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技術 ジアセタール組成物、該組成物を含むポリオレフィン用核剤、該ジアセタール組成物を含有するポリオレフィン樹脂組成物、該樹脂組成物の製造法、及び成形体

出願人 新日本理化株式会社
発明者 野本春朝石川雅英小林稔明
出願日 2002年3月26日 (17年3ヶ月経過) 出願番号 2002-085548
公開日 2002年12月13日 (16年7ヶ月経過) 公開番号 2002-356586
状態 特許登録済
技術分野 高分子成形体の製造 高分子組成物
主要キーワード ニブラー 供給ホッパー内 保存用コンテナ 繊維状結晶 タブレットマシーン 食品用ケース 揮発成分含有量 ペレットタイプ
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年12月13日)のものです。
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図面 (2)

課題

1,3:2,4−O−ジベンジリデンD−ソルビトール等のジアセタール溶解性分散性及び貯蔵安定性を改良すると共に、未分散物が少なく且つ透明性に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を与えることができ、且つ、融点降下性物質添加量が少ないジアセタール組成物を提供する。

解決手段

(A)ジアセタール、(B)硫酸エステル塩及び(C)脂肪族モノカルボン酸からなる粒状又は粉末状ジアセタール組成物であって、該組成物粒子中に(B)成分及び(C)成分が均一分散しており、ジアセタール組成物に対して、(B)成分が0.1〜3重量%、(C)成分が0.3〜5重量部%の割合で存在し、且つ、(B)成分+(C)成分の合計が7重量%以下であるジアセタール組成物。

概要

背景

ジベンジリデンソルビトール及びその核置換誘導体に代表されるジアセタールは、ポリオレフィン樹脂用核剤や各種流動体ゲル化剤等として広く使用されている有用な化合物である。それらの特性を効果的に発現させためには、該ジアセタールを溶融ポリオレフィン樹脂や流動体に一度溶解させるか又は均一に分散させる必要がある。しかし、該ジアセタールは、強い自己凝集性を有し、しかも高融点であるために、均一に溶解または分散させることは工業的に容易ではない。このため、上記溶解性分散性を改善するための対策が必要であった。

これまでにも上記問題点を改善するための様々な提案がなされている。例えば、ジアセタールをその融点以上或いは溶融温度以上の高温下で処理する方法やジアセタールを超微粒子化し、その分散性を向上させ、溶解し易くする方法(特開平6−145431号)等が提案されている。

しかしながら、(1)ジアセタールを高温下で処理する方法は、ジアセタールが熱分解を起こすため、核剤性能が十分に発揮されない、更に着色、臭気などの問題を引き起こす、(2)ジアセタールを超微粒子化し、その分散性を向上させ溶解し易くする方法(特開平6−145431号)は、粉塵爆発作業環境の悪化、貯蔵時の再凝集移送性(特に、ストックタンクからの排出時の移送性、パイプを通しての移送性)や流動性低下などによる作業性の低下等の工業的に重要な問題を引き起こす、また、該技術は、高価な特別な粉砕装置を必要とするなど、未だ上記問題点の充分な解決には至っていないのが現状である。

また、ジアセタール粒子融点降下性物質均一分散させてジアセタールの融点を下げる技術も知られている(WO99/18108号公報)。この技術は、高温下での処理や超微粒子化を必要とすることなく、ジアセタールの溶解性や分散性を改善する有効な方法であるが、(a)ジアセタールの融点をより一層下げること、(b)融点降下性物質を少量の添加量で用いて、実用レベルまでジアセタールの融点を下げることが望まれている。

概要

1,3:2,4−O−ジベンジリデンD−ソルビトール等のジアセタールの溶解性、分散性及び貯蔵安定性を改良すると共に、未分散物が少なく且つ透明性に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を与えることができ、且つ、融点降下性物質の添加量が少ないジアセタール組成物を提供する。

(A)ジアセタール、(B)硫酸エステル塩及び(C)脂肪族モノカルボン酸からなる粒状又は粉末状ジアセタール組成物であって、該組成物の粒子中に(B)成分及び(C)成分が均一分散しており、ジアセタール組成物に対して、(B)成分が0.1〜3重量%、(C)成分が0.3〜5重量部%の割合で存在し、且つ、(B)成分+(C)成分の合計が7重量%以下であるジアセタール組成物。

目的

本発明は、かかる問題点を解消し、ジアセタールの各種溶融樹脂や各種の液体への溶解性・分散性が飛躍的に改善されたジアセタール組成物を提供することを目的とする。

特に、本発明は、ジアセタールの溶解性、分散性及び貯蔵安定性を改良すると共に、未分散物が少なく且つ透明性に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を与えることができ、且つ、融点降下性物質の添加量が少ないジアセタール組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

(A)一般式(1)

請求項

ID=000002HE=030 WI=053 LX=0335 LY=0450[式中、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表す。a及びbは、夫々1〜5の整数を示す。cは0又は1を示す。aが2である場合、2つのR1基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していても良く、又、bが2である場合、2つのR2基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよい。]で表される少なくとも1種のジアセタール、(B)炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪族アルコール硫酸エステル塩エチレンオキシド付加モル数1〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)又はアルケニル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩、エチレンオキシド付加モル数1〜10のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)フェニルエーテル硫酸エステル塩、炭素数3〜6の多価アルコールと炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸との多価アルコール脂肪酸部分エステルの硫酸エステル塩及び炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸モノアルカノール(炭素数2〜6)アミド硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の硫酸エステル塩であって、上記の硫酸エステル塩がリチウム塩ナトリウム塩カリウム塩又はアンモニウム塩であるアニオン系界面活性剤の少なくとも1種、及び(C)分子内に少なくとも水酸基1個を有していてもよい脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種からなる粒状又は粉末状ジアセタール組成物であって、(B)成分及び(C)成分が、該粒状又は粉末状ジアセタール組成物の粒子中に均一に分散しており、該ジアセタール組成物に対して、(B)成分が0.1〜3重量%、(C)成分が0.3〜5重量%の割合で存在しており、且つ、(B)成分+(C)成分の合計量が7重量%以下であることを特徴とするジアセタール組成物。

請求項2

(B)成分:(C)成分の重量比が1:0.3〜4である請求項1に記載のジアセタール組成物。

請求項3

(C)成分が、炭素数10〜32の脂肪族モノカルボン酸である請求項1に記載のジアセタール組成物。

請求項4

(B)成分が、ラウリル硫酸塩ステアリル硫酸塩、オレイル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モルラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ステアリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ノニルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ドデシルフェニルエーテル硫酸塩、モノラウリン酸グリセリル硫酸塩、モノステアリン酸グリセリル硫酸塩、ラウリン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩、ステアリン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩、オレイン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の硫酸エステル塩であって、該硫酸エステル塩がリチウム塩、ナトリウム塩及び/又はカリウム塩である請求項1〜3のいずれかに記載のジアセタール組成物。

請求項5

(C)成分が、カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸イソステアリン酸エイコサン酸ベヘン酸ドコサヘキサン酸モンタン酸、オレイン酸、リノール酸リノレイン酸エレオステアリン酸リシノレイン酸、及びエルカ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪族モノカルボン酸である請求項1〜4のいずれかに記載のジアセタール組成物。

請求項6

(A)成分が、1,3:2,4−O−ジベンジリデンD−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール及び1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(B)成分が、ラウリル硫酸リチウムラウリル硫酸ナトリウムラウリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸リチウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム及びポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(C)成分が、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸及びオレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のジアセタール組成物。

請求項7

請求項1〜6のいずれかに記載のジアセタール組成物を含有するポリオレフィン樹脂用核剤

請求項8

ポリオレフィン樹脂に請求項7記載のポリオレフィン樹脂用核剤を配合してなるポリオレフィン樹脂組成物

請求項9

ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、請求項7に記載のポリオレフィン樹脂用核剤を0.01〜5重量部使用することを特徴とする請求項8記載のポリオレフィン樹脂組成物。

請求項10

請求項8又は9に記載のポリオレフィン樹脂組成物を成形することにより得ることができるポリオレフィン樹脂成形体

請求項11

分散核剤が実質的に存在しない請求項10に記載のポリオレフィン樹脂成形体。

請求項12

ポリオレフィン樹脂及び請求項7に記載のポリオレフィン樹脂用核剤を含有する混合物を、ポリオレフィン樹脂の溶融温度以上であって、該ポリオレフィン樹脂用核剤の融点以下の温度で均一混合し、得られる溶融物ペレット化することを特徴とするポリオレフィン樹脂ペレットの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ジアセタール組成物、該組成物を含むポリオレフィン樹脂用核剤、該組成物を含むポリオレフィン樹脂組成物、該ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法、および該ポリオレフィン樹脂成形してなる成形体に関する。

背景技術

0002

ジベンジリデンソルビトール及びその核置換誘導体に代表されるジアセタールは、ポリオレフィン樹脂用核剤や各種流動体ゲル化剤等として広く使用されている有用な化合物である。それらの特性を効果的に発現させためには、該ジアセタールを溶融ポリオレフィン樹脂や流動体に一度溶解させるか又は均一に分散させる必要がある。しかし、該ジアセタールは、強い自己凝集性を有し、しかも高融点であるために、均一に溶解または分散させることは工業的に容易ではない。このため、上記溶解性分散性を改善するための対策が必要であった。

0003

これまでにも上記問題点を改善するための様々な提案がなされている。例えば、ジアセタールをその融点以上或いは溶融温度以上の高温下で処理する方法やジアセタールを超微粒子化し、その分散性を向上させ、溶解し易くする方法(特開平6−145431号)等が提案されている。

0004

しかしながら、(1)ジアセタールを高温下で処理する方法は、ジアセタールが熱分解を起こすため、核剤性能が十分に発揮されない、更に着色、臭気などの問題を引き起こす、(2)ジアセタールを超微粒子化し、その分散性を向上させ溶解し易くする方法(特開平6−145431号)は、粉塵爆発作業環境の悪化、貯蔵時の再凝集移送性(特に、ストックタンクからの排出時の移送性、パイプを通しての移送性)や流動性低下などによる作業性の低下等の工業的に重要な問題を引き起こす、また、該技術は、高価な特別な粉砕装置を必要とするなど、未だ上記問題点の充分な解決には至っていないのが現状である。

0005

また、ジアセタール粒子融点降下性物質均一分散させてジアセタールの融点を下げる技術も知られている(WO99/18108号公報)。この技術は、高温下での処理や超微粒子化を必要とすることなく、ジアセタールの溶解性や分散性を改善する有効な方法であるが、(a)ジアセタールの融点をより一層下げること、(b)融点降下性物質を少量の添加量で用いて、実用レベルまでジアセタールの融点を下げることが望まれている。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、かかる問題点を解消し、ジアセタールの各種溶融樹脂や各種の液体への溶解性・分散性が飛躍的に改善されたジアセタール組成物を提供することを目的とする。

0007

特に、本発明は、ジアセタールの溶解性、分散性及び貯蔵安定性を改良すると共に、未分散物が少なく且つ透明性に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を与えることができ、且つ、融点降下性物質の添加量が少ないジアセタール組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意検討した。前記WO99/18108号公報においては、融点降下性物質として各種の化合物をジアセタール組成物の10重量%程度という大量使用しており、ポリオレフィン樹脂用添加剤として、無処理のジアセタールと同一重量で比較すると、該公報のジアセタール組成物は、相対的にジアセタールの核剤効果が減少する可能性がある。

0009

また、前記WO99/18108公報においても、少量の添加量で融点を大きく降下させる融点降下性物質として、L−酒石酸コハク酸クエン酸、DL−リンゴ酸等の脂肪族二塩基酸及びラウリル硫酸ナトリウムが記載されている。しかし、本発明者の研究によると、上記L−酒石酸、コハク酸、クエン酸、DL−リンゴ酸等の脂肪族二塩基酸をジアセタールに均一分散してなるジアセタール組成物は、貯蔵安定性、特に高温下での貯蔵安定性が満足できるレベルではなく、必ずしも十分であるとは言えないことが判明した。また、ラウリル硫酸ナトリウムをジアセタールに均一分散してなるジアセタール組成物は、ポリオレフィン樹脂用核剤として適用した場合、当該ジアセタール組成物の融点近傍以上の成形樹脂温度であれば分散性は良好であるが、当該ジアセタール組成物の融点よりも低い成形樹脂温度では分散性は必ずしも十分とは言えない。即ち、低温成形を要求する用途には、必ずしも満足できるものであるとは言えないことが判明した。

0010

そのため、少量の添加量で優れた融点降下を発揮すると共に貯蔵安定性及び低温成形特性において優れている融点降下性物質の開発は不可能と思われた。

0011

しかしながら、更に検討を重ねた結果、特定のアニオン系界面活性剤と特定の脂肪族モノカルボン酸とを、融点降下性物質として、それぞれ特定量で併用し、膨潤状態または溶解状態のジアセタールに均一分散させ、乾燥させる場合には、得られるジアセタール組成物が、該融点降下性物質の含有量が少量であっても、従来技術では予想できなかったジアセタールの融点降下及び分散性・溶解性を示すことを見い出した。

0012

より詳しくは、特定のアニオン系界面活性剤と特定の脂肪族モノカルボン酸とを併用することにより、(a)それぞれ単独で使用するよりも、大きなジアセタールの融点降下をもたらすこと、(b)それぞれ単独使用して又は両者を併用して得られる、同程度の融点降下の効果を奏するジアセタール組成物を比較すると、併用したジアセタール組成物の方がポリオレフィン樹脂への分散性に優れていること、(c)少量の添加量で大きなジアセタールの融点降下が得られること、及び(d)貯蔵安定性が著しく向上することを見い出した。

0013

本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。即ち、本発明は、次のジアセタール組成物、該組成物を含むポリオレフィン樹脂用核剤、該組成物を含むポリオレフィン樹脂組成物およびその成形体を提供するものである。

0014

項1 (A)一般式(1)

0015

ID=000003HE=030 WI=053 LX=0335 LY=1600
[式中、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表す。a及びbは、夫々1〜5の整数を示す。cは0又は1を示す。aが2である場合、2つのR1基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していてもよく、又、bが2である場合、2つのR2基は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラリン環を形成していても良い。]で表される少なくとも1種のジアセタールと、(B)炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪族アルコール硫酸エステル塩エチレンオキシド付加モル数1〜8のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)又はアルケニル(炭素数8〜22)エーテル硫酸エステル塩、エチレンオキシド付加モル数1〜10のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22)フェニルエーテル硫酸エステル塩、炭素数3〜6の多価アルコールと炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸との多価アルコール脂肪酸部分エステルの硫酸エステル塩及び炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸モノアルカノール(炭素数2〜6)アミド硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の硫酸エステル塩であって、上記の硫酸エステル塩が、リチウム塩ナトリウム塩カリウム塩及び/又はアンモニウム塩であるアニオン系界面活性剤の少なくとも1種、及び(C)分子内に少なくとも水酸基1個を有していてもよい脂肪族モノカルボン酸の少なくとも1種からなる粒状又は粉末状ジアセタール組成物であって、(B)成分と(C)成分が該粒状又は粉末状ジアセタール組成物の粒子中に均一に分散しており、該ジアセタール組成物に対して、(B)成分が0.1〜3重量%、(C)成分が0.3〜5重量%の割合で存在しており、且つ、(B)成分+(C)成分の合計量が7重量%以下であることを特徴とするジアセタール組成物。

0016

項2(B)成分:(C)成分の重量比が1:0.3〜4である上記項1に記載のジアセタール組成物。

0017

項3(C)成分が、炭素数10〜32の脂肪族モノカルボン酸である上記項1に記載のジアセタール組成物。

0018

項4 (B)成分が、ラウリル硫酸塩ステアリル硫酸塩、オレイル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モルラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ステアリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ノニルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ドデシルフェニルエーテル硫酸塩、モノラウリン酸グリセリル硫酸塩、モノステアリン酸グリセリル硫酸塩、ラウリン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩、ステアリン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩、及びオレイン酸モノエタノールアミド硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の硫酸エステル塩であって、該塩がリチウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩である上記項1〜3のいずれかに記載のジアセタール組成物。

0019

項5 (C)成分が、カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸イソステアリン酸エイコサン酸ベヘン酸ドコサヘキサン酸モンタン酸、オレイン酸、リノール酸リノレイン酸エレオステアリン酸リシノレイン酸、及びエルカ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の脂肪族モノカルボン酸である上記項1〜4のいずれかに記載のジアセタール組成物。

0020

項6 (A)成分が、1,3:2,4−O−ジベンジリデンD−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(B)成分がラウリル硫酸リチウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸リチウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(C)成分が、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸及びオレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記項1又は2に記載のジアセタール組成物。

0021

項7 上記項1〜6のいずれかに記載のジアセタール組成物を含有するポリオレフィン樹脂用核剤。

0022

項8ポリオレフィン樹脂に上記項7に記載のポリオレフィン樹脂用核剤を配合してなることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。

0023

項9ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、上記項7に記載のポリオレフィン樹脂用核剤を0.01〜5重量部使用することを特徴とする上記項8に記載のポリオレフィン樹脂組成物。

0024

項10 上記項8又は9に記載のポリオレフィン樹脂組成物を成形することにより得ることができるポリオレフィン樹脂成形体

0025

項11 未分散核剤が実質的に存在しない上記項10に記載のポリオレフィン樹脂成形体。

0026

項12ポリオレフィン樹脂及び上記項7に記載のポリオレフィン樹脂用核剤を含有する混合物を、ポリオレフィン樹脂の溶融温度以上であって、該ポリオレフィン樹脂用核剤の融点以下の温度で均一混合し、得られる溶融物ペレット化することを特徴とするポリオレフィン樹脂ペレットの製造方法。

発明を実施するための最良の形態

0027

(A)成分:ジアセタール
一般式(1)において、R1及びR2で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基ブチル基等が例示され、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等が例示される。炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基及びイソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子等が例示される。

0028

a及びbは、それぞれ、1〜5の整数であり、好ましくは1、2又は3である。cは、より好ましくは1である。R1及びR2で表される置換基置換位置は、特に限定されるものではないが、a及びbが1の場合は、o−、m−又はp−位であり、a及びbが2の場合は、2,4−位、3,4−位、3,5−位等を例示でき、a及びbが3の場合は、2,4,5−位、3,4,5−位等を例示できる。

0029

これら一般式(1)で表されるジアセタールは、いずれも公知であるか、又は日本国特公昭48−43748号、特開昭53−5165号、特開昭57−185287号、特開平2−231488号等の公知方法に従って容易に製造できる。

0030

上記一般式(1)のジアセタールの代表例としては、次のものを例示できる。

0031

1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリエチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−エチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、 1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチル−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−クロル−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトールが例示され、これらは、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。

0032

これらのうち、より効果的な化合物として、1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(o−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルオキシカルボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−p−メチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O−ベンジリデン−D−ソルビトールが好ましい。これらは、夫々単独又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。

0033

これらの中でも、特に1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールが好ましい。

0034

上記ジアセタールの結晶形態は、本発明の効果が得られる限り特に限定されず、六方晶単斜晶立方晶等の任意の結晶形が使用できる。これらの結晶も公知であるか又は公知の方法に従い製造できる。

0035

本発明で使用するジアセタールは、一般式(1)で表される1,3:2,4−体の純度が100%のものであってもよいが、若干不純物を含むものであってもかまわない。一般に、ジアセタールは、一般式(1)で表される1,3:2,4−体の純度が90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは97重量%以上である。

0036

一般式(1)で表されるジアセタールの合成の際に、D−ソルビトール等の5価又は6価の多価アルコールと無置換または置換芳香族アルデヒドとの縮合反応により生成するアセタール化合物として、一般式(1)で表される1,3:2,4−ジアセタールに加えて、それ以外のアセタール化合物(副生物)、例えば、1,2−体、3,4−体、2,4−体、1,3−体等のモノアセタール、1,3:2,4:5,6−体、1,2:3,4:5,6−体等のトリアタール及び1,2:3,4−体等のジアセタール異性体が生成する。

0037

本発明のジアセタール組成物においては、一般式(1)で表されるジアセタール以外に、これら不純物であるモノアセタール、トリアセタール及びジアセタール異性体の少なくとも1種を含んでいてもよく、その場合は該不純物の合計量が、アセタール総量(一般式(1)で表される1,3:2,4−ジアセタール、モノアセタール、トリアセタール及びジアセタール異性体の合計量)に対して、10重量%以下、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.1〜3重量%以下の量で存在することは特に問題はなく、本発明のジアセタール組成物の低融点化の目的からは、むしろ好ましい。但し、10重量%以上となると、核剤特性が低下する傾向がある。

0038

(B)成分:アニオン系界面活性剤
本発明のアニオン系界面活性剤として使用する硫酸エステル塩としては、炭素数6〜30、好ましくは10〜20の飽和又は不飽和脂肪族アルコール硫酸エステル塩;エチレンオキシド付加モル数1〜8、好ましくは2〜5のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22、好ましくは10〜22)又はアルケニル(炭素数8〜22、好ましくは10〜22)エーテル硫酸エステル塩、エチレンオキシド付加モル数1〜8、好ましくは2〜5のポリオキシエチレンアルキル(炭素数8〜22、好ましくは9〜20)フェニルエーテル硫酸エステル塩;炭素数3〜6、好ましくは3〜4の多価アルコールと炭素数8〜22、好ましくは10〜20の飽和又は不飽和脂肪酸との多価アルコール脂肪酸部分エステルの硫酸エステル塩;炭素数8〜22、好ましくは10〜20の飽和又は不飽和脂肪酸アルカノール(炭素数2〜6、好ましくは2〜4)アミド硫酸エステル塩が例示できる。 該硫酸エステル塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩である。

0039

上記のうちでも、下記のアニオン系界面活性剤が好ましい。
・一般式(a)

0040

ID=000004HE=010 WI=041 LX=1295 LY=0900
[式中、Raは、炭素数6〜30、好ましくは10〜20の飽和又は不飽和脂肪族基(特に、アルキル基又はアルケニル基)を示し、Mは、Li、Na、K又はNH4を示す。]で表される飽和又は不飽和脂肪族アルコール硫酸エステル塩、
・一般式(b)

0041

ID=000005HE=010 WI=063 LX=1185 LY=1400
[式中、Rbはアルキル基(炭素数8〜22、好ましくは10〜22)又はアルケニル基(炭素数8〜22、好ましくは10〜22)を示し、mは1〜8、好ましくは2〜5の整数を示し、MはLi、Na、K又はNH4を示す。]で表されるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩
・一般式(c)

0042

ID=000006HE=020 WI=087 LX=0615 LY=2000
[式中、RCはアルキル基(炭素数8〜22、好ましくは9〜20)を示し、nは1〜8、好ましくは2〜5の整数を示し、MはLi、Na、K又はNH4を示す。]で表されるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩、
・炭素数3〜6、好ましくは3〜4であって、2〜4価の多価アルコールと炭素数8〜22、好ましくは10〜20の飽和又は不飽和脂肪酸との多価アルコール脂肪酸部分エステルの硫酸エステル塩、特にグリセリンと炭素数8〜22、好ましくは10〜20の飽和又は不飽和脂肪酸とのモノ又はジエステルの硫酸エステル塩(塩は、Li、Na、K又はNH4塩)。

0043

具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン((エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、モノラウリン酸グリセリル硫酸ナトリウム、モノステアリン脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、ステリン酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、オレイン酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウムが例示できる。

0044

好ましくは、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン((エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン((エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどが例示される。上記の硫酸エステル塩としてナトリウム塩の他に、リチウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が例示される。

0045

上記の硫酸エステル塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩であるが、中でもリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が推奨される。上記のアニオン系界面活性剤は、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。

0046

(C)成分:脂肪族モノカルボン酸
本発明の分子内に少なくとも1個の水酸基を有していてもよい脂肪族モノカルボン酸としては、分子内に水酸基を1〜2個、特に1個有していてもよい炭素数10〜32、好ましくは炭素数12〜22の脂肪族モノカルボン酸が例示される。これらは、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。

0047

具体的には、飽和脂肪酸であるカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、エイコサン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサン酸、モンタン酸、不飽和脂肪酸であるオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、リシノレイン酸、エルカ酸などが例示され、中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸が推奨される。

0048

本発明のジアセタール組成物
本発明のジアセタール組成物は、上記一般式(1)で表されるジアセタール((A)成分)、アニオン系界面活性剤((B)成分)及び脂肪族モノカルボン酸((C)成分)からなり、(B)成分と(C)成分が当該ジアセタール組成物の粒子中に均一に分散している。

0049

本明細書において、「ジアセタール組成物の粒子中に均一に分散している」とは、ジアセタール粒子の表面および内部に均一に分布している状態、またはジアセタール粒子を構成するジアセタール繊維状結晶間に均一に分布している状態である。

0050

当該ジアセタール組成物において、融点降下に対する効果はアニオン系界面活性剤(B)成分の寄与が大きく、脂肪族モノカルボン酸(C)成分の寄与は小さい。後述する比較例の結果から明らかなように、(B)成分単独及び(C)成分単独による融点降下は、ジアセタール自体の融点に比し、(B)成分15〜50℃程度、(C)成分2〜10℃程度となる。仮に、融点降下に加成性が成り立つとすると、(B)成分と(C)成分の併用による融点降下は、17〜60℃程度であると予想される。

0051

ところが、実際は、(B)成分と(C)成分の併用により、予想に反して、(B)成分と(C)成分の加成性から予想される融点降下を上まわる効果が発揮され、当該ジアセタール組成物は、当該組成物中に含有されるジアセタール自体の融点に比し、融点降下が一般に20℃以上、特に50℃以上、場合によっては80℃以上となる。このことは驚くべきことであった。

0052

このような併用による効果は、単なる凝固点降下だけでは到底説明しきれず、そのメカニズムは不明である。

0053

本発明に係るアニオン系界面活性剤(B)成分の使用割合は、ジアセタール組成物に対して、0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜3重量%、より好ましくは0.5〜2重量%である。0.1重量%未満の量では、(C)成分との併用効果による融点降下の効果も十分に得られにくいばかりでなく、(A)成分の十分な融点降下の効果が得られにくい。また、3重量%を越えて使用しても、(A)成分の融点降下の効果に更なる優位性が認められにくく、ポリオレフィン樹脂に対する核剤効果を低下させる傾向、特に透明性を低下させる傾向が生じやすい。

0054

本発明に係る脂肪族モノカルボン酸(C)成分の使用割合は、該ジアセタール組成物に対して、0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜4重量%である。0.3重量%未満の量では、アニオン系界面活性剤(B)成分との併用効果による融点降下の効果および分散性向上効果が得られにくい。また、5重量%を越えて使用しても、(B)成分との併用効果および(A)成分の融点降下の効果に更なる優位性は認められにくく、ポリオレフィン樹脂に対する核剤効果を低下させる傾向が生じやすい。

0055

また、(B)成分+(C)成分の合計量は、7重量%以下、好ましくは5重量%以下である。7重量%を超えて使用する場合、ポリオレフィン樹脂に対する核剤効果を低下させる傾向が生じやすい。

0056

さらに(B)成分:(C)成分との重量比は、好ましくは1:0.3〜4、より好ましくは1:0.5〜3、最も好ましくは1:1〜3である。この範囲内においては、(B)成分と(C)成分との併用による効果が得られやすく、また、併用による効果の優位性が認められる。

0057

上記より、本発明のジアセタール組成物においては、ジアセタール組成物に対して、(B)成分が0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜3重量%、より好ましくは0.5〜2重量%の割合で存在し、(C)成分が0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜4重量%の割合で存在し((B)成分+(C)成分の合計量は7重量%以下)、残部が(A)成分である。

0058

本発明に係るジアセタール組成物としては、特に限定されるものではなく、適宜選択できるが、以下のジアセタール(A)成分、アニオン系界面活性剤(B)成分及び脂肪族モノカルボン酸(C)成分からなる組み合わせが代表例として例示される。

0059

(A)成分が、1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール及び1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(B)成分が、ラウリル硫酸リチウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸リチウム、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム及びポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=2〜3モル)ラウリルエーテル硫酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種、および(C)成分が、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸及びオレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であるジアセタール組成物が好ましい。

0060

また、次の組み合わせも好ましい:
・1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ラウリン酸、
・1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、
・1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+12−ヒドロキシステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ラウリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+12−ヒドロキシステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム+ラウリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム+12−ヒドロキシステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ラウリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+12−ヒドロキシステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ラウリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+12−ヒドロキシステアリン酸
などが例示される。

0061

これらのうち、より効果的な組成物として、
・1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ポリオキシエチレン(エチレンオキシド付加モル数=3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+12−ヒドロキシステアリン酸、
・1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール+ラウリル硫酸ナトリウム+ステアリン酸、
などが推奨される。

0062

本発明のジアセタール組成物の製造法
本発明に係るジアセタール粒子中にアニオン系界面活性剤(B)成分と脂肪族モノカルボン酸(C)成分が均一に分散している組成物を得る製造方法は、所望のジアセタール組成物を得られる限り、特に限定されることはない。

0063

一般式(1)で表される原料ジアセタールの形態や平均粒子径は特に限定されないが、通常は、一般に入手できる粉末形態で使用するのが好ましい。

0064

本発明のジアセタール組成物の製造過程において、原料ジアセタールは溶媒によって膨潤した状態または溶液の状態となるので、原料ジアセタールの形態や平均粒子径によって、本発明のジアセタール組成物の発明を阻害することは殆ど認められない。ただし、原料ジアセタールが粉末形態や平均粒子径が小さい程、膨潤した状態や溶液の状態とする工程の時間が短縮され、生産性の向上やコスト削減に寄与する。

0065

本発明に係るジアセタール組成物を得る製造方法の一例を挙げると、ジアセタール結晶が溶媒で十分に膨潤した状態の時または溶液の状態の時に、特定のアニオン系界面活性剤と特定の脂肪族モノカルボン酸(溶融物若しくは溶液の形態をとっても良い)と混合し、(溶媒や水を取り除くべく)乾燥し、ジアセタール組成物の揮発成分含有量を1重量%以下にする。得られた乾燥物を必要に応じて粉砕解砕、或いは、造粒分級等を行う方法である。

0066

かかる製造法の重要な点を要約すると下記のようになる。

0067

低沸点溶媒を使用する。

0068

かかる溶媒の沸点(常圧)は、150℃以下、好ましくは120℃、より好ましくは100℃以下である。溶媒として、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールテトラヒドロフランジオキサンなどのエーテル系化合物アセトン、MEKなどのケトン系化合物等が使用できる。また必要に応じて、上記溶媒と水を組み合わて使用できる。高沸点溶媒を使用した場合、ジアセタール組成物中に溶媒が残存しやすく、ジアセタールの保存安定性が悪くなる傾向がある。

0069

乾燥後のジアセタール組成物の揮発成分含有量を1重量%以下、好ましくは、0.5重量%以下、より好ましくは0.3重量%以下にする。

0070

かかる揮発成分含有量が1重量%を超える場合、貯蔵安定性が悪くなる傾向があり、またポリオレフィン樹脂組成物および成形体とした際に発泡などを起こし、外観や透明性を損ねることがある。の条件が満足されれば、特に乾燥条件について限定されることはないが、乾燥時間および乾燥温度により、ジアセタール組成物自体が着色する場合がある。例えば、乾燥温度120℃以下、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下の減圧下で行うことが推奨される。

0071

本発明のジアセタール組成物の形態は、一般的な粉末状、粒状、或いは顆粒円柱、ぺレット状などの造粒物等の形態など任意に選択される。

0072

粉末状の場合、その粒子直径平均値は3〜2000μm、好ましくは7〜250μmである。3μmより小さい場合、粉体特性が悪くなる傾向が見られ、また特別な粉砕装置が必要となる。

0073

また、粒状の場合、上記方法により得られる粉末状ジアセタール組成物から、任意の形状と大きさの粒状ジアセタール組成物を得ることができる。かかる粒状ジアセタール組成物は、粉末状ジアセタール組成物と比較して、粉塵の発生や粉体流動性が改善されるという利点がある。

0074

何れの形態も、公知の造粒機粉砕機解砕機分級機等を用いて製造できる。例えば、造粒機では乾式または湿式押出し造粒機混合攪拌造粒機、タブレットマシーン乾式圧縮ロール造粒機、球形整粒機、粉砕機・解砕機ではピンミルジェットミルパルベライザーカッターミルハンマーミルプレーナークラッシャーフレーククラッシャー、ニブラー、分級機では振動ふるい機、風力分級機等が例示される。

0075

かくして得られた本願発明のジアセタール組成物は、ジアセタール自体の融点と比べ、WO99/18108号公報の実施例に記載されているL−酒石酸、コハク酸、クエン酸、DL−リンゴ酸等のジカルボン酸類を用いなくとも顕著な融点降下の効果を示すと共に、上記ジカルボン酸含有ジアセタール組成物に比べ優れた貯蔵安定性を有する。

0076

本発明のジアセタール組成物を用いることにより、下記のような利点が得られる。

0077

(1)ジアセタール粉末粒子中に上記特定の化合物を均一分散させてなるジアセタール組成物は、溶融樹脂や各種液体への溶解性・分散性および溶解速度がより一層改善される。

0078

(2)該組成物の提供形態が後述のペレットや顆粒等の造粒物でも、溶融樹脂や各種の液体への良好な溶解性・分散性が得られる。さらに該造粒物とすることにより、粉塵流動性、粉塵発生の低減、粉塵爆発の抑制、供給ホッパー内での壁付着の抑制などの粉体特性が向上する。

0079

(3)貯蔵安定性、特に高温下で貯蔵した場合の貯蔵安定性が著しく向上する。

0080

(4)ジアセタールをかなり低温で溶解できるので、成型時のジアセタールの分解や昇華を生じない。さらに、低温成形による省エネルギー化を図ることができる。

0081

(5)融点降下性物質である前記(B)成分及び(C)成分の合計使用量が少なくても、充分な融点降下作用が発揮されるので、実用レベルの範囲内ではジアセタールの核剤効果が相対的に削減されるおそれが少ない。

0082

ポリオレフィン樹脂用核剤
本発明のポリオレフィン樹脂用核剤に使用するジアセタール組成物は、ポリオレフィン樹脂用核剤として有用であり、ジアセタール粒子中に均一に分散したアニオン系界面活性剤(B)成分と脂肪族モノカルボン酸(C)成分との併用により、ジアセタール自体の融点に比して大幅に低い融点と優れた分散性を有する。

0083

このような特性を有する本願発明のジアセタール組成物を該核剤として適用する場合、溶融ポリオレフィン樹脂への溶解速度が上昇し、溶解性・分散性が更に改善される結果、以下の利点が得られる。
(a)慣用成形温度(例えば、ポリプロピレン樹脂では220〜260℃)よりも低い温度で成形が可能となる。特に、本発明によれば、本発明のジアセタール組成物の融点よりも低い温度での成形が可能であり、かかる低温成形を行っても、核剤の分散性が良好である。このように低温成形が可能であるため、該ジアセタールの昇華性が減少し、成形時の金型汚れなどが改善される。また、ポリオレフィン樹脂成形体の黄変着色も改善される。
(b)ポリオレフィン樹脂組成物および成形体中の未分散物が劇的に減少するため、生産性や製品品質が向上する。
(c)該ジアセタール組成物とポリオレフィン樹脂とからなる高濃度マスターバッチペレットの調製が極めて容易となる。
(d)慣用の成形温度で使用する場合、ジアセタール組成物の溶解・溶融速度が改善されているので、混練り時の加熱滞留時間が大幅に短縮される。その結果、生産性が大幅に向上し、エネルギーコスト等が削減可能となる。
(e)優れた外観と高度な透明性を有するポリオレフィン樹脂成形体が得られる。
(f)ジアセタール組成物中の特定のアニオン系界面活性剤と特定の脂肪族モノカルボン酸の含有量が少ないため、本発明のジアセタール組成物の樹脂への添加量は、従来の前記式(1)で表されるジアセタール類の添加量と同様の添加量が採用できる。

0084

本発明の核剤は、一般には上記本発明のジアセタール組成物のみからなるが、本発明の融点降下を妨げない範囲で、従来公知のポリオレフィン改質剤を本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合してもよい。

0085

かかるポリオレフィン用改質剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(1995年1月)に記載されている各種添加剤が挙げられ、より具体的には、安定剤(金属化合物エポキシ化合物窒素化合物燐化合物硫黄化合物等)、紫外線吸収剤ベンゾフェノン系化合物ベンゾトリアゾール系化合物等)、酸化防止剤フェノール系化合物亜リン酸エステル系化合物イオウ系化合物等)、界面活性剤滑剤パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属(Al、Ca、Mg、Zn)塩、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコールポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイドシリコーン油ロジン誘導体等)、充填剤タルクハイドロタルサイトマイカゼオライトパーライト珪藻土炭酸カルシウムガラス繊維等)、発泡剤発砲助剤ポリマー添加剤の他、可塑剤ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤帯電防止剤難燃剤分散剤有機無機顔料加工助剤、他の核剤等の各種添加剤が例示される。

0086

これら他の成分を配合する場合は、本発明のジアセタール組成物と他の成分とを、ドライブレンドして均一混合物とする等の方法が採用できる。

0087

ポリオレフィン樹脂組成物
本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、本発明のポリオレフィン樹脂用核剤をポリオレフィン樹脂に常法に従って配合することにより得られる。

0088

本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、既知技術によるポリオレフィン樹脂組成物に比し、成形加工時にジアセタールの未分散物や未溶解物が劇的に減少し、最終製品にジアセタールの未分散物に基づくホワイトスポットフィッシュアイ等が無いなどの外観に優れ、かつ透明性等の性能に優れた有用なポリオレフィン樹脂組成物である。

0089

本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製法は、所望の該樹脂組成物が得られれば特に限定されることはなく、常法を用いることができる。

0090

例えば、ポリオレフィン樹脂(粉末又はフレーク)、本発明のポリオレフィン樹脂用核剤、及び必要に応じて後述のポリオレフィン用改質剤を、慣用の混合機、例えばヘンシェルミキサー、Vブレンダーリボンブレンダー等を用いて混合したブレンドタイプのポリオレフィン樹脂組成物を得る方法、或いは、このブレンドタイプのポリオレフィン樹脂組成物を、慣用の混練り機、例えば一軸又は二軸押し出し機等を用いて、所望の温度で溶融混練し、押し出されたストランドを、冷却し、得られたストランドをカッティングすることでペレットタイプとする方法、また、ペレットタイプのなかでポリオレフィン樹脂用核剤とポリオレフィン樹脂とのマスターバッチペレットとする方法などが例示される。

0091

しかし、本発明のジアセタール組成物からなる核剤は、前記のように、融点降下効果が大きいので、ポリオレフィン樹脂に本発明ジアセタール組成物を配合してペレットを製造する際の温度を低温側にシフトすることができる。例えば、本発明のジアセタール組成物(核剤)及びポリオレフィン樹脂を含有する混合物を、ポリオレフィン樹脂の溶融温度以上(特に160℃以上、好ましくは180℃以上)であって且つ当該ジアセタール組成物の融点以下の温度で溶融し、得られる溶融物をペレット化することにより、容易にペレット形態のポリオレフィン樹脂組成物を製造できる。

0092

本発明に係るポリオレフィン樹脂用核剤の配合量は、所望のジアセタールの核剤効果が得られる限り特に限定されるものではなく、適宜選択することができる。通常、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部配合される。これらの範囲内で配合することにより所望のジアセタールの核剤効果を得ることができる。また、該核剤とポリオレフィン樹脂とのマスターバッチペレットの形態とする場合、該核剤はポリオレフィン樹脂100重量部に対して、2〜20重量部、好ましくは5〜15重量部配合されるが、ポリオレフィン樹脂で希釈して所定の配合量へと調整することもできる。

0093

本発明に係るポリオレフィン樹脂は、結晶化度が5〜100%、好ましくは15〜95%の結晶性樹脂であって、具体的にはポリエチレン系樹脂立体規則性ポリプロピレン系樹脂、立体規則性ポリブテン系樹脂、立体規則性エチレンプロピレンブタジエン等のターポリマー系樹脂メチルペンテン系樹脂ポリブタジエン等が例示される。

0094

ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン中密度ポリエチレン低密度ポリエチレン直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン含量50重量%以上、特に70重量%以上のエチレンコポリマーが例示される。

0095

ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマー及びプロピレン含量50重量%以上、特に70重量%以上のプロピレンコポリマーが例示される。

0096

ポリブテン系樹脂としては、ブテンホモポリマー及びブテン含量50重量%以上、特に70重量%以上のブテンコポリマーが例示される。

0097

メチルペンテン系樹脂としては、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上、特に70重量%以上のメチルペンテンコポリマーが例示される。

0098

上記各々のコポリマーは、ランダムコポリマーでもよく、ブロックコポリマーでもよい。又、これら樹脂の立体規則性はアイソタクチックでもシンジオタクチックでも良い。

0099

上記各々のコポリマーを構成し得るコモノマーとしては、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンヘキセンヘプテンオクテンノネンデセンウンデセン、ドデセンなどのα−オレフィン(特に炭素数2〜12のα−オレフィン)、1,4−エンドメチレンシクロヘキセンなどのビシクロモノマー、(メタアクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル酢酸ビニルマレイン酸などが例示できる。

0100

かかる重合体を製造するために使用される触媒としては、従来公知の触媒は特に制限なく使用可能であり、一般に使用されているラジカル重合触媒チーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン四塩化チタンなどのチタンハロゲン化物)を塩化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体担持してなる触媒とアルキルアルミニウム化合物トリエチルアルミニウムジエチルアルミニウムクロリドなど)とを組み合わせてなる触媒系やメタロセン触媒が使用できる。

0101

本発明に係るポリオレフィン系樹脂の推奨されるメルトフローレート(以下「MFR」と略記する。JIS K 7210−1976)は、その使用される成形方法成型物の物性に応じて適宜選択されるが、通常、0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜100g/10分である。このMFRの範囲内であれば、樹脂の種類或いはMFRの異なるポリオレフィン系樹脂の混合物も推奨される。

0102

本発明のポリオレフィン樹脂組成物には、使用目的やその用途に応じて適宜、上記の従来公知のポリオレフィン用改質剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。

0103

ポリオレフィン樹脂成形体
本発明のポリオレフィン樹脂成形体は、本発明のポリオレフィン樹脂組成物を慣用の成形方法に従って成形することにより得られる。

0104

本発明のポリオレフィン樹脂成形体は、既知技術による成形体に比して、成形加工時にジアセタールの未分散物や未溶解物が劇的に減少し、最終製品にジアセタールの未分散物に基づくホワイトスポットやフィッシュアイ等がなく外観に優れ、さらに透明性等も優れたポリオレフィン樹脂成形体である。さらに、低温成形された場合は、黄変着色も飛躍的に改善される。

0105

本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物の成形方法は、射出成形押出成形ブロー成形圧空成形回転成形フィルム成形等の従来公知の成形方法のいずれをも採用できる。成形条件は、従来採用されている条件が広い範囲から適宜選択される。

0106

本発明のポリオレフィン樹脂成形体は、従来のジアセタールを核剤として配合してなるポリオレフィン樹脂組成物が使用されてきたと同様の分野において適用される。

0107

具体的には、熱や放射線等により滅菌されるディスポーザブル注射器輸液輸血セット採血器具等の医療用器具類;放射線等により滅菌される食品・植物等の包装物衣料ケースや衣料保存用コンテナ等の各種ケース類;食品を熱充填するためのカップレトルト食品包装容器電子レンジ用容器ジュース等の飲料用化粧品用医薬品用シャンプー用等のビン等の容器味噌醤油等の調味料用容器及びキャップ;水、米、パン漬物等の食品用ケース及び容器;冷蔵庫用ケース等の雑貨文具電気機械部品自動車用部品等の素材などが例示される。

0108

以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0109

本発明のジアセタール組成物の融点、均一性、ポリオレフィン樹脂成形体の透明性(ヘイズ値)、分散性及び貯蔵安定性を以下の方法により測定し、評価した。

0110

融 点
島津製作所製の示差走査熱量計DSC−50」(商品名)を用いて、10℃/分の速度で昇温し、ジアセタール由来ピーク温度を融点とした。試料を3mg採取して、標準サンプルシリカゲル3mgを用いた。

0111

均一性(粉砕物粒子中での融点降下性物質の均一分散の確認)
粉砕して得られた粉末状ジアセタール組成物をクロスニコル下で、常温及び昇温下に偏光顕微鏡を用いて目視で観察した。融点降下性物質が該粉末の粒子中に均一に分散している場合を〇、均一でない場合を×で表示した。

0112

ジアセタール組成物の貯蔵安定性
60℃の恒温槽にジアセタール組成物を2週間放置し、組成物中のジアセタール含量をガスクロマトグラフィー分析した。加熱前のジアセタール含量を基準とし、残存しているジアセタールの重量比を記載した。記載値が大きいほど貯蔵安定性に優れている。

0113

ヘイズ値(透明改質性)
東洋精機製作所のヘイズメーターを用いて、JIS K 6714、JISK6717に準じて厚さ1.0mmのポリオレフィン樹脂成形体のヘイズ値を測定した。得られた数値が小さいほど透明性に優れている。

0114

分散性(ポリオレフィン樹脂成形体中のジアセタール組成物の分散性)
5cm×5cm×1.0mmのポリオレフィン成形体10枚中の未分散核剤に基づくホワイトスポット(白色の点)の数を目視で測定し、1枚当たりの平均値として求めた。得られた数値が小さいほど分散性に優れている。

0115

黄色度
分光測色計(商品名「CM−3500d」、ミノルタ株式会社製)を用いて、ASTMD1925に準じて厚さ2.0mmのポリオレフィン樹脂成形体の黄色度を測定した。得られた数値が小さい程、黄系の着色がなく、外観に優れている。

0116

本発明にかかるジアセタール組成物の調製方法およびポリオレフィン樹脂組成物の調製とその成形方法は以下の方法を用いた。

0117

ジアセタール組成物の調製方法
撹拌機デカンター付き冷却管温度計ガス導入口およびオイルバスを備えた5L万能撹拌機ダルトン社製)に、ジアセタール300g、メタノール500gおよび表1記載の実施例各項のアニオン系界面活性剤と脂肪族モノカルボン酸を表1記載の実施例各項の重量比となる量を入れた。

0118

窒素置換後、窒素気流下、オイルバス設定温度70℃、撹拌速度50〜60rpmで3時間撹拌した(系は膨潤したペースト状となる)。次に蒸留水100gを添加して更に1時間同一条件下で撹拌した。

0119

次に、徐々に減圧にして、メタノールおよび水を系外に除去した。メタノール及び水を大部分除去してから、オイルバス設定温度を100℃として、減圧度が2.0kPa以下に達してから5時間攪拌しながら乾燥した。乾燥の終点は、ジアセタール組成物の揮発成分含有量が1.0重量%以下となる点とした。

0120

本調製方法により得られた実施例および比較例のジアセタール組成物の揮発成分含有量は、すべて0.3重量%以下であることを加熱減量法により確認した。

0121

得られた乾燥物を小型粉砕機で粉砕して、粉末状のジアセタール組成物とした。

0122

ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法
エチレン含有量3.0重量%のアイソタクチックランダムポリプロピレン樹脂(MFR=20g/10分、以下、「r−PP」と略記する。)100重量部に対して、上記で調製されたジアセタール組成物をジアセタール純分換算で0.25重量部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部及びテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオレートメタン(商品名;イルガノックス1010、チバスシャリティーケミカルズ社製)0.05重量部を配合して、ヘンシェルミキサーでドライブレンドした。次に、樹脂温度220℃で一軸押出機(25mmφ、L/D=380mm/20mm、回転数=40rpm)を用いて溶融混練して、押出し、得られたストランドを水冷し、次いで切断してペレット化して、ポリオレフィン樹脂組成物を得た。

0123

得られたポリオレフィン樹脂組成物を樹脂温度220℃、金型温度40℃の条件下で射出成形し、ポリオレフィン樹脂成形体(試験片)を得た。

0124

実施例1
表1に記載の重量比となるジアセタール組成物を上記ジアセタール組成物の調製方法に従って調製した。得られたジアセタール組成物の融点および均一性を評価し、その評価結果を表1に記載した。

0125

次に、得られたジアセタール組成物を用いて、上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、ポリオレフィン樹脂成形体を得た。得られたポリオレフィン成形体の透明性、分散性および黄色度を評価し、その評価結果を表1に記載した。

0126

尚、表1〜表3および表5において、各略号は次の意味を表す:
「DBS」:1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール
「Me−DBS」:1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール
「3,4−DMDBS」:1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトール。

0127

実施例2〜14
表1に記載の重量比となる各ジアセタール組成物を上記ジアセタール組成物の調製方法に従って調製した。得られた各ジアセタール組成物の融点、均一性を評価し、その評価結果を表1に記載した。

0128

次に、得られたジアセタール組成物を用いて、ジアセタール純分換算で0.25重量部を0.2重量部に代えた以外は上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、ポリオレフィン樹脂成形体を得た。得られたポリオレフィン樹脂成形体の透明性、分散性および黄色度を評価し、その評価結果を表1に記載した。

0129

比較例1〜3
表2に記載の構成成分の重量比を有する比較ジアセタール組成物を、上記ジアセタール組成物の調製方法に従って調製した。

0130

得られた比較用ジアセタール組成物の融点、均一性を評価し、その評価結果を表2に記載した。

0131

次に、得られた比較用ジアセタール組成物を用いて、上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、比較用ポリオレフィン樹脂成形体を得た。得られた比較用ポリオレフィン樹脂成形体の透明性、分散性および黄色度を評価し、その評価結果を表2に記載した。

0132

比較例4〜22
表2及び表3に記載の重量比となる比較用ジアセタール組成物を上記ジアセタール組成物の調製方法に従って調製した。

0133

得られた比較用ジアセタール組成物の融点、均一性を評価し、その評価結果を表2及び表3に記載した。

0134

次に、得られた比較用ジアセタール組成物を用いて、ジアセタール純分換算で0.25重量部を0.2重量部に代えた以外は上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、比較用ポリオレフィン樹脂成形体を得た。得られた比較用ポリオレフィン樹脂成形体の透明性、分散性および黄色度を評価し、その評価結果を表2及び表3に記載した。

0135

0136

0137

ID=000009HE=080 WI=154 LX=0280 LY=1150
上記表1〜表3の結果から、次の事項が明らかである。

0138

1)融点降下の効果
表1〜表3の結果から明らかなように、(B)成分であるアニオン系界面活性剤と(C)成分である脂肪族モノカルボン酸とを併用することにより、それぞれ単独で使用するよりも融点降下が大きい。仮に融点降下に加成性が成り立つと仮定しても、その加成性以上の融点降下が得られていることから、この現象は特異的であると言える。

0139

2)分散性の促進効果
例えば実施例5と比較例6を比較した場合、融点以上の樹脂温度で成形しているにも拘わらず、ポリオレフィン樹脂成形体の分散性に有意な差が生じている。この有意な差は、低温成形や商業ベースでの成形する際に、より大きな差として現れる。この現象は、同程度の融点の場合、夫々単独で使用するよりも併用した方が、分散性に優れていることを示している。

0140

3)アニオン系界面活性剤(B)成分の配合量
(B)成分の重量比が大きい程、融点が低下する傾向がある。その反面、(B)成分の重量比が大きい程、ポリオレフィン樹脂の高度な透明性を阻害する傾向を示している。

0141

即ち、(B)成分の下限量は、融点降下の効果に左右される傾向を示し、上限量はポリオレフィン樹脂の改質効果に左右される傾向を示している。

0142

実施例15〜25
本発明のジアセタール組成物について、低温成形特性を試験した。即ち、実施例1〜8および10〜12で得られたジアセタール組成物を用いて、ジアセタール組成物の融点以下である混練り樹脂温度を200℃、射出成形温度を200℃とした以外は上記のポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、ポリオレフィン樹脂成形体を作成した。得られたポリオレフィン樹脂成形体の透明性、分散性および黄色度を評価し、その評価結果を表4に記載した。

0143

比較例23〜29
比較例2、5〜8および10〜11で得られた比較用ジアセタール組成物を用いて、比較用ジアセタール組成物の融点以下である混練り樹脂温度を200℃、射出成形温度を200℃とした以外は上記のポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、比較用ポリオレフィン樹脂成形体を作成した。得られた比較用ポリオレフィン樹脂成形体の透明性、分散性および黄色度を評価し、その評価結果を表4に記載した。

0144

ID=000010HE=080 WI=097 LX=0565 LY=0650
表4の結果から明らかなように、本願発明のジアセタール組成物は、慣用成形温度(220〜260℃)よりも低い成形温度200℃でも実用レベルの分散性を保持し、さらに黄変着色も改善している。これに対して、比較用ジアセタール組成物では、上記200℃での低温成形では十分な分散性が得られているとは言い切れない。

0145

実施例26
実施例1〜14および31で得られたジアセタール組成物を用いて、貯蔵安定性を評価し、その評価結果を表5に示した。何れのジアセタール組成物もジアセタールの含有量は減少していなかった。

0146

参考のため、実施例1〜14および31で得られたジアセタール組成物の融点、均一性のデータ(表1に記載)を、表5においても、まとめて示す。

0147

比較例30および31
表5に記載の重量組成比となるように上記のジアセタール組成物の調製方法に従って、比較用ジアセタール組成物を得た。得られた比較用ジアセタール組成物の融点、均一性および貯蔵安定性を評価し、その評価結果を表5に記載した。

0148

ID=000011HE=060 WI=093 LX=0585 LY=2000
表5の結果から明らかなように、L-酒石酸やDL-リンゴ酸は融点降下が大きいが、その反面、60℃で2週間貯蔵した場合に、ジアセタール含有量が約10%低下した。これに対して、本発明のジアセタール組成物は調製直後のジアセタール含有量を保持し、貯蔵安定性に優れている。

0149

実施例27
r−PPの代わりにアイソタクチックホモポリプロピレン樹脂(MFR=30g/10分、以下、「h-PP」と略記する。)を用いた以外は、実施例5と同様に行い、その評価結果を表6に記載した。

0150

実施例28
r−PPの代わりに直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(MFR=20g/10分、以下、「LLDPE」と略記する。)を用い、混練り樹脂温度および射出成形樹脂温度を200℃とした以外は、実施例12と同様に行い、その評価結果を表6に記載した。

0151

比較例32
r−PPの代わりにh-PPを用いた以外は、比較例5と同様に行い、その評価結果を表6記載した。

0152

比較例33
r−PPの代わりにLLDPEを用い、混練り樹脂温度および射出成形樹脂温度を200℃とした以外は、比較例6と同様に行い、その評価結果を表6に示した。

0153

ID=000012HE=050 WI=102 LX=0540 LY=0750
表6の結果から明らかなように、r-PP以外にもh-PPやLLDPEなど他のポリオレフィン樹脂に対しても、本発明のジアセタール組成物が適用可能であり、r-PPに適用して得られる分散性等の改善効果を、他の樹脂においても発現していることが判る。

0154

比較例34
本発明のジアセタール組成物を使用しない以外は、上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、比較樹脂成形体を作成し、その評価結果を表6に記載した。

0155

比較例35
本発明のジアセタール組成物を使用せず、且つ、r-PPの代わりにh-PPを使用した以外は、上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、比較樹脂成形体を作成し、その評価結果を表7に記載した。

0156

比較例36
本発明のジアセタール組成物を使用せず、且つ、r-PPの代わりにLLDPE、混練り樹脂温度および射出成形樹脂温度を200℃とした以外は、上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、比較用樹脂成形体を作成し、その評価結果を表7に記載した。

0157

比較例37
本発明のジアセタール組成物を使用せず、且つ、混練り樹脂温度および射出成形樹脂温度を200℃とした以外は、上記ポリオレフィン樹脂組成物の調製と成形方法に従って、比較用樹脂成形体を作成し、その評価結果を表7に記載した。

0158

ID=000013HE=040 WI=073 LX=1135 LY=1250
表7の結果から明らかなように、本願発明のジアセタール組成物を使用しない場合には、成形温度220℃及び200℃における樹脂成形体のヘイズ値が大きく、透明性が極端に低い。これに対して、前記表1等から判るように、本願発明のジアセタール組成物を使用した場合は、ヘイズが著しく向上する。

0159

また、黄色度については、ジアセタール組成物をポリオレフィン樹脂用核剤に適応しても、ポリオレフィン樹脂自身の黄色度に悪影響を及ぼさない事から、従来の使用方法で本願発明のジアセタール組成物が使用できる。

0160

実施例29および比較例38
図1に示す重量比となるジアセタール組成物(実施例29)及び比較用ジアセタール組成物(比較例38)を上記ジアセタール組成物の調製方法に従って調製した。融点の測定結果図1に示す。

0161

図1は、ステアリン酸を2.0重量%に固定した場合におけるラウリル硫酸ナトリウムの重量比(X重量%)のジアセタールの融点降下の効果及びステアリン酸との併用効果に対する影響を示している。

0162

即ち、実施例29の組成は、Me−DBS:ラウリル硫酸ナトリウム:ステアリン酸=(98.0−X):X:2.0であり、比較例38の組成は、Me−DBS:ラウリル硫酸ナトリウム=(100−X):Xである。

0163

図1から次のことが判る:
1)ラウリル硫酸ナトリウム単独では、ジアセタール組成物の融点を200℃以下にすることは容易ではなく、5重量%を超える使用量が必要である。ラウリル硫酸ナトリウムをこの様に多量使用すると、ポリオレフィン樹脂の透明性が悪くなる傾向がある。3重量%を超えると、従来ポリオレフィン樹脂成形体が使用されてきた用途に適用できない恐れがある。

0164

これに対して、本発明に従い、ラウリル硫酸ナトリウムとステアリン酸とを併用すると、ラウリル硫酸ナトリウム使用量がわずか約2重量%でジアセタール組成物の融点が200℃以下となる。

0165

2)ラウリル硫酸ナトリウムとステアリン酸との併用効果により、ジアセタールの融点は、加成性が成り立つと仮定した融点よりも更に低下する。

0166

通常、融点降下については凝固点降下の理論を基に添加量(モル)と融点降下にある範囲で直線性が成り立つ。しかし、(B)成分または(C)成分の単独だけでも凝固点降下の理論では説明ができない融点降下の挙動を示すが、本願発明の(B)成分と(C)成分を併用することにより、ジアセタールの融点の更なる降下と分散性を向上させる効果から、成形樹脂温度の範囲を低温側に広げることが可能となる。

0167

3)実施例29におけるラウリル硫酸ナトリウムの使用量は、融点降下の効果が0.1重量%以上で発現していることから、下限量は0.1重量%である。また、従来ポリオレフィン樹脂成形体が使用されてきた用途を考慮した場合(特にポリオレフィン樹脂の透明性)、上限の使用量は3重量%である。

0168

図1から、工業的にジアセタール組成物の製造する場合、安定的な性能と品質を得るためには該グラフ勾配の緩やかとなる0.5〜2重量%が推奨される。

0169

実施例30
図2に記載した重量比となるジアセタール組成物を上記ジアセタール組成物の調製方法に従って調製した。融点測定結果を図2に示す。

0170

図2は、ラウリル硫酸ナトリウムの使用量を1.0重量%に固定した場合におけるステアリン酸の重量比(Y重量%)の融点降下及びラウリル硫酸ナトリウムとの併用効果に対する影響を示すものであり、実施例30の組成は、Me−DBS:ラウリル硫酸ナトリウム:ステアリン酸=(99.0−Y):1.0:Yである。

0171

図2から次のことが判る:
1)ステアリン酸をラウリル硫酸ナトリウムと併用することにより、ジアセタール組成物の融点が顕著に低下する。

0172

2)実施例30におけるステアリン酸の使用量は、0.3重量%以上で融点降下の効果および併用効果が発現している。また、その上限の使用量は、ポリオレフィン樹脂の核剤効果、融点降下の効果および分散性の促進効果から、5重量%である。

0173

図2から、工業的にジアセタール組成物を製造する場合、安定的な性能と品質を得るためには該グラフの勾配の緩やかとなる1〜3重量%が推奨される。

0174

3)実施例30におけるステアリン酸[(C)成分]とラウリル硫酸ナトリウム[(B)成分](1.0重量%)との併用効果は、(B)成分:(C)=1:0.3以上で発現し、(B)成分:(C)=1:4以上では併用効果は飽和状態に達している。即ち、併用効果の観点から、(B)成分:(C)成分の重量比は、1:0.3〜4、特に1:0.5〜3が推奨される。

0175

実施例31
実施例5の粉末状ジアセタール組成物を用い、乾式圧縮ロール造粒機を使用してロール圧力5MPaで幅25cmの板状の圧縮物を得た。次に、ハンマーミルを用いて、回転速度1000rpm、スクリーンメッシュ孔径1mmの条件下で板状の圧縮物を解砕した。

0176

得られた粒状ジアセタール組成物の平均粒子径は、200μmであった。粒度分布測定には、乾式粒度測定装置(商品名:マイクロトラックMT3300(高速多点処理型Super Dry X)、マイクロトラック社製)を使用した。

0177

得られた粒状ジアセタール組成物の、融点、及び均一性を評価した結果を表1に記載した。

0178

上記粒状化法は、圧縮圧力、粉砕の回転速度及びスクリーンメッシュ等により任意に粒度分布が調整できる。しかも、上記程度のロール圧力で造粒すると、粉塵の問題もなく、且つ、ポリオレフィン樹脂への溶解性も良好である。

発明の効果

0179

本発明によれば、ジアセタールの融点の大幅な降下及びポリオレフィン樹脂への分散性の促進が可能となった。その結果、ポリオレフィン溶融樹脂や各種液体への溶解速度を上昇させたり、低温溶解や溶解時間の短縮ができ、更に未溶解物が激減するなどの製品品質や生産性を大幅に向上させることができる。

0180

また、ポリオレフィン樹脂用核剤として使用した場合、上記効用の他に、低温成形性により、ジアセタール化物の昇華や黄色着色を抑制するばかりでなく、外観の優れた透明性の高いポリオレフィン樹脂成形体が得られる。

図面の簡単な説明

0181

図1実施例29及び比較例38における融点測定結果を示すグラフである。
図2実施例30における融点測定結果を示すグラフである。

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