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図面 (12)

課題

本発明は、運動時における、主として緊張萎縮集中力の低下や欠如精神的疲労蓄積等の心因性運動機能失調における心理的影響を抑制して、本来のスポーツパフォーマンスを効果的かつ安全に発揮させることができる、運動時における精神集中の向上のための精神集中向上用組成物、ならびに運動時における精神集中の向上方法を提供することを目的とする。

解決手段

テアニンを含有することを特徴とする、運動時における精神集中の向上のための精神集中向上用組成物、ならびにテアニンを個体に投与する、運動時における精神集中の向上方法。

概要

背景

スポーツ選手は、どのような状況のもとでも自分の持つ力を最大限に発揮したいと願っている。スポーツにおいて優れたパフォーマンスを発揮するためには、個々の技術を獲得しただけでは充分ではなく、その技術が競技中、適切な時間に適切な場面で発揮されなければならない。それゆえ、スポーツ選手には、運動能力に加え、さらに予測・判断等の情報処理能力や、競技中他のことに気を散らすことなく精神を集中する能力、いわゆる集中力にも優れることが要求される。

従来、優れたパフォーマンスの発揮に最適な心理状態へと自分自身を制御できるようになることを目的とした様々なメンタルトレーニングの方法が検討され、実際場面にもとり入れられてきた。たとえば、マインドコントロール法や心理的トレーニング法が研究開発され、「あがり防止」の方法、平常状態を保つ方法、平常状態を少しでも向上させる方法、「集中力を高める」方法が実施され、また、バイオフィードバックを用いた研究も導入された。

バイオフィードバックとは、「人の不随的な神経・生理反応の変化(たとえば、皮膚温筋電脳波心拍等)を外部情報に変換し、その人に伝達する操作」と定義されている。

一般に、ヒトは個々に最適の覚醒水準に達した時、最も良いパフォーマンスを発揮するとされている。ここでいう覚醒とは、潜在的な興奮緊張、不安等に特徴づけられる内的状態のことである。覚醒水準が高まると意志決定等の中枢機能がよく働き、反応の正確性が増す等、パフォーマンスが向上する。しかし、覚醒水準が高まりすぎると、注意の分散や、意志決定でのミス、さらには手足が緊張のあまり硬直して動かなくなったりしてパフォーマンスが低下する。

そこで、バイオフィードバックにより優れたパフォーマンスの発揮のために覚醒を最適水準に持っていくトレーニングが行われるが、そのトレーニングには何回もの繰り返し訓練が必要なため時間がかかり、また、個人差も大きい。

一方、競技中に減少する栄養成分を補うことにより、スポーツパフォーマンスを向上させる方法も知られている。たとえば、特開平9-1703017 号公報には、トレハロース運動中に不足する生体エネルギー源として与えることにより、運動時の体力および持久力を向上させる技術が開示されている。また、運動またはトレーニングにより各種ビタミン消費量が増大するが、ビタミン欠乏はスポーツパフォーマンスに悪影響を及ぼすことが知られており、スポーツパフォーマンスの維持/向上のために、スポーツ選手はビタミンの摂取を怠らないように指導されている〔J. J. Sports Sci., Vol.5, No.3, p186-191 (1986) 〕。

また、スポーツパフォーマンスを向上させるためにアミノ酸製剤を摂取させる技術も開示されている。たとえば、特開平9-249556号公報には、スズメバチ幼虫分泌する唾液中に含まれるアミノ酸類で構成されるアミノ酸組成物を与えることにより、激しい運動中に伴う血中アミノ酸の減少を補い、運動機能の向上と運動後疲労軽減および疲労回復を達成する技術が開示されている。

また、筋組織タンパク質の主成分である分岐鎖アミノ酸バリンロイシンイソロイシン)を補給することにより、激しい筋力トレーニングや長時間の持久走等の運動で消費される当該アミノ酸を補い、筋組織の損傷や筋力の低下防止、さらに運動直後における筋肉の損傷の素早い回復筋肉痛筋肉疲労の防止が可能となることが報告されている〔食品と開発, Vol.34, No.10, p4-8 (1999)、化学, Vol.55, No.6, p19-25 (2000) 〕。

さらに、生体機能を改善させることによりスポーツパフォーマンスを向上させる組成物が知られている。たとえば、特開平11-239465 号公報には、持久力向上補助的手段としてn-3系脂肪酸を与えることにより運動中の有酸素能力を高める技術が開示されている。また、特開2000-26304号公報には、ビフィズス菌オリゴ糖の効果である腸内フローラの改善、ミネラルの吸収促進、免疫賦活効果、ビタミンの合成等の効果により腸管内を活性化させ、スポーツパフォーマンスを向上させる技術が開示されている。

これらの技術は、運動時に不足してくる栄養分を補給するといった方法により、運動時の持久力等の「量」を向上させるものではあるが、「あがり」における心理的影響を抑える心的能力等の「質」を改善するものではない。

ところで、スポーツにおいて最大能力を発揮させ、それを持続させる目的で中枢神経系を興奮させたり、交感神経系刺激する薬物も知られている。これらの薬物としては、アンフェタミン関連化合物カフェインコカインエフェドリンといった興奮剤モルヒネといった麻薬性鎮痛剤タンパク同化ステロイド剤、β2遮断剤といったタンパク同化剤、利尿剤およびペプチドホルモン胎盤性性腺刺激ホルモン副腎皮質ホルモン成長ホルモンエリスロポエチンといったペプチドホルモンや糖タンパクホルモンおよびその類似化合物があるが、いずれもドーピング剤として使用が禁止されている。

概要

本発明は、運動時における、主として緊張や萎縮、集中力の低下や欠如精神的疲労蓄積等の心因性運動機能失調における心理的影響を抑制して、本来のスポーツパフォーマンスを効果的かつ安全に発揮させることができる、運動時における精神集中の向上のための精神集中向上用組成物、ならびに運動時における精神集中の向上方法を提供することを目的とする。

テアニンを含有することを特徴とする、運動時における精神集中の向上のための精神集中向上用組成物、ならびにテアニンを個体に投与する、運動時における精神集中の向上方法。

目的

本発明は、運動時における、主として緊張や萎縮、集中力の低下や欠如、精神的疲労の蓄積等の心因性運動機能失調における心理的影響を抑制して、本来のスポーツパフォーマンスを効果的かつ安全に発揮させることができる、運動時における精神集中の向上のための精神集中向上用組成物、ならびに運動時における精神集中の向上方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
8件

この技術が所属する分野

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請求項1

テアニンを含有することを特徴とする、運動時における精神集中の向上のための精神集中向上用組成物

請求項2

食品組成物または医薬組成物である請求項1記載の組成物。

請求項3

テアニンを個体に投与する、運動時における精神集中の向上方法

請求項4

脳波におけるβ波を減少させるものである請求項1または2記載の組成物。

技術分野

0001

本発明は、運動時における精神集中の向上のための精神集中向上用組成物、ならびに運動時における精神集中の向上方法に関する。

背景技術

0002

スポーツ選手は、どのような状況のもとでも自分の持つ力を最大限に発揮したいと願っている。スポーツにおいて優れたパフォーマンスを発揮するためには、個々の技術を獲得しただけでは充分ではなく、その技術が競技中、適切な時間に適切な場面で発揮されなければならない。それゆえ、スポーツ選手には、運動能力に加え、さらに予測・判断等の情報処理能力や、競技中他のことに気を散らすことなく精神を集中する能力、いわゆる集中力にも優れることが要求される。

0003

従来、優れたパフォーマンスの発揮に最適な心理状態へと自分自身を制御できるようになることを目的とした様々なメンタルトレーニングの方法が検討され、実際場面にもとり入れられてきた。たとえば、マインドコントロール法や心理的トレーニング法が研究開発され、「あがり防止」の方法、平常状態を保つ方法、平常状態を少しでも向上させる方法、「集中力を高める」方法が実施され、また、バイオフィードバックを用いた研究も導入された。

0004

バイオフィードバックとは、「人の不随的な神経・生理反応の変化(たとえば、皮膚温筋電脳波心拍等)を外部情報に変換し、その人に伝達する操作」と定義されている。

0005

一般に、ヒトは個々に最適の覚醒水準に達した時、最も良いパフォーマンスを発揮するとされている。ここでいう覚醒とは、潜在的な興奮緊張、不安等に特徴づけられる内的状態のことである。覚醒水準が高まると意志決定等の中枢機能がよく働き、反応の正確性が増す等、パフォーマンスが向上する。しかし、覚醒水準が高まりすぎると、注意の分散や、意志決定でのミス、さらには手足が緊張のあまり硬直して動かなくなったりしてパフォーマンスが低下する。

0006

そこで、バイオフィードバックにより優れたパフォーマンスの発揮のために覚醒を最適水準に持っていくトレーニングが行われるが、そのトレーニングには何回もの繰り返し訓練が必要なため時間がかかり、また、個人差も大きい。

0007

一方、競技中に減少する栄養成分を補うことにより、スポーツパフォーマンスを向上させる方法も知られている。たとえば、特開平9-1703017 号公報には、トレハロースを運動中に不足する生体エネルギー源として与えることにより、運動時の体力および持久力を向上させる技術が開示されている。また、運動またはトレーニングにより各種ビタミン消費量が増大するが、ビタミン欠乏はスポーツパフォーマンスに悪影響を及ぼすことが知られており、スポーツパフォーマンスの維持/向上のために、スポーツ選手はビタミンの摂取を怠らないように指導されている〔J. J. Sports Sci., Vol.5, No.3, p186-191 (1986) 〕。

0008

また、スポーツパフォーマンスを向上させるためにアミノ酸製剤を摂取させる技術も開示されている。たとえば、特開平9-249556号公報には、スズメバチ幼虫分泌する唾液中に含まれるアミノ酸類で構成されるアミノ酸組成物を与えることにより、激しい運動中に伴う血中アミノ酸の減少を補い、運動機能の向上と運動後疲労軽減および疲労回復を達成する技術が開示されている。

0009

また、筋組織タンパク質の主成分である分岐鎖アミノ酸バリンロイシンイソロイシン)を補給することにより、激しい筋力トレーニングや長時間の持久走等の運動で消費される当該アミノ酸を補い、筋組織の損傷や筋力の低下防止、さらに運動直後における筋肉の損傷の素早い回復筋肉痛筋肉疲労の防止が可能となることが報告されている〔食品と開発, Vol.34, No.10, p4-8 (1999)、化学, Vol.55, No.6, p19-25 (2000) 〕。

0010

さらに、生体機能を改善させることによりスポーツパフォーマンスを向上させる組成物が知られている。たとえば、特開平11-239465 号公報には、持久力向上補助的手段としてn-3系脂肪酸を与えることにより運動中の有酸素能力を高める技術が開示されている。また、特開2000-26304号公報には、ビフィズス菌オリゴ糖の効果である腸内フローラの改善、ミネラルの吸収促進、免疫賦活効果、ビタミンの合成等の効果により腸管内を活性化させ、スポーツパフォーマンスを向上させる技術が開示されている。

0011

これらの技術は、運動時に不足してくる栄養分を補給するといった方法により、運動時の持久力等の「量」を向上させるものではあるが、「あがり」における心理的影響を抑える心的能力等の「質」を改善するものではない。

0012

ところで、スポーツにおいて最大能力を発揮させ、それを持続させる目的で中枢神経系を興奮させたり、交感神経系刺激する薬物も知られている。これらの薬物としては、アンフェタミン関連化合物カフェインコカインエフェドリンといった興奮剤モルヒネといった麻薬性鎮痛剤タンパク同化ステロイド剤、β2遮断剤といったタンパク同化剤、利尿剤およびペプチドホルモン胎盤性性腺刺激ホルモン副腎皮質ホルモン成長ホルモンエリスロポエチンといったペプチドホルモンや糖タンパクホルモンおよびその類似化合物があるが、いずれもドーピング剤として使用が禁止されている。

発明が解決しようとする課題

0013

本発明は、運動時における、主として緊張や萎縮、集中力の低下や欠如精神的疲労蓄積等の心因性運動機能失調における心理的影響を抑制して、本来のスポーツパフォーマンスを効果的かつ安全に発揮させることができる、運動時における精神集中の向上のための精神集中向上用組成物、ならびに運動時における精神集中の向上方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、おに含まれるテアニンにより所望の効果が発現されることを見出し、本発明を完成するに至った。

0015

すなわち、本発明は、〔1〕テアニンを含有することを特徴とする、運動時における精神集中の向上のための精神集中向上用組成物、〔2〕食品組成物または医薬組成物である前記〔1〕記載の組成物、〔3〕 テアニンを個体に投与する、運動時における精神集中の向上方法、ならびに〔4〕脳波におけるβ波を減少させるものである前記〔1〕または〔2〕記載の組成物、に関する。

発明を実施するための最良の形態

0016

本発明の精神集中向上用組成物(以下、組成物という)はテアニンを含有することを特徴とするものである。当該組成物によれば、主として、スポーツパフォーマンスを発揮する上でマイナスに働く、種々の心因性運動機能失調における心理的影響を抑制して、個体本来のスポーツパフォーマンスを発揮させることができる。本発明の組成物の所望の効果の発現は、かかる組成物に含有されるテアニンについて初めて見出された精神集中向上作用に基づくものである。

0017

なお、本明細書において、「精神集中」とは「集中」と同義であり、知覚されるものの中から特定の1つの事柄や行動を選択し、当該事柄や行動に対し精神を集める働きをいう。「向上」とは、所望の働き・作用等の低下を抑制し現状に維持すること、ならびに現状に比し当該働き・作用等を高めることをいう。「スポーツパフォーマンス」とは、運動時に発揮される、体力、技能、運動能力等の量的な能力、ならびに予測・判断等の情報処理能力や種々の心因性運動機能失調における心理的影響を抑制する心的能力等の質的な能力をいう。「心因性運動機能失調」とは、社会的状況における自己意識の中での当惑感(Embarrassment)や恥辱 (Shame)感、観衆不安 (Audience anxiety) や羞恥心 (Shyness)などをいい、特に限定されるものではないが、特に「あがり」といった緊張や萎縮、「緊張の糸」が切れることによる集中力の低下や欠如、精神的疲労の蓄積等を挙げることができる。また、「心理的影響」とは前記心因性運動機能失調となんらかの因果関係が認められる精神的な影響であれば特に限定されるものではない。「抑制」とは、特定の働き・作用等の発現を抑えることに加え、特定の働き・作用等を相殺することを含む。

0018

本発明に用いられるテアニンとは、グルタミン酸誘導体(γ−グルタミルエチルアミド)であり、天然には茶葉に多く含まれるアミノ酸成分である。本発明において見出されたテアニンによる精神集中向上作用の作用メカニズムは未だ不明であるが、緊張時や不安時等に発生する、脳波におけるβ波を減少させるように働き、当該作用が発現されるものと考えられる。なお、本発明の組成物は、従来の薬物に見られるような副作用の発生の心配がなく、安全に使用することができる。

0019

本発明に用いるテアニンの精神集中向上作用の発現は、テアニンを投与した場合と投与していない場合に各々β波(β1波および/またはβ2波)を脳波計商品名:MediSyst、Linden社製)により測定し、テアニンを投与した場合の、テアニンを投与していない場合との比較におけるβ波の減少により評価することができる。

0020

前記β波とは脳波にみられる波形の一つであり、脳波とは脳が活動しているときに大脳皮質から出る活動電位である。脳波はその周波数により分類されており、14〜35Hz(または14Hz以上)がβ波、8〜13Hzがα波、4〜7Hzがθ波、1〜3Hzがδ波と呼ばれている。β波は緊張や不安、イライラ状態にある精神状態のとき、すなわち、心因性運動機能失調における心理的影響が過度なときに認められる脳波である。運動時には「あがり」や疲労蓄積等に伴い、β波が優勢脳波となる。そのような状態では、運動時の精神集中が妨げられ、本来のスポーツパフォーマンスを発揮することができない。本発明の組成物は、運動時に発生するβ波を減少させるように働いて心因性運動機能失調における心理的影響が過度になるのを抑えることができ、それにより、最適な覚醒水準が維持され、精神集中の向上がもたらされるものと推定される。

0021

運動時においては、適度な緊張感は好ましいものであり、また、長時間に渡る運動を一定のスポーツパフォーマンスを維持して持続するためには覚醒水準を一定に保つことが必要である。本発明によれば、最適な覚醒水準が維持され、精神集中の向上がもたらされるので、冷静な予測・判断が可能となり、運動能力をも良好に発揮させることができる。従って、本発明の組成物によれば、スポーツパフォーマンスの質的な改善に加えて、量的な改善をも図ることができ、個体本来のスポーツパフォーマンスを効果的かつ安全に充分発揮させることができる。

0022

なお、本発明に用いるテアニンの精神集中向上作用の発現は、たとえば、回転盤追従動作機器(株)製)、注意力計(稲葉人間工学研究所製)全身反応測定器I型(竹井機器(株)製)、心拍計(竹井機器(株)製)によっても評価することができる。

0023

本発明に用いられるテアニンの製造法としては、たとえば、有機合成法〔Chem.Pharm.Bull.,19(7)1301−1307(1971)〕、発酵法(特開平5−68578号公報、特開平5−328986号公報)または当該方法においてエチルアミンエチルアミン塩酸塩等のエチルアミン誘導体に置き換え変法ピログルタミン酸をエチルアミン塩酸塩と反応させる方法(特開平9−263573号公報)、植物細胞培養法(特開平5−123166号公報)、茶葉より抽出する方法等が挙げられるが、製造工程の簡易化およびコストの観点から、大量かつ安価にテアニンを得ることができる発酵法の利用が好ましい。なお、ここでいう茶葉としては、緑茶葉ウーロン茶葉紅茶葉等が挙げられる。また、市販品〔サンテアニン(登録商標太陽化学(株)製〕を用いてもよい。

0024

テアニンは、L−テアニン、D−テアニン、DL−テアニンのいずれも使用可能であるが、中でもL−体は食品添加物にも認められており、経済的にも利用しやすいため、本発明においてはL−体が好ましい。また、使用されるテアニンの形態としては、精製品粗精製品抽出エキス等、いずれの形態でも良い。

0025

本発明の組成物におけるテアニンの含有量は特に限定されるものではなく、所望により適宜調整すればよい。たとえば、組成物中における好適なテアニン含有量は、好ましくは0.00025〜100重量%、より好ましくは0.005〜100重量%、さらに好ましくは0.05〜100重量%である。

0026

本発明の組成物中のテアニンの検出方法は特に限定されるものではないが、オルトフタルアルデヒド(OPA)によるプレカラムでの誘導体化後、ODSカラムを用いての高速クロマトグラフィーHPLC)で分離し、蛍光検出器で検出定量する方法やODSカラムを用いてHPLCで分離し、波長210nmで検出定量する方法が好ましい。

0027

本発明の組成物には、さらに各種ミネラルを含有させてもよい。ミネラルを含有してなる組成物は、生体内に不足しがちな必須元素、微量必須元素を補うことができるというさらなる効果が奏されるため、より好ましいものである。組成物におけるミネラルの含有量は、たとえば、0.0001〜99.9重量%が好ましく、0.01〜99.9重量%がより好ましい。かかるミネラルとしては、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛セレンカルシウムカリウムマンガンクロムヨウ素、モリブデンニッケルバナジウム等、生体の恒常性の維持、調節のために必須の金属類またはこれらの金属塩類を挙げることができる。これらは単独でもしくは2種以上混合して用いることができる。

0028

また、生薬ハーブ、アミノ酸、ビタミン、その他食品に許容される素材原料を共に含有させてもよい。それらは単独でもしくは2種以上混合して用いることができる。

0029

生薬としては特に限定されるものではないが、たとえば、ギムネマガルシニアカノコソウ杜仲当帰芍薬、牡丹、高麗人参霊芝地黄ナツメ等が挙げられ、精神安定に有効な霊芝、地黄茎、ナツメ等が好ましい。その形態としては特に限定はなく、抽出物乾燥品等いずれでもよい。また、ハーブは特に限定されるものではないが、たとえば、アニスキャロットシードクローブコリアンダーサイプレスシナモン、ジュニパー、ジンジャースイートレンジパイニードルバジルパチュリ、ビターオレンジ、フェンネルブラックペッパーベイペパーミントベルガモットマンリンミルラレモングラスローズマリーグレーフルーツシダウッドシトロネラセージタイムティートゥリー、バイオレットリーフバニラヒソップユーカリライムレモン、イランイラン、カルダモンクラリセージジャスミンゼラニウムカモミールブルガリアローズ、ローズ、オリバナムラベンダーカミツレ、ゼラニウム、サンダルウッドネロリ、バーベナ、プチグレンベチバーマージラムメリッサローズウッドオトギリソウセイントジョーンズワート、カワカワ等が挙げられる。中でも、鎮静効果リラックス効果を有するペパーミント、ベルガモット、イランイラン、ゼラニウム、カモミール、ラベンダー、セイントジョーンズワート、カワカワが好ましい。その形態としては、たとえば、抽出エキス、精油ハーブティ等が挙げられ、特に限定されるものではない。アミノ酸も特に限定されるものではない。たとえば、L型アミノ酸では、アラニンアルギニン、アルギニン酢酸塩塩酸アルギニンアスパラギン、チトルリン、システインシスチングルタミン、グルタミン酸およびその塩類グリシンヒスチジンおよびその塩類、ハイドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リジンおよびその塩類、メチオニンオルニチン酢酸塩および塩酸塩フェニルアラニンプロリンセリントレオニントリプトファンチロシンおよびバリン等、DL型では、アラニン、システインおよびその塩類、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファンおよびバリン等、D型では、アラニン、システイン塩酸塩水和物およびフェニルアラニン等が挙げられる。また、L−アルギニンとL−アスパラギン等のL−アミノ酸複合塩および混合物アスパラギン酸カリウム等のアミノ酸金属塩塩酸L−エチルシステイン等のアミノ酸エステルアセチルシステイン等のアセチルアミノ酸アデニンアデノシン等の核酸関連物質ベータ−アラニン等のオメガアミノ酸およびヒスタミン二塩酸塩等のアミノ酸代謝物γ−アミノ酪酸タウリンチオタウリンヒポタウリン等が挙げられる。ビタミンとしては、たとえば、ビタミンAビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビタミンB12、ビタミンCビタミンDビタミンEビタミンK葉酸ニコチン酸リポ酸パントテン酸ビオチンユビキノン等が挙げられ、これらビタミンの誘導体も含まれるがこれらのみに限定されるものではない。その他食品に許容される素材・原料としては、たとえば、アロエローヤルゼリーメラトニンプラセンタプロポリスイソフラボン大豆レシチン卵黄レシチン卵黄油コンドロイチンカカオマスコラーゲン、酢、クロレラスピルリナイチョウ葉緑茶、杜仲茶、黄妃茶、ウーロン茶の葉、甜茶バナバ茶不飽和脂肪酸、オリゴ糖等の糖類、ダイエット甘味料食物繊維大豆ペプチド等の機能性素材、ビフィズス菌、紅麹等の菌類アガリクス茸姫マツタケマイタケ等のキノコ類ブルーベリープルーンブドウオリーブ、うめ、柑橘類等の果実類落花生アーモンドゴマ胡椒等の種実類ピーマン唐辛子ネギカボチャ、ウリ、人参ゴボウモロヘイヤニンニクシソワサビトマト、らっきょ、葉菜、豆等の野菜類ワカメ等の海草類魚介類、獣鯨肉類、穀類等、そのもの、あるいはそれらの抽出物、乾燥品、粗精製品、精製品、加工品醸造品等が挙げられる。中でも、ダイエット甘味料、食物繊維、大豆ペプチド等の機能性素材が好ましい。

0030

また、本発明の組成物としては、日常の使用に適するという観点から、食品組成物または医薬組成物が好ましい。

0031

本発明における食品組成物としては、テアニンを含有してなる食品のみならず、テアニンを含有してなる食品添加物も含まれる。

0032

本発明に包含される前記食品としては、乾燥食品サプリメント等の固形食品、また、清涼飲料ミネラルウォーター嗜好飲料アルコール飲料等の液状食品を挙げることができる。固形食品としては特に限定されるものではないが、詳しくは、たとえば、練り製品大豆加工品ムースゼリーヨーグルト冷菓、飴、チョコレートガムクラッカービスケットクッキー、ケーキ、パン等が挙げられる。また、液状食品としては特に限定されるものではないが、詳しくは、たとえば、緑茶、ウーロン茶、紅茶ハーブティー等の茶類濃縮果汁濃縮還元ジュースストレートジュース、果実ミックスジュース果肉入り果実ジュース果汁入り飲料、果実・野菜ミックスジュース、野菜ジュース、ミネラルウォーター、炭酸飲料、清涼飲料、牛乳乳飲料日本酒ビールワインカクテル焼酎ウイスキー等が挙げられる。

0033

また、本発明の医薬組成物としては、テアニンを含有してなるものであれば特に限定されるものではない。たとえば、その形態としては、溶液懸濁物粉末固体成型物等のいずれでもよく、その剤型としては、錠剤カプセル粉末剤顆粒剤ドリンク剤等があげられる。また、他の医薬品とも併用することができる。

0034

本発明の組成物の製法は特に限定されるものではなく、たとえば、テアニンと他の原材料粉体混合する製法、溶媒中にテアニンと他の原材料を溶かし混合溶液とする製法、またその混合溶液を凍結乾燥する製法、噴霧乾燥する製法等、一般的な食品または医薬品の製法を適用することができる。本発明の組成物を製造する際に用いることができるテアニン以外の成分は、テアニンによる所望の効果の発現が阻害されないかぎり、適宜所望の用途に合わせて選択することができる。

0035

たとえば、既存の食品に対し、製造後の本発明の食品組成物におけるテアニンの含有量が、好ましくは、前記組成物中における好適なテアニンの含有量範囲内となるように、テアニンを常法により配合することにより本発明の食品組成物を製造することができる。また、テアニンを、たとえば、公知の経口投与に適した有機または無機担体賦形剤結合剤、安定剤等と、食品組成物の製造の場合と同様、好ましくは前記好適なテアニンの含有量範囲内となるように、テアニンを常法により配合することにより医薬組成物を製造することができる。

0036

さらに本発明の一態様として、テアニンを個体に投与する、運動時における精神集中の向上方法を提供する。かかる方法によれば、副作用の発生の心配なく安全に、しかも効果的に当該個体の精神集中を向上させることができるので、当該個体の本来のスポーツパフォーマンスを発揮させるのに有効である。なお、「個体」とは、たとえば、哺乳動物が挙げられ、具体的には、ヒト、ウマイヌ等を挙げることができるが、中でも本方法はヒトに対し好適に用いられる。

0037

本態様において、本発明の所望の効果を得るためのテアニンの有効投与量としては一般には、たとえば、ヒトの場合、成人1回の投与当たり0.01〜200mg/kg体重が好ましく、1〜20mg/kg体重がより好ましい。ただし、各個体においては、個体差年齢性別等)があるため、本発明におけるテアニンの投与量はかかる範囲のみに限定されるものではない。行う運動の種類によっても覚醒の最適水準が異なるため、各運動に応じ、各個体において所望のスポーツパフォーマンスが得られるよう、適宜テアニンの投与量を調節すればよい。

0038

テアニンの投与は、テアニンそのものを用いて、または、本発明の組成物、好ましくは食品組成物または医薬組成物を用いて行えばよい。また、投与方法投与回数、投与期間等も特に限定されるものではなく、前記個体、好ましくは、ヒトに対し、たとえば、1回でまたは複数回に分けて、好ましくは経口投与により、テアニンを前記有効投与量範囲で投与すればよい。テアニンもしくは本発明の組成物を、運動前、好ましくは15〜30分前に投与することで運動時のスポーツパフォーマンスを効率的に向上させることができ、また、運動の最中に投与することでスポーツパフォーマンスの向上を維持させることができる。また、用時に備え、日常的に投与することも有効である。

0039

本発明に用いるテアニンによる所望の効果の発現は、個々の運動によって異なる、個体に要求される運動特性、たとえば、持久力、瞬発力バランス感覚等とは無関係であり、従って、本発明の組成物は、あらゆる運動において有効である。たとえば、運動としては、短距離中距離リレーマラソン、競歩、走り高跳び、棒高跳び砲丸投げ、やり投げ、ハンマー投げ等の上競技、競泳、飛び込みシンクロナイズド・スイミング、水球等の水泳バスケットボールテニスバレーボールハンドボールサッカー、ホッケー、ソフトボール野球卓球ビーチバレーゴルフラグビー、アメリカフットボール、ラクロスボウリングゲートボール、ドッチボールビリヤード等の球技トランポリンや新体操等の体操競技、ボクシングフェンシング、柔道、テコンドー、レスリング、空手、日本拳法合気道剣道、相撲等の格闘技、射撃アーチェリー弓道等の標的をねらう競技、術、自転車競技モーターサイクルカーレース等、漕艇セーリングカヌー等の水上競技等、スケートアイスホッケー、スキースキージャンプスノーボード合戦等の氷雪上競技等、バトミントンウェイトリフティングセパクロー等が挙げられるがこれらのみに限定されるものではない。

0040

前記各種運動において、特に、単なる運動ではなく、勝敗を決することを目的として行う競技では、日常的な運動に比し、競技者の心理的影響がより如実に結果に影響するものと考えられ、競技の前または競技の最中にテアニンを摂取することは有効である。競技者は、精神集中の向上に伴い、たとえば、陸上競技(短距離)においては、スタートの合図を聞いてからスタートまでの反応時間が短縮されることを、一方、陸上競技(長距離)や遠泳においては、長時間に渡る運動においても気分爽快感が持続され、疲労感が少ないことを、また、射撃、アーチェリー、弓道等においては、標的をねらう場面において手の震えやあがりが防止されることを実感することができる。また、サッカー、バレーボール、ハンドボールといった団体競技においては、相手見方プレーヤーの位置や行動に絶えず注意が向き、予測・判断をより正確かつ迅速に行うことができる。

0041

本発明において用いられるテアニンの安全性は高く、たとえば、マウスを用いた急性毒性試験において5g/kg経口投与で死亡例はなく、一般状態および体重等に異常は認められない。また、特にL−テアニンは茶の旨味の主成分として知られるものであり呈味を用途とする食品添加物としても使用され、食品衛生法上、その添加量に制限はない。しかも、従来の薬物と異なり、テアニンによる副作用は全く認められないので、本発明の組成物によれば、安全かつ効果的に精神集中が図られ、スポーツパフォーマンスを向上させることができる。

0042

以下、実施例および試験例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は当該実施例および試験例のみに限定されるものではない。なお、以下における各組成物の製造にはL−テアニン〔商品名:サンテアニン、太陽化学(株)製〕を用いた。

0043

製造例1酵素法によるテアニンの製造
グルタミン21.9gおよび塩酸エチルアミン28.5gを0.05Mホウ酸緩衝液(pH9.5)0.5L中、0.3Uグルタミナーゼ(天野製薬(株)製)にて30℃、22時間反応させた。次いで、反応液をDowex50×8およびDowex 1×2(共に室化学工業(株)製)を用いるカラムクロマトグラフィーにかけ、これをエタノール処理することにより、反応液から目的物質を単離した。

0044

当該物質のL−テアニンとの確認は、この単離物質をアミノ酸アナライザーおよびペーパークロマトグラフィーにかけ、標準物質と同じ挙動を示すことを確認することにより行った。塩酸またはグルタミナーゼで加水分解処理を行うと、1:1(モル比)の割合でグルタミン酸とエチルアミンを生じた。このように、単離物質がグルタミナーゼによって加水分解されたことから、エチルアミンがグルタミン酸のγ位に結合していたことが示される。また、加水分解で生じたグルタミン酸がL- 体であることも、グルタミン酸デヒドロゲナーゼにより確認され、得られた単離物質がL−テアニンであることを確認した。以上より、8.5gのL−テアニンが得られた。

0045

製造例2テアニンの茶葉からの抽出
茶(Camellia sinensis L.)葉10kgを熱水で抽出後、カチオン交換樹脂〔室町化学工業(株)製 Dowex HCR W−2〕に通し、1N NaOHにより溶出した。溶出画分活性炭〔二化学工業(株)製 太閤活性炭 SG〕に通し、15%エタノールによる溶出画分をRO膜〔日東電工(株)製NTR 729 HF〕を用いて濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製し、更に再結晶を行い、L−テアニン24.8gを得た。

0046

実施例1テアニン配合チュウアブルの製造
テアニン配合精神集中向上用組成物の1例として、次に示す原料を混合し、打錠して、テアニン配合チュウアブルを製造した。
フロストシュガー71.67重量%(1.075g)
トレハロース10重量%(0.15g)
L−テアニン 13.33重量%(0.2g)
ショ糖脂肪酸エステル1重量%(0.015g)
香料〔高砂香料工業(株)製〕 4重量%(0.06g)
合計 100重量%(1.5g)
すなわち、上記配合に従って各原料を混合し、造粒後に、一粒1.5gとなるように打錠した。

0047

比較例1対照チュウアブルの製造
次に示す原料を混合し、打錠して、対照チュウアブルを製造した。
フロストシュガー85重量%(1.275g)
トレハロース10重量%(0.15g)
ショ糖脂肪酸エステル1重量%(0.015g)
香料〔高砂香料工業(株)製〕 4重量%(0.06g)
合計 100重量%(1.5g)
すなわち、上記配合に従って各原料を混合し、造粒後に、一粒1.5gとなるように打錠した。

0048

実施例2テアニン含有チューインガムの製造
テアニン配合精神集中向上用組成物の1例として、次に示す原料を混合してテアニン配合チューインガムを製造した。
ガムベース20重量%(0.7g)
粉糖74.3重量%(2.6g)
L−テアニン 5.7重量%(0.2g)
合計 100重量%(3.5g)
すなわち、上記原料を混合して均一になるまで混練し、得られた混練物を50℃に保温しながら押出機シート状に押出し、さらに圧延ローラーで所定の厚さのシートとし、20mm×75mmの大きさに裁断し、一枚3.5gのチューインガムを製造した。

0049

比較例2対照飲料の製造
次に示す配合に従って各原料を混合し、溶解して、1330gとなるように缶充填して殺菌し、対照飲料を製造した。
果糖1重量%(3.3g)
マスカット果汁0.1重量% (0.33g)
ビタミンC0.2重量% (0.66g)
グラニュー糖0.01重量% (0.033g)
クエン酸0.1重量%(0.33g)
水 98.59重量% (325.347g)
合計 100重量% (330g)

0050

実施例3テアニン50mg含有飲料の製造
次に示す配合に従って各原料を混合し、溶解して、1缶330gとなるように缶充填して殺菌し、テアニンを50mg含有する飲料を製造した。
果糖1重量% (3.3g)
マスカット果汁0.1重量% (0.33g)
ビタミンC0.2重量% (0.66g)
グラニュー糖0.01重量% (0.033g)
クエン酸0.1重量% (0.33g)
L−テアニン 0.015重量% (0.05g)
水 98.575重量% (325.297g)
合計 100重量% (330g)

0051

実施例4テアニン200mg含有飲料の製造
次に示す配合に従って各原料を混合し、溶解して、1缶330gとなるように缶充填して殺菌し、テアニンを200mg含有する飲料を製造した。
果糖1重量% (3.3g)
マスカット果汁0.1重量% (0.33g)
ビタミンC0.2重量% (0.66g)
グラニュー糖0.01重量% (0.033g)
クエン酸0.1重量% (0.33g)
L−テアニン 0.061重量% (0.2g)
水 98.529重量% (325.147g)
合計 100重量% (330g)

0052

実施例5顆粒剤の製造
乳糖(5g)、L−テアニン(10g)、グラニュー糖(3g)、香料〔2g;高砂香料工業(株)製〕、ビタミンC(15g)、デンプン(2 0g)を混和し、造粒後に1包中2gとなるように充填包装して顆粒剤を製造した。

0053

実施例6粉末飲料の製造
抹茶(50g)、L−テアニン(10g)、グラニュー糖(3g)、粉糖(20g)、ビタミンC(10g)、クエン酸(1g)を混和し、造粒後に1包中2gとなるように充填包装して抹茶の粉末飲料を製造した。

0054

実施例7チョコレートの製造
カカオマス(60g)、L−テアニン(10g)、グラニュー糖(3g)、トレハロース(9g)、グリセリン脂肪酸エステル(0.9g)、全粉乳(10g)、植物性油(10g)を混和し、定法によりチョコレートを製造した。

0055

試験例1弓道における精神集中向上試験
被験者は、弓道部に所属する子大学生30名とした。当該被験者の弓道の段および経験年数を表1および2に示す。

0056

0057

0058

(1)予備試験
(i)方法
まず、予備試験を行った。当該試験では、各被験者ごとに弓道場にて立射により弓道の行射を行い、記録者により的中得点を記録した。全試合終了後、各試行について、「全く集中できない」を0点、「非常に集中できる」を10点とした10段階の主観集中度と、「全く緊張しない」を0点、「非常に緊張する」を10点とした10段階の主観的緊張度とをアンケートにより調査した。

0059

(ii)結果
予備試験の結果、弓道の段および経験年数に応じて被験者間で的中得点に差が認められたが、緊張度および集中度については特に大きな差は認められなかった。すなわち、各被験者間で技能の差はあるものの、緊張度および集中度については同程度であることが明らかになった。

0060

(2)本試験
(i)方法
続いて本試験を行った。まず、各被験者は6日間(月曜日から土曜日)連続で弓道場にて弓道の行射を行った。各被験者の的中得点に基づき、各チームとも平均的な得点が得られるように3人づつ10チームに分けた(実験I)。翌週、被検物質として、10チーム中5チーム(グループA)には試験群として実施例1にて製造したテアニン配合チュウアブル3錠(L−テアニン量:600mg)を、残りの5チーム(グループB)には対照群として比較例1にて製造した対照チュウアブル3錠を、それぞれ行射試行の30分前に5分間以内で全て摂取させた。6日間連続で弓道場にて弓道の行射を行い、得点の記録を行った(実験II)。さらに翌週、試験群と対照群とを入れ替えて同様の弓道の行射を行い、得点の記録を行った(実験III)。なお、各実験においては前記同様にしてアンケート調査を行った。また、試験期間中は、各被験者に対し、被検物質が何であるかについて告知しなかった。的中得点の集計では、各被験者の6日間の得点をグループ毎に平均した。

0061

(ii)結果
実験I、IIおよびIII における被験者(各グループ毎)の的中得点(平均値)を図1に示す。また、アンケート調査による緊張度および集中度の得点を記録した結果を図2および3に示す。

0062

弓道の行射における試験群と対照群の的中得点の比較から、試験群は対照群に比し有意に的中得点が増加することが分かる。また、緊張度および集中度についての比較から、緊張度は試験群が対照群に比し有意に減少し、集中度は試験群が対照群に比し有意に増加することが分かる。

0063

試験例2ライフル射撃における精神集中向上試験
被験者は、射撃部に所属する男子大学生20名、女子大学生8名の合計28名とした。

0064

(1)予備試験
(i)方法
エアーライフル(4.5mm、177口径)による立射(standing position)を図4実験手順試射および本射につき各3発行い、記録者は得点を記録した。なお、標的は9号標的を用い、射座から標的までの距離は公式競技と同様の10mに設定した。また、全試合終了後、各試行について、「全く集中できない」を0点、「非常に集中できる」を10点とした10段階の主観的集中度と、「全く緊張しない」を0点、「非常に緊張する」を10点とした10段階の主観的緊張度とをアンケートにより調査した。

0065

(ii)結果
技能の差を反映して各被験者間で得点差が認められたが、緊張度および集中度については特に大きな差は認められなかった。すなわち、各被験者間で技能の差はあるものの、緊張度および集中度については同程度であることが明らかになった。そこで、平均的な得点が得られるように、本射3発の平均スコアにより、28名を2群(グループAおよびB)に分けた。

0066

(2)本試験
(i)方法
本試験では、射撃場にて、各被験者はエアーライフル立射競技課題10発を連続して15分間内で撃った。全試行終了後、各試行について「全く集中できない」を0点、「非常に集中できる」を10点とした10段階の主観的集中度と、「全く緊張しない」を0点、「非常に緊張する」を10点とした10段階の主観的緊張度とをアンケートにより調査した。

0067

被検物質として、グループAには試験群として実施例1にて製造したテアニン配合チュウアブル3錠(L−テアニン量:600mg)を、グループBには対照群として比較例1にて製造した対照チュウアブル3錠をエアーライフル立射競技試行の45分前に5分以内で全て摂取させた。3日間(火曜日から木曜日)連続して射撃場でエアーライフル立射競技試行を行い得点の記録を行った(実験I)。さらに翌週、試験群と対照群とを入れ替え同様のエアーライフル立射競技試行を行い得点の記録を行った(実験II)。なお、各実験においては前記同様にしてアンケート調査を行った。また、試験期間中は、各被験者に対し、被検物質が何であるかについて告知しなかった。得点の集計では、各被験者の3日間の得点をグループ毎に平均した。

0068

(ii)結果
実験IおよびIIにおける被験者(各グループ毎)の得点(平均値)を図5に示す。また、アンケート調査による緊張度および集中度の得点を記録した結果を図6および7に示す。

0069

エアーライフル立射競技試行における試験群と対照群の得点の比較から、試験群は対照群に比し有意に得点が増加することが分かる。また、緊張度および集中度についての比較から、緊張度は試験群が対照群に比し有意に減少し、集中度は試験群が対照群に比し有意に増加することが分かる。

0070

試験例3サッカー選手の一点集中における精神集中向上試験
被験者は、サッカー部に所属する男子高校生52名とした。

0071

(i)方法
試験には、注意力計AF型(稲葉人間工学研究所)を用いた。この機器では、画面に1〜9のいずれかの数字が2Hzの速さでランダム出現する。被験者は当該画面に現れる数字に注目(一点集中)し、予め指定された3種類の数字のいずれかが現れた時スイッチを押す。かかる反応の正確さにより注意の集中状態良否について判定する。詳しくは、反応の正確さを正答率として求め、これを一点集中成績とし、かかる成績により注意の集中状態を評価する。当該成績が高いほど、注意の集中状態が良好である。正答率(%)は、Signal数(発信数)をS、Pass数(数字を見落とした数)をP、Miss数(数字を押し間違えた数)をMとして、以下の式により求めた。
正答率(%)=[〔S−(P+M)〕/S]×100

0072

まず、予備試験を行い、注意力計による一点集中成績が均等となるように被験者を二群(グループAおよびB)に分けた。各被験者を実験室内の椅子に座らせ、図8の手順で一点集中成績を測定した。被検物質として、グループAには試験群として実施例1にて製造したテアニン配合チュウアブル1錠(L−テアニン量:200mg)を、グループBには対照群として比較例1にて製造した対照チュウアブル1錠を、測定の30分前に5分以内で全て摂取させた。3日間連続して測定を行った(実験I)。さらに翌週、試験群と対照群とを入れ替え同様にして測定を行った(実験II)。なお、試験期間中は、各被験者に対し、被検物質が何であるかについて告知しなかった。また、結果の集計では、各被験者の3日間の一点集中成績(正答率)(%)をグループ毎に平均した。

0073

(ii)結果
実験IおよびIIにおける被験者(各グループ毎)の一点集中成績(平均値)を図9に示す。試験群と対照群との比較から、試験群は対照群に比し有意に一点集中成績が増加することが分かる。

0074

試験例4 長時間耐久性運動時におけるテアニンの脳波に及ぼす影響
被験者は、耐久力もしくは持久力についてのトレーニング、またはウェイトリフティング等のトレーニングを行っている健康な男性喫煙なし)15名とした。また、被験者には薬剤常用している者はなかった。試験の内容はインフォームドコンセントにより説明を行った。予備調査により循環器系の疾患がないことを確認し、運動能力が均等になるよう、各被験者の運動能力に応じて群分け(グループA、BおよびC)を行った。なお、被験者の内1名が病気のため試験より脱落し、最終的に14名で試験を行った。

0075

(i)方法
本試験に先立って予備試験を行った。なお、両試験とも同じ自転車エルゴメーター(竹井機器工業(株)製)を用いアップライト体勢により試験を行った。予備試験では、50ワット負荷で試験を開始し、以後3分ごとに50ワットずつ負荷を増やしていき、被験者が疲れ切るまで(負荷を5段階に分けて増加し、一定の負荷のまま3分間維持できなくなるまで)こぎ続けさせた。疲れきった時点での最終的な負荷を各被験者の最大負荷能力値とし、基準とした(なお、全負荷時間は最大で16分間とした。)。

0076

本試験における長時間耐久性運動時の脳波測定の方法を図10に示す。試験は、被験者ごと同じ曜日の午前中の同じ時間(午前8時、8時35分、10時20分から)に行った。被検物質として、比較例3で製造した対照飲料をグループAに、実施例3で製造したテアニン50mg含有飲料をグループBに、実施例4で製造したテアニン200mg含有飲料をグループCに摂取させた。また、被験者には、試験の1時間前に朝食(395kcal)を摂ることを習慣づけた。

0077

運動負荷中の脳波測定は以下の手順により行った。脳波測定用のエロクトキャップを装着させ、自転車エルゴメーターをこぎ始めてから(0ワット)予備試験において得られた最大負荷能力値(基準)まで、5段階に分けて負荷をかけた。すなわち、第1段階から第4段階まで、各々3分間ずつ自転車エルゴメーターこぎを持続させ、続く第5段階では4分間、自転車エルゴメーターこぎを持続させた。その後、一旦こぐことを中断させ、目を閉じさせ、うつぶせにして被検物質(飲料)摂取前の脳波を3分間測定した(M1)。

0078

各飲料を試験開始より22分後から30分後までに摂取させ、摂取後、各被験者の最大負荷能力値で自転車エルゴメーターこぎを再開させ、再開から30分(M2)、45分(M3)、60分(M4)および120分(M5)後にそれぞれ同様に脳波測定を行った。なお、脳波計は、商品名:MediSyst、Linden社製を用いた。

0079

(ii)結果
飲料摂取前M1と摂取後M2、M3、M4、M5での被験者におけるβ1波およびβ2波の出現をグループ毎に平均し、それぞれ図11および12に示す。

0080

図11および12から、テアニンを含まない対照飲料と比較して、テアニン含有飲料を摂取することにより、テアニン濃度依存的に、イライラの際に出現することが知られるβ波の出現が抑えられることが分かる。耐久性の運動を長時間継続していくと精神的疲労が蓄積しスポーツパフォーマンスの低下が生じ、その際、β波の出現が検出される。テアニンを含有した飲料を摂取することにより、当該β波の出現が抑えられることから、運動負荷時におこる精神的疲労の蓄積における心理的影響が抑制されるものと考えられる。

発明の効果

0081

本発明によれば、運動時における、主として緊張や萎縮、集中力の低下や欠如、精神的疲労の蓄積等の心因性運動機能失調における心理的影響を抑制して本来のスポーツパフォーマンスを効果的かつ安全に発揮させることができる。

図面の簡単な説明

0082

図1図1は、弓道の行射における被験者(各グループ毎)の的中得点(平均値)を示す棒グラフである。グラフ中、棒は的中得点を、棒の上端から垂直に伸び線分標準偏差(S.D.)を示す。統計処理スチューデントの両側t検定により行った。
図2図2は、弓道の行射におけるアンケート調査による被験者(各グループ毎)の緊張度(平均値)の結果を示す棒グラフである。グラフ中、棒は緊張度を、棒の上端から垂直に伸びる線分は標準偏差(S.D.)を示す。統計処理はスチューデントの両側t検定により行った。
図3図3は、弓道の行射におけるアンケート調査による被験者(各グループ毎)の集中度(平均値)の結果を示す棒グラフである。グラフ中、棒は集中度を、棒の上端から垂直に伸びる線分は標準偏差(S.D.)を示す。統計処理はスチューデントの両側t検定により行った。
図4図4は、ライフル射撃における精神集中向上試験の予備試験の手順を示すフロチャートである。
図5図5は、ライフル射撃における被験者(各グループ毎)の得点(平均値)を示す棒グラフである。グラフ中、棒は得点を、棒の上端から垂直に伸びる線分は標準偏差(S.D.)を示す。統計処理はスチューデントの両側t検定により行った。
図6図6は、ライフル射撃におけるアンケート調査による被験者(各グループ毎)の緊張度(平均値)の結果を示す棒グラフである。グラフ中、棒は緊張度を、棒の上端から垂直に伸びる線分は標準偏差(S.D.)を示す。統計処理はスチューデントの両側t検定により行った。
図7図7は、ライフル射撃におけるアンケート調査による被験者(各グループ毎)の集中度(平均値)の結果を示す棒グラフである。グラフ中、棒は集中度を、棒の上端から垂直に伸びる線分は標準偏差(S.D.)を示す。統計処理はスチューデントの両側t検定により行った。
図8図8は、注意力計による一点集中成績測定手順を示すフロチャートである。
図9図9は、一点集中における被験者(各グループ毎)の一点集中成績(平均値)を示す棒グラフである。グラフ中、棒は一点集中成績を、棒の上端から垂直に伸びる線分は標準偏差(S.D.)を示す。統計処理はスチューデントの両側t検定により行った。
図10図10は、本試験での長時間耐久性運動時における脳波測定時期を示す図である。図中、Mは脳波測定時期を、横線で示すタイムスケールは、下段については、試験開始からの経過時間(分)を、上段については、被検物質の摂取までと摂取後の自転車エルゴメーターこぎの再開以後とを分けて記載した経過時間を示す。
図11図11は、長時間耐久性運動時での被験者(各グループ毎)におけるβ1波の出現を示すグラフである。
図12図12は、長時間耐久性運動時での被験者(各グループ毎)におけるβ2波の出現を示すグラフである。

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