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技術 自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造

出願人 日鍛バルブ株式会社日産自動車株式会社株式会社ダイナックス
発明者 愛野浩史本間弘一両角宏喜前洋介向一仁
出願日 2001年6月15日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 2001-181657
公開日 2002年12月26日 (19年1ヶ月経過) 公開番号 2002-371814
状態 特許登録済
技術分野 特殊操作のための弁装置 ブレーキ装置
主要キーワード カシメ部位 相対摺動面 小径凹 交差孔 オイル導入用 内外周縁 環状空洞 側周方向
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

解決手段

カムシャフト2に回転ドラム44が支承され、回転ドラム44のディスク面に制動力を作用させる電磁ブレーキ手段40が設けられ、制動力による回転遅れ連係して位相が変わる位相可変装置であって、クラッチケース60内に収容した電磁コイル42と、クラッチケース62の開口側を閉塞する摩擦材保持プレート62と、摩擦材保持プレート62に接着されてクラッチケース60の内周壁前縁部に設けた切欠を介し、エンジンオイルを摩擦材と回転ドラム44の相対摺動面に導く電磁ブレーキ冷却構造において、クラッチケース外周壁60b前縁部にオイル導出用の切欠61bを設け、冷却用オイル循環活発化して摩擦材の摺動面の冷却効果を高める。

概要

背景

この種の位相可変装置としては、例えば、特開平4−272411号が知られている。これは、図11に示すように、エンジンクランクシャフト駆動力が伝達される駆動部材スプロケット)1と動弁機構を構成するカムシャフト2間に介装した移動板3を軸方向に移動させることで、駆動部材1とカムシャフト2間の位相が変化するように構成されている。即ち、周方向に回り止めされた電磁ブレーキ手段4により、カムシャフト2に回転可能に支承されている回転ドラム5に制動力を作用させ、これにより回転ドラム5が駆動部材1に対し遅延するとともに、連係して移動板3が軸方向に移動して、カムシャフト2が駆動部材1に対し回動して両者1,2間の位相が変化する。なお、同装置はエンジンルーム内部に配置されて、エンジンオイル雰囲気下で駆動する。

電磁ブレーキ手段4は、電磁コイル4aを収容した横断面コ字型環状のハウジング4bと、ハウジング4bの開口部を閉塞する板部材4cと、板部材4cに接着された摩擦材4dとを備えて構成されている。そして、ハウジング4bの摩擦材4dと回転ドラム5間の相対摺動面では、摺動熱により摺動面温度高温となると、エンジンオイル中に分散している酸化防止剤摩擦調整剤清浄分散剤等の添加剤反応物オイル中の不溶解分により、一般に多孔質材で構成されている摩擦材4dの表面が目詰まりし、摩擦材4dと回転ドラム5間に発生する摩擦トルクが低下する可能性があった。

このため、ハウジング4bの摩擦材4dと回転ドラム5間の相対摺動面の高温化を抑制するために、カムシャフト2内のオイル通路6a,交差孔6b,空洞6c,交差孔6d、カムシャフト2とハウジング4b間の環状空洞6e、およびハウジング4bの内周壁前縁部に設けたノッチ6fを介して、摩擦材4dと回転ドラム5間の相対摺動面にエンジンオイルを供給して、相対摺動面を冷却する構造となっている。

概要

電磁クラッチの摩擦材と回転ドラム間の相対摺動面を冷却するための位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造を提供する。

カムシャフト2に回転ドラム44が支承され、回転ドラム44のディスク面に制動力を作用させる電磁ブレーキ手段40が設けられ、制動力による回転遅れに連係して位相が変わる位相可変装置であって、クラッチケース60内に収容した電磁コイル42と、クラッチケース62の開口側を閉塞する摩擦材保持プレート62と、摩擦材保持プレート62に接着されてクラッチケース60の内周壁前縁部に設けた切欠を介し、エンジンオイルを摩擦材と回転ドラム44の相対摺動面に導く電磁ブレーキ冷却構造において、クラッチケース外周壁60b前縁部にオイル導出用の切欠61bを設け、冷却用オイル循環活発化して摩擦材の摺動面の冷却効果を高める。

目的

本発明は、前記した従来技術の問題点および前記した発明者の知見に基づいてなされたもので、その目的は、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動面を冷却するためのエンジンオイルの循環を活発にすることで、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動面の高温化の抑制に有効な自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
4件

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請求項1

クランクシャフト駆動力が伝達される円環状スプロケットに対し動弁機構を構成するカムシャフト同軸状で相対回動可能に配置され、前記カムシャフトに回転ドラムが回転可能に支承され、前記回転ドラムと軸方向に正対する位置には、前記回転ドラムに制動力を作用させる電磁ブレーキ手段が設けられ、前記制動力によって回転ドラムに生じる前記スプロケットに対する回転遅れ連係して、前記スプロケットとカムシャフト間の位相が変わる自動車用エンジンにおける位相可変装置において、前記電磁ブレーキ手段は、前記回転ドラムのディスク面に向けて開口する横断面コ字型円環状で周方向に回り止めされたクラッチケースと、前記クラッチケース内に収容された電磁コイルと、前記クラッチケースの開口部内側に固定された摩擦材保持プレートと、前記摩擦材保持プレートに接着されて、その表面が前記クラッチケースの内外周壁前縁部より僅かに突出する偏平摩擦材とを備え、前記クラッチケースの半径方向内側には、前記カムシャフトのオイル通路に連通し、かつ前記クラッチケースと回転ドラム間の相対摺動部の内周側に連通するオイル溜りが設けられ、前記クラッチケースの内周壁前縁部には、オイル導入用切り欠きが設けられて、前記オイル溜りのエンジンオイルが前記オイル導入用の切り欠きから前記摩擦材と回転ドラムの相対摺動面部に導かれるように構成された自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造であって、前記クラッチケースの外周壁前縁部には、前記摩擦材と回転ドラムの相対摺動面間のエンジンオイルを外方に導出するオイル導出用の切り欠きが設けられたことを特徴とする自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造。

請求項2

前記回転ドラムのディスク面の前記摩擦材に正対する位置には、前記摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるオイルを導出するオイル導出孔が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造。

請求項3

前記オイル導出孔は、前記クラッチケースの内周壁寄りに設けられたことを特徴とする請求項2に記載の自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造。

請求項4

前記クラッチケースに設けられたオイル導入用の切り欠き,オイル導出用の切り欠きおよび前記回転ドラムに設けられたオイル導出孔は、それぞれ周方向複数個所に設けられたことを特徴とする請求項2または3に記載の自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造。

請求項5

前記摩擦材は、前記ベースプレート整合するリング状に形成されるとともに、その表面側には、前記オイル導入用の切り欠きとオイル導出用の切り欠きを連絡するオイル溝が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造。

請求項6

前記クラッチケースの内外周壁と前記摩擦材の内外周縁部間には、それぞれ周方向に連続する隙間が設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造。

請求項7

前記摩擦材は、カーボン繊維アラミド繊維の双方もしくはいずれか一方からなる不織布に熱硬化性樹脂含浸硬化させた、全気孔の80容積%以上の気孔が5〜100μmの気孔径範囲にある多孔質成形体で構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造。

技術分野

0001

本発明は、電磁ブレーキ手段により回転ドラム制動力を作用させて、スプロケットに対するカムシャフト回転位相を変化させてバルブ開閉タイミングを変化させる自動車用エンジンにおける位相可変装置に係わり、特に、位相可変装置の回転ドラムに制動力を作用させる電磁ブレーキ手段をエンジンオイル循環させて冷却する冷却構造に関する。

背景技術

0002

この種の位相可変装置としては、例えば、特開平4−272411号が知られている。これは、図11に示すように、エンジンクランクシャフト駆動力が伝達される駆動部材(スプロケット)1と動弁機構を構成するカムシャフト2間に介装した移動板3を軸方向に移動させることで、駆動部材1とカムシャフト2間の位相が変化するように構成されている。即ち、周方向に回り止めされた電磁ブレーキ手段4により、カムシャフト2に回転可能に支承されている回転ドラム5に制動力を作用させ、これにより回転ドラム5が駆動部材1に対し遅延するとともに、連係して移動板3が軸方向に移動して、カムシャフト2が駆動部材1に対し回動して両者1,2間の位相が変化する。なお、同装置はエンジンルーム内部に配置されて、エンジンオイル雰囲気下で駆動する。

0003

電磁ブレーキ手段4は、電磁コイル4aを収容した横断面コ字型環状のハウジング4bと、ハウジング4bの開口部を閉塞する板部材4cと、板部材4cに接着された摩擦材4dとを備えて構成されている。そして、ハウジング4bの摩擦材4dと回転ドラム5間の相対摺動面では、摺動熱により摺動面温度高温となると、エンジンオイル中に分散している酸化防止剤摩擦調整剤清浄分散剤等の添加剤反応物オイル中の不溶解分により、一般に多孔質材で構成されている摩擦材4dの表面が目詰まりし、摩擦材4dと回転ドラム5間に発生する摩擦トルクが低下する可能性があった。

0004

このため、ハウジング4bの摩擦材4dと回転ドラム5間の相対摺動面の高温化を抑制するために、カムシャフト2内のオイル通路6a,交差孔6b,空洞6c,交差孔6d、カムシャフト2とハウジング4b間の環状空洞6e、およびハウジング4bの内周壁前縁部に設けたノッチ6fを介して、摩擦材4dと回転ドラム5間の相対摺動面にエンジンオイルを供給して、相対摺動面を冷却する構造となっている。

発明が解決しようとする課題

0005

そして、前記した従来の電磁ブレーキ冷却構造では、摩擦材の摺動面を冷却する上で一応は満足できる。しかし、さらなる高温の環境下等においても有効であるためには、摩擦材の相対摺動面の高温化を抑制する上で、さらなる冷却効果に優れた新規方策が必要であることが希求されていた。

0006

そこで、発明者は、従来の冷却構造を十分に検討し、摩擦材4dと回転ドラム5間に供給されたオイルが遠心力で外方に飛散するに過ぎない従来構造に対し、ハウジング4bの外周壁前縁部にオイル導出溝切り欠き)を設けて、摩擦材4dと回転ドラム5間の相対摺動部にあるオイルを積極的に外方に排出させるようにすれば、摩擦材4dと回転ドラム5間の相対摺動部に導入されるオイル量も増えて、摩擦材4dと回転ドラム5間の相対摺動面を冷却するためのエンジンオイルの循環が活発となって冷却効果が上がる、と考え、実験を重ねた結果、実際に有効であることが確認されたので、本発明を提案するに至ったものである。

0007

本発明は、前記した従来技術の問題点および前記した発明者の知見に基づいてなされたもので、その目的は、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動面を冷却するためのエンジンオイルの循環を活発にすることで、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動面の高温化の抑制に有効な自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造を提供することにある。

0008

前記目的を達成するために、請求項1においては、クランクシャフトの駆動力が伝達される円環状スプロケットに対し動弁機構を構成するカムシャフトが同軸状で相対回動可能に配置され、前記カムシャフトに回転ドラムが回転可能に支承され、前記回転ドラムと軸方向に正対する位置には、前記回転ドラムに制動力を作用させる電磁ブレーキ手段が設けられ、前記制動力によって回転ドラムに生じる前記スプロケットに対する回転遅れに連係して、前記スプロケットとカムシャフト間の位相が変わる自動車用エンジンにおける位相可変装置において、前記電磁ブレーキ手段は、前記回転ドラムのディスク面に向けて開口する横断面コ字型円環状で周方向に回り止めされたクラッチケースと、前記クラッチケース内に収容された電磁コイルと、前記クラッチケースの開口部内側に固定された摩擦材保持プレートと、前記摩擦材保持プレートに接着されて、その表面が前記クラッチケースの内外周壁前縁部より僅かに突出する偏平な摩擦材とを備え、前記クラッチケースの半径方向内側には、前記カムシャフトのオイル通路に連通し、かつ前記クラッチケースと回転ドラム間の相対摺動部の内周側に連通するオイル溜りが設けられ、前記クラッチケースの内周壁前縁部には、オイル導入用の切り欠きが設けられて、前記オイル溜りのエンジンオイルが前記オイル導入用の切り欠きから前記摩擦材と回転ドラムの相対摺動面部に導かれるように構成された自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造であって、前記クラッチケースの外周壁前縁部に、前記摩擦材と回転ドラムの相対摺動面間のエンジンオイルを外方に導出するオイル導出用の切り欠きを設けるように構成した。

0009

なお、電磁ブレーキ手段によって作用する制動力により、回転ドラムにスプロケットに対する回転遅れが生じ、この回転遅れに連係して中間部材が軸方向に移動して、カムシャフトがスプロケットに対し回動する(スプロケットとカムシャフト間の位相が変化する)構成としては、例えば、実施例に示すように、回転ドラム44に螺合しかつスプロケット(外筒部10)とカムシャフト(内筒部20)に内外ヘリカルスプライン係合する中間部材30をスプロケット(外筒部10)とカムシャフト(内筒部20)間に介装した構成が考えられる。
(作用)エンジンのクランクシャフトの駆動力が伝達されるスプロケットと動弁機構を構成するカムシャフトが一体となって回動するように構成されて、スプロケットとカムシャフトとは同期して回転するが、電磁ブレーキ手段により回転ドラムに制動力が作用すると、回転ドラムにはスプロケットに対する回転遅れが生じ、この回転ドラムの回転遅れに連係して、スプロケットに対するカムシャフトの位相が変わる。

0010

クラッチケースの摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部には、カムシャフト内に設けたオイル通路,クラッチケースの半径方向内側に設けたオイル溜まりおよびクラッチケースの内周壁前縁部に設けたオイル導入用の切り欠きを介してエンジンオイルが導入されて、摩擦材と回転ドラムの相対摺動面を冷却するようになっているが、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動面部のエンジンオイルは、クラッチケースの外周壁前縁部に設けたオイル導出用の切り欠きを介して外方に積極的に導出されるため、それだけ摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部へのエンジンオイルの給排速度が速く、相対摺動面温度の高温化が抑制される。即ち、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるオイルの導出量が増える分、オイルの導入量も増え、それだけ摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるオイルの循環が活発となって、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動面に発生する摺動熱が循環するエンジンオイルに放熱されて、摩擦材と回転ドラムの相対摺動面の冷却効果が上がる。

0011

請求項2においては、請求項1に記載の自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造において、前記回転ドラムのディスク面の前記摩擦材に正対する位置に、前記摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるオイルを導出するオイル導出孔を設けるように構成した。
(作用)摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるエンジンオイルは、回転ドラムに設けたオイル導出孔からも外部に導出し、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部からのオイルの導出量が増える分、オイルの導入量も増え、それだけオイルの循環が活発となる。

0012

請求項3においては、請求項2に記載の自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造において、前記オイル導出孔を前記クラッチケースの内周壁寄りに設けるように構成した。
(作用)オイル導出孔からもオイルが外部に導出し、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部からのオイルの導出量がさらに増える分、オイルの導入量も増え、それだけオイルの循環速度が速くなるが、オイル導出孔から導出するオイルの流速は、オイル導出孔がオイル導入用の切り欠きに近い程、流路抵抗損失)が少なく、大きなオイル導出速度が確保されて、オイルの循環速度が速くなり、それだけ摩擦材の摺動面に新たなエンジンオイルが導入される。

0013

請求項4においては、請求項2または3に記載の自動車用エンジンにおける位相可変装置の電磁ブレーキ冷却構造において、前記クラッチケースに設けたオイル導入用の切り欠き,オイル導出用の切り欠きおよび前記回転ドラムに設けたオイル導出孔を、それぞれ周方向複数個所に設けるように構成した。
(作用)オイル導入用の切り欠き,オイル導出用の切り欠きおよびオイル導出孔の数が多い分、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるエンジンオイルの導入出量が増え、それだけオイルの循環も活発となって、摩擦材と回転ドラムの相対摺動面の冷却効果が上がる。

0014

請求項5においては、請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用エンジンの電磁ブレーキ冷却構造において、前記摩擦材を前記ベースプレート整合するリング状に形成するとともに、その表面側に、前記オイル導入用の切り欠きとオイル導出用の切り欠きを連絡するオイル溝を設けるように構成した。
(作用)摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部に導入されたエンジンオイルは、摩擦材表面のオイル溝に沿ってスムーズに流れて、オイル導出用の切り欠きから導出するので、摩擦材表面全体が均一に冷却されるとともに、オイルの導出量および導入量も増えて、それだけオイルの循環が活発となる。

0015

また、摩擦材表面のオイル溝を経由してオイルが容易に循環できるため、流体潤滑から境界潤滑への推移が容易となって、摩擦材と回転ドラムの相対摺動面間に作用する摩擦トルクが高められて、電磁ブレーキ手段作動時の回転ドラムに作用する制動力が高められる。

0016

請求項6においては、請求項1〜5のいずれかに記載の自動車用エンジンの電磁ブレーキ却構造において、前記クラッチケースの内外周壁と前記摩擦材の内外周縁部間に、それぞれ周方向に連続する隙間を設けるように構成した。
(作用)オイル導入用の切り欠きから導入したエンジンオイルは、クラッチケース内周壁と摩擦材間の隙間(オイル通路)を通って摩擦材の内周全域にスムーズに行きわたるとともに、摩擦材と回転ドラムの相対摺動部のオイルは、クラッチケース外周壁と摩擦材間の隙間(オイル通路)を通ってオイル導出用の切り欠きからスムーズに導出する。

0017

請求項7においては、請求項1〜6のいずれかに記載の自動車用エンジンの電磁ブレーキ冷却構造において、前記摩擦材を、カーボン繊維アラミド繊維の双方もしくはいずれか一方からなる不織布に熱硬化性樹脂含浸硬化させた、全気孔の80容積%以上の気孔が5〜100μmの気孔径範囲にある多孔質成形体で構成するようにした。
(作用)カーボン繊維とアラミド繊維の双方もしくはいずれか一方からなる不織布に熱硬化性樹脂を含浸し硬化させた多孔質成形体は、全気孔の80容積%以上の気孔が5〜100μmの気孔径範囲にあり、気孔径が大きく目詰まりしにくく、かつ回転ドラムのディスク面に大きな摩擦力制動トルク)を発生することができる。また、耐摩耗性も良好で、耐久性にも優れている。

発明を実施するための最良の形態

0018

次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。

0019

図1図6は、本発明に係る位相可変装置の第1の実施例を示し、図1は本発明の第1の実施例である自動車用エンジンにおける位相可変装置の縦断面図、図2は同装置の内部構造を示す斜視図、図3は電磁ブレーキ手段の要部を構成する電磁クラッチの斜視図、図4は同電磁クラッチの正面図、図5(a),(b)は摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部の拡大断面図で、(a)はオイル導入用の切り欠き位置における断面図、(b)はカシメ部位置における断面図、図6は回転ドラムの斜視図である。

0020

これらの図において、この実施例に示す位相可変装置は、エンジンに組み付け一体化された形態で用いられ、クランクシャフトの回転に同期して吸排気弁開閉するようにクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するとともに、エンジンの負荷回転数などの運転状態によってエンジンの吸排気弁の開閉のタイミングを変化させるための装置で、同装置は、エンジンのクランクシャフトの駆動力が伝達されるスプロケットである円環状外筒部10と、外筒部10と同軸に配置されて外筒部10に対し相対回動可能で、カムシャフト2の一部を構成する従動側の円環状内筒部20と、外筒部10と内筒部20にそれぞれヘリカルスプライン係合して外筒部10と内筒部20間に介装され、軸方向に移動して外筒部10に対する内筒部20の位相を変える中間部材30と、内筒部20のカムシャフト2非配設側に設けられて、中間部材30を軸方向に移動させる電磁ブレーキ手段40と、を備えて構成されている。符号8は、エンジンケース(位相可変装置用カバー)で、エンジン及び同装置は、エンジンオイル雰囲気下で用いられる。

0021

外筒部10は、内周縁にリング状の凹部13が設けられたスプロケット本体12と、スプロケット本体12の側面に密着し、凹部13と協働してフランジ係合溝13Aを画成する内フランジプレート14と、内フランジプレート14をスプロケット本体12に共締め固定し、中間部材30とのスプライン係合部が内周に形成されたスプラインケース16とから構成されている。符号13aは、凹部13の開口側の大径凹部、符号13bは、凹部13の奧側小径凹部で、両者13a,13b間には、後述する内筒部20側のフランジ24の外周縁と正対する段差部13cが設けられている。スプロケットである外筒部10(スプロケット本体12)には、エンジンのクランクシャフトの回転がチェーンCを介して伝達される。符号11は、スプロケット本体12と内フランジプレート14とスプラインケース16を固定一体化する締結ねじで、スプロケット本体12と内フランジプレート14とスプラインケース16でスプロケット(外筒部10)を構成することで、フランジ係合溝13Aの形成が容易で、外筒部10(スプラインケース16)におけるスプライン係合部17の形成も容易となっている。

0022

また、符号32,33は、中間部材30の内外周面に設けられた雌雄ヘリカルスプライン、符号23は内筒部20の外周面に設けられている雄ヘリカルスプライン、符号17はスプラインケース16の内周面に設けられている雌ヘリカルスプラインである。そして、中間部材30の内外のスプライン32,33は逆方向ヘリカルスプラインで、中間部材30の軸方向への僅かな移動で、外筒部10に対し内筒部20の位相を大きく変化させることができる。符号31は、中間部材30の外周面に形成された雄角ねじ部である。

0023

電磁ブレーキ手段40は、エンジンケース8に支持された電磁クラッチ42と、ベアリング22によって内筒部20に回転可能に支承されるとともに、中間部材30の雄角ねじ部31が螺合し、電磁クラッチ42の制動力が伝達される回転ドラム44と、回転ドラム44と外筒部10間に軸方向に介装されたねじりコイルばね46とを備えて構成されている。符号45は、回転ドラム44の内周面に設けられた雌角ねじ部で、回転ドラム44と中間部材30は、角ねじ部45,31に沿って周方向に相対回動できる。即ち、中間部材30は、角ねじ部45,31に沿って回動しながら軸方向に移動できる。また、回転ドラム44と外筒部10とは、巻き上げられたねじりコイルスプリング46で連結されており、回転ドラム44に制動力が作用しない状態では、外筒部10,内筒部20,中間部材30および回転ドラム44は、一体となって回転する。また、回転ドラム44と外筒部10(スプラインケース16)間に介装したねじりコイルばね46は軸方向に介装されているため、それだけ位相可変装置全体が軸方向には延びるが、半径方向にはコンパクトとなっている。

0024

そして、電磁クラッチ42のON・OFFおよび電磁クラッチ42への通電量を制御することによって、中間部材30が角ねじ部45,31に沿って回動しながら軸方向に移動し、これによって外筒部10と内筒部20の位相が変化して、カムシャフト2のカム2aによるバルブの開閉のタイミングが調整される。即ち、電磁クラッチ42をONする前は、電磁クラッチ42は図1仮想線に示す位置にあって、回転ドラム44と電磁クラッチ42間には隙間Sが形成されており、外筒部10と内筒部20は位相差なく一体に回転している。そして、電磁クラッチ42をONすると、電磁クラッチ42が図1右方向にスライドして回転ドラム44に吸引され、これにより回転ドラム44には電磁クラッチ42から伝達される制動力が作用する。そして、制動力が作用する回転ドラム44に外筒部10に対する回転遅れが生じ、即ち、中間部材30が角ねじ部31,45によって前進図1右方向に移動)し、中間部材30の内外ヘリカルスプライン32,33によって、内筒部20(カムシャフト2)が外筒部10(スプロケット本体12)に対し回動してその位相が変わる。そして、回転ドラム44は、伝達された制動力とねじりコイルばね46のばね力とがバランスする位置(内筒部20が外筒部10に対し所定の位相差をもつ位置)に保持される。

0025

一方、電磁クラッチ42をOFFにすると、その制動力が回転ドラム44に伝達されないため、コイルばね46のばね力だけが作用する中間部材30は、角ねじ部31,45によって後退図1左方向に移動)して元の位置となり、この間に、内筒部20(カムシャフト2)が外筒部10(スプロケット本体12)に対し逆方向に回動して、その位相差がなくなる。

0026

また、内筒部20の外周面(スプロケット本体12との摺動面)にはフランジ24が周設され、一方、外筒部10(スプロケット本体12)の内周面には、フランジ24が係合するフランジ係合溝13Aが周設され、フランジ24の側面とフランジ係合溝13Aの側面間に摩擦トルク付加部材51,55が介装されて、外筒部10と内筒部20間の相対摺動部の摩擦トルクが高められて、中間部材30と外筒部10および内筒部20間のヘリカルスプライン係合部23,32、33,17における歯部同士がぶつかる打音の発生が抑制されている。

0027

次に、電磁ブレーキ手段40を構成する電磁クラッチ42の構造と、電磁クラッチ42表面に設けた摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面の冷却構造について説明する。

0028

電磁クラッチ42は、図3〜5に示すように、回転ドラム44のディスク面に向けて開口する横断面コ字型円環状で周方向に回り止めされたクラッチケース60と、クラッチケース60内に収容された電磁コイル62と、クラッチケース60の開口部内側に固定された金属製の摩擦材保持プレート64と、摩擦材保持プレート64に接着されて、その表面がクラッチケース60の内外周壁60a,60b前縁部より僅かに突出する偏平な摩擦材66とを備えて構成されている。符号68は、クラッチケース60の背面側周方向複数個所に突設されたピンで、このピン68がエンジンケース8側の孔8aに係合して、クラッチケース60は軸方向にはスライドできるが、周方向には移動できないように拘束されている。

0029

即ち、クラッチケース60内に電磁コイル62が樹脂モールドにより固定され、クラッチケース60の開口部内側には、摩擦材66を一体化した摩擦材保持プレート64が段差部60cに載置され、摩擦材保持プレート64の内周及び外周の周方向等分3個所がカシメにより、クラッチケースの内外周壁60a,60bに固定されている。図3,4に示す符号60dはカシメ部を示す。また、摩擦材66の半径方向の幅は摩擦材保持プレート64の半径方向の幅より僅かに小さい寸法に形成され(摩擦材66の内径は摩擦材保持プレート64の内径より僅かに大きく、摩擦材66の外径は摩擦材保持プレート64の外径より僅かに小さく形成され)ており、これによってクラッチケースの内外周壁60a,60bと摩擦材66間には、オイル通路となるリング状の溝63a,63bが設けられている。なお、摩擦材保持プレート64のクラッチケース60の開口部への固定手段は、前記したカシメに限るものではなく、接着や嵌合その他の適宜固定手段であればよい。

0030

摩擦材66は、電磁クラッチ42がONされたときに回転ドラム44のディスク面に接近して摩擦力(制動力)を生じさせるためのもので、抄紙基材に熱硬化性樹脂を含浸した厚さ500μmのプレート状の多孔質成形体で構成されており、クラッチケース60の内外周壁60a,60bの前縁部より50μmだけその表面が突出した形態となっている。

0031

また、電磁クラッチ42の摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面には、エンジンオイルが常に供給されて、両者66,44の摺動面温度の上昇が抑制されている。

0032

即ち、クラッチケース60の半径方向内側には、図1に示すように、カムシャフト2内のオイル通路70に連通し、かつクラッチケース60と回転ドラム44間の相対摺動部の内周側に連通するオイル溜り74がエンジンケース8によって画成され、カムシャフト2内のオイル通路70には、カムシャフト2のジャーナル軸受73のオイルポートおよびカムシャフト2の側孔73aを介して、エンジンオイルがポンプPによって圧送されている。符号73bは、カムシャフト2に設けられて、オイル通路70とオイル溜り74に連通する側孔である。そして、クラッチケースの内周壁60a前縁部には、摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面にエンジンオイルを導入するオイル導入用の切り欠き61aが設けられ、一方、クラッチケースの外周壁60b前縁部には、摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面のエンジンオイルを外方に導出するオイル導出用の切り欠き61bが設けられている。

0033

そして、クラッチケース60の摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面には、カムシャフト2内に設けたオイル通路70,エンジンケース8と回転ドラム44(ベアリング22)間のオイル溜まり74およびクラッチケースの内周壁60a前縁部に設けた切り欠き61aを介してエンジンオイルが導入されて、摩擦材66と回転ドラム44の相対摺動面を冷却するとともに、摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面の冷却に供されたエンジンオイルは、クラッチケース60の外周壁60b前縁部に設けたオイル導出用の切り欠き61bを介して半径方向外方に積極的に排出される。このため、それだけ摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面へのエンジンオイルの給排速度が速く、摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動部におけるオイルの循環が活発となって、摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面に発生する摺動熱が循環するエンジンオイルに放熱されて、摩擦材66と回転ドラム44の相対摺動面が効果的に冷却される。

0034

また、摩擦材66の表面には、図3,4に示すように、内周側から外周側に延びる風車型のオイル溝67が設けられて、オイル導入用の切り欠き61aとオイル導出用の切り欠き61bがリング状の隙間63a、風車型のオイル溝67、リング状の隙間63bを介して連通している。このため、摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動部の半径方向内側に導入されたエンジンオイルは、摩擦材66表面のオイル溝67に沿ってスムーズに流れて、オイル導出用の切り欠き61bから導出するので、摩擦材66表面全体が均一に冷却されるとともに、オイルの導出量および導入量も増えて、それだけオイルの循環が活発となって、冷却効果もより優れている。

0035

また、回転ドラム44のディスク面の摩擦材66に正対する位置であってクラッチケースの内周壁60a寄りには、図5,6に示すように、周方向等分8個所にオイル導出孔80が設けられて、摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面におけるエンジンオイルを回転ドラム44の前面側に導出するようになっている。

0036

摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動面におけるエンジンオイルは、クラッチケース外周壁60b前縁部の切り欠き61bから放射状に排出される他、回転ドラム44のこのオイル導出孔80からも排出されるので、摩擦材66と回転ドラム44間の相対摺動部からのオイルの導出量が増える分、オイルの導入量も増え、それだけオイルの循環が活発となっている。

0037

特に、オイル導出孔80はクラッチケース60の内周壁60a寄りに設けらて、オイル導出孔80における大きなオイル流出速度を確保できるようになっている。即ち、オイル導出孔80がオイル導入用の切り欠き60aに近い程、流路抵抗(損失)が少なく、大きなオイル導出速度が確保できることから、オイル導出孔80をオイル導入用の切り欠き60aに近い位置に設けて、大きなオイル導出速度を確保することで、オイルの循環速度が速くなり、それだけ摩擦材66の摺動面に新たなエンジンオイルが導入され、それだけ摺動面の冷却効果が上がるようになっている。

0038

図7及び図8は本発明の第2の実施例である自動車用エンジンにおける位相可変装置を示し、図8は同装置の要部である電磁クラッチの正面図、図9は同装置の要部である回転ドラムの斜視図である。

0039

この第2の実施例では、摩擦材66Aが、カーボン繊維からなる不織布に熱硬化性樹脂を含浸して全気孔の80容積%以上の気孔が5〜100μmの気孔径範囲にあるように調整された多孔質成形体で構成されている。

0040

この多孔質成形体(摩擦材66A)は、全気孔の80容積%以上の気孔が5〜100μmの気孔径範囲にあり、気孔径が大きく目詰まりしにく、耐久性に優れているため、回転ドラムのディスク面に大きな摩擦力(制動トルク)が作用できる状態を長期に亘り維持できる。

0041

また、摩擦材66Aの表面には、碁盤目状に延びるオイル溝67aが設けられて、摩擦材66Aの表面全体に均一にエンジンオイルが供給されるようになっている。

0042

一方、回転ドラム44のディスク面には、リング状に延びるオイル通路82が設けられ、このオイル通路82にオイル導出孔80が設けられて、オイル導出孔80からのオイル流出速度が一層速くなる構造となっている。

0043

このため、摩擦材66Aと回転ドラム44間の相対摺動面におけるエンジンオイルの循環がより活発化し、摩擦材66A表面全体が均一に冷却される。

0044

また、摩擦材表面のオイル溝67aによって、摩擦材66Aと回転ドラム44の相対摺動面間に作用する摩擦トルクを高めて、電磁クラッチ42がONにされた時の回転44ドラムに作用する制動力を高めるべく作用する。

0045

その他は、前記した第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことで、その重複した説明は省略する。

0046

図9,10は本発明の第3の実施例である自動車用エンジンにおける位相可変装置を示し、図9は同装置の要部である電磁クラッチの正面図、図10は同装置の要部である回転ドラムの斜視図である。

0047

この第3の実施例では、摩擦材66Bが、アラミド繊維からなる不織布に熱硬化性樹脂を含浸して全気孔の80容積%以上の気孔が5〜100μmの気孔径範囲にあるように調整された多孔質成形体で構成されている。

0048

この多孔質成形体(摩擦材66B)は、全気孔の80容積%以上の気孔が5〜100μmの気孔径範囲にあり、気孔径が大きく目詰まりしにくく、かつ回転ドラムのディスク面に大きな摩擦力(制動トルク)を発生できる。加えて、摩擦材66Bは、耐久性に優れているため、回転ドラムに大きな摩擦力(制動トルク)が作用できる状態を長期に亘り維持できる。

0049

また、摩擦材66Bの表面には、放射状に延びるオイル溝67bが設けられて、摩擦材66Bの表面全体に均一にエンジンオイルが供給されるようになっている。

0050

一方、回転ドラム44のディスク面には、リング状に延びるオイル通路82が設けられているものの、前記第1,第2の実施例において設けられているようなオイル導出孔80が設けられておらず、このオイル導出孔80に代えて、放射状に延びるオイル通路84が設けられている。

0051

その他は、前記した第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことで、その重複した説明は省略する。

0052

なお、前記した実施例では、回転ドラム44にブレーキを作用させるクラッチケース60の前面に設ける摩擦材として、抄紙基材に熱硬化性樹脂を含浸した多孔質成形体66と、炭素繊維またはアラミド繊維からなる不織布に熱硬化性樹脂を含浸した多孔質成形体66A,66Bを示したが、炭素繊維およびアラミド繊維からなる不織布に熱硬化性樹脂を含浸した多孔質成形体で構成するようにしてもよい。

発明の効果

0053

以上の説明から明らかなように、請求項1によれば、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるエンジンオイルの循環が活発となって、循環エンジンオイルによる摩擦材の相対摺動面の冷却効果が向上し、電磁ブレーキ作動時の摩擦材と回転ドラム間の良好なブレーキ特性制動性)が維持される。

0054

請求項2によれば、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるエンジンオイルの循環がより活発となって、循環エンジンオイルによる相対摺動面の冷却効果がさらに改善されて、電磁ブレーキ作動時の摩擦材と回転ドラム間の良好なブレーキ特性(制動性)が維持される。

0055

請求項3によれば、摩擦材と回転ドラムの相対摺動部に給排されるエンジンオイルの循環がより一層活発となって、循環エンジンオイルによる摩擦材の相対摺動面の冷却効果が向上し、電磁ブレーキ作動時の摩擦材と回転ドラム間の良好なブレーキ特性(制動性)が維持される。

0056

請求項4によれば、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるエンジンオイルの循環がさらに活発となって、電磁ブレーキ作動時の摩擦材と回転ドラム間のブレーキ特性(制動性)がさらにより良好となる。

0057

請求項5によれば、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部に給排されるエンジンオイルの循環がより一層活発となって、摩擦材と回転ドラムの相対摺動面全体が均一に冷却されて高温化が抑制され、電磁ブレーキ作動時の摩擦材と回転ドラム間の良好なブレーキ特性(制動性)が維持される。

0058

請求項6によれば、クラッチケース内外周壁と摩擦材間の隙間がオイル通路として機能して、摩擦材と回転ドラムの相対摺動部におけるエンジンオイル給排がスムーズに行われて、摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部におけるエンジンオイルの循環が活発となって、電磁ブレーキ作動時の摩擦材と回転ドラム間のブレーキ特性(制動性)がより良好となる。

0059

請求項7によれば、摩擦材は目詰まりしにくい孔径の大きい多孔質体で、耐久性にも優れているため、回転ドラムに大きな摩擦力(制動トルク)が作用できる状態を長期にわたり維持できる。

図面の簡単な説明

0060

図1本発明の第1の実施例である自動車用エンジンにおける位相可変装置の縦断面図である。
図2同装置の内部構造を示す斜視図である。
図3電磁ブレーキ手段の要部を構成する電磁クラッチの斜視図である。
図4同電磁クラッチの正面図である。
図5摩擦材と回転ドラム間の相対摺動部の拡大断面図で、(a)はオイル導入用の切り欠き位置における断面図、(b)はカシメ部位置における断面図である。
図6回転ドラムの斜視図である。
図7本発明の第2の実施例である自動車用エンジンにおける位相可変装置の要部である電磁クラッチの正面図である。
図8同装置の要部である回転ドラムの斜視図である。
図9本発明の第3の実施例である自動車用エンジンにおける位相可変装置の要部である電磁クラッチの正面図である。
図10同装置の要部である回転ドラムの斜視図である。
図11従来の自動車用エンジンにおける位相可変装置の縦断面図である。

--

0061

2カムシャフト
2aカム
10スプロケットである円環状外筒部
12 スプロケット本体
13 凹部
14内フランジプレート
16スプラインケース
17,32雌ヘリカルスプライン
17,33、23,32ヘリカルスプライン係合部
20 カムシャフトの一部を構成する円環状内筒部
23,33雄ヘリカルスプライン
30中間部材
31,45角ねじ部
40電磁ブレーキ手段
42電磁クラッチ
44回転ドラム
46ねじりコイルばね
51摩擦トルク付加部材である皿ばね積層体
55 摩擦トルク付加部材である摩擦プレート
60クラッチケース
60a クラッチケース内周壁
60b クラッチケース外周壁
60c段差部
60dカシメ部
62電磁コイル
61aオイル導入用の切り欠き
61bオイル導出用の切り欠き
63a クラッチケース内周壁と摩擦材間の隙間
63b クラッチケース外周壁と摩擦材間の隙間
64摩擦材保持プレート
66、66A、66B偏平な摩擦材
67,67a,67b摩擦材表面のオイル溝
70 カムシャフト内に設けられたオイル通路
74 クラッチケースの半径方向内側に設けたオイル溜り
80 回転ドラムに設けたオイル導出孔
82 回転ドラムに設けたオイル通路

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