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技術 電離箱用エレクトロメータ回路

出願人 日立アロカメディカル株式会社
発明者 加藤徹
出願日 2001年6月11日 (19年5ヶ月経過) 出願番号 2001-176033
公開日 2002年12月18日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2002-365317
状態 未査定
技術分野 電流・電圧の測定 放射線の測定
主要キーワード 接点式スイッチ 各入力電流 スイッチング動作速度 放射線計測器 低線量率 電流レンジ 不感時間 電離箱内
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重要な関連分野

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図面 (7)

課題

入力電流を積分して電圧出力する電離箱エレクトロメータ回路において、蓄積電荷放電経路に起因した測定精度の低下を防止する。

解決手段

電離箱検出器20からの電流充電された積分器24を放電する経路として、接点式の電磁リレー26からなる第1放電経路と、電磁リレー28及びトランジスタスイッチ30の直列接続からなる第2放電経路とを並列に設ける。第1放電経路はリーク電流を生じない特性を有し、第2放電経路は半導体高速電子的動作により、不感時間となる放電期間を無視し得る。充電時間が長くリーク電流の影響が大きくなり得る低線量率では、電磁リレー28をオフして、電磁リレー26の動作により充放電切り換える。一方、充電期間が短く不感時間が短いスイッチの使用が適する高線量率では、電磁リレー26をオフ、電磁リレー28をオンして、トランジスタスイッチ30の動作により充放電を切り換える。

概要

背景

放射線計測器の一つに電離箱がある。電離箱は、放射線電離作用により生成された気体イオンの量に基づいて、入射放射線の量を計測する。電離箱内封入された気体中に生じたイオンは電圧印加された電極収集され、それにより生じる電流からイオンの量、ひいては入射放射線の量が計測される。

電離箱は、二次的な電離作用による電流増幅を利用しないので、得られるイオン電流は非常に小さい。この微小電流を測定するためにエレクトロメータが用いられる。

図4は、従来の電離箱用エレクトロメータ回路を示す回路構成図である。電離箱検出器2からエレクトロメータ回路3に入力された電流は積分器4にて蓄積され、積分器4はその電流の積分値に応じた電圧を出力する。図に示す積分器4は、演算増幅器6のフィードバック回路コンデンサ8を配置したものである。積分器4への入力電流はコンデンサ8を充電し、コンデンサ8の端子間電圧に応じた出力電圧が得られる。

ここで充電が進むと、コンデンサ8は飽和し、入力電流と出力電圧との間の線形性が失われる。そこで、スイッチ10でコンデンサ8を適時、放電させてリセットし、積分器4の出力の線形性が保たれる範囲内で積分が行われるように動作される。すなわち、スイッチ10をオン状態にするとコンデンサ8は一旦、放電され、スイッチ10をオフ状態とすると改めてコンデンサ8の充電が開始される。

この積分器の充放電制御用のスイッチ10には、メカニカルリレートランジスタスイッチが用いられる。

概要

入力電流を積分して電圧出力する電離箱用エレクトロメータ回路において、蓄積電荷放電経路に起因した測定精度の低下を防止する。

電離箱検出器20からの電流で充電された積分器24を放電する経路として、接点式の電磁リレー26からなる第1放電経路と、電磁リレー28及びトランジスタスイッチ30の直列接続からなる第2放電経路とを並列に設ける。第1放電経路はリーク電流を生じない特性を有し、第2放電経路は半導体高速電子的動作により、不感時間となる放電期間を無視し得る。充電時間が長くリーク電流の影響が大きくなり得る低線量率では、電磁リレー28をオフして、電磁リレー26の動作により充放電切り換える。一方、充電期間が短く不感時間が短いスイッチの使用が適する高線量率では、電磁リレー26をオフ、電磁リレー28をオンして、トランジスタスイッチ30の動作により充放電を切り換える。

目的

本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、充放電制御用のスイッチに起因した不感時間やリーク電流による測定精度の低下を防止し、高精度の測定を可能とする電離箱用エレクトロメータ回路を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

電離箱からの入力電流蓄積し、当該入力電流の積分値に応じた電圧を出力する積分器と、前記積分器の放電経路に設けられた充放電制御スイッチの動作により当該積分器の充放電動作を制御する充放電制御手段とを備える電離箱用エレクトロメータ回路において、前記充放電制御手段は、それぞれ前記放電経路に設けられた、動作特性が異なる複数種類の放電経路スイッチと、前記入力電流のレベルに応じて、前記放電経路スイッチのいずれかを選択して前記充放電制御スイッチとする放電経路切換手段と、を有することを特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。

請求項2

請求項1記載の電離箱用エレクトロメータにおいて、第1の前記放電経路スイッチは、接点開閉により前記放電経路を断続する接点式スイッチであり、第2の前記放電経路スイッチは、前記第1の放電経路スイッチに並列配置され、電子的動作により前記放電経路を断続する半導体スイッチであり、前記放電経路切換手段は、前記第2の放電経路スイッチに直列接続された接点式の経路切換スイッチを有すること、を特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。

請求項3

請求項2記載の電離箱用エレクトロメータにおいて、前記放電経路切換手段は、低入力電流時には、前記経路切換スイッチをオフ状態とし、かつ前記第1の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択し、高入力電流時には、前記経路切換スイッチをオン状態とし、かつ前記第2の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択すること、を特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。

請求項4

請求項1記載の電離箱用エレクトロメータにおいて、第1の前記放電経路スイッチは、接点の開閉により前記放電経路を断続する接点式スイッチであり、第2の前記放電経路スイッチは、前記第1の放電経路スイッチに直列配置され、電子的動作により前記放電経路を断続する半導体スイッチであること、を特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。

請求項5

請求項4記載の電離箱用エレクトロメータにおいて、前記放電経路切換手段は、低入力電流時には、前記第2の放電経路スイッチをオン状態とし、かつ前記第1の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択し、高入力電流時には、前記第1の放電経路スイッチをオン状態とし、かつ前記第2の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択すること、を特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれかに記載の電離箱用エレクトロメータにおいて、前記積分器は、演算増幅器を用いて構成されることを特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路。

技術分野

0001

本発明は、電離箱からの電流信号電圧信号に変換する電離箱用エレクトロメータ回路に関し、低線量時から高線量時までの広範囲にわたる計測精度の向上に関する。

背景技術

0002

放射線計測器の一つに電離箱がある。電離箱は、放射線電離作用により生成された気体イオンの量に基づいて、入射放射線の量を計測する。電離箱内封入された気体中に生じたイオンは電圧印加された電極収集され、それにより生じる電流からイオンの量、ひいては入射放射線の量が計測される。

0003

電離箱は、二次的な電離作用による電流増幅を利用しないので、得られるイオン電流は非常に小さい。この微小電流を測定するためにエレクトロメータが用いられる。

0004

図4は、従来の電離箱用エレクトロメータ回路を示す回路構成図である。電離箱検出器2からエレクトロメータ回路3に入力された電流は積分器4にて蓄積され、積分器4はその電流の積分値に応じた電圧を出力する。図に示す積分器4は、演算増幅器6のフィードバック回路コンデンサ8を配置したものである。積分器4への入力電流はコンデンサ8を充電し、コンデンサ8の端子間電圧に応じた出力電圧が得られる。

0005

ここで充電が進むと、コンデンサ8は飽和し、入力電流と出力電圧との間の線形性が失われる。そこで、スイッチ10でコンデンサ8を適時、放電させてリセットし、積分器4の出力の線形性が保たれる範囲内で積分が行われるように動作される。すなわち、スイッチ10をオン状態にするとコンデンサ8は一旦、放電され、スイッチ10をオフ状態とすると改めてコンデンサ8の充電が開始される。

0006

この積分器の充放電制御用のスイッチ10には、メカニカルリレートランジスタスイッチが用いられる。

発明が解決しようとする課題

0007

コンデンサを放電するためにスイッチがオン状態とされている期間τONは、電離箱からの入力電流は積分されず、当該期間は放射線計測に対する不感時間となる。接点機械的に開閉される接点式スイッチは動作速度が比較的遅いため、これを充放電制御用のスイッチに用いると不感時間が長くなる。図5は充放電制御用のスイッチに接点式スイッチを用いた従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の時間変化を示す模式的なグラフである。図5(a)は電離箱検出器への入射線量率が低い場合を示しており、同図(b)は入射線量率が高い場合を示している。低線量率の場合には、コンデンサがリセットされるタイミングの間隔であるリセット周期τLが長く、コンデンサの充電期間に対する不感時間τONの割合は相対的に小さくなる。よって、この場合には接点式スイッチによる不感時間はそれほど問題とならない。これに対し、高線量率の場合には、リセット周期τHが短くなる。不感時間τONは線量率の高低に無関係であるので、高線量率の場合は、計測時間に占める不感時間の割合が無視できない程、大きくなるという問題があった。

0008

一方、トランジスタスイッチは動作速度が速く、接点式スイッチに比べればその不感時間を無視することができる。図6は充放電制御用のスイッチにトランジスタスイッチを用いた従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の時間変化を示す模式的なグラフである。図6(a)は電離箱検出器への入射線量率が低い場合を示しており、同図(b)は入射線量率が高い場合を示している。図に示されるように、トランジスタスイッチを用いた構成では、不感時間の問題は回避される。しかし、トランジスタスイッチでは、オフ状態でのリーク電流が問題となる。すなわち、スイッチをオフにしてもスイッチを流れる電流が完全には0とならず、積分器が入力電流を積分している間にも放電が進み、これが放射線の測定誤差要因となる。リーク電流による放電の影響は、電離箱検出器からの入力電流が大きい高線量率の場合には無視することができるが、入力電流が小さい低線量率の場合には、入力電流に対するリーク電流の比が大きくなり、測定誤差が大きくなるという問題があった。また、トランジスタスイッチのリーク電流は温度により変動し、このことが低線量率時の計測値の取り扱いを一層難しくしていた。

0009

本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、充放電制御用のスイッチに起因した不感時間やリーク電流による測定精度の低下を防止し、高精度の測定を可能とする電離箱用エレクトロメータ回路を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る電離箱用エレクトロメータ回路は、充放電制御手段が、それぞれ積分器の放電経路に設けられた、動作特性が異なる複数種類の放電経路スイッチと、電離箱からの入力電流のレベルに応じて、前記放電経路スイッチのいずれかを選択して、充放電動作の制御に用いる充放電制御スイッチとする放電経路切換手段とを有するものである。

0011

本発明によれば、放電経路は必ずしも単一の経路である必要はなく、複数の経路を含んでいてもよい。放電経路には動作特性が異なる複数種類の放電経路スイッチが設けられる。積分器への入力電流は、電離箱への入射放射線の線量率に応じて異なる。本発明では、入力電流のレベルに応じて充放電制御スイッチが変更される。各入力電流レベルの充放電制御スイッチには、放電経路スイッチの中から、対応する入力電流レベルに好適な動作特性を有するものが選択される。そして、所定の入力電流レベルでは、その入力電流レベルに対応する充放電制御スイッチのオン/オフを切り換えることによって、積分器が充電されるか放電されるかが切り換えられる。放電経路切換手段は、充放電制御スイッチによる充放電動作の制御を可能とするために、放電経路が複数存在する場合において、それら放電経路のうち放電に利用するものを特定する経路切換スイッチを備えることができる。放電経路切換手段は、入力電流レベルに応じて一部の放電経路スイッチを充放電制御スイッチとして選択すると共に、当該充放電制御スイッチを経由しない放電経路が遮断されるように他の放電経路スイッチ及び経路切換スイッチのオン/オフ状態を制御する。入力電流のレベルの判断は、別途設けられる入力電流レベル判定回路によって行うように構成することもできるし、計測者計測対象に応じて判断してもよい。放電経路切換手段は、入力電流レベル判定回路の判断結果を受けて自動的に放電経路の切換動作を実行してもよいし、計測者の操作によって放電経路の切り換えがなされるように構成することもできる。なお、入力電流のレベルは例えば、複数の電流レンジとして定義することができる。また、一つの入力電流レベルに対し複数の充放電制御スイッチを定めることができる。放電経路スイッチの動作特性としては、例えば、スイッチング動作速度、リーク電流、温度特性などがある。

0012

他の本発明に係る電離箱用エレクトロメータ回路においては、第1の前記放電経路スイッチが、接点の開閉により前記放電経路を断続する接点式スイッチであり、第2の前記放電経路スイッチが、前記第1の放電経路スイッチに並列配置され、電子的動作により前記放電経路を断続する半導体スイッチであり、前記放電経路切換手段が、前記第2の放電経路スイッチに直列接続された接点式の経路切換スイッチを有する。

0013

本発明によれば、放電経路スイッチとして、接点式スイッチ及び半導体スイッチの2種類が少なくとも備えられ、それらがそれぞれ充放電制御スイッチとして選択され得る。接点式スイッチは動作速度が比較的遅い反面、オフ時のリーク電流がないという動作特性を有し、一方、半導体スイッチはオフ時にリーク電流を生じ得るが動作速度が速いという動作特性を有する。本発明では、これら2種類の放電経路スイッチは並列に配置され、第1の放電経路スイッチが配置された第1の放電経路と、第2の放電経路スイッチが配置された第2の放電経路とが並列に存在する。接点式スイッチである第1の放電経路スイッチを充放電制御スイッチとし、このスイッチにより積分器の充放電が制御されるようにするには、第2の放電経路を遮断する必要がある。この第2の放電経路の遮断を目的として、接点式の経路切換スイッチが第2の放電経路スイッチに直列に設けられる。当該経路切換スイッチをオフ状態とすることで、第2の放電経路における第2の放電経路スイッチのリーク電流が遮断される。一方、第2の放電経路スイッチを充放電制御スイッチとする場合には、第1の放電経路スイッチである接点式スイッチをオフ状態とする。

0014

本発明の好適な態様は、前記放電経路切換手段が、低入力電流時には、前記経路切換スイッチをオフ状態とし、かつ前記第1の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択し、高入力電流時には、前記経路切換スイッチをオン状態とし、かつ前記第2の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択することを特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路である。

0015

別の本発明に係る電離箱用エレクトロメータ回路においては、第1の前記放電経路スイッチが、接点の開閉により前記放電経路を断続する接点式スイッチであり、第2の前記放電経路スイッチが、前記第1の放電経路スイッチに直列配置され、電子的動作により前記放電経路を断続する半導体スイッチであることを特徴とする。

0016

本発明によれば、放電経路スイッチとして、接点式スイッチ及び半導体スイッチの2種類が少なくとも備えられ、それらがそれぞれ充放電制御スイッチとして選択され得る。本発明では、これら2種類の放電経路スイッチが一つの放電経路上に直列に配置される。接点式スイッチである第1の放電経路スイッチを充放電制御スイッチとし、このスイッチにより積分器の充放電が制御されるようにするには、半導体スイッチである第2の放電経路スイッチがオン状態に維持され、第1の放電経路スイッチにより放電経路が断続される。反対に、半導体スイッチである第2の放電経路スイッチを充放電制御スイッチとし、このスイッチにより積分器の充放電が制御されるようにするには、接点式スイッチである第1の放電経路スイッチがオン状態に維持され、第2の放電経路スイッチにより放電経路が断続される。

0017

本発明の好適な態様は、前記放電経路切換手段が、低入力電流時には、前記第2の放電経路スイッチをオン状態とし、かつ前記第1の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択し、高入力電流時には、前記第1の放電経路スイッチをオン状態とし、かつ前記第2の放電経路スイッチを前記充放電制御スイッチとして選択することを特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路である。

0018

以上の各本発明の好適な態様は、前記積分器が、演算増幅器を用いて構成されることを特徴とする電離箱用エレクトロメータ回路である。

発明を実施するための最良の形態

0019

次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。

0020

[実施の形態1]図1は、本発明の第1の実施形態である電離箱エレクトロメータ回路を示す回路構成図である。図には電離箱検出器20とこれに接続されるエレクトロメータ回路22とが示されている。

0021

電離箱検出器20は、入射する放射線の線量率に応じた電流を出力する。エレクトロメータ回路22は、電離箱検出器20からの微小な入力電流を積分し、その積分値に応じた電圧信号を出力する。出力された電圧信号は、後段信号処理回路(図示せず)で、例えば線量率といった放射線評価量を求めるために利用される。エレクトロメータ回路22は、後述するように、電離箱検出器20に入射する放射線が低線量率であるか高線量率であるかに応じて、好適な測定が行われるように動作モードを切り換えられる特徴を有する。

0022

エレクトロメータ回路22は、積分器24、電磁リレー26,28、トランジスタスイッチ30、制御部32を含んで構成される。

0023

積分器24の基本構成は、オペアンプ40を用いた差動増幅回路であって、そのフィードバック回路にコンデンサ42を配置したものである。電離箱検出器20からの入力電流はコンデンサ42に蓄積される。積分器24は、コンデンサ42に蓄積された電荷量、すなわち入力電流の積分値に応じた電圧を出力端34に出力する。このオペアンプ40を用いた積分器24の構成は、増幅された電圧信号が出力として得られる点で、電離箱検出器20からの微小電流の計測に好都合である。

0024

電磁リレー26は、積分器24の入力端と出力端との間に接続され、コンデンサ42に蓄積された電荷を放電する第1の放電経路を構成する。

0025

トランジスタスイッチ30と電磁リレー28とは互いに直列に接続され、これらは電磁リレー26と並列に積分器24の入力端と出力端との間に接続される。このトランジスタスイッチ30と電磁リレー28との直列接続からなる経路は、コンデンサ42に蓄積された電荷を放電する第2の放電経路を構成する。

0026

制御部32は、電磁リレー26,28及びトランジスタスイッチ30に対し電気信号を与え、これらのオン/オフ動作を制御する。具体的には、制御部32には、外部からのモード切換制御信号50が入力され、そのモード切換制御信号50に応じて、低線量率の計測に適した低線量率動作モードと高線量率の計測に適した高線量率動作モードとのいずれかにエレクトロメータ回路22の動作モードが切り換わる。

0027

ここで、モード切換制御信号50は、例えば、計測者がモード選択スイッチを切り換えて所望の動作モードを選択することによって生成される。また、出力端34からの出力信号に基づいて、いずれの動作モードが適切かを判断する判定回路を設け、適切な動作モードへの切り換えが自動的に行われる構成も可能である。

0028

図2は、本エレクトロメータ回路の出力電圧の時間変化を示す模式的なグラフである。図2(a)は低線量率動作モードを示しており、同図(b)は高線量率動作モードを示している。

0029

まず、図1及び図2(a)を参照しながら、エレクトロメータ回路22の低線量率動作モードを説明する。制御部32は、低線量率動作モードを指示されると、電磁リレー28をオフ状態とする。トランジスタスイッチ30はオフ状態としてもリーク電流が流れ得るが、電磁リレー28をオフ状態とすることで、トランジスタスイッチ30を含む第2の放電経路が確実に遮断される。この状態で、制御部32は電磁リレー26をオン/オフさせて第1の放電経路を周期的に断続させ、コンデンサ42の充放電を制御する。

0030

電磁リレー26がオンされると、それまでコンデンサ42に蓄積された電荷が第1の放電経路を介して放電され、エレクトロメータ回路22からの出力電圧VOUTは0となる(t=tE1)。この放電は基本的に瞬時に行われること、及び電磁リレー26がオン状態の間は放射線計測に対する不感時間となることから、電磁リレー26のオン期間τONは極力短くなるように制御される。しかし、電磁リレー26は接点式スイッチであり、動作速度が比較的遅いため、時刻tE1にて一旦オンされてから次に時刻tS1にてオフ状態となるまでには所定のオン期間τONが必要となる。電磁リレー26がオフ状態となると、電離箱検出器20からの入力電流によるコンデンサ42の充電が開始される(t=tS1)。すなわち、オフ期間はコンデンサ42の充電期間となる。この充電期間τOFFは、例えば入力電流の積分値と出力電圧VOUTとの線形性が保たれる範囲内に設定される。充電期間τOFFが経過すると、電磁リレー26が再びオンされてコンデンサ42が放電され、これにより出力電圧VOUTが0にリセットされる(t=tE2)。制御部32は、動作モードが低線量率動作モードに設定されている間、このような電磁リレー26のオン/オフ動作を繰り返す。この間、電磁リレー28はオフ状態に維持されたままである。

0031

バックグラウンド測定時等の低線量率時には、積分器24への入力電流は低電流となり、充電期間が比較的長くなる。そのため、コンデンサ42からの電荷リークが単位時間当たりにわずかであっても、充電期間に失われる電荷量が多くなり、放射線の計測誤差が大きくなる。オフ状態でもリーク電流を流し得るトランジスタスイッチ30は、この点で低線量率動作モードでのコンデンサ42の充放電制御には適さない。これに対し、電磁リレー26は、リーク電流が極めて小さく、低線量率動作モードに好適である。なお、上述したように、電磁リレー26は不感時間を生じるが、低線量率動作モードでは充電期間が一般に不感時間に比べて遙かに長く設定されるので、不感時間の影響は小さい。よって、不感時間があっても、低線量率動作モードでは電磁リレー26を使用することができる。

0032

次に、図1及び図2(b)を参照しながら、エレクトロメータ回路22の高線量率動作モードを説明する。制御部32は、高線量率動作モードを指示されると、電磁リレー26をオフ状態にすると共に電磁リレー28をオン状態にする。電磁リレー26をオフ状態とすることで、第1の放電経路が遮断される。この状態で、制御部32はトランジスタスイッチ30をオン/オフさせて第2の放電経路を間欠的に断続させ、コンデンサ42の充放電を制御する。

0033

トランジスタスイッチ30がオンされると、それまでコンデンサ42に蓄積された電荷が第2の放電経路を介して放電され、エレクトロメータ回路22からの出力電圧VOUTは0にリセットされる(t=tR1)。トランジスタスイッチ30の動作速度は接点式スイッチに比して桁違いに速いので、トランジスタスイッチ30のオン期間は電磁リレー26のオン期間τONに比べれば無視できるほど短くすることができる。すなわち、不感時間をほとんど生じずに、再びトランジスタスイッチ30をオフ状態にして次の充電期間τ'OFFを開始することができる。なお、充電期間τ'OFFは、低線量率動作モードでの充電期間τOFFと同様、例えば入力電流の積分値と出力電圧VOUTとの線形性が保たれる範囲内に設定される。充電期間τ'OFFが経過すると、トランジスタスイッチ30が再びオンされてコンデンサ42が放電され、出力電圧VOUTがリセットされる(t=tR2)。制御部32は、動作モードが高線量率動作モードに設定されている間、このようなトランジスタスイッチ30のオン/オフ動作を繰り返す。この間、電磁リレー26はオフ状態、また電磁リレー28はオン状態にそれぞれ維持されたままである。

0034

高線量率時、すなわち高入力電流時には、充電期間が低線量率に比べて短くなる。そのため、高線量率での測定においてコンデンサ42の放電時の不感時間が低線量率動作モードにおける不感時間と同じであれば、計測期間に占める不感時間の割合は大きくなり、放射線の計測誤差が大きくなる。動作速度の遅い電磁リレー26は、この点で高線量率動作モードでのコンデンサ42の充放電制御に適さない。これに対し、トランジスタスイッチ30は、非常に高速に動作可能でほとんど不感時間を生じないので、高線量率動作モードに好適である。なお、上述したように、トランジスタスイッチ30は充電期間においても微小なリーク電流によるコンデンサ42の放電を生じるが、高線量率動作モードでは高入力電流時であるので、このリーク電流の影響は小さい。よって、リーク電流があっても、高線量率動作モードではトランジスタスイッチ30を使用することができる。

0035

[実施の形態2]図3は、本発明の第2の実施形態である電離箱エレクトロメータ回路を示す回路構成図である。図3において、上記第1の実施形態と同様の構成要素には、同一の符号を付し、説明を簡素化する。図3には電離箱検出器20とこれに接続されるエレクトロメータ回路100とが示されている。

0036

エレクトロメータ回路100は、上記第1の実施形態のエレクトロメータ回路22と同様、電離箱検出器20に入射する放射線が低線量率であるか高線量率であるかに応じて、好適な測定が行われるように動作モードを切り換えられる特徴を有する。

0037

エレクトロメータ回路100の放電経路は、電磁リレー26及びトランジスタスイッチ30の直列接続から構成される点が上記第1の実施形態と異なっている。それに伴い、これらスイッチを制御する制御部102の動作も上記第1の実施形態の制御部32と相違する。

0038

制御部102は、外部からのモード切換制御信号50を入力され、そのモード切換制御信号50に応じて電磁リレー26及びトランジスタスイッチ30のオン/オフ動作を制御し、エレクトロメータ回路100の動作モードを低線量率動作モードと高線量率動作モードとのいずれかに切り換える。

0039

本エレクトロメータ回路の各動作モードでの出力電圧の時間変化は基本的に図2と同じである。制御部102は、低線量率動作モードを指示されると、トランジスタスイッチ30をオン状態とする。この状態で、制御部102は電磁リレー26をオン/オフさせ、これにより放電経路は周期的に断続され、コンデンサ42の充放電が制御される。

0040

制御部102は、高線量率動作モードを指示されると、電磁リレー26をオン状態にする。この状態で、制御部102はトランジスタスイッチ30をオン/オフさせ、これにより放電経路は周期的に断続され、コンデンサ42の充放電が制御される。

発明の効果

0041

本発明の電離箱用エレクトロメータ回路によれば、積分器の充放電を制御し得る複数の放電経路が、動作特性の異なるスイッチを用いて設けられる。そして、電離箱からの入力電流のレベルに応じて、放電経路が選択される。これにより、広範囲の線量率にわたって、高精度の測定が可能となる。

図面の簡単な説明

0042

図1本発明の第1の実施形態である電離箱エレクトロメータ回路を示す回路構成図である。
図2本エレクトロメータ回路の出力電圧の時間変化を示す模式的なグラフである。
図3本発明の第2の実施形態である電離箱エレクトロメータ回路を示す回路構成図である。
図4従来の電離箱用エレクトロメータ回路を示す回路構成図である。
図5充放電制御用のスイッチに接点式スイッチを用いた従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の時間変化を示す模式的なグラフである。
図6充放電制御用のスイッチにトランジスタスイッチを用いた従来のエレクトロメータ回路の出力電圧の時間変化を示す模式的なグラフである。

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0043

20電離箱検出器、22,100エレクトロメータ回路、24積分器、26,28電磁リレー、30トランジスタスイッチ、32,102 制御部、40オペアンプ、42コンデンサ、50 モード切換制御信号。

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