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技術 インジウムスズ酸化物に基づくサスペンション及び粉末の調製方法並びにその使用

出願人 ライプニッツ-インスティトゥートフィアノイエマテリアーリエンゲマインニュッツィゲゲゼルシャフトミットベシュレンクタハフトゥンク
発明者 ノニンゲルラルフゲッベルトクリスティアンシュミットヘルムートドルムロベルトセプールシュテファン
出願日 1999年9月3日 (21年2ヶ月経過) 出願番号 2000-568781
公開日 2002年8月6日 (18年3ヶ月経過) 公開番号 2002-524374
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(I)
主要キーワード 単純分散 保護スクリーン ローラーコンベヤー ソーラーコレクター 酸素混合気体 分ローラ 伝導システム プラスチックガラス
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重要な関連分野

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課題・解決手段

1又はそれ以上の表面改質成分の存在下、1又はそれ以上の溶媒中のインジウム化合物及びスズ化合物溶液よりインジウムスズ酸化物前駆体を沈殿させ、得られた粉末から該溶媒を除去し、次にこれをカ焼し、1又はそれ以上の表面改質成分および1又はそれ以上の溶媒を加え、得られた混合物粉砕或いは分散処理に供してサスペンションを生成し、すべての液体成分を該サスペンションから分離し、粉末を得る方法により、インジウムスズ酸化物に基づくサスペンション及び粉末を調製する。所望であれば、得られた粉末を成形工程により成形体に変換してもよい。このようにして調製されたインジウムスズ酸化物材料は、マイクロエレクトロニクス及びオプトエレクトロニクスにおける使用のためのコーティング材として特に適する。

概要

背景

概要

1又はそれ以上の表面改質成分の存在下、1又はそれ以上の溶媒中のインジウム化合物及びスズ化合物溶液よりインジウムスズ酸化物前駆体を沈殿させ、得られた粉末から該溶媒を除去し、次にこれをカ焼し、1又はそれ以上の表面改質成分および1又はそれ以上の溶媒を加え、得られた混合物粉砕或いは分散処理に供してサスペンションを生成し、すべての液体成分を該サスペンションから分離し、粉末を得る方法により、インジウムスズ酸化物に基づくサスペンション及び粉末を調製する。所望であれば、得られた粉末を成形工程により成形体に変換してもよい。このようにして調製されたインジウムスズ酸化物材料は、マイクロエレクトロニクス及びオプトエレクトロニクスにおける使用のためのコーティング材として特に適する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
3件

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請求項1

インジウムスズ酸化物に基づくサスペンション及び粉末調製方法であって、a)1又はそれ以上の表面改質成分の存在下、1又はそれ以上の溶媒中のインジウム化合物及びスズ化合物溶液よりインジウムスズ酸化物前駆体を沈殿させ、b)得られた粉末から該溶媒を除去し、次にこれをカ焼し、c)1又はそれ以上の表面改質成分および1又はそれ以上の溶媒を加え、d)得られた混合物粉砕或いは分散処理に供してサスペンションを生成し、e)すべての液体成分を該サスペンションから分離し、粉末を得ることを特徴とする方法。

請求項2

用いるインジウム化合物及びスズ化合物が、各々塩化インジウム(+III)、ヨウ化インジウム(+III)、塩化インジウム(+I)、ヨウ化インジウム(+I)、硝酸インジウム(+III)、インジウム(+III)アセテート硫酸インジウム(+III)及び/又はインジウム(+III)アルコキシド、及び塩化スズ硫酸スズ、及び/又はスズアルコキシドを含み、スズは+2或いは+4の酸化状態で存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

沈殿中及び/又は粉砕もしくは分散中に用いる表面改質成分が、モノカルボン酸又はポリカルボン酸ジケトンアミノ酸ポリエチレンオキサイド誘導体アミン又は酸アミド、或いはこれら成分の2又はそれ以上の混合物を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

表面改質成分として3,6,9-トリオキサデカン酸β−アラニン、Tween(登録商標)80及び/又はカプロラクタムを用いることを特徴とする、請求項3に記載の方法。

請求項5

インジウムスズ酸化物前駆体を沈殿させるために塩基を用いることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。

請求項6

カ焼を200から400℃で行うことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。

請求項7

カ焼を還元条件下で行うこと、或いはカ焼後還元を行うことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。

請求項8

高沸点溶媒中、特にジエチレングリコール又はジエチレングリコールモノブチルエーテル中で粉砕を行うことを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。

請求項9

該サスペンション又は該粉末を成形体に加工することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の方法。

請求項10

請求項1から9のいずれかに記載の方法により得ることができる、インジウムスズ酸化物に基づくサスペンション、粉末及び成形体。

請求項11

所望であれば1又はそれ以上のバインダ、また所望であれば1又はそれ以上の通常の添加剤を含む、請求項10に記載のサスペンション又は粉末を含む塗料或いは成形材料

請求項12

特にマイクロエレクトロニクス及びオプトエレクトロニクス目的のための、請求項11に記載のインジウムスズ酸化物組成物の使用。

請求項13

スクリーン印刷ペーストのため或いは帯電防止処理のための、請求項11に記載のインジウムスズ酸化物組成物の使用。

請求項14

成形体、特にスパッタリング装置ターゲットを製造するための、請求項11に記載のインジウムスズ酸化物組成物の使用。

0001

本発明は、インジウムスズ酸化物に基づくサスペンション及び粉末、それらの調製方法、それらから製造される成形体、またコーティング及びモールディング組成物並びにコーティング材料としてのその使用に関する。

0002

光学電子特性はインジウムスズ酸化物の特徴である。例えば透明薄層の形態では、該酸化物赤外線反射しうると同時に、層システムにおいて比較的高い導電率透明度とを兼ね備えうる。このため、インジウムスズ酸化物(ITO)システムには極めて多数の用途の可能性があり、従ってまた、その調製については非常に多くの研究が行われてきた。

0003

透明層を適用する最も一般的な方法は気相法であり、ここでITOは可干渉性薄層の形で気相から支持体上に堆積される。他に用いられる方法はゾルゲル法または粉末およびペースト技術を含む。

0004

インジウム酸素系の特徴は多数の化合物である。熱力学的に最も安定なのはIn2O3である。組成In4O3、In4O5、In2O、及びIn7O9のインジウム酸化物は、通常水気流中でのIn2O3の還元により生成される。In2O3は、室温では濃い黄から薄い黄、より高温ではから茶色がかった赤であり、無機酸に溶ける。X線撮影法により立方変態のみを検出しうる。

0005

インジウム酸化物の純粋粉末調製のため、文献は主として溶液からの沈殿記述する。選択された水酸化物は、続いてカ焼により酸化物へ変換される。水性塩溶液アルカリ金属溶液、アンモニア又は尿素により沈殿させる;例えば、JP 06227815 A2、JP 05193939 A2、JP 04325415 A2、JP 04219315 A2及びDE 2127135 Aを参照せよ。

0006

沈殿はまた時に硫酸又は硫酸塩溶液の存在下で行う;例えばJP 05058627 A2を参照せよ。しかしながら、粉末の特性に対する沈殿物の影響について情報が与えられていない。その上、文献で知らされる粒度又は凝集状態に関する情報は、あったとしても非常に不正確である。粒度は一般に粉末のBET表面積測定値から逆算されるが、これはナノメーター範囲から100μm領域までにわたる。

0007

インジウム酸化物は、その固有導電率が酸素の欠如由来する、ワイドギャップn型半導体である。結晶内効果のほか、特に結晶間電子遷移の妨害により電荷キャリア易動度が制限される。純粋なインジウム酸化物の低電荷キャリア密度を高めるための1つの可能性は、例えばスズのような四価元素を特に組み込むことである。

0008

インジウム酸化物/スズ酸化物合物を調製するための様々な方法が知られている。ITO混合物を調製するための単純混合酸化物法の場合、700℃から900℃の間の温度が必要である;例えば、EP 654447 A1を参照せよ。ゾル−ゲル法はまた、粉末の比表面積が10m2/gで示されるITO混合物の調製に適する;例えば、JP 06293517 A、JP 06080422 A及びJP 05201731 Aを参照せよ。電解法の記述もあり、これにおいてはインジウム電極もしくはインジウムスズ電極陽極酸化により水酸化物が生成し、これが続くカ焼により酸化物へ変換される;JP 63195101 A2、JP 06171937 A2及びJP 06329415 A2を参照せよ。更に、インジウムスズ水酸化物を有機溶媒中に分散し、共沸蒸留により脱水素化し、次に乾燥及びカ焼によって酸化物に変換する;JP 02006332 A2を参照せよ。ITO粉末はまた、アルゴン酸素混合気体中におけるタングステン電極とインジウム電極間アーク放電によって(Y. Endo et al.、粉体工学会誌(1995)、32(12)、874-80)、又はアルゴンキャリアガスにおける水中インジウムアセテートエアゾールスプレー熱分解によって(D. M. Speckmann et al.、Mater. Res. Soc. Symp. Roc. (1995)、372 (Hollow and Solid Spheres and Microspheres; Science and Technology Associated with TheirFabrication and Application)、247-52)、或いはインジウムスズ塩溶液を800℃でスプレーすることによっても(JP 01087519 A)調製できる。インジウム酸化物又はスズ酸化物はまた、インジウム塩化物及びスズ塩化物を気相から凝縮し、次に酸素又は水と反応させることにより(JP 05024836 A2)、及び1000℃の還元雰囲気におけるコロナ放電により(DE 4407774 C1)調製できる。

0009

ITO層を調製するためには、例えばITO粉末を直接使用する。例として、JP 07118840 Aは30m2/gの比表面積を有するITO粉末を、JP 06049394 Aは200 nmの直径を有するITO粉末を、JP 05036314 Aは30 nmの平均粒度をもつITO粉末を用いている。

0010

全体としてこのことは、スズドープインジウム酸化物(ITO)粉末の調製法が多数あることを意味する。しかしながら、粉末特性に関する定まった情報はその調製方法と共に記載されていない。使用する粉末の特性は、通常、応用の仕方により定義される。近年では、種々の支持体上への透明導電層の定められた調製及び適用に対する興味が急激に高まってきている。Sb-及びF-ドープスズ酸化物層のガラス支持体上での使用が、それらの導電性可視スペクトル域での透明度、及びIR域での反射特性基礎として長い間知られてきたのに対して、航空機宇宙船及びカメラ用のガラス表面加熱のため、また静電シールド目的のために、マイクロエレクトロニクス及びオプトエレクトロニクスにおける使用のためのこのような層に関する、種々の必要性が最近生じてきた。そのような使用の例は
1.液晶ディスプレイ薄膜エレクトロルミネッセントディスプレイ、及びエレクトロクロミックディスプレイのための透明ドライバ電極
2.高感度放射線検出器強誘電性フォトコンダクタ及び記憶装置のための透明導電層
3.帯電インジェクション及び電荷結合システムのためのゲート電極としての透明導電酸化物
を含む。

0011

オプトエレクトロニクスにおけるこれらの使用は、同時に、層の導電率、透明度及び構造性能に関するより厳密な必要性に縛られる。化学エッチング技術による通例の構造化に伴う、ドープしたスズ酸化物層の好ましくない構造特性のため、それらの使用のために確立されてきたのは主にスズドープインジウム酸化物層(ITO)である。

0012

更に、こうしたITO層は、ドープしたスズ酸化物層に比べて有意に優れた導電率及び透明度を有する。スズドープインジウム酸化物層は、商業的に入手し得る現在最も導電性のあるコーティングである。通常の操作では、達成し得る比抵抗はおよそ1-2×10-4 ohm. cmであり、これは約30nm厚のSiO2バリア層と共に、ほんの120 nmの層厚で15Ω/□の表面抵抗につながる(透明度>90%)。スパッタリング又はCVD法による調製のため、このタイプのコーティングのためのコストは比較的高く、広範囲のコーティングは実行しがたい。

0013

40-60cm2/Vsの範囲の電荷キャリア易動度と共に、高い電荷キャリア密度は、IR域での優れた反射と同時に可視域において極めて高い透明度をもたらす。スズ酸化物のフラクションは通常、7-12重量%である。

0014

多くの応用について、とりわけマイクロエレクトロニクス及びオプトエレクトロニクスにおいて、光学及びIR−ブロッキングコーティングにナノスケール粒子からなるITO粉末を用いることは重要である。そのようなナノスケール粒子は、好ましくは200 nm以下、特に50 nm以下、特に好ましくは30 nm以下の平均粒度を有する。とりわけ好ましい範囲は5から30 nmである。

0015

インジウムスズ酸化物粉末又はサスペンションを調製する多くの方法において、インジウムスズ酸化物粉末の前駆物質のサスペンションを得、乾燥後、これよりインジウムスズ酸化物粉末をカ焼により調製する。しかしながら、このように調製された粉末の粒度は所望のnm範囲内でなく、また該粉末をnm範囲の粒度をもつサスペンション(ナノスケール粒子)に再生することもできず、そのため、このようにして調製した低粘度サスペンションについては、ディッピング、スプレー掛け、又は同様の工程を用いてnm範囲粒度をもつコーティングを生成することは不可能である。

0016

適切な条件下、ITO粉末前駆体がサスペンション中に生成する間に、好適なサイズのナノスケール一次粒子が生成しても、処理工程、特にカ焼の工程において、こうした一次粒子はより大きな粒子への凝集をする。この凝集の理由は、粒度の低下に付随して、例えばファンデルワールス力のような相互作用の弱い力が優勢となるか或いは有意に少なからず増加することである。更なる要因は、粒子表面が常に官能基、即ち縮合し得る基で覆われていることであり、これにより個々の一次粒子間縮合反応の結果としてかたい凝集体が生成する。その場合、一次粒子が言わば焼結ネックのように互いに結合する。これら一次粒子の凝集体は、水性もしくは非水性溶媒中での単純分散テップではもはや粉砕できない。

0017

カ焼により調製されるこの種の粉末は、透明度の高い層には用いることができない。なぜなら、サイズ50 nmの粒子ですら光学的欠陥をもたらすからである。

0018

従って、本発明の課題は、カ焼にかかわらず、好適サイズのナノスケール粒子を得、かつ該粉末を単純分散ステップで処理してサスペンションを得ることができるよう、一次粒度を十分保持したままでインジウムスズ酸化物に基づく組成物を調製することであった。

0019

このことは、本発明に従って、インジウムスズ酸化物に基づくサスペンション及び粉末を調製する下記の特徴を有する方法により可能になる:
a)1又はそれ以上の表面改質成分の存在下、1又はそれ以上の溶媒中のインジウム化合物及びスズ化合物の溶液よりインジウムスズ酸化物前駆体を沈殿させ、b)得られた粉末から該溶媒を除去し、次にこれをカ焼し、
c)1又はそれ以上の表面改質成分および1又はそれ以上の溶媒を加え、
d)得られた混合物を粉砕或いは分散処理に供してサスペンションを生成し、
e)すべての液体成分を該サスペンションから分離し、粉末を得る。

0020

更に、所望であれば、それにより生成した該サスペンション又は該粉末を、成形工程により成形体に変換することが可能である。

0021

驚くべきことに、本発明の方法は、一次粒子から実質的になり且つ一次粒子の凝集により生成する凝集体を実質上含まない、インジウムスズ酸化物に基づくサスペンション及び粉末を、結果として生ずる。該粉末は容易に再分散してサスペンションを得られ、ここで一次粒度はほぼ完全に維持される。

0022

インジウムスズ酸化物粉末はITO粉末とも呼ばれ、実質的にインジウムとスズの混合酸化物よりなる粉末である。該粉末中では、インジウム及びスズは1つの酸化段階にあるか又は異なる酸化状態にあり得る。例えば、In(+I)及び/又はIn(+III)、またSn(+II)及び/又はSn(+IV)が存在する。Snは好ましくはSn(+IV)として存在する。所望であれば、インジウム及びスズもまた一部In(0)又はSn(0)として存在し得る。ITO粉末粒子の表面はまた、下に述べる表面改質成分をもつ。

0023

ITO粉末は好ましくはスズドープインジウム酸化物を含み、即ちスズ酸化物のフラクションはインジウム酸化物のフラクションより小さい。表面改質成分を考慮しなければインジウムスズ酸化物に基づくスズ酸化物のフラクションは、例えば、2から30 mol%であり、好ましくは7から12 mol%である。表面改質成分を考慮しなければ、ITO粉末を例えば式In2-ySnyO3、ここで0≦y<2、特に0≦y<1(超過電荷:e-y)と表し得る。

0024

勿論、インジウムスズ酸化物粉末は不純物を含み得る。許容し得るレベルは用途しだいである。例えば、反応物からはSO42-、Ca、Co、Cu、Fe、Ni、Pb、Zn、K又はNaが存在し得る。純粋な反応物を用いることで、SO42-、Ca、Co、Cu、Fe、Ni、Pb、及びZnを0.005重量%未満に、K及びNaを0.01重量%未満に削減することができる。該方法によれば、例えばNH4+及びCl-を生成物に入れることができ、洗浄サイクルの数いかんでこれをほぼ完全に除去することができる。しかしながら、インジウムスズ酸化物粉末を主材とし、且つ表面改質成分を考慮に入れると、不純物濃度は5重量%未満、好ましくは1重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満である。

0025

本発明の方法においては、1又はそれ以上の溶媒を含む1又はそれ以上の表面改質成分の存在下、インジウム化合物及びスズ化合物の溶液からインジウムスズ酸化物前駆物質を沈殿させる。

0026

沈殿工程或いは共沈工程の場合、該方法は、先行技術に従ってこの目的で知られる方法のいずれでもあり得る。沈殿は、上述の通り例えばゾル−ゲル法、電解法、脱水法又はエアゾールスプレー熱分解法により行われ得る。しかしながら、好ましくは沈殿はゾル−ゲル法によって起こる。ゾル−ゲル法の場合、ヒドロキソオキソ縮合体の沈殿をもたらす加水分解反応及び縮合反応が、例えば塩基或いは酸の添加により水の存在下で誘導される。インジウムスズ酸化物前駆物質を沈殿させるためには、塩基、とりわけ第一、第二、第三級脂肪族又は芳香族アミン水酸化テトラメチルアンモニウム、NaOH、KOH、アンモニア、水酸化アンモニウム又はそれらの混合物を用いるのが特に好ましい。特に好ましくは、沈殿のために水酸化アンモニウムを用いる。

0027

インジウム化合物およびスズ化合物としては、沈殿及び例えばカ焼のような続く任意の後処理によりインジウムスズ酸化物粉末を得られるものであれば、全てのインジウム及びスズ化合物を用い得る。当然ながら、インジウム化合物及びスズ化合物の選択は、用いる沈殿方法に左右される。例えば、電解法の場合にはインジウム電極或いはインジウムスズ電極を使用でき、脱水法の場合にはインジウムスズ水酸化物をインジウム化合物及びスズ化合物として使用できる。

0028

好ましいインジウム化合物及びスズ化合物は、特にゾル−ゲル沈殿法の場合、塩化インジウムヨウ化インジウム硝酸インジウム、インジウムアセテート、硫酸インジウム、インジウムメトキシド又はインジウムエトキシドのようなインジウムアルコキシド、或いはそれらの混合物、また、塩化スズ硫酸スズスズメトキシド又はスズエトキシドのようなスズアルコキシド、或いはそれらの混合物であり、スズは+2又は+4の酸化状態で存在しインジウムは+3又はそれ以外の酸化状態、塩化物及びヨウ化物の場合は+1の酸化状態で存在する。

0029

インジウムスズ酸化物の前駆物質は主にインジウム及びスズのヒドロキシオキシ)縮合体を含む。

0030

インジウム化合物及びスズ化合物を1又はそれ以上の溶媒から共沈させる。インジウム化合物及びスズ化合物は、好ましくは該溶媒中に完全に溶解している。用いる溶媒は好ましくは水及び/又は有機溶媒である。特に好ましい溶媒は蒸留(純)水である。適当な有機溶媒は、極性非極性の両方及び非プロトン性溶媒を含む。それらの例は、1から6の炭素原子をもつ脂肪族アルコールのようなアルコール(特にメタノールエタノール、n−及びi−プロパノール及びブタノール);アセトン及びブタノンのようなケトン酢酸エチルのようなエステルジエチルエーテルテトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランのようなエーテルジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミドのようなアミドスルホラン及びジメチルスルホキシドのようなスルホキシドおよびスルホン;及び、例えばペンタンヘキサン及びシクロヘキサンのような(随意ハロゲン化した)脂肪族炭化水素である。勿論そのような溶媒の混合物も用い得る。

0031

用いる溶媒は、好ましくは(適当であれば減圧下での)蒸留によって容易に除去されうるような沸点を有する。200℃未満、とりわけ150℃未満の沸点を有する溶媒が好ましい。

0032

沈殿は表面改質成分の存在下で起こる。表面改質成分は、例えば短鎖有機分子を含みうる。この種の化合物は、好ましくは合計24以下、特に合計18以下、特に好ましくは12以下の炭素原子を有する。生じた一次粒子表面への吸着は、例えば共有或いはイオン結合により、及び/又は極性(双極子−双極子相互作用)或いはファンデルワールス力によってもよい。好ましくは、表面改質成分は1又はそれ以上の官能基を含む。これらの化合物が有する官能基は、主として得られたITO粉末の表面基により、更には所望の相互作用により導かれる。好ましい官能基の例は、カルボン酸基、酸アミド基、(第一、第二及び第三級)アミノ基、水酸基、及びβ−ジカルボニル化合物にあるようなC-H酸性基である。2又はそれ以上のこれらの基が1つの分子中に同時に存在することもできる(ベタインアミノ酸EDTA等)。

0033

従って、表面改質成分の例は、1から24の炭素原子を有する飽和或いは不飽和モノカルボン酸又はポリカルボン酸(好ましくはモノカルボン酸)である。

0034

更に適当な表面改質成分の例は、モノアミン及びポリアミンであり、特にそれらのうち一般式R3-nNHnであるものである:
ここでnは0、1又は2であり、互いに独立したR基は1から12、特に1から6、特に好ましくは1から4の炭素原子を有するアルキル基(例えばメチルエチル、n−及びi−プロピル及びブチル)及びポリエチレンアミンである;4から12、特に5から8の炭素原子をもつβ−ジカルボニル化合物;コロイダルシリカ表面改質に用いられるようなオルガノアルコキシシラン(例えば一般式R4-mSi(OR')m、ここで互いに独立したR及びR'基はC1-C4アルキルでありmは1、2、3又は4であるもの);及びいくつかのOR基(Rは上述の通り)が不活性有機基により置換された修飾アルコキシドであり、粒子表面への吸着(縮合)は残りのOR基により起こり、有機基が遮蔽機能引き継ぐ。それらの例はジルコニウム及びチタンのアルコキシドM(OR)4(M=Ti, Zr)であり、ここでいくつかのOR基は例えばβ-ジカルボニル化合物又は(モノカルボン酸のような錯化剤により置換されている。

0035

用い得る表面改質成分の更なる基は界面活性剤を含み、例は陽イオン陰イオン非イオン及び両性界面活性剤である。非イオン界面活性剤が好ましく、ポリエチレンオキサイド誘導体については特に好ましい。これらは例えば飽和或いは不飽和(モノ)カルボン酸の誘導体、特に7より多くの、好ましくは11より多くの炭素原子をもつカルボン酸の誘導体でもよく、例えば商標“Emulsogen”のもとで入手しうる製品のような、ステアリン酸パルミチン酸又はオレイン酸のポリエチレンオキサイド誘導体がある。それらはまたソルビタンエステルの誘導体(ソルビタン+カルボン酸)でもよく、適当なカルボン酸の例は上述の通りである。これらの製品は“Tween”の商標のもとで商業的に入手可能である。更に、例えば7より多くの、好ましくは11より多くの炭素原子をもつアルコールについての、ポリエチレンオキサイド(モノ)アルキルエーテルを用いることもでき、例として登録商標“Brij”のもと入手し得る製品が挙げられる。

0036

使用できる表面改質成分の詳細例は
a.ギ酸酢酸プロピオン酸酪酸ペンタン酸ヘキサン酸アクリル酸
メタクリル酸クロトン酸クエン酸アジピン酸コハク酸グルタル酸
シュウ酸マレイン酸フマル酸イタコン酸、ステアリン酸、及び特に
3,6,9-トリオキサデカン酸のようなモノカルボン及びポリカルボン酸、また
対応する無水物、
b.アセチルアセトン、2,4-ヘキサンジオン、3,5-ヘプタンジオンアセト酢酸
、エチルアセト酢酸のようなアセト酢酸C1-C4アルキルエステルビア

0037

チル及びアセトニルアセトン、のようなジケトン
c.特にβ−アラニン、またグリシンバリンアミノカプロン酸ロイシン
よびイソロイシン、のようなアミノ酸、
d.特にTween(登録商標)80(ソルビタンモノオレアートポリオキシアル
レン)、またEmulsogen(登録商標)(ヘキサグリコールモノステアレート
)、Emulsogen(登録商標)OG(オレイン酸誘導体)及びBrij(登録商標)
30(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、のようなポリエチレンオキサ
ド誘導体、
e.酸アミド、特にカプロラクタム、及び
f.例えばメチルアミンジメチルアミントリメチルアミンアニリン、N-メ
チル-アニリン、ジフェニルアミントリフェニルアミントルイジン、エ
レンジアミン及びジエチレントリアミン、のようなアミンである。

0038

これらの表面修飾成分は、個々に又は混合物として使用され得る。特に好ましい化合物は、3,6,9−トリオキサデカン酸、β−アラニン、Tween80(登録商標)及びカプロラクタムである。

0039

表面修飾成分のフラクションは、ITO粉末に基いて、好ましくは2及び30重量%の間で、特に好ましくは2及び6重量%の間である。

0040

表面修飾成分の存在下での沈殿は、好ましくは室温(20℃)から溶媒の沸点までの温度で起こる。特に好ましくは20から100℃の範囲の温度がよい。表面修飾成分は通常、形成するインジウムスズ酸化物粉末粒子の表面に完全に又は部分的に付着している。どの理論にも頼ることなく、表面修飾成分が、溶媒を除去した後及びカ焼した後、粉末粒子の表面上に少なくとも一部は残存し得ると想定される。しかし、表面修飾成分がもはや最終生成物中に存在しないことも可能である。

0041

次に、例えばろ過、蒸発及び/又は遠心分離によって、望むなら例えば真空下及び/又は高温下で(例えば250℃まで又は200℃までの温度で)乾燥、又は凍結乾燥によって溶媒を除去する。得られた粉末は、通常インジウムスズ酸化物/水酸化物の混合物の粒子からなり、粒子は表面の修飾を受けているかもしれない。

0042

次に、得られた粉末をカ焼する。好ましくは、これはオーブン中で行われる。例えば、カ焼は200から400℃の間、好ましくは230から280℃の間の温度で、特に好ましくは250℃で起こる。恒温保持時間は、例えば15から120分の間、好ましくは45から90分の間、特に好ましくは60分である。

0043

カ焼は、好ましくは還元条件下で行われ、再び上記を参照される工程条件を用いる。還元条件は、好ましくは還元ガスガス混合物又は還元蒸気をシステム中に通すことによって得られる。還元成分を導入する前に、オーブンに不活性ガス、例えば窒素フラッシュすることができる。還元ガス/ガス混合物又は還元蒸気として、例えば一酸化炭素、一酸化炭素/窒素、水蒸気雰囲気又は成形ガス水素/窒素)を使用することができる。成形ガスの使用は、特に好ましい。使用されるガス流速は、カ焼される粉末の量及び還元成分に依存する。

0044

もし、粉末が還元条件下にカ焼されなかったら、例えば還元条件下に粉末を焼結すること又は成形することにより、カ焼の後に還元が行われ得る。その場合、上述のガス/ガス混合物又は蒸気を用いて、再び還元が行われ得る。

0045

表面修飾成分を使用するにもかかわらず、カ焼された、任意に還元された粉末は、この形において、単純な分散によって、通常低nm範囲である一次粒度を有するサスペンションに、まだ不完全にしか変換され得ない。

0046

本発明によれば、カ焼された粉末は、更なる表面修飾成分及び1又はそれ以上の溶媒を添加して、粉砕又は分散処理に供される。粉砕又は分散処理は、あらゆる考えられる方法で起こり得;好ましくは粉砕処理である。特に好ましくは、機械的粉砕処理及び/又は超音波粉砕処理が挙げられる。

0047

機械的粉砕工程は、例えば微粉砕機押出機又はローラーコンベヤーで行われ得る。機械的粉砕に適した装置の例は、遊星形ボールミル撹拌ボールミル、そして特にせん断ロール押出機、モルタルミル及びトリプルロールミルを含む。例えば、粉砕及び均質化からなる粉砕は、好ましくは室温で行われる。継続時間は、混合物の性質及び使用される粉砕装置に依存する。

0048

粉砕又は分散は1又はそれ以上の表面修飾成分を添加して行われる。原則として、これらは沈殿中に用いられるための表面修飾成分として既に上述した同じ化合物である。この段階において、沈殿中に使用された同じ化合物を表面修飾成分として使用することができる。しかし、その代わりに、異なる表面修飾成分が沈殿中及び粉砕中に使用され得る。

0049

無水物及び酸アミドのような有機カルボン酸及びその誘導体は、粉砕又は分散中に、表面修飾成分として使用するのが好ましい。上述した例が参照される。特に好ましくは、3,6,9−トリオキサデカン酸の使用が挙げられる。

0050

粉砕及び分散において、表面修飾成分は、使用されるインジウムスズ酸化物粉末に基いて、好ましくは2から30重量%、特に好ましくは2から10重量%の量で添加される。

0051

粉砕又は分散は、好ましくは1つ以上の溶媒を添加して行われる。使用される溶媒は、沈殿工程のための上述した溶媒と同じでよい。しかし、溶媒として高沸点の液体の使用が好まれる。この場合の高沸点の液体は、例えば120℃より高い、好ましくは150℃より高い沸点を有する液体である。好ましくは高沸点のグリコール又はグリコールエーテルの使用が挙げられ、例としてエチレンプロピレン又はブチレングリコール、又は対応するダイマートリマーテトラマーペンタマー又はヘキサマー、及び1又は両方の水酸基が、例えばメトキシエトキシプロポキシ又はブトキシ基で置換された対応するモノエーテル又はジエーテルが挙げられる。更なる例として、テルピネオールのようなテルペン類、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなポリオール類、及びジエチレングリコールトリエチレングリコールテトラエチレングリコールジエチレングリコールジエチルエーテルテトラエチレングリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールモノブチルエーテルのような、ポリエチレングリコール及びそのエーテルが挙げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく使用される。もちろん、これらの溶媒の2又はそれ以上の混合物を、例えば2:1から1:2の容量比で使用することもまた可能である。

0052

粉砕又は分散のために、使用されるインジウムスズ酸化物の粉末に基いて、溶媒は5から150重量%、好ましくは10から100重量%、特に好ましくは30から50重量%の量が添加され得る。粉末の溶媒に対する特に好ましい割合は75:25である。溶媒の量は、好ましくはペースト状又は高粘度のサスペンションが得られるように、選択される。

0053

このようにして得られたITOサスペンションは、例えばコーティングの目的に直接使用され得る。もし望むなら、更なる溶媒(すでに使用されたもの又は上述した溶媒のうち他のもの)を、粘性を上昇させるために予め添加してもよい。

0054

バインダーをITOサスペンションに添加してもよい。得られた塗料又は成形材料も同様に、コーティング材料及び/又は成形物として使用され得る。バインダーは、例えば1から95容量%、好ましくは5から80容量%の層におけるITO充填レベルを与えるような量で添加され得る。この文脈中ITO充填レベルという用語は、基質への適用及び乾燥の後で得られる層の全固体含有量基く容量%での、インジウムスズ酸化物又はインジウムスズ酸化物粉末の量のことをいう。

0055

バインダーとして、原則的には当業者に公知の無機の、有機的に修飾された無機の又は有機のバインダー及びそれらの混合物の全てを使用することができる。有機バインダーの例は、ポリオレフィン類PVC、ポリビニルアルコールポリビニルエステル又はポリスチレンのようなポリビニル樹脂アクリレート又はメタクリレートのようなアクリル樹脂アルキド樹脂ポリウレタンワニス、尿素、メラミンフェノール樹脂ワニス、又は酢酸又は酪酸によるセルロースエステル類のようなセルロースエステル類が挙げられる。

0056

好ましくは、バインダーは無機の又は有機的に修飾された無機のバインダーからなる。有機的に修飾された無機のバインダーの例として、ポリオルガノシロキサン又はシリコンワニスが挙げられる。ポリオルガノシロキサン及びシリコンワニスは好ましくは、ゾル−ゲル法(ゾル−ゲルワニス)によって合成される。それらは好ましくは、加水分解性シランを使用して合成される。加水分解性シランは置換基−好ましくは非加水分解性の置換基を含んでもよい。

0057

加水分解性シランは、好ましくは一般式RnSiX4-nのシランを含む。基Xは、同一又は異なっていてもよいが、好ましくは同一のものがよく、加水分解性基である。基Xは、好ましくはハロゲン原子(特に塩素及び臭素)、アルコキシ基アルキルカルボニル基及びアシルオキシ基から選ばれ、特に好ましくはアルコキシ基、特にメトキシ及びエトキシのようなC1-4のアルコキシ基が挙げられる。nは、1、2又は3、好ましくは1又は2、特に好ましくは1を採用してもよい。使用される加水分解性シランもまた、好ましくは、使用される全単量体の加水分解性シランに基いて50モル%未満のフラクション中において、nが0である上記式の完全に加水分解可能なシランを含み得る。

0058

基Rは、同一又は異なっていてもよいが、アルキル、アルケニルアリールアルキルアリールアリールアルキル又はR'Yであってもよい。R'は酸素又は硫黄原子、又はNH基によって割り込まれ得る直鎖又は分岐したアルキレン、又はフェニレンアルキルフェニレン又はアルキレンフェニレンである。Yは、それによって架橋が可能な官能基である。Yの例として、置換されていない又は置換されたアミノ、アミド、アルキルカルボニル、置換されていない又は置換されたアニリン、アルデヒドケトカルボキシルヒドロキシルアルコキシアルコキシカルボニルメルカプトシアノ、ヒドロキシフェニル、アルキルカルボキシレートスルホン酸リン酸アクリロイルオキシメタクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、グリシジルオキシエポキシドアリル又はビニル基が挙げられる。好ましくは、Yは、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、グリシジルオキシ、エポキシド、ヒドロキシル又はアミノ基である。

0059

上記式において、2回以上生じる基R、R'、X及び/又はYは、それぞれの場合において1つの化合物中に同じ意味又は異なった意味を有し得る。異なった加水分解性シランの混合物を使用することもまた可能である。

0060

加水分解性シランの代わりに、又は(好ましくは)加水分解性シランとの混合物中では、本発明に従って、加水分解性金属化合物、好ましくは周期表の主族Ia、IIa、IIIa及びIVa、及び遷移族IVb、Vb及びVIbの金属由来の化合物を使用することもでき、特に好ましくはアルミニウム、チタン及びジルコニウム(例えばAl、Ti及び/又はZrのアルコキシド)が挙げられる。

0061

無機バインダーの例は、例えば非加水分解性の置換基を有さない加水分解性シラン、つまり、例えばnが0でXが上で定義されたようなものである上記式RnSiX4-
nの化合物から合成される、シリコンワニスが挙げられる。シランの代わりに又はシランに加えて、好ましくは周期表の主族Ia、IIa、IIIa及びIVa、及び遷移族IVb、Vb及びVIbの金属由来の金属化合物を使用することもでき、特に好ましくはアルミニウム、チタン及びジルコニウムの化合物が挙げられる。

0062

使用され得る無機バインダーの更なる例は、上述したインジウム化合物及びスズ化合物の完全に結晶化されていない沈殿生成物包含する。使用される化合物、条件及び方法は、好ましくはどの表面修飾成分も使用されないことを除いて、インジウムスズ酸化物の前駆体の沈殿のために述べられたものと同じである。

0063

このITO沈殿生成物は、表面の水酸基を有する不完全に結晶化されたヒドロキシ(オキシ)生成物を構成するように、乾燥されるがもし望むならカ焼されない。

0064

バインダー、特に無機の及び有機的に修飾された無機のバインダーは、そのモノマー又はプレ縮合物の形でも使用されてもよく、本発明のITO粉末又は本発明のITOサスペンションと混合された後更に縮合されてもよい。

0065

バインダーはまた、ナノスケールの無機粒子固体ナノ粒子)を含んでもよい。使用され得るナノ粒子は、例えば200nm以下の平均粒度を有し;好ましくは粒度範囲が50nm以下である。例えば、ナノ粒子は粉末又はゾルの形で添加してもよい。

0066

ナノスケールの無機粒子固体は、どの望ましい材料からなっていてもよいが、好ましくは金属からなり、特に、例えばZnO、CdO、SiO2、TiO2、ZrO2、CeO2、SnO2、Al2O3、In2O3、La2O3、Fe2O3、Cu2O、Ta2O5、Nb2O5、V2O5、MoO3又はWO3のような(無水の又は水和した)酸化物;例えば硫化物(例えばCdS、ZnS、PbS及びAg2S)、セレン化物(例えばGaSe、CdSe及びZnSe)及びテルル化物(例えばZnTe及びCdTe)のようなカルコゲニド、AgCl、AgBr、AgI、CuCl、CuBr、CdI2、PbI
2のようなハロゲン化物;CdC2又はSiCのような炭化物;AlAs、GaAs及びGeAsのような砒化物;InSbのようなアンチモン化物;BN、AlN、Si3N4及びTi3N4のような窒化物;GaPInP、Zn3P2及びCd3P2のようなリン化物リン酸塩ケイ酸塩ジルコン酸塩アルミン酸塩スズ酸塩及び対応の混合酸化物(例えばBaTiO3及びPbTiO3のようなペロブスカイト構造を有するもの)のような金属化合物からなっていてもよい。

0067

付加−重合可能な及び/又は重縮合可能な有機表面基を有するナノスケールの無機粒子固体を使用することもできる。そのような付加−重合可能な及び/又は重縮合可能なナノ粒子及びそれらの調製は、例えばDE 197 46 885に記載されている。

0068

好ましいバインダーの例は、DE-A-41 18 184に記載されているフッ素−含有無機重縮合物であり、特にDE-A-43 38 361に記載されているエポキシド基を含むポリオルガノシロキサンである。

0069

ITOサスペンション及びバインダーから得られるこの混合物は、ITOの層が得られる場合において、コーティング目的の塗料及び成形材料として、同様に使用され得る。ITO粉末及びバインダーを含むコーティング成分は、全ての基質(透明の基質を含む)において透明で、耐引掻性で、IR−吸収性の層を作るために使用され得る。

0070

粉砕又は分散の段階で、もし望むなら1又はそれ以上のバインダーを更に添加することも可能である。これらのバインダーもまた、例えば使用される溶媒との混合物として添加され得る。使用され得るバインダーの例は、上記で記載されている。1又はそれ以上のバインダーの添加を伴う粉砕及び分散処理の実施は、1又はそれ以上の溶媒の添加のために、上で述べたのと同じ条件によって調節される。使用されるバインダーの量は、上述した充填レベルが得られるようなものであればよい。その場合において、得られた混合物は、例えばコーティングの目的で塗料として直接使用され得る。原則的には、バインダーはまた、適当な粘性を有している場合は溶媒の代わりに使用され得る。

0071

あるいは、ITO粉末は、液体成分を除去することによってITOサスペンションから(例えばろ過、蒸発、遠心分離及び/又は乾燥によって)得られ得る。得られたITO粉末は、通常、実質上ナノ結晶である。

0072

得られたITO粉末、及びITOサスペンション及びITO塗料及び成形材料は、主として一次粒子からなり、凝集物が実質的には存在しないインジウムスズ酸化物のナノスケールの結晶粒子を含む。従って、本発明の方法によって、インジウムスズ酸化物に基いて、粒子のサイズが200nm以下の、粉末、サスペンション、成形体及び塗料及び成形材料を供給することが可能である。特に、50又は20nm未満及び10から11nm未満までもの粒度を得ることができる。粒度は通常2nmより大きく、より頻繁には5nmより大きい。驚くべきことに、得られた粉末は、例えばアルコール性溶液(例えばエタノール)、及び水に、問題なく完全に一次粒度に分散され、上述した粒度を保持し、すなわち、一次粒子は、凝集物を形成しないでそのままであることができる。ITO粉末を分散させるために、原則としてあらゆる適した溶媒を使用することが可能であり、沈殿のためには、例としては上記で記載された溶媒が挙げられる。

0073

インジウムスズ酸化物を粉末として保つこと、及び必要な時に代わりに粉末自体、サスペンション、塗料及び成形材料又は成形物として使用することができる。塗料及び成形材料という用語はまた、例えばITO粉末を粘性溶媒と反応させることにより得られるペーストも含む。上述したITO材料は、例えば浸漬及びスプレー技術によって、コーティングに好ましく使用され得る。

0074

成形物は、当業者に知られている造形技術によって、ITO粉末から製造され得る。述べることができる例は、押し出し成形スリップキャスティング射出成形電気泳動フィルムキャスティング又はスクリーン印刷を含む。使われる技術に基いて、バインダーを使用することも可能である。適したバインダーの例は、上述したものである。作られた成形物は、例えば層又は焼結された本体、得にターゲットであってもよい。ターゲットは特に、支持体をコーティングするためのスパッタリング技術に関連して使用される。本発明の材料の特別の利点は、通常のインジウムスズ酸化物材料と比較して、実質的により低い温度が成形物を形作るために必要であることである。本発明に従って製造された成形物は、オプトエレクトロニクス及びマイクロエレクトロニクスにおける伝導システムのための成分又は機能的要素として、又はスパッタリング装置におけるITO源として使われる。

0075

述べたように、本発明に従って調製されたITO材料は、コーティングの目的で使用されることができ、その場合に1又は2以上のバインダーがITO材料中に存在することができる。コーティングに適した技術は、通常のもので当業者に知られているものである。その例は、浸漬、スプレー、ナイフコーティング、塗布、はけ塗り及びスピンコーティングである。適したコーティング支持体は、例えば、プラスチック、金属、ガラス、半導体(例えばシリコンウェハー)又はセラミックのようなどの望ましい材料でもよい。ITO層は、IRの遮断及び帯電防止処理に使用され得る。IRの遮断は、例えばIRの吸収又はIRの反射によって起こり得る。

0076

本発明に従って調製されたITO材料は、好ましくはオプトエレクトロニクス及びマイクロエレクトロニクスにおけるコーティング材料として、又は光学的な(透明な)IR−遮断又は導伝コーティングのために使用される。それらはスクリーン印刷のペーストのためにも使用され得る。例えば、それらは好ましく、液晶ディスプレイのための透明ドライバー電極、薄膜電場発光ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、高感受性放射セレクターのための透明導電層、強誘電性の光伝導体メモリシステム充電のためのゲート電極としての透明導電酸化物フィルム、インジェクション及び電荷結合システムに、並びに、例えばガラス、セラミック及びプラスチックを印刷するのに適した印刷ペーストを調製するため、電磁波を遮蔽するため、IR−反射層及びプラスチックのため、ソーラーセルのための導電電極帯電防止フィルム又はテレビスクリーンモニター及び接触スクリーンのためにもまた好ましく使用される。

0077

本発明のITO材料を使用する更なる可能性は、プラスチックガラスプロジェクターのIRバリア、ランプの後のIRバリア、IR吸収コーティング、熱保護スクリーン(例えばベーキングオーブンガラススクリーンのコーティングとして)、ソーラーコレクター熱交換機の膜、及び全ての支持体及び物品の抗露/抗霧コーティング(例えば乗り物、窓、ファサード精密機器交通標識掲示板及び冷却設備の窓)のような金属、ガラス、セラミック及びプラスチック上の透明熱放射線吸収材への使用を含む。

0078

以下の実施例は、本願発明を限定することなく示す。

0079

実施例
1.ITOサスペンション及びITO粉末の調製
a)前駆体InO(OH)の調製
−140gのインジウム(+III)クロライド(0.63mol無水物)
−18gのスズ(+IV)クロライド×5H2O
−5.6gのカプロラクタム
を1400mlの水に入れ、撹拌する。透明な溶液が作られた後、50℃に加熱する。この温度に達した後、105mlの水酸化アンモニウム溶液(25%濃度)を激しく撹拌しながら滴下する。サスペンションを50℃の温度で更に24時間撹拌する。完全に沈殿させるために、更に280mlの水酸化アンモニウム溶液を続けて混合液に添加する。インジウムスズ水酸化物の白色沈殿が形成され、遠心分離で除かれる(4000rpmで30分)。粉末のわずかな黄変が見られるまで、粉末を真空乾燥キャビネット中で190℃で乾燥させる(結晶インジウム酸化物への変換)。

0080

b)乾燥インジウム酸化物水酸化物の後処理

0081

乾燥粉末をよくすりつぶし、結晶化皿に分配し、成形ガスオーブン中に置く。オーブンの空気を抜き、窒素ガスを流す。オーブンを、250℃/時間及び200リットル/時間の窒素の流速で250℃に加熱する。成形ガス雰囲気下、300リットル/時間のガスの流速で、この温度を60分間維持する。その後、オーブンを室温に達するまで窒素雰囲気下で冷やす(継続時間:約5時間)。X線解析により純粋なインジウム酸化物相であると認識し得た暗青色粉末がこのようにして得られる。

0083

モルタルミルを25gの50重量%のエチレングリコールと50重量%のジエチレングリコールモノブチルエーテルの混合物(あるいは、エチレングリコールの代わりにジエチレングリコールが使用でき、及び/又はジエチレングリコールモノブチルエーテルの代わりにジブチレングリコールエーテル類が使用できる)、及び5.6gの3,6,9−トリオキサデカン酸の混合物の25gで充満させる。本発明に従って製造される75gのITO粉末をゆっくりと添加し、1又は2時間微粉砕が行われる。これにより高粘度の暗青色のサスペンションを得、それは約20分ローラコンベヤー上で均質化される。このようにして得られた43gのサスペンションを57gのエタノールに導入して撹拌することにより、得られたサスペンションをエタノールに再分散させる。

0084

エタノールの分離によって、エタノール中で20nm未満の粒度に再分散されるITO粉末が作られる。一次粒度は10から11nmで、比表面積は70m2/gである。等電点:7.2。スズ含有量は通常8モル%である。これらの粉末から、550℃のベーキング温度で400nmのフィルム厚で、ガラス上で>90%の透過率で160Ω/□の表面抵抗を実現することができるゾル−ゲル層を適用することが可能である。2又はそれ以上の層を適用することができ、その場合は表面抵抗が更に減少する。このようにして2重層(600nmの層厚)で得られた表面抵抗は、ちょうど100Ω/□である。

0085

バリアント2

0086

モルタルミルを25gのエタノール(又はブタノール)及び5.6gの3,6,9−トリオキサデカン酸で充満させる。本発明に従って製造される75gのITO粉末をゆっくりと添加し、2時間微粉砕が行われる。これにより、高粘度の暗青色のサスペンションを得、それは約20分ローラーコンベヤーで均質化される。このようにして得られるITOサスペンションを144.4gのエタノールで希釈し、撹拌する。

0087

両方のバリアントから、30重量%のITOを含むITOサスペンション、及びエタノール中5.4容量%のナノ粒子がそれぞれ得られる。サスペンションはコーティングの目的で使用される(上記参照)。

0088

バリアント3

0089

ロール−タイプの混練装置を30gのエタノール(又は、ブタノール又は50/50エチレングリコール/ジエチレングリコールモノブチルエーテル混合液)及び7.2gの3,6,9−トリオキサデカン酸で充満させる。混練条件下で、5×20gのITO粉末を添加し、混合物を30分間均質化する。これにより、80重量%(38容量%に対応する)の固形分を有する、高粘度の暗青色液体のサスペンションが得られる。かくして得られた40gのサスペンションを70gのエタノールに添加し、撹拌することにより、このサスペンションをエタノール中に分散させる(固形分4.6容量%)。

0090

2.発明のITO材料からのターゲットの製造

0091

この実施例において、スパッタリングユニット中ITO源としてのターゲットは、電気泳動沈着によって作られる。この目的に使用される沈着セルは、間にサスペンションが位置する、25mmの有効直径を有する2つの向かい合う円形の、平面の、光沢のある電極を含む。沈着電極ガラス質カーボンを含み、対向電極ステンレス鋼からなる。

0092

30重量%又は5.4容量%の固形分を有するエタノール性ITOサスペンション(上記のバリアント1に従って製造された)由来の、組織的な電気泳動の沈着実験は、沈着時間(15-60分)及び沈着電界強度(30-180V/cm)の関数として行われた。沈着電極上に沈着する未処理物体の質量は、適用される電界強度及び沈着時間とともに直線的に増える。電界強度(V/cm)及び沈着時間(分)に標準化された、沈着した質量は、約3・10-3g・cm/min・Vである。これは、約2.4・10-4 cm・cm /min・Vの標準化された物体の形成速度(cm/min)に対応する。30V/cmの沈着電界強度及び60分の沈着時間で、4.3mmの厚さの未処理物体が沈着する。沈着電極からのITOの未処理物体の沈着及び分離の後、亀裂なしで乾燥できるコンパクトな未処理物体が得られた。乾燥したITOの未処理物体は、理論上の密度の40%の未処理密度を有する。

0093

封入されたITO成形品(未処理物体;Al2O3カプセル)を用いた雰囲気オーブン中での焼結実験は、1400−1600℃の温度範囲で圧力を適用することなく行われた。焼結温度が上昇するにしたがって、熱的高密度化の上昇が得られる。1600℃で6時間の焼成期間の後、理論上の密度の97%の密度が得られる。

0094

3.発明のITO材料由来の塗料の製造
a)ベーマイトゾルの製造(DE-A-4338361に従う):
34.06gの0.1N HClを酢酸で安定化させた0.48gのベーマイト粉末(6.4重量%酢酸)に添加した。ゾルAの製造に更に直接使用される透明で無色のサスペンションを得た。

0095

b)ゾルAの製造(DE-A-4338361に従う):
4.86gの上記ベーマイトゾルを23.63gのグリシジルプロピルトリメトキシシランGPTS)及び12.50gのテトラエトキシシラン(TEOS)の混合物に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、11.36gのアルミニウムトリブトキシエトキシドを氷冷しながら添加した。添加が終了した後、混合物を0℃で2時間さらに撹拌し、その後、29.68 gの上記ベーマイトゾルを一部ずつ添加した。

0096

c)ITOナノ粒子混和

0097

水(あるいは、例えばエタノール又はブタノールが使用され得る)中の本発明(バリアント1)に従って製造された40重量%(=6.9容量%)のITOナノ粒子のサスペンションを、ゾルAと混合し、25℃で12時間撹拌する。使用されるサスペンション及びゾルAの量は、望ましいITO充填レベルに左右される(つまり、全固形分に基いたITOの容量%)。

0098

例えば、28.69gの40重量%又は6.9容量%のITOサスペンション及び10.00gのゾルAを用いると、80重量%又は68容量%のITO充填レベル有するコーティングが得られる。

0099

d)層の加工:

0100

塗料を使用する際、ポリカーボネート、ガラス及びガラス質のシリカスピン−コーティングされる。支持体は、予めAr/O2プラズマで処理されたが、処理は以下に述べられる特徴に必須ではない。コーティングされた支持体は、バインダーの供給に従って120−140℃で2−4時間硬化される。

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