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図面 (2)

課題

ナノコンポジットが有する特徴を充分に発揮することが可能であるN−ビニルアミド系重合体と、デラミ状態のクレイを含む樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法並びに該樹脂組成物を含有するマスターバッチを提供する。

解決手段

N−ビニルアミド系重合体と、デラミ状態のクレイを含む樹脂組成物及びN−ビニルアミド化合物を必須とする単量体成分有機化クレイ溶媒共存下で重合する樹脂組成物の製造方法並びに該樹脂組成物を含有するマスターバッチ。

概要

背景

樹脂組成物としては、充填剤フィラー)が樹脂中に分散した組成物等が挙げられるが、充填剤の分散サイズナノオーダーすなわち通常1〜100nmであるような超微細分散系は、ナノコンポジットと呼ばれ、中でも、充填剤が層状粘土鉱物であるときには特にクレイハイブリッドと呼ばれ、成形品フィルム等を形成する成形材料等に使用されて最近注目されている。

このようなナノコンポジット(クレイハイブリッド)には、次の(1)〜(5)に挙げるような特徴がある。すなわち(1)クレイが微分散されているため、少量の添加により通常のフィラー充填系と同等の効果があり、その結果、低比重機械強度弾性率、熱変形温度等の特性が向上した高性能の材料となる。
(2)層状フィラーが樹脂中に分散しているため、ガス拡散が妨げられ、その結果、ガスバリア性が向上することになる。
(3)フィラーがナノオーダーで分散していると、光を散乱せず、透明性が発現することになる。
(4)生成ガスの炎の拡散を防ぎ、ポリマー熱流から遮へいするため、難燃性が発現する。
(5)その他の特徴としては、フィラーが粘土であると、毒性がなく安全性のうえで好ましく、また、フィラーがナノオーダーで分散していると、繰り返し加工してもフィラーの切断がなく、性能を低下させずにリサイクルすることが可能であること等が挙げられる。

特開平9−118518号公報には、ホスト材料及びフィロシリケート物の剥離小板を含み、該小板は、フィロシリケートをインターカラントポリマー含有組成物に接触させることにより形成されるインターカレーション物に由来するものである合成物に関し、主な隣接するフィロシリケート小板の間の間隔が、インターカラントポリマー収着後に測定すると少なくとも約10Åに広げられていること、また、N−ビニルアミド系重合体であるポリビニルピロリドン等をインターカラントポリマーとして用いることができることが開示されている。

しかしながら、この公報では、PVPをインターカラントとするインターカレーション物については記載があるものの、そこから得られる剥離小板(デラミ)については、何ら具体的な記載はなく、また、PVPを用いたインターカレーション物を、水溶液増粘剤として用いる例があるのみで、フィルムや、成形材料として用いる樹脂組成物としての開示は全く示唆されていない。また、インターカラントポリマーであるビニルピロリドンのポリマーとしてはホモポリマーしか開示がされていないため、適用用途に応じて各種のビニルピロリドンのポリマーを用いるように工夫する余地があり、更に、ナノコンポジットの製造方法を工夫する余地があった。また、その製造方法も、PVPを直接フィロシリケートにインターカレートする記載しかなく、モノマーとクレイを混合した状態から重合する方法については全く記載されていない。

概要

ナノコンポジットが有する特徴を充分に発揮することが可能であるN−ビニルアミド系重合体と、デラミ状態のクレイを含む樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法並びに該樹脂組成物を含有するマスターバッチを提供する。

N−ビニルアミド系重合体と、デラミ状態のクレイを含む樹脂組成物及びN−ビニルアミド化合物を必須とする単量体成分有機化クレイ溶媒共存下で重合する樹脂組成物の製造方法並びに該樹脂組成物を含有するマスターバッチ。

目的

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ナノコンポジットが有する特徴を充分に発揮することが可能である樹脂組成物及びその製造方法並びにマスターバッチを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

N−ビニルアミド系重合体と、デラミ状態のクレイを含むことを特徴とする樹脂組成物

請求項2

N−ビニルアミド化合物を必須とする単量体成分有機化クレイ溶媒共存下で重合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。

請求項3

請求項1記載の樹脂組成物を含有するマスターバッチ

技術分野

0001

本発明は、樹脂組成物及びその製造方法並びにマスターバッチに関する。

背景技術

0002

樹脂組成物としては、充填剤フィラー)が樹脂中に分散した組成物等が挙げられるが、充填剤の分散サイズナノオーダーすなわち通常1〜100nmであるような超微細分散系は、ナノコンポジットと呼ばれ、中でも、充填剤が層状粘土鉱物であるときには特にクレイハイブリッドと呼ばれ、成形品フィルム等を形成する成形材料等に使用されて最近注目されている。

0003

このようなナノコンポジット(クレイハイブリッド)には、次の(1)〜(5)に挙げるような特徴がある。すなわち(1)クレイが微分散されているため、少量の添加により通常のフィラー充填系と同等の効果があり、その結果、低比重機械強度弾性率、熱変形温度等の特性が向上した高性能の材料となる。
(2)層状フィラーが樹脂中に分散しているため、ガス拡散が妨げられ、その結果、ガスバリア性が向上することになる。
(3)フィラーがナノオーダーで分散していると、光を散乱せず、透明性が発現することになる。
(4)生成ガスの炎の拡散を防ぎ、ポリマー熱流から遮へいするため、難燃性が発現する。
(5)その他の特徴としては、フィラーが粘土であると、毒性がなく安全性のうえで好ましく、また、フィラーがナノオーダーで分散していると、繰り返し加工してもフィラーの切断がなく、性能を低下させずにリサイクルすることが可能であること等が挙げられる。

0004

特開平9−118518号公報には、ホスト材料及びフィロシリケート物の剥離小板を含み、該小板は、フィロシリケートをインターカラントポリマー含有組成物に接触させることにより形成されるインターカレーション物に由来するものである合成物に関し、主な隣接するフィロシリケート小板の間の間隔が、インターカラントポリマー収着後に測定すると少なくとも約10Åに広げられていること、また、N−ビニルアミド系重合体であるポリビニルピロリドン等をインターカラントポリマーとして用いることができることが開示されている。

0005

しかしながら、この公報では、PVPをインターカラントとするインターカレーション物については記載があるものの、そこから得られる剥離小板(デラミ)については、何ら具体的な記載はなく、また、PVPを用いたインターカレーション物を、水溶液増粘剤として用いる例があるのみで、フィルムや、成形材料として用いる樹脂組成物としての開示は全く示唆されていない。また、インターカラントポリマーであるビニルピロリドンのポリマーとしてはホモポリマーしか開示がされていないため、適用用途に応じて各種のビニルピロリドンのポリマーを用いるように工夫する余地があり、更に、ナノコンポジットの製造方法を工夫する余地があった。また、その製造方法も、PVPを直接フィロシリケートにインターカレートする記載しかなく、モノマーとクレイを混合した状態から重合する方法については全く記載されていない。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ナノコンポジットが有する特徴を充分に発揮することが可能である樹脂組成物及びその製造方法並びにマスターバッチを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、ナノコンポジットとなる樹脂組成物について種々検討するうち、クレイとN−ビニルアミド系重合体を含む樹脂組成物がナノコンポジットとなり、しかも、クレイがデラミ型の形態となり得ることに着目し、このようなデラミ型のナノコンポジットが上記(1)〜(5)の特徴点すなわち(1)機械強度や弾性率、熱変形温度の向上、(2)ガスバリア性の向上、(3)透明性の発現、(4)難燃性の発現、(5)安全性やリサイクル性に有利、等の特徴を充分に発揮することが可能であることを見いだした。クレイとN−ビニルアミド系重合体とを含むナノコンポジットがこのような特徴を充分に発揮する理由としては、充填剤としてクレイを用い、N−ビニルアミド系重合体により樹脂組成物とすると、クレイの層構造がなくなって層間距離が大きくなり、図1概念図に示すようなデラミ型ナノコンポジットとなるために、図2の概念図に示すようなインターカレーション型の形態に比較してナノコンポジットの特徴が発現しやすくなること等が考えられる。また、N−ビニルアミド化合物を必須とする単量体成分有機化クレイ溶媒共存下で重合することにより、すなわちN−ビニルアミド化合物を用いたinsitu重合により、このようなデラミ型のクレイハイブリッドを簡便かつ効率よく製造することが可能となることや、N−ビニルアミド系重合体、有機化クレイ及びN−ビニルアミド化合物のすべてを均一に溶解する溶媒を選択して重合を行うと、より確実にデラミ型のクレイハイブリッドを製造することが可能であることも見いだした。更に、N−ビニルアミド系重合体と、デラミ状態のクレイを含むナノコンポジットを用いてなるマスターバッチが各種の用途でナノコンポジットの特性を充分に発揮させるうえで有効なものであることも見いだし、本発明に到達したものである。

0008

すなわち本発明は、N−ビニルアミド系重合体と、デラミ状態のクレイを含む樹脂組成物である。本発明はまた、N−ビニルアミド化合物を必須とする単量体成分を有機化クレイと溶媒の共存下で重合する樹脂組成物の製造方法でもある。本発明は更に、上記樹脂組成物を含有するマスターバッチでもある。以下に、本発明を詳述する。

0009

本発明におけるクレイとしては、N−ビニルアミド系重合体によりデラミ型の形態となり得るものであれば特に限定されず、天然のものでも合成されたものでも用いることができ、例えば、モンモリロナイトノントロナイトバイデライト、ボルコスコイト(volkonskoite)、ヘクトライトサポナイト、サウコナイト、ソボカイト(sobockite)、スティブンサイト、スビンフォルダイト(svinfordite)等のスメクタイト系クレイ;バーミキュライトハロイサイトイライト等のマイカ鉱物レディカイト(ledikite)等の層状イライト/スメクタイト鉱物の混合物;上述した粘土鉱物とイライトとの混合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0010

上記クレイの好ましい形態としては、有機化クレイが挙げられる。有機化クレイとは、有機陽イオン有機カチオン)により有機化したクレイ、すなわちクレイの陽イオンを、有機陽イオンでイオン交換した状態となったものを意味する。このような有機化クレイを用いることにより、後述するようにデラミ型のクレイハイブリッドを形成しやすくすることができ、ナノコンポジットの特性を充分に発揮することが可能となる。すなわち有機化することで溶媒、モノマーに対してクレイが膨潤しやすくなり、デラミ型ハイブリッドが形成される。有機化クレイは、クレイに有機陽イオンを作用させて公知の方法で有機化することにより製造することができる。

0011

上記有機化クレイの製造で用いられる有機陽イオンとしては特に限定されず、例えば、ヘキシルアンモニウムイオンオクチルアンモニウムイオン、2−エチルヘキシルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、ラウリルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ステアリルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、トリオクチルアンモニウムイオン、ジステアリルジメチルアンモニウムイオン、ラウリン酸アンモニウムイオン等の有機アンモニウムイオン;α−ピロリドンN−メチル−2−ピロリドン、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、ε−エナントラクタム等のラクタムの有機陽イオン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、炭素数6以上の有機陽イオンが好ましい。炭素数が6未満であると、有機陽イオンの親水性が高まり、有機化クレイと、溶媒やN−ビニルアミド化合物、N−ビニルアミド系重合体との相溶性が低下するおそれがある。

0012

本発明におけるN−ビニルアミド系重合体とは、N−ビニルアミド化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体であれば特に限定されるものではない。このような重合体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記N−ビニルアミド系重合体はクレイに対して優れた親和性を示し、また、他の樹脂に対しても優れた相溶性を有する。このような重合体を含む樹脂組成物をマスターバッチとし、これを成形品やフィルム等を形成する成形材料等に好適に使用することが可能となる。

0013

上記N−ビニルアミド系重合体を形成するN−ビニルアミド化合物としては、例えば、下記一般式(1);

0014

0015

(式中、R1は、水素又はメチル基を示す。R2及びR3は、同一又は異なって、水素、メチル基又はエチル基を示し、R2とR3とは、結合して炭素数3〜5のアルキレン基を形成していてもよい。)で表される化合物等が挙げられる。

0016

上記N−ビニルアミド化合物としては、具体的には、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、1種又は必要により2種以上を用いることができる。その中で、N−ビニルピロリドンが充填剤との親和性の点で好ましい。

0017

N−ビニルアミド系重合体は、N−ビニルアミド単独重合体であっても、その他の共重合成分を含んだ共重合体であっても構わない。また、共重合体の場合、その重合形態としては特に限定されず、例えば、ブロック状、交互状ランダム状等のいずれであってもよい。

0018

上記単量体成分に含まれるN−ビニルアミド化合物以外の単量体としては特に限定されず、N−ビニルアミド化合物と共重合可能重合性単量体が挙げられ、具体的には、例えば、(1)(メタアクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(2)(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類;(3)(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジンビニルイミダゾール等の塩基性不飽和単量体及びその塩又は第4級化物;(4)ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルオキサゾリン等のビニルアミド類;(5)(メタ)アクリル酸、イタコン酸マレイン酸フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体及びその塩;(6)無水マレイン酸無水イタコン酸等の不飽和無水物類;(7)酢酸ビニルプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(8)ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;(9)スチレン及びその誘導体;(10)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体;(11)ビニルスルホン酸及びその誘導体;(12)メチルビニルエーテルエチルビニルエーテルブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(13)エチレンプロピレンオクテンブタジエン等のオレフィン類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0019

本発明では、N−ビニルアミド系重合体は、N−ビニルピロリドン系重合体であることが好ましい。これにより、より確実に本発明の作用効果を発揮することが可能となる。N−ビニルピロリドン系重合体とは、N−ビニルアミド系重合体を形成する単量体成分において、N−ビニルアミド化合物としてN−ビニルピロリドンを用いてなる重合体である。

0020

上記N−ビニルアミド系重合体を製造する方法としては特に限定されず、例えば、水溶液重合法、有機溶媒中での溶液重合法逆相懸濁重合法、乳化重合法沈殿重合法等が挙げられ、溶液重合法が好適に適用される。重合時の反応条件等は重合方法等により適宜設定すればよく特に限定されるものではない。使用する重合開始剤としては特に限定されず、従来公知のものを1種又は2種以上使用することができ、使用量も特に限定されるものではない。また、重合開始剤を用いずに、熱、光、放射線による重合法を用いてもよい。

0022

上記N−ビニルアミド系重合体の分子量としては、樹脂組成物の使用用途等に応じて適宜設定すればよく、例えば、重量平均分子量が1000〜5000000であることが好ましい。1000未満であったり、5000000を超えたりすると、本発明の作用効果を充分に発揮することができなくなるおそれがある。より好ましくは、5000〜1000000であり、更に好ましくは、10000〜500000である。

0023

本発明の樹脂組成物では、N−ビニルアミド系重合体と、デラミ状態のクレイを含むことになる。デラミ状態とは、図1に示すようにクレイの層構造の間にN−ビニルアミド系重合体が挿入されて層間距離が広がり、クレイの層構造が配向せずにランダムになった形態、すなわちクレイの層構造が残っていない形態である。これにより、ナノコンポジットが有する特徴を充分に発揮することができることになる。本発明の最も好ましい形態は、クレイがすべてデラミ型の形態で含まれていることであるが、一部がインターカレーション型の形態で含まれていてもよい。すなわちデラミ型の部分とインターカレーション型の部分とが共存していてもよい。インターカレーション型の形態とは、図2に示すようにクレイの層構造の間にN−ビニルアミド系重合体が挿入されて層間距離が広がっているが、クレイの層構造が配向している状態、すなわちクレイの層構造が残っている形態である。なお、クレイを含む樹脂組成物では、例えば、透過型電子顕微鏡写真で観察することにより、デラミ型の形態であるか、又は、インターカレーション型の形態であるかを見分けることができる。

0024

本発明の樹脂組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、クレイとN−ビニルアミド系重合体を溶融混練する方法等を用いてもよいが、N−ビニルアミド化合物を必須とする単量体成分を有機化クレイと溶媒の共存下で重合する方法が好適である。このような樹脂組成物の製造方法もまた、本発明の1つである。このような製造方法では、有機化クレイが溶媒やN−ビニルアミド化合物を必須とする単量体成分、N−ビニルアミド系重合体になじみやすいこと、また、N−ビニルアミド系重合体の形成を有機化クレイと溶媒の共存下で行われることにより、単量体成分が有機化クレイの層間に入ったモノマー複合体が形成されつつ重合することになる。このような製造方法を用いると、デラミ型ナノコンポジットの形成を容易に行うことが可能となる。

0025

上記製造方法において用いることができるN−ビニルアミド化合物を必須とする単量体成分や有機化クレイ、溶媒、重合条件等は上述したのと同様であるが、重合に使用する溶媒の種類をN−ビニルアミド系重合体、有機化クレイ及びN−ビニルアミド化合物のすべてを均一に溶解することができるものとすることが好ましく、例えば、これらをそれぞれ1重量%以上の濃度で均一に溶解することができる溶媒を用いることが好ましい。具体的には、N−ビニルアミド化合物及びN−アミド系重合体がN−ビニルピロリドン及びポリビニルピロリドン(ビニルピロリドンホモポリマー)である場合、トルエン/メタノールの比が5/5〜9.9/0.1(重量比)の混合溶媒等が好適である。これにより、重合中にはN−ビニルアミド化合物及び有機化クレイを均一に溶解することでデラミ型の形態とすることが容易となり、また、重合後にはN−ビニルアミド系重合体及び有機化クレイを均一に溶解することでデラミ型の形態を充分に保つことが可能となる。より好ましくは、N−ビニルアミド系重合体、有機化クレイ及びN−ビニルアミド化合物をそれぞれ2重量%以上の濃度で均一に溶解することができる溶媒である。

0026

本発明の樹脂組成物は、マスターバッチとすること、すなわち充填剤としてクレイが含まれ、他の樹脂組成物に混合するための材料とすることが好適である。このようなマスターバッチは、成形品やフィルム等の材料として好ましく用いることができ、各種の用途でナノコンポジットの特性を充分に発揮させるうえで有効なものである。このように、本発明の樹脂組成物を含有するマスターバッチもまた、本発明の1つである。この場合、本発明の樹脂組成物における、クレイとN−ビニルアミド系重合体との重量割合としては特に限定されず、マスターバッチの使用用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、クレイとN−ビニルアミド系重合体とが100/100〜5/100となるようにすることが好ましい。より好ましくは、50/100〜 10/100である。なお、上記マスターバッチは、本発明の樹脂組成物を必須として含むことになるが、例えば、その他の樹脂や公知の添加剤等を1種又は2種以上含んでいてもよい。

0027

上記マスターバッチを配合することができる樹脂としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂ポリウレタン樹脂フェノール樹脂不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリオレフィン系樹脂スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂熱可塑性ポリエステル樹脂ナイロン樹脂ポリフェニレンエーテル樹脂ポリアセタール樹脂ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂等のエンジニアリングプラスチックス等が挙げられる。また、成形材料中におけるマスターバッチの重量割合としては、成形材料の使用用途等に応じて適宜設定すればよく特に限定されるものではないが、例えば、成形材料100重量%に対して、10重量%以上とすることが好ましい。ナノコンポジットの特性をより充分に発揮するためには、30重量%以上とすることが好ましい。

0028

上記マスターバッチを用いて成形品を製造する方法としては特に限定されず、例えば、マスターバッチと、上述した樹脂や添加剤とを溶融混練することにより調製することができる。溶融混練の温度としては、例えば、100〜300℃とすることが好ましい。より好ましくは、150〜280℃である。また、混練に用いる装置としては特に限定されるものではない。このようにして製造された成形品は、ナノコンポジットの特徴を充分に発揮することができるものであり、各種の用途で有用なものである。

0029

以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。

0030

実施例1
還流冷却器温度センサーガス導入管及び攪拌装置を取り付けた反応容器にガス導入管から窒素ガスを吹き込み、容器内部を充分、窒素ガスで置換した。続いてこの反応容器に有機化クレイ(クニミネ社製、商品名「スメクタイトSAN」)4.5g、N−ビニルピロリドン40.5g、溶媒としてトルエン/メタノールが9/1(重量比)の混合溶媒105gを仕込んだ。このトルエン/メタノールの比が9/1(重量比)の混合溶媒は、ビニルピロリドンホモポリマー(PVP)、N−ビニルピロリドンモノマー、有機化クレイ(クニミネ社製、商品名「スメクタイトSAN」)をそれぞれ均一に溶解することができる溶媒である。窒素ガスを吹き込み、攪拌しながら昇温すると約80℃で還流が始まった。その後、重合開始剤として有機過酸化物日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)を0.4g添加し、そのまま還流状態で3時間反応を行った。その後、有機過酸化物0.2gを添加し、更に3時間反応し、淡黄色透明な溶液を得た。

0031

得られた溶液を真空乾燥機により減圧下150℃で乾燥させ、淡黄色の固体を取り出した。得られた固体について透過型電子顕微鏡写真を撮ると、クレイの層構造は残っておらず、ナノサイズに分散したクレイハイブリッドであることが確認された。この固体をマスターバッチとし、以下の実施例で用いた。

0032

実施例2
実施例1で得られたクレイハイブリッド10gとAS樹脂(新日鐵化学社製、商品名「AS−70」)20gをラボプラストミル(商品名、東洋精機社製)を用いて200℃で5分間溶融混練した。取り出した固体の透過型電子顕微鏡写真を撮ると、クレイが非常に微細に分散した構造であった。

0033

実施例3
実施例1で得られたクレイハイブリッド10gとPBT樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製、商品名「ノバドール5010」)20gをラボプラストミル(商品名、東洋精機社製)を用いて250℃で5分間溶融混練した。取り出した固体の透過型電子顕微鏡写真を撮ると、クレイが非常に微細に分散した構造であった。

0034

比較例1
PVP40.5g、スメクタイトSAN4.5g、混合溶媒105gを80℃で混合、撹絆した。やや濁りのある溶液が得られた。減圧下150℃で乾燥して黄色固体を得た。最終的に得られた固体の構造を透過型電子顕微鏡撮影すると、クレイが凝集した状態であった。

0035

比較例2
AS樹脂20g、PVP9g、有機化クレイ1gをラボプラストミル(商品名、東洋精機社製)を用いて200℃5分間溶融混練した。取り出した固体の透過型電子顕微鏡写真を撮ると、クレイが凝集した構造であった。

発明の効果

0036

本発明の樹脂組成物は、上述のような構成からなるため、ナノコンポジットが有する特徴を充分に発揮することが可能であり、成形品やフィルム等の成形材料として各種の用途に好適に用いることができるものである。

図面の簡単な説明

0037

図1剥離型(デラミ型)ナノコンポジットの形態を示す概念図である。
図2挿入型(インターカレーション型)ナノコンポジットの形態を示す概念図である。

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