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技術 抗菌性を有する抗血栓性組成物およびそれをコートした医療用具

出願人 東洋紡株式会社
発明者 柏原進佐藤正喜
出願日 2001年6月5日 (20年6ヶ月経過) 出願番号 2001-169979
公開日 2002年12月17日 (19年0ヶ月経過) 公開番号 2002-360686
状態 未査定
技術分野 医療用材料
主要キーワード 塩化ビニールチューブ 材料表 オスバン 有機カチオン化合物 本チューブ 有機カチオン基 EOG 相対重量比
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年12月17日)のものです。
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課題

医療用具に適する抗菌性および抗血栓性を付与することができる抗菌性を有する抗血栓性組成物を提供する。

解決手段

有機カチオン化合物ヘパリンもしくはヘパリン誘導体とからなるイオン性複合体を含有してなる抗血栓性組成物であって、該有機カチオン化合物が水に可溶性アンモニウム塩と水に不溶性のアンモニウム塩とからなることを特徴とする抗菌性を有する抗血栓性組成物。

概要

背景

従来から血液用回路チューブサンプリングモニター用チューブ、大動脈内バルーンポンプ人工心臓用血液ポンプ血管造影用カテーテル人工肺静脈リザーバー人工腎臓動脈フィルターなどの血液接触医療用具表面に血液が凝固しないように抗血栓性を付与する技術が開発、実用化されてきた。医療用具の抗血栓性向上の中心となって検討されてきたのが抗凝血作用を有するヘパリンまたはその誘導体を医療用具の表面上になんらかの方法で固定して、抗血栓性を得る手法である。

ヘパリンを材料表面に導入する方法としてはヘパリンに種々の方法で官能基を導入して共有結合により基材固定化する方法がある。この方法として特開平4-197264には、ヘパリンのアミノ基と基材上に導入したアミノ基をポリエチレングリコールジグリシジルエーテルカップリングする共有結合方式が開示されている。

また、特開昭58-147404 にはヘパリンを低分子化する際に生じる末端アルデヒド基を利用して、基材に導入したアミノ基とこのアルデヒド基を反応させて共有結合を生じさせた後、還元反応にて生じた共有結合を安定化させる方式が開示されている。

概要

医療用具に適する抗菌性および抗血栓性を付与することができる抗菌性を有する抗血栓性組成物を提供する。

有機カチオン化合物とヘパリンもしくはヘパリン誘導体とからなるイオン性複合体を含有してなる抗血栓性組成物であって、該有機カチオン化合物が水に可溶性アンモニウム塩と水に不溶性のアンモニウム塩とからなることを特徴とする抗菌性を有する抗血栓性組成物。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

有機カチオン化合物ヘパリンもしくはヘパリン誘導体とからなるイオン性複合体を含有してなる抗血栓性組成物であって、該有機カチオン化合物が水に可溶性アンモニウム塩と水に不溶性のアンモニウム塩とからなることを特徴とする抗菌性を有する抗血栓性組成物。

請求項2

有機カチオン化合物のうち、水に可溶性のアンモニウム塩がベンゼトニウム塩及び/またはベンザルコニウム塩である請求項1に記載の抗菌性を有する抗血栓性組成物。

請求項3

有機カチオン化合物のうち、水に不溶性のアンモニウム塩が4つの脂肪族基が結合したアンモニウム塩である請求項1に記載の抗菌性を有する抗血栓性組成物。

請求項4

4つの脂肪族アルキル基のうち2つが炭素数12以上の長鎖アルキル基である請求項3に記載の抗菌性を有する抗血栓性組成物。

請求項5

4つの脂肪族アルキル基のうち3つが炭素数10以上の長鎖アルキル基である請求項3に記載の抗菌性を有する抗血栓性組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載のイオン性複合体が少なくとも血液接触面の一部にコーティングされていることを特徴とする医療用具

技術分野

0001

本発明は血液に接触して使用される医療用具に用いられる材料として、特に有用である抗菌性を有する抗血栓性組成物に関する。また、従来の医療用具に該血液適合性組成物を塗布することで、医療用具本来の機能を損なうことなく優れた血液適合性および抗菌性を付与することのできる医療用具に関するものである。

背景技術

0002

従来から血液用回路チューブサンプリングモニター用チューブ、大動脈内バルーンポンプ人工心臓用血液ポンプ血管造影用カテーテル人工肺静脈リザーバー人工腎臓動脈フィルターなどの血液接触医療用具表面に血液が凝固しないように抗血栓性を付与する技術が開発、実用化されてきた。医療用具の抗血栓性向上の中心となって検討されてきたのが抗凝血作用を有するヘパリンまたはその誘導体を医療用具の表面上になんらかの方法で固定して、抗血栓性を得る手法である。

0003

ヘパリンを材料表面に導入する方法としてはヘパリンに種々の方法で官能基を導入して共有結合により基材固定化する方法がある。この方法として特開平4-197264には、ヘパリンのアミノ基と基材上に導入したアミノ基をポリエチレングリコールジグリシジルエーテルカップリングする共有結合方式が開示されている。

0004

また、特開昭58-147404 にはヘパリンを低分子化する際に生じる末端アルデヒド基を利用して、基材に導入したアミノ基とこのアルデヒド基を反応させて共有結合を生じさせた後、還元反応にて生じた共有結合を安定化させる方式が開示されている。

発明が解決しようとする課題

0005

これらの共有結合方式では基材すなわち医療用具になんらかの方法でヘパリンとの反応基を導入する方法が必要になることや、ヘパリンが基材に強く結合しすぎて自由度が失われ、ヘパリンの持つ活性が十分に発揮できないといった問題点があった。さらにはこのような方法は多段階の工程が必要であり、コストが非常に高くなり、医療費が高騰している現状では大きな問題となる。

0006

また、別な方法としてはヘパリンのもつ負電荷スルホン酸基アミノスルホン酸基)にアンモニウム塩ホスホニウム等の有機カチオン化合物を結合させて水に不溶化有機溶媒可溶化させてこれを医療用具にコーティングする手法が提案されている。特開昭48-13341にはヘパリンとカチオン性界面活性剤とを作用させて水に不溶有機溶剤に可溶なヘパリン複合体を調整した後、これを単独あるいはプラスチックとともに有機溶媒に溶解させ、それをプラスチック表面に塗布し、乾燥することによって抗血液凝固性表面を得る方法が開示されている。

0007

このなかで、界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられている。これらのアンモニウム塩とヘパリンの複合体は、血液中に曝した場合には早期に溶出してしまい活性がなくなることが判明している。さらにこれらを解決する手段としてベンザルコニウム塩(1本の長鎖アルキル基および2個のメチル基、および1個のベンジル基を有するアンモニウム塩)のアルキル基炭素原子数を18としたベンジルジメチルステアリルアンモニウム塩とヘパリンの混合物が開示されている。この複合体は従来のヘパリンとカチオン性界面活性剤とヘパリンとの早期活性消失を改善するものであるが、この複合体でも、比較的短期間で抗血栓性は消失してしまう欠点は解消できなかった。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、水に可溶なアンモニウム塩と水に不溶なアンモニウム塩を組み合わせてヘパリンと結合させ、本化合物を表面にコートすることで抗血栓性および抗菌性に優れた医療用具が得られることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は以下のような構成を有する。

0009

有機カチオン化合物とヘパリンもしくはヘパリン誘導体とからなるイオン性複合体を含有してなる抗血栓性組成物であって、該有機カチオン化合物が水に可溶性のアンモニウム塩と水に不溶性のアンモニウム塩とからなることを特徴とする抗菌性を有する抗血栓性組成物。

0010

本発明の該機カチオン化合物のうち、水に可溶性のアンモニウム塩がベンゼトニウム塩またはベンザルコニウム塩が好ましい。また、本発明の水に不溶性のアンモニウム塩は4つの脂肪族基が結合したアンモニウム塩が好ましい。更には4つの脂肪族アルキル基のうち2つが炭素数12以上の長鎖アルキル基であることをアンモニウム塩まはた4つの脂肪族アルキル基のうち3つが炭素数10以上の長鎖アルキル基であるアンモニウム塩が好ましい。また本発明は上記記載のイオン性複合体が少なくとも血液接触面の一部にコーティングされてなる医療用具である。

0011

ここで水に不溶性とは体内温度に近い40℃の純水に1%濃度になるように該アンモニウム塩を計量し、水中にて攪拌した時に透明な均一溶液にならず、オイル上になって水と分離するか、分散した白濁状態したままであることと同一である。

0012

本発明はヘパリンに水に可溶性のアンモニウム塩と水に不溶性のアンモニウム塩とを組み合わせて結合させることで、血液に接触した際に、アンモニウム塩とヘパリンのイオン結合解離した際に、水に不溶性のアンモニウム塩が血液に徐放されることでアンモニウム塩が保有している抗菌性が発揮され、菌の付着、繁殖を防止し、感染による合併症を低減させるとともに水に不溶のアンモニウム塩がヘパリンを強く基材表面に吸着することにより長期間に渡り抗血栓性を発揮することができる。水に可溶性のアンモニウム塩は多すぎると、使用初期に大量の溶出が起こるため好ましくなく、このため水に可溶性のアンモニウム塩は全アンモニウム塩に対して70%以下、好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下の割合である。

0013

本発明において水に可溶性のアンモニウム塩としてはデシルベンジルジメチルアンモニウム塩、ドデシルベンジルジメチルアンモニウム塩、テトラデシルベンジルジメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルベンジルジメチルアンモニウム塩、オクタデシルベンジルジメチルアンモニウム塩、また、オスバン商品名で販売されている、C8〜C18のアルキルベンジルジメチルアンモニウム混合物の消毒用水溶液等やベンゼトニウム等がある。本発明において水に不溶性のアンモニウム塩のうち、有機カチオン化合物には4つの脂肪族アルキル基のうち2つが炭素数12以上の長鎖アルキル基であるアンモニウム塩としてはジドデシルジメチルアンモニウム塩やジテトラデシルジメチルアンモニウム塩、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩、ジオタデシルジメチルアンモニウム塩、ジエイコサニルジメチルアンモニウム塩、ジドコサニルジメチルアンモニウム塩、ジテトラエイコサニルジメチルアンモニウム塩等があるが特にジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩が好ましい。

0014

水に不溶性のアンモニウム塩のうち、4つの脂肪族アルキル基のうち3つが炭素数10以上の長鎖アルキル基である有機カチオン化合物にはトリデシルメチルアンモニウム塩トリドデシルメチルアンモニウム塩、トリテトラデシルメチルアンモニウム塩、トリヘキサデシルメチルアンモニウム塩、トリオクタデシルアンモニウム塩、トリエイコサニルメチルアンモニウム塩等があるがトリドデシルメチルアンモニウム塩、トリヘキサデシルメチルアンモニウム塩が特に好ましい。

0015

ヘパリン誘導体としてはヘパリンナトリウム、ヘパリンカリウム、ヘパリンリチウムヘパリンカルシウム、ヘパリン亜鉛、ヘパリン低分子ヘパリンエポキシ化ヘパリンなどが挙げられる。

0016

本発明の処理方法としてはまず、上記の有機カチオン化合物の混合物とヘパリンのイオン複合体溶媒中で混合、攪拌し、沈殿物を得る。ついで、この複合体を回収洗浄を行い未反応能のヘパリンおよび有機カチオン化合物を洗浄する。次にヘパリン−有機カチオン複合体を有機溶媒に溶解する。この溶媒を医療用具表面に接触させ、ついで溶媒を除去することにより医療用具の表面に最適化された抗血栓性表面を得ることができる。有機カチオン基の溶媒としては、有機溶媒としては基材である医療用具表面にできるかぎり損傷を与えないものが選択されるが、一般的にはメタノールエタノールイソプロピルアルコールノルマルプロピルアルコールノルマルヘキサンシクロヘキサンテトラヒドロフラン(以下THF)、1.4—ジオキサンシクロヘキサノン、N,N—ジメチルホルムアミド、N,N—ジメチルアセトアミド、N −メチルピロリドン等が使用される。

0017

医療用具の表面にヘパリン−有機カチオン化合物の複合体を接触させる別な方法としては、浸漬法スプレーを吹き付ける方法、刷毛などで塗布する方法等が用いられるが、これらに限定されるものではない。また、べつな方法としてはアンモニウム塩の混合物をあらかじめ適当な溶媒に溶解しておき、医療用具の表面に接触させ、有機溶媒を乾燥除去した後にヘパリン水溶液を接触させて、ヘパリン−有機カチオン化合物の複合体を医療用具表面で形成させる方法である。

0018

有機カチオン基の溶媒としては、有機溶媒としては基材である医療用具表面にできるかぎり損傷を与えないものが選択されるが、一般的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、THF、1.4—ジオキサン、シクロヘキサノン、N,N—ジメチルホルムアミド、N,N—ジメチルアセトアミド、N −メチルピロリドンなどが使用される。

0019

ここで医療用具の基材の材料としては通常使用される全ての材料が含まれる。すなわち、ポリ塩化ビニルポリカーボネートポリエチレンテレフタレートポリエチレンポリプロピレンポリメチルペンテン熱可塑性ポリエーテルポリウレタン熱硬化性ポリウレタン架橋部を有するポリジメチルシロキサン等のシリコーンゴムポリメチルメタクリレートポリフッ化ビニリデン、4フッ化ポリエチレン、ポリスルホンポリエーテルスルホンポリアセタールポリスチレンABS樹脂およびこれらの樹脂の混合物、ステンレスチタニウムアルミニウム等の金属などが挙げられる。以下に本発明を実施形態に基づいて説明する。

0020

ドデシルベンジルジメチルアンモニウムブロミド20部(東京化成製)およじジテトラデシルジメチルアンモニウムブロミド60部をメチルアルコール150 部に溶解した。完全に溶解したことを確認した後に水が70%濃度になるまで加える。この際に一部アンモニウム塩が析出するが、この後に50℃に溶液の温度を上げることにより均一の溶液となる。つづいてヘパリン30部をイオン交換水150 部に溶解する。続いてメタノールを30%濃度になるまで加えていく。この際にも一部ヘパリンが析出して懸濁液になるが70℃に温度を上げることで均一溶液となる。ヘパリンの溶液を攪拌しながらアンモニウム塩の溶液を滴下していく。反応物は溶液に不溶なのでなのですぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を回収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびアンモニウム塩を取り除く。さらに反応物を、遠心分離をかけて水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、本発明のヘパリンとアンモニウム塩の複合体(実施例1)を得た。

0021

ベンゼトニウムクロリド15部およびジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド72部をメチルアルコール150 部に溶解した。完全に溶解したことを確認した後に水が70%濃度になるまで加える。この際に一部アンモニウム塩が析出するが、この後に50℃に溶液の温度を上げることにより均一の溶液となる。つづいてヘパリン30部をイオン交換水150 部に溶解する。続いてメタノールを30%濃度になるまで加えていく。この際にも一部ヘパリンが析出して懸濁液になるが70℃に温度を上げることで均一溶液となる。ヘパリンの溶液を攪拌しながらアンモニウム塩の溶液を滴下していく。反応物は溶液に不溶なのでなのですぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を回収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびアンモニウム塩を取り除く。さらに反応物を、遠心分離をかけて水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、本発明のヘパリンとアンモニウム塩の複合体(実施例2)を得た。

0022

テトラデシルベンジルジメチルアンモニウムクロリド20部(東京化成製)およびジメチルジパルミチルアンモニウムブロミド40部をメチルアルコール150 部に溶解した。完全に溶解したことを確認した後に水が70%濃度になるまで加える。この際に一部アンモニウム塩が析出するが、この後に50℃に溶液の温度を上げることにより均一の溶液となる。つづいてヘパリン30部をイオン交換水150 部に溶解する。続いてメタノールを30%濃度になるまで加えていく。この際にも一部ヘパリンが析出して懸濁液になるが70℃に温度を上げることで均一溶液となる。ヘパリンの溶液を攪拌しながらアンモニウム塩の溶液を滴下していく。反応物は溶液に不溶なのでなのですぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を回収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびアンモニウム塩を取り除く。さらに反応物を、遠心分離をかけて水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、本発明のヘパリンとアンモニウム塩の複合体(実施例3)を得た。

0023

トリドデシルメチルアンモニムブロミド60部(東京化成製)をメチルアルコール150 部に溶解した。完全に溶解したことを確認した後に水が70%濃度になるまで加える。この際に一部アンモニウム塩が析出するが、この後に50℃に溶液の温度を上げることにより均一の溶液となる。つづいてヘパリン30部をイオン交換水150 部に溶解する。続いてメタノールを30%濃度になるまで加えていく。この際にも一部ヘパリンが析出して懸濁液になるが70℃に温度を上げることで均一溶液となる。ヘパリンの溶液を攪拌しながらアンモニウム塩の溶液を滴下していく。反応物は溶液に不溶なのでなのですぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を回収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびアンモニウム塩を取り除く。さらに反応物を、遠心分離をかけて水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、本発明のヘパリンとアンモニウム塩の複合体(比較例1)を得た。

0024

ジオクタデシルジメチルアンモニムブロミド65部をメチルアルコール150 部に溶解した。完全に溶解したことを確認した後に水が70%濃度になるまで加える。この際に一部アンモニウム塩が析出するが、この後に50℃に溶液の温度を上げることにより均一の溶液となる。つづいてヘパリン30部をイオン交換水150 部に溶解する。続いてメタノールを30%濃度になるまで加えていく。この際にも一部ヘパリンが析出して懸濁液になるが70℃に温度を上げることで均一溶液となる。ヘパリンの溶液を攪拌しながらアンモニウム塩の溶液を滴下していく。反応物は溶液に不溶なのでなのですぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を回収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびアンモニウム塩を取り除く。さらに反応物を、遠心分離をかけて水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、本発明のヘパリンとアンモニウム塩の複合体(比較例2)を得た。

0025

ドデシルベンジルジメチル30部をメチルアルコール150 部に溶解した。完全に溶解したことを確認した後に水が70%濃度になるまで加える。この際に一部アンモニウム塩が析出するが、この後に50℃に溶液の温度を上げることにより均一の溶液となる。つづいてヘパリン45部をイオン交換水150 部に溶解する。続いてメタノールを30%濃度になるまで加えていく。この際にも一部ヘパリンが析出して懸濁液になるが70℃に温度を上げることで均一溶液となる。ヘパリンの溶液を攪拌しながらアンモニウム塩の溶液を滴下していく。反応物は溶液に不溶なのでなのですぐに沈殿物となって析出してくる。この沈殿物を回収して洗浄を十分に行い、未反応のヘパリンおよびアンモニウム塩を取り除く。さらに反応物を、遠心分離をかけて水分を取り除き、最後に凍結乾燥を行い、本発明のヘパリンとアンモニウム塩の複合体(比較例3)を得た。

0026

評価試験1)実施例および比較例で得られた複合体を各々THF に濃度1.0 %になるように溶解する。溶解した液を内径3mm のポリ塩化ビニル製チューブ内面に通し、コーティングした。

0027

実際の使用状態に近い環境下での抗血栓性能を観察するために、本チューブ内部に37℃に加温した生理食塩液ローラーポンプにて循環させ、1日経過後にサンプル採取を実施した。採取したサンプルにクエン酸血を充填し、37℃にてインキュベーションした。血液を凝固させるために1/40規定の塩化カルシウム溶液を加えて血液の凝固を開始させた。3分間後、再度、クエン酸三ナトリウムをサンプルに加えて血液の凝固を停止させた。生じた血栓を採取して、凍結乾燥を行い、重量を測定した。結果を表1に示す。表1における数値は、チューブ内に生成した血栓の相対重量比を、同一径のガラス管内に生成したときの血栓量を1として求められた値を示したものである。なお比較として未コーティング塩化ビニールチューブに関しても同様に血漿循環後、抗血栓性評価を実施した。

0028

0029

抗菌性の評価を以下の方法にて実施した。なお、一連の操作は全て無菌的に行った。滅菌生理食塩水で50倍希釈されたブロース液により、約1×107 個/mlの濃度とした緑膿菌液(以下、この菌液を菌原液と呼ぶ)を調整した。この菌原液の細菌数は次のように測定した。菌原液を104 倍に希釈した後、100μlを普通寒天板上にまき、24時間後に形成された緑膿菌のコロニー数計測した。このコロニー数をN個とすると、菌原液の濃度Cは
C=104 ×N/0.1=105 ×N(個/ml)
と示される。

0030

この菌原液100μlをブロース液(滅菌生理食塩液で40倍希釈)で希釈して全量で40mlに調整した(以下、この液を浸漬原液と呼ぶ)。浸漬原液に予め5cm×5cmに裁断してEOG滅菌したフィルムAを浸漬し、37℃で24時間培養した。培養後、浸漬原液を滅菌生理食塩水で10倍系列で104 倍まで希釈した(以下、10n倍希釈液略記する)。それぞれの希釈液100μlを普通寒天培地上にまき、24時間後普通寒天板上に形成された緑膿菌のコロニー数が30〜300個のプレートについて計測した。計測して得られたコロニー数をNn 個とすると、25cm2のフィルムAとの接触後の菌数Na は次の式で与えられる。
Na =40×10n×Nn /0.1
フィルムAと接触する前の菌原液の濃度は前記Cの通りであり、使用した原液量は100μlであるから、フィルムA接触前の菌数Nb は次式で示される。
Nb =104 ×N
浸漬原液40ml中での25cm2の大きさのフィルムとの接触によるNb →Na の個数変化を表1に示した。接触によって菌数が減少するということはフィルムの抗菌性が発揮されていることを示す。

0031

0032

比較例ではいずれも高い抗血栓性の維持や抗菌性を兼ね備えているものはなかったが実施例では長期間に渡る抗血栓性と高い抗菌性とを兼ね備えていた。これは水に可溶性の抗菌性を有するアンモニウム塩が溶出することにより抗菌性を発揮するのに対して水に不溶のアンモニウム塩はヘパリンを材料表面に強く吸着させて、長時間の抗血栓性を保持させているものと考えられる。

発明の効果

0033

本発明の水に可溶性のアンモニウム塩および水に不溶性のアンモニウム塩の組み合わせからなる有機カチオンとヘパリンとの複合体は医療用具に適する抗菌性および抗血栓性を付与することができる。

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