項6

前記脂肪酸がオレイン酸であり、該オレイン酸が基剤100重量%中に1〜10重量%含有されていることを特徴とする請求項5記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項7

前記脂肪酸誘導体脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項8

請求項9

前記脂肪酸エステルがグリセロールモノラウレートであり、該グリセロールモノラウレートが基剤100重量%中に1〜5重量%含有されていることを特徴とする請求項8記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項10

前記脂肪アルコールが、n−オクタノール、n−ノナノールデカノールラウリルアルコール(ドデカノール)、オレイルアルコールまたはリノレイルアルコールであることを特徴とする請求項1記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項11

前記脂肪アルコール誘導体が前記脂肪アルコールのエーテルであることを特徴とする請求項1記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項12

前記脂肪アルコール誘導体がポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルまたはポリオキシエチレンオレイルエーテルであることを特徴とする請求項11記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項13

前記アミド化合物がN,N−ジエチル−m−トルアミド、ラウラミドジエタノールアミンウレアジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドであることを特徴とする請求項1記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項14

前記アミド化合物がN,N−ジエチル−m−トルアミドであり、該N,N−ジエチル−m−トルアミドが基剤100重量%中に1〜10重量%含有されていることを特徴とする請求項13記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項15

前記テルペン化合物がl−メントールメントン、d−リモネン、1,8−シネオールネロリドールカルベオールまたはカンファであることを特徴とする請求項1記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項16

前記界面活性剤がポリオキシエチレン−9−ノニルフェニルエーテルポリエチレングリコール−40水素添加キャスタオイル、ポリエチレングリコール−35キャスタオイル、オクトシノール−11、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリルエステル、ポリオキシエチレンソルビタントリラウリルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンパルミチルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイルエステル、ソルビタンモノラウリルエステル、ソルビタンモノパルミチルエステルまたはソルビタンモノステアリルエステルであることを特徴とする請求項1記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項17

前記水が蒸留水または緩衝溶液であることを特徴とする請求項1記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項18

前記経皮投与用抗嘔吐剤組成物には粘増剤が追加含有されていることを特徴とする請求項1記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物。

請求項19

請求項20

前記請求項1乃至19の何れかに記載の経皮投与用抗嘔吐剤組成物を含むことを特徴とする経皮投与用製剤。

請求項21

前記製剤がレザボアパッチまたは単層マトリックスパッチであることを特徴とする請求項20記載の経皮投与用製剤。

請求項22

前記レザボアパッチが前記抗嘔吐剤組成物を含む薬物貯蔵層非透過性薬物保護膜と薬物透過膜粘着剤層剥離紙とから構成され、該薬物貯蔵層が非透過性薬物保護膜と薬物透過膜の一方の面との間に位置し、該粘着剤層が薬物透過膜のもう一方の面と剥離紙との間に位置してなることを特徴とする請求項21記載の経皮投与用製剤。

請求項23

前記単層型マトリックスパッチが前記抗嘔吐剤組成物を含む薬物貯蔵層と非透過性薬物保護膜と粘着剤層と剥離紙とから構成され、該薬物貯蔵層が非透過性薬物保護膜と粘着剤層の一方の面との間に位置し、該剥離紙が粘着剤層のもう一方の面に付着されていることを特徴とする請求項21記載の経皮投与用製剤。

0001

本発明は、経皮投与抗嘔吐剤組成物およびこれを含む製剤に関するものであって、さらに詳細には、放射線療法の実施、抗癌剤投与または外科手術に伴われる悪心と嘔吐治療および予防のために経皮投与された抗嘔吐剤が、皮膚刺激無しに有効な速度で皮膚を通して1日以上有効血中濃度を保持するようにした抗嘔吐剤組成物およびこれを含む経皮投与製剤に関するものである。

0002

嘔吐は、種々の原因によって引き起こされるが、(1)脳損傷のような病理的要因、(2)妊娠不自然動きのような生理的要因、(3)化学療法剤、手術時使用する麻酔剤刺激剤服用および放射線療法のような治療的要因が挙げられ、特に、シスプラチンのような抗癌剤の投与は激しい嘔吐を誘発する。

0003

抗癌剤による悪心や嘔吐は、抹消および中枢神経系を通した神経伝達物質複合的な相互作用によって引き起こされる。脳髄質に位置した嘔吐中枢(Vomiting or Emetic center)は嘔吐作用の高位中枢であり、嘔吐の全過程総括する。嘔吐中枢は、胃腸管及び他の臓器内にある感覚受容体の求心性受容体と直接連結されているため刺激を受けると嘔吐を引き起こす。また、大脳皮質、血液、前庭器官などの他の器官から生じた刺激にも嘔吐中枢が反応するが、このような中枢刺激が化学受容性嘔吐引金帯(chemoreceptor trigger zone: CTZ)に送られると、再び刺激が嘔吐中枢に送られ嘔吐が引き起こされる。このように中枢神経系と抹消から誘導される嘔吐反射にはセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミンサブタイプ3,5−HT3)、アセチルコリンドーパミンヒスタミン、受容体が関連する。

0004

抗嘔吐剤として広く使用されるセロトニン遮断剤には、トロピセトロンオンダンセトロングラニセトロン、及びドラセトロンなどがある。経口と静脈注射を通じて投与するトロピセトロンとオンダンセトロンは、シスプラチンによって誘発される急性嘔吐に有効であり、晩発運動異常急性筋張力不全正座不能、振せんなどの深刻な錐体外路系副作用を誘発しない。

0005

経口投与において、嘔吐が激しい場合は薬の服用が困難であり、静脈注射や点滴注射患者苦痛加重させ、家庭での投与も難しいため、その使用に多くの制限があった。従って、さらに改善された抗嘔吐剤の投与法の開発が必要となった。

0006

薬物放出調節システム(controlled release system)の一つの経皮投与システムは、一度のパッチ貼付で長時間有効血中濃度を保持できるシステムであって、投与方法が簡単で、長時間に渡って効き目があるため、患者の服薬順応度極大化され、経口投与の際に吸収および代謝過程中に現われる深刻な濃度偏差を低減させ、半減期の短い薬物の血中濃度を所望の時間一定に保持でき、肝初回通過を避けることによって薬の有効性を増大させ、投与中止すべき場合に容易に取り除けるという長所がある。

0007

従って、皮膚を通した投与方法の適用が可能なら抗嘔吐剤の剤形として最も好適であると言える。にもかかわらず、トロピセトロン、オンダンセトロン、グラニセトロンなどの抗嘔吐剤薬物の経皮投与用剤形は未だ開発されておらず、その理由は、薬物が十分な皮膚透過量で有効血中濃度を保持し得る皮膚透過促進剤を含む組成物の考案が難いことにある。

0008

従って、本発明は、経皮投与用抗嘔吐パッチの開発のためにトロピセトロン、オンダンセトロン、グラニセトロンを選択し、適切な皮膚透過促進剤を使用することによって、皮膚透過の強力な障壁として作用する角質層の機能を弱め、所望の皮膚透過度を得るように設計した。これにより、有効血中濃度が保持でき、紅斑浮腫発疹などの皮膚副作用が最大限抑えられる皮膚透過促進剤を含む経皮投与用抗嘔吐剤組成物が設計できるようになった。

0009

従って、本発明の目的は、長時間に渡って抗嘔吐剤が適正な皮膚透過速度で投与されて有効血中濃度を保持し、且つ皮膚副作用のない経皮投与用抗嘔吐剤組成物を提供することにある。

0010

本発明の他の目的は、前記組成物を含む経皮投与用製剤を提供することにある。

0011

本発明は、(a)(1)親水性有機溶媒20〜80重量%、(2)脂肪酸およびその誘導体脂肪アルコールおよびその誘導体、アミド化合物テルペン化合物界面活性剤並びにそれらの混合物からなる群から選択された皮膚透過促進剤1〜50重量%、(3)水15〜80重量%を含む経皮投与用基剤と、(b)上記経皮投与用基剤100重量%に対して1〜15重量%の、トロピセトロン、オンダンセトロン、グラニセトロン、およびそれらの薬学的に有効な塩からなる群から選択された抗嘔吐剤薬物とを含む経皮投与用抗嘔吐剤組成物をその特徴とする。

0012

また、本発明は、前記抗嘔吐剤組成物を含む経皮投与製剤に他の特徴がある。

0013

以下、本発明をさらに詳細に説明する。

0014

本発明の組成物は、親水性有機溶媒、皮膚透過促進剤および水を含む経皮投与用基剤に抗嘔吐剤薬物を添加したものである。

0015

本発明で抗嘔吐剤薬物は、トロピセトロン、オンダンセトロン、グラニセトロン、またはそれらの混合物であって、遊離塩基(free base)の形態および薬学的に有効な塩の形態を含む。抗嘔吐剤薬物は基剤100重量%に対して1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%で含まれる。

0016

抗嘔吐剤薬物を皮膚を通して有効な量だけ伝達するためには経皮投与用組成物が高い皮膚透過速度を持たなければならない。薬物動力学パラメータ[Drugs 46(5),925〜943(1993); J. Pharm. Sci.,80,868〜871(1991)]と試験管内皮膚透過速度から次の数式を用いて生体内投与に際して適正の容量、投与速度および有効面積を定め経皮投与用基剤を設計した。

0017

式中、Dtは経皮投与容量を表し、DOは薬物の1日経口容量を表し、Eは薬物の抽出比(extraction ratio)を表し、DSSは一定時間経皮投与剤形(有効面積A)から透過した薬物の量を表し、Aは薬物が透過する皮膚面積を表し、tは薬物の皮膚透過時間を表し、JSは平衡状態における薬物の皮膚透過速度を表し、KO
は薬物の注入率(infusion rate)を表し、ClTは全身クリアランス(total body clearance)を表し、CSSは平衡状態での薬物の血中濃度を表す。

0018

前記数式5と薬物動力学的パラメータによれば、抗嘔吐剤薬物のトロピセトロンが有効血中濃度3ng/ml〜10ng/mlを保持するためには200〜600μg/hrの皮膚透過速度を有する必要がある。オンダンセトロンが10ng/ml〜30ng/mlの血中濃度を表すためには600〜800μg /hrの皮膚透過速度を有する必要がある。患者の使用上便宜性を考慮し、40cm2以下の面積に設計するためには20μg/cm2/hr以上の皮膚透過速度が必要であり、透過度が高いほどパッチの有効面積をより小さく設計できるため、より有効な皮膚透過組成物になるわけである。

0019

しかしながら、実際に抗嘔吐剤薬物は皮膚角質層透過抵抗によって皮膚透過速度が非常に低い。すなわち、皮膚の最外側の角質層は25〜50μmの厚さに過ぎない極めて薄い層であるにもかかわらず、皮膚透過の最も大きな障壁となっており、親油性が非常に高いことが知られている。従って、本発明では、特定皮膚透過促進剤を一定含量比で使用して抗嘔吐剤薬物の皮膚透過速度を高めた。皮膚透過促進剤は薬物に対する拡散抵抗(diffusional resistance)を低減させ、皮膚角質層の物理化学的性質を変えて親油性部分への分配を促す。

0020

本発明で使用される皮膚透過促進剤としては、脂肪酸およびその誘導体、脂肪アルコールおよびその誘導体、アミドテルペン、界面活性剤があり、これらを単独または混合して使用することができる。特に、皮膚透過促進剤としての脂肪酸と脂肪アルコールは角質層の二重層構造を崩して細胞流動性を増加させ、抗嘔吐剤薬物の皮膚透過速度を高める。

0021

本発明で皮膚透過促進剤として使用する前記脂肪酸は、カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸などのC10〜C18の飽和または不飽和脂肪酸を含み、この中でもラウリン酸およびオレイン酸が好ましく、オレイン酸がさらに好ましい。

0022

皮膚透過促進剤としての脂肪酸誘導体は、脂肪酸エステルを含み、具体的にはグリセロールモノラウレートグリセロールモノオレートグリセロールモノリノレート、グリセロールトリラウレートグリセロールトリオレート、グリセロールトリカプリレートプロピレングリコールモノラウレートプロピレングリコールジラウレート、カプリル/カプリン酸トリグリセリドメチルラウレートカプリン酸メチルイソプロピルミリステートイソプロピルパルミテートエチルオレートオレイルオレートなどを含み、この中でも、グリセロールモノラウレートおよびプロピレングリコールモノラウレートが好ましく、グリセロールモノラウレートがさらに好ましい。

0023

皮膚透過促進剤としての脂肪アルコールは、n−オクタノール、n−ノナノールデカノールラウリルアルコールドデカノール)、オレイルアルコール、リノレイルアルコールなどのC8〜C18のアルコールを含み、この中でも、n−ノナノールおよびラウリルアルコールが好ましい。

0024

皮膚透過促進剤としての脂肪アルコール誘導体は、脂肪アルコールエーテルを含み、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルポリオキシエチレンオレイルエーテルなどを含む。

0025

脂肪酸と脂肪アルコールのそれぞれは、プロピレングリコールと併用され、相乗的に抗嘔吐剤の皮膚透過を促進する。

0026

皮膚透過促進剤としてのアミド化合物は、具体的にはN,N−ジエチル−m−トルアミド、ラウラミドジエタノールアミンウレアジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドなどを含み、この中でも、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ラウラミドジエタノールアミンおよびウレアが好ましく、N,N−ジエチル−m−トルアミドがさらに好ましい。アミド化合物は皮膚角質層における薬物溶解度を高め、皮膚への分配を促す。特に、N,N−ジエチル−m−トルアミドが1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の量でグリセロールモノラウレートと併用されると、抗嘔吐剤の皮膚透過度がさらに上昇する。

0027

皮膚透過促進剤としてのテルペン化合物は、具体的にはl−メントールメントン、d−リモネン、1,8−シネオールネロリドールカルベオールカンファなどを含み、この中でも、l−メントール、d−リモネンおよびネロリドールが好ましく、l−メントールがさらに好ましい。テルペン化合物はエタノールと併用されると、角質層への分配が促進されて抗嘔吐剤の皮膚透過度をさらに高める。

0028

皮膚透過促進剤として使用する界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であり、具体的にはポリオキシエチレン−9−ノニルフェニルエーテルポリエチレングリコール−40−水素添加キャスタオイル、ポリエチレングリコール−35キャスタオイル、オクトシノール−11、 ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリルエステル、ポリオキシエチレンソルビタントリラウリルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンパルミチルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリルエステル、 ポリオキシエチレンソルビタンオレイルエステル(TWEEN(登録商標)、ICI社製)、ソルビタンモノラウリルエステル、ソルビタンモノパルミチルエステル、ソルビタンモノステアリルエステル(SPAN(登録商標)、ICI社製)などが挙げられる。このうち、ポリオキシエチレン(n=10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン−9−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール−40−水素添加キャスタオイルRH40およびオクトシノール−11が好ましく、ポリオキシエチレン(n=10)オレイルエーテルおよびポリエチレングリコール−40−水素添加キャスタオイルRH40がさらに好ましい。非イオン性界面活性剤は、薬物の皮膚透過促進に当って、イオン性界面活性剤の場合に比べて皮膚に損傷が少ないと報告されている。[K. A. Water,Penetration enhancers and their use in transdermal therapeutic system, Transdermal Drug Delivery, pp212〜224,Dekker,(1989); Eagle et al.,J. Toxicol. cut and Ocular toxicol,11,77〜92(1992)]。

0029

上記のような皮膚透過促進剤は、本発明の経皮投与用基剤中に1〜50重量%、 好ましくは1〜10重量%の量で含有させることができる。

0030

一方、本発明による組成物の経皮投与用基剤中に含有される親水性有機溶媒は、具体的には、エタノール、イソプロパノールブタノールベンジルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン分子量600以下の低分子量ポリエチレングリコールジエチレングリコールモノエチルエーテルトリアセチン、N−メチルピロリドン2−ピロリドンジメチルスルホキシドデシルメチルスルホキシドジオキサンラクトンなどを含み、これらは単独または混合して使用することができる。この中でも、エタノールとプロピレングリコールの併用、エタノールとグリセリンの併用、エタノールとジエチレングリコールモノエチルエーテルの併用が好ましく、エタノールとプロピレングリコールを併用するのがさらに好ましい。

0031

親水性有機溶媒の量は本発明の基剤中に20〜80重量%、好ましくは20〜50重量%の量で含有させることができる。特に、親水性有機溶媒としてエタノールを使用する場合、基剤中に10〜30重量%で含有させるのが好ましく、親水性有機溶媒としてプロピレングリコールを使用する場合、基剤中に10〜50重量%の量で含有させるのが好ましく、そして親水性有機溶媒としてエタノールとプロピレングリコールを前記量で併用するのがさらに好ましい。

0032

親水性有機溶媒として使用されたエタノールは、角質層の極性脂肪を抽出して皮膚の構造を可逆的に変化させることによって抗嘔吐剤の皮膚透過を促し、薬物と水溶性基剤に対する溶解度が低い皮膚透過促進剤を溶解させる作用をする。また、親水性有機溶媒として使用されたプロピレングリコールが皮膚透過促進剤のうち脂肪酸またはテルペン類と併用されると、抗嘔吐剤薬物の皮膚透過度がさらに上昇する。

0033

一方、本発明による組成物のうち経皮投与用基剤中に含有される水は、蒸留水またはpH緩衝溶液を使用することができ、基剤中に15〜80重量%含まれる。

0034

また、本発明は、経皮投与用基剤として前述した親水性有機溶媒、皮膚透過促進剤および水以外に、粘増剤をさらに含むことができる。該粘増剤は具体的には、ポリビニルピロリドンコロイド性シリコンジオキシドポリビニルアルコールソジウムカルボキシメチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースカーボポール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(POLOXAMER(登録商標)、 BASF社製)を含み、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。基剤混合溶液100重量%中に前記粘増剤は10重量%以下の量で含有される。

0035

これらの本発明の組成物は、経皮投与用製剤、すなわちパッチの形態に製剤化し得る。以下、前記組成物を含む経皮投与用製剤について説明する。 また、本発明の経皮投与用製剤はレザボアパッチおよび単層マトリックスパッチを含む。

0036

通常、経皮投与用パッチは、その形態によって、薬物と皮膚透過促進剤が粘着層内に含まれた粘着マトリックスパッチ(drug in adhesive matrix patch)、レザボアパッチ(reservoir patch)、単層型マトリックスパッチ(monolithic matrix patch)に代表される。この中でも、薬物と皮膚透過促進剤が粘着層内に含まれている粘着マトリックスは、粘着層がパッチを皮膚に貼り付ける役割と共に、薬物と皮膚透過促進剤の格納庫の役割も果たせるものの、長鎖炭化水素から構成されて親油性の高い粘着剤水溶性の薬物や皮膚透過促進剤を含むのに制限がある。また、このパッチの製造過程中加熱により粘着剤高分子溶媒蒸発させるため、沸点が100℃以下の親水性有機溶媒の使用が不可能である。

0037

従って、本発明に使用できるパッチとしては抗嘔吐剤薬物と水溶性皮膚透過促進剤を無制限に含有できるレザボアパッチおよび単層型マトリックスパッチが好ましい。

0038

本発明のレザボアパッチは、非透過性の薬物保護膜、薬物貯蔵層、薬物透過膜、粘着層、剥離用ディスク(peelable disc)が選択的に含まれる剥離紙から構成される。薬物貯蔵層は非透過性薬物保護膜と薬物透過膜との間に位置し、粘着剤は薬物透過膜の下部全面または縁部を取り囲んでおり、薬物透過膜の中央部は選択的に剥離用ディスクと接触することができる。粘着剤の他面は剥離紙と付着される。剥離用ディスクと剥離紙は、使用前に取り除かれる。

0039

本発明によるレザボアパッチの一例では、図1に示すように、非透過性の薬物保護膜11と薬物透過膜12との間に薬物貯蔵層15があり、粘着剤層13はその一方の面が縁部で薬物透過膜12の下部面と接触し、その中央部は剥離用ディスク16と接触し、粘着剤層の他面は剥離紙14と粘着している。

0040

本発明によるレザボアパッチの他の例では、図2に示すように、非透過性の薬物保護膜21と薬物透過膜22との間に薬物貯蔵層25があり、粘着剤層23はその一方の面が薬物透過膜の下部全面と接触し、粘着剤層の他面は剥離紙24に粘着されている。

0041

前記非透過性薬物保護膜は、揮発性化合物がパッチから消失しないようにする密封効果をもち、ポリエステルポリエチレンポリプロピレン素材を使用することができる。薬物貯蔵層の物理保持体としての薬物透過膜は、多孔性速度調節膜または多孔性構造を持たない緻密な構造の高分子フィルムが使用できるが、前記多孔性速度調節膜としてはポリエチレンとポリプロピレンが使用でき、前記高分子フィルムとしてはエチレンビニルアセテートシリコンラバーポリオレフィンなどからなる緻密な構造の高分子フィルムが使用でき、レザボア構成成分のうちの特定化合物の透過を調節または制限する必要に応じて選択できる。

0042

前記薬物保護膜と薬物透過膜は薬物貯蔵層の縁部で熱封合され、薬物貯蔵層の縁部または薬物透過膜下部の全面に粘着剤を設けて皮膚に貼り付ける。粘着剤としては一般に使用されているポリイソブチレンアクリレート、シリコンを使用することができる。

0043

一方、本発明による単層型マトリックスパッチは、図3に示すように、非透過性薬物保護膜31、薬物貯蔵層35、粘着剤層33および剥離紙34から構成され、薬物貯蔵層35は非透過性薬物保護膜31と剥離紙が付着した粘着剤層33との間に位置する。薬物貯蔵層35は高分子に薬物と皮膚透過促進剤が分散された構造となっている。皮膚透過促進剤組成物を安定的に含有できる薬物貯蔵層としてはヒドロゲルが挙げられるが、このヒドロゲルは水30〜60重量%、水を除いた皮膚透過促進剤組成物を25〜50重量%、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどの高分子を5〜20重量%含む。

0044

本発明による組成物および製剤は有効面積10〜40cm2で皮膚に適用される場合、抗嘔吐剤薬物を一度投与するだけで、薬物が有効血中濃度に24〜72時間維持される。

0045

以下、本発明を下記実施例によって詳細に説明するが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
参考例:皮膚透過速度の測定

0046

薬物の皮膚透過速度をフランディフュージョンセル(Crown glass Co. ModelFDC−400,米国)を用いて次のような方法で測定した。

0047

皮膚(死体皮膚)を、角質層がドナー区画側に向かうようにしてドナーとレセプター区画との間に挟む。この際、レセプター溶液と触れて直接薬物透過に用いられる皮膚の有効面積は0.636cm2であった。レセプター溶液としては蒸留水5 mlを使用し、マグネチックバーを用いて600rpmの速度で一定に攪拌し、レセプター溶液の温度を恒温循環ポンプを用いて32±0.5℃に保持した。気泡を取り除いた後、経皮投与用組成物および経皮投与剤形をドナー区画に載置し、薬物溶液揮発しないように密封した後、試料採取部位から2、4、5、12、20、24時間後にレセプター溶液を各々採集し、実験シンクコンディションを保ち続けられるようにした。

0048

皮膚透過速度は単位時間当り単位面積の皮膚を透過した薬物の量であって、下記数式6から計算した。

0049

式中、JSおよびAは各々上記の定義と同様であり、(dQ/dt)SSは平衡状態で単位時間当り皮膚を透過した薬物の量(μg/hr)である。
実施例 1

0050

薬専用無水エタノール30重量%、プロピレングリコール27重量%、オレイン酸3重量%、水40重量%を含む基剤混合溶液100重量%にオンダンセトロン塩酸塩を3重量%加えて溶解させ、前記参考例と同じ方法ホでヒトの死体皮膚を用いて皮膚透過速度を測定した。

0051

この結果、平衡状態における皮膚透過速度(JS)は71.4μg /cm2/hrであった。
比較例 1〜6

0052

下記表1の組成に従ってオンダンセトロンの経皮投与用組成物を製造した後、前記参考例と同じ方法で皮膚透過速度を測定した。その結果を下記表1に示す。

0053

前記実施例1と表1(比較例1〜6)から分かるように、抗嘔吐剤薬物の水溶液またはエタノール溶液の場合は皮膚透過速度が非常に低いのに対し、薬物を皮膚透過促進剤と共にエタノール、プロピレングリコール水溶液に溶かした場合は皮膚透過速度が著しく増加した。言い換えれば、抗嘔吐剤薬物に、皮膚透過促進剤として脂肪酸、脂肪アルコールを使用し、親水性有機溶媒としてエタノール、プロピレングリコールを使用すると、抗嘔吐剤薬物の皮膚透過度がさらに上昇する。
実施例2

0054

薬専用無水エタノール20重量%、プロピレングリコール15重量%、グリセロールモノオレート3重量%、ポリオキシエチレン(n=10)オレイルエーテル2重量%、および水60重量%を含む基剤混合溶液100重量%にトロピセトロン塩酸塩を5重量%加えて溶解させ、トロピセトロン組成物を製造した後、前記参考例と同じ方法から皮膚透過速度を測定した。この結果、平衡状態における皮膚透過速度(JS)は30.8μg/cm2/hrであった。
実施例3〜42

0055

下記表2、3、4および5の組成に従ってトロピセトロンまたはオンダンセトロンの経皮投与用組成物を製造した後、前記参考例と同じ方法で皮膚透過速度を測定した。その結果を下記表2、3、4および5に示す。
製剤例1:レザボアパッチの製造

0056

アクリレート粘着剤(Durotak87−2196,National Starch)をポリエステルフィルム(Scotchpak 1022,3M社)に500μm厚さにキャスティングし、室温で30分乾燥した後、100℃で15分間さらに乾燥し、その上に剥離用ディスク(RayopeelTM, LR4/25, ucb Transpac N.V.)を積層して粘着剤フィルムを製造した。

0057

一方、エタノール20重量%、プロピレングリコール15重量%、グリセロールモノオレート1重量%、N,N−ジエチル−m−トルアミド2重量%、および水62重量%を含む基剤混合溶液100重量%にヒドロキシプロピルセルロース4.5重量%を加えた混合溶液にトロピセトロン6重量%を溶かしたゲルを、薬物保護フィルム(Scotchpak 1012,polyester film,3M社)上に150mg/cm2の量で加え、薬物放出速度調節膜(Cotran,microporous polyethylene film,3M社)で覆った後、薬物層周辺部を熱封合した。この薬物放出速度調節膜の周辺部に剥離用ディスクと剥離紙が積層された粘着剤を貼り付けて切断し、レザボアパッチを製造した。

0058

製造されたレザボアパッチの皮膚透過速度(JS)を前記参考例と同じ方法で測定し、47.2μg/cm2/hrの結果を得た。
製剤例2:単層型マトリックスパッチの製造

0059

エタノール20重量%、ポリプロピレングリコール15重量%、オレイン酸2重量%、オクタノール3重量%、オクトシノール5重量%、および水55重量%を含む基剤混合溶液100重量%に、8重量%のポリビニルピロリドンを加えて均一に溶解させた後、予め必要量精製水に溶かしておいた4重量%のポリビニルアルコール(重合度2500)を加え均一に混合するまで強力に攪拌した。ここに4重量%のヒドロキシエチルセルロースと6重量%のトロピセトロンを加え均一に混合した後、2mmの深さのモルダー成形して完全なゲルになるまで冷蔵庫に一日放置した。このヒドロゲルをアクリレート粘着剤(Durotak 87-2196,national Starch)のコーティングされている非透過性薬物保護膜上に積層して薬物層を製造した後、シリコンコーティングされた剥離紙を付着させた。

0060

製造された単層型マトリックスの皮膚透過速度(JS)を前記参考例と同じ方法で測定し、21.3μg/cm2/hrの結果を得た。
試験

0061

前記製剤例1で製造したレザボアパッチを10名の健康な成人に24時間貼り付けた後、皮膚にできた紅斑、浮腫、かゆみ、および痛みなどの皮膚刺激を度合によって0(刺激無し)〜4(強い刺激)の数値換算検査した結果、平均で、紅斑0.3、浮腫0.2、かゆみ0および痛み0.1と軽微な刺激にとどまることが分かった。

0062

以上に述べたように、本発明による経皮投与用抗嘔吐剤組成物とこれを含む経皮投与製剤は、優れた皮膚透過速度を持つため、一度の経皮投与で少なくとも24時間抗嘔吐剤が有効血中濃度に保持され、且つ皮膚副作用がないという効果を有する。

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