図面 (/)

技術 河川・湖沼等の浄化方法及び浄化システム

出願人 株式会社樫野株式会社エレックスインターナショナル
発明者 山下昭彦平田哲平石橋忠也
出願日 2001年6月13日 (19年0ヶ月経過) 出願番号 2001-178690
公開日 2002年12月24日 (17年6ヶ月経過) 公開番号 2002-370100
状態 拒絶査定
技術分野 汚泥処理 水工一般、港湾設備
主要キーワード 各回転シャフト 回収地点 アルミ量 反復回転 誘導筒 循環ステップ ケーブル無し 尾ひれ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年12月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

河川湖沼等の汚濁スラリーを、全体的に、低コスト且つ短期間で浄化する浄化方法を提供する。

解決手段

河川・湖沼等の底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水からなる汚濁スラリーを配管吸引する吸引ステップと、吸引ステップで吸引された汚濁スラリーに無機系凝集剤を添加したあと両者を混合する凝集剤混合ステップと、凝集剤混合ステップで混合された混合物沈殿処理して処理水スラッジとに分離する沈殿テップと、処理水を元の河川・湖沼等に放流する放流ステップと、スラッジを固化して客土として再生する客土再生ステップとを備える。

概要

背景

水流が緩やかでよどんだ河川湖沼では、そこへ流入する汚濁物河床湖底堆積し、自然浄化作用では水質復元できないほど、水の汚濁が進行する。河川・湖沼等の水が汚濁されているとは、植物プランクトンアオコ等の藻類が異常に発生したり、堆積汚泥ヘドロ)からのメタンガス等が発生することであり、水中に含有される窒素や燐の濃度が高くなった富栄養化状態下にあることをいう。

富栄養化した河川・湖沼等を人工的に浄化する方法が種々検討されている。

例えばヘドロ浚渫法がある。この方法は、閉め切られた川や池の水をいったんポンプで排出して、河川・湖沼等の底に沈積したヘドロを露出させる。そのあと、露出したヘドロ等を浚渫機械で掘り起こし、掘り出されたヘドロ等を天日干しあるいは固化材投入によって固め、それを産業廃棄物として処理している。また、富栄養化した河川・湖沼等に浚渫船を浮かべ、浚渫船で底に溜まったヘドロ等をクレーン等で浚い、回収したヘドロ等を上記と同様の方法で処理している。

上述した従来の浄化方法では、ヘドロを回収するために、まず河川・湖沼等をいったん閉め切って排水したあと底に溜まったヘドロを露出させる必要があり、長期間且つ大掛かりな排水作業を要する。また、回収したヘドロ等には土が含まれており、そのままでは有効活用できないので産業廃棄物として処理される。そのために多大な産廃処理費用が必要となる。

そして、とりわけ重要なことは、上述した従来の浄化方法が、底に溜まったヘドロだけを回収するものであり、上層水を回収するものではないということである。ヘドロは、富栄養化によって異常発生した植物プランクトンやアオコ等の藻類等の死骸が沈積したものである。上層水にはヘドロ発生源である植物プランクトンやアオコ等の藻類が含まれており、これらのヘドロ発生源を継続的に除去しない限り、時間の経過とともに、新たなヘドロが発生する。すなわち、従来の浄化方法は、あくまでヘドロを一時的に、言いかえれば汚濁スラリーの一部分を除去するものであって、ヘドロ発生源を含む上層水を浄化するものではない。したがって、いったん浄化された河川・湖沼等であっても、そのきれいな水質が半永続的に維持されることはない。

ところで、河川・湖沼等の水と新鮮な空気との接触面積を増加させて、水中の溶存酸素量を増加させるエアレーションと呼ばれる方法(例えば、噴水曝気)がある。この方法は、水を空気に接触させることにより水中の溶存酸素量を増加させ、河川等の自然浄化作用を向上させるものである。汚濁があまり進行していない初期段階においては有効であるが、多量のヘドロが沈積して汚濁が相当進行したヘドロ沈積段階においては有効ではない。また、この方法では、完全に浄化するためには非常に長い年月を要するので、現実的には浄化が不可能である。

概要

河川・湖沼等の汚濁スラリーを、全体的に、低コスト且つ短期間で浄化する浄化方法を提供する。

河川・湖沼等の底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水からなる汚濁スラリーを配管吸引する吸引ステップと、吸引ステップで吸引された汚濁スラリーに無機系凝集剤を添加したあと両者を混合する凝集剤混合ステップと、凝集剤混合ステップで混合された混合物沈殿処理して処理水スラッジとに分離する沈殿テップと、処理水を元の河川・湖沼等に放流する放流ステップと、スラッジを固化して客土として再生する客土再生ステップとを備える。

目的

したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、河川・湖沼等の汚濁スラリーを、全体的に、低コスト且つ短期間で浄化する浄化方法及び浄化システムを提供することである。

また、他の解決すべき課題は、上記課題に加えて、いったん浄化された水質を半永続的に維持することである。

本発明は、上記技術的課題を解決するために、河川・湖沼等の底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水からなる汚濁スラリーを配管で吸引する吸引ステップと、前記吸引ステップで吸引された汚濁スラリーに無機系凝集剤を添加したあと両者を混合する凝集剤混合ステップと、前記凝集剤混合ステップで混合された混合物を沈殿処理して処理水とスラッジとに分離する沈殿ステップと、前記沈殿処理によって得られた処理水を元の河川・湖沼等に放流する放流ステップと、前記沈殿処理によって得られたスラッジを固化して客土として再生する客土再生ステップとを備えることを特徴とする浄化方法を提供する。

また、本発明は、河川・湖沼等の底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水からなる汚濁スラリーを吸引するスラリー吸引手段と、前記吸引された汚濁スラリーに無機系凝集剤を添加したあと両者を混合する混合手段と、前記混合物を沈殿させて沈殿処理された処理水とスラッジとに分離する沈殿手段と、前記処理水を元の河川・湖沼等に放流する放流手段と、前記スラッジを固化するスラッジ固化手段とを備えることを特徴とする河川・湖沼等の浄化システムを提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

河川湖沼等の底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水からなる汚濁スラリー配管吸引する吸引ステップと、前記吸引ステップで吸引された汚濁スラリーに無機系凝集剤を添加したあと両者を混合する凝集剤混合ステップと、前記凝集剤混合ステップで混合された混合物沈殿処理して処理水スラッジとに分離する沈殿テップと、前記沈殿処理によって得られた処理水を元の河川・湖沼等に放流する放流ステップと、前記沈殿処理によって得られたスラッジを固化して客土として再生する客土再生ステップとを備えることを特徴とする河川・湖沼等の浄化方法

請求項2

河川・湖沼等の底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水からなる汚濁スラリーを配管で吸引する吸引ステップと、前記吸引ステップで吸引された汚濁スラリーに無機系凝集剤を添加したあと両者を混合する凝集剤混合ステップと、前記凝集剤混合ステップで混合された混合物を沈殿処理して処理水とスラッジとに分離する沈殿ステップと、前記沈殿ステップで得られた処理水に微細な泡を吹き込んで処理水中に含まれる浮遊物凝集させて泡とともに浮上させて除去するとともに、浮遊物が除去された清澄水を抽出する浮遊物分離ステップと、前記浮遊物分離ステップによって得られた清澄水を元の河川・湖沼等に放流する放流ステップと、前記スラッジと一緒に前記浮遊物を固化して客土として再生する客土再生ステップとを備えることを特徴とする河川・湖沼等の浄化方法。

請求項3

前記無機系凝集剤がエレクサイトであることを特徴とする、請求項1又は2記載の浄化方法。

請求項4

請求項1又は2記載の浄化方法によって、河川・湖沼等をいったん浄化したあと、河川・湖沼等の表層水深層水とを循環させる波動を起こして、表層水と深層水とを継続的に循環させる循環ステップとを備え、河川・湖沼等の浄化状態を維持することを特徴とする、河川・湖沼等の浄化方法。

請求項5

前記波動は、オロイド撹拌翼のように動かして起こすことを特徴とする、請求項4記載の浄化方法。

請求項6

河川・湖沼等の底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水からなる汚濁スラリーを吸引するスラリー吸引手段と、前記吸引された汚濁スラリーに無機系凝集剤を添加したあと両者を混合する混合手段と、前記混合物を沈殿させて沈殿処理された処理水とスラッジとに分離する沈殿手段と、前記処理水を元の河川・湖沼等に放流する放流手段と、前記スラッジを固化するスラッジ固化手段とを備えることを特徴とする河川・湖沼等の浄化システム

請求項7

前記沈殿処理後の処理水を導いて、前記処理水に微細な泡を吹き込んで処理水中に含まれる微細な浮遊物を凝集させて泡とともに浮上させて除去するとともに、浮遊物除去後の清澄水を抽出する浮遊物分離手段をさらに備え、前記放流手段によって前記清澄水を元の河川・湖沼等に放流する一方、前記スラッジ固化手段によって前記浮遊物をスラッジと一緒に固化することを特徴とする、請求項6記載の河川・湖沼等の浄化システム。

請求項8

前記無機系凝集剤がエレクサイトであることを特徴とする、請求項6又は7記載の浄化システム。

請求項9

さらに、河川・湖沼等の表層水と深層水とを循環させる波動を生成する波動創流手段とを備え、いったん浄化したあとの河川・湖沼等に対してその表層水と深層水とを循環させる波動を起こして、河川・湖沼等の浄化状態を維持することを特徴とする、請求項6又は7記載の浄化システム。

請求項10

オロイド型撹拌翼を櫓のように動かすことによって前記波動を起こすことを特徴とする、請求項9記載の浄化システム。

請求項11

少なくとも、前記スラリー吸引手段と前記混合手段と前記沈殿手段と前記放流手段とを備える台船を河川・湖沼等に浮かべて、河川・湖沼等の汚濁スラリーを吸引して浄化することを特徴とする、請求項6記載の浄化システム。

技術分野

0001

本発明は、河川湖沼等の浄化方法及び浄化システムに関し、詳細には、河床底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水を同時に処理することによって河川・湖沼等の水質を全体として改善する浄化方法及び浄化システムに関する。

背景技術

0002

水流が緩やかでよどんだ河川や湖沼では、そこへ流入する汚濁物が河床や湖底に堆積し、自然浄化作用では水質が復元できないほど、水の汚濁が進行する。河川・湖沼等の水が汚濁されているとは、植物プランクトンアオコ等の藻類が異常に発生したり、堆積汚泥(ヘドロ)からのメタンガス等が発生することであり、水中に含有される窒素や燐の濃度が高くなった富栄養化状態下にあることをいう。

0003

富栄養化した河川・湖沼等を人工的に浄化する方法が種々検討されている。

0004

例えばヘドロ浚渫法がある。この方法は、閉め切られた川や池の水をいったんポンプで排出して、河川・湖沼等の底に沈積したヘドロを露出させる。そのあと、露出したヘドロ等を浚渫機械で掘り起こし、掘り出されたヘドロ等を天日干しあるいは固化材投入によって固め、それを産業廃棄物として処理している。また、富栄養化した河川・湖沼等に浚渫船を浮かべ、浚渫船で底に溜まったヘドロ等をクレーン等で浚い、回収したヘドロ等を上記と同様の方法で処理している。

0005

上述した従来の浄化方法では、ヘドロを回収するために、まず河川・湖沼等をいったん閉め切って排水したあと底に溜まったヘドロを露出させる必要があり、長期間且つ大掛かりな排水作業を要する。また、回収したヘドロ等には土が含まれており、そのままでは有効活用できないので産業廃棄物として処理される。そのために多大な産廃処理費用が必要となる。

0006

そして、とりわけ重要なことは、上述した従来の浄化方法が、底に溜まったヘドロだけを回収するものであり、上層水を回収するものではないということである。ヘドロは、富栄養化によって異常発生した植物プランクトンやアオコ等の藻類等の死骸が沈積したものである。上層水にはヘドロ発生源である植物プランクトンやアオコ等の藻類が含まれており、これらのヘドロ発生源を継続的に除去しない限り、時間の経過とともに、新たなヘドロが発生する。すなわち、従来の浄化方法は、あくまでヘドロを一時的に、言いかえれば汚濁スラリーの一部分を除去するものであって、ヘドロ発生源を含む上層水を浄化するものではない。したがって、いったん浄化された河川・湖沼等であっても、そのきれいな水質が半永続的に維持されることはない。

0007

ところで、河川・湖沼等の水と新鮮な空気との接触面積を増加させて、水中の溶存酸素量を増加させるエアレーションと呼ばれる方法(例えば、噴水曝気)がある。この方法は、水を空気に接触させることにより水中の溶存酸素量を増加させ、河川等の自然浄化作用を向上させるものである。汚濁があまり進行していない初期段階においては有効であるが、多量のヘドロが沈積して汚濁が相当進行したヘドロ沈積段階においては有効ではない。また、この方法では、完全に浄化するためには非常に長い年月を要するので、現実的には浄化が不可能である。

発明が解決しようとする課題

0008

したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、河川・湖沼等の汚濁スラリーを、全体的に、低コスト且つ短期間で浄化する浄化方法及び浄化システムを提供することである。

0009

また、他の解決すべき課題は、上記課題に加えて、いったん浄化された水質を半永続的に維持することである。

0010

また、本発明は、河川・湖沼等の底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水からなる汚濁スラリーを吸引するスラリー吸引手段と、前記吸引された汚濁スラリーに無機系凝集剤を添加したあと両者を混合する混合手段と、前記混合物沈殿させて沈殿処理された処理水スラッジとに分離する沈殿手段と、前記処理水を元の河川・湖沼等に放流する放流手段と、前記スラッジを固化するスラッジ固化手段とを備えることを特徴とする河川・湖沼等の浄化システムを提供するものである。

0011

上記方法によれば、河川・湖沼等の底に堆積したヘドロ及びその上層にある上層水からなる汚濁スラリーに対して無機系凝集剤を添加して混合すると、混合物が処理水と沈殿物であるスラッジとに短時間で分離される。分離された処理水を河川・湖沼等に戻すことによって、浄水サイクルが形成され、河川・湖沼等の水質が改善される。それとともに、固化剤を添加することによって固化されたスラッジは、農業用土壌公園客土として再資源化される。したがって、河川・湖沼等の汚濁スラリーを低コスト且つ短期間で浄化することができる。なお、凝集剤として用いた無機系凝集剤は、石油からできた有機高分子系凝集剤と違って、生態系を破壊することがなく、地球環境にも優しいという特長を有している。

0012

好ましくは、沈殿ステップと放流ステップとの間に、沈澱処理後の処理水に微細な泡を吹き込んで処理水中に含まれる浮遊物凝集させて泡とともに浮上させて除去するとともに、浮遊物除去後の清澄水を抽出する浮遊物分離ステップが設けられる。

0013

沈殿処理後に得られる処理水には、微細な浮遊物が含まれている。浮遊物分離ステップをさらに加えることにより、処理水中に含まれる微細な浮遊物は、微細な泡によって凝集されて泡とともに浮上する。そして、水面近傍に集められた浮遊物が除去されて、処理水よりもきれいな清澄水が得られる。そして、微細な浮遊物も含まない清澄水が河川・湖沼等に戻される。また、浮遊物は、沈殿槽で既に回収されたスラッジと一緒にされて、農業用土壌や公園用客土として再資源化される。

0014

種々の無機系凝集剤も使用可能であるが、凝集能力凝集速度、環境への影響、リサイクル性等の様々な観点からエレクサイトが好ましい。

0015

上述した方法によって、いったん、河川・湖沼等の汚濁スラリーが浄化されるものの、汚濁物質すなわち窒素やリン等の栄養源が少量且つ徐々に外部から混入して、アオコや水中微生物繁殖するゆるやかな汚濁が始まる。このゆるやかな汚濁では、元の本汚濁と違って、汚濁の程度が僅かである。しかしながら、ゆるやかな汚濁が長期間続くと、元の本汚濁状態になってしまう。それゆえ、アオコや水中微生物の繁殖を防止するために、アオコの栄養源である窒素やリンを継続的に取り除く必要がある。

0016

自然生態系にある水の中には好気性微生物等の各種微生物が生息する。好気性微生物は、通常、水中溶存酸素量が高いほど活発に活動し、水中の燐及び窒素を体内に吸収して、それらを固定化する働きを有する。したがって、水中溶存酸素量が高いほど、アオコの栄養源である窒素やリンが取り除かれるという自然生態系における浄化作用自浄作用)が有効に働く。

0017

したがって、上記浄化方法は、さらに、河川・湖沼等の表層水深層水とを循環させる波動を起こして、表層水と深層水とを継続的に循環させる循環ステップをさらに備え、河川・湖沼等の浄化状態を維持することが好ましい。

0018

上記方法によれば、いったん浄化された河川・湖沼等の表層水と深層水とが何度も入れ替わって、河川・湖沼等の水が全体として十分に循環される。河川・湖沼等における深さ方向の循環によって、河川・湖沼等の水中溶存酸素量が高くなって、河川・湖沼等における本来の自浄作用が働き、アオコの栄養源である窒素やリンが取り除かれる。

0019

波動は、オロイド撹拌翼のように動かすことによって起こすことが好ましい。オロイド型の撹拌翼は、ゆっくりと回転させても液体を十分に流動撹拌することができる。撹拌翼の回転数が小さいので、非常に少ない消費エネルギーで済むとともに、河川・湖沼等に生息する等の生物に悪影響を及ぼさない。

0020

河川・湖沼等が広大であるときには、汚濁スラリーを吸引する長い配管を設置することもできるが、少なくとも、前記スラリー吸引手段と前記混合手段と前記沈殿手段と前記放流手段とを備える台船を河川・湖沼等に浮かべることもできる。広大な河川・湖沼等において汚濁スラッジの吸引場所を求めて汚濁スラリー吸引用配管を頻繁に移動することは無駄であるので、浄化装置本体を搭載した台船上で浄化処理しながら移動することによって浄化処理コスト下げることができる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明の第1実施形態に係る浄化システム1について、図1〜5を参照しながら説明する。

0022

図1は、本発明の第1実施形態に係る浄化システム1の全体を示す図である。図1に示すように、浄化システム1は、汚濁スラリー吸引装置10と、撹拌槽20と、沈殿槽30と、浮遊物分離槽40と、清澄水回収装置50とを有する浄化装置本体8、及び、得られたスラッジ34を再資源として活用するために各種処理を行う後処理装置60を備えている。

0023

図2は、図1の浄化システム1における浄化装置本体8を示す図であり、(A)及び(B)は、それぞれ、平面図及び正面図である。図3は、図1の浄化システム1における汚濁スラリー14の処理プロセスを示すフローチャートである。

0024

図1に示す実施形態は、浄化すべき河川や湖沼やダムやお堀等(以下、湖沼2という)の岸辺に浄化装置本体8を設置した例である。水の流れが緩やかでよどんだ湖沼2においては、概ね、底に沈積したヘドロ4の層と、ヘドロ発生源である植物プランクトンやアオコ等の藻類を含む上層水6の層との2層構造になっている。ヘドロ回収地点と浄化装置本体8との間は、汚濁スラリー吸引ポンプ12を備える吸引管11で結ばれており、吸引管11の先端がヘドロ4の層の上部に配置されている。ヘドロ4は上層水6と一緒に汚濁スラリー14として吸引される。吸引された汚濁スラリー14が、浄化装置本体8の上部に設けられた混合容器に導かれる。

0025

混合容器の上部には、凝集剤投入装置24が設置されている。凝集剤投入装置24は、後述する無機系凝集剤であるエレクサイトを所定量計量して継続的に混合容器に供給するものである。所定量の無機系凝集剤であるエレクサイトと汚濁スラリー14とが混合容器において予め混合され、その混合物が、混合物供給口25から撹拌槽20に投入される。

0026

珪酸カルシウム系凝集剤硫酸アルミニウム塩化アルミニウムなどのアルミニウム系凝集剤硫酸第一鉄塩化第二鉄ポリ硫酸第二鉄等の鉄系凝集剤等の種々の無機系凝集剤も使用可能である。しかしながら、凝集能力、凝集速度、環境への影響、リサイクル性等の様々な観点からエレクサイトが好ましい。

0027

エレクサイトは、(株)エレックスインターナシナルから入手可能であり、天然鉱物複合アルミポリマーとして又モノマー電荷より大きな電荷を持った重合イオンを加え、汚濁物質の電荷の電気中和を図る組成になっている。複合アルミ量を減少させるためにCH2CH2CoNH2が少量添加されている。さらに、触媒作用による重金属析出及び水のクラスター粒子を壊すために、様々な鉱物が添加される。SiO2とCaSO4とを含むことにより、これらに含有される鉱物性微量成分が触媒的に作用して、汚濁水中溶存した金属類吸着されて、析出・分離することができる。また、鉱物性微量成分が酸化触媒として作用し、水溶性有機物不溶性有機物に変えて析出凝固体として集合する。したがって、汚濁スラリーに含まれる様々な物質が凝集して除去される。

0028

撹拌槽20の左端には、エスティエムエンジニアリング(株)から入手可能な波動創流機22(登録商標オクタジット)が浮かべられている。この波動創流機22は、図4及び5に示すような、オロイド型の撹拌翼80と、撹拌翼80を回転自在に支持する第1回転部材82及び第2回転部材86と、回転部材82,86を回転駆動するモータ81とを備える。撹拌翼80は、保持部材83,87を介して、各回転部材82,86に対して接続されている。各回転部材82,86の各回転シャフト85,89が回転すると、オロイド型の撹拌翼80がボートの「櫓」又は「魚の尾ひれ」を動かしたような8の字形反復回転運動をする。その結果、オロイド型の撹拌翼80によって水が押し出されて、脈動を伴った流水塊88が形成される。連続的な波動を伴った速い流速水は、大きな波となって、多量の水を遠くまで届けることができる(特開平11−276874号公報や特開平11−128978号公報を参照)。この波動創流機22の撹拌翼80は、0.5〜1.5S−1程度のゆっくりとした回転数で回転し、僅かな動力(100〜300W程度)で大きな水流を発生させることができる。それとともに、汚濁スラリー14中の水草等の水中植物が絡み付いて送水が妨げられるといった不具合を防止することもできる。

0029

撹拌槽20に投入された混合物は、波動創流機22によって、流水塊88の波動となり、混合物の流水塊88が撹拌誘導筒27を通過することによって十分に撹拌される。混合物は、撹拌されることにより急速に凝集反応が起こり、図2に示す反時計回りの流れに従って、間仕切り31で撹拌槽20と仕切られた沈殿槽30に導かれる。

0030

沈殿槽30では、3つのホッパー33が水流に沿って直列に配置されている。ホッパー33を水流に沿って直列に配置することにより、大きなスラッジ粒子ほど早く沈降するので、大きさ別にスラッジ粒子をホッパー33で回収することができる。ホッパー33の底部にはスラッジ取出口35が設けられており、底に溜まったスラッジ34を取出すことができる。一方、沈殿槽30の上部には、スラッジ34がほとんど除去された処理水32が流れている。処理水32は、比較的きれいな水であるが、凝集剤で沈降しきれない微細な浮遊物を有する。したがって、微細な浮遊物をさらに除去するために、処理水32は次の浮遊物分離槽40に送られる。

0031

浮遊物分離槽40には、3〜50ミクロン程度の微細な泡を発生させる微細気泡発生機42が設けられている。微細気泡発生機42から発生した泡を浮遊物分離槽40の底部に導くバブル供給管43が浮遊物分離槽40の近傍に設置されている。処理水32中の微細な浮遊物は、微細気泡発生機42から発生した微細な泡によって、浮遊物の集合体すなわちスカム44となって、泡とともに、浮遊物分離槽40の水面WLに押し上げられる。

0032

浮遊物排出ポンプ46を有する浮遊物排出部45が浮遊物分離槽40の水面WL近傍に配置されている。浮遊物分離槽40の水面WL近傍に集められたスカム44は、浮遊物排出部45によって回収されるとともに、既に沈殿槽30で回収されたスラッジ34と一緒にされる。

0033

回収されたスラッジ34は、後処理装置60を用いて、各種後処理が施される。すなわち、スラッジ34は、自然乾燥又はフィルタープレス等の脱水機により脱水処理されたあと、混合撹拌機によって各種改良剤・固化剤(例えば、(株)エレックスインターナショナルから入手可能な商品レックス)とともに混入撹拌されると、所望のサイズに固化される。このスラッジ固化物は、無機系凝集剤により凝集・固化されたものであるので、生態系に何ら害を与えず、隣接する公園等の客土や農業用土壌として利用することができる。

0034

清澄水回収装置50は、清澄水吸引ポンプ52を有する排水管51を備え、排水管51の一端が浮遊物分離槽40の中に配置され、他端が元の湖沼2の上に配置されている。浮遊物分離槽40においてスカム44が除去されて浄化された清澄水54は、清澄水回収装置50によって元の湖沼2に放流される。

0035

したがって、湖沼2のヘドロ4及び上層水6からなる汚濁スラリー14は、浄化装置本体8を介して循環しており、繰り返して浄化システム1の中を通過することによって、スラッジ34の固化物として回収・リサイクルされるとともに、清澄水54として浄化される。

0036

湖沼2のある地点でのヘドロ4の回収が終了すると、吸引管11を湖沼2の垂直方向や湖沼2の水平方向に移動させて、湖沼2の様々な地点から堆積したヘドロ4を回収する。以上説明したように、上記浄化システムによって、ヘドロ4及び上層水6を含む汚濁スラリー14中の汚濁物並びに汚濁発生源が除去されて客土としてリサイクルされる一方、清浄化された水が元の湖沼2に戻され、短期間で汚濁した湖沼2がクリーンになる。

0037

次に、本発明の第2実施形態に係る浄化システムについて、図6及び7を参照しながら説明する。

0038

上述した第1実施形態に係る浄化システムによって、ヘドロ4を含む汚濁水根本的に浄化される。しかしながら、いったん浄化された湖沼2であっても、浄化後ある程度の時間が経過すると、ヘドロ発生源である植物プランクトンやアオコ等の藻類が少しずつ外部から流れ込んで、新たな汚濁が始まることがある。すなわち、いったん浄化されても、そのクリーンな水質が半永続的に維持されることはないのである。したがって、上述したシステムによって浄化後に、浄化状態を維持することが好ましい。

0039

自然生態系にある水の中に生息する好気性微生物がアオコの栄養源である窒素やリンを食して除去するという自浄作用によって、浄化状態が維持される。しかしながら、この自浄作用が有効に機能するためには、水中溶存酸素量が高くなければならない。一般に、湖沼2において、その上層部より底部の方が水中溶存酸素量が低くなっており、湖沼2の深さ方向に水中溶存酸素量の不均一が存在する。したがって、湖沼2の底部においても水中溶存酸素量が高くなるように、浄化後の湖沼2の水を常に十分に循環・混合する必要がある。

0040

第2実施形態に係る浄化システムは、第1実施形態に係る浄化システムに加えて、撹拌翼99を櫓のように動かして、表層水と深層水とを循環させる波動を作り出す独立型波動創流装置90を備えている。

0041

独立型波動創流装置90は、図6に示すように、板状の浮き部材94を挟んで、日照側に太陽電池パネル92が、水中側に流動・撹拌部が、それぞれ配置されている。水中側に配置された流動・撹拌部は、太陽電池パネル92からの電力を蓄える蓄電池93と、蓄電池93からの電力供給を受けて回転するモータ96と、モータ96の回転シャフト98に固定されたオロイド型の撹拌翼99と、これらを覆って藻類等との絡みつきをするカバー部材と、波動創流装置90を所定位置係留するためのアンカー97とを備える。撹拌翼99の構造及びその回転形態は、第1実施形態で使用した波動創流機22のものと同じであるので、ここでは説明を省略する。

0042

独立型波動創流装置90は、太陽電池パネル92で受けた太陽エネルギーによって撹拌翼99を駆動するものであり、岸辺からケーブルを介して受電するものと違って、ケーブル無しで動作する意味で独立型と呼んでいる。

0043

波動創流装置90は、アンカー97によって係留された状態で、湖沼2の所定場所(例えば、湖沼2の中央部)上に浮かべられている。波動創流装置90のオロイド型撹拌翼99は、0.5〜1.5S−1程度のゆっくりとした回転数で櫓のように回転し、湖沼2の水を押し出して流水塊88の波動を形成する。その結果、湖沼2の表層水と深層水とが入れ替わり、湖沼2の中の水が十分に流動・撹拌される。そして、波動創流装置90がアンカー97を基点にして面のある領域をコミカル泳ぎ回る。撹拌翼99の回転数が小さい(回転数が大略0.5〜1.5S−1)ので、非常に少ない消費エネルギーで済むとともに、湖沼2に生息する魚等の生物に悪影響を及ぼさない。また、夜間でも蓄電池93からモータ96に電力が供給されて、湖沼2の水が昼夜問わず継続的に流動・撹拌される。

0044

波動創流装置90を継続的に動かすことによって、図7に示すように、湖沼2の表層水と深層水とが何度も入れ替わって、湖沼2の水が常に十分に循環・混合される。十分に循環・混合されることによって、深さ方向の不均一な水中溶存酸素量が解消されるとともに、水中溶存酸素量が高くなる。その結果、湖沼2が本来的に有する自浄作用が有効に働き、アオコの栄養源である窒素やリンが取り除かれる。したがって、第1実施形態で説明した浄化システムよって得られた浄化状態が、半永久的に維持される。

0045

なお、上記実施形態では、沈殿ステップと放流ステップとの間に、浮遊物分離ステップが設けられているが、浮遊物分離ステップを省略して、処理水32を直接に湖沼2に放流することもできる。

0046

湖沼2が広大であるときには、汚濁スラリー14を吸引する長い配管を設置することもできるが、汚濁スラリー吸引装置10、撹拌槽20、凝集剤投入装置24、浮遊物分離槽40、清澄水回収装置50、及び清澄水吸引ポンプ52等を有する浄化装置本体8を搭載した台船を湖沼2に浮かべることもできる。広大な湖沼2において汚濁スラリー14の吸引場所を求めて汚濁スラリー吸引用配管を頻繁に移動することは無駄である。これに対して、浄化装置本体8を搭載した台船上で浄化処理しながら汚濁スラリー吸引場所に移動することによって、浄化処理コストを下げることができる。そして、回収されたスラッジ34は、台船の貯留槽で一時的に保管されたあと、岸辺に搬送され、所定の後処理が施される。また、波動創流装置90は、その消費電力が少ない(例えば、送水能力2400〜3000m3/hに対して消費電力200〜300W)ので、風力発電等の各種自然エネルギーを利用することもできる。

図面の簡単な説明

0047

図1本発明の第1実施形態に係る浄化システムを示す説明図である。
図2図1の浄化システムにおける浄化装置本体を示す図である。(A)及び(B)は、それぞれ、平面図及び正面図である。
図3図1の浄化システムにおける汚濁スラリーの処理プロセスを示すフローチャートである。
図4波動創流機における撹拌翼の撹拌動作を示す図である。
図5図4の波動創流機による波動の生成を説明する図である。
図6本発明の第2実施形態に係る浄化システムにおいて用いられる波動創流機を示す図である。(A)及び(B)は、それぞれ、波動創流機の平面図及び縦断面図である。
図7本発明の第2実施形態に係る浄化システムを示す説明図である。

--

0048

1浄化システム
2河川や湖沼
4ヘドロ
6上層水
8浄化装置本体
10汚濁スラリー吸引装置
11吸引管
12 汚濁スラリー吸引ポンプ
14 汚濁スラリー
20撹拌槽
22波動創流機
24凝集剤投入装置
25 混合物供給口
27撹拌誘導筒
30沈殿槽
31間仕切り
32処理水
33ホッパー
34スラッジ
35スラッジ取出口
40浮遊物分離槽
42微細気泡発生機
43バブル供給管
44浮遊物(スカム)
45 浮遊物取出
46 浮遊物排出ポンプ
50清澄水回収装置
51排水管
52 清澄水吸引ポンプ
54 清澄水
60後処理装置
80撹拌翼
81モータ
82 第1回転部材
83翼保持部材
85 第1回転シャフト
86 第2回転部材
87 翼保持部材
88流水塊
89 第2回転シャフト
90自立型波動創流機
92太陽電池パネル
93蓄電池
94浮き部材
96 モータ
97アンカー
98 回転シャフト
99 撹拌翼
WL 水面

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ