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図面 (4)

課題

携帯通信端末などに用いられ、呼び出し音音声振動を発生させる機能を兼備した振動アクチュエータを、高温で一定以上の時間動作させた際の、出力音圧特性の変化を抑制する方法を提供すること。

解決手段

前記のような振動アクチュエータの振動体として、ガラス転移温度が180℃以上の高分子化合物を用いる。従来多用されてきたポリカーボネートの殆どはガラス転移温度が180℃以下であるが、これをガラス転移温度が180℃以上であるポリエーテルイミドとすることで、例えば60℃で100時間させた前後の出力音圧特性の変化をなくすことができる。

概要

背景

近年、携帯電話ノート型パーソナルコンピュータなどを代表とする携帯用通信端末の普及が著しい。通信端末には、可搬性の観点からなるべく小型で軽量であることが望まれるため、呼び出しや通話を行なうために不可欠なデバイスに対しても小型化、軽量化への要求が年々厳しくなっている。

このため、呼び出し音音声振動の発生を、一つの機器兼備させた振動アクチュエータが各種開発され実用化されている。このような振動アクチュエータにおける従来例の断面図を図2に示す。以下、図2を参照してその構成を説明する。

従来の振動アクチュエータにおいては、例えば、図2に示されるように、ヨーク1、永久磁石2、プレート3が中心軸7に嵌合して一体化した磁気回路が、円環状の板ばねからなるサスペンション4により、振動可能な状態で、振動伝達部8に固定されている。振動体5は、サスペンション4と同様に振動伝達部8に固定され、コイル6が接着剤などにより振動体5に一体化され、磁気回路の空隙に配置されている。

コイル6に駆動電流を流すと、磁気回路あるいはコイル6が図における上下方向に振動し、振動伝達部8は低周波領域においては固定部として機能し、高周波領域においては弾性体として、振動体5の一部となって振動する。このように、振動及び音響の各モードで磁気回路と振動体5は、相互に干渉しながら動作し、外部に振動を伝える構造である。

図2に示した構造を有する振動アクチュエータにおいては、音響室出力の大部分は、振動体5の振動によって発生する。振動体5には、金属、紙、高分子材料、その他どのような材料でも使用可能であるが、適当な剛性を備え、軽量で成形加工が容易で、かつ低価格であることが求められる。従って、従来の振動アクチュエータには、高分子材料が用いられ、特にポリカーボネートが用いられることが多かった。

ところが、ポリカーボネートを振動体に用いた振動アクチュエータは、耐熱性の点で必ずしも満足できるものではなかった。ポリカーボネートは、さまざまな改良が進められ、140〜150℃の温度においても、熱収縮率が非常に小さいものが開発されている。しかしながら、熱収縮が殆ど見られない場合でも、熱履歴を受けることによる振動体の剛性低下が原因と推定される、振動アクチュエータの出力音圧特性の変化が生じることがあった。

図3は、前記の振動アクチュエータの出力音圧特性変化の例を示したものである。これは、図2に示した振動アクチュエータにおいて、振動体に厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを成形加工して用いたものを、環境温度を60℃として100時間動作させ、その前後での出力音圧特性を測定した結果である。

100時間の動作前後で、振動体の形状変化はまったく確認できなかったものの、図3に示したように、加熱後の出力音圧特性10は、加熱前の出力音圧特性9に比較して低域音共振周波数が上昇してしまい、約800Hz以下の周波数帯域において、出力音圧が3〜4dB低下してしまう。

また、ポリカーボネートの振動体を用いた振動アクチュエータは、耐久性においても問題があった。その実例は、直径16mmで厚さ50μmのポリカーボネートを成形加工して作製した振動体を、振動アクチュエータに組み込み、振動体中心部における振幅が0.9mmとなるように振動させた場合、ばらつきが見られるものの、約600時間で振動体が破断してしまうというものである。

概要

携帯通信端末などに用いられ、呼び出し音、音声、振動を発生させる機能を兼備した振動アクチュエータを、高温で一定以上の時間動作させた際の、出力音圧特性の変化を抑制する方法を提供すること。

前記のような振動アクチュエータの振動体として、ガラス転移温度が180℃以上の高分子化合物を用いる。従来多用されてきたポリカーボネートの殆どはガラス転移温度が180℃以下であるが、これをガラス転移温度が180℃以上であるポリエーテルイミドとすることで、例えば60℃で100時間させた前後の出力音圧特性の変化をなくすことができる。

目的

従って、本発明の技術的な課題は、初期の出力音圧特性が従来と同等以上で、ある程度の熱履歴が加わっても、出力音圧特性が変化せず、しかも耐久性が向上した振動アクチュエータを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

永久磁石を含む磁気回路と磁気回路の空隙に配置したコイルと、磁気回路を振動可能な状態で振動伝達部に固定するための弾性を有するサスペンションと、コイルと一体化された振動体を含む、振動出力が可能な振動アクチュエータにおいて、前記振動体は、ガラス転移温度が180℃以上の高分子化合物からなることを特徴とする振動アクチュエータ。

請求項2

請求項1に記載の振動アクチュエータにおいて、前記高分子化合物は、厚さが30〜50μmであることを特徴とする振動アクチュエータ。

請求項3

請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載の振動アクチュエータにおいて、前記高分子化合物はポリエーテルイミドであることを特徴とする振動アクチュエータ。

技術分野

0001

本発明は、携帯通信端末などに用いられ、呼び出し音音声振動などを発生させる機能を有する振動アクチュエータに関するものである。

背景技術

0002

近年、携帯電話ノート型パーソナルコンピュータなどを代表とする携帯用通信端末の普及が著しい。通信端末には、可搬性の観点からなるべく小型で軽量であることが望まれるため、呼び出しや通話を行なうために不可欠なデバイスに対しても小型化、軽量化への要求が年々厳しくなっている。

0003

このため、呼び出し音、音声、振動の発生を、一つの機器兼備させた振動アクチュエータが各種開発され実用化されている。このような振動アクチュエータにおける従来例の断面図を図2に示す。以下、図2を参照してその構成を説明する。

0004

従来の振動アクチュエータにおいては、例えば、図2に示されるように、ヨーク1、永久磁石2、プレート3が中心軸7に嵌合して一体化した磁気回路が、円環状の板ばねからなるサスペンション4により、振動可能な状態で、振動伝達部8に固定されている。振動体5は、サスペンション4と同様に振動伝達部8に固定され、コイル6が接着剤などにより振動体5に一体化され、磁気回路の空隙に配置されている。

0005

コイル6に駆動電流を流すと、磁気回路あるいはコイル6が図における上下方向に振動し、振動伝達部8は低周波領域においては固定部として機能し、高周波領域においては弾性体として、振動体5の一部となって振動する。このように、振動及び音響の各モードで磁気回路と振動体5は、相互に干渉しながら動作し、外部に振動を伝える構造である。

0006

図2に示した構造を有する振動アクチュエータにおいては、音響室出力の大部分は、振動体5の振動によって発生する。振動体5には、金属、紙、高分子材料、その他どのような材料でも使用可能であるが、適当な剛性を備え、軽量で成形加工が容易で、かつ低価格であることが求められる。従って、従来の振動アクチュエータには、高分子材料が用いられ、特にポリカーボネートが用いられることが多かった。

0007

ところが、ポリカーボネートを振動体に用いた振動アクチュエータは、耐熱性の点で必ずしも満足できるものではなかった。ポリカーボネートは、さまざまな改良が進められ、140〜150℃の温度においても、熱収縮率が非常に小さいものが開発されている。しかしながら、熱収縮が殆ど見られない場合でも、熱履歴を受けることによる振動体の剛性低下が原因と推定される、振動アクチュエータの出力音圧特性の変化が生じることがあった。

0008

図3は、前記の振動アクチュエータの出力音圧特性変化の例を示したものである。これは、図2に示した振動アクチュエータにおいて、振動体に厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを成形加工して用いたものを、環境温度を60℃として100時間動作させ、その前後での出力音圧特性を測定した結果である。

0009

100時間の動作前後で、振動体の形状変化はまったく確認できなかったものの、図3に示したように、加熱後の出力音圧特性10は、加熱前の出力音圧特性9に比較して低域音共振周波数が上昇してしまい、約800Hz以下の周波数帯域において、出力音圧が3〜4dB低下してしまう。

0010

また、ポリカーボネートの振動体を用いた振動アクチュエータは、耐久性においても問題があった。その実例は、直径16mmで厚さ50μmのポリカーボネートを成形加工して作製した振動体を、振動アクチュエータに組み込み、振動体中心部における振幅が0.9mmとなるように振動させた場合、ばらつきが見られるものの、約600時間で振動体が破断してしまうというものである。

発明が解決しようとする課題

0011

従って、本発明の技術的な課題は、初期の出力音圧特性が従来と同等以上で、ある程度の熱履歴が加わっても、出力音圧特性が変化せず、しかも耐久性が向上した振動アクチュエータを提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、前記の問題点が、振動体に用いる材料の耐熱特性機械的強度由来することに着目し、これらについて、高特性を具備した材料を、種々検討した結果なされたものである。

0013

即ち、本発明は、永久磁石を含む磁気回路と磁気回路の空隙に配置したコイルと、磁気回路を振動可能な状態で振動伝達部に固定するための弾性を有するサスペンションと、コイルと一体化された振動体を含む、振動出力が可能な振動アクチュエータにおいて、前記振動体は、ガラス転移温度が180℃以上の高分子化合物からなることを特徴とする振動アクチュエータである。

0014

また、本発明は、前記の振動アクチュエータにおいて、前記高分子化合物が、厚さが30〜50μmであることを特徴とする振動アクチュエータである。

0015

また、本発明は、前記の振動アクチュエータにおいて、前記高分子化合物はポリエーテルイミドであることを特徴とする振動アクチュエータである。

0016

前記のように、従来の振動アクチュエータの振動体には、ポリカーボネートが多用されていた。ポリカーボネートのような高分子化合物は、軽量で可撓性を有し、しかも、任意の形状に成形することが容易なため、振動体に用いるに適した材料である。

0017

そして、熱履歴による出力音圧特性の変化を抑制するには、耐熱性の向上が必要であるが、高分子材料の耐熱性を示す指標の一つにガラス転移温度がある。高分子化合物においては、温度変化に対して、比体積熱膨張係数比熱などが一定の比率で変化するが、ガラス転移温度を境界にしてその比率が顕著に変化する。

0018

この現象は、分子鎖熱運動に起因し、この温度以下の領域では、高分子化合物の分子鎖の熱運動が凍結された状態となる。つまり、この温度が高い程、高分子化合物の熱履歴に伴う物性変化が少ないことが推定される。

0019

前記ポリカーボネートの殆どは、ガラス転移温度が180℃以下であるが、近年、高度の耐熱性が要求される方面で多用されている、いわゆるエンジニアリングプラスチックには、これ以上の温度領域にガラス転移温度を有するものがある。つまり、これらの中から振動アクチュエータの振動体として適切な材料を選定すれば、前記の問題を解決し得る。

0020

かかる検討結果から、ガラス転移温度が180℃以上の高分子化合物を振動体に用いることで、振動アクチュエータの熱履歴による出力音圧特性変化が、かなりの程度で抑制できることが見出され、本発明においては、ポリエーテルイミドを用いることで、前記の問題を解決した。

発明を実施するための最良の形態

0021

次に、本発明の実施の形態について、具体的な例を挙げ説明する。

0022

図1は、本発明の振動アクチュエータの振動体を示したもので、図1(a)は正面図、図1(b)は断面図である。この振動体は、図1(b)に示したように、コルゲーション構造を有し、所要音響特性が得られるようにしてある。なお、この振動体の振動アクチュエータへの組み込み方法や、振動アクチュエータのそれ以外の部分の構造などは、図2に示したものと同一としたので、ここでは特に示さない。

0023

そして、図1に示した振動体は、直径が16mmで、厚さ50μmのポリエーテルイミドフィルムからなる。ここでは、ポリエーテルイミドとして、化1に示すような化学構造を有する、ゼネラルエレクトリック社のUltem1000を用いた。

0024

0025

なお、ここではポリエーテルイミドフィルムの厚さを、50μmとしたが、これ以上の厚さでは、剛性の増加に伴って、振動アクチュエータの低域音響共振周波数が高くなり過ぎる結果となり、所要の音響特性が得られない。また、ポリエーテルイミドフィルムの厚さが30μm以下では、剛性低下、機械的強度の低下により、所要の音響特性が得られないばかりか、生産の際のハンドリングが困難となる。また、振動アクチュータとしての動作時の振幅が大きくなり過ぎて耐久性にも問題が生じる。

0026

この振動アクチュエータについて、環境温度を60℃として100時間動作させ、その前後の出力音圧特性の変化を調べたところ、動作前後で差異がまったく認められなかった。

発明の効果

0027

以上に説明したように、本発明によれば、振動体をポリエーテルイミドで構成することにより、耐熱性及び耐久性に優れた振動アクチュエータを得ることができる。

図面の簡単な説明

0028

図1本発明の振動アクチュエータの振動体を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は断面図。
図2振動アクチュエータの従来例を示す断面図。
図3振動アクチュエータの出力音圧特性変化の例を示す図。

--

0029

1ヨーク
2永久磁石
3プレート
4サスペンション
5振動体
6コイル
7中心軸
8振動伝達部
9 加熱前の出力音圧特性
10 加熱後の出力音圧特性

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