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技術 乗降動作補助装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 根本英明柳島孝幸中浜義弘
出願日 2001年5月2日 (19年2ヶ月経過) 出願番号 2001-135099
公開日 2002年11月12日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 2002-326528
状態 特許登録済
技術分野 車両用座席 乗客設備 傷病者運搬具
主要キーワード 支持サポート 独立シート 一般健常者 残存能力 同一処理内容 重心方向 選定者 全開角度
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図面 (15)

課題

シート回転機能スライド機能とを設けること無く、また広い乗降スペースが無くとも乗降動作補助を行うことができる乗降動作補助装置を提供する。

解決手段

シート1のサイドサポート2には、容量可変エアマット3と、座面側方部の荷重を検出する座面側方部荷重センサ13が埋め込まれている。また乗降時に容易に掴むことができるアシストグリップ9が車内に設けられ、アシストグリップ9に掛かる荷重をアシストグリップ荷重センサ11が検出する。制御装置15の補助量演算部16は、荷重センサ11,13の検出値に基づいて、補助量を演算する。演算した補助量に応じて駆動回路17は、アクチュエータコンプレッサ)5を駆動し、送気管7を介してエアマット3へ圧縮空気送り、その容量を変化させる。

概要

背景

近年、高齢者身障者などの足腰の弱い人あるいは小児などが自動車への乗降を楽にできるように、シート座面を傾斜させる機構を持たせたシート構造が提供されている。

例えば、特開2000−71827号公報記載の「シート構造」は、シートフレームフロントシートフレーム部とリヤシートフレーム部とに前後に分割し、フレーム駆動手段によりシートフレームを屈曲させて山状に起立させることにより、フロントシートフレームが前傾し、シートクッションのほぼ中央部を山状に膨出させて、乗降者臀部支え乗降動作補助するものである。

概要

シート回転機能スライド機能とを設けること無く、また広い乗降スペースが無くとも乗降動作の補助を行うことができる乗降動作補助装置を提供する。

シート1のサイドサポート2には、容量可変エアマット3と、座面側方部の荷重を検出する座面側方部荷重センサ13が埋め込まれている。また乗降時に容易に掴むことができるアシストグリップ9が車内に設けられ、アシストグリップ9に掛かる荷重をアシストグリップ荷重センサ11が検出する。制御装置15の補助量演算部16は、荷重センサ11,13の検出値に基づいて、補助量を演算する。演算した補助量に応じて駆動回路17は、アクチュエータコンプレッサ)5を駆動し、送気管7を介してエアマット3へ圧縮空気送り、その容量を変化させる。

目的

以上の問題点に鑑み本発明の目的は、シートに回転機能とスライド機能とを設けること無く、また広い乗降スペースが無くとも乗降動作の補助を行うことができる乗降動作補助装置を提供することである。また本発明の目的は、中程度ないし軽度の動作障害者や前期高齢者にも受け入れられる乗降動作補助装置を提供することである。また本発明の目的は、乗降姿勢動作に応じて最適な乗降補助力を発生することができる乗降動作補助装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

自動車装備される乗降動作補助装置において、シートサイドサポート部から大腿部押圧することにより、から上の身体の重心を立ち足上方に近づける補助力を発生する補助力発生手段を備えたことを特徴とする乗降動作補助装置。

請求項2

前記補助力発生手段は、シートのサイドサポート内に内蔵した容量可変エアマットと、該エアマットへ圧縮空気を送るコンプレッサと、を備えたことを特徴とする請求項1記載の乗降動作補助装置。

請求項3

乗降動作時に乗員が把持可能なアシストグリップと、乗員の乗降動作過程で前記アシストグリップに加わる荷重を検出するアシストグリップ荷重検出手段と、シートのサイドサポート部への荷重を検出するサイドサポート部荷重検出手段と、前記アシストグリップ荷重検出手段と前記サイドサポート部荷重検出手段により検出された荷重に基づいて前記補助力発生手段が発生すべき補助量を演算する補助量演算手段と、前記補助量演算手段の出力に基づき前記コンプレッサを駆動する駆動回路と、を備えたことを特徴とする請求項2記載の乗降動作補助装置。

請求項4

前記アシストグリップは、ドア開時に表出する後輪ホイールハウスアウターパネル上に枢着されたアシストグリップであることを特徴とする請求項3記載の乗降動作補助装置。

請求項5

ヒンジ式後席ドアを備えた乗用車の後席乗降用に設置された請求項1記載の乗降動作補助装置において、前記後席に乗降する乗員に対して乗降補助力を発生する乗降補助力発生手段と、前席シートバックショルダー部と略一致する上下位置、且つ前記シートバック側方と車体内装部材との間に位置する横方向位置に枢着された第一アシストグリップと、第一アシストグリップに加わる荷重を検出する第一アシストグリップ荷重検出手段と、後席ヒップポイントと略一致する上下方向位置で、後輪ホイールハウスアウターパネル上に枢着された第二アシストグリップと、第二アシストグリップに加わる荷重を検出する第二アシストグリップ荷重検出手段と、シート座面外側方部の前方荷重を検出する座面前側方部荷重検出手段と、シート座面外側方部の後方荷重を検出する座面後側方部荷重検出手段と、を備え、前記第一、第二アシストグリップ荷重検出手段、前記座面前側方部荷重検出手段および前記座面後側方部荷重検出手段の各検出値に基づいて、前記乗降補助力発生手段が発生する乗降補助力の発生方法を変更することを特徴とする乗降動作補助装置。

請求項6

前記第一アシストグリップ荷重検出手段もしくは第二アシストグリップ荷重検出手段から検出値が検出され、且つ、前記座面前側方部荷重検出手段からの荷重検出値が無く、前記座面後側方部荷重検出手段から荷重検出値が検出された時、前記乗降補助力発生手段は、前記第一、第二アシストグリップ荷重検出手段の検出値に応じた大きさの補助力によって、起立動作時上半身体中心方向に略一致した向きで、大腿部への補助力を発生させることを特徴とする請求項5記載の乗降動作補助装置。

技術分野

0001

本発明は自動車用乗降動作補助装置係り、特に乗員の乗降動作パターンに応じて補助力発生方法を変更可能な乗降動作補助装置に関する。

背景技術

0002

近年、高齢者身障者などの足腰の弱い人あるいは小児などが自動車への乗降を楽にできるように、シート座面を傾斜させる機構を持たせたシート構造が提供されている。

0003

例えば、特開2000−71827号公報記載の「シート構造」は、シートフレームフロントシートフレーム部とリヤシートフレーム部とに前後に分割し、フレーム駆動手段によりシートフレームを屈曲させて山状に起立させることにより、フロントシートフレームが前傾し、シートクッションのほぼ中央部を山状に膨出させて、乗降者臀部支え乗降動作を補助するものである。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記特開2000−71827号公報記載の「シート構造」では、シート回転機能スライド機能とを設けることを前提としている。すなわち、乗車時には、予めシートを外側へ回転させてから車外スライドさせて引き出した後、シートクッションを山状に膨出させ、座面前部を前方へ傾斜させてからシートに寄り掛かるようにして、次いで座面を水平状態にすることで臀部を支えながらゆっくりと着座するようにしている。逆に降車時には、着座したままでシートを回転とスライドにより車外へ引き出した後、シートクッションを山状に起き上がらせれば、自然に着座者前傾姿勢変位して立ち上がるようにしていた。

0005

このように、上記従来技術は、シートに回転機能とスライド機能とを設け、車外でシートに乗降するようにしていたために、広い乗降スペースがないと、乗降動作ができないという問題点があった。

0006

また、上記従来技術は、身体機能極端に低下した高齢者や障害者の降車パターンを対象としているため、中程度ないし軽度の動作障害者や高齢者には、受け入れられにくいという問題点があった。

0007

次に、後者の問題点の背景をより詳しく考察する。近年、高齢者の人口比率の増加に伴い商品開発で身体機能が低下した高齢者ユーザへの配慮が行われるようになってきている。またそれと同時に利用者側の特質への関心が高まり、可能な限り広い範囲の利用者をカバーする設計思想であるユニバーサルデザイン取り入れられるようになってきた。

0008

ユニバーサルデザインは、ノーマライゼーションを物のレベルで実現しようとする設計思想でもある。よってその根源には『自己決定権の保障』が在り、ユニバーサルデザインでは特に物(商品)を選択する場面において、選定対象の種類に制約を与えないことで、選定者の“主体的な意思の自由度”を社会的平均レベルに近づけそれを保つことを志向する。“主体的な意思の自由度”を確保することは人間の本然と捉えられる。従ってユニバーサルデザイン思想の根源に遡ると、本来は商品を選択する場面のみならず、利用場面でも様々なレベルで“主体的な意思の自由度”を確保することが望ましいと思われる。

0009

しかしながら、これを妨げる要因は物(商品)を構成する物理的な要素だけではない。心理的障害も存在する。日常生活での行動は、主体的な意思による能動的要因と社会環境から受ける受動的要因とのバランスにより決定されているため、外(社会一般)からどのように見られているかもその一要因となる。特に自動車のように他者の目に触れる場所で利用される商品についてはその商品の市場受容性に与える影響が大きい。

0010

上述の考え方から、ユニバーサルデザイン商品を考える上で、利用場面で“主体的な意志の自由度”を確保することと、他者からどう見られているか?の2点は、非常に重要である。

0011

このような観点から上記従来技術を捉えると、乗降動作の動きの主体が乗降補助装置になり、利用者の動きは従となっている。即ち、機器の動きに人間が従属する形となり利用者に人間性疎外感が生じるという課題があった。

0012

また乗降補助装置による乗降動作と通常行われる乗降動作との差違が大きくなり、第三者からの見られ方を意識する利用者側の心理的抵抗が発生するという課題があった。

0013

従って、従来技術にある乗降補助装置無しには自動車への乗降が不可能な利用者にとっては他に選択の余地が無く受け入れられるものの、残存能力により乗降可能であるが乗降動作が不自然になりがちな利用者への受容拒絶される傾向にあった。

0014

また、ユーザビリティの観点からも従来技術は次の問題点がある。
降車時の足の着地性は、着座状態から車両外側に出した立ち足の着地性として考えられるが、シート座面のヒップポイント(HP)地上高が高くなることで降車時の足の着地性が低化し動作が不自然になる。
頭上の空間を必要とし、通常の乗用車では乗降時に頭上のクリアランスをとるために、上半身がかえって不自然な姿勢となる。
乗員の姿勢は一定でないため、降車時に乗員のヒップポイントが座面のどこにあるのかにより、乗降性能が左右される。
動作主体可変機構となるため、乗車時では、座面に体重をゆだねたまま後ろ向きに乗るため、上半身は直立した状態となり車体と干渉し易くなる。

0015

さらに上記技術思想具現化しようとすると、乗降者の体格個人差をカバーするためにその調整域を広く取る必要があるとともに、足の着地性悪化を防ぐために、シート座面を傾斜させる前に車体外側車幅方向)にシートを移動させ、サイドシル等の足の着地性を疎外する要因の排除する等の対応が必要となり独立シートにしか適用できないという問題点があった。

0016

また、シートを回転させて車外へスライドさせるために、機構が複雑になり、乗降補助装置の重量、コスト及び機構を収納する空間等が増すという副次的な問題点があった。

0017

以上の問題点に鑑み本発明の目的は、シートに回転機能とスライド機能とを設けること無く、また広い乗降スペースが無くとも乗降動作の補助を行うことができる乗降動作補助装置を提供することである。また本発明の目的は、中程度ないし軽度の動作障害者や前期高齢者にも受け入れられる乗降動作補助装置を提供することである。また本発明の目的は、乗降姿勢動作に応じて最適な乗降補助力を発生することができる乗降動作補助装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0018

上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、自動車に装備される乗降動作補助装置において、シートのサイドサポート部から大腿部押圧することにより、から上の身体の重心を立ち足上方に近づける補助力を発生する補助力発生手段を備えたことを要旨とする。

0019

上記目的を達成するために請求項2記載の発明は、請求項1記載の乗降動作補助装置において、前記補助力発生手段は、シートのサイドサポート内に内蔵した容量可変エアマットと、該エアマットへ圧縮空気を送るコンプレッサと、を備えたことを要旨とする。

0020

上記目的を達成するために請求項3記載の発明は、請求項2記載の乗降動作補助装置において、乗降動作時に乗員が把持可能なアシストグリップと、乗員の乗降動作過程で前記アシストグリップに加わる荷重を検出するアシストグリップ荷重検出手段と、シートのサイドサポート部への荷重を検出するサイドサポート部荷重検出手段と、前記アシストグリップ荷重検出手段と前記サイドサポート部荷重検出手段により検出された荷重に基づいて前記補助力発生手段が発生すべき補助量を演算する補助量演算手段と、前記補助量演算手段の出力に基づき前記コンプレッサを駆動する駆動回路と、を備えたことを要旨とする。

0021

上記目的を達成するために請求項4記載の発明は、請求項3記載の乗降動作補助装置において、前記アシストグリップは、ドア開時に表出する後輪ホイールハウスアウターパネル上に枢着されたアシストグリップであることを要旨とする。

0022

上記目的を達成するために請求項5記載の発明は、前ヒンジ式後席ドアを備えた乗用車の後席乗降用に設置された請求項1記載の乗降動作補助装置において、前記後席に乗降する乗員に対して乗降補助力を発生する乗降補助力発生手段と、前席シートバックショルダー部と略一致する上下位置、且つ前記シートバック側方と車体内装部材との間に位置する横方向位置に枢着された第一アシストグリップと、第一アシストグリップに加わる荷重を検出する第一アシストグリップ荷重検出手段と、後席ヒップポイントと略一致する上下方向位置で、後輪ホイールハウスアウターパネル上に枢着された第二アシストグリップと、第二アシストグリップに加わる荷重を検出する第二アシストグリップ荷重検出手段と、シート座面外側方部の前方荷重を検出する座面前側方部荷重検出手段と、シート座面外側方部の後方荷重を検出する座面後側方部荷重検出手段と、を備え、前記第一、第二アシストグリップ荷重検出手段、前記座面前側方部荷重検出手段および前記座面後側方部荷重検出手段の各検出値に基づいて、前記乗降補助力発生手段が発生する乗降補助力の発生方法を変更することを要旨とする。

0023

上記目的を達成するために請求項6記載の発明は、請求項5記載の乗降動作補助装置において、前記第一アシストグリップ荷重検出手段もしくは第二アシストグリップ荷重検出手段から検出値が検出され、且つ、前記座面前側方部荷重検出手段からの荷重検出値が無く、前記座面後側方部荷重検出手段から荷重検出値が検出された時、前記乗降補助力発生手段は、前記第一、第二アシストグリップ荷重検出手段の検出値に応じた大きさの補助力によって、起立動作時の上半身体中心方向に略一致した向きで、大腿部への補助力を発生させることを要旨とする。

発明の効果

0024

請求項1記載の発明によれば、自動車に装備される乗降動作補助装置において、シートのサイドサポート部から大腿部を押圧することにより、膝から上の身体の重心を立ち足上方に近づける補助力を発生する補助力発生手段を備えたことにより、シートに回転機能とスライド機能とを設けること無く、また広い乗降スペースが無くとも乗降動作を補助することができるという効果がある。

0025

また健常者の乗降動作に近い乗降動作で補助力を受けた乗降動作を行えるので、中程度ないし軽度の動作障害者や前期高齢者にも心理的な抵抗感がなく容易に受け入れられるという効果がある。

0026

さらに体格差によらない乗降動作の補助力発生を少量の可動部で実現することができるという効果がある。

0027

請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記補助力発生手段は、シートのサイドサポート内に内蔵した容量可変のエアマットと、該エアマットへ圧縮空気を送るコンプレッサと、を備えたことにより、補助力発生装置が小型軽量になるとともに、不使用時に収縮させることができるので、乗降動作補助装置を備えた座席のヒップポイントを高めることなく、通常の乗用車に適用可能となる。

0028

また、ヒップスペース減少による乗り心地を悪化させることなく乗降動作補助装置を提供することができるという効果がある。

0029

請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、乗降動作時に乗員が把持可能なアシストグリップと、乗員の乗降動作過程で前記アシストグリップに加わる荷重を検出するアシストグリップ荷重検出手段と、シートのサイドサポート部への荷重を検出するサイドサポート部荷重検出手段と、前記アシストグリップ荷重検出手段と前記サイドサポート部荷重検出手段により検出された荷重に基づいて前記補助力発生手段が発生すべき補助量を演算する補助量演算手段と、前記補助量演算手段の出力に基づき前記コンプレッサを駆動する駆動回路と、を備えたことにより、各荷重検出手段が検出した荷重により発生すべき乗降補助力の大きさと乗降補助力を発生すべき時期とを判定することができるようになり、最適な大きさの乗降補助力を適切な時期に発生することができるという効果がある。

0030

請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の効果に加えて、前記アシストグリップは、ドア開時に表出する後輪ホイールハウスアウターパネル上に枢着されたアシストグリップであるとしたので、乗員の自然な乗降動作により掴むことができるアシストグリップを利用しているため、乗員は乗降動作補助装置の駆動を意識することなく利用できるという効果がある。

0031

請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前ヒンジ式後席ドアを備えた乗用車の後席乗降用に設置された請求項1記載の乗降動作補助装置において、前記後席に乗降する乗員に対して乗降補助力を発生する乗降補助力発生手段と、前席シートバックショルダー部と略一致する上下位置、且つ前記シートバック側方と車体内装部材との間に位置する横方向位置に枢着された第一アシストグリップと、第一アシストグリップに加わる荷重を検出する第一アシストグリップ荷重検出手段と、後席ヒップポイントと略一致する上下方向位置で、後輪ホイールハウスアウターパネル上に枢着された第二アシストグリップと、第二アシストグリップに加わる荷重を検出する第二アシストグリップ荷重検出手段と、シート座面外側方部の前方荷重を検出する座面前側方部荷重検出手段と、シート座面外側方部の後方荷重を検出する座面後側方部荷重検出手段と、を備え、前記第一、第二アシストグリップ荷重検出手段、前記座面前側方部荷重検出手段および前記座面後側方部荷重検出手段の各検出値に基づいて、前記乗降補助力発生手段が発生する乗降補助力の発生方法を変更するようにしたので、アシストグリップにかかる荷重を検出して、乗降動作補助装置を作動させることができ、乗員の動作意思に基づいた補助力の発生を行うことが出来るという効果がある。

0032

請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加えて、前記第一アシストグリップ荷重検出手段もしくは第二アシストグリップ荷重検出手段から検出値が検出され、且つ、前記座面前側方部荷重検出手段からの荷重検出値が無く、前記座面後側方部荷重検出手段から荷重検出値が検出された時、前記乗降補助力発生手段は、前記第一、第二アシストグリップ荷重検出手段の検出値に応じた大きさの補助力によって、起立動作時の上半身体中心方向に略一致した向きで、大腿部への補助力を発生させるようにしたので、降車動作を行う乗降者に対して、適切なタイミングと適量の補助力により動作補助を行うことが出来るという効果がある。

発明を実施するための最良の形態

0033

次に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。

0034

<技術思想の説明>本発明は、従来技術の臀部(ヒップポイント)を支持した座面の位置(車幅方向、高さ方向)/傾斜角度/向きを変えるという技術思想とは異なり、大腿部の押圧により乗降動作を補助するという技術思想に基づいている。この技術思想が自動車の乗降動作において効果を生じる理由を述べる。

0035

自動車の着座状態から降車時立ち上がり動作を持ち上げるときの動作)に着目すると、次のような動作が行われている。

0036

一般健常者の立ち上がり動作
立ち足の上に上半身のほぼ重心が乗るまで前屈し、同時に肩がほぼアシストグリップのほぼ上方にくる姿勢をとる(主に横方向の重心移動)。

0037

伸脚とアシストグリップを力点として上腿押し上げて立ち上がる(主に上下方向の重心移動)。

0038

アシストグリップは立ち足よりも後方にあるため、立ち上がると同時に重心は前方に移動し、体重が完全に立ち足の上にくる。

0039

まず、立ち足近くへの横方向の重心移動が行われ、次に上下方向の重心移動が行われていることが特徴である。

0040

最初の立ち足近くへの横方向の重心移動が十分におこなえないと、上下方向の重心移動が非常に困難になる。

0041

高齢者の立ち上がり動作(柔軟性を特に欠いた後期高齢者)の特徴
これに対し、身体の柔軟性が低下した高齢者では、以下の2点の特徴がある。
前屈姿勢が十分にとれず立ち足の上方近辺まで重心が移動できない。

0042

同時に肩の位置をアシストグリップのほぼ上方にもってくることができず、効率的な力の発生ができない。

0043

また、動作初期の重心移動は立ち上がり動作において非常に重要であるのにもかかわらず、そのための動作である前屈動作が困難な利用者では、腰の角度(ヒップアングル)の大きいまま立ち足を中心に身体を回転させなければならない。従って、これらの動作特徴補償するために、勢いをつけて上半身を回転させることがある。この動作は立ち足の接地と重心移動がほぼ同時になる動作であり、足下の確認も不十分なまま重心が移動するため動作が不自然になりやすい。よって、この部分をアシストすることで乗降動作の負荷は効果的に軽減される。

0044

本発明は、特に残存能力により乗降動作が可能であるが身体的要因によりその動作が不自然になりやすい利用者の乗降動作を補助する。具体的には、身体機能、特に柔軟性と筋力の低下により乗降動作が困難になりつつある高齢者と、前屈姿勢をとりにくい妊婦を対象にしている。このような利用者においては、身体機能による安定性を補償する行為として、乗車時には腰から乗り込む姿勢動作を行い、降車時には両足を外側に出してから腰を持ち上げる姿勢動作を行う傾向があるため、これらの乗降動作を自然に補助する補助力を発生すること狙いとしている。

0045

本発明は、このように初期の横方向の重心移動をサポートすることで、動作負荷が効果的に軽減されることに着目している。膝から上の姿勢を一定のまま膝関節を中心に回転モーメントを発生させることで、横方向の重心移動を行うことを狙いに動作補助力を発生させている。これに対して、従来の技術思想では、HPを高くすることにより、伸脚力を発生しやすい膝関節に広げ、自力による重心上下移動距離を短くするという発想に基づいていると言える。

0046

このような技術思想に基づいているため、本発明では従来技術で行ってるようなヒップポイント(HP)を持ち上げる必要はない。膝を中心に上半身を回転させる補助力を大腿部に対して発生させることによりこの目的が達成される。

0047

〔第一実施形態〕
[第一実施形態の構成]図1は、本発明に係る乗降動作補助装置の第一実施形態の構成を示すシステム構成図であり、請求項1及び請求項2に対応する。

0048

図1において、第一実施形態の乗降動作補助装置は、シート1のサイドサポート2から大腿部を押圧することにより、膝から上の身体の重心を立ち足上方に近づける補助力を発生する補助力発生手段として、シート1のサイドサポート2内に内蔵した容量可変のエアマット3と、アクチュエータとしてエアマット3の形状を可変とするため、送気管7を介してエアマット3へ圧縮空気を送るコンプレッサ5と、を備えている。

0049

また、乗降動作補助装置は、乗降動作時に乗員が把持可能なアシストグリップ9と、乗員の乗降動作過程でアシストグリップ9に加わる荷重を検出するアシストグリップ荷重検出手段としてのアシストグリップ荷重センサ11と、シートサイドサポート2への荷重を検出するサイドサポート部荷重検出手段としての座面側方部荷重センサ13と、アシストグリップ荷重センサ11と座面側方部荷重センサ13により検出された荷重により乗降補助力発生量を演算する補助量演算手段としての補助量演算部16と、補助量演算部16の出力に基づきコンプレッサ5を駆動する駆動回路17と、を備えている。補助量演算部16及び駆動回路17は、制御装置15としてまとめられ、例えばシート1の下に配設される。

0050

アシストグリップ荷重センサ11は、乗員の乗降動作にアシストグリップ9にかかる力を検出し、制御装置15の補助量演算部16に入力する。また座面側方部荷重センサ13は、乗員の乗降動作にアシストグリップ9にかかる力を検出し、制御装置15の補助量演算部16に入力する。補助量演算部16は、これら荷重センサ11,13の荷重検出値に基づいて、エアマット3が発生すべき乗降補助力の補助量を演算する。この補助量に応じて駆動回路17がコンプレッサ5の駆動信号を出力し、コンプレッサ5が圧縮空気をエアマット3へ送り込むことによって、エアマット3が膨張し、乗員の大腿部へ補助力を与える構造になっている。

0051

[乗降動作の補助]次に、降車時と、乗車時とに分けて、乗員の動作と本実施形態の乗降動作補助装置の動作を説明する。

0052

(1)降車時
乗員が着座状態から立ち上がるとき、特に前屈(前傾)時のヒップアングルを制約されている場合、動作者はその動作を行いがたいために車両の部材を掴む。適切で自然な場所にアシストグリップがある場合には、自然にそのアシストグリップを掴み、アシストグリップによる補助力が荷重としてかかる。アシストグリップにかかる荷重は、補助が必要な時ほど大きくなる。この特性を利用して、アシストグリップにかかる荷重をアシストグリップ荷重センサで検出し、検出した荷重に応じた大きさの補助力量を計算し、アクチュエータを作動させて補助力の発生を行う。補助が必要なときほど大きい荷重がアシストグリップ部にかかり、補助力を強く発生する。これによって、乗員は本発明による乗降補助装置の作動を意識することなく、降車動作が補助される。

0053

(2)乗車時
対象としている高齢者や妊婦が好む乗車パターンとして、後ろ向きになって腰から車内に入り、ゆっくり腰を下ろす。このとき座面側方部は大腿部で押圧される。次いで、腰を中心として車両外側からシート前方レッグルームへ両足を回転させて車内へ入れるという動作が観察されている。特に胎児を擁する妊婦においては、腰をシートに急激に落とす行為は望ましくなく、この動作を補助する。乗車時にホイールハウス部のグリップを利用することで大腿部の支持補助を受けながらゆっくりと着座することが出来る。

0054

[第一実施形態の制御方法]次に、第一実施形態の制御仕様図2フローチャートを参照して説明する。まず、アシストグリップ9に加わる荷重を検出するアシストグリップ荷重センサ11と、シートサイドサポート部への荷重を検出する座面側方部荷重センサ13とで並行して荷重が検出される(ステップS10,ステップS12)。

0055

次いで、補助力が必要な動作時にのみ補助力を発生させるために、アシストグリップ荷重センサ11及び座面側方部荷重センサ13が共に荷重を検出したか否かを判定し(ステップS14)、両方が共に荷重を検出したときに、検出された値に基づいて補助量演算部16が補助量の演算を行う(ステップS16)。いずれか一方、または両方共の荷重センサが荷重を検出しないときには、最初へ戻る。

0056

次いで、ステップS16で演算された補助量を基に駆動回路17がアクチュエータであるコンプレッサ5を駆動する(ステップS18)。コンプレッサ5の駆動によってサイドサポート内のエアマット3が膨張し(ステップS20)、乗降動作を行っている乗員の大腿部に対して補助力を発生する。

0057

乗降動作が終わると、乗員はアシストグリップ9から手を放すので、アシストグリップ荷重センサ11の検出荷重は0となる。制御装置は、このアシストグリップ荷重センサの検出値が0となるのを検出すると(ステップS22の判定がYes)、所定時間(例えば数秒)経過するまで待ち、所定時間経過すると(ステップS24の判定がYes)、エアマット3またはコンプレッサ5に設けられた空気バルブ解放してエアマット3を収縮させて(ステップS26)、最初の状態に戻る。

0058

〔第二実施形態〕本発明者らの観察によると、通常の降車動作は、図14の(a),(b),(c)にそれぞれ示す3パターンに大分類される。ここでは便宜的にそれぞれA/B/Cパターンとして区分する。

0059

Aパターン:上半身を斜め前に出し、シルを跨いだ状態で腰を持ち上げる。
Bパターン:上半身を外側に向け、シルを跨いだ姿勢で腰を持ち上げる。
Cパターン:上半身を車両外側に向け、両足を出した姿勢で腰を持ち上げる。

0060

この他に後ろ向きになって後ずさりするように降りるDパターンが観察されているが、これは殆どの場合、フロアの高さが一般乗車用よりも高い車両に多く観察される動作である。

0061

[第二実施形態の乗降補助のターゲット]第二実施形態では一般乗用車での降車動作を補助することを狙いとし、特に人口比率の多いAパターンの降車動作を補助することに焦点を当てて考察した。

0062

[Aパターン概要と動作の特徴]Aパターンの動作は、若年健常者から加齢による身体機能低下度の低い利用者まで含む。若年健常者においては乗降補助力を必要としないが、高齢化の程度が低い前期高齢者においては、若干の補助力を与えると乗降動作が安定する。両者の乗降動作はほぼ同じと考えて良い。

0063

このAパターンの乗降動作の特徴は、次の4点にある。第一に、腰を持ち上げる上方向の移動と、ドアの横(シルと開かれたドアの間)に移動する横方向の移動が同時に行われる。第二に、上半身を斜めに傾けた状態で立ち上がる。第三に、ドアとの干渉を避けるために上半身をる。第四に、シルを左右に跨いだ状態で腰を持ち上げる。

0064

[身体支持の特徴及び利用するアシストグリップ]また、このAパターンの降車動作を後部座席から行う場合、前席のシートバックの車両外側上部を掴む傾向がある。シートバック上部を掴むにはかなりの握力を必要とするため、この近辺に掴みやすいグリップ(以下、第一アシストグリップと呼ぶ)がある場合には、シートバックよりも第一アシストグリップを利用した動作となる。Aパターンでは、主にこの第一アシストグリップが利用される。筋力の低下により、第一アシストグリップによる補助のみでは不十分な場合には、後席シートバック側方に設けられた第二アシストグリップも用いられる。(図3参照)。

0065

このように、Aパターンの動作をさらに分類すると、次のA1,A2,A3,A4の各パターンが含まれる。
A1パターン:ハンドアシストを全く利用しない。外側の手はドアのインサイドグリップを掴み、ドア開度を調節しながら降りる場合を含む。
A2パターン:筋力の低下が大きくなく、内側の手で第一アシストグリップのみを用いる。外側の手はドアのインサイドグリップを掴み、ドア開度を調節しながら降りる場合を含む。
A3パターン:筋力の低下が進み、内側の手で第一アシストグリップ、外側の手で第二アシストグリップを用いる。
A4パターン:利用者の身体寸法と、車両寸法との関係から第一アシストグリップに手が届かず外側の手で第二アシストグリップのみを用いる。

0066

[Aパターンに適切な大腿部支持サポート部材の補助力発生方法]Aパターンの降車動作は、腰を持ち上げる上方向の移動と、ドアの横(シルと開かれたドアの間)に移動する横方向の移動が同時に行われるのが特徴であり、その動作を補助するためには鉛直方向の動作補助だけでなく、横方向の動作補助を同時に行うことが望ましい。このため大腿部支持サポート部材の支持方向は、車両外側に傾いた斜め上方への補助力発生となる。この斜め上方の方向は、本発明を適用する車両レイアウト(HPの地上高、HP〜シル外端寸法など)との関係で適切な補助力発生方向が変化する。

0067

[乗降動作パターンの識別方法]Aパターンで共通する動作は、足を左右に広げてシルを跨ぐ姿勢をとることにある。このため、シート座面側部の車両後方側にのみ荷重が掛かるため、シート座面側部の前部と後部の荷重を検出することによりAパターンであることを識別できる。

0068

また、補助力を必要としない若年健常者の降車動作と、補助力を必要とする高齢者の動作との違いは、若年健常者では降車動作が速く、補助力を必要とする高齢者では降車動作が遅くなることである。従って、このアシストグリップにかかる荷重変動の速さの違いにより補助力の要不要を判定する。荷重変動の速さが所定の値を越える場合には、補助力発生を行わず、荷重変動の速さが所定値を越えない場合には補助力発生を行うようにしている。

0069

[第二実施形態の構成]第二実施形態の構成を図3に示す。シート1の車両外側向きのサイドサポート2には、乗降動作補助力発生手段として、内側に第一エアマット3,外側に第二エアマット4が埋め込まれ、それぞれ送気管7,8を介して第一、第二のアクチュエータであるコンプレッサ5,6から圧縮空気が送り込まれるようになっている。そして、コンプレッサ5,6から第一、第二エアマット3,4へ送り込む圧縮空気の量を制御することにより、第一、第二エアマット3,4の膨張の度合いを制御し、乗降する乗員の大腿部へ与える乗降補助力の量及び方向を制御する。

0070

また、シート1の座面側方部の前後に、座面前側方部荷重センサ13と座面後側方部荷重センサ14が設けられている。これらの荷重センサ13,14は、例えばひずみゲージタイプの荷重センサが用いられる。各荷重センサ13,14は、制御装置20内の降車パターン判断部21に接続され、降車パターン判断部21は検出値に応じて降車パターンがAパターンか否かを判断する。Aパターンと判断したときにアクチュエータ駆動指令値演算部23は、Aパターンに対応したアクチュエータ駆動指令値を演算し、演算結果に応じた駆動指令値信号が駆動回路25,24にそれぞれ出力されるようになっている。駆動回路25,24は、それぞれ第一、第二アクチュエータであるコンプレッサ5,6を駆動し、それぞれ送気管7,8を介して第一、第二エアマット3,4の容積を可変とする。

0071

さらに、乗降動作を補助するために、第一、第二アシストグリップが設けられ、乗員がこれらアシストグリップを掴んで体を支えるときに、アシストグリップに掛かる荷重を検出するため、第一、第二アシストグリップ荷重センサ11,12が設けられている。これらアシストグリップ荷重センサ11,12の検出値は、制御装置20の補助量演算部22へ入力され、荷重の掛かる速度、及び各荷重センサの検出値の大きさが判定される。

0072

補助量演算部22は、荷重の掛かる速度が所定値より大きければ、乗降動作を行う乗員が動作の敏捷な若年健常者であると判断して、補助量は0とし、補助力の発生は行わない。荷重の掛かる速度が所定値以下の時、各アシストグリップ荷重センサ11,12に掛かる荷重の大きさに基づいて、第一、第二エアマット3,4がそれぞれ発生すべき補助力の大きさを演算して、演算結果をアクチュエータ駆動指令値演算部23へ送る。アクチュエータ駆動指令値演算部23は、補助量演算部22の演算結果と、降車パターン判断部21の判断結果に基づいて、第一、第二コンプレッサ5,6に対する駆動指令値を演算する。第一、第二コンプレッサがそれぞれ圧縮空気を送る第一、第二エアマット3,4の容量変化比を変えることにより、補助力発生方向をコントロールすることが出来る構造になっている。

0073

[アシストグリップの詳細]図4は、第一アシストグリップの構造例を説明する(a)平面図、(b)側面図、(c)A−A線断面図である。第一アシストグリップ9は、乗降動作時に内側となる手、即ち左席であれば右手右席であれば左手掌握されるように設けられるものである。そして、第一アシストグリップ9は、上記内側の手で掌握するためのグリップ掌握部31と、グリップ掌握部31を掌握しやすいように回動可能に支持すると共に車内へ突出させる突出部32と、車体内側に取り付けるための複数の取付穴34を設けた取付部33とを備えている。そして、突出部32の内側にはグリップ掌握部31に掛かる荷重を検出するための例えば歪みゲージ式の荷重センサ35(図3では第一アシストグリップ荷重センサ11)が配設されている。

0074

図5は、第一アシストグリップの装着位置の例を説明する車体略中央部横断面図であり、後席乗降用とした第一アシストグリップの装着位置を示している。同図に示すように、第一アシストグリップ9は、前席シート40のシートバックショルダー部41と略一致する上下位置と、前記シートバック側方と車体内装部材、例えばセンターピラー43の内装材との間に位置する横方向位置と、ドアを略90度開時(ドア全開角度が90度以下の場合には全開時)のドアインナートリム基本面延長面に略一致する位置に枢着されることが好ましい。

0075

図6は、第二アシストグリップの構造例を説明する側面図であり、後席乗降用とした第二アシストグリップを説明している。第二アシストグリップ10は、乗降動作時に外側となる手、即ち左席であれば左手、右席であれば右手で掌握されるように設けられるものである。そして、第二アシストグリップ10は、上記外側の手で掌握するために車体に回動可能に装着されたグリップ掌握部51と、グリップ掌握部51に掛かる荷重を検出するための例えば歪みゲージ式の荷重センサ52(図3では第二アシストグリップ荷重センサ12)とを備えている。

0076

図7は、第二アシストグリップ10の装着位置の例を説明する車両要部斜視図であり、後部左席用の第二アシストグリップの例を示している。同図において、後席シート55の外側には、図示しない後ドアが開いたときに露出する後輪ホイールハウスアウターパネル53がある。そして後席シート55のヒップポイントと略一致する上下方向位置で、後輪ホイールハウスアウターパネル53上に第二アシストグリップ10が枢着されている。上記後席ヒップポイントは、例えば、JIS−D0024『自動車におけるH点の決め方』で規定される後席ヒップポイントである。そして、第二アシストグリップ10には、乗員が下方へ押さえつける力56、および車両内側へ引っ張る力57を検出可能なように、荷重センサが設けられている。

0077

図8は、第一アシストグリップ及び第二アシストグリップの装着位置の他の例を説明する車両要部平面図であり、左側の後席シート55の乗員用の第一、第二アシストグリップ9,10を示している。同図に示すように、左側のセンターピラー43に第一アシストグリップ9が設けられている。また、後ドア61が開いた際に露出する後輪ホイールハウスアウターパネル53上に第二アシストグリップ10が設けられている。

0078

図9は、第一アシストグリップ及び第二アシストグリップの装着位置の他の例を説明する車両要部側面であり、左側の後席シート55の乗員用の第一、第二アシストグリップ9,10を示している。同図に示すように、左側のセンターピラー43に略全席シート40のシートバックショルダー部の高さに第一アシストグリップ9が設けられている。また、図示しない後ドアが開いた際に露出する後輪ホイールハウスアウターパネル53上に第二アシストグリップ10が設けられている。

0079

以上、図4ないし図9に示した第一アシストグリップ9に内蔵された第一アシストグリップ荷重センサ11(35)と、第二アシストグリップ10に内蔵された第二アシストグリップ荷重センサ12(52)は、図3の制御装置20内の補助量演算部22に接続されている。補助量演算部22は、各アシストグリップ荷重センサ11,12によって出力された検出値が入力され、その値に応じて補助力の値を演算し出力することができる。

0080

アクチュエータ駆動指令値演算部23は、降車パターン判断部21と補助量演算部22とに接続され、各出力から、第一アクチュエータ5および第二アクチュエータ6を駆動するための指令値を演算する。指令値を受けた第一および第二アクチュエータ(コンプレッサ)5,6は、シート1のサイドサポート2に設けられた容積可変の第一エアマット3,第二エアマット4の容量をそれぞれ変化させて所望の方向へ所望の大きさで乗降補助力を発生する。

0081

[第二実施形態の制御方法]次に図10のフローチャートを参照して、第二実施形態における制御装置の処理内容を説明する。ここで、第一アシストグリップ荷重センサ11の検出値をWg1、第二アシストグリップ荷重センサ12の検出値をWg2とし、シート座面外側方部の前方荷重を検出する座面前側方部荷重センサ13からの検出値をWf、シート座面外側方部の後方荷重を検出する座面後側方部荷重センサ14からの検出値をWrとする。

0082

まず、アシストグリップ部の荷重検出(ステップS30)と座面側方の荷重検出(ステップS32)とを並行して行う。即ちステップS30では、第一アシストグリップ荷重センサ11の検出値Wg1,第二アシストグリップ荷重センサ12の検出値Wg2を制御装置へ読み込むとともに、ステップS32では、座面前側方部荷重センサ13の検出値Wf、座面後側方部荷重センサ14の検出値Wrを制御装置へ読み込む。

0083

次いで、これら検出値Wg1,Wg2,Wf,Wrに基づいてグリップ部と座面に荷重があるか否かを判定し(ステップS34)、荷重がなければ最初に戻る。ステップS34の判定がYesの場合、即ちグリップ部と座面との両者に荷重があれば、補助力発生が必要な乗降動作が開始されたと判断して、補助量Fの演算を行う(ステップS36)。

0084

補助量Fの演算においては、乗員がアシストグリップに掛ける荷重が大きいほどより多くの補助量を必要とすることから、アシストグリップ荷重センサの検出値が大きいほどの基本となる補助量Fを大きくしている。即ち、第一アシストグリップ荷重用係数Ka1と第二アシストグリップ荷重用係数Kb2によって、次に示す式(1)により補助量Fの算出が可能になる。

0085

次いで、座面前側方部荷重センサ13の検出値Wf、座面後側方部荷重センサ14の検出値Wrに基づいて、乗降パターンがAパターンであるか否かを判定する(ステップS38)。Aパターンの乗降動作の特徴から、座面前側方部への身体荷重は0となり、座面後側方部への身体荷重が検出される。よって、この判定条件は、Wf=0、かつWr>0となる。

0086

次いで、第一エアマット3と第二エアマット4とのそれぞれによる補助力の発生量をコントロールすることにより、乗降パターンに応じた補助力発生方向を変えるために、各アクチュエータを駆動する指令値Ac1Ac2を個別に演算するための係数K1,K2を設定する(ステップS40,42)。

0087

即ち、ステップS38の判定がYes、Aパターンであれば、K1=Ca1,K2=Ca2に設定し(ステップS40)、ステップS38の判定がNo、Aパターンでなければ、K1=Cd1,K2=Cd2に設定する(ステップS42)。

0088

次いで、各アクチュエータ5,6を駆動する指令値Ac1、Ac2を式(2)、(3)により個別に演算する(ステップS44)。

0089

そして、演算した指令値Ac1、Ac2により、それぞれ第一、第二アクチュエータ5,6を駆動することにより、第一、第二エアマット3,4の容量を変化させて、乗降者に補助力を与える(ステップS46)。

0090

乗降動作が完了すると、乗員は第一、第二アシストグリップ9,10を手放すので、第一、第二アシストグリップ荷重センサ11,12の各検出値Wg1,Wg2は、共に0になる。このため、乗降動作終了を検出するために、これらの検出値を読み込んでグリップ部に荷重があるか否かを判定する(ステップS48)。荷重がなくなると、所定時間(例えば、10秒)経過するまで待ち(ステップS50)、所定時間経過後に第一、第二エアマット3,4を収縮させて最初に戻る(ステップS52)。尚、ステップS50で所定時間待つ代わりに、例えばドアが閉じられたことをドアスイッチ等で検出してもよい。

0091

〔第三実施形態〕次に、本発明に係る乗降動作補助装置の第三実施形態を説明する。第三実施形態は、一般乗用車における降車動作を補助する乗降動作補助装置であり、特にBパターンの降車動作を補助して安全な降車を実現することを目的としている。

0092

[Bパターン概要と動作の特徴]Bパターンの動作は、柔軟性が低下した高齢者に多く見られる降車動作である。この動作の特徴は、腰を持ち上げる動作と、身体の向き変える動作とが分離している点にあり、まず、身体の向きを外向きに変えて、シルを前後に跨いだ状態で腰を持ち上げる動作となる。

0093

第二実施形態が対象としたAパターンの動作は、体の向きを変える動作と腰を持ち上げる動作とが同時に行われるのに対して、第三実施形態が対象とするBパターンの動作は、体の向きを変える動作と、腰を持ち上げる動作が個別に行われている点が大きく異なり、シルを跨いだ状態で腰を持ち上げる点は両者が共通している。但し、身体の向きが車両外側に向くため、Aパターンでは左右に足を広げてシルを跨ぐ動作となるのに対し、Bパターンでは足を前後に広げてシルを跨ぐ動作となる。

0094

[身体支持の特徴及び利用するアシストグリップ]このBパターンの降車動作を後部座席から行う場合、まず身体の向きを変えるために、前席のシートバックの車両外側上部を掴む傾向がある。Aパターンと同様に、シートバック上部を掴んで体を支えるにはかなりの握力を必要とするため、この近辺に掴みやすいアシストグリップがある場合には、シートバックよりもアシストグリップを利用した動作となる。Bパターンでは、身体の向きを変えながら外側に足を出す動作となるため、自然に下方向(眼の高さより下)へ注意が向くと同時に身体の回転方向であるリヤホイールハウス視界に入る。また、Bパターンの動作を行う乗降者は、両手での支持を好む傾向にある。このためホイールハウス周辺に掴みやすいアシストグリップがあると、このアシストグリップを自然に利用した動作になる。逆に、ここにグリップがないとで身体を支える姿勢をとる場合もある。

0095

[Bパターンに適切な大腿部支持サポート部材の支持方法]Bパターンでは足を前後に広げてシルを跨ぐ動作となる結果、腰を持ち上げた後に車室内側に残された後方の足を外に引き出すため、シル上方を通過する時につま先がシル段差(シルとフロアの段差部)に引っかかりやすい動作となっている。

0096

よって、車両外側への力が働く補助力は無い方が望ましい。腰を持ち上げた後の足を引き出す動作は乗降者の動作速度で行えるよう、鉛直上方への補助力のみ発生させる。

0097

動作パターンの識別方法]Bパターンで起立動作直前の足を前後に開いてシルを跨ぐ姿勢をとった時、車両内側の足は車両外側の足に軽く添えられる形になる。このため、シート座面側方部前方にかかる身体荷重は、シート座面側方部後方にかかる身体荷重よりも小さい。

0098

従って、シート座面側方部前方と、シート座面側方部後方とにそれぞれ荷重検出手段を設け、この荷重分布を検出することにより、Bパターンであることを識別できる。

0099

[第三実施形態の構成]第三実施形態の装置構成は、図2に示した第二実施形態の構成と同様であり、また第一、第二アシストグリップの構造及び装着位置は、図4ないし図9に示した第二実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。

0100

[第三実施形態の制御方法]次に図11のフローチャートを参照して、第三実施形態における制御装置の処理内容を説明する。ここで、第一アシストグリップ荷重センサ11の検出値をWg1、第二アシストグリップ荷重センサ12の検出値をWg2とし、シート座面外側方部の前方荷重を検出する座面前側方部荷重センサ13からの検出値をWf、シート座面外側方部の後方荷重を検出する座面後側方部荷重センサ14からの検出値をWrとするのは、第二実施形態の動作を説明する図10のフローチャートと同様である。また、図10のフローチャートと同一処理内容のステップには、同一のステップ番号を付与している。

0101

まず、アシストグリップ部の荷重検出(ステップS30)と座面側方の荷重検出(ステップS32)とを並行して行う。即ちステップS30では、第一アシストグリップ荷重センサ11の検出値Wg1,第二アシストグリップ荷重センサ12の検出値Wg2を制御装置へ読み込むとともに、ステップS32では、座面前側方部荷重センサ13の検出値Wf、座面後側方部荷重センサ14の検出値Wrを制御装置へ読み込む。

0102

次いで、これら検出値Wg1,Wg2,Wf,Wrに基づいてグリップ部と座面に荷重があるか否かを判定し(ステップS34)、荷重がなければ最初に戻る。ステップS34の判定がYesの場合、即ちグリップ部と座面との両者に荷重があれば、補助力発生が必要な乗降動作が開始されたと判断して、補助量Fの演算を行う(ステップS36)。

0103

補助量Fの演算においては、乗員がアシストグリップに掛ける荷重が大きいほどより多くの補助量を必要とすることから、アシストグリップ荷重センサの検出値が大きいほどの基本となる補助量Fを大きくしている。即ち、第一アシストグリップ荷重用係数Ka1と第二アシストグリップ荷重用係数Kb2によって、第二実施形態で説明した式(1)により補助量Fの算出が可能になる。

0104

次いで、座面前側方部荷重センサ13の検出値Wf、座面後側方部荷重センサ14の検出値Wrに基づいて、乗降パターンがBパターンであるか否かを判定する(ステップS60)。

0105

Bパターンの乗降動作の特徴から、WfとWr共に荷重が検出され、WfよりWrの方により大きい身体荷重が検出される。よって、この判定条件は、D1<Wf/Wr<D2となる。

0106

次いで、第一エアマット3と第二エアマット4とのそれぞれによる補助力の発生量をコントロールすることにより、乗降パターンに応じた補助力発生方向を変えるために、各アクチュエータを駆動する指令値Ac1、Ac2を個別に演算するための係数K1,K2を設定する(ステップS62,64)。

0107

即ち、ステップS60の判定がYes、Bパターンであれば、K1=Cb1,K2=Cb2に設定する(ステップS62)。ここで、Bパターンの場合には、K1=K2=Cb2に設定してもよい。ステップS60の判定がNo、Bパターンでなければ、K1=Cd1,K2=Cd2に設定する(ステップS64)。

0108

次いで、各アクチュエータ5,6を駆動する指令値Ac1、Ac2を第二実施形態で説明した式(2)、(3)により個別に演算する(ステップS44)。

0109

そして、演算した指令値Ac1、Ac2により、それぞれ第一、第二アクチュエータ5,6を駆動することにより、第一、第二エアマット3,4の容量を変化させて、乗降者に補助力を与える(ステップS46)。

0110

乗降動作が完了すると、乗員は第一、第二アシストグリップ9,10を手放すので、第一、第二アシストグリップ荷重センサ11,12の各検出値Wg1,Wg2は、共に0になる。このため、乗降動作終了を検出するために、これらの検出値を読み込んでグリップ部に荷重があるか否かを判定する(ステップS48)。荷重がなくなると、所定時間(例えば、10秒)経過するまで待ち(ステップS50)、所定時間経過後に第一、第二エアマット3,4を収縮させて最初に戻る(ステップS52)。尚、ステップS50で所定時間待つ代わりに、例えばドアが閉じられたことをドアスイッチ等で検出してもよい。

0111

〔第四実施形態〕次に、本発明に係る乗降動作補助装置の第四実施形態を説明する。第四実施形態では、一般乗用車での降車動作を補助することを狙いとし、特に、最も安定した動作を志向するCパターンの降車動作を補助することに焦点を当てている。

0112

[Cパターン概要と動作の特徴]Cパターンの動作は、AパターンやBパターンによる降車動作をとる乗降者よりも身体機能が低下した場合に多く見られる。また、加齢により身体機能が低下した利用者だけでなく、妊婦のように身体の柔軟性がなく、安定した動作を志向する利用者にも見られる。その他、足を広げることに物理的・心理的抵抗のある衣服を着用している場合にも、この動作がとられる。

0113

起立動作時には、足が接地できる範囲でヒップポイントの高さと足の高さの差が大きい方が動作をとりやすく、この点からは合理的な降車動作である。

0114

このCパターンの動作の特徴は、次に示す3点である。腰を持ち上げる動作の前に、身体の向きを変える。両足を車両外側に接地させてから起立動作に移るため動作の安定を保ちやすい。車両形状の関係から、起立動作直前の重心位置と足の位置が離れる。

0115

[身体支持の特徴及び利用するアシストグリップ]このCパターンの降車動作を後部座席から行う場合、Bパターンと同様にまず身体の向きを変えるため、前席のシートバックの車両外側上部を掴む傾向がある。またA/Bパターンと同様に、シートバック上部を掴むためにはかなりの握力を必要とするため、この近辺に掴みやすい第一アシストグリップがある場合には、シートバックよりも第一アシストグリップを利用した動作となる。また、身体の向きを変えながら両足を車両外側に出す動作となるため、自然に下方向(目の高さより下)へ注意が向くと同時に身体の回転方向であるリヤホイールハウスが視界に入る。また、Cパターンの動作を行う乗降者は、両手での支持を好む傾向がある。このためホイールハウス周辺に掴みやすい第二アシストグリップがあると、第二アシストグリップを自然に利用した動作になる。

0116

[Cパターンに適切な大腿部支持サポート部材の支持方法]Cパターンでは、外側に出した両足の接地位置人体の重心位置との横方向距離(降車者からみれば前後方向距離)が、起立動作のしやすさに影響する。即ち、この横方向距離が大きければ大きいほど、降車者を後ろ向きに倒すモーメントが大きくなるので起立動作が困難となる。

0117

通常の椅子に座った姿勢からの起立動作では、前屈姿勢をとることで重心を足の上方に移してこの横方向距離を短縮し、その後立ち上がる動作を行う。Cパターンの動作でも同様の動作が必要になるが、この動作パターンをとる乗降者は身体の柔軟性が低下し前屈姿勢をとりにくい。また、車体形状の関係から、外側に出した両足位置と重心位置との横方向距離が大きいと、その動作がさらに困難になる。このため、重心を鉛直方向に移動させる補助力を発生させるだけでなく、重心を足の上方に近づける横方向の補助力が必要となる。Aパターンで降車する場合に比べて、Cパターンで降車する場合の方が、より大きい横方向の補助力を必要とする。

0118

従って、Cパターンの大腿部支持サポート部材の乗降補助力発生方法は、車両側方での直立姿勢重心方向に略一致する向きで補助力を発生させる。厳密には、補助力発生方向は車両形状により変化するが、本実施形態では、車両外側上方に約45度の方向で補助力を発生させている。

0119

[識別方法]Cパターンでは、両足を接地させる姿勢となるため、座面側方の身体荷重は前方と後方とでほぼ同じ値となる。この座面荷重を検出することにより、Cパターンであることを識別する。

0120

[第四実施形態の構成]第四実施形態の装置構成は、図2に示した第二実施形態の構成と同様であり、また第一、第二アシストグリップの構造及び装着位置は、図4ないし図9に示した第二実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。

0121

[第四実施形態の制御方法]次に図12のフローチャートを参照して、第四実施形態における制御装置の処理内容を説明する。ここで、第一アシストグリップ荷重センサ11の検出値をWg1、第二アシストグリップ荷重センサ12の検出値をWg2とし、シート座面外側方部の前方荷重を検出する座面前側方部荷重センサ13からの検出値をWf、シート座面外側方部の後方荷重を検出する座面後側方部荷重センサ14からの検出値をWrとするのは、第二実施形態の動作を説明する図10のフローチャートと同様である。また、図10のフローチャートと同一処理内容のステップには、同一のステップ番号を付与している。

0122

まず、アシストグリップ部の荷重検出(ステップS30)と座面側方の荷重検出(ステップS32)とを並行して行う。即ちステップS30では、第一アシストグリップ荷重センサ11の検出値Wg1,第二アシストグリップ荷重センサ12の検出値Wg2を制御装置へ読み込むとともに、ステップS32では、座面前側方部荷重センサ13の検出値Wf、座面後側方部荷重センサ14の検出値Wrを制御装置へ読み込む。

0123

次いで、これら検出値Wg1,Wg2,Wf,Wrに基づいてグリップ部と座面に荷重があるか否かを判定し(ステップS34)、荷重がなければ最初に戻る。ステップS34の判定がYesの場合、即ちグリップ部と座面との両者に荷重があれば、補助力発生が必要な乗降動作が開始されたと判断して、補助量Fの演算を行う(ステップS36)。

0124

補助量Fの演算においては、乗員がアシストグリップに掛ける荷重が大きいほどより多くの補助量を必要とすることから、アシストグリップ荷重センサの検出値が大きいほどの基本となる補助量Fを大きくしている。即ち、第一アシストグリップ荷重用係数Ka1と第二アシストグリップ荷重用係数Kb2によって、第二実施形態で説明した式(1)により補助量Fの算出が可能になる。

0125

次いで、座面前側方部荷重センサ13の検出値Wf、座面後側方部荷重センサ14の検出値Wrに基づいて、乗降パターンがCパターンであるか否かを判定する(ステップS70)。

0126

Cパターンの乗降動作の特徴から、WfとWr共に荷重が検出され、WrとWrと身体荷重が略一致する。よって、この判定条件は、D2<Wf/Wr<D3となる。

0127

次いで、第一エアマット3と第二エアマット4とのそれぞれによる補助力の発生量をコントロールすることにより、乗降パターンに応じた補助力発生方向を変えるために、各アクチュエータを駆動する指令値Ac1、Ac2を個別に演算するための係数K1,K2を設定する(ステップS72,74)。

0128

即ち、ステップS70の判定がYes、Cパターンであれば、K1=Cc1,K2=Cc2に設定する(ステップS72)。ステップS70の判定がNo、Cパターンでなければ、K1=Cd1,K2=Cd2に設定する(ステップS74)。

0129

次いで、各アクチュエータ5,6を駆動する指令値Ac1、Ac2を第二実施形態で説明した式(2)、(3)により個別に演算する(ステップS44)。

0130

そして、演算した指令値Ac1、Ac2により、それぞれ第一、第二アクチュエータ5,6を駆動することにより、第一、第二エアマット3,4の容量を変化させて、乗降者に補助力を与える(ステップS46)。

0131

乗降動作が完了すると、乗員は第一、第二アシストグリップ9,10を手放すので、第一、第二アシストグリップ荷重センサ11,12の各検出値Wg1,Wg2は、共に0になる。このため、乗降動作終了を検出するために、これらの検出値を読み込んでグリップ部に荷重があるか否かを判定する(ステップS48)。荷重がなくなると、所定時間(例えば、10秒)経過するまで待ち(ステップS50)、所定時間経過後に第一、第二エアマット3,4を収縮させて最初に戻る(ステップS52)。尚、ステップS50で所定時間待つ代わりに、例えばドアが閉じられたことをドアスイッチ等で検出してもよい。

0132

〔第五実施形態〕次に、第五実施形態を説明する。第五実施形態の特徴は、図14のA、B、Cのすべての降車パターンに対応したことである。
[第五実施形態の構成]第五実施形態の装置構成は、図2に示した第二実施形態の構成と同様であり、また第一、第二アシストグリップの構造及び装着位置は、図4ないし図9に示した第二実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。

0133

[第五実施形態の制御方法]次に図13のフローチャートを参照して、第五実施形態における制御装置の処理内容を説明する。ここで、第一アシストグリップ荷重センサ11の検出値をWg1、第二アシストグリップ荷重センサ12の検出値をWg2とし、シート座面外側方部の前方荷重を検出する座面前側方部荷重センサ13からの検出値をWf、シート座面外側方部の後方荷重を検出する座面後側方部荷重センサ14からの検出値をWrとするのは、第二実施形態の動作を説明する図10のフローチャートと同様である。また、図10のフローチャートと同一処理内容のステップには、同一のステップ番号を付与している。

0134

まず、アシストグリップ部の荷重検出(ステップS30)と座面側方の荷重検出(ステップS32)とを並行して行う。即ちステップS30では、第一アシストグリップ荷重センサ11の検出値Wg1,第二アシストグリップ荷重センサ12の検出値Wg2を制御装置へ読み込むとともに、ステップS32では、座面前側方部荷重センサ13の検出値Wf、座面後側方部荷重センサ14の検出値Wrを制御装置へ読み込む。

0135

次いで、これら検出値Wg1,Wg2,Wf,Wrに基づいてグリップ部と座面に荷重があるか否かを判定し(ステップS34)、荷重がなければ最初に戻る。ステップS34の判定がYesの場合、即ちグリップ部と座面との両者に荷重があれば、補助力発生が必要な乗降動作が開始されたと判断して、補助量Fの演算を行う(ステップS36)。

0136

補助量Fの演算においては、乗員がアシストグリップに掛ける荷重が大きいほどより多くの補助量を必要とすることから、アシストグリップ荷重センサの検出値が大きいほどの基本となる補助量Fを大きくしている。即ち、第一アシストグリップ荷重用係数Ka1と第二アシストグリップ荷重用係数Kb2によって、第二実施形態で説明した式(1)により補助量Fの算出が可能になる。

0137

次いで、座面前側方部荷重センサ13の検出値Wf、座面後側方部荷重センサ14の検出値Wrに基づいて、乗降パターンがA、B、Cのいずれのパターンであるか否かを判定する(ステップS80、S82,S84)。

0138

まずステップS80でAパターンかどうかを判定する。Aパターンの判定条件は、第二実施形態のステップS38で用いた判定条件と同じ判定条件であり、Aパターンの乗降動作の特徴から、座面前側方部への身体荷重は0となり、座面後側方部への身体荷重が検出される。よって、この判定条件は、Wf=0、かつWr>0となる。

0139

ステップS80の判定でAパターンでなければ、次いで、ステップS82でBパターンかどうかを判定する。Bパターンの乗降動作の特徴から、WfとWr共に荷重が検出され、WfよりWrの方により大きい身体荷重が検出される。よって、この判定条件は、D1<Wf/Wr<D2となる。

0140

ステップS82の判定でBパターンでなければ、次いで、ステップS84でCパターンかどうかを判定する。Cパターンの乗降動作の特徴から、WfとWr共に荷重が検出され、WrとWrと身体荷重が略一致する。よって、この判定条件は、D2<Wf/Wr<D3となる。

0141

次いで、第一エアマット3と第二エアマット4とのそれぞれによる補助力の発生量をコントロールすることにより、乗降パターンに応じた補助力発生方向を変えるために、各アクチュエータを駆動する指令値Ac1、Ac2を個別に演算するための係数K1,K2を各動作パターンA、B、C、及びその他に応じて設定する(ステップS86,88,90,92)。

0142

即ち、ステップS80の判定で、Aパターンと判定した場合、K1=Ca1,K2=Ca2に設定する(ステップS86)。ステップS82の判定で、Bパターンと判定した場合、K1=Cb1,K2=Cb2に設定する(ステップS88)。ステップS84の判定で、Cパターンと判定した場合、K1=Cc1,K2=Cc2に設定する(ステップS90)。ステップS84の判定がNo、Cパターンでなければ、K1=Cd1,K2=Cd2に設定する(ステップS92)。

0143

次いで、各アクチュエータ5,6を駆動する指令値Ac1、Ac2を第二実施形態で説明した式(2)、(3)により個別に演算する(ステップS44)。

0144

そして、演算した指令値Ac1、Ac2により、それぞれ第一、第二アクチュエータ5,6を駆動することにより、第一、第二エアマット3,4の容量を変化させて、乗降者の乗降パターンに応じた補助力を与える(ステップS46)。

0145

乗降動作が完了すると、乗員は第一、第二アシストグリップ9,10を手放すので、第一、第二アシストグリップ荷重センサ11,12の各検出値Wg1,Wg2は、共に0になる。このため、乗降動作終了を検出するために、これらの検出値を読み込んでグリップ部に荷重があるか否かを判定する(ステップS48)。荷重がなくなると、所定時間(例えば、10秒)経過するまで待ち(ステップS50)、所定時間経過後に第一、第二エアマット3,4を収縮させて最初に戻る(ステップS52)。尚、ステップS50で所定時間待つ代わりに、例えばドアが閉じられたことをドアスイッチ等で検出してもよい。

0146

以上、好ましい実施の形態について説明したが、これらは本発明を限定するものではない。例えば、実施の形態では、補助力発生手段として、容量可変のエアマットとコンプレッサとを用いたが、これに限らず、モータで駆動されるパンタグラフ機構をシートのサイドポートに組み込んで、乗員の大腿部へ補助力を与えるようにしてもよい。

図面の簡単な説明

0147

図1本発明に係る乗降動作補助装置の第一実施形態を説明する構成図である。
図2第一実施形態の動作を説明する制御フローチャートである。
図3本発明に係る乗降動作補助装置の第二実施形態を説明する構成図である。
図4第一アシストグリップの構造を説明する(a)平面図、(b)側面図、(c)断面図である。
図5第一アシストグリップの装着位置を示す車両断面図である。
図6第二アシストグリップの構造を説明する側面図である。
図7第二アシストグリップの装着位置を示す車両要部斜視図である。
図8第一、第二アシストグリップの装着位置を示す車両要部平面図である。
図9第一、第二アシストグリップの装着位置と後席乗員との位置関係を示す車両要部側面透視図である。
図10第二実施形態の動作を説明する制御フローチャートである。
図11第三実施形態の動作を説明する制御フローチャートである。
図12第四実施形態の動作を説明する制御フローチャートである。
図13第五実施形態の動作を説明する制御フローチャートである。
図14乗用車でよく観察される降車動作をパターンに分類したパターン分類図である。

--

0148

1シート
2サイドサポート
3エアマット
5アクチュエータ(コンプレッサ)
7 送気管
9アシストグリップ
11 アシストグリップ荷重センサ
13座面側方部荷重センサ
15制御装置
16補助量演算部
17 駆動回路

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