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技術 転炉型溶銑予備処理方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 秦啓二山内雅夫永田俊介松村保
出願日 2001年6月6日 (19年6ヶ月経過) 出願番号 2001-171543
公開日 2002年12月18日 (18年0ヶ月経過) 公開番号 2002-363630
状態 特許登録済
技術分野 炭素鋼又は鋳鋼の製造 炭素鋼又は鋳鋼の製造 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼
主要キーワード 装入位置 出湯位置 P精錬 チャージ毎 付着スラグ Pスラグ から装入 洗われ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年12月18日)のものです。
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図面 (5)

課題

本願発明の目的は、上記課題に鑑み、より生産性の高い転炉型溶銑予備処理方法を提供することである。

解決手段

転炉内にて溶湯を脱P精錬した後、当該溶湯を当該転炉から出湯し、引き続き当該転炉内にて脱P精錬された溶湯を脱C精錬を行う転炉型溶銑予備処理方法において、当該転炉内における脱P精錬処理後に出湯した当該溶湯(以下、溶湯Aと称す)以外であって、別に脱P精錬された溶湯(以下、溶湯Bと称す)を装入してこの溶湯Bの脱C精錬を行うことを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

概要

背景

従来、溶銑脱燐などを行ういわゆる溶銑予備処理は、高炉から出銑された溶銑を転炉まで運搬するトーピードカーなどによって行なわれていたが、近年、その設備集約などを目的として、転炉で溶銑予備処理を行う技術が普及されつつある。例えば、特開平6-73425号公報に記載されているような複数の転炉を使用し、一つを脱P精錬専用の脱P炉、他の一つを脱C精錬専用とする脱C炉として使用する、いわゆる専用炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法がある。また、特開平11-181512号公報に開示されているような一つの転炉を使用し、高炉からの溶銑を脱P精錬した後、当該溶湯を一旦出湯し、脱P精錬の結果残留した脱Pスラグを排出し、この脱P精錬した溶湯を再度同じ転炉に装入し、脱C精錬を行う、いわゆる同一炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法がある。いずれにおいても転炉にて、溶銑予備処理が可能となり、設備集約などのメリットは大きい。

概要

本願発明の目的は、上記課題に鑑み、より生産性の高い転炉型溶銑予備処理方法を提供することである。

転炉内にて溶湯を脱P精錬した後、当該溶湯を当該転炉から出湯し、引き続き当該転炉内にて脱P精錬された溶湯を脱C精錬を行う転炉型溶銑予備処理方法において、当該転炉内における脱P精錬処理後に出湯した当該溶湯(以下、溶湯Aと称す)以外であって、別に脱P精錬された溶湯(以下、溶湯Bと称す)を装入してこの溶湯Bの脱C精錬を行うことを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

目的

本願発明は、これら上記転炉の非稼動時間を有効に活用する生産性の高い転炉型溶銑予備処理方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、引き続き当該転炉にて、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、脱C精錬のために当該転炉に装入される溶湯が、当該転炉で脱P精錬して出湯した当該溶湯(以下、溶湯A)以外の溶湯(以下、溶湯B)であることを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

請求項2

脱C精錬のために当該転炉に装入される前記溶湯Bは、前記当該溶湯Aに先立って、当該転炉にて脱P精錬された溶湯(以下、溶湯A’)であることを特徴とする1に記載の転炉型溶銑予備処理方法。

請求項3

脱C精錬のために当該転炉に装入される前記溶湯Bは、他の転炉にて脱P精錬された溶湯(以下、溶湯C)であることを特徴とする1に記載の転炉型溶銑予備処理方法。

請求項4

転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉には、他の転炉で脱P精錬して出湯した溶湯(溶湯C)を装入して、脱C精錬を行うとともに、当該転炉にて脱P精錬して出湯した当該溶湯(溶湯A)は、他の転炉に装入して脱C精錬することを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

請求項5

転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、転炉にて脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉に普通溶銑を装入し、普通転炉精錬して出鋼した後、次いで、脱P精錬された溶湯を装入して脱C精錬することを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

請求項6

転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、引き続き当該転炉において、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、脱P精錬して出湯した後、引き続き、当該転炉に普通溶銑を装入し、普通転炉精錬して出鋼した後、次いで、当該転炉にて脱P精錬して出湯した溶湯(溶湯A)を装入し、脱C精錬することを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

請求項7

転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉あるいは他の転炉において、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する溶銑予備処理であって、転炉にて溶湯を脱P精錬して出湯し、当該溶湯(溶湯A)を他の転炉に装入して脱C精錬するとともに、当該転炉には、普通溶銑を装入し、普通転炉精錬して出鋼した後、次いで、他の転炉で脱P精錬した溶湯(溶湯C)を装入し、脱C精錬を行うことを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

請求項8

転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬した溶湯を脱C精錬する溶銑予備処理を、複数の転炉のうちの少なくとも1つを脱P用転炉とし、他の転炉を脱C用転炉として行う専用炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法において、脱P用転炉において、脱P精錬を連続的に行い、当該脱P用転炉の非稼働時間が普通溶銑を普通転炉精錬するに要するサイクルタイム以上となった時点で、当該脱P用転炉で普通転炉精錬を行うことを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

請求項9

転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬した溶湯を脱C精錬する溶銑予備処理を、複数の転炉のうちの少なくとも1つを脱P用転炉とし、他の転炉を脱C用転炉として行う専用炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法において、脱C用転炉においても脱P精錬を行うとともに、当該脱C用転炉には、当該脱C用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯A)と、脱P用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯C)とを、交互に装入して脱C精錬するとともに、脱P用転炉では脱P精錬を行い、その非稼働時間には普通溶銑を精錬する普通転炉精錬を行うことを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

請求項10

前記当該脱C用転炉に、前記当該脱C用転炉で脱P精錬された溶湯と、前記脱P用転炉で脱P精錬された溶湯とを、交互に装入して脱C精錬するに際し、前記脱C用転炉では、前記脱P用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯C)を脱C精錬した後に、前記当該脱C用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯A’)を脱C精錬することを特徴とする請求項9に記載の転炉型溶銑予備処理方法。

技術分野

0001

本願発明は、転炉または転炉形式製鋼炉(以下、転炉という)において主に脱燐を行う脱燐精錬(以下、脱P精錬という)、及び主に脱炭を行う脱炭精錬(以下、脱C精錬という)を行う転炉型溶銑予備処理方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、溶銑の脱燐などを行ういわゆる溶銑予備処理は、高炉から出銑された溶銑を転炉まで運搬するトーピードカーなどによって行なわれていたが、近年、その設備集約などを目的として、転炉で溶銑予備処理を行う技術が普及されつつある。例えば、特開平6-73425号公報に記載されているような複数の転炉を使用し、一つを脱P精錬専用の脱P炉、他の一つを脱C精錬専用とする脱C炉として使用する、いわゆる専用炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法がある。また、特開平11-181512号公報に開示されているような一つの転炉を使用し、高炉からの溶銑を脱P精錬した後、当該溶湯を一旦出湯し、脱P精錬の結果残留した脱Pスラグを排出し、この脱P精錬した溶湯を再度同じ転炉に装入し、脱C精錬を行う、いわゆる同一炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法がある。いずれにおいても転炉にて、溶銑予備処理が可能となり、設備集約などのメリットは大きい。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、上記のような転炉型予備精錬においては、脱P精錬、及び脱C精錬共に装入、精錬、出湯などの作業が各2回必要であり、1チャージ当たりの転炉を占有する時間が長くなることが避けられず、生産性の低下を招いており、より生産性を向上する転炉型溶銑予備処理方法が必要となっている。

0004

図3は、同一炉タイプの溶銑予備処理方法におけるサイクルタイム概要を示したものである。同一炉タイプの溶銑予備処理方法においては、脱P精錬後、当該脱P銑をに出湯した後、当該鍋を炉下から装入側に移動し、装入位置まで吊り上げる運搬時間が発生する。その間、当該転炉は、前記出湯後、排滓を行い、排滓終了から前記脱P溶湯を装入するまでの間、非稼動時間が発生する。

0005

一方、図4は、専用炉タイプの溶銑予備処理方法の精錬スケジュールの一例を示したものである。通常、脱P精錬の装入から排滓までのサイクルタイムは、脱C精錬のサイクルタイムよりも短い。従って、専用炉タイプの溶銑予備処理方法では、脱P炉の精錬ピッチを脱C炉のピッチに合わせるため、図のように脱P炉の精錬と精錬の間に転炉の非稼動時間が発生する。

0006

本願発明は、これら上記転炉の非稼動時間を有効に活用する生産性の高い転炉型溶銑予備処理方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、引き続き当該転炉にて、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、脱C精錬のために当該転炉に装入される溶湯が、当該転炉で脱P精錬して出湯した当該溶湯(以下、溶湯A)以外の溶湯(以下、溶湯B)であることを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

0008

(2)脱C精錬のために当該転炉に装入される前記溶湯Bは、前記当該溶湯Aに先立って、当該転炉にて脱P精錬された溶湯(以下、溶湯A’)であることを特徴とする(1)に記載の転炉型溶銑予備処理方法。
(3)脱C精錬のために当該転炉に装入される前記溶湯Bは、他の転炉にて脱P精錬された溶湯(以下、溶湯C)であることを特徴とする(1)に記載の転炉型溶銑予備処理方法。

0009

(4)転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉には、他の転炉で脱P精錬して出湯した溶湯(溶湯C)を装入して、脱C精錬を行うとともに、当該転炉にて脱P精錬して出湯した当該溶湯(溶湯A)は、他の転炉に装入して脱C精錬することを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

0010

(5)転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、転炉にて脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉に普通溶銑を装入し、普通転炉精錬して出鋼した後、次いで、脱P精錬された溶湯を装入して脱C精錬することを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

0011

(6)転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、引き続き当該転炉において、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、脱P精錬して出湯した後、引き続き、当該転炉に普通溶銑を装入し、普通転炉精錬して出鋼した後、次いで、当該転炉にて脱P精錬して出湯した溶湯(溶湯A)を装入し、脱C精錬することを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

0012

(7)転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉あるいは他の転炉において、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する溶銑予備処理であって、転炉にて溶湯を脱P精錬して出湯し、当該溶湯(溶湯A)を他の転炉に装入して脱C精錬するとともに、当該転炉には、普通溶銑を装入し、普通転炉精錬して出鋼した後、次いで、他の転炉で脱P精錬した溶湯(溶湯C)を装入し、脱C精錬を行うことを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

0013

(8)転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬した溶湯を脱C精錬する溶銑予備処理を、複数の転炉のうちの少なくとも1つを脱P用転炉とし、他の転炉を脱C用転炉として行う専用炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法において、脱P用転炉において、脱P精錬を連続的に行い、当該脱P用転炉の非稼働時間が普通溶銑を普通転炉精錬するに要するサイクルタイム以上となった時点で、当該脱P用転炉で普通転炉精錬を行うことを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

0014

(9)転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬した溶湯を脱C精錬する溶銑予備処理を、複数の転炉のうちの少なくとも1つを脱P用転炉とし、他の転炉を脱C用転炉として行う専用炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法において、脱C用転炉においても脱P精錬を行うとともに、当該脱C用転炉には、当該脱C用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯A)と、脱P用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯C)とを、交互に装入して脱C精錬するとともに、脱P用転炉では脱P精錬を行い、その非稼働時間には普通溶銑を精錬する普通転炉精錬を行うことを特徴とする転炉型溶銑予備処理方法。

0015

(10)前記当該脱C用転炉に、前記当該脱C用転炉で脱P精錬された溶湯と、前記脱P用転炉で脱P精錬された溶湯とを、交互に装入して脱C精錬するに際し、前記脱C用転炉では、前記脱P用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯C)を脱C精錬した後に、前記当該脱C用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯A’)を脱C精錬することを特徴とする(9)に記載の転炉型溶銑予備処理方法。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明を具体的に説明する。図3で示したように、同一炉タイプの溶銑予備処理方法においては、転炉で脱P精錬して鍋に出湯された溶湯は、脱C精錬するために、出湯位置から当該転炉または他の転炉の装入位置に移動させられる。この移動過程で、転炉に非稼働時間が生じる。これに対して、本発明では、以下のような方法で対処する。

0017

すなわち、転炉で脱P精錬終了後、当該精錬された溶湯(以下、溶湯A)を出湯し、当該転炉の装入位置まで運搬されてくるのを待つのではなく、別に脱P精錬された溶湯を、当該転炉の装入位置に待機させておき、当該転炉での当該脱P精錬が終了し、転炉の排滓が終了後、直ちに、待機させておいた別に脱P精錬された溶湯(溶湯B)を、当該転炉に装入し、脱C精錬を行うものである。

0018

なお、当該溶湯(以下、溶湯A)とは、当該転炉にて精錬されたチャージをいうものとする。すなわち、請求項1は、図1パターン1〜2に示すように、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、引き続き当該転炉にて、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、脱C精錬のために当該転炉に装入される溶湯を、当該転炉で脱P精錬して出湯した当該溶湯(以下、溶湯A)以外の別の溶湯(以下、溶湯B)とするものである。これにより、当該転炉で脱P精錬した溶湯Aが再装入のために移動している間にも、転炉を有効に稼働させることができる。

0019

また、請求項2は、図1のパターン1に示すように、請求項1において、脱C精錬のために当該転炉に装入される前記別の溶湯Bを、前記当該溶湯Aに先立って、当該転炉にて脱P精錬された溶湯(以下、溶湯A’)とするものである。また、請求項3は、図1のパターン2に示すように、請求項1(図1のパターン1)において、脱C精錬のために当該転炉に装入される前記別の溶湯Bを、他の転炉にて脱P精錬された溶湯(以下、溶湯C)とするものである。

0020

このように、当該転炉に、当該チャージの溶湯とは別に脱P精錬された溶湯を装入して脱C精錬を行うことによって、当該転炉における稼働率を高めることができ、また、この方法を複数の転炉間で互いに行うことができる。すなわち、請求項4は、図1のパターン2に示したように、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉には、他の転炉で脱P精錬して出湯した溶湯(溶湯C)を装入して、脱C精錬を行うとともに、当該転炉にて脱P精錬して出湯した当該溶湯(溶湯A)は、他の転炉に装入して脱C精錬するものである。これによって、複数の転炉で、相互により効率を上げることができるものである。

0021

このように、上記、請求項1〜3では、転炉で溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉にて脱C精錬する脱P精錬された溶湯を、当該チャージの溶湯(溶湯A)ではなく別に脱P精錬された溶湯(溶湯B)に置き換えることにより、また、請求項4では、当該転炉で脱C精錬する溶湯を、他の転炉で脱P精錬した溶湯とするとともに、当該転炉で脱P精錬した溶湯は他の転炉で脱C精錬することにより、脱P精錬した溶湯を装入位置まで運搬する際に生ずる非稼働時間を解消するものである。

0022

さらに、本発明では、この運搬に伴って生じる非稼働時間を、別に脱P精錬された溶湯を装入して脱C精錬するのに代えて普通溶銑を装入し、普通転炉精錬することにより解消することができる。すなわち、請求項5は、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、転炉にて脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉に普通溶銑を装入し、普通転炉精錬して出鋼した後、次いで、脱P精錬された溶湯を装入して脱C精錬するものである。この方法では、普通溶銑を必要に応じて待機させておくことにより対応できるため、非稼働時間の解消にきわめて有効であるほか、後述のように、スラグによる汚染の抑制にも効果がある。なお、普通転炉精錬とは、転炉で普通溶銑を溶鋼に精錬することを意味する(N精錬とも略記する。)。但し、普通溶銑とは、脱P処理をしない溶銑を意味するものとする。

0023

すなわち、請求項6は、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、引き続き当該転炉において、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する転炉型溶銑予備処理方法において、脱P精錬して出湯した後、引き続き、当該転炉に普通溶銑を装入し、普通転炉精錬して出鋼した後、次いで、当該転炉にて脱P精錬して出湯した溶湯(溶湯A)を装入し、脱C精錬するものである。

0024

これは、図2のパターン5に示すように、当該転炉での脱P精錬後に、予め、普通溶銑を当該転炉の装入位置に待機させておき、当該転炉の排滓終了後、この普通溶銑を装入し、普通転炉精錬を行って、出鋼し、その後、当該転炉にて先に脱P精錬した溶湯(溶湯A’)を装入し、脱C精錬するものである。すなわち、図2のパターン5は、パターン1の脱P精錬の後、別の脱P精錬溶湯の代わりに、普通溶銑を装入して普通転炉精錬し、次いで当該転炉で先に脱P精錬した溶湯(溶湯A’)を脱C精錬する形となっていることがわかる。これにより非稼働時間の解消とともに、操業の自由度を拡大できる。

0025

さらに、上記の方法を複数の転炉間で行うことができる。すなわち、請求項7は、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉あるいは他の転炉において、脱P精錬された溶湯を脱C精錬する溶銑予備処理であって、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯し、当該溶湯(溶湯A)を他の転炉に供給するとともに、当該転炉には、普通溶銑を装入し、普通転炉精錬して出鋼した後、次いで、他の転炉で脱P精錬した溶湯(溶湯C)を装入し、脱C精錬を行うものである。

0026

これは、図2のパターン6に示すように、請求項3(図1のパターン2)と請求項9(図2のパターン5)の方法を折衷したような形のパターンであり、当該一方の炉(図1パターン2のB炉)は、脱P精錬して出湯し、当該溶湯を他の転炉(図1パターン2のA炉)に供給して脱C精錬する。当該転炉では、排滓後、予め、当該転炉の装入位置に待機させておいた普通溶銑を装入して、普通転炉精錬を行って出鋼する。次に、当該転炉では、他の転炉で脱P精錬した溶湯を装入し、脱C精錬を行う。この処理パターンを互いの炉で行うものである。

0027

この方法により、複数の転炉間で、処理時間のずれおよび搬送時間などに伴う非稼働時間を解消することができるとともに、操業の自由度を拡大できる。次に、図4で説明したように、専用炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法では、脱C精錬と脱P精錬のサイクルタイムが異なっており、両者のピッチを合わせるために、通常、脱P精錬側に非稼働時間が発生する。本発明においては、以下の方法によって、この非稼働時間を解消するものである。

0028

すなわち、請求項8の発明は、転炉内にて溶湯を脱P精錬して出湯した後、当該転炉または他の転炉にて、脱P精錬した溶湯を脱C精錬する溶銑予備処理を、複数の転炉のうちの少なくとも1つを脱P用転炉とし、他の転炉を脱C用転炉として行う専用炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法において、脱P用転炉において、脱P精錬を連続的に行い、当該脱P用転炉の非稼働時間が普通溶銑を普通転炉精錬するに要するサイクルタイム以上となった時点で、当該脱P用転炉で普通転炉精錬を行うものである。

0029

これは、図1のパターン3に示すように、脱C用転炉(A炉)では脱C精錬を行なう一方、脱P用転炉(B炉)においては、脱P精錬を連続的に行ない、非稼働時間が集約されて、普通転炉精錬のサイクルタイムに達したタイミングで普通転炉精錬を脱P精錬の間に挟むものである。これにより、脱P精錬と脱C精錬のサイクルタイムの差による非稼働時間の発生を有効に生産に寄与させることができる。

0030

たとえば、図1のパターン3では、脱P用転炉(B炉)で、脱P精錬5チャージを連続的に実施することにより、脱C精錬とのサイクルタイムの差が累積し、普通転炉精錬1回分の非稼働時間が発生するため、脱P精錬5チャージ毎に、1回の普通転炉精錬を実施することができ、非稼働時間を解消することができる。また、図1のパターン3では、溶銑予備処理5チャージに対し、普通転炉精錬1チャージのパターンであったが、例えば、普通転炉精錬をした溶鋼を受ける連続鋳造装置(CC)と、溶銑予備処理した溶鋼、すなわち、低燐鋼を受ける連続鋳造装置(CC)とが分かれている場合、二つの連続鋳造装置に供給するチャージ数アンバランスが発生する。

0031

この場合、図1のパターン3の脱C用転炉でも、任意のタイミングで脱P精錬を行うようにするものである。すなわち、請求項9は、溶銑予備処理を、複数の転炉のうちの少なくとも1つを脱P用転炉とし、他の転炉を脱C用転炉として行う専用炉タイプの転炉型溶銑予備処理方法において、脱C用転炉においても脱P精錬を行うとともに、当該脱C用転炉には、当該脱C用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯A)と、脱P用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯C)とを、交互に供給して脱C精錬するとともに、脱P用転炉では脱P精錬を行い、その非稼働時間には普通溶銑を精錬する普通転炉精錬を行うものである。

0032

これは、図2のパターン4に示すように、複数の転炉のうち、少なくとも1つを脱P用転炉(B炉)とし、他の転炉を脱C用転炉(A炉)として溶銑予備処理を行うものであって、脱P用転炉(B炉)では、図1パターン3のB炉のように普通転炉精錬を挟みつつ脱P精錬を行い、一方、脱C用転炉(A炉)では、主として脱C精錬を行うとともに、任意のタイミングで脱P精錬を行うものである。

0033

ここで、図2のパターン4では、脱C用転炉は主として脱C精錬を行う専用炉であるが、図1のパターン3と異なり、任意のタイミングで脱P精錬も行うので、図2のパターン4、及び後述する図2のパターン4−2での概要では、同一炉として扱い、同一炉−専用炉混合と記した。このように、脱C炉側に脱P精錬を挟んだパターンとし、脱C用転炉では、脱P用転炉で脱P精錬された溶湯と、脱C用転炉で脱P精錬された溶湯とを交互装入して、脱C精錬するものである。これによって、普通鋼と低燐鋼との処理がほぼ同等の比率となる。

0034

しかしながら、この図2のパターン4の場合には、脱P用転炉に非稼働時間が発生することがある。このような場合には、脱P用転炉で脱P精錬された溶湯を優先処理することにより対処するものである。すなわち、請求項10は、請求項9において、脱C用転炉に、当該脱C用転炉で脱P精錬された溶湯と、脱P用転炉で脱P精錬された溶湯とを交互に装入して脱C精錬するに際し、前記脱C用転炉では、前記脱P用転炉で脱P精錬された溶湯を脱C精錬した後に、仮置きしておいた前記脱C用転炉で脱P精錬された溶湯(溶湯A’)を装入して脱C精錬するものである。これは、図2のパターン4−2に示したように、脱C用転炉で脱P精錬した溶湯を、一旦仮置きし、この脱C用転炉には、脱P用転炉で脱P精錬した溶湯(溶湯C)を装入して、脱C精錬し、出鋼し、そのあと、仮置きした脱P精錬された溶湯(溶湯A’)を脱C精錬するものである。これにより脱P用転炉側の非稼働時間を解消できる。

0035

ところで、脱P精錬後、直ちに、同じ転炉で脱C精錬すると、炉内に付着し、P含有量の高いスラグから、溶湯への復P(復燐)が起こるが、請求項5〜請求項10のいづれかの1項に記載した方法、例えば、図2のパターン4,4−2,5あるいは6のように、脱P精錬後、脱C精錬前に、普通転炉精錬を挟み込んだ操業とすることによって、P濃度の低いスラグが生成し、先のP濃度の高い炉内付着スラグ洗われ、この後に続く脱C精錬での復Pを抑制することができるという利点がある。

0036

以上、図1のパターン1からパターン3および図2のパターン4からパターン6などの例から判るように、本発明のポイントは、溶銑を脱P精錬後、この脱P溶湯を出湯し、その後、当該転炉に、他チャージの脱P溶湯を装入し、脱C精錬を行うか、或いは、溶銑を脱P精錬後、この脱P溶湯を出湯し、その後、当該転炉に、普通溶銑を装入して、普通転炉精錬となって、出鋼し、その後に他チャージの脱P溶湯を装入し、脱C精錬を行うことである。

0037

本発明の方法による、生産性の向上、スラグによる溶湯の汚染抑制(復Pの抑制)などの効果を、図1および図2のパターンの例と併せて示した。

0038

実操業の転炉を使用し、図1のパターン1の操業に準じて、当該転炉で先に脱P精錬した溶湯(溶湯A’)と、他の転炉で脱P精錬した溶湯(溶湯C)とを使用し、当該転炉で脱C精錬した。従来の同一炉タイプの溶銑予備処理方法に比較し、約5%生産性が向上した。

発明の効果

0039

本発明により、転炉型溶銑予備処理方法において、転炉の稼働率が向上し、生産性が向上するとともに、復Pを抑制できる健全な脱C精錬を行うことができる。

図面の簡単な説明

0040

図1本発明の転炉型溶銑予備処理方法の実施例を示す図である。(その1)
図2本発明の転炉型溶銑予備処理方法の実施例を示す図である。(その2)
図3同一炉タイプの精錬サイクルを示す図である。
図4専用炉タイプの精錬スケジュールを示す図である。

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