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技術 軟質組織の修復および再生のための向上した構造的完全性を有する強化した発泡体移植片の使用方法

出願人 デピュイ・ミテック・エルエルシー
発明者 スティーブン・エム・ボウマンイジ・ブルーカーアリレザ・レザニアフランコイス・ビネットジュリア・ホワン
出願日 2001年12月20日 (18年11ヶ月経過) 出願番号 2001-388080
公開日 2002年11月5日 (18年0ヶ月経過) 公開番号 2002-320631
状態 特許登録済
技術分野 補綴 手術用機器
主要キーワード 断裂部分 円形動作 補強用メッシュ 損失部分 発泡体部品 促進構造 高電圧供給源 メッシュ布地
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

特に靭帯、および神経に対する傷害等の組織傷害修復するために使用する生体相容性組織修復刺激性移植片または「支持骨格(scaffold)」装置を提供する。

解決手段

上記の移植片は手および足における靭帯、腱、および神経の組織に対する傷害を修復するための外科処置を含む各方法において特に有用である。この修復処置は組織の治癒または修復を補助する生物学的な成分を含有している移植片により行うことができる。

概要

背景

個々の人は外科的介入による修復を必要とする軟骨筋肉、骨、および等の組織に対する傷害を持ち続けている場合がある。このような修復は損傷した組織の縫合線処理またはそれ以外の修復処理により行うか、且つ/または、損傷した組織を別の組織または組織移植片により増強移植することにより行うことができる。このような移植片は損傷した組織に対して構造的な支持を行うことができる。

一般的な組織傷害の一例は、例えば、膝関節における半月板等の軟骨に対する損傷に関係している。膝関節には内側半月板および外側半月板の2個の半月板がある。この半月板は足の大腿脛骨との間に挟まれている両凹形の線維性軟骨組織である。この半月板の主な機能は負荷支えること、衝撃の吸収、安定化、および関節を滑らかにすることである。適正に治療されない場合は、「バケツ断裂(bucket-handle tear)」等の半月板に対する傷害が変形性関節症発展する可能性がある。現在において、損傷した半月板に対する治療様式は半月板の除去および損傷した半月板の外科的修復を含む。

別の一般的な組織障害は損傷または断裂した回旋腱板であり、この回旋腱板は上腕骨肩甲骨に対する円形動作を行う。この回旋腱板に付随する最も一般的な傷害は棘上筋腱に対する挫傷または断裂である。この断裂は上腕骨を伴う腱の挿入部位において生じて、この腱を骨から(傷害の程度により)部分的または完全に剥離する可能性がある。加えて、上記の挫傷または断裂は腱自体の中に生じる可能性がある。挫傷した腱に対する治療は通常において腱の使用の物理的な中止を含む。しかしながら、傷害の程度に応じて、上腕骨からの棘上筋腱の完全な断裂の場合のように、断裂した腱が外科的介入を必要とする場合がある。このような外科的介入は断裂した組織の修復および/または再付着を含む。この回旋腱板の傷害修復の後に長時間の回復期間がかかる場合が多い。

損傷した組織(例えば、半月板、靭帯、および腱)の外科治療は比較的に信頼性の高い組織修復を行う技法により効果的に行うことができ、このような治療は比較的に速い治癒を実現する。従って、このような効果を達成するために外科処置において種々の移植片が用いられている。このような移植片の例は生物学的に誘導した組織により作成した移植片(例えば、同種移植片および自家移植片)、および合成の移植片を含む。生物学的に誘導した材料は病気伝染に起因する可能性がある点で不都合を有する場合があり、合成の材料はこれらの特性がバッチ間において再現性があるように製造することが困難である。

上記のような状態を治療するための種々の既知の装置および技法が従来技術において報告されている。例えば、Naughton他(米国特許第5,842,477号)は移植片の縫合を容易にする骨膜軟骨膜組織との組み合わせにおいて生体相容性の縫合線を移植することにより軟骨を作成および/または修復する生体外式の方法を記載している。

また、種々の組織補強材料が米国特許第5,891,558号(Bell他)および欧州特許出願第0274898A2号(Hinsch)において開示されている。このBell他は組織の修復および再構成において使用可能な生体ポリマー発泡体および発泡体構造を記載している。また、Hinschは吸収性の材料により作成されている連続気泡型の発泡体状の移植片を記載しており、この移植片は内部に埋め込まれている1種類以上の織物補強要素を有している。この移植片材料は、潜在的に有用であるが、組織修復用の移植片として効果的に使用されるための十分な強度および構造的な完全性欠けていると考えられる。

概要

特に靭帯、腱、および神経に対する傷害等の組織傷害を修復するために使用する生体相容性で組織修復刺激性の移植片または「支持骨格(scaffold)」装置を提供する。

上記の移植片は手および足における靭帯、腱、および神経の組織に対する傷害を修復するための外科処置を含む各方法において特に有用である。この修復処置は組織の治癒または修復を補助する生物学的な成分を含有している移植片により行うことができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

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請求項1

生体相容性組織修復刺激性移植片において、連続気泡型気孔構造を伴う気孔を有する生体吸収性高分子発泡体部品と、生体相容性でメッシュ含有の材料により形成されている補強部品を備えており、前記発泡体部品が前記補強部品のメッシュの中に当該発泡体部品の気孔が入り込んで補強部品に対して結合する様式で当該補強部品に対して結合しており、さらに、移植片に付随する少なくとも1種類の生物学的成分を含有している移植片。

技術分野

0001

本発明は半月板靭帯、およびに対する損傷等の整形外科型の傷害修復における使用のための少なくとも1種類の生物学的成分を含有可能な生体吸収性多孔質強化した生体相容性組織修復刺激性移植装置、および当該装置を作成するための方法に関する。

背景技術

0002

個々の人は外科的介入による修復を必要とする軟骨筋肉、骨、および腱等の組織に対する傷害を持ち続けている場合がある。このような修復は損傷した組織の縫合線処理またはそれ以外の修復処理により行うか、且つ/または、損傷した組織を別の組織または組織移植片により増強移植することにより行うことができる。このような移植片は損傷した組織に対して構造的な支持を行うことができる。

0003

一般的な組織傷害の一例は、例えば、膝関節における半月板等の軟骨に対する損傷に関係している。膝関節には内側半月板および外側半月板の2個の半月板がある。この半月板は足の大腿脛骨との間に挟まれている両凹形の線維性軟骨組織である。この半月板の主な機能は負荷支えること、衝撃の吸収、安定化、および関節を滑らかにすることである。適正に治療されない場合は、「バケツ断裂(bucket-handle tear)」等の半月板に対する傷害が変形性関節症発展する可能性がある。現在において、損傷した半月板に対する治療様式は半月板の除去および損傷した半月板の外科的修復を含む。

0004

別の一般的な組織障害は損傷または断裂した回旋腱板であり、この回旋腱板は上腕骨肩甲骨に対する円形動作を行う。この回旋腱板に付随する最も一般的な傷害は棘上筋腱に対する挫傷または断裂である。この断裂は上腕骨を伴う腱の挿入部位において生じて、この腱を骨から(傷害の程度により)部分的または完全に剥離する可能性がある。加えて、上記の挫傷または断裂は腱自体の中に生じる可能性がある。挫傷した腱に対する治療は通常において腱の使用の物理的な中止を含む。しかしながら、傷害の程度に応じて、上腕骨からの棘上筋腱の完全な断裂の場合のように、断裂した腱が外科的介入を必要とする場合がある。このような外科的介入は断裂した組織の修復および/または再付着を含む。この回旋腱板の傷害修復の後に長時間の回復期間がかかる場合が多い。

0005

損傷した組織(例えば、半月板、靭帯、および腱)の外科治療は比較的に信頼性の高い組織修復を行う技法により効果的に行うことができ、このような治療は比較的に速い治癒を実現する。従って、このような効果を達成するために外科処置において種々の移植片が用いられている。このような移植片の例は生物学的に誘導した組織により作成した移植片(例えば、同種移植片および自家移植片)、および合成の移植片を含む。生物学的に誘導した材料は病気伝染に起因する可能性がある点で不都合を有する場合があり、合成の材料はこれらの特性がバッチ間において再現性があるように製造することが困難である。

0006

上記のような状態を治療するための種々の既知の装置および技法が従来技術において報告されている。例えば、Naughton他(米国特許第5,842,477号)は移植片の縫合を容易にする骨膜軟骨膜組織との組み合わせにおいて生体相容性の縫合線を移植することにより軟骨を作成および/または修復する生体外式の方法を記載している。

0007

また、種々の組織補強材料が米国特許第5,891,558号(Bell他)および欧州特許出願第0274898A2号(Hinsch)において開示されている。このBell他は組織の修復および再構成において使用可能な生体ポリマー発泡体および発泡体構造を記載している。また、Hinschは吸収性の材料により作成されている連続気泡型の発泡体状の移植片を記載しており、この移植片は内部に埋め込まれている1種類以上の織物補強要素を有している。この移植片材料は、潜在的に有用であるが、組織修復用の移植片として効果的に使用されるための十分な強度および構造的な完全性欠けていると考えられる。

発明が解決しようとする課題

0008

これら既存の技法にもかかわらず、損傷した組織を縫合して当該損傷した組織の迅速な治癒を容易にするための装置および方法が依然として要望されている。

0009

本発明は以下の添付図面と共に考察して以下の詳細な説明を参考にすることよりさらに完全に理解することができる。本発明は病気のまたは損傷した組織の修復および/または再生において使用するための生体吸収性で多孔質の強化された生体相容性の組織修復刺激性の移植片、または「支持骨格(scaffold)」装置、およびこれらの装置を作成および使用するための方法に関する。これらの移植片は連続気泡型の気孔構造を伴う気孔を有する生体吸収性の高分子発泡体部品により構成されている。この発泡体部品メッシュ等の材料により補強されている。好ましくは、この移植片は移植の前または移植中に手術室においてこれを取り扱うことを可能にするために十分な構造的完全性を有している。また、これらの移植片は当該移植片が裂けることなく縫合線またはファスナー許容して保持することを可能にするために十分な特性(例えば、引裂強さ)も有している必要がある。上記の発泡体部品と補強部品とを一体にすることにより本発明の移植片に望ましい諸特性が賦与される。すなわち、上記の発泡体部品において気孔形成しているウエブまたは壁部が補強部品のメッシュの中に入り込んでこれらに対して結合する。この移植片はその発泡体部品および補強部品のそれぞれにおいて1個以上の層を備えることができる。好ましくは、発泡体における各隣接層もまた当該隣接層内において気孔形成しているウエブまたは壁部の少なくとも部分的な結合により一体化されている。本発明の移植片は当該移植片内に組み込まれている少なくとも1種類の生物学的成分を随意的に含有することができる。

0010

上記の補強材料は好ましくはメッシュであり、生体吸収性にすることができる。この補強材料は縫合を可能にするために十分なメッシュ密度を有していることが必要であるが、この密度は発泡体と補強材料との間の適当な結合を妨げるほどには高くない。好ましいメッシュ密度は約12%乃至約80%の範囲内である。

0011

本発明の生物学的成分は傷害を受けている組織の治癒の過程に貢献する少なくとも1種類のエフェクター分子および/または細胞を含む。集合的に、これらの物質を「エフェクター(effectors)」として本明細書において言う場合がある。これらのエフェクターはタンパク質またはペプチド単純化のために、用語の「タンパク質(protein)」はペプチドを含むものとする)等の細胞因子非タンパク質生体分子(例えば、核酸および脂質)、細胞種ウイルスウイルス粒子薬剤、またはこれらの組み合わせとすることができる。本発明の移植片の機能の一例は上記エフェクターのキャリアとして作用することであり、このエフェクターは移植片の外科的配置の前または後のいずれかにおいて当該移植片内に組み込むことができる。

0012

また、本発明は上記のような生体相容性で生体吸収性の組織修復刺激性の移植片を作成する方法にも関する。これらの移植片は所望の配置および配向で補強材料を金型の中に入れることにより作成される。その後、適当な溶媒中における所望の高分子材料溶液をこの金型に加えて、この溶液を凍結乾燥することにより補強材料が高分子発泡体内に埋め込まれた状態の移植片を得ることができる。さらに、製造前または製造後において、種々の技法により、上記のエフェクターをこの移植片に添加することができる。

0013

上位の組織修復刺激性の移植片は回旋腱板の傷害または半月板の断裂等の筋骨格系内で生じる傷害を治療するために使用できる。さらに、この移植片は靭帯、神経、および腱等の組織を修復するための手および足等の別の整形外科処置において使用できる。

0014

本発明は、好ましくは生体吸収性で、生体相容性の組織修復刺激性の移植片または「支持骨格(scaffold)」装置、および当該装置を作成および使用するための方法に関する。この移植片は連続気泡型の気孔構造を伴う気孔を有する生体吸収性の高分子発泡体の1個以上の層を備えている。さらに、向上された機械的特性および取り扱い性に貢献するために補強部品もこの移植片に存在している。好ましくは、この補強部品は生体相容性のメッシュ布地の形態である。この補強部品は生体吸収性にすることもできる。また、この移植片は随意的に組織の治癒を補助および/または促進するための生物学的成分すなわちエフェクターがその内部に組み込まれている。好ましくは、この生物学的成分は、もし存在すれば、上記移植片の発泡体部品の気孔の中に主に収容されている。

0015

断裂した靭帯、腱、回旋腱板、神経、または半月板を含む組織の修復における使用のため等の一部の外科用途において、本発明の組織移植片は手術室内で取り扱うことが可能である必要があり、これらは裂けることなく縫合されるか固定されることが可能である必要がある。加えて、これらの移植片は組織を補強するために適している一定の破裂強さを有している必要があり、この移植片の構造が組織の内方発育を促進するのに適している必要がある。好ましい組織内方発育の促進構造は発泡体部品の気泡が連続的で細胞の内方発育を可能にして上記のエフェクターを収容するのに十分な大きさである構造である。また、これらの特徴に適応するために適当な気孔寸法は当該気孔が約100ミクロン乃至約1000ミクロン、さらに好ましくは約150ミクロン乃至約500ミクロンの範囲内の平均直径を有する寸法である。

0016

図1乃至図3において、移植片10は高分子の発泡体部品12および補強部品14を備えている。好ましくは、この発泡体部品は連続気泡型の気孔構造を伴う気孔13を有している。補強部品はこの移植片の断面における実質的に中心に配置されて示されているが、このような補強材料が移植片内の任意の位置に配置可能であることが理解されると考える。さらに、図2に示すように、2個以上の発泡体部品12a,12bおよび補強部品14a,14bが移植片の中にそれぞれ存在していることも有り得る。また、発泡体部品および/または補強材料の種々の層が異なる材料により作成でき、異なる気孔寸法を有し得ることが理解されると考える。

0017

図3バリア層16が移植片内に存在している実施形態を示している図である。このバリア層16は移植片10の一方の表面のみに存在しているように示されているが、移植片の上面部18および下面部20のいずれかまたは両方にも存在できる。

0018

移植片10は手術室環境内における取り扱いを容易にするため、および裂けることなく縫合線またはその他のファスナーを許容して保持することを可能にするための十分な構造的完全性および物理的特性を有している必要がある。適当な強度および物理的特性は上記の発泡体部品および補強部品を形成するために使用する各材料、および製造方法の選択により移植片内において具現化できる。図7に示すように、発泡体部品12は気孔13を形成している当該発泡体部品のウエブまたは壁部が補強部品14のメッシュの中に入り込んで当該補強材料に結合している状態で補強部品14に対して一体化されている。さらに、発泡体の各層が補強材料の層により分離されているか否か、またはこれらが同一または異なる材料により作成されていることの如何にかかわらず、発泡体部品の各隣接層内において気孔を形成している各壁部もまた互いに対して結合している。

0019

種々の生体吸収性のポリマーが本発明による多孔質の強化した組織修復刺激性の移植片または支持骨格装置を作成するために使用できる。適当な生体相容性で生体吸収性のポリマーの例は脂肪族ポリエステルポリアミノ酸)、コポリエーテルエステル)、ポリアルキレンオキサレートポリアミドチロシン誘導型ポリカーボネート、ポリ(イミノカーボネート)、ポリオルトエステルポリオキサエステル、ポリアミドエステル、アミン基を含有しているポリオキサエステル、ポリ(酸無水物)、ポリホスファゼン、生体分子(すなわち、コラーゲンエラスチン、生体吸収性のデンプン等の生体高分子)およびこれらの混合物から成る群から選択されるポリマーを含む。本発明の目的において、上記の脂肪族ポリエステルはラクチド乳酸、D−,L−およびメソ形のラクチドを含む)、グリコリドグリコール酸を含む)、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレン・カーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)、トリメチレン・カーボネートのアルキル誘導体、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトンγ−ブチロラクトン、ε−デカラクトンヒドロキシブチレートヒドロキシオキシバレレート、1,4−ジオキセパン−2−オン(この二量体の1,5,8,12−テトラオキサシクロテトラデカン−7,4−ジオンを含む)、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトンエチレン・カーボネート、エチレン・オキサレート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、6,8−ジオキサビシクロタン−7−オンおよびこれらのポリマー混合物ホモポリマーおよびコポリマーを含むがこれらに限らない。また、本発明の目的のためのポリ(イミノカーボネート)はDomb他により編集されている(Hardwood Academic Press社、251頁乃至272頁(1997年))ハンドブックオブバイオディグレーダブル・ポリマーズ(Handbook of Biodegradable Polymers)においてKemnitzerおよびKohnにより記載されているようなポリマーを含むことが理解される。また、本発明の目的のためのコポリ(エーテル−エステル)はCohnおよびYounesによるJournal of Biomaterials Research(22巻、993頁乃至1009頁、(1988年))、およびCohnによるPolymer Preprints(ACS Division of Polymer Chemistry)(30(1)巻、498頁、(1989年))において記載されているようなコポリエステル−エーテル(例えば、PEO/PLA)を含むことが理解される。また、本発明の目的のためのポリアルキレン・オキサレートは米国特許第4,208,511号、同第4,141,087号、同第4,130,639号、同第4,140,678号、同第4,105,034号、および同第4,205,399号において記載されている物質を含む。また、ポリホスファゼン、およびL−ラクチド、D,L−ラクチド、乳酸、グリコリド、グリコール酸、パラ−ジオキサノン、トリメチレン・カーボネートおよびε−カプロラクトン等により作成されているコ−、ターシャリー−(ter-)およびさらに高次混合モノマー基材とするポリマー等がエンサイクロペディア・オブ・ポリマー・サイエンス(The Encyclopedia of Polymer Science)(13巻、31頁乃至41頁、WileyIntersciences, John Wiley & Sons社、(1988年))におけるAllcock、およびDomb他により編集されている(Hardwood Academic Press社、161頁乃至182頁(1997年))ハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマーズ(Handbook of Biodegradable Polymers)におけるVandorpeにより記載されている。また、ポリ酸無水物はHOOC-C6 H4 -O-(CH2 )m -O-C6 H4 -COOHの形態の二酸から誘導される物質、および当該二酸と12個までの炭素原子脂肪族アルファオメガ二酸とのコポリマーを含み、上記の化学式におけるmは2乃至8の範囲内の整数である。さらに、ポリオキサエステル、ポリオキサアミド、およびアミン基および/またはアミド基を含有しているポリオキサエステルは以下の米国特許第5,464,929号、同第5,595,751号、同第5,597,579号、同第5,607,687号、同第5,618,552号、同第5,620,698号、同第5,645,850号、同第5,648,088号、同第5,698,213号、同第5,700,583号、および同第5,859,150号の1個以上において記載されている。また、ポリオルトエステルはDomb他により編集されている(Hardwood Academic Press社、99頁乃至118頁(1997年))ハンドブック・オブ・バイオディグレーダブル・ポリマーズ(Handbook of Biodegradable Polymers)においてHellerにより記載されているような物質を含む。

0020

本明細書において使用するように、用語の「グリコリド(glycolide)」はポリグリコール酸を含むことが理解される。さらに、用語の「ラクチド(lactide)」はL−ラクチド、D−ラクチド、これらの混合物、および乳酸のポリマーおよびコポリマーを含むことが理解される。

0021

現在において、脂肪族ポリエステルは本発明による発泡体移植片の作成における使用において好ましい生体吸収性のポリマーの中に含まれる。この脂肪族ポリマー線形分岐状または星形の構造を有するホモポリマー、コポリマー(ランダムブロック、セグメントテーパード・ブロック(tapered blocks)、グラフトトリブロック等)とすることができる。これらの脂肪族ホモポリマーおよびコポリマーを作成するために適しているモノマーは乳酸、ラクチド(L−、D−、メソ形およびD,L混合物を含む)、グリコール酸、グリコリド、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレン・カーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトン、エチレン・カーボネート、エチレン・オキサレート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキセパン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−ジオキセパン−2−オン、6,8−ジオキサビシクロクタン−7−オン、およびこれらの組み合わせ物から成る群から選択できるが、これらに限らない。

0022

弾性コポリマーもまた本発明において特に有用である。適当な弾性ポリマーヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)中における0.1グラムデシリットル(g/dL)のポリマー溶液において25℃で決定した場合に約1.2dL/g乃至約4dL/g、さらに好ましくは約1.2dL/g乃至約2dL/g、最も好ましくは約1.4dL/g乃至約2dL/gの範囲内の固有粘度を有するポリマーを含む。さらに、適当なエラストマー(または弾性材料)は高い伸び率および低い弾性率を示すと共に、良好な引張強さおよび良好な回復特性を有している。本発明の好ましい実施形態において、上記の発泡体部品を形成するエラストマーは一定の伸び率(例えば、約200パーセント以上、好ましくは約500パーセント以上)を示す。さらに、上記の伸び率および弾性率の特性に加えて、適当なエラストマーは約500psi(3.5×106パスカル)以上、好ましくは約1000psi(6.9×106 パスカル)以上の引張強さ、および約50ポンドインチ(8.9キログラムセンチメートル)以上、好ましくは約80ポンド/インチ(14キログラム/センチメートル)の引裂強さを有していることが必要である。

0023

例示的な生体吸収性で生体相容性のエラストマーはε−カプロラクトンおよびグリコリド(グリコール酸を含む)の弾性コポリマー(この場合のε−カプロラクトンのグリコリドに対するモル比は約35:65乃至約65:35、さらに好ましくは45:55乃至35:65である)、ε−カプロラクトンおよびラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド、これらの混合物、乳酸のポリマーおよびコポリマーを含む)の弾性コポリマー(この場合のε−カプロラクトンのラクチドに対するモル比は約35:65乃至約65:35、さらに好ましくは45:55乃至30:70または約95:5乃至約85:15である)、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)およびラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド、これらの混合物、乳酸のポリマーおよびコポリマーを含む)の弾性コポリマー(この場合のp−ジオキサノンのラクチドに対するモル比は約40:60乃至約60:40である)、ε−カプロラクトンおよびp−ジオキサノンの弾性コポリマー(この場合のε−カプロラクトンのp−ジオキサノンに対するモル比は約30:70乃至約70:30である)、p−ジオキサノンおよびトリメチレン・カーボネートの弾性コポリマー(この場合のp−ジオキサノンのトリメチレン・カーボネートに対するモル比は約30:70乃至約70:30である)、トリメチレン・カーボネートおよびグリコリド(グリコール酸を含む)の弾性コポリマー(この場合のトリメチレン・カーボネートのグリコリドに対するモル比は約30:70乃至約70:30である)、トリメチレン・カーボネートおよびラクチド(L−ラクチド、D−ラクチド、これらの混合物、乳酸のポリマーおよびコポリマーを含む)の弾性コポリマー(この場合のトリメチレン・カーボネートのラクチドに対するモル比は約30:70乃至約70:30である)、およびこれらの混合物を含むがこれらに限らない。また、適当な生体吸収性のエラストマーの例が米国特許第4,045,418号、同第4,057,537号および同第5,468,253号に記載されている。

0024

実施形態の一例において、上記のエラストマーはジオキサン溶媒中において形成されてポリジオキサノン・メッシュを含むポリグリコール酸およびポリカプロラクトンの35:65のコポリマーである。また、別の実施形態においては、上記のエラストマーはポリグリコール酸およびポリカプロラクトンの35:65のコポリマーと40:60のε−カプロラクトン−コ−ラクチドとの50:50の混合物である。

0025

当該技術分野における通常の熟練者であれば、上記の発泡体を形成するための適当なポリマーまたはコポリマーの選択は幾つかのファクターに依存していることが理解できる。このような発泡体部品を形成するために使用される適当なポリマーの選択において比較的関連性の深いファクターは生体吸収(または生体崩壊)の速度、生体内における機械的特性、細胞の付着、増殖、移動および分化に関する材料に対する細胞応答、および生体相容性を含む。その他の関連ファクターは、上記ポリマーの生体外および生体内における挙動をある程度示す因子であり、化学的組成、各成分の空間的な分布、ポリマーの分子量、および結晶化の程度を含む。

0026

上記の基質材料体内環境における時宜を得た吸収能力は重要である。しかしながら、生体内における吸収時間における差は2種類の異なるコポリマーを組み合わせる場合の基礎にすることもできる。例えば、発泡体部品を形成するために35:65のε−カプロラクトンおよびグリコリドのコポリマー(比較的に速い吸収性のポリマー)、および40:60のε−カプロラクトンおよびL−ラクチドのコポリマー(比較的に遅い吸収性のポリマー)が混合される。採用する処理技法により、これら2種類の成分は無作為的に内部接続している2個の連続的(bicontinuous)な相になるか、当該2個の連続的な相の間に良好に一体化した境界面を有するラミネート型積層材料の形態における勾配状の構造を有することができる。これらの発泡体の微視的な構造は工学的な処理を加える組織の所望の解剖学的な特徴部分を再生または修復するために最適化することができる。

0027

実施形態の一例においては、勾配状の構造において一つの組成から別の組成に変化する構造を形成するためのポリマー混合物を使用することが望ましい。このような勾配状の構造を有する発泡体は軟骨(関節、半月板、中隔気管、関節、筋骨等)、腱、靭帯、神経、食道、皮膚、骨、および脈管組織等の天然組織の構造を修復または再生するための組織工学用途において特に有利である。例えば、ε−カプロラクトン−コ−グリコリドのエラストマーをε−カプロラクトン−コ−ラクチドと共に混合すること(例えば、約5:95のモル比を有する)により、軟骨から骨への変化に類似している様式で比較的軟質スポンジ状の材料から比較的硬質剛体材料に変化する発泡体が形成できる。明らかに、当該技術分野における通常の熟練者であれば、上記と同様の勾配作用のため、または異なる勾配(例えば、異なる吸収特性応力応答特性、または異なる程度の弾性)を形成するために別のポリマー混合物が使用可能であることが理解できる。例えば、このような設計上の特徴は上記の生物学的な成分すなわちエフェクターにおける濃度勾配を設定して、比較的高濃度のエフェクターが移植片の他方の領域(例えば、外側の部分)よりも一方の領域(例えば、内部)において存在するようにできる。このことは比較的高濃度の生物学的成分を収容することが望まれる一定の領域における全体の気孔容積が比較的大きい移植片を工学的に処理することにより行うことができる。

0028

本発明の移植片はこれらの独特の組織移植片から恩恵を受けることのできる器官の修復置換または再生の目的のために使用できる。例えば、これらの移植片は脊柱円板頭蓋組織、硬膜神経組織肝臓膵臓腎臓膀胱脾臓心筋骨格筋、皮膚、筋膜顎顔面、腱、軟骨、靭帯および胸部組織のために使用できる。

0029

本発明の組織修復刺激性の移植片における補強部品は織り状、編み状、たて編み状(すなわち、レース状)、不織地状、編組状の構造を有する織物を含む任意の吸収性または非吸収性で生体相容性の材料により構成できる。例示的な実施形態において、この補強部品はメッシュ状の構造を有している。上記の各構造のいずれにおいても、その材料の機械的特性が当該材料の密度または組織を変化すること、または当該材料に粒子を埋め込むことにより変更できる。この補強部品を作成するための繊維はモノフィラメント、紡ぎ糸、より糸編組繊維、または繊維の束とすることができる。これらの繊維はポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)、トリメチレン・カーボネート(TMC)、ポリビニルアルコールPVA)、およびこれらのコポリマーまたは混合物等の生体吸収性の材料を含む任意の生体相容性の材料により作成できる。実施形態の一例において、上記の繊維は95:5のモル比におけるポリ乳酸およびポリグリコール酸のコポリマーにより形成されている。

0030

別の実施形態において、上記の補強材料を形成する繊維は生体吸収性のガラスにより作成できる。ケイ酸塩含有のリン酸カルシウム・ガラスまたは吸収時間を制御するために種々の量の固体粒子が添加されているリン酸カルシウム・ガラスである生体ガラスはガラス繊維に紡いで上記補強材料のために使用できる材料の例である。添加可能な適当な固体粒子は鉄、マグネシウムナトリウムカリウム、およびこれらの組み合わせ物を含む。

0031

上記の補強材料は孔を有する薄い弾性シートにより形成することも可能であり、これらの孔が組織の内方発育を可能にする。このようなシートはポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、およびポリジオキサノン(PDO)の混合物またはコポリマーにより作成できる。

0032

実施形態の一例において、上記の補強材料を形成するフィラメント同時押出することによりシースコア構造を有するフィラメントを製造できる。このようなフィラメントは別の生体崩壊性のポリマーにより構成されている1個以上のコアを囲む生体崩壊性のポリマーのシースにより構成されている。比較的遅い吸収性のコアを囲んでいる比較的速い吸収性のシースを伴うフィラメントは延長された支持が組織の内方発育において必要である場合に望ましくなる可能性がある。

0033

当該技術分野における通常の熟練者であれば、本発明の組織移植片を強化するために1個以上の補強材料の層が使用可能であることが理解できる。加えて、優れた機械的強度を有する強化された組織移植片を製造するために同一の構造および化学的組成または異なる構造および化学的組成の生体崩壊性の補強層(例えば、メッシュ)を互いの表面上に重ね合わせることができる。

0034

上述したように、生物学的成分は、随意的に、上記の移植片に組み込むことができる。存在する場合には、この生物学的成分は、外傷部位に存在している時に、不所望な作用を受けている組織の治癒および/または再生を促進する種々のエフェクターの中から選択できる。実際に治癒を増進または促進する化合物または薬剤であることの他に、これらのエフェクターは感染を阻止する化合物または薬剤(例えば、抗菌剤および抗生物質)、炎症を減少する化合物または薬剤(例えば、抗炎症剤)、酸化した再生セルロース(例えば、Ethicon社から入手可能なINTERCEED)等の接着または付着の形成を阻止または最少にする化合物、ヒアルロン酸、および免疫系を抑制する化合物または薬剤(例えば、免疫抑制剤)も含む。例示的に、本発明の移植片の中に存在する別の種類のエフェクターは異種または自己成長因子、タンパク質、糖タンパク質ホルモンサイトカイングリコサミノグカン、核酸、鎮痛薬、ウイルス、ウイルス粒子、および細胞種を含む。なお、同一または異なる機能の1種類以上のエフェクターを移植片に組み込むことができることが理解されると考える。

0035

適当なエフェクターの例は傷害または損傷を受けている組織の治癒および/または再生を促進することが知られている多数の異種または自己の成長因子を含む。例示的な成長因子はTGF−β、骨形態発生性タンパク質、線維芽細胞成長因子血小板誘導型成長因子、脈管内皮細胞誘導型成長因子(VEGF)、表皮成長因子インシュリン類似成長因子、肝細胞成長因子、およびこれらのフラグメントを含むがこれらに限らない。同様に適当なエフェクターは上記の薬剤の作用薬および拮抗薬を含む。

0036

上記の移植片内に存在可能なタンパク質は当該移植片の中に収容されている細胞から分泌されるタンパク質、ならびに、隔離された形態で移植片の中に存在しているタンパク質を含む。このタンパク質の隔離された形態は一般的に約55%以上の純度である形態、すなわち、別の細胞のタンパク質、分子、破片等から隔絶された形態である。さらに好ましくは、この隔離されたタンパク質は少なくとも65%の純度のタンパク質、最も好ましくは少なくとも約75%乃至約95%の純度のタンパク質である。なお、上記にかかわらず、当該技術分野における通常の熟練者であれば、約55%よりも低い純度を有するタンパク質もまた本発明の範囲内であると考えられることが理解できる。本明細書において使用するように、用語の「タンパク質(protein)」は糖タンパク質、リポタンパク質プロテオグリカン、ペプチド、およびこれらのフラグメントを含む。エフェクターとして有用なタンパク質の例はプレイオトロフィンエンドセリンテネイシンフィブロネクチンフィブリノーゲンビトロネクチン、V−CAM、I−CAM、N−CAM、セレクチンカドヘリンインテグリンラミニンアクチンミオシン、コラーゲン、ミクロフィラメント細糸)、中間フィラメント、抗体、エラスチン、フィブリリン、およびこれらのフラグメントを含むがこれらに限らない。

0037

細胞付着において一定の役割を果たす高度に帯電した多糖類であるグリコサミノグルカンもまた本発明によるエフェクターとして作用できる。エフェクターとして有用である例示的なグリコサミノグルカンは硫酸ヘパリンヘパリン硫酸コンドロイチン硫酸デルマタン、硫酸ケラチンヒアルロナン(ヒアルロン酸としても知られている)、およびこれらの組み合わせ物を含むがこれらに限らない。

0038

本発明によるエフェクターとして作用できる適当な細胞種は骨細胞骨芽細胞破骨細胞線維芽細胞幹細胞多能性細胞軟骨細胞先祖、軟骨細胞、内皮細胞マクロファージ白血球脂肪細胞単核細胞プラズマ細胞マスト細胞臍帯細胞、間質細胞間葉幹細胞上皮細胞筋芽細胞腱細胞(tenocytes)、靭帯線維芽細胞、および骨髄細胞を含むがこれらに限らない。これらの細胞は一般的にそれぞれの表面において同起源リガンド(例えば、刺激物質)に応答するレセプタ分子を有している。この刺激物質はその同起源のレセプタに接触する際に特定の生物学的な作用を生じるレセプタを有する細胞を誘発するリガンドである。例えば、この刺激物質(またはリガンド)に応答して、細胞はCa+2のような相当量の二次的なメッセンジャーを生じることができ、その後、このメッセンジャーは(本発明者の実施例にもある)プロテインキナーゼCのようなタンパク質のリン酸化等の細胞過程に作用を及ぼす。一部の例において、細胞が適当な刺激物質により刺激されると、この細胞は通常においてタンパク質(糖タンパク質、プロテオグリカン、およびリポタンパク質)の形態で細胞メッセンジャーを分泌する。この細胞メッセンジャーは抗体(例えば、プラズマ細胞から分泌される)、ホルモン(例えば、パラクリンオートクライン、または外分泌ホルモン)、またはサイトカインとすることができる。

0039

本発明の組織移植片は遺伝子治療技法においても使用することができ、当該技法においては、核酸、ウイルス、またはウイルス粒子が特定の細胞または細胞種に対して関与する遺伝子を供給する。従って、上記の生物学的なエフェクターは核酸(例えば、DNA、RNA、またはオリゴヌクレオチド)、ウイルス、またはウイルス粒子とすることができる。これらのウイルスおよびウイルス粒子はDNAウイルスまたはRNAウイルスとすることができ、またはこれらのウイルスから誘導することができる。

0040

適用可能な核酸および/またはウイルス剤(すなわち、ウイルスまたはウイルス粒子)を上記の組織移植材料内に組み込んだ後に、この移植片を特定の部位内に移植して一定の種類の生物学的応答を生じさせることが可能になる。その後、この核酸またはウイルス剤は細胞により取り込まれて、それらがコード化する任意のタンパク質がこれらの細胞により局所的に生成可能になる。当該技術分野における通常の熟練者であれば、この生成されるタンパク質が上記の種類のタンパク質、または傷害または病気を治癒して感染に対抗し、炎症性の応答を減少するための組織における向上した能力を賦与する類似のタンパク質になり得ることが認識できる。さらに、核酸は組織修復過程またはその他の正常な生物学的過程に不都合な影響を与える可能性のある不所望な遺伝子生成物発現を阻止するために使用することもできる。DNA、RNAおよびウイルス剤は遺伝子発現ノックアウト(gene expression knock out)機能としても知られている発現阻止機能等を達成するためのエフェクターとして使用される場合が多い。

0041

上記の組織移植片の発泡体部品は当該技術分野における通常の熟練者において周知の種々の技法により発泡体として形成できる。例えば、この高分子の開始材料は、凍結乾燥、超臨界溶媒発泡(すなわち、欧州特許第464,163号に記載されているような方法)、ガス注入押出、ガス注入成形または抽出可能な材料(例えば、塩類、糖または同様の適当な材料)を伴うキャスティングにより発泡させることができる。

0042

実施形態の一例において、本発明の工学的に処理を加えた組織修復刺激性の移植片の発泡体部品は凍結乾燥のようなポリマー−溶媒の相分離技法により作成できる。しかしながら、一般に、このポリマー溶液は以下の4種類の技法、すなわち、(a)熱的に誘導されるゲル化/結晶化、(b)溶媒相およびポリマー相の非溶媒的に誘導される分離、(c)化学的に誘導される相分離、および(d)熱的に誘導されるスピノード的分解(spinodal decomposition)のいずれか一つにより二相に分離できる。このポリマー溶液は2種類の分離している相または2種類の連続的(bicontinuous)な相のいずれかに制御された様式で分離される。次に、この溶媒相を除去することにより、通常において、塊状ポリマーよりも小さい密度の多孔質構造およびマイクロメートルの範囲内の気孔が残る。これについては、「相分離による微小気泡発泡体(Microcellular Foams Via Phase Separation)」(J. Vac. Sci. Technolol., A. T. Young,4(3)巻、5月/6月、1986年)を参照されたい。

0043

上記の発泡体の作成に関係している工程は凍結乾燥するポリマーに対して適正な溶媒を選択する処理および均質な溶液を作成する処理を含む。次に、このポリマー溶液を凍結させて真空乾燥工程にかける。この凍結工程はポリマー溶液を相分離して、真空乾燥工程が昇華および/または乾燥処理により溶媒を除去して多孔質のポリマー構造または内部接続している連続気泡型の発泡体を残す。

0044

上記発泡体部品の作成において使用できる適当な溶媒はギ酸ギ酸エチル酢酸、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、弗化ジメチレンDMF)、およびポリジオキサノン(PDO))、アセトン、C2乃至C5のアルコールの酢酸エステル(例えば、酢酸エチルおよび酢酸t−ブチル)、グライム(例えば、モノグライム、エチル・グライム、ジグライム、エチル・ジグライム、トリグライム、ブチル・ジグライムおよびテトラグライム)、メチルエチルケトンジプロピレングリコール・メチル・エーテル、ラクトン(例えば、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン−2−オン(エチレン・カーボネート)、ジメチルカーボネートベンゼントルエンベンジル・アルコール、p−キシレンナフタレン、テトラヒドロフラン、N−メチル・ピロリドンジメチルホルムアミドクロロホルム、1,2−ジクロロメタン、モルホリン、ジメチルスルホキシドヘキサフルオロアセトンセスキヒドレート(HFAS)、アニソールおよびこれらの混合物を含むがこれらに限らない。これらの溶媒の中で、好ましい溶媒は1,4−ジオキサンである。溶媒中におけるポリマーの均質な溶液は標準的な技法により作成される。

0045

利用可能な上記の溶媒における適当なポリマー濃度または量は各システムにおいて変更できる。一般に、溶液中のポリマーの量は、任意の溶媒中におけるポリマーの溶解度および発泡体中の最終的な所望の特性等のファクターにより、約0.5重量%乃至約90重量%まで、好ましくは約0.5重量%乃至約30重量%まで変更可能である。

0046

実施形態の一例において、固形物を上記のポリマー−溶媒システムに添加して得られる発泡体の表面の組成を改質することができる。この添加した粒子が溶液からその下面部に沈殿すると、添加した固形物の組成を有していて発泡状態の高分子材料ではない領域が形成される。あるいは、添加される固形物を得られる組織移植片の所望領域内(すなわち、上部、側面部、または下部の近傍)においてさらに濃縮することにより、これら全ての領域において組成を変化させることができる。例えば、所定の場所における固形物の濃縮は磁性材料により作成した金型内に入れた溶液に金属の固形物を添加すること(またはこの逆)により達成できる。

0047

また、種々の種類の固形物を上記のポリマー−溶媒システムに添加することができる。好ましくは、これらの固形物は上記のポリマーまたは溶媒に対して反応しない種類である。一般に、これらの添加される固形物は約1.0mmの平均直径を有しており、好ましくは、約50ミクロン乃至約500ミクロンの平均直径を有している。好ましくは、これらの固形物は当該固形物およびポリマー−溶媒の混合物の総計の容量(この場合の総計の容量パーセントは100容量パーセントに等しい)の約1重量%乃至約50容量%になるような量で存在している。

0048

例示的な固形物は鉱物質除去した骨の粒子、リン酸カルシウム粒子、生体ガラス粒子硫酸カルシウム、または骨修復用の炭酸カルシウム粒子、気孔形成用の抽出可能な固形物、および補強材料として有効な溶媒システムに溶解しない、または吸収される際に気孔を形成するための生体吸収性ポリマーの粒子、および非生体吸収性の材料を含むがこれらに限らない。

0049

適当な抽出可能な固形物は塩類(例えば、塩化ナトリウム塩化カリウム塩化カルシウム酒石酸ナトリウムクエン酸ナトリウム等)、生体相容性の単糖類および二糖類(例えば、グルコースフルクトースデキストロースマルトースラクトースおよびスクロース)、多糖類(例えば、デンプン、アルギン酸塩キトサン)、水溶性タンパク質(例えば、ゼラチンおよびアガロース)等の無毒性の抽出可能な材料を含む。これらの抽出可能な材料は当該抽出可能な材料を含む発泡体を一定の溶媒中に浸漬することにより除去することができ、当該溶媒中において、この材料の粒子は十分な量の時間をかけて溶解して実質的に全ての粒子の抽出が可能になるが、この溶媒は上記発泡体を溶解または不都合に変化しない。好ましい抽出溶媒は水であり、最も好ましくは蒸留して脱イオン化した水である。上記のような処理が米国特許第5,514,378号に記載されている。好ましくは、発泡体の加速した吸収が望まれない場合の発泡体の加水分解を最少に留めるために、上記の処理後の発泡体の乾燥は低温、且つ/または、真空条件下において完全におこなわれる。

0050

適当な非生体吸収性の材料はステンレススチールコバルトクロムチタンおよびチタン合金、および生体不活性セラミック粒子(例えば、アルミナジルコニア、および硫酸カルシウム粒子)等の生体相容性の金属を含む。さらに、この非生体吸収性の材料はポリエチレンポリ酢酸ビニルポリメチルメタクリレートシリコーン、ポリエチレン・オキシド、ポリエチレン・グリコールポリウレタン、ポリビニル・アルコール、天然生体ポリマー(例えば、セルロース粒子キチン、ケラチン、シルク、およびコラーゲン粒子)、および弗素化ポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリ弗化ビニリデンポリテトラフルオロエチレン、およびヘキサフルオロプロピレン)等のポリマーを含むことができる。

0051

また、上記の組織移植片を放射線不透過性にする固形物(例えば、硫酸バリウム)を添加することも可能である。さらに、添加できる固形物は組織の再生または再成長を促す材料、ならびに、緩衝剤、補強材料または多孔質性改質剤として作用する材料も含むことができる。

0052

上述したように、本発明の多孔質の強化した組織修復刺激性の移植片装置は適当なポリマー溶液を金型および本発明の補強要素により構成されている金型組立品の中に射出注入、またはその他の方法で入れることにより作成される。その後、この金型組立品を適当な槽の中または冷凍状態の上で冷却した後に凍結することにより、強化した組織工学的処理を施した支持骨格が形成できる。さらに、上記の生物学的な成分を上記の凍結乾燥工程の前または後のいずれかに添加できる。この発泡体部品を形成する過程において、ポリマー−溶媒システムの凍結速度を制御することが重要であると考えられる。上記の凍結工程中に展開する気孔形態の種類はその溶液の熱力学、凍結速度、その冷却温度、溶液の濃度、および均質または不均質核形成のいずれが生じているか等のファクターの関数である。当該技術分野における通常の熟練者であれば、過度実験を行なうことなく上記の各パラメータを容易に最適化できる。

0053

必要とされる一般的な処理工程は上記の高分子発泡体および補強部品を作成するための適当な各材料の選択を含む。メッシュ状の補強材料を採用する場合には、その適当なメッシュ密度を選択する必要がある。さらに、この補強材料を金型内において適正に整合する必要があり、ポリマー溶液は適当な速度で、好ましくは、気泡の形成をさけるために適当な角度に傾斜した状態の金型の中に加える必要があり、このポリマー溶液を凍結乾燥する必要がある。

0054

メッシュ状の補強材料を利用している実施形態において、この補強用メッシュは一定の密度を有している必要がある。すなわち、このメッシュ材料内の各開口部はその構造を縫合可能または固定可能にするために十分に小さいことが必要であるが、発泡体材料およびその各連続気泡および気泡壁が当該メッシュ開口部の中に入り込む際に発泡体と補強用メッシュとの間の適当な結合を妨げるほどには小さくない。このような適当な結合ができなければ、層状構造の構造的完全性が損なわれて、その構造が脆くなり、取り扱いが困難になる。

0055

補強した発泡体の凍結乾燥中に、所望の構造的完全性および機械的諸特性を有する移植片を製造するために幾つかのパラメータおよび処理が重要になる。好ましくは、上記の補強材料は金型内に配置されている時に実質的に平坦である。適度の平坦さを確実にするために、この補強材料(例えば、メッシュ)は金型の中に配置する前に加熱したプレス機により平坦に加圧される。さらに、これらの補強用構造体等方性でない場合には、指向性を示すためにその構造に標識を施すことによりその異方性を示すことが望ましい。このことは織り状の補強材料の中に染色した標識または染色した糸等の1種類以上の指示手段を埋め込むことにより達成できる。この指示手段の方向または配向により外科医に優れた物理的特性の移植片における配向状態が示される。

0056

上述したように、上記の凍結乾燥の前にポリマー溶液が金型に加えられる様式は適当な機械的完全性を有する組織移植片の形成に役立つ。メッシュ状の補強材料を採用し、この材料を2個の薄い(例えば、0.75mmの)シムの間に配置すると仮定した場合に、この材料は金型内の所望の深さに実質的に平坦な配向状態で必然的に配置されると考えられる。さらに、上記発泡体部品の各層の間から気泡が逃避可能な様式でポリマー溶液が注がれる。好ましくは、この金型は一定の所望の角度に傾斜されて、気泡の形成を最良に阻止するような一定の制御された速度で注入が行われる。当該技術分野における通常の熟練者であれば、多数の変更例により上記の傾斜角度および注入速度が制御可能であることが理解できる。一般に、気泡の形成を避けるために、金型は約1度よりも大きな角度で傾斜する必要がある。加えて、上記の注入速度はあらゆる気泡が金型内に捕捉されることなく当該金型から逃避可能にするために十分に遅くする必要がある。

0057

上記の補強部品としてメッシュ材料が使用される場合に、そのメッシュ開口部の密度は結果として得られる所望の機械的諸特性を有する組織移植片の形成において重要なファクターである。低密度、またはオープンニット式(open knitted)のメッシュ材料が好ましい。特に好ましい材料は商品名をVICRYL(Ethicon社、ニュージャージー州、サマービル)として販売されているPGA/PLAの90/10のコポリマーである。低密度でオープン・ニット式のメッシュの一例はニュージャージー州、サマービルのEthicon社から入手可能なKnitted VICRYLVKM-Mである。

0058

上記のメッシュ材料の密度または「開口度(openness)」はコンピュータによるインターフェイスを備えているデジタルホトカメラにより評価できる。評価の一例において、上記メッシュ材料の密度をIBM 300PLコンピュータによるインターフェイスを備えているSonyデジタル・ホトカメラDKC-5000を伴うNikonSMZ-U Zoomにより決定した。さらに、20倍に拡大した各メッシュ材料の部分のデジタル画像をImage-Pro Plus 4.0ソフトウエアにより操作してそのメッシュ密度を決定した。このソフトウエアによりデジタル画像を捕らえた後に、画像全体面積からメッシュ材料内の空の空間部分に対応する面積を差し引くことができるようにこの画像の閾値化または境界定めを行なった。その後、上記のメッシュ密度を残っているデジタル画像の割合から決定した。この結果、最も望ましい機械的な諸特性を有する移植片は約12%乃至約80%、さらに好ましくは約45%乃至約80%の範囲内のメッシュ密度を有する移植片であることが分かった。

0059

上記の組織修復刺激性の移植片における生物学的成分すなわちエフェクターは当該移植片の製造の前またはその後、または移植片の外科的配置の前またはその後にこの移植片内に組み込むことができる。

0060

外科的配置の前に、上記の発泡体および補強材料の層を備えている移植片を上記の生物学的成分を含む適当な容器の中に配置することができる。適当な時間の経過後および適当な条件下において、この移植片はこの生物学的成分を含浸する。あるいは、この生物学的成分は、例えば、当該エフェクターを移植片内に注入するための適当なゲージ注射器を使用することにより移植片内に組み込むことができる。また、この生物学的成分の移植片内への混合、加圧、分散、および配置等を含む当該技術分野における通常の熟練者において周知の別の方法も移植片に適当な生物学的成分を装填するために使用できる。あるいは、この生物学的成分は移植片内に注入する前にゲル状のキャリアと混合することもできる。このようなゲル状のキャリアはアルギン酸塩、架橋処理したアルギン酸塩、ヒアルロン酸、コラーゲン・ゲル、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(オキシアルキレン)、ポリ(エチレン・オキシド)−ポリ(プロピレン・オキシド)のコポリマー、およびこれらの混合物を含む生物学的なまたは合成のヒドロゲルとすることができる。

0061

外科的配置に続いて、生物学的成分を全く含まない移植片にエフェクターを注入することが可能であり、あるいは、既存の生物学的成分を含有している移植片は補足的な量の生物学的成分をさらに増強補充することができる。外科的に設置した移植片内に生物学的成分を組み込む方法の一例は適当なゲージの注射器を用いる注入による方法である。

0062

上記の移植片に含有される生物学的成分の量はその移植片の寸法、移植片を作成している材料、移植片の多孔質度、生物学的成分の本質、および移植片の目的用途を含む種々のファクターに応じて変化する。なお、当該技術分野における通常の熟練者であれば、組織治癒を容易にする、および/または、促進するために任意の用途において移植片内に含まれる生物学的成分の適当な量が容易に決定できる。もちろん、この生物学的成分の量は当該生物学的成分の本質および任意の用途に応じて変化する。

0063

図4および図5は本発明において有用である金型組立体を示しており、当該組立体において、金型18は基部21および側壁部22を有している。下方の各シム24は基部21の上面部上において互いに平行に配置されている。なお、下方シム24の平行な配列が示されているが、任意数のシムならびに任意の所望の配列が採用できる。さらに、補強用の布地25が下方シム24の上に配置されていて、上方の各シム26により保持されており、これら上方シム26は補強用の布地25の上に互いに平行に配置されている。図示していないが、補強用の布地25は下方シム24と上方シム26との間において種々の様式で配置可能である。実施形態の一例において、下方シム24の高さはメッシュ材料がこのサンドイッチ構造の上面部または下面部の近くに配置されるように変更可能である。

0064

別の実施形態において、静電的に紡糸処理した布地バリアを過形成および組織接着に対するバリアとして作用させるために添えて、手術後の接着または付着の可能性を減少することができる。この布地バリアは移植片に添えられる高密度の繊維布地の形態であることが好ましい。好ましくは、この繊維布地は発泡体部品の上面部および/または下面部に融着されている小さい直径の繊維により構成されている。このことにより、多孔質性、透過性崩壊速度および機械的特性等の上記構造体における特定の表面特性を制御することが可能になる。

0065

当該技術分野における通常の熟練者であれば、上記の繊維布地が凍結乾燥処理した発泡体の表面上に繊維層構築することのできる静電的紡糸処理により製造可能であることが理解できる。このような静電的紡糸処理は種々の繊維材料を用いて行なうことができる。例示的な繊維材料は脂肪族ポリエステルを含む。また、上記の発泡体部品を形成するポリマー溶液を作成するために有用である上記において示した各溶液を含む種々の溶媒も使用可能である。

0066

上記繊維層の組成、厚さ、および多孔質性を調整して所望の機械的および生物学的な特性を提供することができる。例えば、この繊維層の生体吸収速度を選択することにより下層発泡体層に対して比較的長いまたは比較的短い生体吸収特性を提供することができる。加えて、この繊維層は上記の積層材料に対して比較的高い構造的完全性を提供して、その構造体における繊維質の面に機械的な力を加えることを可能にする。実施形態の一例において、この繊維層は上記積層材料を保持するための縫合線、ステープルまたは種々の固定装置の使用を可能にする。一般に、この繊維層は約1ミクロン乃至約1000ミクロンの範囲内の一定の厚さを有している。しかしながら、回旋腱板および半月板の傷害修復等の一部の用途においては、上記の繊維層は約1.5mm以上の厚さを有している。

0067

本発明の実施形態の一例において、上記の組織修復刺激性の移植片は靭帯、腱、神経、または半月板に対する傷害等の組織障害の治療において使用される。この移植片は治療する組織の所望の部分または患部外形および寸法に適合するような寸法および形状にすることができる。また、この移植片は切断、折畳み、ロール巻き、またはその他の移植片の操作を含む多数の技法により必要な外形を達成する寸法および形状にすることができる。上述したように、上記の生物学的成分は移植片の製造中またはその製造の後、あるいは、移植片の患者の体内への設置の前またはその後にこの移植片に対して加えることができる。また、移植片を設置した後に付加的な量の生物学的成分をさらに加えることもできる。悪影響を受けている解剖学的部位内への接近(最少侵襲性または切開式の外科技法のいずれかによる)を行った後に、上記の移植片を断裂部分または病巣の中等の組織傷害に対して所望の位置に固定できる。この移植片を所望の位置または病巣の中に配置した後に、適当な技法の使用によりこの移植片を固定できる。態様の一例において、この移植片は化学的および/または機械的な固定技法により固定できる。適当な化学的固定手段はフィブリングルー、フィブリン・クロット、およびその他の生物学的に相容性を有する接着剤等のおよび/または接着剤を含む。また、機械的な固定手段は縫合線、ステープル、ティシュータック、縫合線アンカーダーツスクリュー、およびアローを含む。なお、1種類以上の化学的および/または機械的な固定手段の組み合わせが使用可能であることが理解されると考える。あるいは、これらの化学的および/または機械的な固定手段を全く使用することを必要としない場合もある。その代わりに、その移植片の配置は治療する組織内の適当な部位に対する当該移植片の締り嵌めにより達成できる。

0068

当該技術分野における通常の熟練者であれば、上記の生物学的成分として作用するエフェクターの本質が医療科学の原理および適用可能な治療目的に基づいて外科医により決定できることが理解できる。

0069

別の実施形態において、上記の組織修復刺激性の移植片は靭帯、腱、および/または神経を修復する外科技法において有用である。特に、この組織修復刺激性の移植片は手および/または足の手術において有用である。

0070

典型的な用法の一例において、上記の組織修復刺激性の移植片は腱または靭帯の修復手術中における組織損失部分を増強移植するために単独で使用できる。すなわち、腱の両端部が適当な外科技法により接合され、上記の組織修復刺激性の移植片が当該組織または靭帯の両端部を接続するために使用される。この治癒過程の結果、この腱または靭帯組織が移植片装置内で成長して、最終的に当該組織の置換が行われる。この移植片は適当な治癒を確実に行うために初期的に必要な機械的支持を行い、組織再生のためのガイド手段としても作用する。

0071

上記の組織修復刺激性の移植片は種々の形態において利用できる。例えば、この移植片は多数の積層体折畳むまたは積み重ねることができ、あるいは、ロール状に巻いてチューブ状の形状または構造にすることもできる。また、腱または靭帯の両端部は(例えば、縫合、ステープル処理クリップ処理、接着、または固定により)この移植片の両端部に結合できる。

0072

別の変形例において、上記の移植片は腱のを修復または置換するために使用できる。このことを行うために、移植片は骨膜、滑膜、および筋肉等の接合組織に対して縫合またはそれ以外の方法で結合されて、その腱の周囲に巻かれる。このような構成により、移植片により形成される鞘の中で腱が自由に滑り動くことが可能になる。この移植片は手術後において必要な構造的支持を行う。しかしながら、経時的に、この移植片は吸収されて新しい組織に置換される。

0073

以下の実施例は本発明の原理および実施方法の例示である。なお、当該技術分野における熟練者においては本発明の範囲および趣旨に含まれる多数の付加的な実施形態が明らかになる。

0074

実施例1
この実施例は生体崩壊性のメッシュの形態における補強材料を伴うおよび当該材料を伴わないそれぞれの三次元弾性組織移植片の作成を示している。

0075

上記の発泡体部品を形成するために凍結乾燥処理されるポリマーの溶液を4段階の工程において作成した。1,4−ジオキサン/(40/60PCL/PLA)の95/5の重量比率の溶液を作成してフラスコ内に注いだ。このフラスコをウォーターバス中に入れて、70℃で5時間にわたり攪拌した。この溶液をASTM170-220(EC)系の超粗めの多孔質度の抽出用円筒濾紙により濾過してフラスコ内に保存した。

0076

共に商品名VICRYLとして販売されているポリグリコール酸/ポリ乳酸(PGA/PLA)の編み状メッシュ(コードVKM-M)および織り状メッシュ(コードVWM-M)の90/10のコポリマーにより形成した補強用のメッシュ材料を80℃/2分で圧縮成形機によるアイロン掛け処理により平坦状にした。図6は上記編み状メッシュの走査電子顕微鏡写真(SEM)である。これらのメッシュ材料を作成した後に、15.3×15.3cmのアルミニウム金型の各端部に0.8mmのシムをそれぞれ配置して、メッシュ材料をこの金型に適合する寸法(14.2mm)にした。その後、このメッシュ材料を金型の中に置いて、両方のシムを被覆した。次に、クランプ・ブロックをメッシュ材料およびシムの上部に配置して、このブロックを適当にクランプすることによりメッシュ材料が金型の中において確実に均一な高さを有するようにした。さらに、メッシュ材料を僅かに引き伸ばして均等および平坦な状態に維持しながら、別のクランプ・ブロックを別の端部に配置した。

0077

ポリマー溶液を上記の金型に加える際に、この金型を約5度に傾斜してクランプしていない側面の内の一方が別の他方の側面よりも高くなるようにした。約60mlのポリマー溶液を、確実に当該溶液を金型の中に良好に分散させながら、金型の中に徐々に移した。その後、この金型をVirtisの Freeze Mobile G凍結乾燥機内の棚に載置した。次に、以下の凍結乾燥シーケンス、すなわち、(1)20℃で15分間、(2)−5℃で120分間、(3)100ミリトールの真空条件下において−5℃で90分間、(4)100ミリトールの真空条件下において5℃で90分間、(5)100ミリトールの真空条件下において20℃で90分間を行った。その後、この金型組立体を凍結乾燥機から取り出して、窒素ボックス内に一晩置いた。この処理の完了後に、得られた移植片を発泡体/メッシュのシートの形態で金型から注意深く剥がした。

0078

また、非強化状態の発泡体も作成した。すなわち、このような非強化状態の発泡体を得るために、上記メッシュ材料を金型に挿入することに関する各工程を行なわなかった。その後、上記の凍結乾燥工程を行った。

0079

図7は上記の方法により形成した例示的なメッシュ強化処理した発泡体の組織移植片における一部分の走査電子顕微鏡写真である。この発泡体内の各気孔は細胞の内方発育に対応して最適化されている。

0080

実施例2
凍結乾燥処理した40/60のポリカプロラクトン/ポリ乳酸(PCL/PLA)の発泡体、ならびに、埋め込まれたVICRYL編み状メッシュにより強化された同一の発泡体を実施例1に記載した方法と同様に作成した。これらの強化した移植片を縫合線引抜き強さおよび破裂強さについて試験し、実施例1の手順に従って作成した標準的なVICRYLメッシュおよび非強化状態の発泡体に対して比較した。

0081

試料を製造時および生体外曝露後の両方において試験した。この生体外曝露は各移植片を温度制御したウォーターバス中で37℃に維持したリン酸塩緩衝塩類(PBS)溶液中に入れて行った。

0082

また、縫合線の引抜き強さの試験においては、各試料の寸法を約5cm×9cmにした。各試料はそのメッシュの縦目方向編み機の軸)における引抜き強さについて試験した。商品名をPROLENEとして(ニュージャージー州、サマービルのEthicon社により)販売されているサイズ0のポリプロピレン・モノフィラメント縫合線(コード8834H)を各試料のエッジ部分から6.25mmにおいてそのメッシュ材料に通した。この縫合線の両端部を上方の部に挟んで固定し、メッシュ材料または強化した発泡体をインストロン(Instron)モデル4501の下方の顎部に挟んで固定した。このインストロン装置は20ポンド(約9.08キログラム)のロード・セルを備えており、毎秒2.54cmのクロスヘッドスピードで作動した。上記の縫合線の両端部を破壊が生じるまで一定の速度で引っ張った。この引張り処理中に測定したピークの負荷(ポンド単位)を記録した。

0083

上記の試験結果を以下の表1に示す。
表1:縫合線引抜きデータ(ポンド(lbs))
時間発泡体メッシュ発泡状のメッシュ
0日目 0.46 5.3±0.8 5.7±0.3
7日目 − 4.0±1.0 5.0±0.5

0084

破裂強さの試験においては、各試料の寸法を約15.25cm×15.25cmにした。各試料をミューレン(Mullen)試験機マサチューセッツ州、チコピーのRoehlen Industries社の一事業部であるB. F. Perkins, Stendex社により製造されているModel J)において試験した。なお、この試験はミューレン試験機用の標準的な操作手順に従って行った。これらの結果をその破壊時点におけるポンド/インチ(psi)単位で報告する。

0085

上記の破裂強さ試験の結果を以下の表2に示す。
表2:破裂強さデータ(psi)
時間ポイント編み状VICRYLメッシュ発泡状の編み状メッシュ
0日目 1349.5 1366.8
7日目 1109.4 1279.6

0086

実施例3
メッシュ強化した発泡体移植片を動物体調査において移植して現在使用されている骨盤修復材料に対して比較した。この動物体の調査の目的は種々のポリマー支持骨格の皮下組織の反応および吸収を評価することであった。この組織の反応および吸収は背側の浅在筋膜内における移植後14日目および28日目において大まかに且つ組織学的に評価した。加えて、腹部筋糸内の切開傷の破裂強さに関するこれらの支持骨格の作用を決定した。この破裂強さの試験は腹側に配置した各移植片および腹筋の接着層について14日目および28日目に行った。

0087

凍結乾燥処理した40/60のポリカプロラクトン/ポリ乳酸(PCL/PLA)発泡体、ならびに埋め込まれたVICRYL編み状メッシュにより強化した同一の発泡体を実施例1に記載した方法と同様に作成した。この発泡体およびメッシュ強化した発泡体移植片を包装して標準的な滅菌処理方法に従ってエチレン・オキシド・ガスにより滅菌処理した。上記の調査のための対照品は、VICRYLメッシュ対照品、機械的対照品(メッシュを全く配置していない物品)、および商品名をDermMatrixとして(ミネソタ州、セントポールのAdvanced UroScience社により)販売されている処理済ブタ真皮の対照品を含む。

0088

この調査に使用した動物体はHarlan Sprague Dawley社(インディアナ州インディアナポリス)およびCharles River Laboratories社(ミシガン州、ポルテージ)により供給されるメスロングエバンス種(Long-Evans)のラットであった。これらの動物体は200g乃至350gの重量であった。これらのラットを個別に量して塩酸ケタミンアイオワ州フォート・ドッジのFort Dodge Laboratories社により、アイオワ州、フォート・ドッジのAveco社用に製造されていて商品名をKETASETとして販売されている)(60ミリグラム/kg−動物体重量の投与量)および塩酸キシラジン(ミズーリ州、カンザスティのFermentaAnimal Health社から商品名をXYLAZINEとして販売されている)(10ミリグラム/kg−動物体重量の投与量)の混合物の腹腔内注射により麻酔をかけた。この麻酔状態の誘導の後に、腹部全体(前肢から後肢にかけて)および背中(背側の頸部領域から背側の腰仙領域まで)の毛を動物用電気バリカンにより除去した。その後、腹部を二酢酸クロルヘキシジンにより擦り洗いして、アルコールによりすすぎ、乾燥してから1%の市販のヨウ素の水性ヨードフォア溶液を塗った。このように麻酔をかけて外科的に調製した動物体を外科医に運び仰向けの状態で配置した。次に、無菌技法により調製した領域に無菌ドレープを供給した。

0089

腹側の皮膚の正中切開(約3cm乃至約4cm)を行って腹筋を露出させた。さらに、剣状突起から約1cmほど尾側における腹壁部に2.5cmの切開部分を作成した。この切開部分を単純な連続的パタンでサイズ3−0のVICRYL縫合線により縫合した。試験物品の1個を約5cmの直径に切断して、縫合した切開部分の上に配置し、四隅の部分を約11時、1時、5時および7時の各位置において腹壁部に縫合(サイズ5−0のPROLENE)した。この皮膚の切開部分をスキン・ステープルまたは金属の傷用クリップにより閉鎖した。

0090

外科医が側腹切開部分の閉鎖、メッシュ移植、および腹部の皮膚閉鎖を完了した後に、このラットを調製領域に戻して、その背中をアルコールにより擦り洗いしてすすぎ、腹部における既に説明したヨウ素を拭き取った。この背中の調製が終わると、このラットを外科医に戻して背部の移植に対して所望の横臥状態に配置した。長さが約2cmの横方向の皮膚切開部分を肩甲骨の尾側のエッジ部よりも約1cmほど尾側において作成した。さらに、横方向の鈍い切開により下層の接合組織から皮膚を分離して背側の浅在筋膜内にポケットを作成した。試験材料の1個を約2.0×2.0cmの正方形に切断した後に上記のポケットの中に挿入して、皮膚の切開部分をスキン・ステープルまたは金属の傷用クリップにより閉鎖した。

0091

各動物体の健康状態を一般的な態度および外観食物消費、便および尿の排泄および異常な排出物の存在に基づいて決定するために各動物体を手術後に毎日観察した。

0092

この調査において利用した動物体は動物福祉法の現行の要求に従って取り扱い維持した。上記の一般的法律に従うことを動物福祉条例(9CFR)を厳守し、実験動物世話および使用のためのガイド(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)において公表されている現行の基準に対して適合することにより行なった。

0093

組織病理学的な調査において、上記のラットを2週間後または4週間後に殺して、背中の皮下の移植片を取り外して、形を整えた後に、10%の中性緩衝液化したホルマリン組織容量の20倍)中に固定した。さらに、これらのサンプルをパラフィン中で処理し、5mmの部分に切断して、ヘマトキシリンエオシン(Hematoxylin Eosin)(H&E)により染色した。

0094

組織反応の評価のための背側の各サンプルを約2.0cmの正方形に切断した。また、破裂試験用の腹側のサンプルを約5.0cmの直径の円に切断した。

0095

各試料の破裂強さを上記実施例2の方法に従って接着している下層の腹筋層と共に測定した。これらの破裂強さの試験の結果を以下の表3に示す。
表3:破裂強さ(psi)
サンプル 14日目 28日目
メッシュ強化した発泡体81.8±17.3 73±4.5
DermMatrix 70±4.0 70*
*1個のサンプルだけしか体外移植まで生存していなかったので標準偏差は有効でない。

0096

上記の組織病理学的な調査により、上記のメッシュ強化した発泡体構造が最高の程度の線維性(組織)の内包発育および上記の両方の時点において試験した全ての移植片の最も強固な被包を有することが分かった。この線維性(組織)の反応は28日目において穏やかな程度であった。

0097

実施例4
この実施例はメッシュ強化した発泡体のハイブリッド構造の作成を記載している本発明の別の実施形態を説明している。

0098

編み状のVICRYLメッシュ強化した60/40のPLA/PCLの発泡体を実施例1に記載した方法と同様に作成した。2.54cm×6.35cmのシートを接地配線に接続した金属プレートに取り付けた。次に、このシートを静電紡糸処理により作成した微小繊維の生体吸収性の布地により被覆した。この静電的に紡糸処理した布地は周囲の組織からの細胞浸潤に対して抵抗を示し、移植片の縫合の可能性を高める。

0099

Ethicon社(ニュージャージー州、サマービル)にあるカスタム製の静電紡糸機械をこの実験に使用した。また、Spellman高電圧DC供給装置(モデル番号:CZE30PN1000、ニューヨーク州、ハウパウジのSpellman High Voltage Electronics Corporation)を高電圧供給源として用いた。駆動力として供給される電圧およびマンドレルの速度を制御した。さらに、紡糸口金プレートとの間の距離を機械的に制御した。

0100

実施例1に従って作成した60/40のPLA/PCLコポリマーの14%溶液を塩化トリクロロエタン(TEC)溶液中において作成した。このポリマー溶液を紡糸口金の中に入れて、ポリマー溶液に高電圧を供給した。この実験は周囲温度および周囲湿度において行った。紡糸処理中の各操作条件は以下のようである。
紡糸口金の電圧:25,000V
プレート電圧接地状態
紡糸口金からマンドレルまでの距離:15cm

0101

この処理により、メッシュ強化した発泡体の表面上に約10μm乃至約500μmの厚さの析出した多孔質の弾性ポリマーが得られた。

0102

実施例5
T形剥離試験(参考文献:ASTMD1876-95)に必要な初期的な把持を可能にするために一端部において別の方法で結合している層を分離してメッシュ強化した発泡体の剥離試験の試料を作成した。

0103

90/10のポリグリコール酸/ポリ乳酸(PGA/PLA)のコポリマーの編み状(コード:VKM-M)および織り状(コード:VWM−M)の各メッシュにより強化した40/60のポリカプロラクトン/ポリ乳酸(PCL/PLA)のコポリマー発泡体を実施例1に記載した方法と同様に作成した。2.0cm×11.0cmの試料片をこの強化発泡体から切り出した。労力および材料の費用により、各試料の寸法を上記ASTM基準に記載されている寸法よりも小さくした。アルミニウム箔ブロッカーを一端部に供給してポリマー溶液がメッシュ補強材料の中に浸透しないようにすることにより把持のための非結合部分を作成した。これらの試料をインストロン・モデル4501のエレクトロメカニカル・スクリュー試験機(Electromechanical Screw Test Machine)において試験した。把持部分の間の初期的な距離は2.0cmであった。全ての試験におけるクロス−ヘッド速度を0.25cm/分に一定に維持した。試験した各構造の試料の数は5個であった。

0104

上記編み状VICRYLメッシュの発泡状態の試料は織り状VICRYLメッシュの発泡状態の試料(0.269±0.054*ポンド)よりも破壊を生じるのに小さな力(0.087±0.050* ポンド)を必要とした。これら2種類の構造における破壊のモードが異なっていたことに注目することが重要である。織り状のメッシュ試料においては部分的な剥離の形跡が見られるが、編み状のメッシュ試料においては全く見られない。実際に、編み状の試料においては各層の間の界面におけるクラック広がり徴候が全く無かった。また、織り状のメッシュ試料の場合の剥離において速度依存性が見られた。そこで、剥離が存在しないことおよび比較的高い分離速度における発泡体の迅速な引裂きにより、0.25cm/分の試験速度を選択した。本明細書において報告した試験結果は上記両方の種類のメッシュに対応するこのクロス−ヘッド速度において行った試験により構成されている。次に、0.025cm/分というさらに遅い速度も編み状のメッシュ構造体に対して試みて十分に低い分離速度における剥離の可能な開始点を調べた。しかしながら、この比較的遅い速度は破壊のモードにおいて何ら変化を生じなかった。

0105

結論として、比較的高密度の織り状のメッシュはポリマー発泡体の多量の浸透を阻止し、0.25cm/分のクロス−ヘッド速度におけるT形剥離試験にかけた場合にそのメッシュ材料からの発泡体の剥離によりエネルギー消散を生じる。一方、比較的低密度の編み状のメッシュ構造の場合には、そのメッシュ材料からの発泡体の分離がほとんど無いように思われた。上記の各実験において、発泡体の凝集性の引裂きにより負荷が完全に消散すると思われた。

0106

実施例6
Buschmann, M. D.他(J. Orthop. Res. 10、745頁乃至752頁、1992年)により記載されているようにウシの肩から一次軟骨細胞を単離した。このウシの軟骨細胞を10%の胎児ウシ血清、10mMのHEES、0.1mMの可欠アミノ酸、20g/mlのL−プロリン、50g/mlのアスコルビン酸、100単位/mlのペニシリン、100g/mlのストレプトマイシンおよび0.25g/mlのアンホテリシン増殖培地)を追加したDulbeccoの改質したイーグル培地(eagles medium)(DMEM−高グルコース)の中で培養した。この培地の半分を1日おきに補充した。

0107

5mm×2mmの円板または支持体を実施例1において説明したように作成した強化発泡体のポリマー・シート(90/10PGA/PLAにより補強した60/40のPLA/PCL発泡体)から切り出した。これらの円板を70%エタノール中において20分間滅菌処理した後に、リン酸塩緩衝液化した塩類溶液(PBS)により5回すすいだ。

0108

新鮮な状態で単離したウシの軟骨をヒドロゲル−コーティングしたプレート(ウルトラ・ロー・クラスター・デイッシュ、Costar)内において静的接種法により5×106 個で(50μlの培地に)接種した。加湿した培養器中における6時間の培養の後に、各支持体に2mlの増殖培地を補充した。これらの支持体を増殖培地内において6週間まで静的に培養した。

0109

種々の時点(3週間目および6週間目)において採取した各構造体を10%の緩衝液化したホルマリン中で固定し、パラフィンに埋め込んで切断した。さらに、各切片をSafranin-O(SO:硫酸塩化したグリコサミノグルカン−GAG’s)により染色するか、コラーゲンI型およびII型に対応して免疫染色処理した。各時点当たりに3個のサンプルを切断して染色した。

0110

静的条件下における3週間乃至6週間の培養の後に、各支持体の構造は均一な細胞接種および当該支持体の厚さ全体における基質形成を支持していた。さらに、各組織学用の切片はII型およびGAGに対応して積極的に染色し、I型コラーゲンに対応して弱く染色して、軟骨状の基質を示した。

0111

実施例7
凍結乾燥処理した60/40のPLA/PCL発泡体、ならびに、埋め込んだVicryl(90/10のPGA/PLA)の編み状メッシュにより補強した同一の発泡体を実施例1に記載した方法と同様に作成して、包装し、エチレン・オキシド・ガスにより滅菌処理した。

0112

動物体を収容して承認されている養育プロトコルに従ってEthicon社(ニュージャージー州、サマービル)において世話をした。3頭の中性化したオス成育したノイビアン(Neubian)種のヤギ(50Kg乃至65Kg)をこの調査に用いた。鎮痛薬の塩酸ブプレノルフィンを手術開始前の約2時間乃至約3時間において皮下的に投与した(0.005mg/kg)。さらに、各ヤギに11.0mg/kgにおけるケタミンおよび0.5mg/kgにおけるジアゼパムを共に同時に静脈内に静脈内ボーラスにより加えて麻酔を誘発した。次に、各動物体を挿管して11ml/kg/分乃至15ml/kg/分の流速の3%イソフランおよび酸素による深い麻酔作用の場所に維持した。また、張を防ぐために胃チューブを配置した。ナトリウム・セファゾリン(20mg/kg)を手術前に静脈内に投与した。

0113

内側側副靭帯の起点の骨切り術により右後膝関節に対する内側接近法を採用して内側半月板に対する完全な接近を行った。この赤色−白色領域(red-white zone)において中央の半月板の約60%を切除した。上記の支持体をC−1テーパー・ニードル(図9)上の6本の中断したPROLENE縫合線(6−0)により欠損部(9×5×2mm)に固定した。この関節包、筋膜、および皮膚層をPLOLENE-0またはVICRYL 2-0縫合線により閉鎖した。この手術に続いて、各ヤギを2週間にわたりアルミニウムフレームを備えているSchroeder-Thomas副子内に配置して、右後膝関節の部分的な重量の支持を可能にした。

0114

2週間後に各動物体を殺して、その内側半月板を取り出して、整形し、10%の中性の緩衝液化したホルマリン(組織容量の20倍)の中に固定した。各サンプルをパラフィン中に処理し、5μmの切片に切り出して、ヘマトキシリン・エオシン(H&E)により染色した。

0115

検死において、埋め込んだ編み状メッシュ構造体を伴う全ての移植片は影響を全く受けない状態に維持されていたが、メッシュの無い移植片は無影響の状態に維持されていないか、欠損部位から完全に消失していた。さらに、組織学用の切片により、補強した支持体と自然な半月板との間の境界領域における組織の内方発育の形跡が見られた。欠損部位からの補強していない発泡体の部分的または完全な消失により、これらの支持体の中への組織の内方発育はほとんど、または全く無かった。

0116

実施例8
この調査の目的はヒツジ・モデルにおける下腱の再生の刺激における合成メッシュ/発泡体の積層物の効果を決定することである。

0117

ポリジオキサノン(PDS)の編み状メッシュにより補強した凍結乾燥処理した60/40ポリ乳酸/ポリカプロラクトン(PLA/PCL)の発泡体を、当該PDSメッシュを上記のVICRYLメッシュの代わりに使用したことを除いて、実施例1に記載した一般的方法に従って作成した。このメッシュ補強した発泡体を包装して、エチレン・オキシド・ガスにより滅菌処理した。

0118

上記のメッシュ補強した移植片を用いて回旋腱板の腱内の欠損部を修復した。12頭の骨格的に成育したランビレット・X・コロンビア(Rambouillet X Columbia)種のメスのヒツジにおける棘下腱の中央の1/3を片側だけ切除した。この腱は大結節におけるその挿入位置からその筋腱接合部の近くであるがその腱の内部である部分を32mmの長さで切除した。3頭の動物体を2回の時間点(6週間目および12週間目)に対応して使用し、合計で6頭の動物体を用いた。各移植片をUSP#2 Ethibond(商標)(ニュージャージー州、サマービルのEthicon社)のさし縫い縫合線により上記の筋腱接合部における腱に取り付けた。この移植片の反対側の端部を2本のUSP#2 Ethibond(商標)縫合線により骨トンネルを通して骨性の弾力部分に取り付けた。この0.5cmの深さの骨性の弾力部分はHall整形外科バー(ニューヨーク州、ウチカのConmed Corporation)により近位端側の上腕骨内に調製した。各移植片の各面を2-0 Polysorb(商標)(コネチカット州、ノーウォークのU. S. Surgical社)縫合線(図1)により周囲の腱に縫合した。移植後6週間目および12週間目において上記の動物体を安楽死させて、再生した組織を生物化学的および組織学的に評価した。なお、これらの動物体は動物福祉法の現行の要求に従って取り扱い維持した。また、上記の安楽死はEuthanasia(J. Am. Vet. Med. Assoc., 202:229頁乃至249頁、1993年)におけるAVMAパネルにより記載されている指針に従って行った。

0119

実施例9
実施例8に従って修復した上腕頭および全棘下腱を上記のヒツジから取り出して、カスタム製の機械において機械的に試験した。再生した組織についての機械的な試験を安楽死後24時間以内に行い、この組織を試験まで塩類溶液により湿らせた状態に維持した。この上腕頭をポッティング(potting)培地内に配置して、腱をドライアイスで冷却したグリップ内に配置して試験中に滑らないようにした。この再生処理した組織の強度を500mm/分の移動速度における張力について測定した。この結果、移植の12週間後の修復した組織の最大強度は約1224ニュートンであることが分かった。

0120

実施例10
組織病理学的な調査において、採取した実施例8に従って形成した各骨−腱−移植片を10%の中性の緩衝液化したホルマリンの中に固定し、固定後に整形して、硝酸中で脱灰した。各サンプルをパラフィン中で処理して、5ミクロンの厚さの切片に切り出し、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)により染色した。

0121

組織病理学的な評価を行い、以下のパラメータ、すなわち、(1)体型測定断面積、断面における生物材料の面積、および既存の棘下腱の面積、(2)質的:切片内における移植片の存在、移植片に対する組織応答(炎症性および謬原性の成分)、切片の配向および自然な解剖学的特長部分の存在(自然な棘下腱等)を伴った。

0122

採取した体型測定値は以下の6週間目において測定した各移植片の元の断面積の75.5%、および12週間目における108.5%であった。また、6週間目における組織学用の各切片における自然な棘下腱の集合部分総面積は25.3mm2 であり、12週間目において32.8mm2 であった。また、対照の断面積に対する自然な腱の総面積の差の割合は6週間目において26.3%であり、12週間目において34.5%であった。さらに、この腱における新しい接合組織の総面積は6週間目において75.8mm2 であり、12週間目において90.0mm2 であった。

0123

質的には、棘下腱の全体において再生活性が見られ、6週間目と12週間目との間においてこの組織の治癒における進行および成熟が見られた。また、これらの生物材料に対する生体の固有の応答の観点から、上記メッシュ材料を囲んでいる発泡体の隙間の中に適度な異物肉芽腫性の反応(適度な数のマクロファージおよびマクロファージ巨細胞および比較的少ない線維芽細胞)が見られた。また、この局在的な組織応答により生じる何らかの副行性の組織損傷の形跡は全く見られなかった。

0124

当該技術分野における通常の熟練者であれば、上記の各実施例に基づいて本発明のさらに別の特徴および利点が理解できる。従って、本発明は、本明細書に記載する特許請求の範囲およびその実施態様により示されている範囲を除いて、本明細書において図示および説明した内容により制限されない。また、本明細書において引用した全ての刊行物および文献はそれらの内容全体が本明細書に参考文献として含まれる。

0125

本発明の実施態様は以下の通りである。
(1)前記生物学的成分が前記発泡体部品の気孔の中に含有されている請求項1に記載の移植片。
(2)前記生物学的成分が抗生物質、抗菌剤、抗炎症剤、成長因子、ホルモン、サイトカイン、タンパク質、グリコサミノグルカン、免疫抑制剤、核酸、鎮痛薬、細胞種、ウイルス、ウイルス粒子およびこれらの組み合わせ物から成る群から選択される実施態様(1)に記載の移植片。
(3)前記タンパク質がプレイオトロフィン、エンドセリン、テネイシン、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン、V−CAM、I−CAM、N−VAM、エラスチン、フィブリリン、ラミニン、アクチン、ミオシン、コラーゲン、ミクロフィラメント、中間フィラメント、抗体、およびこれらのフラグメントから成る群から選択される実施態様(2)に記載の移植片。
(4)前記成長因子がTGF−β、骨形態発生性タンパク質、線維芽細胞成長因子、血小板誘導型成長因子、脈管内皮細胞誘導型成長因子(VEGF)、表皮成長因子、インシュリン類似成長因子、肝細胞成長因子、およびこれらの作用薬、拮抗薬およびフラグメントから成る群から選択される実施態様(2)に記載の移植片。
(5)前記成長因子が自己由来性である実施態様(4)に記載の移植片。

0126

(6)前記グリコサミノグルカンが硫酸ヘパリン、ヘパリン、硫酸コンドロイチン、硫酸デルマタン、硫酸ケラチン、ヒアルロナン、およびこれらの組み合わせ物から成る群から選択される実施態様(2)に記載の移植片。
(7)前記細胞種が骨細胞、線維芽細胞、幹細胞、多能性細胞、軟骨細胞先祖、軟骨細胞、破骨細胞、骨芽細胞、内皮細胞、マクロファージ、脂肪細胞、単核細胞、プラズマ細胞、マスト細胞、臍帯細胞、白血球、間質細胞、間葉幹細胞、上皮細胞、筋芽細胞、腱細胞、靭帯線維芽細胞、および骨髄細胞から成る群から選択される実施態様(2)に記載の移植片。
(8)前記発泡体部品が1個以上の層の中に存在している請求項1に記載の移植片。
(9)前記隣接している発泡体の層が前記気孔の少なくとも部分的な結合により互いに一体化している実施態様(8)に記載の移植片。
(10)前記補強部品が1個以上の層の中に存在している請求項1に記載の移植片。

0127

(11)別々の層がそれぞれ異なるポリマーにより構成されている実施態様(8)に記載の移植片。
(12)前記発泡体部品の諸特性が当該移植片の厚さおよび寸法により変化する実施態様(11)に記載の移植片。
(13)前記移植片の外側の層がその内側の領域が有している全体の気孔容積よりも大きい全体的な気孔容積を有している実施態様(12)に記載の移植片。
(14)前記移植片の内側の領域が当該移植片の外側の層が有している全体の気孔容積よりも大きい全体的な気孔容積を有している実施態様(12)に記載の移植片。
(15)前記生物学的成分の濃度が前記内側の領域よりも前記外側の層の中において高い実施態様(13)に記載の移植片。
(16)前記生物学的成分の濃度が前記外側の層よりも前記内側の領域の中において高い実施態様(14)に記載の移植片。

発明の効果

0128

従って、本発明によれば、損傷した組織を縫合して当該損傷した組織の迅速な治癒を容易にするための優れた組織移植片が提供できる。

図面の簡単な説明

0129

図1本発明に従って構成されている組織移植片の断面図である。
図2本発明の移植片の別の実施形態の断面図である。
図3本発明の移植片のさらに別の実施形態の断面図である。
図4本発明において有用な金型組立品の実施形態の一例の斜視図である。
図5図4の金型組立品の一部分の断面図である。
図6本発明の移植片において有用な生体吸収性で編み状のメッシュ補強材料の走査電子顕微鏡写真である。
図7本発明による移植片の一部分の走査電子顕微鏡写真である。

--

0130

10移植片
11ウエブまたは壁部
12高分子発泡体部品
13 気孔
14補強部品
18 金型

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