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技術 有価金属の回収方法

出願人 三井金属鉱業株式会社
発明者 安田清隆酒井実
出願日 2001年6月11日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2001-175346
公開日 2002年11月15日 (18年9ヶ月経過) 公開番号 2002-327215
状態 特許登録済
技術分野 金属の製造または精製 一次電池(その2)
主要キーワード 気流ガス 分子間衝突 脱炭素処理 メッシュ篩下 溶媒金属 脱水分解 脱炭素 剪断破砕機
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年11月15日)のものです。
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図面 (2)

課題

ニッケル水素二次電池等の廃材から、ニッケル、コバルト及び希土類金属等の有価金属を簡便、安価かつ高純度回収できる方法を提供する。

解決手段

有価金属含有廃材から有価物を回収する工程と、回収した有価物を非酸化性雰囲気で加熱して炭素を除去する脱炭素工程とを含んで成ることを特徴とする有価金属の回収方法。比較的高純度の炭素及び酸素を含む回収有価物を脱炭素工程で処理すると、有価金属を酸化することなく、炭素量を低減できる。脱炭素工程で攪拌を施すと更に効率が向上する。非酸化性雰囲気としては不活性ガス水素ガス水蒸気雰囲気が好ましく、これらを併用しても良い。

概要

背景

ニッケル水素二次電池から有価金属であるニッケル、コバルト及び希土類金属等を回収する方法として、廃ニッケル−水素二次電池を破砕解砕分し、粗粒部(プラスチック、鉄、発泡ニッケル等)と、細粒部(水酸化ニッケル水素吸蔵合金)とに分離し、細粒部をアルカリ金属を含んだ硫酸で溶解し、コバルト含有ニッケル溶解液から不純物を除去した後、電解処理して金属ニッケル及びニッケル−コバルト合金を回収する方法が提案されている(特開平9−82371号公報)。しかしこの方法は、ニッケル等の有価金属の回収工程が極めて複雑であるという問題がある。

有価金属含有廃材からの有価金属回収では、単に回収効率を上げることや前述した回収工程を複雑にしないこと以外に、回収される有価金属中の炭素含有量を少なくすることを考慮する必要があり、これにより回収有価金属の用途が広くなるという利点がある。回収後に低炭素化を行っても良いが工程の追加は時間的及びコスト的に望ましくない。従って例えば特開2000−67935公報では、廃ニッケル−水素二次電池を破砕、解砕、篩分し、有価物を回収する有価物分別処理工程と、該有価物を酸化雰囲気中で加熱する酸化処理工程と、還元雰囲気中で加熱溶融して溶融金属とする還元溶融工程特許から成る廃ニッケル−水素二次電池からの有価物の回収方法が開示され、前記酸化処理工程で含有炭素酸化により除去することが試みられている。

概要

廃ニッケル−水素二次電池等の廃材から、ニッケル、コバルト及び希土類金属等の有価金属を簡便、安価かつ高純度で回収できる方法を提供する。

有価金属含有廃材から有価物を回収する工程と、回収した有価物を非酸化性雰囲気で加熱して炭素を除去する脱炭素工程とを含んで成ることを特徴とする有価金属の回収方法。比較的高純度の炭素及び酸素を含む回収有価物を脱炭素工程で処理すると、有価金属を酸化することなく、炭素量を低減できる。脱炭素工程で攪拌を施すと更に効率が向上する。非酸化性雰囲気としては不活性ガス水素ガス水蒸気雰囲気が好ましく、これらを併用しても良い。

目的

この方法では、高温で行われる酸化処理工程で確かに有価物中の炭素含有量は低減するが、同時に有価金属であるニッケル、コバルト及希土類金属等が酸化されるため、効率的な有価金属の回収方法とはいい難い。このように従来の有価金属の回収方法では、廃ニッケル−水素二次電池等の有価金属含有廃材に含まれる炭素が回収後の有価金属中に残存し、又この残存炭素量を低減すると、得られる有価金属が酸化されてしまい、所望の有価金属が得られなくなるという欠点がある。本発明は、このような従来技術の欠点を解消し、有価金属を実質的に酸化することなく、炭素含有量が低減した有価金属を回収できる方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

有価金属含有廃材から有価物回収する工程と、回収した有価物を非酸化性雰囲気で加熱して炭素を除去する脱炭素工程とを含んで成ることを特徴とする有価金属回収方法

請求項2

有価金属含有廃材から有価物を回収する工程と、回収した有価物を非酸化性雰囲気で加熱して炭素を除去する脱炭素工程と、脱炭素した有価金属を加熱溶融して溶融金属とする溶融工程とを含んで成ることを特徴とする有価金属の回収方法。

請求項3

有価金属含有廃材が廃ニッケル水素二次電池である請求項1又は2に記載の有価金属の回収方法。

請求項4

有価物が正極主体回収物負極主体回収物又は正負極合物のいずれかである請求項3に記載の有価金属の回収方法。

請求項5

非酸化性雰囲気が、不活性ガス雰囲気水素ガス雰囲気水蒸気雰囲気不活性ガス−水蒸気雰囲気及び不活性ガス−水蒸気−水素ガス雰囲気から選択される請求項1から4までのいずれかに記載の有価金属の回収方法。

請求項6

脱炭素工程における加熱を、350〜1050℃で5分〜10時間行うようにした請求項1から5までのいずれかに記載の有価金属の回収方法。

請求項7

脱炭素工程における加熱を、有価物を攪拌しながら行うようにした請求項1から6までのいずれかに記載の有価金属の回収方法。

技術分野

0001

本発明は、有価金属含有廃材から有価金属高純度簡便かつ安価に回収する方法に関し、より詳細には廃ニッケル水素二次電池からニッケル、コバルト及び希土類金属等の有価金属を回収する方法に関する。

背景技術

0002

廃ニッケル−水素二次電池から有価金属であるニッケル、コバルト及び希土類金属等を回収する方法として、廃ニッケル−水素二次電池を破砕解砕分し、粗粒部(プラスチック、鉄、発泡ニッケル等)と、細粒部(水酸化ニッケル水素吸蔵合金)とに分離し、細粒部をアルカリ金属を含んだ硫酸で溶解し、コバルト含有ニッケル溶解液から不純物を除去した後、電解処理して金属ニッケル及びニッケル−コバルト合金を回収する方法が提案されている(特開平9−82371号公報)。しかしこの方法は、ニッケル等の有価金属の回収工程が極めて複雑であるという問題がある。

0003

有価金属含有廃材からの有価金属回収では、単に回収効率を上げることや前述した回収工程を複雑にしないこと以外に、回収される有価金属中の炭素含有量を少なくすることを考慮する必要があり、これにより回収有価金属の用途が広くなるという利点がある。回収後に低炭素化を行っても良いが工程の追加は時間的及びコスト的に望ましくない。従って例えば特開2000−67935公報では、廃ニッケル−水素二次電池を破砕、解砕、篩分し、有価物を回収する有価物分別処理工程と、該有価物を酸化雰囲気中で加熱する酸化処理工程と、還元雰囲気中で加熱溶融して溶融金属とする還元溶融工程特許から成る廃ニッケル−水素二次電池からの有価物の回収方法が開示され、前記酸化処理工程で含有炭素酸化により除去することが試みられている。

発明が解決しようとする課題

0004

この方法では、高温で行われる酸化処理工程で確かに有価物中の炭素含有量は低減するが、同時に有価金属であるニッケル、コバルト及希土類金属等が酸化されるため、効率的な有価金属の回収方法とはいい難い。このように従来の有価金属の回収方法では、廃ニッケル−水素二次電池等の有価金属含有廃材に含まれる炭素が回収後の有価金属中に残存し、又この残存炭素量を低減すると、得られる有価金属が酸化されてしまい、所望の有価金属が得られなくなるという欠点がある。本発明は、このような従来技術の欠点を解消し、有価金属を実質的に酸化することなく、炭素含有量が低減した有価金属を回収できる方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明方法は、有価金属含有廃材から有価物を回収する工程と、回収した有価物を非酸化性雰囲気で加熱して炭素を除去する脱炭素工程とを含んで成ることを特徴とする有価金属の回収方法であり、脱炭素工程後に、脱炭素した有価金属を加熱溶融して溶融金属とする溶融工程を追加しても良い。

0006

以下本発明を詳細に説明する。本発明方法は、有価金属含有廃材から回収した有価物を非酸化性雰囲気で加熱して実質的に前記有価物中の有価金属を酸化することなく炭素を除去することを特徴とする。なお本発明で有価物とは回収すべき有価金属を含む組成物を意味し、場合によっては回収された有価金属を意味することもある。又本発明方法の対象となる有価金属含有廃材としては、廃ニッケル−水素二次電池の他に廃ニッケル−カドミウム電池及び廃リチウムイオン電池等がある。

0007

次に本発明方法を、廃ニッケル−水素二次電池等の電池廃材に適用した例を図面に基づいて説明する。図1は本発明方法を廃ニッケル−水素二次電池からの有価金属回収に適用した実施態様を示すフローチャートである。本発明方法の第1段階である有価物回収工程は、従来方法と同様に行えば良く、図示の通り有価金属含有廃材が廃ニッケル−水素二次電池の場合は、例えば該電池剪断破砕機を用いて破砕し、解砕機を用いて湿式法で解砕を行い、篩等で分級する。篩の上に残った非分級物磁力選別してプラスチック、紙等の非着磁物を除去した後、微量のプラスチック及び紙等を燃焼し除去する。

0008

この他に例えば電池の極板に発泡ニッケルを使用している場合は、極板をそのまま水素還元して又は不活性ガス雰囲気中で加熱処理して有価物を回収しても良い。このようにして得られる有価物は、有価金属含有廃材が廃ニッケル−水素二次電池の場合、主としてニッケル等の正極主体回収物及び水素吸蔵合金等の負極主体回収物を含み、この他に有機バインダーと所定量の炭素が含まれる。次いでこれらの物理的に分別された有価物を、非酸化性雰囲気中で加熱処理し、有価物中に含まれる炭素を酸化して少なくともその一部を除去する(脱炭素工程)。

0009

非酸化性雰囲気とは、加熱により、実質的に金属や合金を酸化することなく炭素を還元等により除去できる雰囲気を意味し、不活性ガス雰囲気、水素ガス雰囲気水蒸気雰囲気不活性ガス−水蒸気雰囲気及び不活性ガス−水蒸気−水素ガス雰囲気から選択される。不活性ガスには、アルゴン窒素及びヘリウム等が含まれ、非酸化性雰囲気としては還元雰囲気である水素ガス雰囲気が特に好ましい。脱炭素工程における加熱条件は、好ましくは350〜1050℃で5分〜10時間、より好ましくは400〜750℃で30分〜5時間である。加熱温度が350℃未満であると有価物中に含まれる金属化合物例えば水酸化ニッケルの縮合脱水分解が起こらず、かつ反応速度も遅く回収率が低くなる。又加熱温度が1050℃を超えても処理効率が著しく向上する訳ではなく、金属回収のエネルギー効率が低下する。

0010

不活性ガス雰囲気下での加熱処理により、回収された有価物中に含まれる酸素、水素及び水蒸気が還元的又は酸化的に少なくとも一部の炭素の除去に寄与すると同時に、劣化金属酸化物の一部が金属に還元される。水素ガス雰囲気では有価物中の少なくとも一部の炭素が水素により還元されて低級炭化水素等に転化され有価物から除去される。更に水蒸気雰囲気では、有価物中の少なくとも一部の炭素が水蒸気による変性を受け、又は水蒸気で還元されて有価物中から除去される。

0011

このようにして脱炭素工程で有価物中の少なくとも一部の炭素を除去された有価物は有価金属に変換され、脱炭素工程の加熱を停止することにより、冷却されて固体の金属として回収できる。用途によっては溶融金属として回収することが望ましい場合もあり、その際は脱炭素工程における加熱に引き続いて又は一旦加熱を停止した後に、回収した有価金属の加熱を行って溶融金属として回収すれば良い(溶融工程)。溶融工程における加熱雰囲気と有価金属の酸化を抑制するために、アルゴン中等の不活性ガス雰囲気が好ましい。

0012

このような構成を含んで成る本発明方法では、脱炭素工程を不活性ガス雰囲気で行うと、有価金属含有廃材中に含まれる水素や酸素を有効に利用し、ミッシュメタル等の酸化され易い金属を実質的に酸化させることなく、該廃材中に含まれる少なくとも一部の炭素を除去できる。又脱炭素工程を水素ガス雰囲気で行うと、雰囲気中の水素が有価金属含有廃材中に含まれる炭素を還元的に除去し、ミッシュメタル等の酸化され易い金属を実質的に酸化させることなく、該廃材中に含まれる少なくとも一部の炭素を除去できる。

0013

又脱炭素工程を水蒸気雰囲気で行うと、有価金属含有廃材中に含まれる炭素が還元又は変性により除去され、ミッシュメタル等の酸化され易い金属を実質的に酸化させることなく、該廃材中に含まれる少なくとも一部の炭素を除去できる。このように脱炭素工程を行うことにより、実質的に酸化反応を伴わず、比較的低温で有価物中の炭素を1000ppm(0.1重量%)以下、条件に依っては100ppm(0.01重量%)以下に低減することができる。

0014

従来のように回収された有価物の酸化処理を行えば炭素は容易に除去できるが、他の金属成分例えばニッケル、コメントあるいはミッシュメタルが酸化され、この酸化メタルを還元するために莫大エネルギーを必要とし効率が悪いという問題点があった。これに対し、本発明方法によると、脱炭素工程を採用することにより、金属成分の酸化を伴うことなく、有価物中の炭素除去が可能になり、得られる有価金属含有廃材の再還元といった工程が不要になり、簡便に有価金属含有廃材から有価金属を回収できる。実際の操業では通常廃材からのスラグが回収有価金属中に含まれ、有価金属とスラグの混合物として得られるが、この混合物にフラックスを添加して加熱すると、比重の大きい溶融金属と比重の小さい溶融スラグに分離するため、比較的容易に高純度の有価金属を回収できる。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明に係わる有価金属の回収方法の実施例を記載するが、本発明は該実施態様に限定されるものではない。

0016

次に本発明方法を実施例に基づきより具体的に説明する。
(有価物回収工程)廃ニッケル−水素電池を剪断破砕機(ドイツのAlpine A.G.製のRotoplex Cutting Mill)を用いて、乾式の破砕を行った。次いで解砕機(Attriction Machine)を用いて、湿式法で解砕を行い、水洗によりプラスチック、紙などを除去し、その後篩(28メッシュ)で分級した。この分級物は負極の水素吸蔵合金が濃縮した負極主体回収物であった。篩上の非分級物を2000〜3000ガウスで磁力選別して負極Fe基板を除去した。Fe基板が除去された正極主体の混合物を振動ミル(川崎重工業株式会社製「T−100型」を用いて粉砕し、篩(24メッシュ)で分級することにより、基板発泡Niと正極活物質の水酸化ニッケルを主体とした正極主体とした正極主体回収物を得た。

0017

一方解砕機で湿式解砕及び分級により得られた28メッシュ篩下の分級物にも、電池の活物質であるニッケル−水素及び水酸化ニッケル等の有価物が濃縮されていた。このようにして得られた有価物を負極主体回収物及び正極主体回収物に大別し、更に両者を混合して正負極混合物を調製した。次いでこのようにして得られた負極主体回収物(実施例1〜13)、正極主体回収物(実施例14〜26)及び正負極混合物(実施例27〜32)のそれぞれについて脱炭素工程及び溶融工程を行い、得られた有価金属中の炭素量及び酸素量を測定した。

0018

実施例1
有価物回収工程で得られた負極主体回収物(炭素含有量:1.27重量%及び酸素含有量6.5重量%)3gを雰囲気中にアルゴンガスを200cc/分で流しながら400℃で1時間脱炭素処理を行い(脱炭素工程)、更にアルゴン雰囲気中、1400℃で1時間加熱溶融して溶媒金属として回収した。得られた溶融金属中の炭素含有量及び酸素含有量はそれぞれ0.93重量%及び6.5重量%に減少した。この結果を表1に示した。

0019

実施例2〜7
実施例1と同じ組成の負極主体回収物を、表1に示す温度及び加熱時間で、かつ雰囲気ガスを流しながら脱炭素処理を行い、更に実施例1と同様の条件で加熱溶融を行った。処理により得られた溶融金属中の炭素含有量及び酸素含有量を表1に示した。なお水素ガス雰囲気での試験の場合は、脱炭素工程における所定の反応時間終了後、気流ガスをアルゴンガスに置換した後、冷却した。又表中のAr(H2O)は水蒸気で飽和したアルゴンガスを示す。

0020

実施例8〜13
実施例1と同じ組成の負極主体回収物を、表1に示す温度及び加熱時間で、かつ雰囲気ガスを流し更に前記負極主体回収物を回転(攪拌)させながら脱炭素処理を行い、次いで実施例1と同様の条件で加熱溶融を行った。処理により得られた溶融金属中の炭素含有量及び酸素含有量を表1に示した。

0021

実施例1〜13の考察
実施例1〜13の実験結果から、脱炭素工程を行うことにより、全ての実施例で炭素含有量及び酸素含有量が減少したことが分かる。これは有価金属中の炭素の一部が除去されたこと及び廃ニッケル−水素二次電池中の酸化されたニッケル、コバルト、マンガンなどの酸素が還元され、又正極の水酸化ニッケルも脱水分解して酸化ニッケルとなった後、更に水素によって金属まで還元されたことを示している。炭素の減少量は他の条件が同じであれば温度上昇に伴って増加し(実施例4と5は除く)、又雰囲気が不活性ガス雰囲気から水素ガス雰囲気又は水蒸気雰囲気に変化すると、炭素の減少量が増加した。回転させずに脱炭素工程を行った場合、炭素は0.04重量%まで減少した。又水素ガス雰囲気中で回転させながら1000℃で処理を行うことにより、炭素を0.01重量%まで減少させることができた。

0022

脱炭素工程の反応の律速段階分子間衝突であり、処理対象の負極主体回収物を回転又は攪拌することにより、炭素減少が促進されることが分かった。又実施例4及び5の脱炭素工程を水蒸気雰囲気で行った場合の炭素含有量は0.04〜0.05重量%まで減少した。炭素減少の観点からは十分な結果であり、危険な水素ガスの代わりに水蒸気を使用しても所望の炭素減少が得られた。しかし実施例4及び5を含め回転を行わない実施例(実施例1〜7)では、酸素含有量が約4重量%までしか減少せず、特に前記実施例4及び5では酸素含有量は原料と同じ6重量%台で、酸素減少が不十分であった。

0023

0024

実施例14
有価物回収工程で得られた正極主体回収物(炭素含有量:0.54重量%及び酸素含有量22.5重量%)3gを雰囲気中にアルゴンガスを200cc/分で流しながら400℃で1時間脱炭素処理を行い(脱炭素工程)、更にアルゴン雰囲気中、1400℃で1時間加熱溶融して溶媒金属として回収した。得られた溶融金属中の炭素含有量及び酸素含有量はそれぞれ0.22重量%及び18.0重量%に減少した。この結果を表2に示した。

0025

実施例15〜20
実施例14と同じ組成の正極主体回収物を、表2に示す温度及び加熱時間で、かつ雰囲気ガスを流しながら脱炭素処理を行い、更に実施例14と同様の条件で加熱溶融を行った。処理により得られた溶融金属中の炭素含有量及び酸素含有量を表2に示した。なお水素ガス雰囲気での試験の場合は、脱炭素工程における所定の反応時間終了後、気流ガスをアルゴンガスに置換した後、冷却した。

0026

実施例21〜26
実施例14と同じ組成の負極主体回収物を、表2に示す温度及び加熱時間で、かつ雰囲気ガスを流し更に前記負極主体回収物を回転(攪拌)させながら脱炭素処理を行い、次いで実施例14と同様の条件で加熱溶融を行った。処理により得られた溶融金属中の炭素含有量及び酸素含有量を表2に示した。

0027

実施例14〜26の考察
実施例14〜26の実験結果から、実施例1〜13の実験結果と同様に、脱炭素工程を行うことにより、全ての実施例で炭素含有量及び酸素含有量が減少したことが分かる。これは有価金属中の炭素の一部が除去されたこと及び廃ニッケル−水素二次電池中の酸化されたニッケル、コバルト、マンガンなどの酸素が還元され、又正極の水酸化ニッケルも脱水分解して酸化ニッケルとなった後、更に水素によって金属まで還元されたことを示している。炭素の減少量は他の条件が同じであれば温度上昇に伴って増加し(実施例25と26は除く)、又雰囲気が不活性ガス雰囲気から水素ガス雰囲気又は水蒸気雰囲気に変化すると、炭素の減少量が増加した。

0028

負極主体回収物の場合と異なり、回転させずに脱炭素工程を行っても、炭素量は0.01重量%まで減少した。これは当初の炭素含有量が小さいからであると考えられる。回転による脱炭素効果は一定せず、顕著な効果は現れなかった。水素ガス雰囲気での脱炭素工程により0.01〜0.02重量%のオーダーまで炭素含有量を減少させることができた。酸素含有量は同じ条件下では温度上昇(実施例17及び18を除く)に伴って増加し、実施例26では0.63重量%まで減少した。

0029

0030

実施例27
有価物回収工程で得られた負極主体回収物と正極主体回収物の混合物(炭素含有量:0.91重量%及び酸素含有量16.2重量%)3gを雰囲気中にアルゴンガスを200cc/分で流しながら300℃で1時間脱炭素処理を行い(脱炭素工程)、更にアルゴン雰囲気中、1400℃で1時間加熱溶融して溶媒金属として回収した。得られた溶融金属中の炭素含有量及び酸素含有量はそれぞれ0.88重量%及び11.2重量%に減少した。この結果を表3に示した。

0031

実施例28〜32
実施例27と同じ組成の混合物を、表3に示す温度及び加熱時間で、かつ雰囲気ガスとして水素を200cc/分で流しながら脱炭素処理を行い、気流ガスをアルゴンガスに置換した後、冷却した。更に実施例1と同様の条件で加熱溶融を行った。処理により得られた溶融金属中の炭素含有量及び酸素含有量を表3に示した。

0032

実施例27〜32の考察
実施例27〜32の実験結果から、脱炭素工程を行うことにより、全ての実施例で炭素含有量及び酸素含有量が減少したことが分かる。特に水素ガス雰囲気下(実施例32)で炭素量が0.01重量%まで、酸素量が1.1重量%まで減少した。これは有価金属中の炭素の一部が除去されたこと及び廃ニッケル−水素二次電池中の酸化されたニッケル、コバルト、マンガンなどの酸素が還元され、又正極の水酸化ニッケルも脱水分解して酸化ニッケルとなった後、更に水素によって金属まで還元されたことを示している。更にこれらの結果から、電池廃材からの有価金属の回収では手間を掛けて正極主体回収物と負極主体回収物に分離せずに、それらの混合物を脱炭素工程で処理しても有価物中の炭素量を大きく減少させられることがわかった。

0033

発明の効果

0034

本発明は、有価金属含有廃材から有価物を回収する工程と、回収した有価物を非酸化性雰囲気で加熱して炭素を除去する脱炭素工程とを含んで成ることを特徴とする有価金属の回収方法(請求項1)である。比較的高純度の炭素及び酸素を含む回収有価物を脱炭素工程で処理すると、有価金属を酸化することなく、炭素量を低減でき、比較的簡単な工程改良により、高品質の有価金属が回収できる。

0035

脱炭素工程の後に、回収有価金属を加熱溶融して溶融金属とする溶融工程を追加しても良く(請求項2)、これにより廃材中の金属を取扱いが容易な溶融金属として回収できる。本発明の対象とする廃材は特に限定されないが、廃ニッケル−水素二次電池からの有価金属の回収に好適に使用でき(請求項3)、回収対象が電池である場合は、正極主体回収物、負極主体回収物又は正負極混合物のいずれかの形態で脱炭素工程で処理でき(請求項4)、分離の手間の少ない正負極混合物の場合にも炭素含有量は十分に低減できる。

0036

脱炭素工程における非酸化性雰囲気は、不活性ガス雰囲気、水素ガス雰囲気、水蒸気雰囲気、不活性ガス−水蒸気雰囲気及び不活性ガス−水蒸気−水素ガス雰囲気のいずれかから選択され(請求項5)、特に水素ガス雰囲気で有価物を還元し、又は水蒸気雰囲気で有価物を変性させて炭素含有量低減を図ることが望ましい。脱炭素工程における加熱は、350〜1050℃で5分〜10時間行えば十分であり(請求項6)、該加熱を、有価金属を攪拌しながら行うと(請求項7)、原子又は分子間の衝突が促進されて処理効率が上昇する。

図面の簡単な説明

0037

図1本発明方法を廃ニッケル−水素二次電池からの有価金属回収に適用した実施態様を示すフローチャート。

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