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技術 高周波溶着の制御方法および制御装置

出願人 株式会社ジェイ・エム・エス
発明者 竹野幸三
出願日 2001年6月15日 (19年6ヶ月経過) 出願番号 2001-182550
公開日 2002年12月24日 (18年0ヶ月経過) 公開番号 2002-370283
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等のライニング、接合
主要キーワード 要因変化 自己発振回路 真空管式 連絡回路 電源供給ケーブル プレート電流 動区域 溶着完了
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

溶着不良を起こす様々な要因変化によっても、確実に溶着がなされるような高周波溶着制御方法を提供することであり、さらにこのような制御方法を利用して溶着を行う高周波溶着処理装置を提供することである。

解決手段

被溶着物を挟む2つの金型間の距離の変化を、回路に流れる電流値によって検出し、該電流値の検出によって、溶着時間を制御することを特徴とする高周波溶着の制御方法と、該制御法を使用した高周波溶着処理装置。

概要

背景

従来の高周波溶着では、溶着の制御を時間や出力で管理していたため、被溶着物素材・形状や溶着装置の状態によって、過溶着になったり、溶着不足になることがあり、こうして発生する不良が生産効率を著しく低下させていた。そして、用途や状況によって異なるが、万一 発生した不良品が未然に検出できなければ、大事故つながりかねない。

図7に示すように、従来の高周波溶着では、被溶着物を上下に配した金型で挟み、その金型に高周波エネルギーを加えることによって、被溶着物の一部を溶解し、結合させていた。その際の制御は溶着時間の増減のみであり、被溶着物の素材や装置の状態を考慮しながら、操作する者がカンや経験によって、行っていた。そのため、熟練技術者が必要となり、また熟練者でも不良品発生率下げるのは非常に困難であった。

本発明者は溶着状態を改善または安定させるため、色々な方法によって制御を試みた。例えば、(被溶着物の)材料温度を調整するため、被溶着物に加熱ユニット取付けてみたり、金型温度の制御や高周波同調回路の改善のために、電極板の調整を試みたが、いずれも溶着不良の根本対策にならなかった。その原因は溶着不良を引き起こす要因が多く、それらの要因の変化に制御手段が追随できていないためであると考えられた。しかし、これら全ての要因変化を検出したり、制御するのはたいへん困難であった。

概要

溶着不良を起こす様々な要因変化によっても、確実に溶着がなされるような高周波溶着の制御方法を提供することであり、さらにこのような制御方法を利用して溶着を行う高周波溶着処理装置を提供することである。

被溶着物を挟む2つの金型間の距離の変化を、回路に流れる電流値によって検出し、該電流値の検出によって、溶着時間を制御することを特徴とする高周波溶着の制御方法と、該制御法を使用した高周波溶着処理装置。

目的

本発明の目的は、溶着不良を起こす様々な要因変化によっても、確実に溶着がなされるようにすることである。即ち、材料温度や金型温度、高周波同調回路等の要因変化に影響されずに、常に確実な溶着ができるように制御する高周波溶着の制御方法を提供することであり、さらにこのような制御方法を利用して溶着を行う高周波溶着処理装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

高周波溶着制御方法であって、被溶着物を挟む少なくとも2枚の(溶着金型の間の距離の変化を、高周波溶着処理部に供給される電流値によって検出し、該電流(値)の検出によって、前記高周波溶着処理部に供給する電力量を制御することを特徴とする高周波溶着の制御方法。

請求項2

前記検出する電流が、発振回路の(発振管の)プレートまたはカソードの少なくともいずれかに流れるものである請求項1に記載の高周波溶着の制御方法。

請求項3

前記電流値の検出において、電流値の増減の後の非変動になる箇所を溶着完了点とし、該溶着完了点まで溶着を継続する請求項1または2のいずれかに記載の高周波溶着の制御方法。

請求項4

前記電流値の検出において、電流値が極大となった後の減少区域(折り返し)に溶着完了点を設定し、該溶着完了点まで溶着を継続する請求項1〜3のいずれかに記載の高周波溶着の制御方法。

請求項5

前記溶着完了点の電流値を基準値として設定し、前記基準値を溶着時間(または高周波出力)の調節に利用する請求項3または4のいずれかに記載の高周波溶着の制御方法。

請求項6

被溶着物を挟む両側の金型を被溶着物方向に移動して、前記両金型間の距離が、被溶着物の挟持された幅と実質的に同じになったときを溶着開始点とし、該溶着開始点に流れる電流値を基準値として設定し、前記基準値を溶着時間の調節に利用する請求項2〜5のいずれかに記載の高周波溶着の制御方法。

請求項7

前記溶着完了点の電流値を高値(HI)基準とし、前記溶着開始点の電流値を低値(LOW)基準として設定し、両基準を溶着時間(または高周波出力)の調節に利用する請求項6に記載の高周波溶着の制御方法。

請求項8

前記溶着開始点の時間値と、前記溶着完了点の時間値の差を溶着時間として検出し、該溶着時間が所定範囲外であれば、不良として検知する請求項6または7のいずれかに記載の高周波溶着の制御方法。

請求項9

請求項1〜8のいずれかに記載された高周波溶着の制御方法を使用する高周波溶着処理装置

請求項10

被溶着物の溶着によって、被溶着物を挟む2枚の(溶着)金型の間の距離が変動する際に、これらの金型の変動区域内に発振回路を流れる電流値の極大が存在するように、金型面積、金型間距離コイルの容量、コンデンサーの容量のいずれかを調整した請求項9記載の高周波溶着処理装置。

請求項11

高周波溶着の処理および制御を行う装置であって、被溶着物を挟む少なくとも2枚の(溶着)金型の間の距離の変化を、高周波溶着処理部に供給される電流値によって検出し、該電流(値)の検出によって、前記高周波溶着処理部に供給する電力量を制御することを特徴とする高周波溶着の処理および制御装置

技術分野

5.機械的な引張り等の検品をすることなく、他のパラメータによる溶着保証が可能となる。

背景技術

0001

本発明は高周波溶着における制御方法に関し、より詳細には溶着が完了するまで、高周波溶着処理を継続し、溶着が完了したところで、速やかに処理を停止する高周波溶着の制御機構に関する。

0002

従来の高周波溶着では、溶着の制御を時間や出力で管理していたため、被溶着物素材・形状や溶着装置の状態によって、過溶着になったり、溶着不足になることがあり、こうして発生する不良が生産効率を著しく低下させていた。そして、用途や状況によって異なるが、万一 発生した不良品が未然に検出できなければ、大事故つながりかねない。

0003

図7に示すように、従来の高周波溶着では、被溶着物を上下に配した金型で挟み、その金型に高周波エネルギーを加えることによって、被溶着物の一部を溶解し、結合させていた。その際の制御は溶着時間の増減のみであり、被溶着物の素材や装置の状態を考慮しながら、操作する者がカンや経験によって、行っていた。そのため、熟練技術者が必要となり、また熟練者でも不良品発生率下げるのは非常に困難であった。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明者は溶着状態を改善または安定させるため、色々な方法によって制御を試みた。例えば、(被溶着物の)材料温度を調整するため、被溶着物に加熱ユニット取付けてみたり、金型温度の制御や高周波同調回路の改善のために、電極板の調整を試みたが、いずれも溶着不良の根本対策にならなかった。その原因は溶着不良を引き起こす要因が多く、それらの要因の変化に制御手段が追随できていないためであると考えられた。しかし、これら全ての要因変化を検出したり、制御するのはたいへん困難であった。

課題を解決するための手段

0005

本発明の目的は、溶着不良を起こす様々な要因変化によっても、確実に溶着がなされるようにすることである。即ち、材料温度や金型温度、高周波同調回路等の要因変化に影響されずに、常に確実な溶着ができるように制御する高周波溶着の制御方法を提供することであり、さらにこのような制御方法を利用して溶着を行う高周波溶着処理装置を提供することである。

0006

本発明者は、前記の多くの要因変化を検出したり、制御する考え方転換することによって、上記課題を解決する方法に想い至った。すなわち、前記の要因変化を直接 検出または制御できなくても、溶着時間や出力等を調節することで、確実な溶着は可能な筈である。

0007

そして、最終的に確実な溶着がなされた状態を何らかの方法・手段で確認し、また制御できれば、測定または制御困難な上記要因の検出は不要である。言い換えれば、要因変化に追随されるものによって、溶着時間や出力を調節することで、確実な溶着を(安定して)実現できる制御方法である。本発明は上記のような発想転換の下に、様々な方法・手段を模索することによって、なされたものである。

0008

本発明者は、被溶着物は両側から金型で挟持され、その両金型はシリンダで中心(即ち、被溶着物の存在する)方向に押圧されているため、被溶着物の溶着が完了すると、前記両側の金型間の距離が変化(短くなる)することに着眼し、金型間の距離を検出する方法・手段を模索・検討した。そして、高価な検出器や大がかりな装置を使用しなくても、コンデンサー及び共振周波数原理によって、高周波溶着処理部(高周波発振回路および高周波同調回路を含み、電源部から供給される電力を高周波エネルギーに変換し、溶着金型に伝達する部位をいう)に供給される電流値を測定することで、簡便に且つ正確に金型間の距離を検出できることを発見した。

0009

即ち、本発明の第1は、高周波溶着の制御方法であって、被溶着物を挟む少なくとも2枚の(溶着)金型の間の距離の変化を、前記高周波溶着処理部に供給される電流値によって検出し、該電流(値)の検出によって、前記高周波溶着処理部に供給する電力量を制御することを特徴とする高周波溶着の制御方法である。

0010

本発明(真空管式の場合)において、高周波溶着処理部に供給される電流(値)の計測する位置を図によって説明する。図8は、高周波溶着制御装置のより詳細な模式図である。この図によって、発振回路に流れるプレート電流Aと、同調回路7に流れる高周波電流AHFが比例することを説明する。本例の発振器は自己発振回路のため、高周波出力の一部がグリッドコイル15aを通して、入力側へ加わる。これを帰還という。入力側に加わった高周波電圧増幅され、出力側に出て、同調回路の中の金型部2で消費される。

0011

この場合、同調回路7の共振周波数と発振周波数が同一になった時に、前述の帰還量は最大となり、従って、消費される電流および出力された高周波電流も最大となる。即ち、同調回路の共振周波数と発振周波数が一致したとき、グリッドへの帰還量は最大となり、同時に出力電力も最大となる。図8の各構成要素間の電流の方向を模式的に示したのが、図9であり、電流計を通る直流電流(プレート電流)は、同調回路に向かう高周波出力電力に比例することが理解される。そして、この高周波出力(電流または電力)を計測するのは、後述するように種々の問題があるため、高周波同調回路や高周波発振回路(発振器)に電流を供給する回路に電流計を設けて、電流値を計測する。また、図8に示すように発振回路を流れる電流を計測するために、電流計10aの代わりに、カソード18の手前に電流計10bを配置しても良い。

0012

本発明でいう高周波溶着処理部とは、前述したように、電源部から供給される電力を高周波エネルギーに変換し、溶着金型に伝達する部位を言う。図で示すならば、図6図9の21で示される範囲のものであり、高周波発振回路20および高周波同調回路19を含む、高周波発振器5から金型2までの高周波溶着処理を行う部位である。

0013

図8で示される高周波同調回路内に流れる電流(値)や、図6で示される発振器と各金型を連絡する高周波溶着処理部内の電流(値)を計測するのは容易ではなく、またコストが高くなるため、本発明の高周波溶着の制御方法および装置においては、高周波発振回路、発振器、または高周波同調回路に入る前の電源線9の位置に電流計を装着して、高周波溶着処理部に供給される電流(値)を計測するのが望ましい。上述の位置で電流値を計測することで、正確に(且つ安定して)安価に電流(値)を計測できる。

0014

また、本発明の制御方法は上記特徴の範囲で、下記のような好ましい実施態様をとることもできる。即ち、前記検出する電流が、発振回路の(発振管の)プレートまたはカソードの少なくともいずれかに流れるものである前記の高周波溶着の制御方法である。そして、半導体を使った発振回路においては、その回路の消費する電流を検出することによて、前記高周波エネルギー量を制御するものである。

0015

また、前記電流値の検出において、電流値の増減の後の非変動になる箇所を溶着完了点とし、該溶着完了点まで溶着を継続する前記の高周波溶着の制御方法である。

0016

また、前記電流値の検出において、電流値が極大となった後の減少区域(折り返し)に溶着完了点を設定し、該溶着完了点まで溶着を継続する前記の高周波溶着の制御方法である。

0017

また、前記溶着完了点の電流値を基準値として設定し、前記基準値を溶着時間(または高周波出力)の調節に利用する前記の高周波溶着の制御方法である。

0018

また、被溶着物を挟む両側の金型を被溶着物方向に移動して、前記両金型間の距離が、被溶着物の挟持された幅と実質的に同じになったときを溶着開始点とし、該溶着開始点に流れる電流値を基準値として設定し、前記基準値を溶着時間の調節に利用する前記の高周波溶着の制御方法である。

0019

また、前記溶着完了点の電流値を高値(HI)基準とし、前記溶着開始点の電流値を低値(LOW)基準として設定し、両基準を溶着時間(または高周波出力)の調節に利用する前記の高周波溶着の制御方法である。

0020

また、前記溶着開始点の時間値と、前記溶着完了点の時間値の差を溶着時間として検出し、該溶着時間が所定範囲外であれば、不良として検知する前記に記載の高周波溶着の制御方法である。

0021

本発明の第2は、高周波溶着の処理および制御を行う装置であって、被溶着物を挟む少なくとも2枚の(溶着)金型の間の距離の変化を、高周波溶着処理部に供給される電流値によって検出し、該電流(値)の検出によって、前記高周波溶着処理部に供給する電力量を制御することを特徴とする高周波溶着の処理装置である。また、前記実施態様に記載された各種の制御方法を使用した高周波溶着処理装置である。

0022

さらに、上記の高周波溶着処理装置は、下記のような好ましい実施態様をとることもできる。即ち、被溶着物の溶着によって、被溶着物を挟む2枚の(溶着)金型の間の距離が変動する際に、これらの金型の変動区域内に発振回路を流れる電流値の極大が存在するように、金型面積、金型間距離コイルの容量、コンデンサーの容量のいずれかを調整した前記の高周波溶着処理装置である。

0023

本発明の制御方法または溶着処理装置では、被溶着物を挟持している両側の金型に高周波エネルギーを加えることによって、被溶着物が溶解し、その結果、金型間の距離が変化する。大抵の場合、その距離は小さくなる。後述の式(1)、(2)で示されるように、前記距離の減少に伴って、同調回路の共振周波数が低下していく。一方、発振周波数は固定である。従って、溶着が進み、金型間距離が低下するに伴って、最初高かった共振周波数は低下し、発振周波数に近づいてくる。発振周波数と共振周波数が一致した時に回路に最大電流が流れる。その結果、回路に流れる電流は徐々に増加し、共振周波数と発振周波数が同じ値になった時に電流値は最大となる。

発明を実施するための最良の形態

0024

しかし、さらに金型間距離が縮まり、共振周波数が発振周波数より小さくなると、逆に電流値は低下する。そして、溶着が完了した時点以降では、金型間距離が変化しないため、電流値の変動も不変となる。本発明の制御方法または溶着処理装置において、被溶着物を挟持した金型間の距離が変化することが、溶着完了を確認する上で必須となる。従って、本発明では、溶着の進行に伴って両側の金型間の距離が縮まるような機構・手段を有するものが望ましい。例えば、各金型を両側から押圧するシリンダ(例えば、エアーシリンダ油圧シリンダ等)のような補助手段を有するものが挙げられる。

0025

以下、図面によって本発明の実施形態の例について、述べる。図6は高周波溶着を制御するための装置1(以下、溶着制御装置ともいう)の全体的構成の概略を示すものである。合成樹脂製の被溶着物11を両側から挟むように、所定の間隔をあけて金型2a,2bが配置される。2つのシリンダ3a,3bによって、上下の2つの金型2a,2bが両側から被溶着物を押圧できるように、各シリンダが各金型の両側に配置される。溶着開始直前、被溶着物は両金型に当接した状態で挟まれ、シリンダによって一定の圧力を受ける。

0026

下側の金型2bは電源供給ケーブル4によって、発振器5と連絡し、上側の金型2aは電源供給ケーブル4によって、マッチングボックス7と連絡している。(図6と一致していないが…?)また、マッチングボックス7は電源供給ケーブル4によって、発振器5と連絡している。さらに、発振器5は回路9によって高圧電源と連絡されるが、この回路9にそこを流れる電流を計測するためのメーターリレー)10が装着されている。ここで、回路9に装着するメータ10は特別なものでなく、ごく普通に市販されているもので良い。回路に流れる電流は、真空管式の場合、およそ0.3〜2.0アンペアであるから、その範囲の電流が計測可能なものであれば、特に限定されない。半導体式の場合は数百アンペアの電流が流れる。

0027

上記の状態で、発振器を作動して金型に高周波エネルギーを加えると、被溶着物はそのエネルギージュール熱)によって溶解し、また金型はシリンダ3によって、両側から押圧されているため、被溶着物の溶解の進行に伴って、金型間距離が小さくなる。そして、溶着が完了した時点で金型間距離は不変(?)となる。本発明は、コンデンサー及び共振周波数の原理によって、回路9を流れる電流値が金型間距離によって影響されるのを利用したものであり、前記電流値によって金型間距離を検出するものである。電流が所定の変動を経て、所定の基準値になった時に、金型間距離が既定値になったものとして、エネルギー出力を停止するものである。

0028

図9に示すように、電流値計測手段(メーター)10と電源17とを制御手段14を介して連絡し、電流値が所定の変動を検出するまで、高周波溶着処理装置にエネルギー(電力)を供給し、前記変動を検出した際に出力を自動的に停止するようにしても良い。

0029

図1は、本発明の高周波溶着の制御装置の構成をより簡易に模式的に示したものである。被溶着物11を挟んだ両側の金型2a,2bは、コンデンサーの役割を果たしており、本制御装置はそのコンデンサーを挟んだ共振回路を含む高周波溶着処理部に供給される電流(値)を計測するものである。また、高周波発振回路は図示しないが、発振器5を有する。

0030

上記装置の上下の金型がコンデンサー6の役割を果たすため、以下の機構により、金型間距離の変化を回路に流れる電流値でもって、計測することが可能となる。両側の金型の面積をA、金型間の距離をlとすると、上下金型コンデンサー容量Cは以下の式で示される。(εSは の比誘電率を示す)
C=8.855×10−12εSA/l・・・… (1)

0031

そして、上下金型および素材の誘電率により、コンデンサー6が形成され、金型へ供給の電線銅板)によって、コイルが形成される。従って、前記のコイルや金型によって、 に固有の共振周波数fが決まる。
f= 1/2π√(L・C) ・・・… (2)
上式において、Lはコイルの容量(H),C:コンデンサー容量(F)〕
従って、図5に示されるように、金型間の距離が広い場合(溶着開始点)には、共振周波数fが高く、溶着によって金型間距離が狭くなるにつれて、共振周波数fはP→Q→Rと徐々に低くなる。右下がりの一点鎖線グラフが共振周波数の変化を示す。

0032

発振周波数は、金型間距離によって影響されずに一定であり、距離の減少によって共振周波数が低下するため、発振周波数と共振周波数の値は近づいていく。そして、発振周波数と共振周波数とが一致した時に、この回路には最大の電流が流れる。

0033

図5に示すように、被溶着物が両側の金型に当接し、金型間距離が被溶着物の挟持された幅と実質的に同じになったときを溶着開始点(図5のS点)とする。その時点で流れる電流値をL(この値を、低い方の設定基準値ということでLOW基準ともいう)として、設定する。この時の共振周波数はPである。金型間距離が短くなるにつれて、回路に流れる電流値は徐々に大きくなり、上述の両周波数が一致した時点(図5のM点)で最大の電流が流れるが、それ以上時間が経過すると、逆に電流値は低下していく。

0034

また、金型間距離の変化が小さくなるにつれて、共振周波数の低下および電流値の低下も収束してくる。電流値が極大を示した後に、既述した電流値の収束によって変曲点が認められるが、この時点を溶着完了点(図5のF点)として、この時に流れる電流値をH(この値を、高い方の設定基準値ということでHI基準ともいう)として、設定する。この時の共振周波数はRである。

0035

上記に示したように、所定の形状・寸法の金型、被溶着物でもって、予め基準値となる電流値のLOW基準、HI基準を設定しておく。そして、溶着が行われる際に、メータ10の目盛り13に、LOW基準:LとHI基準:HのIndexを付けておき(図2参照)、この2点間の電流値の推移を確認しながら、高周波出力のON、OFFを制御すれば良い。

0036

簡便には、電流値が極大を示した後(折り返し)で、且つHI基準を通過した時点で高周波出力を停止するようにしても良い。但し、金型への被溶着物の装着忘れ、金型からの被溶着物の脱落等のようなケースも起こり得るので、LOW基準を規定しておき、溶着中の電流値の変動を確認することによって、上記トラブルを未然に防止しても良い。また、LOW基準から(折り返しの)HI基準までかかる時間を計測し、その要した時間;溶着時間が所定範囲外の場合は不良として、検知されるようにしても良い。

0037

図3のグラフは、従来の溶着時間のみで高周波溶着を制御していたときの失敗例と、その際に本発明の方法・装置でどのように電流値が検出され、溶着が制御できるかを示すものである。図3には成功例とともに、被溶着物の素材、形状、寸法によって、適当な溶着時間が設定できないため、溶着過多または溶着不足になる場合を示している。即ち、溶着過多(一点鎖線)の場合、溶着時間T2以前に既に溶着が完了しているにも関わらず、被溶着物に余計な高周波出力を加えている。これは、エネルギーの無駄となるだけでなく、被溶着物にダメージを与えることになるので、好ましくない。

0038

逆に溶着不足(破線)の場合、溶着時間T2では未だ溶着が完了していないにも関わらず、高周波出力を停止しているので、不充分な溶着となっている。このとき、本発明の制御方法または装置によって、それぞれのケースにおいて、過不足無く溶着させることができる。先ず回路に流れる最大(極大)電流値以下のHI基準を設定し、回路内を流れる電流が極大を示した後、HI基準を通過したとき(折り返し点)に高周波出力が停止するように、溶着完了点を規定しておく。このように溶着完了点を設定することで、それぞれのケースで最適な溶着時間を調整することができる。結果的に、図3の溶着過多の場合には、溶着時間T1が、溶着不足の場合には、溶着時間T3が割当てられることになる。

0039

或いはHI基準として、電流値の変動が収束する変曲点を指定しても良い。そうすることで、より強力で確実な溶着が得られる。さらに前述したように、LOW基準を規定し、それを通過することで溶着の開始が確認できるので、未然に被溶着物の未装着や抜去などのトラブルを防止することもできる。

0040

先に示した例と重複するが、溶着時間の異なる被溶着物を本発明の制御方法、装置によって、高周波出力の時間を調整する例をグラフによって示したものが図4である。事前に、溶着完了点が最大電流値の以降になるように金型間距離や金型面積、コイルの容量、コンデンサーの容量、等を調整しておく。同様に、金型が被溶着物に当接し、高周波出力開始となる時点での電流値(LOW基準):Lと、最大電流値以降の変曲点となる箇所の電流値(HI基準):Hを設定しておく。

0041

次に、最大電流前のHI基準を通過した場合には高周波出力を継続し、前述の折り返し点(最大電流値を過ぎた後に電流値が低下するもの)でHI基準を通過した場合に、出力を停止するように溶着完了点を設定する。図4に示すように、3種類の被溶着物A,B,Cは溶着開始点は同じTSであるが、溶着完了点はそれぞれTF’、TF''、TF'''と異なり、それぞれ最適な溶着時間TA、TB、TCが割り当てられている。

0042

本発明の制御装置では、上述したように高周波溶着処理部に供給される電流(値)を計測し、該電流値の変化によって、高周波出力(高周波溶着処理部に供給する電力量)を自動的にオフする、または溶着工程(溶着時間)を自動的に中止するように、中間制御手段14、および電流計や高周波出力手段と前記中間制御手段を連絡する連絡回路22を設けても良い。

0043

また、従来は発振管の能力の低下を予測する手段が無かったため、使用時間によって発振管の寿命管理を行っていたが、非常に不正確なものであった。本発明の高周波溶着の制御方法や装置によれば、以下に記載する方法によって、発振管の性能を正確に把握することができる。即ち、発振管の能力低下が起こると、溶着時間が自動的に長くなる。溶着時間とは、前述の溶着開始点から溶着完了点までに要する時間であり、その時間に対して予め許容できる値を設定しておくのである。その設定時間を超えたら、発振管に異常が発生したか、または自然消耗による能力低下と判断して、発振管を取り換えるようにするのである。

0044

溶着時間の増大には、エミッションの低下(カソード電流が流れなくなる)による場合と、グリッドそのものの消耗によって、プレート電流は流れるが、高周波出力が低下する場合があり、その区別もプレート電流と高周波電力(同調回路のAHFの計測によって、定量可能)の両者の計測によって、可能となる。

図面の簡単な説明

0045

本発明によって、以下の様々な効果が得られる。
1.金型や被溶着物の温度や形状、高周波溶着処理装置の状態に影響されずに、確実な溶着を行うことができる。
2.被溶着物が完全に溶着されるまで、エネルギーの供給を行うので、溶着不足や過溶着が防止できる。
3.機械的なトラブル(例えば、金型の動作不良によって、被溶着物が挟持されてない等の)が発生した場合でも、そのトラブルを検出でき、不良品を除外することができる。
4.既述したように、溶着時間や(発振回路に流れる)溶着電流の変化によって、発振管の状態、寿命が判断できる。

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0046

図1本発明の溶着制御装置の実施例を説明するために、より簡易的に示した模式図である。
図2本発明に利用する電流計(メーター)の1つの実施態様を示す概略図である。
図3従来の溶着処理装置によって、溶着を行った場合の失敗例および成功例における各電流値経時変化を模式的に示すグラフである。
図4本発明の高周波溶着制御装置を使用して、溶着を制御したそれぞれの被溶着物における各電流値の経時変化を模式的に示すグラフである。
図5金型間距離の変化によって、影響を受ける電流値および共振周波数の各変動を模式的に示すグラフである。
図6本発明の溶着制御装置の、一つの実施例の全体的な構成を示した概略図である。
図7従来の高周波溶着処理装置の一例を示す概略図である。
図8本発明の高周波溶着制御装置のより詳細な構成・配置を示す模式図である。
図9図8の各構成要素間の電流の方向を模式的に示した概略図である。

0047

1.溶着制御装置
2.金型(金型部)
2a.上部金型
2b.下部金型
3.シリンダ
3a.シリンダ(上)
3b.シリンダ(下)
4.電力供給ケーブル
5.発振器
6.コンデンサ
7.マッチングボックス
9.電源線
10.メーター(電流計)
11.被溶着物
12.電力供給ケーブル
12A.電力供給ケーブル(高圧側)
12B.電力供給ケーブル(グランド側
13.目盛り
14.(中間)制御手段
15.同調コイル
15a.コイル(出力同調
15b.グリッドコイル(入力同調)
16.発振管
17.電源部
18.アース
19.高周波同調回路
20.高周波発振回路
21.高周波溶着処理部
22.連絡回路
AHF.高周波電流
A1.プレート電流
A2.カソード電流
H.HI基準(高値側の電流値基準)
L.LOW基準(低値側の電流値基準)
T.従来の溶着時間(被溶着物に依らず、一定)
T0.溶着開始点
T1.(溶着過多の被溶着物の)溶着完了点
T2.(成功例の)溶着完了点
T3.(溶着不足の被溶着物の)溶着完了点
TS.溶着開始点
TF’.(被溶着物A)の溶着完了点
TF''.(被溶着物B)の溶着完了点
TF'''.(被溶着物C)の溶着完了点
TA.(被溶着物A)に最適な溶着時間
TB.(被溶着物B)に最適な溶着時間
TC.(被溶着物C)に最適な溶着時間
S.溶着開始点
M.回路に最大電流が流れる時点
F.溶着完了点
P.溶着開始時における共振周波数
Q.回路に最大電流が流れる時の共振周波数
R.溶着完了時における共振周波数

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