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技術 高純度9.9−ビス−(ヒドロキシフェニル)−フルオレンならびにその調製および精製方法

出願人 フェラーニア・テクノロジーズ・ソシエタ・ペル・アチオニ
発明者 シモネ・アンジョリーニマウロ・アヴィダーノ
出願日 2002年4月22日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2002-118799
公開日 2002年12月18日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2002-363119
状態 特許登録済
技術分野 晶析 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 図解説明 電気コンデンサ 機械構成要素 ゴーグルレンズ 金属オキシ水酸化物 超酸触媒 置換基類 ガス状塩化水素
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重要な関連分野

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図面 (2)

課題

少なくとも226.00℃の融解曲線最大および、1.30℃以下の融解曲線5%値幅を示す、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物を得ること。

解決手段

(a)有機溶媒中、酸性縮合剤の存在下で、フェノール化合物と9-フルオレノンを反応させる工程、(b) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンを分離する工程、および(c) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンを精製する工程を包含する方法であって、該精製方法アセトニトリル溶媒を使用する第1精製工程ならびに、脂肪族アルコール芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、および芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒を使用する第2精製工程を包含することを特徴とする方法。

概要

背景

現代高分子製造業では、ビスフェノールは、大規模重縮合反応で、特に高耐熱性および良好な光学的性質を有する、エポキシ樹脂ポリウレタンポリカーボネートポリエーテルおよびポリエステルの調製のモノマーとして使用されている。

9,9-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物およびその置換誘導体(一般にBHPFまたはビスフェノールFとして知られている)は、上記のポリマーの合成、特にポリエステルの合成、とりわけポリアリーレート(すなわちBHPFとハロゲン化ジアシル(diacylic halides)の共重合から得られるポリマー)の調製に有用なモノマーである。これらのハロゲン化ジアシル化合物は、非常に高い耐熱性およびひときわ優れた光学的性質を示す("高性能ポリエステル")。

高性能ポリエステル、特に芳香族ポリエステル("ポリアリーレート"として知られている)は、下記などのいくつかの重要な用途がある:
1. 多数の応力-ひずみサイクルに対する抵抗性が必要とされる機械構成要素(例えば自動車用構成要素)で使用される、標準的なポリマー類より機械的特性が高い重合性フィルム
2. 全可視波長に対して良好な透明性、低い黄色度指数の、非常に良好な光学的性質を有するフィルムを使用するガラス代替品(例えば液晶ディスプレイ眼用レンズゴーグルレンズなどの構成要素);
3. 特に高温(100℃以上)で良好な電気絶縁性を有する薄膜(10μm以下)(例えば高性能電気コンデンサ用など);
4.金属層沈積に適したフィルム(例えばプリントフレキシブル回路製造用の銅)または透明な伝導性層(例えばITO、インジウムスズオキシド(Indium Tin Oxide))。

これらの用途では、非常に高いガラス転移温度(Tg)(例えば300℃以上)、非常に高い軟化温度および非常に高い溶融温度を有する重合性材料が必要とされる。非常に高い平均分子量(AMW)(例えば500,000ダルトンを超えるもの)、狭い分子量分布(MWD)および未反応モノマーまたは低分子量オリゴマー含有量が低いことは、高性能ポリエステルで望ましい別の基本的な要件である。これらのパラメーターは上記材料の熱的および光学的性質において非常に重要である。

以前、これらの結果は、重縮合反応("ステップ重合"としても知られている)でよく知られた問題に起因して、重合プロセスで高純度反応物を使用することによってのみ達成されていた。この問題の記述はG. Odian, Principles of Polymerization, 第2章, "ステップ重合", 41頁, 第3版, John Wiley & Sons, Inc. NewYork, 1991でみられる。

高分子量重縮合ポリマー成功合成は、非常に高い変換率(一般に99%以上、さらには99.5%以上)によってのみ達成でき、そしてこれには、反応条件についていくつかの厳しい要件(有意な平衡であることおよび副反応のないことなど)がかかる。

この最後の要件は、重合反応関与する反応物の上記高純度と厳密に関連する。そしてこの反応に使用されるビスフェノール(類)の純度は副反応の方向および存在を制御することが主な発表の1つである。合成に使用される反応物もしくは触媒の存在、または反応副生成物の存在は、たとえ微量であっても、重合の最終結果に強い影響を与え、しばしばポリマーの分子量が減少するからである。主生成物からこれらの副生成物を分離することは基本的に重要である。これらの副生成物の異なる反応性または機能性は重合反応にかなりの悪影響を与え、反応物のポリマーへの変換度が低下し、平均分子量が低くなるか、または最終ポリマーの構造の内部に鎖の枝分かれを導入するからである。この分離プロセス反応生成物中に存在し得るわずかな反応物も除去できなければならない。これらの多く(フェノール酸触媒)は、例えばハロゲン化ジアシルと反応し、その単官能性またはその異なる反応性によって重合反応を中断させ得るからである。

BHPFの精製方法の幾つかが当分野で説明されている。この知られた方法はかなり複雑であるかまたは、生成物から残留触媒(酸)または合成反応に使用した過剰フェノールを取除くのに、大量の水または水/有機溶媒(例えばアルコールアセトンまたは他のカルボニル化合物)などの混合物を伴ってしまう。文献中の多数の実施例に、精製段階ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタントリクロロエチレンおよびテトラクロロエタンなど)を使用することが記載されているが、環境および安全の点で深刻な問題がある。

米国特許第3,546,165号は、可溶性で、高融点の、熱的に安定な線状ポリエステルの合成を記載している。実施例2は、溶けたフェノール中の反応物の反応、水での析出およびトルエンを用いた精製による、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンの調製を記載している。最終生成物は融点224℃である。

米国特許第4,024,194号は、9-(4-ヒドロキシフェニル)-9-(2-ヒドロキシフェニル)フルオレン(BHPFのオルト-、パラ-異性体)と同定された副生成物を、結晶化溶媒としてニトロメタン(CH3NO2)を使用して除去する、BHPFの精製方法を記載している。最終生成物は融点224.8〜225.4℃であり、前記の不純物は0.5%未満である。

米国特許第4,049,721号は、不純物としてフェノールを含むBHPFの、メタノールおよび水および/またはそれらの混合物を使用する精製方法を記載している。

米国特許第4,387,209号、同第4,401,803号、同第4,430,493号、同第4,446,195号、および国際特許公開WO 92/03493は、228℃〜230℃の溶融範囲を有するBHPFの使用による、芳香族ポリエステルの調製方法を記載している。これらの特許全てが、ガス状ハロゲン化水素および触媒量の2価、3価または4価金属ハライド(但し金属はCa、Fe、Ti、SnおよびAlから選択される)の存在下での、溶けたフェノール中のフルオレノンの反応によるBHPFの調製について、米国特許第4,467,122号を引用している。この精製方法は水と1,2-ジクロロエタンを用いる洗浄を含んでおり、純度99.8%(HPLCで測定)が得られる。

米国特許第4,675,458号は、フルオレノンとフェノールを、縮合剤として75%以上の濃度を有する硫酸メルカプタンの存在下で反応させる、BHPFの調製方法を記載している。メタノールとイソプロパノールを精製に使用し、単離した生成物は融点223℃を示した。

米国特許第4,931,594号は、フェノールとフルオレノンを、縮合触媒として不溶性強酸性イオン陽イオン交換樹脂の存在下で、20℃〜150℃の温度で反応させる、BHPFの合成を記載している。生成物を、アセトン、水およびイソプロパノールで洗浄し、融点221℃〜224℃を示す最終生成物を得た。

米国特許第5,110,994号は、フルオレノンを、過剰のフェノール、触媒として塩酸および三塩化アルミニウムの存在下で反応させ、この触媒を無水有機溶媒に溶かす、BHPFの調製方法を記載している。未処理生成物を、沸騰水、アセトンおよび1,2-ジクロロエタンで処理する。最終生成物は示差走査熱量測定溶融温度225.5℃を有する。米国特許第5,149,886号は、フルオレノンとフェノールを、1:4〜1:8のモル比、30〜90℃、ガス状塩化水素およびp-メルカプトプロピオン酸触媒の存在下で縮合し、改良として、完了した反応混合物から反応水と溶かした酸塩酸塩(hydrochloridric acid)を蒸留し、蒸留残渣ニトリルに溶解し、結晶化したニトリルとBHPFとの付加体をニトリルから分離し、そして付加体を解離させてBHPFに戻すことを含む、BHPFの合成方法を記載する。アセトニトリルプロピオニトリルアジピン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル、グルタル酸ジニトリルおよびオクタン酸ジニトリルがニトリルとして開示されている。

米国特許第5,169,990号は、BHPFの合成であって、フルオレノンとフェノールを、モル比1:4〜1:8で、触媒としてガス状塩化水素およびβ-メルカプトプロピオン酸存在下で縮合し、そして完了した反応混合物をポリアルキレングリコールと混合し、それから過剰量のフェノールを混合物から蒸留することを開示している。トルエン/イソプロパノールまたはアセトニトリルでの再結晶で純度99.8%(HPLC法)が得られる。

米国特許第5,248,838号は、反応物を有機溶媒(炭化水素溶媒)に溶かすBHPFの合成方法であるが、BHPFが室温ではこの溶媒に可溶性でないものを記載している。

米国特許第5,304,688号は、メルカプタン助触媒および、金属硫酸化物(metalsulfates)、硫酸化金属酸化物(sulfated metal oxide)、硫酸化金属オキシ水酸化物(sulfated metal oxyhydroxides)、硫酸化金属オキシケイ酸塩(sulfated metal oxysilicates)、超酸金属酸化物(superacid metal oxides)およびそれらの混合物からなる群から選択される固体超酸触媒の存在下での、BHPFの合成を記載している。

日本特許出願公開第62/230741号は、高純度BHPF製造物の精製方法を開示している。反応媒体中に存在する過剰のフェノールを取り除き、そして粗生成物を、BHPFと不溶性付加体を形成することができる溶媒(ジエチルエーテル、アセトン、エタノールプロパノールジオキサンまたは酢酸)に溶かす。それから、この付加体を分離し(純度99%以上)、そして上記の溶媒または芳香族炭化水素から再結晶化し、さらに精製されたBHPF(純度99.6%以上)を得ている。

日本特許出願公開第04/041450号は、フェノールとフルオレノンを、金属塩化物およびHClまたはメルカプトプロピオン酸およびHClの存在下で反応させる、BHPF(またはアルキル誘導体)の合成方法を開示している。脂肪族アルコールを反応混合物に添加して、均一な溶液を調製する。それから水を加えてBHPFを沈殿させている。

日本特許出願公開第04/041451号は、着色したビスフェノール(例えば、BHPFおよびそのアルキル置換誘導体)の精製方法を開示している。粗生成物を脂肪族ケトン(類)に溶かし、それからその析出物を、低級脂肪族アルコール(類)(例えばメタノール、エタノール、n-プロパノールおよびイソプロパノール)と芳香族炭化水素(類)(例えばベンゼン、トルエンおよびキシレン)の混合溶媒で再結晶する。この方法は、着色したビスフェノールを効果的に精製し、無色の生成物が得られる。

日本特許出願公開第63/021836号は、BHPFの精製方法であって、粗生成物をまず室温でアセトンに溶かし、それから炭化水素ベースの溶媒(例えばヘキサン)を加えて、結晶を分離する方法を開示している。必要であればこの処理を繰り返すことができ、そして生成物を最終的に100-150℃で乾燥させる。

日本特許出願公開第08/217713号は、BHPFの合成用溶剤として、炭化水素ベースの溶媒(ヒドロキシ官能基を有さず沸点がフェノールより高いもの)を使用することを開示している。未反応のフェノールを蒸留で取り除く。それから蒸留残渣物を、OH基を含まない有機溶媒に溶かし、加熱しそして冷却してBHPFを析出させている。

日本特許出願公開第09/124530号は、9-フルオレノンの合成方法ならびに、酸およびメルカプトカルボン酸の存在下で不活性溶媒(芳香族炭化水素)中フェノールとの縮合方法を開示している。得られたBHPFは、ポリエステル、ポリカーボネートまたはエポキシ樹脂の調製に適している。

米国特許第4,618,699号、同第4,810,771号、同第4,904,755号は、BHPFと芳香族酸からのポリエステルの調製方法を記載している。BHPFの調製および精製についての具体的な言及はなされていない。

先行技術は、BHPFの純度が優れた性質を有するポリエステルを得るのに不可欠な条件であることを明らかにしている。しかしながら、文献に記載された精製方法では、光学用途に適したポリエステルを得るための、大規模な重縮合反応の使用に適した"高純度BHPF"を得ることができない。上記列挙の広範囲にわたる先行技術に関わらず、優れた光学的および機械的特性を有するポリエステルの調製用の、極めて純粋なBHPFを得るための改良技術が未だ必要とされている。

概要

少なくとも226.00℃の融解曲線最大および、1.30℃以下の融解曲線5%値幅を示す、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物を得ること。

(a)有機溶媒中、酸性縮合剤の存在下で、フェノール化合物と9-フルオレノンを反応させる工程、(b) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンを分離する工程、および(c) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンを精製する工程を包含する方法であって、該精製方法がアセトニトリル溶媒を使用する第1精製工程ならびに、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、および芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒を使用する第2精製工程を包含することを特徴とする方法。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
3件

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請求項1

9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物の調製のための精製方法であって、該方法が、不純な9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物を、少なくとも2種の精製工程;1.アセトニトリル溶媒を使用する第1精製工程、および2.脂肪族アルコール芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物および芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒を使用する第2精製工程、によって精製することを包含する方法。

請求項2

前記脂肪族アルコールが、メタノールエタノールプロパノールイソプロパノールブタノールイソブタノール、t-ブタノールおよびn-ペンタノールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の精製方法。

請求項3

前記芳香族炭化水素が、ベンゼントルエンo-キシレンm-キシレンp-キシレンエチルベンゼンおよびスチレンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の精製方法。

請求項4

前記ニトリルが、アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシ-プロピオニトリル、ブチロニトリルマロノニトリルアジポニトリルバレロニトリルベンゾニトリルナフトニトリルおよびフタロジニトリルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の精製方法。

請求項5

下記工程;(a)有機溶媒中、酸性縮合剤の存在下で、フェノール化合物と9-フルオレノン化合物とを反応させる工程、(b) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物を分離する工程、および(c) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物を精製する工程、を包含し、該精製方法が、アセトニトリル溶媒を使用する第1精製工程ならびに、a)脂肪族アルコール、b)芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物およびc)芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒を使用する第2精製工程を包含する、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物の調製のための合成方法

請求項6

前記脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t-ブタノールおよびn-ペンタノールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5記載の合成方法。

請求項7

前記芳香族炭化水素が、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼンおよびスチレンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5記載の合成方法。

請求項8

前記ニトリルが、アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシ-プロピオニトリル、ブチロニトリルおよびバレロニトリル、およびベンゾニトリルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5記載の合成方法。

請求項9

少なくとも226.00℃の融解曲線最大と、1.30℃と同等またはそれ以下の融解曲線5%値幅を示す、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物。

請求項10

少なくとも226.00℃の融解曲線最大と、1.10℃と同等またはそれ以下の融解曲線5%値幅を示す、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物。

請求項11

第1精製工程がアセトニトリル溶媒からの再結晶化を包含する、請求項1記載の精製方法。

請求項12

第2精製工程が、a)脂肪族アルコール、b)芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、およびc)芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒系を含む溶媒系からの再結晶化を包含する、請求項1記載の調製方法

請求項13

第2精製工程が、a)脂肪族アルコール、b)芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、およびc)芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒系を含む溶媒系からの再結晶化を包含する、請求項11記載の精製方法。

技術分野

0001

本発明は、新規高純度9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンならびにその調製および精製方法に関する。

背景技術

0002

現代高分子製造業では、ビスフェノールは、大規模重縮合反応で、特に高耐熱性および良好な光学的性質を有する、エポキシ樹脂ポリウレタンポリカーボネートポリエーテルおよびポリエステルの調製のモノマーとして使用されている。

0003

9,9-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物およびその置換誘導体(一般にBHPFまたはビスフェノールFとして知られている)は、上記のポリマーの合成、特にポリエステルの合成、とりわけポリアリーレート(すなわちBHPFとハロゲン化ジアシル(diacylic halides)の共重合から得られるポリマー)の調製に有用なモノマーである。これらのハロゲン化ジアシル化合物は、非常に高い耐熱性およびひときわ優れた光学的性質を示す("高性能ポリエステル")。

0004

高性能ポリエステル、特に芳香族ポリエステル("ポリアリーレート"として知られている)は、下記などのいくつかの重要な用途がある:
1. 多数の応力-ひずみサイクルに対する抵抗性が必要とされる機械構成要素(例えば自動車用構成要素)で使用される、標準的なポリマー類より機械的特性が高い重合性フィルム
2. 全可視波長に対して良好な透明性、低い黄色度指数の、非常に良好な光学的性質を有するフィルムを使用するガラス代替品(例えば液晶ディスプレイ眼用レンズゴーグルレンズなどの構成要素);
3. 特に高温(100℃以上)で良好な電気絶縁性を有する薄膜(10μm以下)(例えば高性能電気コンデンサ用など);
4.金属層沈積に適したフィルム(例えばプリントフレキシブル回路製造用の銅)または透明な伝導性層(例えばITO、インジウムスズオキシド(Indium Tin Oxide))。

0005

これらの用途では、非常に高いガラス転移温度(Tg)(例えば300℃以上)、非常に高い軟化温度および非常に高い溶融温度を有する重合性材料が必要とされる。非常に高い平均分子量(AMW)(例えば500,000ダルトンを超えるもの)、狭い分子量分布(MWD)および未反応モノマーまたは低分子量オリゴマー含有量が低いことは、高性能ポリエステルで望ましい別の基本的な要件である。これらのパラメーターは上記材料の熱的および光学的性質において非常に重要である。

0006

以前、これらの結果は、重縮合反応("ステップ重合"としても知られている)でよく知られた問題に起因して、重合プロセスで高純度反応物を使用することによってのみ達成されていた。この問題の記述はG. Odian, Principles of Polymerization, 第2章, "ステップ重合", 41頁, 第3版, John Wiley & Sons, Inc. NewYork, 1991でみられる。

0007

高分子量重縮合ポリマー成功合成は、非常に高い変換率(一般に99%以上、さらには99.5%以上)によってのみ達成でき、そしてこれには、反応条件についていくつかの厳しい要件(有意な平衡であることおよび副反応のないことなど)がかかる。

0008

この最後の要件は、重合反応関与する反応物の上記高純度と厳密に関連する。そしてこの反応に使用されるビスフェノール(類)の純度は副反応の方向および存在を制御することが主な発表の1つである。合成に使用される反応物もしくは触媒の存在、または反応副生成物の存在は、たとえ微量であっても、重合の最終結果に強い影響を与え、しばしばポリマーの分子量が減少するからである。主生成物からこれらの副生成物を分離することは基本的に重要である。これらの副生成物の異なる反応性または機能性は重合反応にかなりの悪影響を与え、反応物のポリマーへの変換度が低下し、平均分子量が低くなるか、または最終ポリマーの構造の内部に鎖の枝分かれを導入するからである。この分離プロセス反応生成物中に存在し得るわずかな反応物も除去できなければならない。これらの多く(フェノール酸触媒)は、例えばハロゲン化ジアシルと反応し、その単官能性またはその異なる反応性によって重合反応を中断させ得るからである。

0009

BHPFの精製方法の幾つかが当分野で説明されている。この知られた方法はかなり複雑であるかまたは、生成物から残留触媒(酸)または合成反応に使用した過剰フェノールを取除くのに、大量の水または水/有機溶媒(例えばアルコールアセトンまたは他のカルボニル化合物)などの混合物を伴ってしまう。文献中の多数の実施例に、精製段階ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタントリクロロエチレンおよびテトラクロロエタンなど)を使用することが記載されているが、環境および安全の点で深刻な問題がある。

0010

米国特許第3,546,165号は、可溶性で、高融点の、熱的に安定な線状ポリエステルの合成を記載している。実施例2は、溶けたフェノール中の反応物の反応、水での析出およびトルエンを用いた精製による、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンの調製を記載している。最終生成物は融点224℃である。

0011

米国特許第4,024,194号は、9-(4-ヒドロキシフェニル)-9-(2-ヒドロキシフェニル)フルオレン(BHPFのオルト-、パラ-異性体)と同定された副生成物を、結晶化溶媒としてニトロメタン(CH3NO2)を使用して除去する、BHPFの精製方法を記載している。最終生成物は融点224.8〜225.4℃であり、前記の不純物は0.5%未満である。

0012

米国特許第4,049,721号は、不純物としてフェノールを含むBHPFの、メタノールおよび水および/またはそれらの混合物を使用する精製方法を記載している。

0013

米国特許第4,387,209号、同第4,401,803号、同第4,430,493号、同第4,446,195号、および国際特許公開WO 92/03493は、228℃〜230℃の溶融範囲を有するBHPFの使用による、芳香族ポリエステルの調製方法を記載している。これらの特許全てが、ガス状ハロゲン化水素および触媒量の2価、3価または4価金属ハライド(但し金属はCa、Fe、Ti、SnおよびAlから選択される)の存在下での、溶けたフェノール中のフルオレノンの反応によるBHPFの調製について、米国特許第4,467,122号を引用している。この精製方法は水と1,2-ジクロロエタンを用いる洗浄を含んでおり、純度99.8%(HPLCで測定)が得られる。

0014

米国特許第4,675,458号は、フルオレノンとフェノールを、縮合剤として75%以上の濃度を有する硫酸メルカプタンの存在下で反応させる、BHPFの調製方法を記載している。メタノールとイソプロパノールを精製に使用し、単離した生成物は融点223℃を示した。

0015

米国特許第4,931,594号は、フェノールとフルオレノンを、縮合触媒として不溶性強酸性イオン陽イオン交換樹脂の存在下で、20℃〜150℃の温度で反応させる、BHPFの合成を記載している。生成物を、アセトン、水およびイソプロパノールで洗浄し、融点221℃〜224℃を示す最終生成物を得た。

0016

米国特許第5,110,994号は、フルオレノンを、過剰のフェノール、触媒として塩酸および三塩化アルミニウムの存在下で反応させ、この触媒を無水有機溶媒に溶かす、BHPFの調製方法を記載している。未処理生成物を、沸騰水、アセトンおよび1,2-ジクロロエタンで処理する。最終生成物は示差走査熱量測定溶融温度225.5℃を有する。米国特許第5,149,886号は、フルオレノンとフェノールを、1:4〜1:8のモル比、30〜90℃、ガス状塩化水素およびp-メルカプトプロピオン酸触媒の存在下で縮合し、改良として、完了した反応混合物から反応水と溶かした酸塩酸塩(hydrochloridric acid)を蒸留し、蒸留残渣ニトリルに溶解し、結晶化したニトリルとBHPFとの付加体をニトリルから分離し、そして付加体を解離させてBHPFに戻すことを含む、BHPFの合成方法を記載する。アセトニトリルプロピオニトリルアジピン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル、グルタル酸ジニトリルおよびオクタン酸ジニトリルがニトリルとして開示されている。

0017

米国特許第5,169,990号は、BHPFの合成であって、フルオレノンとフェノールを、モル比1:4〜1:8で、触媒としてガス状塩化水素およびβ-メルカプトプロピオン酸存在下で縮合し、そして完了した反応混合物をポリアルキレングリコールと混合し、それから過剰量のフェノールを混合物から蒸留することを開示している。トルエン/イソプロパノールまたはアセトニトリルでの再結晶で純度99.8%(HPLC法)が得られる。

0018

米国特許第5,248,838号は、反応物を有機溶媒(炭化水素溶媒)に溶かすBHPFの合成方法であるが、BHPFが室温ではこの溶媒に可溶性でないものを記載している。

0019

米国特許第5,304,688号は、メルカプタン助触媒および、金属硫酸化物(metalsulfates)、硫酸化金属酸化物(sulfated metal oxide)、硫酸化金属オキシ水酸化物(sulfated metal oxyhydroxides)、硫酸化金属オキシケイ酸塩(sulfated metal oxysilicates)、超酸金属酸化物(superacid metal oxides)およびそれらの混合物からなる群から選択される固体超酸触媒の存在下での、BHPFの合成を記載している。

0020

日本特許出願公開第62/230741号は、高純度BHPF製造物の精製方法を開示している。反応媒体中に存在する過剰のフェノールを取り除き、そして粗生成物を、BHPFと不溶性付加体を形成することができる溶媒(ジエチルエーテル、アセトン、エタノールプロパノールジオキサンまたは酢酸)に溶かす。それから、この付加体を分離し(純度99%以上)、そして上記の溶媒または芳香族炭化水素から再結晶化し、さらに精製されたBHPF(純度99.6%以上)を得ている。

0021

日本特許出願公開第04/041450号は、フェノールとフルオレノンを、金属塩化物およびHClまたはメルカプトプロピオン酸およびHClの存在下で反応させる、BHPF(またはアルキル誘導体)の合成方法を開示している。脂肪族アルコールを反応混合物に添加して、均一な溶液を調製する。それから水を加えてBHPFを沈殿させている。

0022

日本特許出願公開第04/041451号は、着色したビスフェノール(例えば、BHPFおよびそのアルキル置換誘導体)の精製方法を開示している。粗生成物を脂肪族ケトン(類)に溶かし、それからその析出物を、低級脂肪族アルコール(類)(例えばメタノール、エタノール、n-プロパノールおよびイソプロパノール)と芳香族炭化水素(類)(例えばベンゼン、トルエンおよびキシレン)の混合溶媒で再結晶する。この方法は、着色したビスフェノールを効果的に精製し、無色の生成物が得られる。

0023

日本特許出願公開第63/021836号は、BHPFの精製方法であって、粗生成物をまず室温でアセトンに溶かし、それから炭化水素ベースの溶媒(例えばヘキサン)を加えて、結晶を分離する方法を開示している。必要であればこの処理を繰り返すことができ、そして生成物を最終的に100-150℃で乾燥させる。

0024

日本特許出願公開第08/217713号は、BHPFの合成用溶剤として、炭化水素ベースの溶媒(ヒドロキシ官能基を有さず沸点がフェノールより高いもの)を使用することを開示している。未反応のフェノールを蒸留で取り除く。それから蒸留残渣物を、OH基を含まない有機溶媒に溶かし、加熱しそして冷却してBHPFを析出させている。

0025

日本特許出願公開第09/124530号は、9-フルオレノンの合成方法ならびに、酸およびメルカプトカルボン酸の存在下で不活性溶媒(芳香族炭化水素)中フェノールとの縮合方法を開示している。得られたBHPFは、ポリエステル、ポリカーボネートまたはエポキシ樹脂の調製に適している。

0026

米国特許第4,618,699号、同第4,810,771号、同第4,904,755号は、BHPFと芳香族酸からのポリエステルの調製方法を記載している。BHPFの調製および精製についての具体的な言及はなされていない。

0027

先行技術は、BHPFの純度が優れた性質を有するポリエステルを得るのに不可欠な条件であることを明らかにしている。しかしながら、文献に記載された精製方法では、光学用途に適したポリエステルを得るための、大規模な重縮合反応の使用に適した"高純度BHPF"を得ることができない。上記列挙の広範囲にわたる先行技術に関わらず、優れた光学的および機械的特性を有するポリエステルの調製用の、極めて純粋なBHPFを得るための改良技術が未だ必要とされている。

発明が解決しようとする課題

0028

少なくとも226.00℃の融解曲線最大および、1.30℃以下の融解曲線5%値幅を示す、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物である。

課題を解決するための手段

0029

9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物の調製のための合成方法は、(a)有機溶媒中、酸性縮合剤の存在下で、フェノール化合物と9-フルオレノンを反応させる工程、(b) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンを分離する工程、および(c) 粗9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンを精製する工程を包含する方法であって、該精製方法がアセトニトリル溶媒を使用する第1精製工程ならびに、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、および芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒を使用する第2精製工程を包含することを特徴とする方法である。

0030

9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン化合物の調製のための精製方法は、アセトニトリルを使用する第1精製工程ならびに、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、および芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒を使用する第2精製工程を包含する。

0031

図1は、本発明の範囲内の、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンのDSCパラメーターの決定を図解説明する、示差走査熱量測定法(DSC)融解曲線のグラフ図である。

発明を実施するための最良の形態

0032

本発明の方法で精製されるBHPF化合物は、先行技術に記載された任意の方法で合成することができる。BHPF化合物の合成は、好ましくは、米国特許第5,248,838号(参照して本明細書に導入)に記載の方法により、有機溶媒中、酸性縮合剤の存在下で、フェノール化合物と9-フルオレノン化合物とを反応させて実施される。

0033

有用なフェノール化合物として、非置換フェノールおよび置換フェノールが含まれるが、置換基または置換基類が縮合プロセスの妨げとならないことを条件とする。有用な置換基には、非限定的な例として、アルキル基アリール基アラルキル基アルカリール(alkaryl)基、アルコキシ基アシル基およびハロゲン原子が含まれる。好ましい置換基として、ハロゲン原子、好ましくはクロライドおよびブロミド、および炭素数1〜約10を含むアルキル基、より好ましくは低級アルキル基(炭素数1〜約5を含むものなど)、最も好ましくは炭素数1〜3のもの、が含まれる。置換基または置換基類は、ヒドロキシル部分に対してオルトおよび/またはメタ位に適切に位置される。ヒドロキシル部分に対してパラ位フリーのままでなければならない。この位置は縮合プロセスで関係する場所だからである。好ましくは、一方または両方のオルト位置換されており、より好ましくは両方のオルト位が置換されている。適した置換フェノールの非限定的な例として、o-クレゾールm-クレゾール、o-またはm-クメノール(cumenol)、2,6-ジメチルフェノール、2-メチル-6-エチルフェノール、2-クロロフェノール、2-ブロモフェノール、2,6-ジブロモフェノール、2,6-ジクロロフェノール、2-メチル-6-ブロモフェノール、2-メチル-6-クロロフェノール、2,3,6-トリメチルフェノール、2,3,5,6-テトラメチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、o-フェニルフェノール、2,6-ジフェニルフェノール、3,5-ジメチルフェノール、3,5-ジエチルフェノールおよびo-ベンジルフェノールが含まれる。

0034

好ましくは、フェノール化合物は、非置換フェノールまたは、一方もしくは両方のオルト位がハロゲン原子および/または炭素数1〜約5のアルキル部分で置換されたフェノールである。より好ましくは、フェノール化合物は、両方のオルト位がハロゲン原子で置換されている。

0035

BHPF化合物の合成に適した9-フルオレノン化合物として非置換9-フルオレノンおよび置換9-フルオレノンが含まれるが、但し置換基または置換基類が縮合プロセスの妨げとならないことを条件とする。有用な置換基には、非限定的な例として、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルカリール基、アルコキシ基、アシル基およびハロゲン原子が含まれる。アルキル基およびハロゲン原子が、9-フルオレノンに好ましい置換基である。9-フルオレノンのアリール環の任意の位置が置換され得るが、好ましくは2位および7位である。好ましい9-フルオレノン誘導体は、2,7-ジブロモ-9-フルオレノン、2,7-ジメチル-9-フルオレノン、2-ブロモ-7-メチル-9-フルオレノンである。しかし、好ましい化合物は非置換の9-フルオレノンである。

0036

従って、本発明のBHPF化合物として、非置換9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンおよびその置換誘導体が含まれ、そして好ましくは下記の一般式で表わすことができる:

0037

9-フルオレノンに対するフェノールの任意のモル比が許容されるが、但しビス-ヒドロキシ芳香族化合物が本発明のプロセスで優勢な生成物として形成されることを条件とする。一般的に、9-フルオレノンに対するフェノールのモル比は、2〜6、より好ましくは2〜4、最も好ましくは2〜2.5の範囲である。最も低い代表的な比2を下まわると、副生成物構造が増加し得る。例えば、生成物ビス-ヒドロキシ芳香族化合物は、フリーのオルト位で過剰のケトンと反応し、高度な縮合生成物となり得る。最も高い代表的な比6を上まわると、過剰量のフェノールの分離および処理に費用がかかり、問題となる。

0038

BHPF化合物の合成に有用な有機溶媒は、幅広い温度において、フルオレノンおよびフェノール化合物に対して良溶媒または良分散剤であるものである。つまり、有機溶媒が、少なくともフルオレノンとフェノール化合物が反応する温度と同じくらいの高さの温度で、フルオレノンおよびフェノール化合物の溶液または分散状態を維持し得、そして少なくとも反応混合物が冷却される温度と同じくらいの低さの温度で、BHPF化合物の析出または結晶化を促進する。この有機溶媒は、また、フルオレノン、フェノール化合物、酸性縮合剤またはBHPF化合物と反応してはならない。代表的な有機溶媒として、無極性炭化水素溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタンなど)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素類(例えばトリクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタンおよびsym-テトラクロロエタン)およびそれらの混合物が含まれる。経済的、毒性および使用性の理由から、特にトルエンが有機溶媒として有用である。

0039

BHPF化合物の合成に使用される酸性縮合剤は、例えば、塩化水素スルホン酸(米国特許第5,248,838号に記載)、硫酸、2価、3価もしくは4価ハライド(米国特許第4,467,122号に記載)、メルカプタン類およびメルカプトカルボン酸(米国特許第4,675,458号に記載)、スルホン酸型イオン交換樹脂、またはそれらの混合物である。酸性縮合剤と反応混合物の組合せの任意の既知方法を使用することができる。例えば、反応中、ガス状塩化水素を反応混合物にバブルしてもよい。あるいは、酸性縮合剤または試薬を、反応のはじめに反応混合物に加えてもよい。また、反応混合物を、イオン交換樹脂で満たしたリアクターに通すこともできる。1種以上の縮合剤を使用した場合、1の縮合剤を反応の最初に反応混合物に加え、そして他方の縮合剤を反応中にゆっくり加えてもよい。良好な混合と完全な反応を促進するため、一旦酸性縮合剤を加えたら反応混合物を連続的に撹拌するのがよい。

0040

BHPF生成物の合成は、バッチまたは連続型操作で達成され得る。例えば、バッチ型操作を使用する場合、9-フルオレノン、フェノール化合物および有機溶媒を、撹拌機構振動部を備えたジャケット付反応ケトルなどの適した装置中に入れる。酸性縮合剤を加えた後、この混合物を所望の反応温度まで加熱し、反応中その温度を保つ。好ましくは、反応温度は80℃以下、より好ましくは20〜70℃、最も好ましくは40〜60℃である。反応混合物を、反応の通じて難なく撹拌できる状態に保つため、より有効に冷却してもよい。これは重要なことであり、なぜなら反応混合物を冷却できないと、反応混合物の温度が上昇し得るからである。温度上昇(例えば80℃以上の温度)の結果、より多くの異性体、ダイマーおよび他の不純物が反応混合物中で形成され得る。反応の終わりに、反応混合物を十分に低い温度まで冷却して、粗BHPF化合物の析出または結晶化を達成させる。常温(すなわち25℃)と同じくらい低い温度が、析出を引き起こすのに効果的であるが、好ましくはより低い温度(例えば20℃以下、または10℃以下、0℃など)を使用する。それから、粗BHPF化合物を残りの反応混合物から濾過または遠心分離回収し、そして本発明の精製方法に供する。

0041

本発明の精製方法は、アセトニトリルを使用する第1精製工程ならびに、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、および芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒を使用する第2精製工程を包含する。

0042

第1精製工程で、粗BHPFを、スターラーリフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた容器中で、アセトニトリル中に分散させる。この容器は、所要の製造物スケールによる任意の寸法および収容量を有し得る。分散を、室温で、粗BHPF1kgに対してアセトニトリル1〜5リットルを使用して作成する。分散の温度を、撹拌しながらアセトニトリル溶液還流温度(約80℃以上、特に約81℃以上)まで上げて、澄んだ溶液を得る。それからこの溶液を10℃以下(0〜10℃、好ましくは0〜5℃など)の温度まで冷却し、この温度に少なくとも1時間(好ましくは少なくとも2時間)保って、結晶化混合物を形成する。

0043

それから結晶化混合物を濾過し、分離した固体を新鮮な溶媒で洗浄し、それから室温で少なくとも1時間(好ましくは少なくとも2時間)乾燥させる。得られた固体を、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素と脂肪族アルコールの混合物、および芳香族炭化水素とニトリルの混合物からなる群から選択される溶媒を用いる第2精製工程に供する。

0044

本発明のプロセスに有用な脂肪族アルコールには、少なくとも、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜4を有する脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールイソブタノールおよびt-ブタノールなど)が含まれる。

0045

本発明のプロセスに有用な芳香族炭化水素には、少なくとも、ベンゼンまたは置換ベンゼンが含まれる。有用な置換基は、炭素数1〜5を有するアルキルまたはアルケニル基である。好ましい溶媒は、ベンゼン、トルエン、o-キシレンm-キシレンp-キシレンエチルベンゼン、またはスチレンである。

0046

本発明のプロセスに有用なニトリルには、少なくとも、脂肪族ニトリルおよびジニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル(proprionitrile)、3-メトキシ-プロピオニトリル、ブチロニトリルマロノニトリル(malonodinitrile)、アジポニトリル(adipodinitrile)およびバレロニトリルなど)、または芳香族ニトリルおよびジニトリル(ベンゾニトリルナフトニトリルフタロジニトリルなど)が含まれる。

0047

第1精製工程から得られたBHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた容器中で、選択された溶媒または溶媒混合物に再分散させる。分散を、室温で、BHPF1kgに対して溶媒/溶媒混合物1〜5リットルを使用して作成する。分散を、室温に保つか、あるいは撹拌しながら溶媒/溶媒混合溶液の還流温度に温めて、澄んだ溶液を得る。それからこの溶液を約10℃未満(例えば0〜10℃、好ましくは0〜5℃)の温度まで冷却し、この温度に少なくとも1時間(好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも4時間)保つ。

0048

得られたBHPFを、常套の方法を使用して分離して、乾燥させる。本発明のBHPFは、当分野に記載された常套の精製方法ではかつて達し得なかったほどの、極めて高い純度を特徴とする。示差走査熱量分析(DSC)に供する場合、本発明の精製方法で得られたBHPFは、少なくとも226.00℃の融解曲線最大と、1.30℃と同等またはそれ以下の融解曲線5%値幅(melting curve width at 5%)を有する。当分野の記載の何れの方法によっても、このような値を得ることができない。

0049

図1に関して、本発明の特徴のDSCパラメーターは、T最大(摂氏℃で示す):検討中サンプルの融解曲線最大に対応する温度を表わす、および融解曲線5%値幅(摂氏℃で示す):曲線ピークの5%高さでの融解曲線の幅(B)を表わす;曲線の最大と交差するベースライン(A)に垂直なライン(C)と曲線最大より低い温度の同じ融解曲線のサイドとの間を測定、である。

0050

本発明のBHPFは、すばらしい機械的、熱的および光学的性質を有する、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエーテル、およびポリエステルの製造のための重縮合反応に有用である。本発明のBHPFは、特に、ポリエステルの調製に、さらにはBHPFとジカルボン酸またはハロゲン化ジアシルとの反応で得られるポリアリーレートの調製に有用である。このようなポリアリーレートは、当業者に知られた方法を使用して調製することができる:例として、Ind. Eng. Chem. 51, 147, 1959に記載の溶液重合方法、二官能性カルボン酸ジハライド有機溶液中二官能性フェノール(すなわちBHPF)と反応させるもの;"溶融"重合方法、二官能性カルボン酸と二官能性フェノール(すなわちBHPF)を無水酢酸またはジアリルカーボネートの存在下で加熱するもの(日本特許出願第38-26299号に記載);または界面重合方法、水に相溶しない有機溶媒中に溶かした二官能性カルボン酸ジハライドを、アルカリ水溶液中に溶かした二官能性フェノール(すなわちBHPF)と混合するもの(J. Polymer Science, XL399, 1959、および欧州特許出願第943,640号、同第396,418号に記載)が使用できる。

0051

本発明のBHPFから得られるポリアリーレートは、高度な平均分子量、そして優れた機械的、熱的および光学的性質を示す。

0052

本発明を以下の実施例で例示説明するが、これらは限定するものと理解されてはならない。

0053

示差走査熱量測定法(DSC)の説明
DSC分析を、PERKIN ELMER DSC-4示差走査熱量計で、走査速度1.0℃/分で、アルミニウムパンPERKIN ELMER n°0219-0041およびサンプル重量2.00mg〜3.99mgを用いて行なう。パージ供給ガス窒素であり、分析温度範囲は215℃〜230℃であった。機器校正標準試料インジウム(原子量114.82a.u.)を使用して、オンセット溶融温度156.60℃、DH溶融28.45 J/g(同じ操走査速度1.0℃/分)で行なった。

0054

図1に関して、本発明の特徴のDSCパラメーターは、T最大(摂氏℃で示す):検討中のサンプルの融解曲線最大に対応する温度を表わす、および融解曲線5%値幅(摂氏℃で示す):曲線ピークの5%高さでの融解曲線の幅(B)を表わす;曲線の最大と交差するベースライン(A)に垂直なライン(C)と曲線最大より低い温度の同じ融解曲線のサイドとの間を測定、である。

0055

"粗BHPF"の調製
本実施例で、"粗BHPF"を、米国特許第5,248,838号の実施例5に従って合成した。スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた500ml4口フラスコに、9-フルオレノン45.0g(0.25モル)を、溶けたフェノール57.0g(0.6モル)と一緒に入れた。トルエン115mlを加え、それから混合物を撹拌して、反応物全てを溶かした。それから3-メルカプトプロピオン酸0.22ml(0.0025モル)とメタンスルホン酸18.0ml(0.28モル)をフラスコ中に入れた。メタンスルホン酸を、1時間かけて反応溶液滴下した。滴下中、温度は30分で40-42℃に上昇した(内部温度をこの値に制限するのに、外部冷却が必要であった)。

0056

この発熱工程の終わりに外部加熱を行ない、反応器中の温度を40℃に維持した。90-120分後にBHPFの析出が起こった。この反応は18時間後に完了した。室温で1-2時間冷却した後、生成物を濾過し、新鮮なトルエン(それぞれ50mlで2度洗浄)で洗浄した。生成物は黒みをおびた赤色の小さい球形(直径1-3 mm)様であり、90℃で減量10%であった。

0057

実施例1(比較例)
粗BHPFを、アセトニトリル溶媒を使用する単一工程精製方法に供した。

0058

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトニトリル(2.5リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オーブン(120℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。結果を表1に示す。

0059

実施例2(本発明)
粗BHPFを、アセトニトリル溶媒とトルエン:イソプロパノール(9:1 v/v)混合物を使用する、2重工程精製方法に供した。

0060

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトニトリル(2.5リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、トルエン:イソプロパノール(9:1 v/v)混合物(4リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒混合物の還流温度に温めて、澄んだ、淡黄色溶液を得た。それからこれを0〜-5℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オーブン(120℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。乾燥が完了した後、生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0061

実施例3(本発明)
粗BHPFを、アセトニトリルとトルエン:アセトニトリルを使用する2重工程精製方法に供した。

0062

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトニトリル(2.5リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、トルエン:アセトニトリル(9.3:0.7 v/v)の混合物(5.5リットル/生成物1kg)に室温で再分散させて、溶媒混合物の還流温度に温めて、澄んだ、淡黄色溶液を得た。それからこれを0〜-5℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オーブン(120℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0063

実施例4(本発明)
粗BHPFを、アセトニトリルとイソプロパノールを使用する、2重工程精製方法に供した。

0064

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトニトリル(2.5リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、イソプロパノール(3.0リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、少なくとも2時間撹拌し、それから0℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0065

実施例5(比較例)
粗BHPFを、アセトンを使用する単一工程精製方法に供した。

0066

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度にまで温め、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0067

実施例6(比較例)
粗BHPFを、アセトンとトルエン:イソプロパノール(9:1 v/v)の混合物を使用する、2重工程精製方法に供した。

0068

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させて、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、トルエン:イソプロパノール(9:1 v/v)の混合物(4.3リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒混合物の還流温度に温めて、澄んだ、淡黄色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オーブン(120℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0069

実施例7(比較例)
粗BHPFを、アセトンとジオキサンを使用する、2重工程精製方法に供した。

0070

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、ジオキサン(3.15リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、少なくとも2時間撹拌し、それから0℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し, 減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オーブン(90℃)で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0071

実施例8(比較例)
粗BHPFを、アセトンとイソプロパノールを使用する、2重工程精製方法に供した。

0072

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、イソプロパノール(2.0リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、少なくとも2時間撹拌し、それから0℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0073

実施例9(比較例)
粗BHPFを、アセトンとエタノールを使用する、2重工程精製方法に供した。

0074

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、エタノール(3.0リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、黄色溶液を得た。それから0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間間損させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0075

実施例10(比較例)
粗BHPFを、アセトンとメタノールを使用する、2重工程精製方法に供した。

0076

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、アセトン(4.0リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、メタノール(1.65リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、少なくとも2時間撹拌し、それから0℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0077

実施例11(比較例)
粗BHPFを、エタノールを使用する単一工程精製方法に供した。

0078

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、エタノール(2.7リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、それから減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0079

実施例12(比較例)
粗BHPFを、エタノールとアセトンを使用する、2重工程精製方法に供した。

0080

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、エタノール(2.7リットル/生成物1kg)に室温で分散させて、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、アセトン(3.4リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、淡黄色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0081

実施例13(比較例)
粗BHPFを、イソプロパノールを2度使用する2重工程精製方法に供した。

0082

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、イソプロパノール(2.25リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、イソプロパノール(2.5リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、少なくとも2時間撹拌し、それから0℃まで冷却し、この温度で少なくとも4時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0083

実施例14(比較例)
粗BHPFを、イソプロパノールとアセトンを使用する、2重工程精製方法に供した。

0084

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、イソプロパノール(2.25リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、アセトン(3.0リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、淡黄色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮な溶媒で洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。生成物を上記のDSC方法で分析した。得られた結果を表1に示す。

0085

実施例15(比較例)
粗BHPFを、トルエン:イソプロパノール(9:1 v/v)混合物を2度使用する、2重工程精製方法に供した。

0086

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、トルエン:イソプロパノール(9:1 v/v)の混合物(3.8リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮なトルエンで洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、トルエン:イソプロパノール(9:1v/v)混合物(1.5リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒の還流温度 まで温め、澄んだ、黄色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮なトルエンで洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。劣化(degradation)のため、生成物をDSC方法で分析しなかった。

0087

実施例16(比較例)
粗BHPFを、トルエン:アセトニトリル(9.3:0.7 v/v)混合物を2度使用する2重工程精製方法に供した。

0088

粗BHPFを、スターラー、リフラックスコンデンサーおよび温度計を備えた4口フラスコ中で、トルエン:アセトニトリル(9.3:0.7 v/v)混合物(5.5リットル/生成物1kg)に室温で分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、濃褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮なトルエンで洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保った。得られた固体を、トルエン: アセトニトリル(9.3:0.7 v/v)混合物(3.7リットル/生成物1kg)に室温で再分散させ、溶媒の還流温度に温めて、澄んだ、淡褐色溶液を得た。それからこれを0℃まで冷却し、この温度で少なくとも2時間保った。それから結晶化混合物を減圧漏斗上で濾過し、新鮮なトルエンで洗浄し、減圧漏斗中、室温で2時間保ち、減圧オーブン(90℃)中で少なくとも16時間乾燥させた。劣化(degradation)のため、生成物をDSC方法で分析しなかった。

0089

ポリアリーレートフィルムの調製
実施例1の精製したBHPF化合物を用い、欧州特許第396,418号記載のような界面重縮合方法で、50モル%テレフタル酸イソフタル酸の混合物を使用して重合して、ポリマー1を得た。ポリマー1の10重量%ジクロロメタン溶液を使用する溶液流延法により、フィルム1を得た。フィルム1を温度25℃で3時間乾燥させ、徐々に温度を最大160℃まで上げた。

0090

ポリマー2〜16およびフィルム2〜16を、同じ手順によるが、それぞれ実施例2〜16の精製したBHPF化合物を使用して得た。

0091

ポリマー1〜16に関するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)データを表2に記載する。表2のデータは、高分子量を有するポリマーが本発明の精製したBHPF化合物を使用することにより得られることを、はっきりと示している。

図面の簡単な説明

0092

図19,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンのDSCパラメーターの決定を図解説明する、示差走査熱量測定法(DSC)融解曲線のグラフ図

--

0093

A:ベースライン
B:曲線ピークの5%高さでの融解曲線の幅
C:曲線の最大と交差するベースラインに垂直なライン
T:温度
T最大:検討中のサンプルの融解曲線最大に対応する温度(摂氏℃で示す)

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