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技術 金属材料の累積疲労評価方法および評価装置

出願人 JFEエンジニアリング株式会社
発明者 境禎明
出願日 2001年5月23日 (19年1ヶ月経過) 出願番号 2001-153416
公開日 2002年12月4日 (17年6ヶ月経過) 公開番号 2002-350403
状態 未査定
技術分野 磁気的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 負荷段階 検査間隔 内部ひずみ 応力付加 検出コア 列間距離 交流定電流電源 疲労損傷度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年12月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

金属の累積疲労の程度を非破壊的に評価する。

解決手段

繰り返し作用する応力によって、金属材料に発生する累積疲労を評価する方法であって、前記金属材料9に外部磁界印加し、金属材料9の磁気的な異方性を測定し、異方性の大きさから金属材料9の累積疲労を評価する金属材料の累積疲労評価方法

概要

背景

金属材料は、ある一定レベル以上の応力を繰り返し受けると、その応力が当該金属材料の降伏応力あるいは破断応力以下であってもき裂が発生し、き裂の進展にともなって破壊したり、破断したりする。これが金属疲労と呼ばれる現象である。

このような金属疲労の進展状態を把握するため、橋梁船舶、各種プラント、各種鋼構造物および各種機械類等のように、繰り返し応力を受ける構造物においては、従来一定の供用期間毎に、目視点検打音試験、JIS G0587に規定されている超音探傷試験、JIS G0565に規定されている磁粉探傷試験、あるいはJIS Z2343に規定されている浸透探傷試験等を実施して、金属疲労の進展にともなって、き裂が発生しているか否かを検査するようにしている。

概要

金属の累積疲労の程度を非破壊的に評価する。

繰り返し作用する応力によって、金属材料に発生する累積疲労を評価する方法であって、前記金属材料9に外部磁界印加し、金属材料9の磁気的な異方性を測定し、異方性の大きさから金属材料9の累積疲労を評価する金属材料の累積疲労評価方法

目的

この発明は、従来技術の上述のような問題点を解消するためになされたものであり、検査対象の構造物等に金属疲労によりき裂が発生する前に、金属材料の結晶組織内部に累積されている金属疲労の程度を、非破壊的に計測・評価し、金属疲労によりき裂が発生する前に、き裂の発生時期予測して、構造物等の供用を安全に維持管理することのできる金属材料の累積疲労評価方法および評価装置を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

繰り返し作用する応力によって、金属材料に発生する累積疲労を評価する方法であって、前記金属材料に外部磁界印加し、金属材料の磁気的な異方性を測定し、異方性の大きさから金属材料の累積疲労を評価することを特徴とすする金属材料の累積疲労評価方法

請求項2

請求項1に記載の金属材料の累積疲労評価方法に使用する評価装置であって、金属材料に外部磁界を印加する外部磁界印加装置と、外部磁界が印加された金属材料の磁気異方性を測定する磁気異方性センサとから構成されることを特徴とする金属材料の累積疲労評価装置。

技術分野

0001

この発明は、金属材料、特橋梁船舶プラント機器等の構造物および各種機械類に使用されている金属材料の累積疲労を評価する方法および累積疲労の評価装置に関する。

背景技術

0002

金属材料は、ある一定レベル以上の応力を繰り返し受けると、その応力が当該金属材料の降伏応力あるいは破断応力以下であってもき裂が発生し、き裂の進展にともなって破壊したり、破断したりする。これが金属疲労と呼ばれる現象である。

0003

このような金属疲労の進展状態を把握するため、橋梁、船舶、各種プラント、各種鋼構造物および各種機械類等のように、繰り返し応力を受ける構造物においては、従来一定の供用期間毎に、目視点検打音試験、JIS G0587に規定されている超音探傷試験、JIS G0565に規定されている磁粉探傷試験、あるいはJIS Z2343に規定されている浸透探傷試験等を実施して、金属疲労の進展にともなって、き裂が発生しているか否かを検査するようにしている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上述した従来の金属疲労の検査方法には、次のような問題点がある。いずれの検査方法も、金属疲労によってすでに発生しているき裂を発見する方法であるので、例えば検査間隔が1年である場合には、検査直後に発生したき裂は1年間見落とすことになる。そして、その間にき裂が成長して、場合によっては破断あるいは構造物全体損壊等の重大な事故につながる可能性がある。

0005

この発明は、従来技術の上述のような問題点を解消するためになされたものであり、検査対象の構造物等に金属疲労によりき裂が発生する前に、金属材料の結晶組織内部に累積されている金属疲労の程度を、非破壊的計測・評価し、金属疲労によりき裂が発生する前に、き裂の発生時期予測して、構造物等の供用を安全に維持管理することのできる金属材料の累積疲労評価方法および評価装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0006

この発明に係る金属材料の累積疲労評価方法は、繰り返し作用する応力によって、金属材料に発生する累積疲労を評価する方法であって、前記金属材料に外部磁界印加し、金属材料の磁気的な異方性を測定し、異方性の大きさから金属材料の累積疲労を評価するものである。

0007

また、この発明に係る金属材料の累積疲労評価装置は、上記の金属材料の累積疲労評価方法に使用する評価装置であり、金属材料に外部磁界を印加する外部磁界印加装置と、外部磁界が印加された金属材料の磁気異方性を測定する磁気異方性センサとから構成されるものである。

0008

金属材料に外部磁界を印加して、磁気異方性センサにより金属材料の磁気異方性を測定すると、金属材料の累積疲労の程度と磁気異方性との間には、明らかな相関があることが分かった。したがって、累積疲労の程度と磁気異方性との関係をデ−タベ−ス化することにより、累積疲労の程度、またはき裂発生までの残存寿命を予測することができる。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の金属材料の累積疲労評価方法において、金属材料に外部磁界を印加して、磁気異方性を検出する方法を示す斜視図である。図1において、1は励磁コア、2は励磁コイル、3は励磁コア1と励磁コイル2とからなる外部磁界印加用電磁石、4は磁気異方性検出コア、5は磁気異方性検出コイル、6は磁気異方性検出コア4と磁気異方性検出コイル5とからなる磁気異方性検出センサ、7は交流定電流電源、8は電圧計、9は金属材料である。

0010

評価対象の金属材料9は、圧延等により結晶組織の異方性や、内部ひずみ(応力)による異方性によって、通常あるレベルの透磁率の異方性(以下、磁気異方性という)を持っている。このような金属材料9上に、外部磁界印加用電磁石3を置き、励磁コイル2に電流を流すと、励磁コア1の一方の足の先端から出た磁束の大部分は、最短距離で直接他方の足に向かうが、金属材料9に磁気異方性があるため、一部は磁気異方性検出センサ6の磁気異方性検出コア3の中を経由して、励磁コア1の他方の足に向かう。このような動作を交流磁界で考えると、磁気異方性検出コイル5には電流が流れ、電圧計8に電圧が検出される。

0011

上述した電圧は磁気異方性が大きいほど、大きなものとなる。また、磁気異方性検出センサ6を垂直軸の回りに回転させると、磁気異方性検出センサ6の出力Vは、(1)式で表されるような周期180度の余弦関数となる。

0012

V=A+B・cos2(θ−C)…………(1)
ただし、A:オフセット
B:変動出力振幅
C:位相角
また、このような余弦関数状の変動出力は、金属材料9に対してある方向性をもった磁界強制的に印加した場合にも生じる。

0013

図2は金属の結晶構造の模式図であり、(a)は健全な状態を、(b)は金属疲労が生じている状態を表す。健全な状態の結晶構造9aにおいては、原子10が規則正しく並ぶが、金属疲労が生じている状態の結晶構造9bでは、原子10の並び方乱れが生じている。この原子10の配列の乱れを転位11とよび、金属疲労の進行(疲労度の累積)によって、転位11の数が大きくなったり、集積して大型化する。なお、この転位11は、あくまでも原子10の配列間距離を意味するものであり、き裂のようにマクロ的またはミクロ的に観察できるものではない。

0014

図3は金属材料に外部から磁界を印加したときの、磁束の流れの模式図であり、(a)は健全な金属材料の場合、(b)は金属疲労が発生している金属材料の場合である。健全な金属材料の場合、構成原子10の配列に乱れがないので、磁束の流れ12にも乱れは生じない。金属疲労により転位11が発生して結晶構造に乱れがある場合には、転位11によって磁束の流れ12に乱れが生じている。

0015

図4は本発明の実施の形態の金属材料の累積疲労評価方法を示すブロック図である。外部磁界印加用直流電源7から外部磁界印加用電磁石3に電流を送り、金属材料9に外部磁界を印加する。そして、磁気異方性検出センサ6を垂直軸の回りに回転させながら、その出力を磁気異方性計測装置13およびAD変換器14を介してデ−タ処理用PC15に採り込み、磁気異方性検出センサ6の出力を、前述の(1)式により回帰分析し、その結果をデ−タベ−ス16に記録することによって、金属疲労による転位の有無や、転位の大きさを知ることができる。

0016

本発明の効果を確認するために、金属材料から引張試験片を作成し、この試験片疲労試験機により繰り返し応力を負荷して、所定の繰り返し数毎に試験片を疲労試験機から取り外し、図5に示すように、試験片21に外部磁界印加用電磁石22により外部磁界を印加し、磁気異方性検出センサ23により磁気異方性を測定した。なお、図5中符号24は、外部磁界印加用電磁石22を駆動する直流電源である。

0017

図6は磁気異方性検出センサ23を、垂直軸の回りに回転させたときの、印加電流ゼロの出力波形と印加電流3000mAの出力波形との差を示す図であり、横軸は磁気異方性検出センサ23の回転角度縦軸は磁気異方性検出センサ23の出力差mV)である。なお、このときの後述するN/Nfは0.6である。

0018

金属材料に磁気異方性があると、磁気異方性検出センサ23を回転させたときに、図6のような周期的な信号が出る。磁気異方性は圧延結晶の異方性や応力により発生するが、このような金属材料に外部磁界を印加すると、さらに大きな異方性が発生する。図6においては、印加磁界による異方性のみを抽出するために、印加磁界ゼロのときの磁気異方性差し引いたものである。

0019

図7は繰り返し応力の繰り返し数と、磁気異方性検出センサ23の出力との関係を示す図であり、横軸は試験片21への応力付加の繰り返し数Nを、疲労寿命の繰り返し数Nfで除したもの、縦軸は各繰り返し数での磁気異方性検出センサ23の出力を、試験片21に応力が一度も負荷されていないとき(処女材、この場合N/Nfの値が0.1の時)の磁気異方性検出センサ23の出力で除して、無次元化したものである。なお、印加電流は3000mAである。

0020

図7から分かるように、処女材から初期の繰り返し負荷段階で、磁気異方性検出センサ23の出力は大きく変化している。これはShake Down効果と呼ばれるものであり、試験片21が元々持っていた圧延残留応力や、試験片21加工時の残留応力が繰り返し応力の負荷により開放され、再配分されたことによるものである。

0021

それ以降の磁気異方性検出センサ23の出力の変化を見ると、負荷応力の繰り返し数の増加にともなって、磁気異方性検出センサ23の出力が変化していくのが分かる。これは疲労によって発生した転位によって、印加磁界の磁束の流れに乱れが生じ、これによる磁気異方性を磁気異方性検出センサ23が検出していることを示している。また、この磁束の流れの乱れは、疲労の進行、すなわち累積疲労度の増加により、転位が集積することによって顕著になる。なお、本発明の実施例においては、直流の電磁石を使用しているが、ある程度以上の磁束を発生させることができれば、永久磁石を用いることも可能である。

0022

このように、ある金属材料について、繰り返し数、すなわち累積疲労損傷度に対して、磁気異方性検出センサ23の出力が、どのように変化していくのかをデ−タベ−ス化しておけば、前述したような測定を行うことによって、評価対象の金属材料が現在どのような疲労損傷度のレベルにあるのか、あるいは疲労によってき裂が発生するまで、あとどのくらい残存寿命があるのかを推定することが可能となる。

発明の効果

0023

この発明により、金属材料の金属疲労による累積疲労度を、簡便かつ非破壊的に評価することができるため、構造物等に破壊事故が発生するのを未然に防止することができるとともに、構造物等の適正な維持管理および保全が可能となる。

図面の簡単な説明

0024

図1本発明の実施の形態の金属材料の累積疲労評価方法において、金属材料に外部磁界を印加して、磁気異方性を検出する方法を示す斜視図である。
図2金属の結晶構造の模式図であり、(a)は健全な状態を、(b)は金属疲労が生じている状態を表す。
図3金属材料に外部から磁界を印加したときの、磁束の流れの模式図であり、(a)は健全な金属材料の場合、(b)は金属疲労が発生している金属材料の場合である。
図4本発明の実施の形態の金属材料の累積疲労評価方法を示すブロック図である。
図5本発明の実施例の説明図である。
図6本発明の実施の形態の金属材料の累積疲労評価方法において、磁気異方性検出センサを垂直軸の回りに回転させたときの出力波形を示す図である。
図7繰り返し応力の繰り返し数と磁気異方性検出センサの出力との関係を示す図である。

--

0025

1励磁コア
2励磁コイル
3外部磁界印加用電磁石
4磁気異方性検出コア
5 磁気異方性検出コイル
6 磁気異方性検出センサ
7交流定電流電源
8電圧計
9金属材料
9a健全な状態の結晶構造
9b金属疲労が生じている状態の結晶構造
10原子
11転位
12 磁束の流れ
13 磁気異方性計測装置
14AD変換器
15 デ−タ処理用PC
16 デ−タベ−ス
21試験片
22 外部磁界印加用電磁石
23 磁気異方性検出センサ
24 直流電源

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