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技術 三次元装置における造血前駆細胞からのリンパ様組織特異的細胞の生成

出願人 サイトマトリックス,エルエルシー.ザジェネラルホスピタルコーポレーション
発明者 ローゼンツヴァイク,マイケルピケット,マークジェイ.スキャッデン,デービッドティー.ポズナンスキー,マークシー.
出願日 1999年11月12日 (21年0ヶ月経過) 出願番号 2000-581166
公開日 2002年9月10日 (18年2ヶ月経過) 公開番号 2002-529073
状態 拒絶査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 医薬品製剤 微生物、その培養処理 酵素、微生物を含む測定、試験 特有な方法による材料の調査、分析 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬 動物,微生物物質含有医薬
主要キーワード セルロース系多糖類 連続的チャネル 開放セルフォーム ゲル状薬剤 自己的 不適格性 セルフォーム ミニマックス
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重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は、リンパ網内性基質細胞の存在下でのおよび外因的に加えられた成長因子の不存在下で、独特三次元培養装置における造血前駆細胞からのリンパ様組織特異的細胞生成の方法に関する。得られるものは、分化した後代である。リンパ様組織特異的細胞を、分化のすべての連続的段階において単離し、さらに拡張させることができる。リンパ様組織特異的細胞はまた、プロセスのすべての段階において、遺伝子的に変化させることができる。

概要

背景

概要

本発明は、リンパ網内性基質細胞の存在下でのおよび外因的に加えられた成長因子の不存在下で、独特三次元培養装置における造血前駆細胞からのリンパ様組織特異的細胞生成の方法に関する。得られるものは、分化した後代である。リンパ様組織特異的細胞を、分化のすべての連続的段階において単離し、さらに拡張させることができる。リンパ様組織特異的細胞はまた、プロセスのすべての段階において、遺伝子的に変化させることができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

リンパ様組織特異的細胞インビトロで生成する方法であって:ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入すること、ここでリンパ網内性基質細胞の量は、造血前駆細胞の成長および分化を支持するのに十分である、及び造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を同時培養することを含む、前記方法。

請求項2

同時培養が、リンパ様組織起源細胞の数の少なくとも10倍の増加を得るのに十分な条件下で行われる、請求項1に記載の方法。

請求項3

同時培養が、リンパ様組織起源細胞の数の少なくとも20倍の増加を得るのに十分な条件下で行われる、請求項1に記載の方法。

請求項4

同時培養が、リンパ様組織起源細胞の数の少なくとも50倍の増加を得るのに十分な条件下で行われる、請求項1に記載の方法。

請求項5

同時培養が、リンパ様組織起源細胞の数の少なくとも100倍の増加を得るのに十分な条件下で行われる、請求項1に記載の方法。

請求項6

同時培養が、リンパ様組織起源細胞の数の少なくとも200倍の増加を得るのに十分な条件下で行われる、請求項1に記載の方法。

請求項7

同時培養が、リンパ様組織起源細胞の数の少なくとも400倍の増加を得るのに十分な条件下で行われる、請求項1に記載の方法。

請求項8

造血前駆細胞が、多能性幹細胞多能性前駆細胞および特異的な造血リネージ方向づけられた前駆細胞から成る群から選択される、請求項1記載の方法。

請求項9

特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞が、T細胞リネージ、B細胞リネージ、樹状細胞リネージ、ランゲルハンス細胞リネージおよびリンパ様組織特異的マクロファージ細胞リネージから成る群から選択されたリネージに方向づけられる、請求項8に記載の方法。

請求項10

造血前駆細胞が、骨髄末梢血臍帯血胎盤血、リンパ様柔軟組織胎児肝臓胚細胞および大動脈生殖腺中腎由来細胞から成る群から選択された組織に由来する、請求項1に記載の方法。

請求項11

リンパ様柔軟組織が、胸腺脾臓肝臓リンパ節、皮膚、扁桃およびパイエル板から成る群から選択される、請求項10に記載の方法。

請求項12

リンパ網内性基質細胞が、胸腺基質細胞であり、特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞が、T細胞リネージに方向づけられる、請求項9に記載の方法。

請求項13

造血前駆細胞が、遺伝子的に変化した造血前駆細胞である、請求項1に記載の方法。

請求項14

リンパ網内性基質細胞が、胸腺、脾臓、肝臓、リンパ節、皮膚、扁桃およびパイエル板並びにこれらの組合せから成る群から選択された少なくとも1種のリンパ様柔軟組織に由来する、請求項1に記載の方法。

請求項15

リンパ網内性基質細胞が、遺伝子的に変化したリンパ網内性基質細胞である、請求項1に記載の方法。

請求項16

リンパ網内性基質細胞が、造血前駆細胞を接種する前に播種される、請求項1に記載の方法。

請求項17

リンパ網内性基質細胞が、造血前駆細胞と同時に播種される、請求項1に記載の方法。

請求項18

造血前駆細胞がヒト起源であり、リンパ網内性基質細胞がヒト起源である、請求項1に記載の方法。

請求項19

造血前駆細胞がヒト起源であり、リンパ網内性基質細胞が非ヒト起源である、請求項1に記載の方法。

請求項20

非ヒト起源リンパ網内性基質細胞が、マウス起源である、請求項19に記載の方法。

請求項21

多孔質固体マトリックスが、少なくとも75%の百分率開放空間を有する開放セル多孔質マトリックスである、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。

請求項22

多孔質固体マトリックスが、平均で150μmより小さい中点における直径を有する相互接続する靭帯により規定された孔を有する、請求項21に記載の方法。

請求項23

多孔質固体マトリックスが、炭素含有物質金属被覆網状開放セルフォームである、請求項22に記載の方法。

請求項24

金属が、タンタルチタン白金ニオブハフニウムタングステンおよびこれらの組合せから成る群から選択されており、該金属が、コラーゲンフィブロネクチンラミニンインテグリン血管形成因子抗炎症因子グリコサミノグリカンビトロゲン、抗体およびこれらのフラグメント並びにこれらの組合せから成る群から選択された生物学的薬剤被覆されている、請求項23に記載の方法。

請求項25

造血前駆細胞およびこの後代、並びにリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスが、マトリックスの孔を占有するゼラチン状薬剤含浸されている、請求項24に記載の方法。

請求項26

金属が、タンタルである、請求項24に記載の方法。

請求項27

造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞が、血清以外の造血細胞の維持、拡張および分化を促進する基質細胞条件化培地および外因的に加えられた造血成長因子を含まない環境において培養される、請求項1に記載の方法。

請求項28

造血細胞の維持、拡張および分化を促進する造血成長因子が、インターロイキン3、インターロイキン6、インターロイキン11、SCF、FLT/FLKリガンド成長因子から成る群から選択された剤である、請求項27記載の方法。

請求項29

造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞が、基質細胞条件化培地、並びに造血細胞の維持、拡張、分化を促進し、細胞局所化に影響する造血成長因子から成る群から選択された外因的に加えられた剤と共に培養される、請求項1に記載の方法。

請求項30

造血細胞の維持、拡張、分化を促進し、細胞局所化に影響する造血成長因子が、インターロイキン3、インターロイキン6、インターロイキン7、インターロイキン11、インターロイキン12、幹細胞因子、FLK−2リガンド、FLT−2リガンド、Epo、Tpo、GMCSFGCSFオンコスタチンMおよびMCSFから成る群から選択された剤である、請求項29に記載の方法。

請求項31

さらに、同時培養段階の後に、リンパ様組織起源細胞が収穫されることを含む、請求項1に記載の方法。

請求項32

造血前駆細胞のインビボでの維持、拡張および/または分化のための方法であって:対象中に、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスを移植することを含み、該多孔質固体マトリックスが、少なくとも75%の百分率開放空間を有する開放セル多孔質マトリックスである、前記方法。

請求項33

造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を:ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、多孔質固体マトリックス中にインビトロで導入すること、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞を、血清以外の造血細胞の維持、拡張および/または分化を促進する基質細胞条件化培地および外因的に加えられた造血成長因子を含まない環境において同時培養すること、の各工程により播種した多孔質固体マトリックスをさらに含む、請求項32に記載の方法。

請求項34

同時培養が、少なくとも10倍と400倍の間でリンパ様組織起源細胞の数の増大を生じるのに十分な条件下で行われる、請求項33に記載の方法。

請求項35

造血前駆細胞が、多能性幹細胞、多能性前駆細胞および特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞から成る群から選択される、請求項32に記載の方法。

請求項36

特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞が、T細胞リネージ、B細胞リネージ、樹状細胞リネージ、ランゲルハンス細胞リネージおよびリンパ様組織特異的マクロファージ細胞リネージから成る群から選択されたリネージに方向づけられる、請求項35に記載の方法。

請求項37

リンパ網内性基質細胞が、胸腺基質細胞であり、特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞が、T細胞リネージに方向づけられる、請求項36に記載の方法。

請求項38

多孔質固体マトリックスが、平均で150μmより小さい中点における直径を有する相互接続する靭帯により規定された孔を有する、請求項32に記載の方法。

請求項39

多孔質固体マトリックスが、炭素含有物質の金属被覆網状開放セルフォームである、請求項38に記載の方法。

請求項40

金属が、タンタル、チタン、白金、ニオブ、ハフニウム、タングステンおよびこれらの組合せから成る群から選択されており、該金属が、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、インテグリン、血管形成因子、抗炎症因子、グリコサミノグリカン、ビトロゲン、抗体およびこれらのフラグメント並びにこれらの組合せから成る群から選択された生物学的薬剤で被覆されている、請求項39に記載の方法。

請求項41

金属が、タンタルである、請求項40に記載の方法。

請求項42

造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスが、マトリックスの孔を占有するゼラチン状薬剤で含浸されている、請求項32〜41のいずれかに記載の方法。

請求項43

T細胞アネルギーを誘発する方法であって:ある量の造血前駆細胞、ある量の抗原提示細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入すること、該造血前駆細胞、該抗原提示細胞および該リンパ網内性基質細胞を、T細胞および/またはT細胞前駆体の形成を誘発し、生成した細胞の活性化を阻害するのに十分な条件下で少なくとも1種の抗原の存在下で同時培養することを含む、前記方法。

請求項44

造血前駆細胞が、多能性幹細胞、多能性前駆細胞および特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞から成る群から選択される、請求項43に記載の方法。

請求項45

リンパ網内性基質細胞が胸腺基質細胞であり、特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞がT細胞リネージに方向づけられる、請求項44に記載の方法。

請求項46

細胞反応性を誘発する方法であって:ある量の造血前駆細胞、ある量の抗原提示細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入すること、及び該造血前駆細胞、該抗原提示細胞および該リンパ網内性基質細胞を、該造血前駆細胞から、T細胞および/または前記少なくとも1つの抗原に対する特異性を有するT細胞前駆体の形成を誘発するのに十分な条件下で、少なくとも1種の抗原の存在下で同時培養することを含む、前記方法。

請求項47

造血前駆細胞が、多能性幹細胞、多能性前駆細胞および特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞から成る群から選択される、請求項46に記載の方法。

請求項48

リンパ網内性基質細胞が胸腺基質細胞であり、特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞がT細胞リネージに方向づけられる、請求項47に記載の方法。

請求項49

抗原提示細胞が、樹状細胞、単球マクロファージ、ランゲルハンス細胞、クッペル細胞、ミクログリア肺胞マクロファージおよびB細胞から成る群から選択された細胞である、請求項46に記載の方法。

請求項50

抗原提示細胞が、インビトロで造血前駆細胞から由来する、請求項46に記載の方法。

請求項51

さらに同時刺激分子を同時培養に投与することを含む、請求項46に記載の方法。

請求項52

同時刺激分子が、リンパ球機能関連抗原3(LFA−3)、CD2、CD40、CD80/B7−1、CD86/B7−2、OX−2、CD70およびCD82から成る群から選択されている、請求項51に記載の方法。

請求項53

少なくとも75%の百分率開放空間および細胞をマトリックスを通じて成長させるのに十分な孔の大きさの孔を有する多孔質固体マトリックス、該固体マトリックスに付着したある量のリンパ網内性基質細胞、ここで該量は、造血前駆細胞の成長および分化を支持するのに十分である、およびマトリックスに付着したある量の造血前駆細胞を含む、組成物

請求項54

造血前駆細胞が、リンパ網内性基質細胞に付着している、請求項53に記載の組成物。

請求項55

多孔質固体マトリックスが、平均で150μmより小さい中点における直径を有する相互接続する靭帯により規定された孔を有する、請求項53または54に記載の組成物。

請求項56

多孔質固体マトリックスが、炭素含有物質の金属被覆網状開放セルフォームである、請求項55に記載の組成物。

請求項57

金属が、タンタル、チタン、白金、ニオブ、ハフニウム、タングステンおよびこれらの組合せから成る群から選択されており、ここで該金属は、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、インテグリン、血管形成因子、抗炎症因子、グリコサミノグリカン、ビトロゲン、抗体およびこれらのフラグメント並びにこれらの組合せから成る群から選択された生物学的剤で被覆されている、請求項56に記載の組成物。

請求項58

金属が、タンタルである、請求項56に記載の組成物。

請求項59

造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスが、マトリックスの孔を占有するゼラチン状薬剤で含浸されている、請求項53に記載の組成物。

請求項60

造血前駆細胞が、多能性幹細胞、多能性前駆細胞および特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞から成る群から選択される、請求項53に記載の組成物。

請求項61

特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞が、T細胞リネージ、B細胞リネージ、樹状細胞リネージ、ランゲルハンス細胞リネージおよびリンパ様組織特異的マクロファージ細胞リネージから成る群から選択されたリネージに方向づけられる、請求項60に記載の組成物。

請求項62

リンパ網内性基質細胞が胸腺基質細胞であり、特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞がT細胞リネージに方向づけられる、請求項60に記載の組成物。

請求項63

造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を同定する方法であって:ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入すること、試験同時培養において、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞を、造血細胞の発育に影響することが疑われる少なくとも1種の候補薬剤の存在下で同時培養すること、及び試験同時培養造血細胞の発育を対照の同時培養と比較することにより、該少なくとも1種の候補薬剤が、該試験同時培養における造血細胞の発育に影響しているか否かを決定し、これにより、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を、該少なくとも1種の候補薬剤の不存在下で同時培養すること、ここで該多孔質固体マトリックスは、少なくとも75%の百分率開放空間を有する開放セル多孔質マトリックスである、を含む、前記方法。

請求項64

造血前駆細胞の発育が、造血前駆細胞の維持を含む、請求項63に記載の方法。

請求項65

造血前駆細胞の発育が、造血前駆細胞の拡張を含む、請求項63に記載の方法。

請求項66

造血前駆細胞の発育が、特異的細胞リネージへの造血前駆細胞の分化を含む、請求項63に記載の方法。

請求項67

造血前駆細胞の発育が、造血前駆細胞の死を含む、請求項63に記載の方法。

請求項68

リンパ網内性基質細胞が、胸腺基質細胞である、請求項63に記載の方法。

請求項69

多孔質固体マトリックスが、平均で150μmより小さい中点における直径を有する相互接続する靭帯により規定された孔を有する、請求項63に記載の方法。

請求項70

多孔質固体マトリックスが、炭素含有物質の金属被覆網状開放セルフォームである、請求項63に記載の方法。

請求項71

金属が、タンタル、チタン、白金、ニオブ、ハフニウム、タングステンおよびこれらの組合せから成る群から選択されており、該金属が、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、インテグリン、血管形成因子、抗炎症因子、グリコサミノグリカン、ビトロゲン、抗体およびこれらのフラグメント並びにこれらの組合せから成る群から選択された生物学的剤で被覆されている、請求項69に記載の方法。

請求項72

金属が、タンタルである、請求項70に記載の方法。

請求項73

細胞培養から造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を単離する方法であって、ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入すること、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞を同時培養すること、該同時培養から試験上清液を得ること、該試験上清液を対照上清液と比較すること、該対照上清液から欠けている造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を含む該試験上清液のサブフラクションを得ることを含み、ここで該多孔質固体マトリックスは、少なくとも75%の百分率開放空間を有する開放セル多孔質マトリックスである、前記方法。

請求項74

剤が、対照上清液中に存在し、試験上清液中には存在しない、請求項73記載の方法。

請求項75

試験上清液中の剤が、対照上清液中の薬剤とは異なる、請求項73に記載の方法。

請求項76

剤がさらに、試験上清液の他のサブフラクションを調製することにより単離される、請求項73に記載の方法。

請求項77

造血前駆細胞の発育が、造血前駆細胞の維持を含む、請求項73に記載の方法。

請求項78

造血前駆細胞の発育が、造血前駆細胞の拡張を含む、請求項73に記載の方法。

請求項79

造血前駆細胞の発育が、特異的細胞リネージへの造血前駆細胞の分化を含む、請求項73に記載の方法。

請求項80

造血前駆細胞の発育が、造血前駆細胞の死を含む、請求項73に記載の方法。

請求項81

リンパ網内性基質細胞が、胸腺基質細胞である、請求項73に記載の方法。

請求項82

多孔質固体マトリックスが、平均で150μmより小さい中点における直径を有する相互接続する靭帯により規定された孔を有する、請求項73に記載の方法。

請求項83

多孔質固体マトリックスが、炭素含有物質の金属被覆網状開放セルフォームである、請求項73に記載の方法。

請求項84

金属が、タンタル、チタン、白金、ニオブ、ハフニウム、タングステンおよびこれらの組合せから成る群から選択されており、該金属が、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、インテグリン、血管形成因子、抗炎症因子、グリコサミノグリカン、ビトロゲン、抗体およびこれらのフラグメント並びにこれらの組合せから成る群から選択された生物学的剤で被覆されている、請求項83に記載の方法。

請求項85

金属が、タンタルである、請求項83に記載の方法。

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0001

関連出願
本出願は、1998年11月12日出願、発明の名称「三次元装置における造血前駆細胞からのリンパ様組織特異的細胞の生成」の米国特許仮出願通番第60/107,972号から35 U.S.C. §119に基づいて優先権を主張する。この仮出願の内容は、本出願中に、参照により組み込まれる。
発明の分野

0002

本発明は、三次元装置における造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞同時培養(coculture)し、予測できない程度に多数のリンパ様組織特異的細胞の後代を得ることに関する。

背景技術

0003

免疫系の特徴は、抗原の特異的認識である。これは、自己的非自己的抗原との間および以前に遭遇した抗原に対する迅速かつ特異的な反応を可能にする記憶様能力識別するポテンシャルを含む。脊椎動物の免疫系は、最終的に体液性のおよび細胞により媒介された免疫応答を生じる分子的および細胞的事象カスケードをともなう外来の抗原と反応する。

0004

抗原特異性認識を伴う免疫防御の主要な経路は、抗原の抗原提示細胞APC)、例えば樹状細胞またはマクロファージによる捕捉およびこれらの細胞のリンパ器官(例えば胸腺)へのその後の移動で開始する。ここで、APCは、成熟ヘルパー細胞として分類されるT細胞のサブクラスに抗原を提示する。提示された抗原の特異的な認識により、成熟Tヘルパー細胞は誘発されて、活性化Tヘルパー細胞となる。活性化Tヘルパー細胞は、形質細胞を生成する抗体への成熟B細胞分化を誘発することによる体液性免疫応答および成熟した細胞傷害性T細胞の活性化による細胞媒介免疫応答を共に調節する。

0005

胸腺は、造血細胞のT細胞分化における必須の因子であることが示されている。マウスモデルに基づいて、胸腺および三次元構造を含まないインビトロモデルが、T細胞リンパ球生成を支持しないため(Owen JJ等、Br Med Bull., 1989, 45:350-360)、三次元器官の存在は、必要であると考えられている。しかし、分化のプロセスは、胸腺に接する前駆細胞の前に開始するようである。

0006

胎児肝臓または骨髄における原始的造血前駆体は、Tリンパ様リネージ(lineage)に方向づけられた前駆体を含むリネージ委任細胞(lineage committed cells)を生じる。これらのほとんどの未成熟な細胞は、CD34の表面発現により同定される。T細胞リネージ委任細胞は、CD34を発現するが、T細胞前駆体上のみに見出される他のエピトープ別個の発現は、記載されていない。さらに、Tリンパ球分化は、通常一連の別個の発生段階を通じて生じる。リンパ球特異的細胞表面マーカー(CD34+ CD3− CD4− CD8−)を発現しない原始的な前駆細胞は、胸腺に移動し、ここでこれらは、一連の成熟事象により、表現型CD34− CD3− CD4+ CD8−を獲得する。次に、これらの細胞は二重陽性CD4+ CD8+細胞に成熟し、これらのほとんどはCD3+であるが、CD3発現は一般に検出可能ではない。これらの細胞は、さらに、陽性および陰性選択を共に受け、成熟して単一陽性T細胞(CD4+ CD8−またはCD4− CD8+)に発育する。これらの細胞は、最終的に、実験されていないT細胞として、末梢循環中に移動する。

0007

細胞障害および疾患は、主要な健康問題を示す。近年の進行は、AIDSを含むTリンパ球を伴う疾病治療するために、遺伝子療法を用いて実施された。これは、これらの疾病のための有力な遺伝子療法のインビトロ評価を可能にする実験室手法の開発において増大した関連を促進した。

0008

T細胞分化の理解は、インビトロT細胞分化を可能にする技術の限定された有用性により妨げられていた。現在まで、T細胞分化の研究は、SCID−huマウスのインビボモデルに大いに限定されていた。インビトロ技術は、胸腺移植研究および霊長類胸腺単層に基づいていた。最近の進行において、霊長類胸腺基質培養は、T細胞の発育を試験するための、役立つがしかし非効率の系を提供し、再現性のある様式でインビトロT細胞分化を可能にする。しかし、この方法および培養の比較的短い半減期を発生するT細胞の純度および数は、一般的にT細胞分化および機能の一層進化した研究に対する限定された利用性を発生させる。
発明の要約

0009

本発明は、1つの重要な部分において、外因性成長因子を加えずに、リンパ様組織特異的リネージへの造血前駆細胞の発育に向けられた造血前駆細胞を培養するための改善された方法を含む。従って、本発明の1つの観点は、特異的なリネージに方向づけられた後代を生成するための造血前駆細胞の培養である。他の観点は、造血前駆細胞の試料から得ることができる分化した後代の割合および数の改善である。

0010

本発明者等は、ここで、生物適合性であり、開放孔の、三次元マトリックスを利用し、ヒトおよび非ヒトリンパ網内性基質細胞を用いて、特定の細胞リネージに対するヒトおよび非ヒト造血前駆細胞の拡張および分化のための適切な条件を提供する系を記載する。例えばこれらの培養から得られたTリンパ球は、通常種々の刺激に応答し、成熟T細胞の予期されたマーカー相違を表す。

0011

この系は、在来の手法と比較して顕著な利点を提供する。例えば、これは、有効な遺伝子療法の方策またはインビボでの対象への再輸液を含む、実験室分析および/または治療的使用に必要な多数の分化した後代の迅速な発生を提供することができる。マトリックス自体は、造血細胞成長のインビボ研究のために、対象中に移植することができる。システムはまた、造血細胞の維持、拡張および/または特異的なリネージへの分化の複雑なプロセスを合理的に繰り返すことができる。

0012

驚くべきことに、本発明において、外因性成長因子を加えずに多孔質固体足場においてリンパ網内性基質細胞と同時培養された造血前駆細胞は、迅速な速度で予期されない程度に高い数のリンパ様特異的リネージの機能的な分化した後代を生じることが見出された。リンパ網内性基質細胞が由来するリンパ様組織は、リネージ委任造血前駆細胞が保証するのを決定するのを補助し、分化した後代のリネージ特異性を生じる。また、驚くべきことに、本発明において、在来の方法と比較して、少ない量の非リンパ様細胞(即ち単球細胞)が、本発明の多孔質固体足場において造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞の同時培養から発生することが見出された。従って、本発明は、比較的少数の造血前駆細胞からの多数の分化したリンパ様特異性細胞の迅速な発生を可能にする。このような結果は、既知の技術の方法(例えば、霊長類胸腺基質単層におけるCD3+細胞のインビトロ分化を記載するJohnson等による米国特許第5,677,139号または三次元骨髄細胞、および組織培養系を記載するNaughton等による米国特許第5,541,107号のよ
うに)を用いては、以前には決して実現されなかった。

0013

本発明の1つの側面において、リンパ様組織特異的細胞のインビトロ生成のための方法が提供される。この方法は、ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入することを含む。次いで、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を同時培養する。用いられるリンパ網内性基質細胞の量は、造血前駆細胞の成長および分化を支持するのに十分な量である。1つの実施態様において、同時培養は、リンパ様起源細胞の数において少なくとも10倍の増加を生じるのに十分な条件下で生じる。好ましい実施態様において、同時培養は、リンパ様組織起源細胞の数の少なくとも20、50、100、200、300または400倍の増加を生じるのに十分な条件下で生じる。いくつか実施態様において、同時培養の後に、リンパ様組織起源細胞の収穫を実施することができる。

0014

ある実施態様において、造血前駆細胞は、多能性幹細胞多能性前駆細胞および/または特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞とすることができる。特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞は、T細胞リネージ、B細胞リネージ、樹状細胞リネージ、ランゲルハンス細胞リネージおよび/またはリンパ様組織特異的マクロファージ細胞リネージとすることができる。

0015

造血前駆細胞は、骨髄、末梢血液動態化末梢血液を含む)、臍帯血胎盤血、胎児肝臓、胚細胞胚幹細胞を含む)、大動脈生殖腺中腎由来細胞およびリンパ様柔軟組織等の組織から由来することができる。リンパ様柔軟組織には、胸腺、脾臓肝臓リンパ節、皮膚、扁桃およびパイエル板が含まれる。他の実施態様において、リンパ網内性基質細胞はまた、前述のリンパ様柔軟組織の少なくとも1つから由来することができる。好ましい実施態様において、リンパ網内性基質細胞は胸腺基質細胞であり、多能性前駆細胞および/または方向づけられた前駆細胞は、T細胞リネージに方向づけられている。他の実施態様において、造血前駆細胞および/またはリンパ網内性基質細胞は、遺伝子的に変化させることができる。

0016

本発明の1つの重要な実施態様において、造血前駆細胞は、ヒト起源であり、リンパ網内性基質細胞もまた、ヒト起源である。他の実施態様において、造血前駆細胞は、ヒト起源であり、リンパ網内性基質細胞は、非ヒト起源である。好ましい実施態様において、非ヒトリンパ網内性基質細胞は、マウス起源である。

0017

ある実施態様において、リンパ網内性基質細胞は、造血前駆細胞と同時にマトリックスに播種される。他の実施態様において、リンパ網内性基質細胞は、造血前駆細胞を接種する前に、マトリックスに播種される。

0018

多孔質マトリックスは、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%の百分率開放空間を有する開放セル多孔質マトリックスであるものとすることができる。1つの実施態様において、多孔質固体マトリックスは、平均で150μmより小さい中点における直径を有する相互接続する靭帯により規定された孔を有する。好ましくは、多孔質固体マトリックスは、炭素含有物質金属被覆網状開放セルフォーム(cell foam)であり、金属被覆は、タンタルチタン白金白金族の他の金属を含む)、ニオブハフニウムタングステンおよびこれらの組合せから成る群から選択されている。好ましい実施態様において、多孔質固体マトリックスが金属で被覆されているか否かにかかわらず、マトリックスは、コラーゲンフィブロネクチンラミニンインテグリン血管形成因子抗炎症因子グリコサミノグリカンビトロゲン(vitrogen)、抗体およびこれらのフラグメント、これらの因子の機能的等価物(これらのフラグメントを含む)、およびこれらの組合せから成る群から選択された生物学的剤で被覆されている。最も好ましくは、金属被覆は、生物学的剤を塗布したタンタルである。他のある実施態様において、造血前駆細胞およびその後代、並びにリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスは、マトリックスの孔を占有するゼラチン状薬剤含浸されている。

0019

本発明の好ましい実施態様は、固体の一体の巨大構造であり、即ちビーズまたはパックしたビーズではない。これらはまた、非生物分解性物質を含む。

0020

前述の実施態様のすべてにおいて、本発明の方法は、造血前駆細胞生存および増殖因子、例えばインターロイキン3、6および11、幹細胞リガンドおよびFLT−3リガンドが存在しない環境において細胞を培養することを含むことができる。本発明の尚他の実施態様は、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞の、血清以外の造血細胞の維持、拡張および/または分化を促進する基質細胞条件化培地および外因的に加えられた造血成長因子をすべて含まない環境における同時培養を実施することである。

0021

理解されるべきであるように、本発明において、現在、7日という短い期間の間に、造血細胞の維持、拡張および/または分化を促進する外因的に加えられた造血成長因子を含まない環境において、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を同時培養することおよび多数の特異的なリネージの分化した後代を得ることが、可能である。

0022

前述の実施態様のすべてにおいて、本発明の方法は、基質細胞条件培地、および造血細胞の維持、拡張および/または分化を促進し、細胞局所化に影響する造血成長因子から成る群から選択された外因的に加えられた薬剤を有する造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞の同時培養を含むことができる。ある実施態様において、造血細胞の維持、拡張および/または分化を促進し、細胞局所化に影響する造血成長因子は、インターロイキン3、インターロイキン6、インターロイキン7、インターロイキン11、インターロイキン12、幹細胞因子、FLK−2リガンド、FLT−2リガンド、Epo、Tpo、GMCSFGCSFオンコスタチンMおよびMCSFを含む薬剤であることができる。

0023

本発明の他の側面において、造血前駆細胞のインビボでの維持、拡張および/または分化のための方法を提供する。この方法は、対象中に、造血前駆細胞(これらの後代を含み得る)およびリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスを移植することを含む。多孔質マトリックスは、細胞がマトリックスを通じて成長するのに十分な孔の大きさの相互接続された孔を有し、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%の百分率開放空間を有する開放セル多孔質マトリックスである。多孔質固体マトリックスが、前記したように、1つまたは2つ以上の好ましい特徴を有する、種々の実施態様を提供する。

0024

ある実施態様において、造血前駆細胞(後代を含み得る)およびリンパ網内性基質細胞を、ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、多孔質固体マトリックス中にインビトロで導入し、該造血前駆細胞を、血清以外の造血細胞の維持、拡張および/または分化を促進する基質細胞条件化培地および外因的に加えられた造血成長因子を含まない環境において同時培養することにより、マトリックスに付着させる。同時培養を前記した条件の下で実施する、種々の他の実施態様を提供する。尚他の実施態様において、造血前駆細胞(後代を含み得る)およびリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスは、マトリックスの孔を占有するゼラチン状薬剤で含浸されている。

0025

本発明の1つの側面において、T細胞アネルギーをインビトロで誘発する方法を提供する。この方法は、ある量の造血前駆細胞、ある量の抗原提示細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入し、該造血前駆細胞、該抗原提示細胞および該リンパ網内性基質細胞を、T細胞および/またはT細胞前駆体の形成を誘発し、生成したT細胞および/またはT細胞前駆体の活性化を阻害するのに十分な条件下で少なくとも1種の抗原の存在下で同時培養することを含む。

0026

ある例において、造血前駆細胞は、多能性幹細胞、多能性前駆細胞および/または特異的な造血リネージに方向づけられた前駆細胞であり得る。造血前駆細胞は、骨髄、末梢血液(動態化末梢血液を含む)、臍帯血、胎盤血、胎児肝臓、胚細胞(胚幹細胞を含む)、大動脈−生殖腺−中腎由来細胞およびリンパ様柔軟組織等の組織から由来することができる。リンパ様柔軟組織には、胸腺、脾臓、肝臓、リンパ節、皮膚、扁桃およびパイエル板が含まれる。他の実施態様において、リンパ網内性基質細胞はまた、前述のリンパ様柔軟組織の少なくとも1つから由来することができる。好ましい実施態様において、リンパ網内性基質細胞は胸腺基質細胞であり、多能性前駆細胞および/または方向づけられた前駆細胞は、T細胞リネージに方向づけられている。他の実施態様において、造血前駆細胞および/またはリンパ網内性基質細胞は、遺伝子的に変化させることができる。他の実施態様において、抗原提示細胞は、樹状細胞、単球/マクロファージ、ランゲルハンス細胞、クッペル細胞、ミクログリア肺胞マクロファージおよびB細胞等の細胞を含む。他の実施態様において、抗原提示細胞は、インビトロで造血前駆細胞から由来する。多孔質固体マトリックスが、前記したように、1種または2種以上の好ましい特徴を有する、種々の実施態様を提供する。

0027

本発明の他の観点において、インビトロでのT細胞反応性を誘発する方法を提供する。この方法は、ある量の造血前駆細胞、ある量の抗原提示細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入し、該造血前駆細胞、該抗原提示細胞および該リンパ網内性基質細胞を、少なくとも1種の抗原に対する特異性を有する造血前駆細胞からのT細胞および/またはT細胞前駆態の形成を誘発するのに十分な条件下で、少なくとも1種の抗原の存在下で同時培養することを含む。造血前駆細胞、リンパ網内性基質細胞および多孔質固体マトリックスが、前記したように1種以上の好ましい特徴を有する、および細胞が前述のように培養される、種々の実施態様を提供する。ある実施態様において、抗原提示細胞は、樹状細胞、単球/マクロファージ、ランゲルハンス細胞、クッペル細胞、ミクログリア、肺胞マクロファージおよびB細胞等の細胞を含む。他の実施態様において、抗原提示細胞は、インビトロで造血前駆細胞から由来する。他の実施態様において、この方法は、さらに、同時刺激薬剤を同時培養に投与することを含む。好ましい同時刺激薬剤には、リンパ球機能関連抗原3(LFA−3)、CD2、CD40、CD80/B7−1、CD86/B7−2、OX−2、CD70およびCD82が含まれる。

0028

本発明の尚他の観点において、後代を含むかまたは含まない造血前駆体およびリンパ網内性基質細胞を固体多孔質マトリックスに付着させた、固体多孔質マトリックスを提供する。リンパ網内性基質細胞は、造血前駆細胞の成長および分化を支持するのに十分な量で存在する。ある実施態様において、造血前駆細胞を、リンパ網内性基質細胞に付着させる。多孔質マトリックスは、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%の百分率開放空間を有する開放セル多孔質マトリックスであるものとすることができる。1つの実施態様において、多孔質固体マトリックスは、平均で150μmより小さい中点における直径を有する相互接続する靭帯により規定された孔を有する。好ましくは、多孔質固体マトリックスは、炭素含有物質の金属被覆網状開放セルフォームであり、金属被覆は、タンタル、チタン、白金(白金族の他の金属を含む)、ニオブ、ハフニウム、タングステンおよびこれらの組合せから成る群から選択されている。好ましい実施態様において、多孔質固体マトリックスが金属で被覆されているか否かにかかわらず、マトリックスは、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、インテグリン、血管形成因子、抗炎症因子、グリコサミノグリカン、ビトロゲン、抗体およびこれらのフラグメント、これらの因子の機能的等価物、およびこれらの組合せから成る群から選択された生物学的剤で被覆されている。最も好ましくは、金属被覆は、生物学的剤を塗布したタンタルである。他のある実施態様において、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスは、マトリックスの孔を占有するゼラチン状薬剤で含浸されている。

0029

本発明の他の側面において、造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を同定する方法を提供する。この方法は、ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入し、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞を、造血細胞の発育に影響することが疑われる少なくとも1種の候補薬剤の存在下で同時培養し(試験同時培養において)、試験同時培養造血細胞の発育を対照の同時培養と比較することにより、該少なくとも1種の候補薬剤が、試験同時培養における造血細胞の発育に影響しているか否かを決定し、これにより、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を、該少なくとも1種の候補薬剤の不存在下で同時培養することを含む。造血前駆細胞、リンパ網内性基質細胞および多孔質固体マトリックスが、前記した1種または2種以上の好ましい特徴を有し、細胞を前記のようにして培養する、種々の実施態様を提供する。ある実施態様において、造血前駆細胞の発育は、造血前駆細胞の維持、拡張、特定の細胞リネージへの分化および/または細胞死断片化を含む)を含む。好ましい実施態様において、リンパ網内性基質細胞は、胸腺基質細胞である。

0030

本発明の他の観点において、細胞培養から造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を単離する方法を提供する。この方法は、ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞がマトリックス全体に成長するのに十分な孔の大きさの相互接続した孔を有する多孔質固体マトリックス中に導入し、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞を同時培養し、該同時培養から試験上清液を得、該試験上清液を対照上清液と比較し、該対照上清液から欠けている造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を含む該試験上清液のサブフラクションを得ることを含む。ある実施態様において、造血細胞の発育に影響することが疑われる剤は、対照上清液中に存在し、試験上清液中には存在しない。他の実施態様において、一方の上清液において造血細胞の発育に影響することが疑われる剤は、他方の上清液において造血細胞の発育に影響することが疑われる剤とは異なり得る(例えば、大きさにおいて、翻訳後修飾により、代わりに接合した変種形態において等)。造血前駆細胞、リンパ網内性基質細胞および多孔質固体マトリックスが、前記した1種または2種以上の好ましい特徴を有し、細胞を前記のようにして培養する、種々の実施態様を提供する。ある実施態様において、造血前駆細胞の発育は、造血前駆細胞の維持、拡張、特定の細胞リネージへの分化および/または細胞死(断片化を含む)を含む。好ましい実施態様において、リンパ網内性基質細胞は、胸腺基質細胞である。他のある実施態様において、従来技術の対照培養系(ここで対照上清液が得られ得る)は、Johnson等による米国特許第5,677,139号に記載されたものである。

0031

本発明のこれらのおよび他の観点並びに種々の利点および有用性は、好ましい実施態様の詳細な説明を参照して、一層明らかになる。
発明の詳細な説明

0032

本発明は、外因性成長剤を加えずに、多孔質固体足場においてリンパ網内性基質細胞と同時培養した造血前駆細胞は、迅速な速度で、リンパ様組織特異的リネージの予測されない程度に多数の機能的な分化した後代を発生するという予測されない発見を伴う。また、驚くべきことに、本発明において、在来の技術と比較した際に、少量の非リンパ様細胞(即ち髄性単球細胞)は、本発明の多孔質固体足場における造血前駆細胞とリンパ網内性基質細胞との同時培養から発生することが見出された。従って、本発明は、以前に業界において達成されたものと比較して、比較的少数の造血前駆細胞から多数の分化したリンパ様特異性細胞の迅速な発生を可能にする。

0033

従って、本発明の方法は、特に、免疫不全症、例えばT細胞またはB細胞不全症、例えば胸腺に基づく免疫不全症、例えば胸腺形成不全症または機能不全による先天性免疫不全症、後天性免疫疾患、例えばAIDS、腫瘍病気から生じる免疫不適格性、または医学的手順、例えば化学療法から生じる免疫不適格性、抗原に対する応答における免疫競合性等を患っている患者における免疫競合性を達成するのに有用である。

0034

本発明は、1つの側面において、外因性成長剤の不存在下で、多孔質固体マトリックスにおいて造血細胞を培養して、リンパ様組織起源(リンパ様組織特異的)細胞を得ることを含む。

0035

多孔質固体マトリックスは、相互接続するネットワークを形成する「スポンジ状」連続孔を有する三次元構造として定義される。マトリックスは、硬質または弾性であり、これは、細胞がこれを通じて成長することができる足場を提供する。この孔は、相互接続されており、マトリックスを通して延在するチャネルの連続的ネットワークを提供し、これを通して栄養素の流れを可能にする。好ましいマトリックスは、少なくとも50%、好ましくは75%の百分率開放空間を有する開放セルフォームマトリックスである。従って、開放空間が、マトリックスの大部分を構成するのが好ましい。これは、細胞移動、細胞−細胞接触細胞成長のための空間および栄養素への接近可能性を最大にすると考えられている。多孔質マトリックスは、中心点において直径が150μm、好ましくは60μmより小さい靭帯の網状のマトリックスで形成され、これにより細胞が、靭帯の部分上に滞留するかまたはこれと相互作用するのが好ましい。好ましくは、平均孔直径は、約300μmであり、これは、海綿質の骨と同様である。適切なマトリックスは、多くの種々の方法を用いて得られる。このような方法の例には、重合体溶媒キャスティングまたは抽出、種々の材料のトラックエッチング、重合体の発泡ヒドロキシアパタイト生体諸器官の骨格組織複製工程、および当業者に十分知られている他の方法が含まれる。用いられる材料は、生体材料、例えばタンパク質ヒアルロン酸合成重合体、例えばポリビニルピロリドンポリメチルメタクリレートメチルセルロースポリスチレンポリプロピレンポリウレタンセラミック、例えばリン酸三カルシウムアルミン酸カルシウムカルシウムヒドロキシアパタイトおよびセラミック補強または被覆重合体を含む天然物または合成物とすることができる。足場の出発物質が、金属ではない場合には、金属被覆を、三次元マトリックスに塗布することができる。金属被覆は、他の構造支持および/または細胞成長および接着特性をマトリックスに付与する。被覆として用いられる好ましい金属は、タンタル、チタン、白金および白金と同一の元素群の金属、ニオブ、ハフニウム、タングステンおよびこれらの合金の組合せを含む。金属の被覆方法には、CVD(化学蒸着)等の方法が含まれる。

0036

本明細書を通してセルフォーム(Cellfoam)(Cytomatrix, Woburn, MA)と言及される好ましいマトリックスは、米国特許第5,282,861号に詳細に記載されており、これを参照として本明細書中に組み込む。さらに特に、好ましいマトリックスは、相互接続するネットワークにより定義された開放空間を有する炭素含有物質の軽量であり、実質的に硬質のフォームにより形成された網状開放セル基板であり、ここで前述のフォーム材料は、相互接続した連続的チャネル、および網状の開放セル基板上に堆積し、相互接続するネットワークのほぼすべてを覆う金属材料薄膜を有して、天然海綿質骨のものに類似する多孔質微細構造を形成する合成多孔質生物適合性材料を形成する。

0037

さらに、このようなマトリックスは、培養した造血前駆細胞の細胞接着を促進し、改善された移動、成長および増殖を可能にする生物学的剤で被覆されていることができる。さらに、これらのマトリックスを、造血前駆細胞のインビボでの維持、拡張および/または分化のために用いる際(即ち、細胞を有するマトリックスを、対象に移植した際、以下の討議をも参照)には、血管形成血管新生)を促進する生物学的剤および炎症を防止/減少する生物学的剤はまた、マトリックスの被覆に用いることができる。好ましい生物学的剤は、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、インテグリン、血管形成因子、抗炎症因子、グリコサミノグリカン、ビトロゲン(vitrogen)、抗体およびこれらのフラグメント、これらの薬剤の機能的等価物、およびこれらの組合せを含む。

0038

血管形成因子には、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮成長因子VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、bFGF−2、レプチンプラスミノーゲンアクチベーター(tPA、uPA)、血管形成、糖タンパク質A、形質転換成長因子β、ブラジキニン、血管形成オリゴ糖(例えばヒアルロナンヘパラン硫酸)、トロンボスポンジン肝細胞増殖因子(また散乱因子として知られている)およびCXCケモカイン受容体族の要素が含まれる。抗炎症因子は、ステロイドおよび非ステロイド化合物を含み、例は以下のものを含む:アルクロフェナックアルクメタソンジプロピオネートアルゲストンアセトニドアルファアミラーゼ;アムシファル;アムシナフィド;アムフェナックナトリウムアミプリロース塩酸塩アナキンラアニロラック;アニトラフェンアパゾンバルサアジド二ナトリウムベンダザック;ベノキサプロフェン;ベンジダミン塩酸塩ブロレインス;ブロペラモールブデソニド;カープロフェンチクロプロフェン;チンタゾン;クリプロフェン;クロベタゾールプロピオネートクロベタゾンブチレートクロピラック;クロチカゾンプロピオネートコルメタソンアセテート;コルトドキソン;デフラザコルト;デソニドデソキシメタゾン;デキサメタゾンジプロピオネート;ジクロフェナックカリウムジクロフェナックナトリウムジフロラゾンジアセテートジフルミドンナトリウム;ジフルニザール;ジフルプレドネート;ジフタロンジメチルスルホキシド;ドロシノニド;エンドリゾン;エンリモマブ;エノリカムナトリウム;エピリゾールエトドラック;エトフェナメート;フェルビナック;フェナモール;フェンブフェン;フェンクロフェナック;フェンクロラック;フェンドザル;フェンピパロン;フェンチアザックフラザロン;フルアザコート;フルフェナミン酸;フルミゾール;フルニソリドアセテート;フルニキシンフルニキシンメグルミン;フルオコルチンブチルフルオロメトロンアセテート;フルクアゾン;フルビプロフェン;フルエトフェン;フルチカゾンプロピオネート;フラプロフェン;フロブフェンハルシノニド;ハロベタゾールプロピオネート;ハロプレドンアセテート;イブフェナックイブプロフェン;イブプロフェンアルミニウムイブプロフェンピコノールイロニダップ;インドメタシン;インドメタシンナトリウム;インドプロフェン;インドキソールイントラゾール;イソフルプレドンアセテート;イソキセパック;イソキシカム;ケトプロフェン;ロフェミゾール塩酸塩;ローノキシカム;ロテプレドノールエタボネート;メクロフェナメートナトリウム;メクロフェナミン酸;メクロリソジブレート;メタフェナミン酸;メサラミン;メセクラゾン;メチルプレドニソロンスレプタネート;モーニフルメート;ナブメトンナプロキセンナプロキセンナトリウム;ナプロキソール;ニマゾン;オルサラジンナトリウム;オルゴテイン;オルパノキシンオキサプロジンオキシフェンブタゾンパラリン塩酸塩ペントサンポリスルフェートナトリウム;フェンブタゾンナトリウムグリセレート;ピルフェニドンピロキシカム;ピロキシカムシナメート;ピロキシカムオラミンピルプロフェン;プレドナゼート;プリフェロン;プロドリン酸;プロクアゾン;プロキサゾール;プロキサゾールシトレートリメキソロン;ロマザリットサルコレックス;サルナセジン;サルサレート;サングイナリウムクロリド;セクラゾン;セルメタシン;スドキシカム;スリンダックスプロフェンタルメタシン;タルニフルメート;タロサレート;テブフェロン;テニダップ;テニダップナトリウム;テノキシカム;テシカム;テシミド;テトリダミン;チオピナック;チキソコルトールピルベートトルメチン;トルメチンナトリウム;トリクロニド;トリフルミデート;ジドメタシン;ゾメピラックナトリウム

0039

本発明のある実施態様において、後代を含むかまたは含まない造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスは、マトリックスの孔を占有するゼラチン状薬剤で含浸されている。後代を含むかまたは含まない造血前駆細胞および/またはリンパ網内性基質細胞は、ゼラチン状薬剤を含浸する(または浸潤させる)前、ほぼ同時および後に播種することができる。例えば、細胞を薬剤と混合し、マトリックスにこの薬剤を含浸させるのと同時に播種することができる。いくつかの実施態様において、細胞を、薬剤を適用する前に多孔質固体マトリックス上に播種する。ある実施態様において、リンパ網内性基質細胞を、同様の方法において播種する。当業者は、播種条件を容易に決定することができる。好ましくは、リンパ網内性基質細胞を、造血前駆細胞の前および前述の薬剤での含浸の前に播種する。

0040

ゲル状薬剤での「含浸」は、特に、マトリックス内に細胞を含有させるかまたはマトリックス上への細胞付着を維持および/または増強させるのを補助する役割を有し得る。「ゲル状」薬剤は、最初は流体状態に維持され得(即ちゲル化可能)、これをマトリックスに塗布した後に、マトリックス中でその場でゲル化することができるものであり得る。このようなゼラチン化は、薬剤の温度の変化、薬剤のエネルギー源(例えば光)での照射等を含む多くの種々の方法により生じる。「ゼラチン状」薬剤はまた、成長培地の栄養素をマトリックス中の細胞に到達させるこの能力を特徴とする。例示的な「ゼラチン状」薬剤は、セルロース系多糖類(例えばセルロースヘミセルロース、メチルセルロース等)、寒天アガロースアルブミン藻類ムチン、ムチン、ムチン質、コラーゲン、グリコサミノグリカンおよびプロテオグリカン(これらの硫酸化された形態を含む)を含む。ある実施態様において、ゼラチン状薬剤は、マトリックスを完全に含浸し得、いくつかの実施態様において部分的に、および他の実施態様において最小に、マトリックスの外面のすべてまたはいくつかの被覆としてのみ作用する。ゼラチン状薬剤を用いる重要な実施態様において、「ゼラチン状」薬剤はメチルセルロースであり、含浸は完全である。

0041

本発明において、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を、外因性成長剤の不存在下で、前述の多孔質固体マトリックスの1つにおいて同時培養して、リンパ様組織起源(リンパ様組織特異的)細胞を生成する。本明細書中で用いる「リンパ様組織起源」(リンパ様組織特異的)細胞は、本発明においてインビボまたはインビトロで生成し得、骨髄、胸腺、リンパ節、脾臓および粘膜関連リンパ様組織(呼吸食事性および尿生殖器管を配列させる未封入組織)を含む器官および組織からインビボで天然的に生じる細胞と実質的に同様である(例えば特性および機能において)細胞をいう。

0042

本明細書中で用いる「造血前駆細胞」は、自己新生し、一層成熟した血液細胞(また本明細書においては「後代」という)に分化する能力を有する未成熟細胞をいい、これには、顆粒球(例えば前骨髄球好中球好酸球好塩基球)、赤血球(例えば網状赤血球、赤血球)、血小板(例えば巨核芽球巨核球を生成する血小板、血小板)および単球(例えば単球、マクロファージ)が含まれる。業界においては、このような細胞はCD34+細胞を含み得るかまたは含み得ないことが知られている。CD34+細胞は、以下に記載する「血液生成物」中に存在する未成熟細胞であり、CD34細胞表面マーカーを発現し、前記に定義した「前駆細胞」特性を含む細胞のサブ集団を含むと考えられる。造血前駆細胞は、多能性幹細胞、多能性前駆細胞(例えばリンパ様幹細胞)および/または特定の造血リネージに方向づけられた前駆細胞を含むことは、業界において十分知られている。特定の造血リネージに方向づけられた前駆細胞は、T細胞リネージ、B細胞リネージ、樹状細胞リネージ、ランゲルハンス細胞リネージおよび/またはリンパ様組織特異的マクロファージ細胞リネージのものとすることができる。

0043

造血前駆細胞は、血液生成物から得ることができる。本発明において用いられる「血液生成物」は、造血起源の細胞を含む体または体の器官から得られた生成物を定義する。このようなソースは、未分別骨髄、臍帯血、末梢血液、肝臓、胸腺、リンパおよび脾臓を含む。当業者には、前述の粗製のおよび未分別の血液生成物のすべてが、多くの方法で「造血前駆細胞」特性を有する細胞に富み得ることは、明らかである。例えば、血液生成物は、一層分化された後代から除去され得る。一層成熟した分化した細胞は、これらが発現する細胞表面を通して選択され得る。さらに、血液生成物は、CD34+細胞を選択して分別することができる。前に述べた通り、CD34+細胞は、業界において、自己再生および多能性が可能な細胞のサブ集団を含むと考えられる。このような選択は、例えば、市場入手できる磁性抗CD34ビーズ(Dynal, Lake Success, NY)を用いて達成することができる。未分別血液生成物は、提供者から直接得るかまたは低温保存貯蔵から回収することができる。

0044

本発明の方法により造血前駆細胞と同時培養される細胞は、リンパ網内性基質細胞である。本明細書中で用いる「リンパ網内性基質細胞」は、リンパ球またはリンパ球前駆体または前駆体ではないリンパ様組織中に存在するすべての細胞型、例えば上皮細胞内皮細胞中皮細胞、樹状細胞、脾細胞およびマクロファージを含むが、これらには限定されない。リンパ網内性基質細胞はまた、リンパ網内性基質細胞、例えば線維芽細胞として通常は機能しない細胞を含み、これは、遺伝子的に変化して、細胞表面上にこの後代を含み、造血前駆細胞の維持、成長および/または分化に必要な因子を分泌または発現した。リンパ網内性基質細胞は、リンパ様組織の一片の分解に由来する(以下の討議および例を参照)。本発明において、このような細胞は、後代を含めて、造血前駆細胞のインビトロでの維持、成長および/または分化を支持することができる。「リンパ様組織」により、骨髄、末梢血液(動態化された末梢血液を含む)、臍帯血、胎盤血、胎児肝臓、胚細胞(胚幹細胞を含む)、大動脈−生殖腺−中腎由来細胞およびリンパ様柔軟組織を含むことを意味する。本明細書中で用いる「リンパ様柔軟組織」は、胸腺、脾臓、肝臓、リンパ節、皮膚、扁桃、アデノイドおよびパイエル板並びにこれらの混合物を含むが、これらには限定されない。

0045

リンパ網内性基質細胞は、後代を含めて、造血前駆細胞の維持、成長および/または分化のための完全なリンパ様組織において支持する微細環境を提供する。微細環境は、リンパ網内性基質を含む種々の細胞の種類により発現された可溶性のおよび細胞表面因子を含む。一般的に、リンパ網内性基質細胞が提供する支持は、接触依存性および非接触依存性の両方として特徴付けられ得る。

0046

リンパ網内性基質細胞は、造血前駆細胞に対して同種異形、同系または異種発生性であることができる。リンパ網内性基質細胞は、器官/組織が、これが造血前駆細胞の維持、成長および/または分化を支持することができる段階(即ち成熟段階)に発育した後のいずれの時点においてもヒトまたは非ヒト対象のリンパ様組織から得ることができる。段階は、器官/組織間および対象間で変化する。霊長類において、例えば、胸腺発育の成熟段階は、第2の3ヵ月の間に達成される。発育のこの段階において、胸腺は、サイムリン(thymulin)、α1およびβ4
サイモシンおよびサイモポエチン等のペプチドホルモン並びにT細胞分化のための適切な微細環境を提供するのに必要な他の因子を生成することができる。異なる器官/組織および異なる対象の間の異なる成熟段階は、業界において十分知られている。

0047

リンパ網内性基質細胞が由来するリンパ様組織は、通常リネージ委任造血前駆細胞が保証するのを決定し、分化した後代のリネージ特異性を生じる。ある実施態様において、リンパ網内性基質細胞は、胸腺基質細胞であり、多能性前駆細胞および/または方向づけられた前駆細胞は、T細胞リネージに方向づけられる。他の実施態様において、リンパ網内性基質細胞は、脾臓基質細胞であり得、多能性前駆細胞および/または方向づけられた前駆細胞は、B細胞リネージに方向づけられる。また、驚くべきことに、本発明において、分化した後代の最高の収量は、ヒト造血前駆細胞が、異種発生性(非ヒト)リンパ網内性基質細胞の存在下で培養した際に生じることが見出された。好ましくは、異種発生性基質細胞は、マウス起源である。

0048

予期されないことに、在来の方法と比較した際に、少ない量の非リンパ様特異性細胞(即ち髄性単球細胞)が、前述の同時培養から得られることが見出された。言いかえると、一層少ない汚染細胞種類(非リンパ様)を有する細胞の一層同質な分化が、セルフォーム上で本発明の培養から観察され、一層成熟したT後代の分化を促進する一方未成熟後代(CD34+細胞)の保存を可能にする。

0049

リンパ網内性基質細胞を遺伝子的に変化させ得る種々の他の実施態様を提供する。リンパ網内性基質細胞は、例えば前述の造血成長因子の1つをコードする外因性DNAでトランスフェクトされ得る(前述の線維芽細胞の討議を参照)。

0050

前に述べたように、リンパ網内性基質細胞は、細胞懸濁液を生成する一片のリンパ様組織の分解から由来する。好ましくは、単一の細胞懸濁液が生じる。これらのリンパ網内性基質細胞懸濁液は、直接用いるかまたは、組織培養技術において標準的な手順により非有糸分裂とすることができる。このような方法の例には、リンパ網内性基質細胞のγ線源での照射または、細胞を有糸分裂的に不活性にするのに十分な時間の量にわたり細胞をマイトマイシンCと共にインキュベートすることである。有糸分裂的不活性化は、リンパ網内性基質細胞がヒト起源である際に好ましい(懸濁液中に存在し得る前駆細胞を除去するために)。次に、リンパ網内性基質細胞を、本発明の三次元マトリックス中に播種し、多孔質固体マトリックスの表面に付着させることができる。あるいはまた、リンパ網内性基質細胞は、後の使用または貯蔵および離間した位置への輸送のために、例えばキット販売に関連して用いるために、低温保存することができることに注意するべきである。インビトロで培養された細胞の低温保存は、業界において十分確立されている。細胞試料の単離(および/または有糸分裂的不活性化)に続いて、細胞を、先ず低温保存培地中に懸濁し、次に細胞懸濁液を次第に凍結することにより、低温保存することができる。凍結細胞は、代表的には、液体窒素中で、または血清および低温保存剤、例えばジメチルスルホキシドを含む培地中で、同等の温度において貯蔵する。

0051

造血前駆細胞(およびこの後代)とリンパ網内性基質細胞との同時培養は、好ましくは、造血前駆細胞から由来するリンパ様起源細胞の数の百分率の増加を生じるのに十分な条件下で生じる。用いられる条件は、業界において知られている条件の組合せである(例えば温度、CO2およびO2含量、栄養素培地、時間の長さ等)。細胞の数を増加させるのに十分な時間は、当業者により容易に決定され得る時間であり、播種する細胞の最初の数に依存して変化し得る。最初に多孔質固体マトリックス中に導入(およびその後播種)される造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞の量は、実験の必要性に依存して変化し得る。理想的な量は、所要に応じて当業者により容易に決定され得る。好ましくは、リンパ網内性基質細胞は、マトリックス上に融合性層を形成する。造血前駆細胞を、種々の数で加えることができる。例として、ある時間にわたる培地の脱色を、融合性の指標として用いることができる。あるいはまた、およびさらに正確に、種々の数の造血前駆細胞または種々の容量の血液生成物を、同一の条件下で培養することができ、細胞を収穫し、所定の時間間隔計数し、これにより「対照曲線」を得ることができる。これらの「対照曲線」を用いて、その後の機会における細胞の数を見積もることができる(例のセクション参照)。

0052

コロニー形成ポテンシャルを決定する条件を、同様に決定する。コロニー形成ポテンシャルは、細胞が後代を形成する能力である。このためのアッセイは、当業者に十分知られており、細胞を半固体マトリックス中に播種し、これらを成長因子で処理し、コロニーの数を計数することを含む。

0053

本発明の好ましい実施態様において、造血前駆細胞を収穫することができる。造血前駆細胞の「収穫」は、細胞のマトリックスからの除去または分離として定義される。これは、多くの方法、例えば酵素的および非酵素的遠心分離電気的または大きさにより、あるいは、細胞をインキュベートする培地を用いて細胞を洗浄することによる本発明において好ましい方法を用いて達成することができる。細胞を、さらに採集、分離、およびさらに分化した後代の尚大きい集団を発生して拡張させることができる。

0054

前述のように、造血前駆細胞およびその後代を、遺伝子的に変化させることができる。造血前駆細胞の遺伝子的変化は、外因性遺伝子物質を加えることにより発生する細胞遺伝子物質の一時的かつ安定な変化を含む。遺伝子的変化の例は、すべての遺伝子療法手順、例えば機能的遺伝子を導入して突然変異または非発現遺伝子置換すること、優性陰性遺伝子生成物をコードするベクターの導入、リボザイムを発現するように工作されたベクターの導入および治療遺伝子生成物をコードする遺伝子の導入を含む。天然の遺伝子的変化、例えば薬剤を何も導入しないT細胞受容体遺伝子の自発再配列は、この概念に含まれない。外因性遺伝子物質は、造血前駆細胞中に導入される天然または合成の核酸またはオリゴヌクレオチドを含む。外因性遺伝子物質は、細胞中に天然に存在するもののコピーであり得るか、またはこれは、細胞中に天然に見出され得ない。これは、代表的には、ベクター構成物中のプロモーター作動可能な(operable)制御の下で置換される天然に存在する遺伝子の少なくとも一部分である。

0055

本発明は、造血前駆細胞が前述のように固体多孔質マトリックス上またはこの内部にある一方で、遺伝子的変化が発生する場合には、造血前駆細胞を、一層効率的に遺伝子的に変化させることができるという予測されない発見を伴う。

0056

核酸を細胞中に導入するために、種々の技術を用いることができる。このような技術は、核酸−CaPO4沈殿物トランスフェクションDEAEと関連する核酸のトランスフェクション、関連する核酸を含むレトロウィルスでのトランスフェクション、リポソーム媒介トランスフェクション等を含む。ある使用について、核酸を特定の細胞に標的するのが好ましい。このような例において、本発明の核酸を細胞中に送達するのに用いられるビヒクル(例えばレトロウィルスまたは他のウィルス;リポソーム)は、標的分子がこれに付着していることができる。例えば、標的細胞上の表面膜タンパク質に特異的な抗体等の分子または標的細胞上の受容体に対するリガンドは、核酸送達ビヒクルに結合するかまたはこの内部に含有されることができる。例えば、リポソームを用いて、本発明の核酸を送達する場合において、細胞内取り込みに関連する表面膜に結合するタンパク質を、標的化のため、および/または取り込みを促進するために、リポソーム配合物中に導入することができる。このようなタンパク質は、特定の細胞の種類について屈性のタンパク質またはこのフラグメント、サイクル化において内面化を受けるタンパク質、細胞内局所化を標的し、細胞内半減期を増強するタンパク質を含む。また、当業者に知られているように、重合体送達系を好首尾に用いて、核酸を細胞中に送達した。このような系は、さらに核酸の経口送達を可能にする。

0057

本発明において、外因性遺伝子物質を造血細胞中に導入する好ましい方法は、複製欠乏レトロウィルスを用いてマトリックス上でその場で細胞を形質導入することによる。複製欠乏レトロウィルスは、すべてのビリオンタンパク質の合成に向けることができるが、感染性粒子を作成することはできない。従って、これらの遺伝子的に変化したレトロウィルスベクターは、培養した細胞における遺伝子の高効率形質導入のための一般的有用性および本発明の方法において用いるための特別の有用性を有する。レトロウィルスは、遺伝子的物質を細胞中に移動させるために、広範囲に用いられた。複製欠乏レトロウィルスを生成するための標準的なプロトコル外因性物質プラスミド中への導入、包装細胞系のプラスミドでのトランスフェクション、包装細胞系による組換えレトロウィルスの生成、組織培養培地からのウィルス粒子の採集および標的細胞のウィルス粒子での感染のステップを含む)は、業界において提供されている。

0058

レトロウィルスを用いることの主な利点は、ウィルスが、治療剤をコードする遺伝子の単一のコピーを、ホスト細胞ゲノム中に効率的に挿入し、これにより外因性遺伝子物質が、これが分割する際に細胞の後代上に通過することを可能にする。さらに、LTR領域における遺伝子プロモーター配列は、種々の細胞の種類において挿入されたコード配列の発現を増強する。レトロウィルス発現ベクターを用いることの主要な欠点は、(1)挿入突然変異生成、即ち治療遺伝子の標的細胞ゲノムにおける所望でない位置中への挿入(これは、例えば調節されていない細胞成長に至る)、(2)ベクターにより運搬された治療遺伝子が、標的ゲノム中に統合されるための標的細胞増殖の必要性である。これらの明らかな限定にかかわらず、レトロウィルスを介しての治療剤の治療的に有効な量の送達は、形質導入の効率が高く、および/または形質導入に有用な標的細胞の数が大きい場合に、能率的であり得る。

0059

造血細胞の形質転換のための発現ベクターとして有用な尚他のウィルス候補は、アデノウィルス二重らせんDNAウィルスである。レトロウィルスと同様に、アデノウィルスゲノムは、即ちウィルス自体の生成を制御する遺伝情報を除去することにより、遺伝子形質導入のための発現ベクターとして用いるのに適合可能である。アデノウィルスは、通常染色体外様式で機能するため、組換えアデノウィルスは、挿入突然変異生成の理論的問題を有しない。一方、標的造血細胞のアデノウィルス形質転換は、安定な形質導入を生じ得ない。しかし、一層最近には、あるアデノウィルス配列が、染色体内統合特異性を担体配列に付与し、従って外因性遺伝子物質の安定な形質導入に至ることが報告されている。

0060

従って、当業者に明らかなように、種々の適切なベクターが、造血細胞中に外因性遺伝子物質を移動させるのに有用である。遺伝子置換療法に影響されやすい特定の条件のための治療剤を送達する適切なベクターの選択および細胞中への選択された発現ベクターの挿入のための条件の最適化は、過度の実験を必要とせずに当業者の範囲内である。プロモーターは、転写を開始するのに必要な特定のヌクレオチド配列を特徴的に有する。随意に、外因性遺伝子物質はさらに、所望の遺伝子転写活性を得るために必要な追加の配列(即ちエンハンサー)を含む。この討議のために、「エンハンサー」は、単に、コード配列(シスにおいて)と隣接して作動してプロモーターにより支配される基底転写レベルを変化させるすべての翻訳されていないDNA配列である。好ましくは、外因性遺伝子物質は、プロモーターからすぐ下流の造血細胞ゲノム中に導入されて、プロモーターおよびコード配列は、作動可能に結合されて、コード配列の転写を可能にする。好ましいレトロウィルス発現ベクターは、挿入された外因性遺伝子の転写を制御する外因性プロモーター要素を含む。このような外因性プロモーターは、構成的および誘発性プロモーターを共に含む。

0061

天然に存在する構成プロモーターは、本質的な細胞機能の発現を制御する。この結果、構成プロモーターの制御下の遺伝子は、細胞成長のすべての条件下で発現する。例示的な構成プロモーターは、若干の構成または「ハウスキーピング」機能をコードする以下の遺伝子のためのプロモーターを含む:ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)(Scharfmann等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:4626-4630 (1991))、アデノシンデアミナーゼホスホグリセロールキナーゼPGK)、ピルベートキナーゼ、ホスホグリセロールムターゼアクチンプロモーター(Lai等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:10006-10010 (1989))、および当業者に知られている他の構成プロモーター。さらに、多くのウィルスプロモーターは、真核細胞において、構成的に機能する。これらは、次のものを含む:SV40初期および後期プロモーター;モロネー白血病ウィルスの長末端繰り返し(LTRS)および他のレトロウィルス;並びに特に、単純ヘルペスウィルスチミジンキナーゼプロモーター。従って、上記で言及した構成プロモーターのすべてを用いて、異種の遺伝子挿入の転写を制御することができる。

0062

誘発性プロモーターの制御下の遺伝子は、誘発剤の存在下で、唯一または一層大きい程度に発現される(例えば、メタロチオネインプロモーターの制御下での転写は、若干の金属イオンの存在下で大いに増大する)。誘発性プロモーターには、これらの誘発性因子が結合する際に転写を刺激する応答性要素(RE)が含まれる。例えば、血清因子ステロイドホルモンレチノイン酸およびサイクリックAMPのためのREがある。特定のREを含むプロモーターを選択して、誘発性応答を得ることができ、および若干の場合において、RE自体を、異なるプロモーターに付着させ、これにより組換え遺伝子に対する誘発性を付与することができる。従って、適切なプロモーター(構成的対誘発性;強い対弱い)を選択することにより、遺伝子的に変更された造血細胞において、治療剤の発現の存在およびレベルの両方を制御することができる。特定の治療剤の治療的に有効な用量の送達のためのこれらの因子の選択および最適化は、前記に開示した因子および患者の臨床的プロフィルを考慮して、過度の実験を伴わずに当業者の範囲内であると見なされる。

0063

少なくとも1つのプロモーターおよび治療剤をコードする少なくとも1つの異種の核酸に加えて、発現ベクターは、好ましくは、選択遺伝子、例えばネオマイシン耐性遺伝子を、発現ベクターと共にトランスフェクトされたかまたは形質導入された造血細胞の選択を促進するために、含む。あるいはまた、造血細胞は、2つまたは3つ以上の発現ベクターと共にトランスフェクトされ、少なくとも1つのベクターは、治療剤(単数または複数)をコードする遺伝子(単数または複数)を含み、他のベクターは、選択遺伝子を含む。適切なプロモーター、エンハンサー、選択遺伝子および/または信号配列の選択(以下に記載する)は、過度の実験を伴わずに、当業者の範囲内であると見なされる。

0064

単離した造血細胞の特定の遺伝子生成物を発現するための特定の発現ベクターの選択および最適化は、好ましくは1つまたは2つ以上の適切な対照領域(例えばプロモーター、挿入配列)を有する遺伝子を得;遺伝子が挿入されるベクターを含むベクター構成物を調製し;ベクター構成物でインビトロで培養した造血細胞をトランスフェクトするかまたは形質導入し;および遺伝子生成物が培養した細胞中に存在するか否かを決定することにより、達成される。
表1.RAC:1990〜1994により承認されたヒト遺伝子療法プロトコル

0065

前記(表1)は、本発明の方法により送達され得る遺伝子の例のみを示す。このような遺伝子のための適切なプロモーター、エンハンサー、ベクター等は、前述の試験に関連する文献中に刊行されている。一般的に、有用な遺伝子は、機能を置換するかまたは補完し、この遺伝子には、ADA欠乏症を治療するために臨床試験において用いられたアデノシンデアミナーゼ(ADA)等の欠失酵素をコードする遺伝子並びにインシュリンおよび凝固因子VIII等の補助因子が含まれる。調節に影響する遺伝子はまた、単独でまたは特定の機能を補完または置換する遺伝子と組合せて投与することができる。例えば、特定のタンパク質コード遺伝子の発現を抑制するタンパク質をコードする遺伝子を、投与することができる。本発明は、ウィルス抗原腫瘍抗原サイトカイン(例えば腫瘍壊死因子)およびサイトカインのインデューサー(例えばエンドトキシン)をコードする遺伝子を含む、免疫応答を刺激する遺伝子を送達するのに、特に有用である。

0066

以下に一層詳細に記載する培養条件を用いて、本発明において造血前駆細胞を保存し、造血前駆細胞数および/またはコロニー形成ユニットポテンシャルの拡張を刺激することが可能である。拡張した後に、例えば細胞を、体に戻して、患者の造血前駆細胞集団を補完、補充等することができる。これは、例えば、個体が化学療法を受けた後に適切である。造血前駆細胞数を減少させる若干の遺伝条件があり、本発明の方法を、これらの状態において同様に用いることができる。

0067

また、本発明により生成した増大した数の造血前駆細胞を採取し、これを、細胞維持、拡張および/または分化を促進し、細胞局所化に影響する造血成長剤で刺激して、一層成熟した血液細胞をインビトロで得ることも可能である。血液細胞のこのような拡張した集団を、前述のようにインビボで用いるか、または当業者により認識されているように実験的に用いることができる。このような分化した細胞は、前記したもの、並びにT細胞、血漿細胞、赤血球、巨核芽球、好塩基体、多形核球、単球、マクロファージ、好酸球および血小板を含む。

0068

本発明の培養方法のすべてにおいて、他に提供するものを除いて、用いる培地は、細胞を培養するのに一般的なものである。例には、RPMIDMEMイスコーブズ(Iscove's)等が含まれる。代表的には、これらの培地には、ヒトまたは動物血漿または血清が補完されている。このような血漿または血清は、少量の造血成長因子を含むことができる。しかし、本発明において用いる培地は、従来技術において一般的に用いられているものとは別であることができる。特に、驚くべきことに、造血前駆細胞は、外因性成長剤(血漿または血清中に含まれ得るもの、以下で「血清」と呼ぶもの以外)を何も加える必要なく、基質細胞との培養の環境を接種せずに、および基質細胞条件化培地を用いずに、長期間前記したマトリックス上で培養することができることが見出された。本発明の前に、少なくとも1種の前述の薬剤は、造血前駆細胞を培養するのに必要であると考えられている。

0069

本発明に関連して特定の関連がある成長剤は、造血成長因子である。造血成長因子により、造血前駆細胞の生存、増殖または分化に影響する因子を意味する。生存および増殖にのみ影響するが、分化を促進すると考えられていない成長剤には、インターロイキン3、6および11、幹細胞因子およびFLT−3リガンドが含まれる。分化を促進する造血成長因子には、コロニー刺激因子、例えばGMCSF、GCSF、MCSF、Tpo、Epo、オンコスタチンM、およびIL−3,6および11以外のインターロイキンが含まれる。前述の因子は、当業者に十分知られている。ほとんどは、市場で入手できる。これらは、組換え方法による精製により得られるかまたは、合成的に誘導するかまたは合成することができる。

0070

「基質細胞条件化培地」は、前述のリンパ網内性基質細胞をインキュベートした培地をいう。インキュベーションは、基質細胞が培地中に因子を分泌するようにするのに十分な期間実施する。次に、このような「基質細胞条件化培地」を用いて、これらの増殖および/または分化を促進する造血前駆細胞の培養を補完することができる。

0071

従って、細胞を、前述の薬剤を何も加えずに培養する際に、本明細書中では、血清、通常の栄養培地または造血前駆細胞を含む未分別のまたは分別した血液生成物単離内に存在し得るものを除いて、このような薬剤の添加をせずに細胞を培養することを意味する。

0072

本発明の他の観点において、造血前駆細胞のインビボでの維持、拡張および/または分化方法を提供する。この方法は、対象中に、造血前駆細胞、造血前駆細胞後代およびリンパ網内性基質細胞を播種した多孔質固体マトリックスを移植することを含む。本発明のマトリックスに類似したマトリックスの移植は、業界において十分知られている(Stackpool, GJ,等、Combined Orthopaedic Research Societies Meeting, Nov. 6-8, 1995, San Diego, CA, Abstract Book p. 45; Tumer, TM, 等、21st Annual Meeting of the Society for Biomaterials, March 18-22, San Francisco, CA, Abstract Book p 125)。このようなマトリックスは生物適合性であり(即ち、免疫反応性なし、拒絶なし)、対象の多くの種々の組織中に植付け、移植することができる。このような方法は、対象の多くの種々の組織および/または異なる対象間における、インビボでの造血前駆細胞の維持、拡張、分化および/または局所化の研究を含む、種々の方法で有用である。

0073

本明細書において用いる対象は、ヒト、非ヒト霊長類ウシウマ、ブタ、ヒツジヤギイヌネコまたはげっ歯目である。ヒト造血前駆細胞およびヒト対象は、特に重要な実施態様である。前記したように、本発明のマトリックスをこのようなインビボ移植研究に用いる際には、血管形成(血管新生)を促進し、および/または炎症を防止/減少させる生物学的剤はまた、マトリックスの被覆に用いることができる。好ましい生物学的剤は、前記した通りである。また、前記したように、造血前駆細胞は、対象中に移植する前に、本発明に従って、多孔質固体マトリックス上に予め播種され、インビトロで培養される。本発明において、ある量の細胞は、多孔質固体マトリックス中にインビトロで導入され、リンパ網内性基質細胞と、基質細胞条件化培地および血清以外の、造血細胞の維持、拡張および/または分化を促進する外因的に加えられた造血成長因子を含まない環境において同時培養される。次に、移植を実施する。若干の実施態様において、基質細胞条件化培地および外因性造血成長因子を、移植前インビトロ培養の間に加えることができる。

0074

本発明の1つの観点において、インビトロでT細胞の反応性/活性化を誘発する方法を提供する。T細胞の反応性/活性化の誘発は、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を、前述のマトリックスの1つにおいて、抗原提示細胞および抗原の存在下で、抗原に対する特異性を有する造血前駆細胞からT細胞および/またはT細胞前駆体の形成を誘発するのに十分な条件下で同時培養することを含む。前述の条件は、過度の実験を伴わずに、当業者により容易に確立することができる(Sprent J, 等、J Immunother, 1998, 21(3):181-187; Berridge MJ, Crit Rev Immunol, 1997, 17(2):155-178; Owen MJ, 等、Curr Opin Immunol, 1996, 8(2):191-198; Whitfield JF, 等、Mol Cell Biochem, 1979, 27(3):155-179; Fauci AS, 等、Ann Intern Med, 1983, 99(1):61-75をも参照)。APCの存在におけるT細胞の抗原刺激は、増殖アッセイを用いて、または単にIL−2生成を測定することにより測定することができる抗原特異性応答を誘発する(以下の討議を参照)。これらの細胞は、APCの存在下で、適切な濃度(例えば0.1〜1.0μMテタヌス毒素)においてT細胞を抗原と共に培養することにより検出することができる。抗原特異性T細胞が存在する場合には、これらは、自己許容/アネルギーの下で、以下に記載するアッセイを用いて検出することができる。APCの存在下でのT細胞の刺激は、同時刺激剤での同時刺激を含み得る。同時刺激剤は、リンパ球機能関連抗原−3(LFA−3)、CD2、CD40、CD80/B7−1、CD86/B7−2、OX−2、CD70およびCD82を含む。同時刺激剤はまた、MHCクラスII分子および抗CD3抗体を、同時刺激剤(単数または複数)で同時刺激する場合には、APCの代わりに用いることができる。

0075

1種または2種以上の抗原を、同時に、前述の培養系においてインキュベートするために用いることができる。好ましくは、リンパ網内性基質細胞は、拡張される造血前駆細胞がヒトのものである際には、胸腺基質細胞であり、マウス起源である。従って、多数の抗原特異性成熟T細胞および未成熟T細胞を、在来の技術の方法を用いて以前には決して実現されなかった短い時間で得ることができる。従って、本発明は、インビトロ感作T細胞での個体の予備暴露予防接種、腫瘍標的T細胞免疫療法を用いた癌患者の治療、骨髄移植患者(日和見感染、例えばCMVが問題であり、標的されたT細胞、例えばCMV標的細胞毒性リンパ球での治療を受けやすい患者)の治療、T細胞アジュバント療法による従来の予防接種効率の増強、発現または再発病原体の発生の治療等を含む広範囲の用途において有用になる。抗原提示細胞は、樹状細胞、単球/マクロファージ、ランゲルハンス細胞、クッペル細胞、ミクログリア、肺胞マクロファージおよびB細胞を含み、これらの単離方法は、業界において十分知られている。抗原提示細胞はまた、インビトロで造血前駆細胞から由来することができる。

0076

免疫学的許容度は、他の方法で対象中に非自己抗原の導入に応答して発生する、例えばドナー抗原に対する免疫応答を備える対象の能力の阻害をいう。許容度は、体液性、細胞性または体液性と細胞性応答との両方を含み得る。胸腺培養の結果、自己MHCであるが自己抗原のみではない意味での無数の外来の抗原に応答することができるT細胞が発生する。これは、主に、自己制限の主題に基づく計画された細胞の死からの適切な胸腺細胞系統的な救助およびこれらの細胞を末梢中に放出して自己許容性T細胞として作用することにより、達成される。

0077

自己許容性は、ドナー(A)から、他の個体(B)からの胸腺基質の存在下で誘導されたCD34+T前駆体を同時培養することを含む、業界において知られている条件下でインビトロで確立することができる。要するに、胸腺基質は、コラゲナーゼ(20μg/ml、Sigma Chemical Co.)を用いる単一の細胞懸濁中に消化される新たに単離された胸腺組織から確立される。胸腺基質細胞は、2mlのR10(RPMI+10%FCS)の容量でウェルあたり4×106個の生存可能な細胞の濃度で24ウェルプレートに細胞懸濁液を置くことにより確立される。培養を、5% CO2を有する37℃の標準湿潤化組織培養インキュベーター中でインキュベートする。1〜2日後、非付着性細胞を、R10で3回洗浄することにより除去する。基質は、融合性になるのにさらに7〜10日を必要とする。基質を、1週間あたり少なくとも2回交換するR10中に維持する。培養において7〜10日後、R10中のCD34+細胞を、ウェルあたり1〜3×105個の細胞の濃度で基質に加える。培養を、これらの培養に外因性サイトカインを加えずに、R10での部分的培地交換を用いて隔週で供給する。14〜21日後、非付着性細胞を、培養から除去する。残りの付着した細胞は、インビトロで発育した自己許容性T細胞である。

0078

許容度がインビトロで確立されたか否かを決定する方法はまた、当業者に知られており、次のものへの増殖応答の測定を含む:自己(A)、並びに胸腺ドナー(B)に対して、および第三者(C)、末梢血液単核細胞(PBMC)。要するに、A、BおよびCからのPBMCは、フィコール(Ficoll)勾配遠心分離により調製される。

0079

1×105個のレスポンダー細胞(Aからのインビトロ発生T細胞)を、複数の複製において96ウェルプレート中に置いた。刺激細胞(A、BおよびCからのPBMC)を照射し(3000Rads)、12の複製においてウェルあたり1×105個の細胞で加えた。Con−A(5μg/ml)を、正の対照として用いる。4日後、1μCiの3H−チミジンを各ウェルに加え、プレートを、18〜24時間後に収穫する。許容度が確立された場合には、インビトロで発生したT細胞は、未関連第三者(C)と混合した際には、応答し、増殖するが、自己(A)または胸腺ドナー(B)からのPBMCと混合した際には増殖しない。

0080

本発明の他の観点において、インビトロでT細胞アネルギーを誘発する方法を提供する。T細胞アネルギーの誘発は、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を、前述のマトリックスの1つにおいて、抗原の存在下で、T細胞および/またはT細胞前駆体の形成を誘発し、形成したT細胞および/またはT細胞前駆体の活性化を阻害するのに十分な条件下で同時培養することを含む。

0081

アネルギーは、T細胞の非応答性状態として定義される(即ち、これらは、再刺激に対してIL−2を生成しないかまたは再刺激した際に増殖しない)(Zamoyska R, Curr Opin Immunol, 1998, 10(1):82-87; Van Parijs L.等、Science, 1998, 280(5361):243-248; Schwartz RH, Curr Opin Immunol, 1997, 9(3):351-357; Immunol Rev, 1993, 133:151-76)。しかし、アネルギーは、不可逆的であり得る。アネルギーは、同時刺激の不存在下で抗原特異性T細胞刺激により誘発され得る(1つの信号対2つの信号の仮説)。あるいはまた、同時刺激の存在においても、低い親和性のペプチドまたは極めて高い濃度のペプチドは、アネルギーを誘発し得る。アネルギーは、抗原提示細胞(B細胞、マクロファージまたは樹状細胞)の不存在下でT細胞を培養することにより、インビトロで誘発することができる。これらのT細胞を、次に、抗原、例えばテタヌス毒素(例えば0.1〜1.0μM)に暴露する。T細胞のアリコートを用いて、抗原を提示することができる。これは、同時刺激を伴わずに抗原提示を構成し、アネルギーを誘発する(Nelson A, 等、In Immuno, 1998, 10(9):1335-46)。あるいはまた、T細胞を、非応答性の状態を誘発する極めて高い(10〜100μM)または極めて低い(0.01〜0.05μM)テタヌス毒素の状況においてAPCと同時培養することができる。

0082

アネルギーは、前述のT細胞を採取し、これを抗原(例えば0.1〜1.0μMのテタヌス毒素)で、APCの存在下で再刺激することにより、測定することができる。細胞がアネルギー性である場合には、細胞は、APCの状況において適切な濃度で抗原に応答しない。アネルギーは、このように、3〜5日にわたり細胞を培養し、増殖またはこの欠乏を以下のようにして測定することにより、測定される。要するに、APCを、照射(3000Rads)の後に96ウェルのプレート中に複数の複製において置く。これらの細胞を、抗原(例えば0.1〜1.0μM)で2時間パルス標識し、次にT細胞を、12の複製においてウェルあたり1×105/細胞で加える。Con−A(5μg/ml)を正の対照として用いる。4日後、1μCiの3H−チミジンを、各ウェルに加え、細胞を18〜24時間後に収穫する。細胞がアネルギー性である場合には、これは、抗原刺激に応答して増殖しない。あるいはまた、IL−2の生成は、前述のように、培養の上清液において測定することができる。上清液を毎日採集し、IL−2の生成を、市場的なELISAアッセイを用いて測定する。追加の方法は、ヒト形態のこれらの因子(Becton Dickinson)に特異的な抗体を用いて、サイトカインIL−2、γIFNおよびTNFαの細胞内発現に特異的な染色に基づくフローサイトメトリーを含む。さらに、これらの因子のためのmRNA半定量的なRT−PCRもまた、用いることができる。

0083

本発明の他の観点において、造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を同定する方法を提供する。この方法は、ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、本発明の多孔質固体マトリックス中に導入し、試験同時培養において、該造血前駆細胞および該リンパ網内性基質細胞を、造血細胞の発育に影響することが疑われる少なくとも1種の候補薬剤の存在下で同時培養することを含む。「造血細胞の発育」により、造血前駆細胞の維持、拡張、分化および/または細胞死断片化(計画された細胞死)を含むことを意味する。「維持」は、この多能性を維持する造血前駆細胞の能力を含む。「拡張」は、造血前駆細胞の分裂および成長の能力を含み、「分化」は、特定の細胞リネージへの造血前駆細胞の分化能力を含む。「細胞死」はまた、計画された細胞死(断片化)を含む。従って、造血細胞の発育に「影響する」により、造血前駆細胞の維持、拡張、分化および/または細胞死に対する影響を含むことを意味する。このような効果(または影響)は、本質的に正または負/阻害性のいずれかであり得る。例えば、正の影響は、前駆細胞の多能性の維持および/または多能性前駆細胞の数の増加である。負の影響は、前駆細胞の分化および多能性の損失またはさらに前駆細胞の死に至る。特定の細胞集団に対する負の影響はまた、異なる細胞集団に対して正の影響を有し得る。例えば、B細胞リネージに対する阻害影響は、例えばT細胞リネージに対する正の影響に至り得る。造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を、リンパ網内性基質細胞中にトランスフェクトした核酸の形態で投与し、および培地中に直接加えることができる。

0084

少なくとも1種の候補薬剤が、試験同時培養において造血細胞の発育に影響するか否かを決定するために、試験同時培養において発生した造血細胞の表現型および/または遺伝子型(並びに数)を、対照の同時培養において発生した造血細胞の表現型および/または遺伝子型(並びに数)と比較する。対照の同時培養を、試験同時培養の同一の条件(即ち、同一のマトリックス、同一の培養培地等における同一の初期数および造血前駆細胞とリンパ網内性基質細胞との両方の型)の下で実施するが、細胞造血細胞の発育に影響することが疑われる少なくとも1種の候補薬剤を、対照同時培養から省略する。造血細胞の表現型および/または遺伝子型を決定する方法は、業界において十分知られており、若干の例が、本出願を通して見出される。

0085

尚他の本発明の観点において、細胞培養から、造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を単離する方法もまた提供する。この方法は、ある量の造血前駆細胞およびある量のリンパ網内性基質細胞を、本発明の多孔質固体マトリックス中に導入し、造血前駆細胞およびリンパ網内性基質細胞を同時培養し、同時培養から試験上清液(またはこのフラクション)を得ることを含む。次に、試験上清液(またはこのフラクション)を、対照の上清液(またはこのフラクション)と比較する。「比較」により、試験上清液中に存在し、同時培養の細胞から分泌される薬剤(造血細胞の発育に影響することが疑われる)のプロフィルを、対照の上清液中に存在し、対照の培養または同時培養の細胞から分泌される薬剤の同様のプロフィルと比較する。分泌された薬剤のこのようなプロフィルを得る方法は、業界において十分知られており、二次元(2−D)ゲル電気泳動を含む。他の方法もまた、種々の型のHPLC薄層クロマトグラフィーを含む。

0086

「対照の培養または同時培養」は、本発明の同時培養系において達成された結果に相当する(即ち近似する)結果を得るための、業界において知られている(例えばJohnson等による米国特許第5,677,139号)平行する培養系における造血前駆細胞の培養を含み得る。例えば、ヒト造血前駆細胞とマウス胸腺からのリンパ網内性基質細胞との同時培養を含む本発明の試験同時培養は、T細胞リネージに方向づけられたヒトリンパ様細胞の別個の(種々のサブ種の)集団を生じる。次に、このような同時培養から得られた試験上清液を、T細胞リネージに方向づけられたヒトリンパ様細胞の集団を生じる従来技術の(前記したように)平行な系におけるヒト造血前駆細胞の培養から得られた対照の上清液と比較する。対照の培養または同時培養の他の例は、本発明のマトリックスの試験同時培養において用いられるものに対する異なる組織起源のリンパ網内性基質細胞との造血前駆細胞の同時培養を含み得る。さらに、組織は、リンパ様起源であり得るかまたはあり得ない。当業者は、このような培養または同時培養を容易に選択し、確立することができる。造血細胞の発育に影響することが疑われる剤のプロフィルが得られた後、次に、異なるかまたは対照の上清液から欠けていると考えられる造血細胞の発育に影響することが疑われる剤を含む試験上清液のサブフラクションを単離し、さらに特徴づけすることができる。例えば、試験上清液の2−Dゲル電気泳動ブロットにおいて異なって移動すると考えられる候補の薬剤を、精製し、タンパク質配列決定および質量分析法等の方法を用いてさらに特徴づけすることができる。2−Dゲル電気泳動ブロット中に見られるが試験上清液のブロットからは欠けている薬剤はまた、造血細胞の発育に影響することが疑われ、さらに精製することができる。

0087

本発明は、以下の例を参照して、さらに十分に理解される。しかし、これらの例は、単に本発明の実施態様を例示することを意図するものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。

実験手順
ヒトCD34+細胞の単離

0088

5〜10mlの静脈臍帯血(UCB)を、ヒトのシーゼレアン(Caeserean)セクション放出の間に臍帯を切断する前に、ヘパリン化シリンジを用いて抽出した。臍帯を切断し、胎児を放出した後に、臍帯静脈を基部に締め、胎盤に対して遠位に切断することにより、胎盤を除去した。胎盤を除去した直後に、臍帯静脈を開放し、胎盤中に含まれる血液を、適切なヘパリン化容器中に排出した。加工する前に、臍帯および胎盤の血液を混ぜ合わせた。抽出後に、臍帯/胎盤血液を、洗浄培地(RPMI1640、10IU/mlのペニシリン、10μg/mlのストレプトマイシン、1mMのL−グルタミン)で洗浄して2:1に希釈した。次に、試料(単数または複数)を、希釈した試料容積の半分に等しい容量のフィコール−ハイパック(1.077g/ml)で下に置き、これにより別個の試料/フィコール界面を形成した。400×gで45分間遠心分離した後に、単核細胞を含む界面を除去した。次に細胞を、培養培地中に再懸濁し、400×gで10分間遠心分離することにより洗浄した。得られたペレットを、6mlの塩化アンモニウム溶菌緩衝液(0.15M NH4Cl、1.0mM KHCO3、0.1M Na2EDTA)中に3分間再懸濁して、すべての残りの赤血球を溶菌した。次に、懸濁液を、培地で希釈し、さらに2回洗浄した。最後の洗浄の後、細胞を1〜2mlの培地中に再懸濁し、生存細胞の数をトリパンブルー排除により決定した。

0089

また、ヒトCD34+前駆細胞を、16〜22週齢堕胎児から得られた分解したヒト胎児胸腺から調製した。分解手順については、下記のマウス胸腺基質を参照。

0090

表面抗原CD34を発現する細胞を、ダイナル(Dynal)CD34前駆細胞選択システム(Dynal, Lake Success, N.Y.)またはミニマックス(MiniMACS)システム(Miltenyl Biotec, Bergisisch Gladbach, Germany)を用いて単離した。UCB(または骨髄)から単離された単核細胞を、2.5×107細胞/mlの濃度で単離緩衝液(PBS、2%熱不活性化胎児ウシ血清、10IU/mlペニシリン、10μg/mlストレプトマイシン)中に懸濁した。次に、懸濁液を、丸底管中で懸濁液1mlあたり4.0×107個のビーズの比率で磁性抗ヒトCD34ビーズ(ダイナルM−450 CD34)に加えた。(ダイナビーズM−450 CD34は、CD34に特異的なモノクローナル抗体に結合した超常磁性ビーズである。)混合物を、穏やかにかきまぜ、ダイナル試料ミキサーを用いて穏やかに傾斜回転させながら4℃で45分間インキュベートした。インキュベーションの後に、ビーズ/細胞混合物を、大量の単離緩衝液中に再懸濁し、2分間磁性分離装置中に置いて、細胞/ビーズ複合体を管の壁に蓄積させた。薬剤に尚暴露させながら、磁性ビーズに結合していない細胞を含む懸濁液を、吸引した。細胞/ビーズ複合体を、この方法でさらに3回洗浄し、CD34陰性細胞を含む懸濁液を同一の管中にプールした。次に、放出された細胞(CD34−)を含有する管を、磁性分離器上に配置して、すべての残留するビーズを除去し、この上清液を、新たな円錐形管に移送した。ビーズに付着したCD34+細胞をすべて、2000rpmで8分間遠心分離しながら、最少量の10mlの単離緩衝液で2回洗浄した。次に、磁性ビーズに結合した細胞を、100μlの最小容積で、用いた4×107個のビーズあたり100μlの単離緩衝液中に再懸濁した。次に、CD34陽性細胞を、等しい容量の抗イディオタイプ抗体(DETACHaBEAD CD34、ダイナル)を加え、かきまぜ、ダイナル試料ミキサーを用いて1時間室温で穏やかに混合することにより、ビーズから脱着した。細胞を細胞/ビーズ懸濁液から、単離緩衝液を加えることにより単離し、磁性分離装置中に2分間管を置いた。ビーズが管壁に移動した後、CD34陽性細胞を含む懸濁液を、新たな管に移送した。ビーズを、同一の管中にプールした放出された細胞を含む懸濁液でさらに3回洗浄した。次に、放出されたCD34+細胞を含有する管を、磁性分離器上に配置して、すべての残留ビーズを除去し、上清液を、新たな円錐形の管に移送した。細胞を、2000rpmにおいて10分間遠心分離して、最少の10mlの分離緩衝液で2回洗浄した。

0091

あるいはまた、ヒト骨髄を、制度上の再検討ガイドラインに従って、およびインフォームドコンセントを施した後に、健康な成人志願者から後方腸骨稜吸引により得た。10〜15mLのヒト骨髄を、ヘパリン化した無菌のシリンジ中に採集し、室温で移送し、6時間以内に使用した。骨髄を、5倍容量のPBSで希釈し、フィコール−ハイパック(Pharmacia Biotech Inc., Piscataway, NJ)のカラム上での密度勾配遠心分離により、単核細胞(MNC)を分離した。このように得られたMNCを、10mLのPBSで2回洗浄し、残りの赤血球を、ACK溶菌緩衝液(Bio Whittaker, Walkersville, MD)での溶菌により除去した。

0092

CD34+集団内の前駆細胞の一層多くの未成熟表現型を選択するために、本発明者等は、抗体を新規細胞抗原AC133に対して用いて、免疫磁性ビーズ選択系を用いることを選択した。AC133は、CD38neg/dimサブセット(非リネージ委任前駆体を表す)を含むが、成熟白血球上に発現しない(YinAH,等、Blood, 1997. 90:5002-12; Nfiraglia S,等、Blood, 1997, 90:5013-21; Buhring HJ, 等、Ann N Y Acad Sci, 1999, 872:25,討議38〜9)20〜60%のヒトCD34+細胞上に発現する5−膜透過細胞表面抗原である。少数の成熟CD2+T細胞がAC133+前駆体との本発明者等の同時培養中に移送されたが、本発明者等は、この系において発生したT細胞が、CD2+成熟リンパ球またはCD2+リンパ様充当前駆体のいずれかから由来するとは考えていない。本発明者等および他人(Fisher AG, 等、Int Immunol, 1990, 2:571-8)は、同時培養中への成熟ヒトT細胞の計画的な導入は、増加した数のT細胞またはこの前駆体を生じないことを観察した。AC133+MNCフラクションは、製造者のプロトコルに従ってAC133細胞単離キット(Mitenyl Biotec Inc., Auburn, CA)を用いた免疫磁性ビーズ選択により単離された。
マウス胸腺基質

0093

胸腺を、新たに屠殺した6週齢B6(BALB/C)マウスから得た。胸腺を、手術はさみを用いて物理的に分解して、大きさが0.5mm3より小さい胸腺組織のフラグメントを含む細胞懸濁液を生成した。胸腺フラグメントを含む細胞懸濁液を、0.5cm×0.5cm×0.2cmのセルフォーム(80ppi)片上に置き、24ウェルプレートの各ウェル中に置いた。各ウェルは、少なくとも5×106個の細胞を含み、セルフォームブロックおよび細胞あたりの胎児胸腺の4つのフラグメントを、完全に捕捉したIMDM中で培養した。胸腺培養中の培地を、最初は培養の確立後48時間およびその後3日間隔において交換した。平均して80%の融合性胸腺基質単一層を、10〜14日においてセルフォーム上に確立した。培養の10〜14日において、各々が胸腺基質のサブ融合性層を含むセルフォームブロックを、24ウェルプレートから取りだし、新たな24ウェルプレートのウェル中に置き、CD34+細胞と共に同時培養した。
ヒトCD34+/マウス胸腺基質同時培養条件:

0094

次に、UCBまたはヒト骨髄から由来する5000個のCD34+細胞を、照射したマウス胸腺基質上に置いた。セルフォームを用いる場合において、CD34+細胞を、24ウェル組織培養皿の壁中のセルフォーム自体の上に直接置いた。同時培養中の培地を、3日おきに交換し、外因性サイトカインで補完しなかった。CD34+細胞から発生した細胞を、同時培養の7日後の確立において収穫し、フローサイトメトリーおよび機能的研究を、得られた細胞について実施した。
同時培養から得られた細胞の免疫表現型および機能の評価

0095

付着細胞を、非トリプシン単離溶液(Cell Dissociation Solution, Sigma, St. Louis, MO)で収穫して、表面染色特性の変化を最小にした。セルフォームから付着細胞を回収するために、ユニットを、PBS中に浸漬することにより2回洗浄し、過剰の細胞分解溶液中で短時間かきまぜ、37℃で20分間インキュベートし、1500rpmで10分間遠心分離することにより飽和した。

0096

細胞を、穏やかに吸引することにより収穫し、PBS中で2回洗浄した。収穫した細胞を計数し、トリパンブルー排除により生存可能性について評価した。計数後、細胞を、2%マウス血清(Dako, Carpentiera, CA)および次の蛍光色素結合抗体:TCRαβ、TCRγδ、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD33およびCD34(Becton Dickinson, San Jose, CA)を有する100μLの最終容積において染色した。4種の蛍光色素(FITC、PE、ペリジニンクロロフィルタンパク質(PerCP)およびアロフィコシアニンAPQ))すべてについての共役イソタイプ対照抗体を、各培養について用いた。染色した試料を、PBSで3回洗浄し、1%パラホルムアルデヒドで固定し、FACSカリバー(FACScalibur)フローサイトメーター(Becton Dickinson)で分析した。適切な対照は、整合したイソタイプ抗体を含んで、正および負の象限を確立し、適切な単色染色を含んで、補償を確立した。各試料について、少なくとも10,000リストモードの事象を採集した。抗CD3および抗CD14を用いて、CD34+選択MCサブ集団において汚染T細胞および単球を検出した。

0097

ヒト白血球は、CD45+集団におけるゲート化(gating)による免疫表現型分析において、マウス細胞と区別可能であった。同時培養において14日後、>70%のCD45+細胞が、CD3、CD4および/またはCD8を同時発現した。この系において、2週間にわたり、Tリンパ様前駆体の連続的分化を追跡することが可能であった(図1)。CD34+前駆体は、三次元マトリックス(セルフォーム)において、マウス胸腺基質細胞との同時培養中に加えられた。非付着性細胞を、同時培養の確立の7、14および21日後に収穫し、これらの免疫表現型を、FACS分析により決定した。パネル(a)におけるデータは、CD2の獲得および造血前駆細胞マーカー、CD34の下方調節例証する。細胞表面CD4およびCD8マーカーの獲得は、同時培養の14日後に生じ;(b);SP CD4+およびSP CD8+の個別の集団は、これらのDPCD4+CD8−前駆体を含めて例証される。14日目のCD4の獲得は、CD3の獲得と関連し(cおよびd):すべてのCD4+細胞は、CD3を同時発現した。CD3は、大部分のCD8+細胞と共に同時発現し;CD3−CD8+である細胞は、TCRγδを発現することが見出された。TCRαβは、78%のCD3+細胞により発現されたが、TCRγδを発現するCD3+細胞の比較的小さい集団(20%)はまた、検出可能であった(6%CD3+CD8+TCRγδ、14%CD3+CD8+TCRγδ)。
T細胞機能:

0098

T細胞機能を、マイトジェンに応答するCD69発現およびマイトジェンCon−Aに応答する3H−チミジン取り込みを決定することにより、評価した。また、同時培養系において発生したT細胞を、HIV−1によるこれらの感染性およびMFGマウスレトロウィルスベクターによる形質導入可能性について試験した。同時培養から発生したT細胞は、フローサイトメトリーにより決定されたように、マイトジェンCon−Aに応答する予期された高レベルの3H−チミジン取り込み(対照非応答性細胞の10倍)および活性化マーカーCD69の発現における4倍の増大を示した。
HPC/胸腺基質同時培養から発生したT細胞のHIV−1攻撃

0099

HPCから発生したT細胞を、1の感染の多様性においてT細胞屈性単離HIVIIIBで攻撃した。HIV−1の滴定したストックを、業界において十分知られている標準的な方法により発生した。培養上清液の試料を、ELISA(Coulter, Miami,FL)によりHIV−1 p24抗原評価についてHIV攻撃の3、6、9、14および28日後において培養から除去した。第2に、胸腺基質とBM HPCとの同時培養から発生した分類したCD4+T細胞を、1の感染の多様性においてHIVIIIBで攻撃した。また、細胞生存性を、単球およびT細胞のHIV−1での攻撃に続いて、トリパンブルー排除を用いて決定した。HPCを発生したT細胞は、HIV−1で感染可能であり、10日の培養により0.69ng/mlまでのHIV−1 p24を生じた。未分類および分類T細胞の両方は、セルフォーム上のマウス胸腺基質においてHPCの同時培養から生じ、暴露されて、HIVIIIBを熱不活性化し、検出不能なレベルのHIV−1 p24を生成した。T細胞の生存性はまた、感染HIV−1の暴露に続いて顕著に低減した。セルフォーム同時培養系から生じたT細胞のHIV−1 p24抗原生成のレベルは、ヒト活性化末梢血液T細胞からのHIV−1 p24生成のレベルと同様であった。
アンフォトピック(amphotropic)マウスレトロウィルスベクターとのHPC/胸腺基質同時培養から発生したT細胞の形質導入

0100

HPCから発生し、IL−2およびPHAにおいて拡張したT細胞を、72時間にわたり3回の機会において10のM.O.I.において核内局所化酵素β−ガラクトシダーゼをコードするマウスレトロウィルスに基づくベクター、MFGに暴露した。滴定したレトロウィルスベクターを、ヒトに基づくFLYA4包装細胞系から標準的な方法により発生した。T細胞もまた暴露して、MFGを熱不活性化した。形質導入した細胞を、レトロウィルス暴露に続いて7日において培養から収穫し、β−ガラクトシダーゼトランスジーンの発現のための標準的な方法により染色した。HPCのセルフォーム上で成長したマウス胸腺基質との同時培養から発生したT細胞において、12〜26%の形質導入効率が観察された。熱不活性化レトロウィルスベクターに暴露されたT細胞において、β−ガラクトシダーゼ活性は検出可能ではなかった。セルフォーム同時培養系から発生したヒトT細胞の形質導入効率は、活性化末梢血液T細胞において見られる形質導入効率と同様である。
mRNA抽出およびcDNA合成:

0101

また、発生した細胞を溶菌し、RNAを、RNAPCRについて細胞から調製して、T細胞受容体遺伝子発現を決定した。メッセンジャーRNAを、胸腺単層上に成長した細胞から抽出した。抽出は、グアニジニウムチオシアニンおよびオリゴ−dTスパンカラム(QuickPrep MicromRNAPurification Kit;Pharmacia, Piscataway, N.J.)を用いて、製造者の指示に従って実施した。mRNA試料を、−70℃で貯蔵した。第1らせんcDNAを、約2μgのmRNA、1μgのランダムプライマーおよび6.25単位のAMV逆転写酵素GIBCO/BRL)を用いて、最終容積40μlに合成した。試料を、室温で10分間、42℃で1時間、95℃で5分および4℃で5分インキュベートした。多くのリンパ様特異性遺伝子(RAG−2を含む)についてのRT−PCRを、ランダムプライマーおよびモロニー(Moloney)MuL V逆転写酵素(GIBCO/BRL、Grand Island, NY)を用いて逆転写を用いて実施した。cDNAを、遺伝子特異性プライマーを用いて、例えばリンパ球分化、Vβ遺伝子発現等を受ける細胞によってのみ一時的に発現されるヒトRAG−2遺伝子について、増幅した。PCR増幅を、業界において十分知られている条件を用いてGeneAmp 9600熱サイクラー(Perkin Elmer, Norwalk, CT)において実施した。
例1:同時培養系において発生したヒト細胞の生存性、免疫表現型および機能

0102

同時培養系において発生した生存細胞の数およびこの免疫表現型を、表2に示す。最大ヒトT細胞増殖は、ヒト胎児胸腺CD34+細胞およびUCBCD34+細胞を、セルフォーム上で成長させたマウス胎児胸腺基質と同時培養した際に見られた。セルフォーム上でのマウス胸腺基質上でのCD34+細胞の同時培養対単純な単一層として成長したマウス基質上でのCD34+細胞の同時培養の直接的な比較から得られたデータもまた、表2に示す。

0103

同時培養系において発生したT細胞はまた、T屈性HIV−1IIIBにより感染可能であることが示され、これらの細胞はまた、MFGベクターで12〜22%(n=3)の形質導入効率で、形質導入可能であった。
例2:未成熟前駆細胞の維持

0104

本発明において、胸腺基質細胞のセルフォーム培養が、CD34+前駆体のT細胞分化を誘発し、尚CD34+細胞のフラクションを保存することができることが見出された。霊長類CD34+前駆体を、セルフォーム組織足場上に確立されたヒトまたはブタ胸腺のいずれかの上で培養した。14〜21日後、CD3+CD4+CD8+三重陽性細胞並びにCD3+CD4+およびCD3+CD8+二重陽性細胞が、信頼性をもって回収される。さらに、CD3−細胞フラクションは、14〜21日後にCD34+前駆細胞を含むことが見出された。これらのCD34+細胞は、CD3−であったのみならず、多くはCD2+でもあった。これは、セルフォーム組織足場における胸腺培養を、長期間生存するCD34+
前駆細胞集団を同時に保存しながらT細胞分化を支持することができることを例証する。当業者には明らかなように、この驚異的な発見は、未成熟前駆細胞を維持しながらT後代の続行する分化がセルフォームにおいて可能であることを示す。
例3:T細胞機能(増殖/アネルギー)アッセイ

0105

T細胞機能を、標準的なアッセイを用いて、特異性および非特異性抗原に対する増殖的効力により評価した。特に、アッセイは、抗CD3抗体(Becton Dickinson)を用いたT細胞受容体(TCR)媒介増殖並びにコンカバリンA(Con−A)を用いた基線非特異性増殖の応答を評価する。要するに、T細胞を洗浄し、106個の細胞/mlの濃度で10%FCSを含むRPMIに再懸濁した。100μl(105個の細胞)を、96ウェルプレートの各ウェルに加えた。細胞を、Con−A(5μg/ml)(非特異性応答)またはCD3に対するモノクローナル抗体のいずれかで、IL−2(20ユニット/ml)および照射した単核細胞(MC)(10%FCSを含むRPMI100ml中に105個の細胞/ウェル)の存在下で刺激した。精製したヤギ抗マウスF(ab’)2フラグメント(Kirkegard and Perry Laboratories, Gaithersberg, MD)を、CD3に対するモノクローナル抗体を用いる実験的条件について架橋剤として用いる。ウェルを、37℃で45分間1.25μg/mlのヤギ抗マウス抗体で前処理し、CD3およびCD28に対するモノクローナル抗体の添加の前に3回洗浄する。対照は、T細胞のみ、T細胞+照射したMCおよびT細胞+IL−2または照射したMCを含まないマイトジェン刺激を含んでいた。37℃での培養の7日後、放射活性アッセイまたは市場で入手できる非放射活性のELISAに基づくアッセイ(例えばプロメガ(Promega)のいずれかを用いて、細胞増殖を評価する。細胞を、5〜7日間同時培養して、T細胞の増殖を誘発する(刺激細胞もまた照射し、従って非増殖的である)。刺激細胞のみを、対照とした。

0106

T細胞機能を試験する追加の方法は、これらの因子のヒト形態に特異的な抗体(Becton Dickinson)を用いるサイトカインIL−2γIFNおよびTNFαの細胞内発現のためのフローサイトメトリーに基づく染色を用いる。これらのサイトカインは、抗原特異性インビトロ増殖アッセイにおけるT後代において生成する。これは、ヒト後代を選択的に強調し、マウス細胞を除外する高い割合のマウス細胞の中のヒト細胞の低レベルの検出を可能にする。さらに、これらの因子のためのmRNAの半定量的なRT−PCRもまた、用いることができる。

0107

1つの特定の例において、例えば、14日後に同時培養から除去された細胞は、完全培地およびIL−2(10IU/mL)およびフィトヘマグルチニン(PHA;2μg/mL)での液体培養中に置いた際に、顕著な増殖を示した。さらに7日の培養の後に、細胞数の45倍の増加があり:>90%はCD3+CD4
+TCRαβ+;3%CD3+CD8+TCRαβ+および3%CD3+CD8
+CD4+TCRαβ+であった。TCRγδを発現する細胞は、検出されなかった。
例4:T細胞リンパ球生成アッセイ

0108

AC133+前駆細胞を、ウェルあたり1×105、1×104または1×103個の細胞の細胞密度で、マウス胸腺基質培養に加え、37℃で5%のCO2
湿潤化雰囲気中でさらに2週間培養した。同時培養中の培地を、4日おきに交換し、外因性サイトカインを捕捉しなかった。前駆体から発生した細胞を、同時培養の確立の7および14日後に収穫した。

0109

選択したAC133+細胞は、高度に精製された前駆細胞集団を表した。免疫表現分析は、>98%がCD34+であり;いずれも、表面CD3、CD4またはCD8を同時発現しないことを示した。少数の汚染CD2+細胞は、AC133+選択集団内のフローサイトメトリーにより検出可能であり:これは、選択された方法から得られた細胞の0.57%±0.29%(平均±SEM;n=6)のみを含んでいた。
例5:最適なマトリックスの大きさおよび投入細胞数の決定

0110

種々の寸法のマトリックスを試験して、本発明者等は、この系において用いるのに最適な大きさのマトリックスは、直径10mm×深さ1mmの寸法であることを決定した。同様に、投入細胞密度は、最適なT細胞発生に臨界的に重要であると考えられ:ウェルあたり1×104個の細胞より小さい投入細胞密度を用いてリンパ球は発生しなかった。しかし、10×1mmのマトリックスおよび1×104または1×105の投入細胞密度を用いて、本発明者等は、14日の同時培養の後に、71.21%±9.87%(平均SEM;n=7)はCD3+である大きい数のヒト細胞を発生することができた。
例6:発生したT細胞の数における試料内および試料間可変性

0111

所定の給源の前駆体内のT細胞放出の変化を決定するために、複数の同時培養を、マウス胸腺基質の個別の10×1mmのマトリックス上で固定された細胞密度(ウェルあたり1×104個の細胞)においてAC133+の単一の給源を用いて確立した。発生したTリンパ球の試料内変化を、トリパンブルー排除を用いた細胞計数により、および免疫表現型分析により分析した。ヒト細胞を、CD45の表面発現により区別した。同時培養における7日後、検出された成熟T細胞の数は、極めて低かった:CD3+細胞は、2.02%±0.87%(平均±標準偏差)のCD45+でゲート調節した集団を示し、CD3+CD4+T細胞は1.0%±0.52%のゲート調節された集団を占め、CD3+CD8+は0.58%±0.1%の同一のゲート調節された集団を占める。しかし、14日後に、T細胞の数は、顕著に高かった:CD3+細胞の集団は、62.16%±4.53%に上昇し;CD3+CD4+およびCD3+CD8+の百分率は、それぞれ42.7%±2.87%および22.39%±1.29%であった。これらのデータを、図式的に図2に示す。

0112

試料間の変化は、個別のCD34+前駆体の給源から発生したT細胞の数を比較することにより計算した。各々の場合において、固定された数の細胞(ウェルあたり1×104個の細胞)を、同時培養中に導入した。同時培養における7日後に発生した細胞の免疫表現型分析は、CD45ゲート調節集団の中で、1.57%±0.97%の細胞はCD3を発現し;2.27%±2.70%はCD3およびCD4を同時発現し;0.46%±0.23%は、CD3およびCD8を共に発現したことを示した。14日後、図3に示すように、収穫された細胞の免疫表現型は、71.21%±9.87%はCD3+であり;37.44%±8.44%はCD3+CD4+であり、38.06%±19.13%はCD3+CD8
+であることを明らかにした。

0113

これらのデータは、投入集団比較分析におけるこの能力を提案する系内の高レベルの再現性を例証する。
例7;TCR除去サークル(TREC)についての分析

0114

TCR Vδ座は、TCR VαとTCR Jαセグメントとの間にある。TCRα VD−J再配列を完全にするために、TCR Vδセグメントを除去する:遺伝子の3’および5’末端を結合させて、TCR除去サークル(TREC)(Berenson RJ,等、J Clin Invest, 1988, 81:951-5; BroxmeyerHE, 等、Proc Natl Acad Sci USA, 1989, 86:3828-32)と呼ばれるDNAの染色体外サークルを形成する。TRECは、T細胞が分割される際には複製しない(Blom B., 等、J, Immunol, 1997, 158:3571-7)。結果として、TRECレベルは、最近の胸腺移出個体においては最高であるが、移出個体の後代の中で連続的に希釈される。TCRδ TRECは、PCR−新たにT細胞発生を監視するための信頼性のある手段であることが示されたアッセイにより検出可能である(Tjormford GE, 等、J Exp Med, 1993, 177:1531-9)。TREC陽性細胞の絶対数は、分析する細胞の合計数により変化する。本発明者等は、TREC陽性の有意さは、検出されたTRECコピーの数対検出されたβ−アクチンコピーの数の比率を計算することにより、最も正しく解釈されることを決定した。本発明者等は、14日後の同時培養から収穫されたT細胞において検出されるTRECのレベルを、投入集団からの末梢血液単核細胞、B細胞、AC133+細胞、およびヒト胎児胸腺細胞におけるTRECレベルと比較した。最高のTREC:β−アクチン比は、14日後に同時培養から発生したT細胞において(0.54)、続いて16〜22週齢のヒト胎児からの胸腺細胞(0.017)において見出された。胎児および成人PBMCからの、およびAC133+骨髄単核細胞からのTREC:β−アクチン比は、顕著に低かった。これらのデータを、以下の表3にまとめる。TRECは、試験したB細胞(n=6)の試料のいずれにおいても検出されなかった。

0115

これらのデータは、最終的に、TCRの再配列が、培養期間の経過の間に発生することを例証する。TREC陽性細胞の欠乏は、新鮮な胎児胸腺から見られるものと好適に整合し、T細胞分化のこの概念におけるインビトロ系の生理学的等価を支持する。

0116

当業者は、ルーチンの実験のみを用いて、本明細書中に記載した本発明の特定の実施態様に対する多くの等価なものを認識するかまたは確認することができる。このような等価なものは、以下の特許請求の範囲により包含されることを意図する。

0117

本明細書中に開示したすべての参照文献は、全体を参照として本明細書中に加入する。

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