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技術 微小バルブ機構の製造方法

出願人 一般財団法人川村理化学研究所
発明者 穴澤孝典寺前敦司
出願日 2001年6月12日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2001-177020
公開日 2002年12月24日 (17年2ヶ月経過) 公開番号 2002-370200
状態 未査定
技術分野 幾何学的な機構による創成加工 マイクロマシン 弁の細部(I) 流体駆動弁
主要キーワード キリ孔 空隙寸法 軟素材 樹脂欠損 枝分かれ重合体 エタノール流 ダイヤフラム部分 開閉試験
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

ダイヤフラム膜として、非常に薄く柔軟で取り扱いにくい薄膜を、微小バルブ機構に組み込み、他の部材と接着して効率良くダイヤフラムを形成する、ダイヤフラム型の微小バルブ機構の製造方法を提供する。

解決手段

液体状の樹脂組成物からなるダイヤフラム形成材料液体表面上に展開させ、これを固化させて形成した薄膜状の部材を、表面の一部に欠損部を有するか、或いは部材を貫通して欠損部を有する、2つの部材の間に挟んで接着することにより、該薄膜状の部材をダイヤフラムと成し、各欠損部をダイヤフラムによって仕切られた空洞と成すことを特徴とする、ダイヤフラム型の微小バルブ機構の製造方法。

概要

背景

サイエンス(SCIENCE)」誌(第288巻、113頁、2000年)には、全体がシリコンゴムで形成され、液体流路と、該流路ダイヤフラムを隔てて形成された加圧用空隙部を有する微小バルブ機構が記載されている。そして、加圧用空隙部に圧縮空気を導入し、シリコンゴム製ダイヤフラムを変形させて流路側に押し出すことによって流路断面積を変化させ、液体流量調節を行う方法が記載されている。

しかしながら、この微小バルブ機構は剛性の低い柔軟素材で構成されているため、耐圧性が低いものであった。また、この微小バルブ機構は疎水性素材で構成されており、蛋白酵素などの生化学物質吸着し易く、生化学分野での使用に制約があった。更に、この微小バルブ機構は、製造に時間を要し、生産性の低いものであった。

概要

ダイヤフラム膜として、非常に薄く柔軟で取り扱いにくい薄膜を、微小なバルブ機構に組み込み、他の部材と接着して効率良くダイヤフラムを形成する、ダイヤフラム型の微小バルブ機構の製造方法を提供する。

液体状の樹脂組成物からなるダイヤフラム形成材料液体表面上に展開させ、これを固化させて形成した薄膜状の部材を、表面の一部に欠損部を有するか、或いは部材を貫通して欠損部を有する、2つの部材の間に挟んで接着することにより、該薄膜状の部材をダイヤフラムと成し、各欠損部をダイヤフラムによって仕切られた空洞と成すことを特徴とする、ダイヤフラム型の微小バルブ機構の製造方法。

目的

本発明が解決しようとする課題は、ダイヤフラム膜として、非常に薄く柔軟で取り扱いにくい薄膜を、微小なバルブ機構に組み込み、他の部材と接着して効率良くダイヤフラムを形成する、ダイヤフラム型の微小バルブ機構の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

液体状の樹脂組成物からなるダイヤフラム形成材料液体表面上に展開させ、これを固化させて形成した薄膜状の部材を、表面の一部に欠損部を有するか、或いは部材を貫通して欠損部を有する、2つの部材の間に挟んで接着することにより、該薄膜状の部材をダイヤフラムと成し、各欠損部をダイヤフラムによって仕切られた空洞と成すことを特徴とする、ダイヤフラム型微小バルブ機構の製造方法。

請求項2

ダイヤフラムの厚みが0.1〜500μmである、請求項1に記載の微小バルブ機構の製造方法。

請求項3

ダイヤフラムが、引張り弾性率が0.1MPa〜10GPaの範囲にある素材で形成されたものである、請求項1又は2に記載の微小バルブ機構の製造方法。

請求項4

ダイヤフラムが、「引張弾性率×ダイヤフラムの厚み」の値が10〜50000Pa・mの範囲にある、請求項1、2、又は3に記載の微小バルブ機構の製造方法。

請求項5

ダイヤフラム形成材料が、エネルギー線硬化性樹脂組成物であり、該形成材料の固化が、エネルギー線照射によるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の微小バルブ機構の製造方法。

請求項6

ダイヤフラム形成材料が、エネルギー線硬化性樹脂組成物であり、形成材料の固化が、エネルギー線の不十分な線量の照射による半硬化であり、薄膜状の部材と欠損部を有する部材との接着が、半硬化状態の薄膜状の部材と欠損部を有する部材とを積層した状態でエネルギー線を照射して薄膜状の部材を完全に固化させると共に接着する方法で行われる、請求項5に記載の微小バルブ機構の製造方法。

請求項7

ダイヤフラム形成材料が、熱可塑性重合体溶液であり、該形成材料の固化が、溶剤除去により行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の微小バルブ機構の製造方法。

請求項8

ダイヤフラム形成材料が、熱可塑性重合体の溶液であり、薄膜状の部材の形成材料の固化が、不十分な溶剤除去による半乾燥であり、薄膜状の部材と欠損部を有する部材との接着が、これらを積層した状態で溶剤を完全に除去して薄膜状の部材を完全に乾燥させると共に接着する方法である請求項7に記載の微小バルブ機構の製造方法。

請求項9

薄膜状の部材と欠損部を有する部材との接着が、欠損部を有する部材をエネルギー線硬化性樹脂組成物の半硬化物で形成し、これを薄膜状の部材と積層した状態でエネルギー線を照射して該半硬化物を完全に硬化させると共に接着する方法である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の微小バルブ機構の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、微小ダイヤフラム型バルブ、即ち、ダイヤフラム仕切られた空洞の一方側の圧力を変化させることによりダイヤフラムを変形させ、空洞の他方側を通過する流体流量を調節する、微小バルブ機構を製造する方法に関する。

0002

詳しくは、液体状の樹脂組成物からなるダイヤフラム形成材料を液面上に展開し、これを固化させて形成した薄膜状の部材を、表面の一部に欠損部を有する、又は部材を貫通する欠損部を有する2つ板状部材で挟まれた形状に積層接着されてダイヤフラムを構成する、微小バルブ機構の製造方法に関する。

0003

本発明の製造方法により作られる微小バルブ機構は、部材中に微小な流路反応槽電気泳動カラム膜分離機構などの構造が形成された微小ケミカルデバイスと組み合わせて使用されるか、或いは該ケミカルデバイスの一部として形成される。

0004

更に詳しくは、化学生化学などの微小反応デバイスマイクロリアクター);集積DNA分析デバイス微小電気泳動デバイス、微小クロマトグラフィーデバイスなどの微小分析デバイス質量スペクトル液体クロマトグラフィーなどの分析試料調製用微小デバイス、抽出、膜分離、透析などの物理化学的処理デバイスとして有用な微小バルブ機構の一部として、或いはこれらと連結して使用される。

背景技術

0005

サイエンス(SCIENCE)」誌(第288巻、113頁、2000年)には、全体がシリコンゴムで形成され、液体流路と、該流路とダイヤフラムを隔てて形成された加圧用空隙部を有する微小バルブ機構が記載されている。そして、加圧用空隙部に圧縮空気を導入し、シリコンゴム製ダイヤフラムを変形させて流路側に押し出すことによって流路断面積を変化させ、液体の流量調節を行う方法が記載されている。

0006

しかしながら、この微小バルブ機構は剛性の低い柔軟素材で構成されているため、耐圧性が低いものであった。また、この微小バルブ機構は疎水性素材で構成されており、蛋白酵素などの生化学物質吸着し易く、生化学分野での使用に制約があった。更に、この微小バルブ機構は、製造に時間を要し、生産性の低いものであった。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明が解決しようとする課題は、ダイヤフラム膜として、非常に薄く柔軟で取り扱いにくい薄膜を、微小なバルブ機構に組み込み、他の部材と接着して効率良くダイヤフラムを形成する、ダイヤフラム型の微小バルブ機構の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、微小バルブ機構の構成要素である変形可能なダイヤフラムを、液面展開法により形成した薄膜を、微小なダイヤフラム部分の形状に加工することなく、薄膜のまま、他の2つの部材間に挟んで接着、積層することにより、容易にダイヤフラム型の微小バルブ機構が形成し得ること、また、液面展開する素材として、鎖状重合体溶液エネルギー線硬化性樹脂組成物を使用することにより、より有利に課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。

0009

即ち、本発明は、液体状の樹脂組成物からなるダイヤフラム形成材料を液体表面上に展開させ、これを固化させて形成した薄膜状の部材を、表面の一部に欠損部を有するか、或いは部材を貫通して欠損部を有する、2つの部材の間に挟んで接着することにより、該薄膜状の部材をダイヤフラムと成し、各欠損部をダイヤフラムによって仕切られた空洞と成すことを特徴とする、ダイヤフラム型の微小バルブ機構の製造方法を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0010

本発明は、ダイヤフラム型の微小バルブ機構の製造方法に関する。本発明で言うダイヤフラム型の微小バルブ機構とは、ダイヤフラムで仕切られた空洞の一方の側の圧力を変化させることによりダイヤフラムを変形させ、空洞の他方側を流れる流体流量を調節する、微小バルブ機構を意味する。

0011

本発明の微小バルブ機構の外形、即ちダイヤフラムが固定される部材の外形、は特に限定する必要はなく、用途目的に応じた形状を採りうる。部材の外形としては、例えば、シート状(フィルム状、リボン状などを含む。以下同じ)、板状、塗膜状、棒状、チューブ状、その他複雑な形状の成型物などであり得る、シート状、板状又は棒状であることが特に好ましい。

0012

部材は複数の同じ、又は異なる素材の複合体として構成されていても良い。なお、以下、説明の簡略化のため、「板状」に「シート状」も含めることとする。本発明の微小バルブ機構が板状である場合には、その厚みは任意であるが、好ましくは20μm〜20mmであり、更に好ましくは100μm〜2000μmである。厚みが過小であると製造が困難となり、過大であると微小バルブ機構としてのメリットが低下する。

0013

本発明の製造方法で製造される微小バルブ機構は、表面に凹状の欠損部又は部材を貫通する欠損部(欠損部A)を有する部材(部材A)の欠損部A形成面と、これとは別の、表面に凹状の欠損部又は部材を貫通する欠損部(欠損部B)を有する部材(部材B)の欠損部B形成面が、ダイヤフラムを構成する薄膜状の部材(部材C)を挟んで互いに接着されることにより、欠損部Aと部材Cとで空洞(空洞A)が形成され、また欠損部Bと部材Cとで空洞(空洞B)が形成され、空洞Aと空洞Bとが部材Cから成るダイヤフラムを挟んで相対する位置に設置された形状に形成され、空洞Aには流入口(流入口A)と流出口(流出口A)が設けられ、空洞Bには接続口(接続口B)が設けられた構造である。

0014

或いは、空洞(A)には流路が接続されずに、直接、微小バルブ機構の外部に開口していても良いが、この場合には、流路A及び流路Bが本バルブ機構外に設けられたものと見なせるため、以下、本微小バルブ機構は流路A及び流路Bを本微小バルブ機構内に有する場合について説明する。

0015

本発明の微小バルブ機構のバルブ構造、即ち、空洞A、空洞B、ダイヤフラム、流入口A、流出口A、流入口Bの相対位置や形状については、流路Bを経て制御される空洞Bの圧力変化体積変化により、ダイヤフラムを変形させて空洞Aの空隙寸法を変化させ、流路Aを流れる流体の流量を調節することができる構造であれば任意である。

0016

部材Aの外形は特に限定する必要はなく、用途目的に応じた形状を採りうる。部材Aの形状としては、上述のダイヤフラムが固定される部材の形状に関する記述と同様である。部材Aは複数の同じ又は異なる素材の複合体、例えば積層体で構成されていても良い。

0017

部材Aの厚みは任意であるが、好ましくは10μm〜10mmであり、更に好ましくは50μm〜1mmである。厚みが過小であると製造が困難となり、過大であると耐圧が低下すると共に、微小バルブ機構としてのメリットが低下する。部材Bについても、その形状、寸法は部材Aと同様である。

0018

欠損部A、欠損部Bの形状、寸法については、それぞれ空洞A、空洞Bを目的の寸法にすべく設計できる。通常、欠損部A、欠損部Bの形状、寸法はそれぞれ空洞A、空洞Bと実質的に同じとなる。

0019

空洞A、空洞Bは、部材Aと部材Bとの接着面に垂直な方向から見た形状は任意であるが、縦/横比が1に近いことが好ましく、円、楕円矩形(角の丸められた矩形を含む。以下同じ)であることが好ましい。空洞A、空洞Bの直径は、共に、部材Aと部材Bとの接着面に垂直な方向から見て、好ましくは1μm〜1000μm、更に好ましくは5μm〜500μmである。ここで言う直径は、空洞の形状が円以外のものである場合には、同一面積の円に換算した直径を言う。空洞A、空洞Bの直径は同じである必要はないが、互いに近いか、同じであることが好ましい。

0020

部材Aと部材Bとの接着面に垂直な方向から見た空洞A、空洞Bの深さ(表面からの奥行きき寸法)はそれぞれ、好ましくは0(但し接着されていないこと)〜1000μm、更に好ましくは5〜500μmである。空洞がこれらの寸法より大きい場合には、微小バルブ機構としてのメリットが小さくなるので好ましくない。空洞Aは、最大高さ/最大幅の比が1以下であることが好ましい。この比が1を超えると、バルブを完全に閉とすること、即ち、空洞Aの間隙をゼロとすることが困難となる。

0021

バルブが常時閉のタイプである場合で、流入口から流入する流体によってこの間隙が押し開かれる場合には、この比はゼロ(但し接着されていないこと)であって良い。それ以外の場合には、この比は0.05〜1であることが好ましく、0.1〜0.5であることが更に好ましい。空洞Bの該比は任意である。例えば1000であっても良いし、逆にゼロ(但し接着されていないこと)であっても良い。

0022

空洞A及び空洞Bの高さは一定である必要はなく、該空洞内の場所によって異なっていても良い。空洞Aは、高さの低い部分即ち空隙の狭い部分を有していることが完全閉としやすく好ましい。

0023

部材Aと部材Bとの接着面に垂直な方向から見た空洞A及び空洞Bは、同一の形状である必要はないが、ほぼ同一の形状であることが好ましい。空洞A及び空洞Bは、ダイヤフラムを隔てて互いに相対する位置に設けられるが、相対位置がずれていても良く、空洞部の重なりがあれば良い。しかし、相対位置は完全に一致していることが好ましい。

0024

流路Aは流量調節すべき流体を流通させる流路であり、空洞Aをその途上に有すれば、その寸法形状は任意である。しかしながら、流路Aと空洞Aとの接続部、即ち、流入口A及び/又は流出口Aは、空洞の直径と同じであっても良いが、その少なくとも一方は空洞の直径より小さいことが好ましい。流路Aは本発明の微小バルブ機構の外部に連絡していても良いし、外部に連絡しておらず、本デバイス内の他の構造に連絡していても良い。

0025

接続口Bはそこを通じて空洞Bの圧力や体積を調節し、ダイヤフラムを変形させてバルブの開閉を行うものである。流路Bに通す流体は任意であり、液体であっても気体であっても良い。圧力の変化は、加圧であっても減圧であっても良い。流路Bは本微小バルブ機構の外部に開口しいていても良いし、外部に開口しておらず、本デバイス内の他の機構、例えば気体発生部や気体吸収部などに連絡していても良い。流路Bや接続部Bの直径は任意である。

0026

本発明の製造方法で製造される微小バルブ機構の好ましい形状は、流入口A、流出口Aの少なくとも一方が、空洞Aにおけるダイヤフラムの対向面に形成されており、空洞部Bが加圧されることにより変形したダイヤフラムが、流入口A及び/又は流出口Aをその全周に渡って閉じることが出来る構造を有するものである。ダイヤフラムは、流入口A、流出口Aの一方または両方を塞いで良い。

0027

従って、変形したダイヤフラムで塞がれるべき流入口A及び/又は流出口Aの直径は、空洞Aの直径より小である必要がある。このような流入口A及び/又は流出口Aは、欠損部Aの中から部材Aに穿たれた孔として流路Aを形成することで得ることが出来る。このような構造においては、空洞Aの高さは均一であるか、或いはダイヤフラムで塞がれるべき周部分が高くなっている構造が好ましい。

0028

上記に於いて、ダイヤフラムによって塞がれない方の流入口Aまたは流出口Aは、流路Aが、部材Aの欠損部A形成面に形成された欠損部Aに連絡した溝(溝A)と、部材Cとでもって形成されたものであることが好ましい。即ち、該流入口A又は流出口Aの周の一部が部材Cでもって構成されている。

0029

本発明の製造方法により製造される微小バルブ機構の、ダイヤフラム以外の部材、例えば部材A、部材Bはそれぞれ任意の素材で形成されていてよく、これ等が同じ素材で形成されていても異なる素材で形成されていても良い。例えば、ガラス水晶等の結晶ステンレススチール等の金属、シリコンなどの半導体セラミック炭素有機重合体ポリジメチルシロキサンのように、無機元素を含有するものであっても良い。以下単に「重合体」と称する)などであり得る。

0030

これらの中で、多くの用途に於いて、成形性、接着性、価格、生産性などの点で重合体が好ましい。重合体は、単独重合体であっても、共重合体であっても良く、また、熱可塑性重合体であっても、熱硬化性重合体であっても良い。生産性の面から、重合体は熱可塑性重合体又はエネルギー線硬化性組成物固化物であることが好ましい。

0031

部材に硬度や強度の高い素材を用いることで、耐圧性や強度を高くすることが出来るが、硬度の低い素材を使用する場合や、厚みを薄くする場合には、支持体上に形成することも好ましい。特に部材Bは、部材Bに設けられた流路Bや空洞Bを加圧することによってバルブを開閉する機構上、耐圧性の高い素材を使用したり、耐圧性の高い構造とすることが好ましい。部材Aや部材Bを形成する素材は、好ましくは引張弾性率が100MPa以上、更に好ましくは500MPa以上、最も好ましく1GPaのものである。引張弾性率の上限は、自ずと限界はあろうが高いことそれ自身による不都合はないため上限を設けることを要しない。例えば100GPaや500GPaであり得る。

0032

部材Aや部材Bに使用できる重合体としては、後述の部材Cに使用できる重合体として例示したものの中から、選択して使用することが出来る。部材Aや部材Bに使用できる重合体はまた、エネルギー線硬化性組成物の固化物であることも好ましい。エネルギー線硬化性組成物は、強度や硬度を増すために架橋重合体となるものが好ましい。エネルギー線硬化性組成物についても、好ましい引張弾性率が異なること以外は、後述の部材Cの場合と同様である。エネルギー線硬化性組成物に含有されるエネルギー線硬化性化合物も部材Cに使用できるエネルギー線硬化性化合物として例示したものの中から、選択して使用することが出来る。

0033

部材Aや部材Bに、欠損部、溝、流入口、流出口などの構造を設ける方法は任意であり、例えば、フォトリソグラフ射出成形熱プレス溶剤キャストドリルエッチングレーザー穿孔サンドブラストなどの方法で形成する方法や、これらの方法で形成した、表裏を貫通する欠損部を有する薄膜状の部材や塗膜層を他の部材と積層接着する方法などを採ることが出来る。

0034

これらの中で、フォトリソグラフ法で欠損部が形成された層を作製し、これを他の層と積層することにより、表面に形成された凹状の欠損部と成す方法が好ましい。即ち、エネルギー線硬化性組成物を基材上に塗布して塗膜状の賦形物とし、欠損部と成す部分以外の部分にエネルギー線をに照射して固化させ、非照射部分の未固化のエネルギー線硬化性組成物を洗浄などの任意の方法で除去することにより、素材の欠損部を有する塗膜(即ち、基材上に形成された層状の部材)を形成し、これを他の層と積層接着する方法である。

0035

部材A及び/又は部材Bを完全に形成してから、部材Cと積層接着しても良いし、部材A及び/又は部材Bが不完全に形成された前駆体の状態で部材Cと積層・接着し、その後に部材A及び/又は部材Bを完全に成形しても良い。例えば、部材Aが複数の層の積層体である場合、部材Cに部材Aを構成する層の1つを積層・接着した後に、部材Aの他の層を積層・接着しても良い。また、部材Aと部材Bの間に部材Cを挟んだ状態に積層・接着する順序も任意であり、任意の順序で順次接着しても良いし、部材A、部材B、部材Cを一度に接着しても良い。

0036

部材Cは、厚みがダイヤフラムの厚み、即ち、0.1〜500μm 、好ましくは1〜200μm、更に好ましくは5〜100μmの範囲にある薄膜状の部材である。勿論、ダイヤフラムの厚みを厚くする場合には弾性率の低い素材を使用する必要があり、「引張弾性率×ダイヤフラムの厚み」の値が、10〜50000Pa・mの範囲にあることが好ましく、100〜5000Pa・mの範囲にあることが更に好ましい。

0037

部材Cの厚みは均一である必要はなく、厚みにムラや傾斜があって良い。ダイヤフラムの直径や素材の硬度にもよるが、これより小さいと、製造が困難となったり、開状態を維持することが困難と成りがちであり、また、この範囲を超えると、開閉が困難となる。

0038

部材Cの素材は、ダイヤフラムとして機能する程度の柔軟性を備えた素材であり、且つ何らかの方法で液面展開法により薄膜状に賦形できれば任意であるが、重合体又は重合性化合物であることが好ましい。部材Cを形成する素材は、引張弾性率が0.1MPa〜10GPa、好ましくは10MPa〜7GPaの範囲にあるものである。

0039

部材Cを構成する素材は、JIS K−7127により測定された破断伸び率が、好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上のものである。破断伸びの上限は、自ずと限界はあろうが、高いことそれ自身による不都合は無いため上限を設けることを要せず、例えば、800%でありうる。本発明においては、JIS K−7127による引張試験で5〜10%という低い破断伸び率を示す素材であっても、本発明の使用方法に於いては破壊しにくく、上記試験による破断伸び率以上の変形を与えても破壊することなく使用可能である。

0040

部材Cを形成する重合体は、単独重合体であっても、共重合体であっても良く、また熱可塑性重合体であっても、熱硬化性重合体であっても、後架橋性の重合体であっても良い。生産性の面から、重合体は熱可塑性重合体又はエネルギー線硬化性組成物の固化物であることが好ましい。ダイヤフラムの塑性変形を抑制し、バルブの耐久性を増すためには、部材Cを形成する素材がエネルギー線硬化性組成物の固化物である場合には、該固化物は架橋重合体であることが好ましい。

0043

これらの中で、接着性が良好な点などから、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエステル系重合体が好ましい。

0044

部材Cに使用できる熱硬化性重合体としては、例えば、ポリウレタン系重合体;ポリアミド系重合体;ポリイミド系重合体エポキシ樹脂;(メタ)アクリル系重合体;ポリマレイミド系重合体、などが挙げられる。上に例示した重合体で、単独では、部材Cとして好ましい引張弾性率の範囲から外れるものであっても、可塑剤の使用や共重合などにより使用することが出来る。

0045

部材Cに使用することができる重合体はまた、エネルギー線硬化性樹脂組成物の固化物であることも好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必須成分としてエネルギー線硬化性化合物を含有するものであり、エネルギー線硬化性化合物単独でもよく、複数種のエネルギー線硬化性化合物の混合物でもよい。エネルギー線硬化性樹脂組成物は、強度や硬度を増すために架橋重合体となるものが好ましい。エネルギー線硬化性化合物はエネルギー線重合開始剤非存在下で固化可能なものの他、エネルギー線重合開始剤の存在下でのみエネルギー線により重合するものも使用することができる。

0046

エネルギー線硬化性化合物としては、重合性の炭素−炭素二重結合を有する物が好ましく、中でも、反応性の高い(メタ)アクリル系化合物ビニルエーテル類、また光重合開始剤の不存在下でも固化するマレイミド系化合物が好ましい。部材Aや部材Bに使用できるエネルギー線硬化性化合物としては、後述の、部材Cに使用できるとして例示した化合物の中から選択して使用することが出来る。

0047

ダイヤフラムは、異なる素材で構成された積層体などの複合体であっても良い。この場合には、該複合体の引張弾性率と厚みが上記範囲にあるものである。このような複合体としては、例えば、エネルギー線硬化性組成物の固化物と熱可塑性重合体との積層体であることも好ましく、熱可塑性重合体や熱硬化性重合体で形成されたダイヤフラムの部材A側に、低吸着性のエネルギー線硬化性組成物の固化物層が接着(コート)されたものであることが更に好ましい。

0048

該複合体と成しうる素材は引張弾性率が小さな重合体であることが好ましく、シリコンゴム;ネオプレン系、クロロプレン系、ニロリル系、ブタジエン系などのゴムポリウレタンポリエステルエラストマーポリアミドエラストマーなどのエラストマーエチレン酢酸ビニル共重合体などの柔軟な熱可塑性樹脂であることが好ましい。

0049

ダイヤフラムの素材として使用するエネルギー線硬化性組成物は、必須成分としてエネルギー線硬化性化合物を含有するものであり、エネルギー線硬化性化合物単独でもよく、複数種のエネルギー線硬化性化合物の混合物でもよい。ダイヤフラムの素材として、このようなエネルギー線硬化性樹脂組成物の固化物を使用することは、厚みの薄いダイヤフラムを形成することが容易であること、薄いダイヤフラムを他の部材と接着することが容易となること、本発明の好ましい形態に於いて、ダイヤフラムを部材Aや部材Bに形成された欠損部や溝を閉塞させることなくこれらの部材と接着することが容易となること、ダイヤフラムの柔軟度の制御が容易であること、及び、これらを高い生産性で実施できること、といった利点を有する。

0050

エネルギー線硬化性樹脂組成物の固化物は鎖状重合体であっても架橋重合体であっても良いが、繰り返し耐久性長期耐久性が必要な場合には、塑性変形を抑制できることから、架橋重合体であることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂組成物の固化物を架橋重合体とするためには、エネルギー線硬化性組成物中に、付加重合性化合物の場合には重合性官能基が2以上であるような、或いは、縮重合性化合物の場合には重合性官能基が3以上であるような(以後、このような官能基を有することを「多官能」と称する)モノマー及び/又はオリゴマーを含有させることで実施できる。

0051

エネルギー線硬化性組成物は、引張弾性率の調節や接着性の改良などを目的として、単官能のモノマー及び/又はオリゴマーの混合物とすることも好ましい。ダイヤフラムの素材として使用するエネルギー線硬化性樹脂組成物を構成するエネルギー線硬化性化合物は、ラジカル重合性アニオン重合性カチオン重合性等任意のものであってよい。エネルギー線硬化性化合物は、重合開始剤の非存在下で重合するものに限らず、重合開始剤の存在下でのみエネルギー線により重合するものも使用することができる。

0052

そのようなエネルギー線硬化性化合物としては、重合性の炭素−炭素二重結合を有するものが好ましく、中でも、反応性の高い(メタ)アクリル系化合物やビニルエーテル類、また光重合開始剤の不存在下でも固化するマレイミド系化合物が好ましい。

0053

エネルギー線硬化性化合物として好ましく使用することができる架橋重合性の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニルプロパン

0054

2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン、ヒドロキシジバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ビス(アクロキシエチルヒドロキシエチルイソシアヌレート、N−メチレンビスアクリルアミドの如き2官能モノマー

0055

トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレートの如き3官能モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの如き4官能モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの如き6官能モノマーなどが挙げられる。

0056

また、エネルギー線硬化性化合物として、重合性オリゴマープレポリマーとの呼ばれる)を用いることもでき、例えば、重量平均分子量が500〜50000のものが挙げられる。そのような重合性オリゴマーしては、例えば、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステルポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂などが挙げられる。

0057

マレイミド系の架橋重合性のエネルギー線硬化性化合物としては、例えば、4,4’−メチレンビス(N−フェニルマレイミド)、2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)マレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサントリエチレングリコールビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、m−トリレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、

0058

N,N’−ジフェニルメタンジマレイミド、N,N’−ジフェニルエーテルジマレイミド、N,N’−ジフェニルスルホンジマレイミド、1,4−ビス(マレイミドエチル)−1,4−ジアゾニアビシクロ−[2,2,2]オクタンジクロリド、4,4’−イソプロピリデンジフェニルジシアナート・N,N’−(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミドの如き2官能マレイミド;N−(9−アクリジニル)マレイミドの如きマレイミド基とマレイミド基以外の重合性官能基とを有するマレイミドなどが挙げられる。

0059

マレイミド系の架橋重合性オリゴマーとしては、例えば、ポリテトラメチレングリコールマレイミドカプリエート、ポリテトラメチレングリコールマレイミドアセテートの如きポリテトラメチレングリコールマレイミドアルキレートなどが挙げられる。

0060

マレイミド系のモノマーやオリゴマーは、これら同士、及び/又はビニルモノマー、ビニルエーテル類、アクリル系モノマーの如き重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物と共重合させることもできる。

0061

これらの化合物は、単独で用いることもでき、2種類以上を混合して用いることもできる。上に例示した化合物の中にも、単独ではその固化物が指定の引張弾性率の範囲から外れるものもあるが、他の共重合性化合物、例えば単官能(メタ)アクリル系モノマーなどの単官能モノマーや、可塑剤などの非反応性化合物を混合使用することにより、指定範囲の引張弾性率と成して、それらを使用することができる。

0062

エネルギー線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、光重合開始剤を添加することもできる。光重合開始剤は、使用するエネルギー線に対して活性であり、エネルギー線硬化性化合物を重合させることが可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、ラジカル重合開始剤アニオン重合開始剤カチオン重合開始剤であって良い。光重合開始剤は多官能或いは単官能のマレイミド化合物であって良い。

0063

エネルギー線としては、紫外線可視光線赤外線の如き光線エックス線ガンマ線の如き電離放射線電子線、イオンビームベータ線重粒子線の如き粒子線が挙げられる。

0064

また、エネルギー線硬化性樹脂組成物は、溶剤、改質剤着色剤など、その他の成分を含有していても良い。エネルギー線硬化性樹脂組成物に含有させることができる改質剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、ノニオン系などの界面活性剤ポリビニルピロリドンの如き親水性重合体などの親水化剤;引張弾性率を調節するための可塑剤などが挙げられる。エネルギー線硬化性樹脂組成物に含有させることができる着色剤としては、例えば、任意の染料顔料蛍光性の染料や顔料、紫外線吸収剤が挙げられる。

0065

本発明の主題は、部材Cを形成する方法として、液体状の樹脂組成物からなる部材C形成材料を液面に展開し固化させて形成するところにある。部材C形成材料は固化させることにより部材Cの素材となる材料であり、且つ液面展開が可能なものであれば任意である。液面展開方法固化方法はそれぞれの素材に応じた方法を採ることが出来る。

0066

例えば、部材C形成材料として液体状のエネルギー線硬化性樹脂組成物を使用し、液面に展開した該組成物エネルギー線照射して固化させる方法、部材C形成材料として熱可塑性重合体の溶液を使用し、液面に展開した該溶液から溶剤を揮発させる方法、部材C形成材料として未固化の熱硬化性重合体の溶液を使用し、液面に展開した該溶液から溶剤を揮発させ、その後、加熱重合させる方法、等であり得る。部材C形成材料の固化は、完全な固化であっても良いし、他の部材の欠損部や溝を閉塞しない程度まで流動性喪失した不完全な固化であっても良い。

0067

このような液面展開法で部材Cを形成することにより、非常に薄くて柔軟な薄膜状の部材Cの形成が容易であり、しかも非常に薄くて柔軟な薄膜状の部材Cを部材Aや部材Bの上に積層させる操作が容易になる。

0068

液体状の部材C形成材料を展開する液体は任意であり、例えば、水(水溶液を含む。以下同様)、シリコンオイル、水銀、ハロゲン化ナフタレン等を挙げることができるが、水が好ましい。液体状の部材C形成材料の比重が1より大である場合や、部材C形成材料が親水性化合物を含有する場合などには、展開用液体は食塩臭化カリウムなどの塩の水溶液であることが好ましい。

0069

液体状の部材C形成材料を液面上に展開させる方法は任意であり、ラングミュア膜高分子薄膜の製造方法として公知の方法が利用できる。例えば、液面に接して又は液面上の適当な高さに設置されたノズルから滴下または流下する方法、液面下に設置されたノズルから吐出する方法、これらを液面の面積を変化させながら行う方法、などを採りうる。

0070

液面上に展開された部材C形成材料の厚みは、展開する液面の面積と部材C形成材料の供給量との関係や、溶剤を用いる場合にはその揮発性でも決定されるが、多くの場合、部材C形成材料の粘度に大きく依存し、高粘度であるほど厚くなる。本発明で使用する部材C形成材料の粘度は0.5〜10000mPa・sが好ましく、2〜5000mPa・sが更に好ましい。

0071

部材C形成材料がエネルギー線硬化性組成物のように液体である場合には、溶剤を添加せずに使用することも可能であるし、その粘度が目的とする粘度より高い場合には、溶剤を添加して粘度を調節することも出来る。部材C形成材料が熱可塑性重合体のように固定である場合には、溶液濃度を調節することで粘度を調節することが出来る。

0072

液面状に形成された部材Cを部材Aや部材Bの上に密着させる操作も、ラングミュア膜の製造方法として公知の方法が利用できる。例えば、下からすくい上げる方法、積層すべき他の部材を液中から液面にほぼ垂直の角度で液面上へ上昇させて液面の部材Cその表面に付着させる方法、上から密着させる方法、積層すべき他の部材を液上から液面にほぼ垂直の角度で液中に押し込み、液面の部材Cその表面に付着させる方法、等を採ることが出来る。

0073

本発明の好ましい態様の一つは、部材C形成材料としてエネルギー線硬化性樹脂組成物を用い、液面上に展開された該組成物にエネルギー線を照射する方法である。部材C形成材料としてエネルギー線硬化性樹脂組成物を使用することは、部材Aや部材Bとの接着が容易であること、部材Cの柔軟度の制御が容易であること、及び、これらを高い生産性で実施できること、といった利点を有する。

0074

エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を添加して粘度調節し、液面に展開する。溶剤除去方法は任意であり、揮発、展開液への吸収などであり得る。溶剤を除去する工程は、液面展開後、エネルギー線照射後、他の部材と接着後などの任意の工程の段階であって良いし、これらの段階にまたがっていても良いし、これらの工程中に行っても良いが、液面展開後で、エネルギー線照射前であることが好ましい。

0075

液面に展開されたエネルギー線硬化性樹脂組成物にエネルギー線をを照射して固化させ、部材Cと成す。照射は、エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化するに十分な線量を照射し、ほぼ完全に固化させても良いし、不十分な線量を照射し、不完全に固化した部材Cとしても良い。ほぼ完全に固化させる場合には、形成された部材Cを、接着剤を用いて他の部材と接着することも出来るし、或いは接着剤を用いずに半硬化状態或いは半乾燥状態の他の部材と接着することが出来る。

0076

不十分な線量を照射し、半硬化状態の部材Cは、他の部材に積層し、その状態で再度エネルギー線を照射して、接着剤無しに他の部材と接着することが出来る。この時、他の部材がエネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物で形成されている場合には、該硬化物もまた半硬化物であることが、接着が強固となるため好ましい。半硬化状態の部材Cを形成するには、完全硬化するには不十分な線量だけエネルギー線を照射する方法が好ましい。十分な線量の照射によっても固化しないエネルギー線硬化性樹脂組成物の使用は、その後の接着と完全硬化が困難であるため好ましくない。

0077

これらの中で、部材Cを半硬化状態で形成し、任意の素材で形成された部材Aと部材Bとの間に挟んだ状態でエネルギー線を再照射して接着する方法が好ましい。また、部材Cを完全硬化状態又は半硬化状態で形成し、エネルギー線硬化性樹脂組成物の半硬化物で形成された部材Aと部材Bとの間に挟んだ状態でエネルギー線を再照射して接着する方法が好ましい。上記いずれの場合も、再照射するエネルギー線は、最初の照射に用いたものと異なっていても良い。

0078

本発明の好ましい他の態様は、部材C形成材料として熱可塑性重合体の溶液を用い、液面に展開した該溶液から溶剤を除去して固化させる方法である。ここで言う熱可塑性重合体とは、架橋重合体でない重合体を言い、直鎖状重合体枝分かれ重合体、面状重合体を含む。従って、軟化温度分解温度より高く、熱可塑性を示さないものも含む。勿論、本方法で使用できる熱可塑性重合体は、溶剤に可溶なものである。溶剤除去方法は任意であり、揮発、展開液への吸収などであり得る。

0079

使用する溶剤は何らかかの方法で除去し、重合体を固化させることが可能であれば任意であるが、揮発性溶剤であることが好ましい。揮発性溶剤は沸点が150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることが更に好ましい。

0080

展開液に水を使用する場合に好ましい溶剤としては、例えば、ジエチルエーテルジブチルエーテルテトラヒドロフランの如きエーテル系溶剤;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエンシクロヘキサンの如き炭化水素系溶剤アセトン2−ブタノンの如きケトン系溶剤酢酸エチル酢酸ブチルの如きエステル系溶剤フッ素系溶剤などを挙げることができる。

0081

液面に展開された熱可塑性重合体溶液は溶剤を除去して固化させ、部材Cと成す。溶剤の除去(乾燥)方法は、揮発、展開液への吸収など任意である。溶剤を除去する工程は、他の部材(即ち部材A及び/又は部材B)への積層時には少なくとも流動性を喪失し、他の部材に形成された欠損部を閉塞しない程度に乾燥していることが必要であるが、完全に乾燥させるのは、その後の工程であっても良いし、これらの段階にまたがっていても良いし、これらの工程と同時に行っても良い。

0082

他の部材と積層する時点までに、ほぼ完全に乾燥させる場合には、形成された部材Cを、接着剤を用いて他の部材と接着することも出来るし、或いは接着剤を用いずに、熱可塑性重合体で形成された半乾燥状態の他の部材と接着することが出来る。或いは又、エネルギー線硬化性樹脂組成物の半硬化物で形成された他の部材と積層して、エネルギー線を照射することにより接着出来る。

0083

半乾燥状態の部材Cは、他の部材に積層し、その状態で乾燥して、接着剤無しに他の部材と接着することが出来る。この場合には、他の部材は熱可塑性重合体で形成されていることが、接着が強固となるため好ましい。この時、他の部材もまた溶剤を吸収した半乾燥状態であることも、接着が強固になり好ましい。この場合の乾燥方法は、静置加熱乾燥熱風乾燥真空乾燥などであり得るが。真空乾燥が生産性が高く好ましい。

0084

本態様で用いる熱可塑性重合体は、エネルギー線や水分などによって架橋する架橋性残基を有することも好ましい。これらの中で、部材Cを半乾燥で形成し、任意の素材で形成された部材Aと部材Bとの間に挟んだ状態で完全に乾燥して接着する方法が好ましい。また、部材Cを完全乾燥又は半乾燥状態で形成し、エネルギー線硬化性樹脂組成物の半硬化物で形成された部材Aと部材Bとの間に挟んだ状態でエネルギー線を再照射して接着する方法も好ましい。

0085

更に、部材Cを完全乾燥又は半乾燥状態で形成し、熱可塑性重合体の半乾燥物(又は溶剤含浸物)で形成された部材Aと部材Bとの間に挟んだ状態で完全乾燥して接着する方法が好ましい。

0086

本態様と同様にして、熱硬化性重合体原料を液面展開し、その後、熱固化させる方法も可能であるが、エネルギー線硬化性組成物を用いる第1の方法や、熱可塑性重合体を用いる本態様が、生産性が高く好ましい。

0087

以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」は特に断りがない限り「重量部」を表わす。

0088

<粘度の測定>山一電機株式会社製のVM−100A型振動式粘度計を用い、室温(24±1℃)にて測定した。

0089

<引張弾性率及び破断伸び率の測定>
測定試料の調製〕引張り試験試料は、幅10mm、長さ100mmの短冊型に切断して作製し、24±1℃、湿度55±5%の室内に16時間以上静置した。

0090

〔測定〕引張試験器として東洋精機製作所製の「ストログラフV1−C」を用い、24±1℃、湿度55±5%雰囲気中で、掴み具間距離80mm、引張速度20mm/分で測定した。

0091

<エネルギー線硬化性組成物の調製>実施例で使用するエネルギー線硬化性組成物の調製方法を以下に示した。
〔エネルギー線硬化性組成物[e1]の調製〕「ユニディックV4263」(大日本インキ化学工業株式会社製の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー)10部、「R−684」(日本化薬株式会社製のジシクロペンタニルジアクリレート)を70部、「N−177E」〔第一工業製薬株式会社製のノニルフェノキシポリエチレングリコール(n=17)アクリレート〕を20部、紫外線重合開始剤として「イルガキュアー184」(チバガイギー社製の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)5部、及び重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学株式会社製)を0.1部を混合して、エネルギー線硬化性組成物[e1]を調製した。

0092

〔エネルギー線硬化性組成物[e2]の調製〕「ユニディックV4263」20部、「サートマーC2000」(ソマール社製のω−テトラデカンジオールジアクリレート及びω−ペンタデカンジオールジアクリレートを主成分とするジアクリレート混合物)60部、「ニューフロンティアDDA」(第一工業製薬株式会社製の1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)20部、「イルガキュアー184」5部、及び2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学社製)0.1部を混合して、エネルギー線硬化性組成物[e2]を調製した。

0093

〔エネルギー線硬化性樹脂組成物[e3]の調製〕架橋重合性のエネルギー線硬化性化合物として、「ユニディックV4263」40部及び「サートマーC2000」40部、両親媒性の重合性化合物として「N−177E」)を20部、重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学社製)を0.5部、及び光重合開始剤として「イルガキュアー184」を5部、を均一に混合してエネルギー線硬化性組成物[e3]を調製した。

0094

<エネルギー線の照射>エネルギー線として紫外線を使用した。ウシオ電機株式会社製のマルチライト200型光源ユニットを用いて、窒素雰囲気中で、365nmにおける強度が50mW/cm2の紫外線を照射した。

0095

<実施例1>
〔部材Aの作製〕ポリスチレン(大日本インキ化学工業株式会社製の「ディックスレンXC−520」。以下、[p1]と称する)からなる10cm×10cm×3mmの平板を使用した支持体A(1)に、127μmのバーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e1]を塗布し、紫外線を1秒間照射して、厚さ約97μmの流動性を喪失した半硬化状態の樹脂層A1(2)を形成した。

0096

この樹脂層A1(2)の上に更に、50μmのバーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e1]を塗布して樹脂層A2(3)となるべき塗膜を賦形し、窒素雰囲気中で、フォトマスクを使用して、図1の凹状の欠損部A(4)及び溝A(5)と成す部分以外の部分に、上記と同じ紫外線を1秒間照射して照射部分の塗膜を半硬化した樹脂層A2(3)となし、未照射部分の未硬化のエネルギー線硬化性組成物[e1]を洗瓶から噴出させた蒸留水水流にて洗浄除去して、樹脂層A2(3)の欠損部として凹状の欠損部A(4)及び溝A(5)を形成した。

0097

以上の操作により、エネルギー線硬化性組成物[e1]の硬化物で構成された、図1に示したパターン形状の、直径100μm、深さ28μmの円筒形の凹状の欠損部A(4)、流入口A(6)にて凹状の欠損部A(4)と接続された、幅50μm、深さ28μm、長さ15mmの、底の角が丸まった矩形の断面形状を有する溝A(5)を有する、樹脂層A1(2)と樹脂層A2(3)の積層体から成る、厚さ約127μmのシート状の部材Aを支持体A(1)上に作製した。

0098

次いで、凹状の欠損部A(4)の中心部において支持体A(1)及び樹脂層A1(2)を貫通する直径0.3mmの孔を穿つことによって流出口A(7)、流路A2(5’−2)及び接続口2(9)を形成し、また、溝A(5)の他端部において支持体A(1)と部材Aを貫通する直径0.3mmの穴を穿って流路A3(5’−3)及び接続口1(8)を形成した。

0099

〔部材Bの作製〕別途、部材Aと同様にして、支持体A(1)、樹脂層A1(2)、樹脂層A2(3)、凹状の欠損部A(4)、空洞A(4’)、溝A(5)、流路A1(5’−1)、流路A3(5’−3)、流入口A(6)、接続口1(8)に相当する部分がそれぞれ、支持体B(11)、樹脂層B1(12)、樹脂層B2(13)、凹状の欠損部B(14)、空洞B(14’)、溝B(15)、流路B1(15’−1)、流路B2(15’−2)、流入出口B(16)、接続口3(17)であること、及び 、流路A2(15’−2)、流出口A(7)、接続口2(9)に相当する構造が設けられていないこと以外は支持体A(1)−部材A複合体と同様の構造と同寸法の各部構造を有する、支持体B(11)−部材B複合体を作製し、図2図3に示された部分を残して支持体B(11)−部材B複合体の周囲部分を切り落とし、2.5cm×5cmの寸法とした。

0100

〔部材Cの形成〕エネルギー線硬化性組成物[e2](粘度4900mPa・s)を飽和食塩水の水面上に滴下し、紫外線を3秒間照射して硬化させ、厚み約30μmの半硬化状態の部材C(10)とした。

0101

〔部材A、B、及びCの接着〕この部材C(10)の上から、支持体A(1)−部材A複合体を液面に垂直に液面下に押し込み、部材Aの欠損部A形成面に部材Cを積層し水洗、乾燥した。部材Aの側面及び支持体Aに付着した部材Cを切除して、部材Aの欠損部A形成面の上に部材C(10)の層が1層積層した状態とし、ヘアドライヤー熱風にて部材Cに含有される残余の溶剤を揮発除去し、部材Cの上に支持体B(11)−部材B複合体の部材B側を、溝A(5)と溝B(15)が重ならない向きにして、凹状の欠損部A(4)と凹状の欠損部B(14)の位置を合わせて積層し、密着させた状態で、紫外線を60秒間照射して部材A、部材B、部材C(10)の全てを完全に硬化させると共にこれらの部材を互いに接着し、凹状の欠損部A(4)と部材C(10)とで空洞A(4’)が、溝A(5)と部材C(10)とで毛細管状の流路A1(5’−1)が、凹状の欠損部B(14)と部材C(14)とで空洞B(14’)が、溝B(15)と部材C(10)とで流路(15’−1)がそれぞれ形成された、図2及び図3に示した構造の微小バルブ機構[#1]を得た。

0102

〔部材A、B及びCの素材の引張特性〕別途、塗工支持体としてポリプロピレン二軸延伸シート(二化学社製の「FOR」、厚さ30μm 、片面コロナ処理);以下、「OPPシート」と略称する)を使用し、この上にエネルギー線硬化性組成物を塗布し、紫外線を60秒間照射して完全に硬化させた後塗工支持体を剥離し、厚み各95μmの、エネルギー線硬化性組成物の硬化物シートを作製した。このシートの引張特性を測定した結果、エネルギー線硬化性組成物(e1)硬化物は引張弾性率1160(MPa)、破断伸び率76(%)、エネルギー線硬化性組成物(e2)硬化物は引張弾性率が265(MPa)、破断伸び率が8.0(%)であった。

0103

一方、紫外線照射時間を3秒としたこと以外は上と同様にして作製した半硬化物シートは、エネルギー線硬化性組成物(e1)の半硬化物は引張弾性率約130(MPa)、破断伸び率が約3(%)、エネルギー線硬化性組成物(e2)の半硬化物は引張弾性率が約30(MPa)、破断伸び率が約3(%)であった。

0104

〔流路の開閉試験〕接続口1(8)からマイクロシリンジを用いて蒸留水を流路に注入したところ、水は流路A3(5’−3)、流路A1(5’−1)、流入口(6)、空洞A(4’)、流出口(7)及び流路A2(5’−2)を通って接続口2(9)から流出した。次に、接続口3(17)から0.3MPa(ゲージ圧)の圧縮空気を導入したところ、水の流通が遮断され、常圧に戻すと水は再び流通した。この試験を10回繰り返したが、すべて同様の結果であった。

0105

また、同じ微小バルブを10個作製し、試験に供したところ、流路からの液の漏洩が生じるものやダイヤフラムの破損を生じたものは1つもなく、全て上記と同じ結果が得られ、歩留まりは100%であった。

0106

<実施例2>
〔部材Aの作製〕ポリスチレン[p1]からなる10cm×10cm×3mmの平板を使用した支持体A(31)に、127μmのバーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e1]を塗布し、窒素雰囲気中で紫外線を1秒間照射して、流動性を喪失した半硬化状態の樹脂層A1(32)を形成した。

0107

この樹脂層A1(32)の上に更に、50μmのバーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e1]を塗布し、窒素雰囲気中で、フォトマスクを使用して、図4図5に示された流路A2(35’−2)と成すべき部分以外の部分に、上記と同じ紫外線を1秒間照射して照射部分の塗膜を半硬化した樹脂層A2(33)となし、未照射部分の未硬化のエネルギー線硬化性組成物[e1]を洗瓶から噴出させた蒸留水の水流にて洗浄除去し、樹脂層A2(33)の欠損部として、流路A2(35’−2)と成る溝A(35’−2)を形成した。その後、該溝Aの一端において、支持体A(31)、樹脂層A1(32)及び樹脂層A2(33)に直径0.3mmの孔を穿ち、流路A3(35’−3)及び接続口1(38)を形成した。

0108

次いで、塗工支持体(図示せず)としてOPPフィルムを10cm×10cmに切断して使用し、このコロナ処理面側に、50μmのバーコーターを用いてエネルギー線硬化性組成物[e2]を塗布し、窒素雰囲気中で、図4図5に示れた流入口A(37)及び流路A4(35’−4)と成る部分以外の部分に上記と同じ紫外線を3秒間照射して、照射部分の塗膜を半硬化した樹脂層A3(39)となし、未照射部分の未硬化のエネルギー線硬化性組成物[e1]を洗から噴出させたエタノール流にて洗浄除去し、直径70μmの円筒状の流入口A(37)及び流路A4(35’−4)となる、樹脂層A3(39)の穴状の欠損部を形成した。

0109

この樹脂層A3(39)を、流入口A(37)が流路A2(35’−2)と成るべき溝(35’−2)の一端と連絡する位置に合わせて、部材Aに積層し、密着させた状態で紫外線を3秒間照射して樹脂層A3(39)を固化させ、塗工支持体(図示せず)を剥離して、樹脂層A2(33)に樹脂層A3(39)を接着した。

0110

続いて、流入口A(37)及び流路A(35’−4)の代わりに、空洞A(34’)及び流路A1(35’−1)と成るべき樹脂欠損部が形成されたこと以外は樹脂層A3と同様にして、樹脂層A4(40)を塗工支持体(図示せず)上に形成し、流入口A(37)が空洞A(34’)と成るべき欠損部A(34’)の中心に置かれるように位置を合わせて、積層・接着した。その後、流路A1(35’−1)と成るべき溝(35’−1)の他端において、支持体A(31)、樹脂層A1(32)、樹脂層A2(33)、樹脂層A3(39)及び樹脂層A4(40)を貫通する直径0.3mmの孔を穿ち、流路A5(35’−5)及び接続口2(41)を形成した。

0111

以上の操作により、エネルギー線硬化性組成物[e1]の硬化物で構成された4層の樹脂層から成る、厚みが約180μmである部材Aを、支持体A(31)の上に形成した。

0112

〔部材Bの作製と接着〕実施例1と同様にして、空洞B(54’)となる欠損部B(54’)、流路B1(55’−1)となる溝B(55’−1)、流入出口B(56)、流路B2(55’−2)、及び接続口3(57)が形成された、厚み各95μmの樹脂層B1(52)と厚みが約28μmの樹脂層B2(53)から成る部材Bを支持体B(51)上に作製した。

0113

〔部材Cの作製と接着〕ダイヤフラム形成材料として、エネルギー線硬化性組成物[e2]の代わりにエネルギー線硬化性組成物[e3]の10重量%の2−ブタノン溶液(粘度1050mPa・s)を使用したこと、展開液の上から滴下する代わりに内径1mmのステンレスパイプを用いて液面直下に吐出したこと、及び紫外線照射に先立ち、室温、僅かな気流下で10分間、溶剤を蒸発させたこと以外は実施例1と同様にして、厚み約7μmの部材C(42)を作製し、これを40℃で10分間真空乾燥した後に、部材Aと部材Bの間に挟持積層した状態で紫外線照射して接着し、図4と5に示された空洞B(54’)、流路B1(55’−1)、流入出口B(56)を形成すると共に、支持体A(31)−部材A−部材C(42)−部材B−支持体B(51)が積層、接着された微小バルブ機構[#2]を作製した。

0114

〔部材Cの素材の引張特性〕実施例1と同様にして測定したエネルギー線硬化性組成物[e3]硬化物の引張特性は引張弾性率が220(MPa)、破断伸び率が7.5(%)であった。一方、紫外線照射時間を3秒としたこと以外は上と同様にして作製した半硬化物シートは引張弾性率が約25(MPa)、破断伸び率が約3(%)であった。

0115

〔流路の開閉試験〕接続口1(38)からマイクロシリンジを用いて蒸留水を流路に注入したところ、水は流路A3(35’−3)、流路A2(35’−2)、流路A4(35’−4)、流入口A(37)、空洞A(34’)、流出口A(36)、流路A5(35’−5)及び流路A1(35’−1)を通って接続口1(41)から流出した。次に、接続口3(57)に0.3MPa(ゲージ圧)の圧縮空気を導入したところ、水の流通が遮断され、常圧に戻すと水は再び流通した。この試験を10回繰り返したが、すべて同様の結果であった。

0116

また、同じ微小バルブを10個作製し、試験に供したところ、流路からの液の漏洩が生じるものやダイヤフラムの破損を生じたものは1つもなく、全て上記と同じ結果が得られ、歩留まりは100%であった。

0117

<実施例3>部材Cを、熱可塑性ポリウレタン(大日本インキ化学工業株式会社製、パンデックスT−5205)の10%テトラヒドロフラン(東京化成株式会社製)溶液(粘度1420mpa・s)を水面直下に吐出し、紫外線照射の代わりに、弱い気流下、25℃、30分の乾燥を行って作製したこと以外は、実施1と同様にして、ダイヤフラムを構成する部材Cの素材が、厚み約10μmの熱可塑性ポリウレタンであること以外は微小バルブ機構(#1)と同様の微小バルブ機構(#3)を製造した。

0118

〔部材Cの素材の引張特性〕別途、溶剤キャスト法と45℃2時間の真空乾燥で、厚み約100μmの熱可塑性ポリウレタン(大日本インキ化学工業株式会社製、パンデックスT−5205)シートを作製して引張特性を測定した結果、引張弾性率約12(MPa)、破断伸び率約800(%)であった。

0119

〔流路の開閉試験〕微小バルブ機構(#3)を用いて実施例1と同様の試験を行い、実施例1と同様の結果を得た。また、同じ微小バルブを10個作製し、試験に供したところ、流路からの液の漏洩が生じるものやダイヤフラムの破損を生じたものは1つもなく、全て上記と同じ結果が得られ、歩留まりは100%であった。

0120

<実施例4>
〔部材(A)の作製〕ポリスチレン[p1]からなる2.5cm×5cm×厚さ3mmの平板状の基材(1)を、電気式熱風トーチで加熱して表面を軟化させ、180℃に熱したガラス製の鋳型(図示せず)に押しつけて冷却した後、剥離し、基材(1)表面に、幅30μm 、深さ30μm 、長さ30mmの溝であって、断面が概矩形の溝(2)、溝の途上に設けられた直径90μm 、深さ30μm の円筒形の欠損部(3)を形成し、更に溝(2)の両端部において直径0.5mmのキリ孔を穿つことにより、流入口(4)と流出口(5)を形成して、複数の素材と層から成る代わりに単一素材で形成されていること以外は図1に示した形状の部材[A−4]を作製した。

0121

〔部材(B)の作製〕上記と同様に、部材[A−4]と同様の構造の部材「B−4]を作製した。

0122

〔部材(C)の作製と接着〕液面展開後の乾燥が無風下、25℃、5分の半乾燥であること、実施例3と同様にして部材[C−4]を作製し、エネルギー線を照射しなかったこと、ヘアドライヤーによる部材Cの乾燥を行わなかったこと、積層した部材A−4、B−4、C−4の接着を、バネクランプを用いて密着させた状態で45℃、5時間の真空乾燥により行ったこと以外は実施例3と同様にして、部材[A−4]−部材[C−4]−部材[B−4]が積層接着された微小バルブ機構[#4]を得た。

0123

〔流路の開閉試験〕実施例3と同様にして試験を行い、同様の結果を得た。しかしながら、同じ微小バルブを10個作製したところ、流路からの液の漏洩が生じるものやダイヤフラムの破損を生じたものが5個有り、歩留まりは50%であった。

0124

<実施例5>
〔部材(A)の作製〕実施例4と全く同様にして作製した部材[A−4]を用いた。
〔部材(B)の作製〕実施例4と全く同様にして作製した部材[B−4]を用いた。

0125

〔部材(C)の作製と接着〕実施例2と同様にしてエネルギー線硬化性組成物(e3)の半硬化物から成る部材[C−2]を作製し、部材[A−2]の代わりに部材[A−4]を用いたこと、及び部材[B−2]の代わりに部材[B−4]を用いたこ以外は実施例2と同様にして、部材[A−4]−部材[C−2]−部材[B−4]が積層接着された、微小バルブ機構[#5]を得た。

0126

〔流路の開閉試験〕実施例4と同様にして試験を行い、同様の結果を得た。しかしながら、同じ微小バルブを10個作製したところ、流路からの液の漏洩が生じるものやダイヤフラムの破損を生じたものが2個有り、歩留まりは80%であった。

発明の効果

0127

本発明は、微小バルブ機構のダイヤフラムと成すべき、薄くて柔軟な薄膜を容易に製造すると共に、取扱性の悪い該薄膜を、更に微小なダイヤフラム形状に加工することなく、そのまま作業性良く他の部材と積層、接着することの出来る、生産性に優れたダイヤフラム型の微小バルブ機構の製造方法を提供する。

図面の簡単な説明

0128

図1実施例1及び実施例3で作製した微小バルブ機構の部材A及び部材Bに形成されたパターンの平面図の模式図である。
図2実施例1及び実施例3で作製した微小バルブ機構の平面図の模式図である。
図3実施例1及び実施例3で作製した微小バルブ機構の立面図の模式図である。
図4実施例2で作製した微小バルブ機構の平面図の模式図である。
図5実施例2で作製した微小バルブ機構の立面図の模式図である。

--

0129

1 :支持体A
2 :樹脂層A1
3 :樹脂層A2
4 :凹状の欠損部A
4’ :空洞A
5 :溝A;樹脂層A1の欠損部
5’−1 :流路A1;樹脂層A2の欠損部
5’−2 :流路A2;支持体A及び樹脂層A1を貫通して穿たれた孔
5’−3 :流路A3;支持体A、樹枝層A1及び樹枝層A2を貫通して穿たれた孔
6 :流入口A
7 :流出口A
8 :接続口1
9 :接続口2
10 :部材C
11 :支持体B
12 :樹脂層B1
13 :樹脂層B2
14 :往生の欠損部B;樹脂層B1の欠損部
14’ :空洞B
15 :溝B;樹脂層B1の欠損部
15’−1 :流路B1;樹脂層B1の欠損部
15’−2 :流路B2;支持体B、樹枝層B1、及び樹枝層B2を貫通して穿たれた孔
16 :流入出口B
17 :接続口3
31 :支持体A
32 :樹脂層A1
33 :樹脂層A2
34’ :空洞A、欠損部A
35’−1 :流路A1;樹脂層A4の欠損部;溝
35’−2 :流路A2;樹脂層A2の欠損部;溝
35’−3 :流路A3;支持体A、樹脂層A1及び樹脂層A2を貫通して穿たれた孔
35’−4 :流路A4;樹脂層A3の孔状の欠損部
35’−5 :流路A5;支持体A、樹脂層A1、樹脂層A2、樹脂層A3及び樹脂層A4を貫通して穿たれた孔
36 :流出口A
37 :流入口A
38 :接続口1
39 :樹脂層A3
40 :樹脂層A4
41 :接続口2
42 :部材C
51 :支持体B
52 :樹脂層B1
53 :樹脂層B2
54’ :空洞B;欠損部B
55’−1 :流路B1;樹脂層B2の欠損部
55’−2 :流路B2;支持体B及び樹脂層B1を貫通して穿たれた孔
56 :流入出口B
57 :接続口3

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