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技術 新規な非対称双頭型脂質及びこれを用いて形成されるチューブ状凝集体

出願人 国立研究開発法人科学技術振興機構国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 増田光俊清水敏美
出願日 2001年4月26日 (19年8ヶ月経過) 出願番号 2001-129495
公開日 2002年11月8日 (18年1ヶ月経過) 公開番号 2002-322190
状態 特許登録済
技術分野 糖類化合物 ナノ構造物
主要キーワード 微細チューブ 微分処理後 オリゴメチレン 物理的性 アルドピラノース 長鎖アルキレン基 非晶質状 型糖脂質
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年11月8日)のものです。
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図面 (4)

課題

安定なナノメートルスケール微細チューブ凝集体を形成可能な糖とカルボン酸をそれぞれ両端にもつ新規な非対称双頭型脂質を提供する。

解決手段

本発明は、一般式

R−NHCO−(CH2)n−COOH (I)

(式中、Rはアルドピラノース還元末端水酸基を除いた残基、nは6〜20を表す。)で表わされる非対称双頭型脂質、及びこの非対称双頭型脂質から形成される中空の微細チューブ状凝集体である。この微細チューブ状凝集体の外径は10〜300nm、長さが0.3〜10μmであり、上記非対称双頭型脂質をpH2〜8の水に分散させ、次に80〜100℃で加熱溶解させて、得られた水溶液徐冷することにより製造することができる。

概要

背景

長鎖メチレン鎖の両端にアミド結合を介してオリゴペプチド残基を導入した双頭ペプチド脂質が水中で、安定なチューブ繊維構造体を形成できることが知られている(特許第2796613号)。これらのカルボン酸含有脂質は溶液のpHによって溶解度が制御できるため、水中での分散、及びその制御が容易である。しかしこの系ではチューブの幅がマイクロメートルサイズであり、さらに微細なチューブの合成は困難であるという欠点を有している。これに対して、長鎖メチレン鎖の両端にアミド結合を介して糖残基を導入した双頭型糖脂質が水中で、安定なナノメートルサイズの幅のねじれ構造を持つ極微細繊維状構造体を形成できることが知られている(特許第2692738号、清水敏美ら高分子論文集、54、815(1997)、清水敏美、増田光俊、Journal of American Chemical Society, 119, 2812(1997))。しかしこの系では化合物によって水に対する溶解性は一義的に決まってしまうため、その利用範囲が限られてしまう欠点を有している。

概要

安定なナノメートルスケール微細チューブ凝集体を形成可能な糖とカルボン酸をそれぞれ両端にもつ新規な非対称双頭型脂質を提供する。

本発明は、一般式

R−NHCO−(CH2)n−COOH (I)

(式中、Rはアルドピラノース還元末端水酸基を除いた残基、nは6〜20を表す。)で表わされる非対称双頭型脂質、及びこの非対称双頭型脂質から形成される中空の微細チューブ状凝集体である。この微細チューブ状凝集体の外径は10〜300nm、長さが0.3〜10μmであり、上記非対称双頭型脂質をpH2〜8の水に分散させ、次に80〜100℃で加熱溶解させて、得られた水溶液徐冷することにより製造することができる。

目的

本発明は、広範囲な用途に応用可能な中空微細チューブ状凝集体を形成することのできる安価な原料を提供し、この原料から水中で形成することのできる安定なナノメートルスケールの微細チューブ状凝集体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

一般式R−NHCO−(CH2)n−COOH(式中、Rはアルドピラノース還元末端水酸基を除いた残基、nは6〜20を表す。)で表わされる非対称双頭型脂質

請求項2

前記RがD−グルコピラノシル基又はD−ガラクトピラノシル基である請求項1に記載の非対称双頭型脂質。

請求項3

請求項1又は2に記載の非対称双頭型脂質から成る中空チューブ状凝集体

請求項4

外径が10〜300nmであって、長さが0.3〜10μmである請求項3に記載のチューブ状凝集体。

請求項5

請求項1又は2に記載の非対称双頭型脂質を水に加熱溶解後、冷却することから成る請求項3又は4に記載のチューブ状凝集体の製造方法。

請求項6

前記非対称双頭型脂質をpH2〜8の水に分散させ、次に80〜100℃で加熱溶解させて、得られた水溶液徐冷することから成る請求項5に記載のチューブ状凝集体の製造方法。

技術分野

実施例1で得た非対称双頭型脂質であるN−(β−D−グルコピラノシルテトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸の代わりに、実施例2で得たN−(β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸(実施例6)、並びに実施例3及び4で得たN−(β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸(実施例7及び8)を用いて実施例1と同様の操作を行うことにより、中空チューブ状凝集体を得た。そのサイズは実施例5と同様であったので省略する。

背景技術

0001

この発明は、新規な脂質及びこの脂質により形成される中空のチューブ状凝集体に関し、より詳細には、機能性材料として、医薬化粧品分野電子情報分野、さらには食品工業、農林業繊維工業などにおいて利用可能な糖とカルボン酸をそれぞれ両端にもつ非対称双頭型脂質とそれらより形成される微細チューブ凝集体並びにその製造方法に関する。

発明が解決しようとする課題

0002

長鎖メチレン鎖の両端にアミド結合を介してオリゴペプチド残基を導入した双頭型ペプチド脂質が水中で、安定なチューブ繊維構造体を形成できることが知られている(特許第2796613号)。これらのカルボン酸含有脂質は溶液のpHによって溶解度が制御できるため、水中での分散、及びその制御が容易である。しかしこの系ではチューブの幅がマイクロメートルサイズであり、さらに微細なチューブの合成は困難であるという欠点を有している。これに対して、長鎖メチレン鎖の両端にアミド結合を介して糖残基を導入した双頭型糖脂質が水中で、安定なナノメートルサイズの幅のねじれ構造を持つ極微細繊維状構造体を形成できることが知られている(特許第2692738号、清水敏美ら高分子論文集、54、815(1997)、清水敏美、増田光俊、Journal of American Chemical Society, 119, 2812(1997))。しかしこの系では化合物によって水に対する溶解性は一義的に決まってしまうため、その利用範囲が限られてしまう欠点を有している。

課題を解決するための手段

0003

本発明は、広範囲な用途に応用可能な中空微細チューブ状凝集体を形成することのできる安価な原料を提供し、この原料から水中で形成することのできる安定なナノメートルスケールの微細チューブ状凝集体を提供することを目的とする。

0004

本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、糖残基の還元性末端にアミド結合を介して長鎖脂肪酸残基を導入することによりその目的に適合しうる脂質を見出し、この脂質が水に良く分散し、安定な微細チューブ状凝集体を形成することを見出した。

発明を実施するための最良の形態

0005

即ち、本発明の目的は、一般式
R−NHCO−(CH2)n−COOH (I)
(式中、Rはアルドピラノース還元末端水酸基を除いた残基、nは6〜20を表す。)で表わされる非対称双頭型脂質を提供することである。このRはD−グルコピラノシル基又はD−ガラクトピラノシル基であることが好ましい。本発明の別の目的は、この非対称双頭型脂質から成る中空のチューブ状凝集体を提供することを目的とする。本発明の更に別の目的は、上記の非対称双頭型脂質をpH2〜8の水に分散させ、次に80〜100℃で加熱溶解させて得られた水溶液を、徐冷することから成る請求項5に記載のチューブ状凝集体の製造方法を提供することである。

0006

本発明においては、前記一般式(I)において、Rは、アルドピラノースの還元末端の水酸基を除いた残基、すなわち還元末端の炭素原子がN−グリコシド結合関与しているアルピラノシル基である。このようなものとしては、例えばグルコピラノシル基、ガラクトピラノシル基、グロピラノシル基、イドピラノシル基、タロピラノシル基などが挙げられる。これらのテトラアセチルアルドピラノシル基はD、L型ラセミ体のいずれであってもよいが、天然由来のものは通常D型である。さらに、アルドピラノシル基においては、還元末端の炭素原子は不斉炭素原子であるので、α−アノマー及びβ−アノマーが存在するが、α−アノマー及びβ−アノマー及びそれらの混合物のいずれであってもよい。とくにRがD−グルコピラノシル基、D−ガラクトピラノシル基であるものが、原料の入手の点で容易で製造しやすいので好適である。

0007

一方、前記一般式(I)におけるアルキレン基はnが6〜20の長鎖アルキレン基であり、このようなものとしては例えばヘキシレン基ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、オクタデシレン基、イコサレン基などが挙げられる。

0008

前記一般式(I)で表わされる非対称双頭型脂質は文献未載の新規な化合物であり、例えば次に示す方法により、容易に製造することができる。
一般式
R−N3 (II)
(式中、Rはアルドピラノースの還元末端水酸基が除かれ、かつ残りの水酸基がすべてアセチル基で保護された残基を表す。)で表わされるアジド糖の1種を、メタノール中、酸化白金触媒の存在下に接触還元してアミノ糖に変換した後、これに一般式
HOOC−(CH2)n−COOH (III)
(式中のnは6〜20の整数である)で表わされるジカルボン酸縮合させ、次に糖残基のアセチル保護基を除去することにより、一般式(I)で表わされる非対称双頭型脂質を製造することができる。

0009

前記一般式(II)で表わされるアジド糖は、アルドピラノースの還元末端の水酸基がアジド基置換され、かつ他の水酸基がすべてアセチル化されたものであり、例えばアルドース出発原料としてピリジン中、無水酢酸塩化アセチルを用いてすべての水酸基をアセチル化した後、酢酸中で臭化水素酢酸溶液を作用させて、還元末端の炭素臭素原子が付加したα−ブロム糖を得、ついで、これにジメチルホルムアミド中でアジ化ナトリウムを反応させることにより製造することができる。このものは結晶性であり、空気中で安定な100%β体であることはこの化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMRスペクトル、重クロロホルム中、25℃)がδ値で4.65ppmに二重線シグナルスピンスピンカップリング定数8.9Hz)を示すことから確認できる。

0010

一方、一般式(III)で表わされるジカルボン酸としては、例えば、スベリン酸アゼライン酸セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、1,20−エイコサンジカルボン酸などを用いることができる。

0011

さらに上述した一般式(III)で表わされるジカルボン酸以外にも、片端のカルボン酸をベンジルエステル化した下記一般式(IV)で表わされるカルボン酸モノベンジルエステルを用いることができる。すなわち一般式
R−N3 (II)
(式中、Rはアルドピラノースの還元末端水酸基が除かれ、かつ残りの水酸基がすべてアセチル基で保護された残基を表す。)で表わされるアジド糖の1種を、メタノール中、酸化白金触媒の存在下に接触還元してアミノ糖に変換した後、これに一般式
HOOC−(CH2)n−COOR’ (IV)
(式中、R’はアルコール性水酸基を有する化合物の残基であり、例えば、ベンジル基、nは6〜20を表す。)で表わされるジカルボン酸モノエステルを加えて縮合させ、ついで接触水素化分解を行うことで脱保護し、続いて糖残基部分の脱アセチル化を行うことにより、一般式(I)で表わされる非対称双頭型脂質を製造することができる。一般式(IV)で表わされるジカルボン酸モノエステルとしては、例えば、上記に例示したジカルボン酸の一方のカルボン酸基ベンジルアルコールエステル化されて保護されたものを挙げることができる。

0012

つぎに本発明に従い前記一般式(I)の非対称双頭型脂質を製造するための望ましい態様について説明する。まず、前記一般式(II)で表わされるアジド糖の接触還元を、例えば該アジド糖をメタノールに溶解させ、触媒として酸化白金を用いて水素と接触させることによりアミノ糖への変換を行う。この際、パラジウム触媒を用いても同様に反応が進行するが、若干の副反応が生じるので、酸化白金の方が望ましい。

0013

次に、アジド基が完全に還元されてアミノ基に変換されたことを薄層クロマトグラフィーで確認したのち、生成したアミノ糖を単離、精製することなく、これに前記一般式(III)で表わされるジカルボン酸を縮合させる。この縮合反応は両者を等モルないし2当量の範囲で混合、反応させることで得られる。この際、反応溶媒として例えばN,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、メチルアルコールエチルアルコールなどを用いることができるが、これらの中で、反応性、溶解性などの点からN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が好適である。また縮合剤としては通常のペプチド合成において用いられる1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールジエチルホスホロシアデート、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリンイソブチルクロフォルメートなどを用いることができるが、通常はその反応性誘導体に変えて反応させるのが有利である。このような反応性誘導体としては例えば酸ハロゲン化物、酸エステル酸無水物混合酸無水物など一般にカルボン酸アミドを形成する場合に慣用されている誘導体を挙げることができる。反応温度としては−30℃ないし30℃の範囲が選ばれ、反応時間は通常30分ないし10時間である。この反応粗製物は例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィー展開溶媒:クロロホルム/メタノール=20/1)などを用いて精製することにより、高純度のものとすることができる。これをメタノールに溶解し、ナトリウムメトキシドメタノール溶液を作用させることで、糖残基部分が脱アセチル化された目的物ナトリウム塩の形で得る。さらに強酸性イオン交換樹脂を添加し、ナトリウム塩を中和し、カルボン酸形の目的物を得ることができる。

0014

上記、脱アセチル化反応は定量的に進行するので、特に精製する必要はないが、必要に応じて、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどを用いて精製することにより、高純度のものとすることができる。このような方法により得られた非対称双頭型脂質は糖残基のアノマー炭素が100%β体のものである。このことは、該非対称双頭型脂質の1H−NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド中、60℃)がδ値で4.6ppmに二重線のシグナル(スピン−スピンカップリング定数8.8Hz)を示すことから確認できる。

0015

この化合物は例えば実測の元素分析値誤差範囲内で計算値と一致し、また、赤外線吸収スペクトルでは3700〜3300cm−1に糖水酸基由来する特性吸収、2917〜2922cm−1および2848〜2852cm−1にオリゴメチレン鎖に由来する特性吸収、1670〜1650cm−1にカルボン酸に由来する特性吸収、1640〜1630cm−1にアミドカルボニル基に由来する特性吸収、1100〜1000cm−1に糖骨格に由来する特性吸収を示す。さらに、1H−NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド中、60℃)においては、δ値が1.2〜1.3ppm(長鎖アルキレン鎖メチレン水素)、1.4〜1.5ppm(アミド基およびカルボキシル基に隣接するメチレンの隣のメチレン基の水素)、2.0ppm(カルボキシル基に隣接するメチレン基の水素)、2.1ppm(アミド基に隣接するメチレン基の水素)、3.0〜3.7ppm(グルコピラノシル基の1位以外のメチン水素)、4.6ppm(グルコピラノシル基の1位のメチン水素)のシグナルが観測できる。このことから、当該化合物は、目的の非対称双頭型脂質であると同定できる。

発明の効果

0016

次に、本発明のチューブ状凝集体を製造するには、まず本発明の非対称双頭型脂質0.5〜20mgをpH2〜8、好ましくは中性条件の水(1ml)に分散し、80〜100℃に加熱、溶解する。得られた水溶液を徐冷(0.1〜10℃毎分)し、室温で1時間から30日間放置することにより、水分散液として微細チューブ状凝集体を得ることができる。得られた凝集体の形態、大きさなどは溶液を単結晶シリコン基板ガラス基板などの平滑な基板滴下乾燥し、原子間力顕微鏡で観察することにより容易に確認できる。このようにして外径が約10〜300nm、特に約30〜150nm、長さが0.3〜10μm、特に0.5〜5μmの微細チューブ状凝集体を得ることができる。このチューブ状凝集体は、非対称双頭型脂質が化学構造を変えないで自発的に凝集したものであり、この分子が二次元的に集合した(シート状の)ものが、チューブ状になったものではないかと考えられる。但し、これは葉巻状に巻きあがっただけなのか、パイプ状になっているかは現時点では不明である。また、このチューブ状凝集体は中空であり、チューブの原子間力顕微鏡での観察結果図3)から、その末端(即ち、両端)は開いているものと考えられる。

0017

本発明によれば、天然リン脂質や一般の合成両親媒性化合物からは得ることが困難であった、水中または空気中で安定な中空の微細チューブ状凝集体を容易に得ることができる。この微細チューブ状凝集体の原料である本発明の脂質は安価であり、その製法も容易である。本発明の微細チューブ状構造体医療用の除放性担体吸着体として用いることができるほか、化粧品分野、食品工業、農林業、繊維工業、などにおける乳化剤、安定剤、分散剤湿潤剤などとして有用である。また金属や導電性物質をドープしてナノ部品などとして電子、情報分野において利用可能である。

0018

次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお薄層クロマトグラフィーのRf値としてはクロロホルム/メタノール(容積比20/1)混合溶媒を展開溶媒としたときの値をRf1、クロロホルム/メタノール/酢酸(容積比100/3/1)混合溶媒を展開溶媒としたときの値をRf2、クロロホルム/メタノール/水(容積比64/31/5)混合溶媒を展開溶媒としたときの値をRf3として採用した。

0019

製造例1
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド5.0g(12.2ミリモル)をDMF120mlに溶解しかき混ぜながらアジ化ナトリウム15.8g(243ミリモル)を加え、室温にて遮光下で一昼夜かき混ぜた。反応混合物をかき混ぜ下に氷水1000ml中に滴下したのち、不溶物塩化メチレン900mlで抽出し、有機相を氷水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤炉別した後、減圧下で溶媒を完全に留去し、得られた淡黄色の固体ジエチルエーテルで洗浄して乾燥後、2−プロパノールから再結晶し、白色の針状結晶として2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−グルコピラノシルアジド3.30g(収率79%)を得た。このものの物理的性質は次の通りである。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf1=0.6
融点131−132℃
元素分析値(C14H19O9N3として)
C H N
計算値(%) 45.04 5.13 11.26
実測値(%) 45.36 5.10 11.14

0020

製造例2
製造例1における2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミドのかわりに2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシルブロミドを用い、製造例1と同様な操作によって2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−ガラクトピラノシルアジド3.30g(収率79%)を得た。このものの物理的性質は次の通りである。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf1=0.7
融点96−97℃
元素分析値(C14H19O9N3として)
C H N
計算値(%) 45.04 5.13 11.26
実測値(%) 45.18 5.00 11.56

0021

製造例3
他方、1,14−テトラデカンジカルボン酸2.29g(8ミリモル)にジメチルホルムアミド1滴と塩化チオニル2.32ml(32ミリモル)を加えて1時間加熱還流した後、未反応の塩化チオニルを減圧下で留去することにより、淡黄色の液体として1,14−テトラデカンジカルボン酸ジクロリドを得た。

0022

製造例4
1,14−テトラデカンジカルボン酸の片端がベンジルエステル化された化合物の合成法を示す。これは特開平4−182452やオーガニックシンセシス(Organic Synthesis)II276−277頁等を参考に合成可能である。すなわち、1,14−テトラデカンジカルボン酸5g(17.5ミリモル)、ベンジルアルコール8.37gトルエン50ml、パラトルエンスルホン酸フラスコに入れ、ディーンシュターク型脱水装置をもちいて還流下、脱水を行う。8時間の還流の後、約1mlの水が除去できた。この反応液ヘキサンに溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和溶液、ついで水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した後、ヘキサン中で再結晶し、1,14−テトラデカンジカルボン酸ジベンジルエステル(8.1g)を得た。この1,14−テトラデカンジカルボン酸ジベンジルエステル5.97g(12.8ミリモル)に新たに1,14−テトラデカンジカルボン酸4.8g(16.7ミリモル)、ベンジルアルコール1.8g、トルエン50ml、硫酸をフラスコ中で混合し5時間、加熱還流する。その後、イソプロパノール/クロロホルム(1/5体積比)300mlに溶解し、水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧濃縮の後、エーテル/ヘキサン(1/4体積比)中で再結晶を行い、1,14−テトラデカンジカルボン酸モノベンジルエステル3.77g(10.1ミリモル)を得た。

0023

製造例5
製造例4で得た1,14−テトラデカンジカルボン酸モノベンジルエステル3.01g(8ミリモル)にジメチルホルムアミド1滴と塩化チオニル2.32ml(32ミリモル)を加えて1時間加熱還流した後、未反応の塩化チオニルを減圧下で留去することにより、淡黄色の液体として1,14−テトラデカンジカルボン酸モノクロライドモノベンジルエステル(3.2g)を得た。

0024

製造例6
製造例1で得た2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルアジド2.98g(8ミリモル)をメチルアルコール300mlに溶解し、窒素雰囲気下で酸化白金1000mgを加えた。ついで、室温で水素を導入しながら2時間かき混ぜた。反応混合物をセライトを用いて吸引ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。次にこれをピリジン0.94mlを含むDMF50mlに溶解し、−20℃でかき混ぜながら製造例3で得た1,14−テトラデカンジカルボン酸ジクロリド2.59g(8ミリモル)を含む塩化メチレン溶液10mlを滴下した。2時間後室温に戻し一昼夜かき混ぜた後、反応混合物を減圧濃縮し、ついでクロロホルム/水で抽出した。有機層を5%重量クエン酸で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。

0025

得られた組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:クロロホルム/メタノール=20/1(容積比)〕で精製することにより、無色で非晶質状のN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸1.92g(収率39%)を得た。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf2=0.4
元素分析値(C30H49O12Nとして)
C H N
計算値(%) 58.52 8.02 2.27
実測値(%) 58.62 8.24 2.00

0026

製造例7
製造例1で得た2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルアジド2.98g(8ミリモル)をメチルアルコール300mlに溶解し、窒素雰囲気下で酸化白金1000mgを加えた。ついで、室温で水素を導入しながら2時間かき混ぜた。反応混合物をセライトを用いて吸引ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。次にこれをピリジン0.94mlを含むDMF50mlに溶解し、−20℃でかき混ぜながら製造例5で得た1,14−テトラデカンジカルボン酸モノクロライドモノベンジルエステル3.01g(8ミリモル)を含む塩化メチレン溶液10mlを滴下した。2時間後室温に戻し一昼夜かき混ぜた後、反応混合物を減圧濃縮し、ついでクロロホルム/水で抽出した。有機層を5%重量クエン酸で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:クロロホルム/メタノール=20/1(容積比)〕で精製することにより、無色で非晶質状のN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボキシルベンジルエステル3.67g(収率65%)を得た。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf1=0.6
元素分析値(C37H55O12Nとして)
C H N
計算値(%) 62.96 7.85 1.98
実測値(%) 62.82 7.84 2.03

0027

得られたN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボキシルベンジルエステル0.705g(1.0ミリモル)をメタノールに溶解後、窒素雰囲気下で酸化白金100mgを加えた。ついで、室温で水素を導入しながら2時間かき混ぜた。反応混合物をセライトを用いて吸引ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。得られた組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:クロロホルム/メタノール=20/1(容積比)〕で精製することにより、無色で非晶質状のN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸0.610g(収率99%)を得た。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf2=0.4
元素分析値(C30H49O12Nとして)
C H N
計算値(%) 58.52 8.02 2.27
実測値(%) 58.41 8.14 2.05

0028

製造例8
製造例2で得た2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシルアジド2.98g(8ミリモル)をメチルアルコール300mlに溶解し、窒素雰囲気下で酸化白金1000mgを加えた。ついで、室温で水素を導入しながら2時間かき混ぜた。反応混合物をセライトを用いて吸引ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。次にこれをピリジン0.94mlを含むDMF50mlに溶解し、−20℃でかき混ぜながら製造例3で得た1,14−テトラデカンジカルボン酸ジクロリド2.59g(8ミリモル)を含む塩化メチレン溶液10mlを滴下した。2時間後室温に戻し一昼夜かき混ぜた後、反応混合物を減圧濃縮し、ついでクロロホルム/水で抽出した。有機層を5%重量クエン酸で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。

0029

得られた組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:クロロホルム/メタノール=20/1(容積比)〕で精製することにより、無色で非晶質状のN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸2.07g(収率42%)を得た。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf2=0.3
元素分析値(C30H49O12Nとして)
C H N
計算値(%) 58.52 8.02 2.27
実測値(%) 58.80 8.16 2.10

0030

製造例9
製造例2で得た2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシルアジド2.98g(8ミリモル)をメチルアルコール300mlに溶解し、窒素雰囲気下で酸化白金1000mgを加えた。ついで、室温で水素を導入しながら2時間かき混ぜた。反応混合物をセライトを用いて吸引ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。次にこれをピリジン0.94mlを含むDMF50mlに溶解し、−20℃でかき混ぜながら製造例5で得た1,14−テトラデカンジカルボン酸モノクロライドモノベンジルエステル3.16g(8ミリモル)を含む塩化メチレン溶液10mlを滴下した。2時間後室温に戻し一昼夜かき混ぜた後、反応混合物を減圧濃縮し、ついでクロロホルム/水で抽出した。有機層を5%重量クエン酸で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:クロロホルム/メタノール=20/1(容積比)〕で精製することにより、無色で非晶質状のN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボキシルベンジルエステル3.44g(収率61%)を得た。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf1=0.4
元素分析値(C37H55O12Nとして)
C H N
計算値(%) 62.96 7.85 1.98
実測値(%) 63.15 7.64 2.13

0031

得られたN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボキシルベンジルエステル0.705g(1.0ミリモル)をメタノールに溶解後、窒素雰囲気下で酸化白金100mgを加えた。ついで、室温で水素を導入しながら2時間かき混ぜた。反応混合物をセライトを用いて吸引ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。得られた組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:クロロホルム/メタノール=20/1(容積比)〕で精製することにより、無色で非晶質状のN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸0.610g(収率99%)を得た。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf2=0.4
元素分析値(C30H49O12Nとして)
C H N
計算値(%) 58.52 8.02 2.27
実測値(%) 58.72 7.98 2.39

0032

実施例1
窒素雰囲気下、製造例6で得たN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸(80mg、0.136ミリモル)を無水メタノール(3ml)に溶解し、室温で0.05Mのナトリウムメトキシド/メタノール溶液3.53mlを加える。2時間撹拌の後、薄層クロマトグラフィーで反応の終了を確認後、溶液に強酸性イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120、酸性型など)約200mgを加え、ナトリウム塩を中和し、カルボン酸形の目的組成物を得た。この組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:クロロホルム/メタノール=20/1(容積比)〕で精製することにより、無色で非晶質状のN−(β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸 0.610g(収率99%)を得た。この化合物の1H−NMRスペクトルチャート(重ジメチルスルホキシド中、60℃)を図1に示す。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf3=0.4
元素分析値(C22H41O8N1として)
C H N
計算値(%) 59.04 9.23 3.13
実測値(%) 59.00 9.02 3.30

0033

実施例2
製造例6で得たN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸の代わりに、製造例7で得たN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸を用いて、実施例1と同様の操作を行い、無色で非晶質状のN−(β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸を得た。薄層クロマトグラフィーの分析値は実施例1と同様であったので省略する。

0034

実施例3
製造例6で得たN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸の代わりに、製造例8で得たN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸を用いて、実施例1と同様の操作を行い、無色で非晶質状のN−(β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸を得た。この化合物の1H−NMRスペクトルチャート(重ジメチルスルホキシド中、60℃)を図2に示す。
薄層クロマトグラフィーのRf値Rf3=0.4
元素分析値(C22H41O8N1として)
C H N
計算値(%) 59.04 9.23 3.13
実測値(%) 58.93 9.45 3.03

0035

実施例4
製造例6で得たN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸の代わりに、製造例9で得たN−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸を用いて、実施例1と同様の操作を行い、無色で非晶質状のN−(β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸を得た。薄層クロマトグラフィーの分析値は実施例3と同様であったので省略する。

0036

実施例5
実施例1で得た非対称双頭型脂質であるN−(β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸2mgを水1mlに分散後、加熱溶解(約95℃)し、室温まで徐冷(3℃毎分)し3日間放置した。これにより凝集体が得られた。その走査型原子間力顕微鏡デジタルインスツルメンツ社、ナノスコープIIIa、探針単結晶シリコンバネ定数45N/m、タッピングモードフレームサイズ1μm)による写真図3及び図4に示す。その形態は、長さ0.5〜5マイクロメートル、外径30〜150nm、厚み20〜30nmの中空のチューブ状凝集体であった。

図面の簡単な説明

0037

実施例6〜8

0038

図1実施例1で得たN−(β−D−グルコピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボン酸の1H-NMRスペクトルチャートを示す図である。
図2実施例3で得たN−(β−D−ガラクトピラノシル)テトラデカン−1−カルボキサミド−14−カルボキシルベンジルエステルの1H-NMRスペクトルチャートを示す図である。
図3実施例5で得たチューブ状凝集体の原子間力顕微鏡像微分処理後)を示す図である。
図4図3トレースした図である。

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