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課題

無機微粒子の細孔内へのチタニア化合物等のコーティング材コーティングを確実に行うことができる方法を提供することにある。

解決手段

無機微粒子表面に無機薄膜を形成する無機微粒子コーティング方法であって、前記無機微粒子を超臨界流体中に分散させ、さらに、前記無機薄膜を構成するコーティング材を前記超臨界流体中に添加して、これらを混合する高圧混合工程と、この高圧混合工程後、前記無機微粒子および前記コーティング材を含む超臨界流体を常圧まで減圧して、前記無機微粒子を捕集する減圧捕集工程と、を備えていることを特徴とする。

概要

背景

概要

無機微粒子の細孔内へのチタニア化合物等のコーティング材コーティングを確実に行うことができる方法を提供することにある。

無機微粒子表面に無機薄膜を形成する無機微粒子コーティング方法であって、前記無機微粒子を超臨界流体中に分散させ、さらに、前記無機薄膜を構成するコーティング材を前記超臨界流体中に添加して、これらを混合する高圧混合工程と、この高圧混合工程後、前記無機微粒子および前記コーティング材を含む超臨界流体を常圧まで減圧して、前記無機微粒子を捕集する減圧捕集工程と、を備えていることを特徴とする。

目的

本発明の目的は、無機微粒子の細孔内へのチタニア化合物等のコーティング材のコーティングを確実に行うことができる方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

無機微粒子表面に無機薄膜を形成する無機微粒子コーティング方法であって、前記無機微粒子を超臨界流体中に分散させ、さらに、前記無機薄膜を構成するコーティング材を前記超臨界流体中に添加して、これらを混合する高圧混合工程と、この高圧混合工程後、前記無機微粒子および前記コーティング材を含む超臨界流体を常圧まで減圧して、前記無機微粒子を捕集する減圧捕集工程と、を備えていることを特徴とする無機微粒子コーティング方法。

請求項2

請求項1に記載の無機微粒子コーティング方法において、前記超臨界流体は、二酸化炭素エタンプロパンおよびエチレンからなる群から選択された少なくとも1種を含んで構成されていることを特徴とする無機微粒子コーティング方法。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の無機微粒子コーティング方法において、前記無機微粒子は、内部に平均細孔径0.001〜1μmの微小な細孔を有することを特徴とする無機微粒子コーティング方法。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれかに記載の無機微粒子コーティング方法において、前記コーティング材は、ゾル状ゲル状、溶剤に溶解した溶液および/または固体を含み、アルキル基などの官能基を含むチタニア化合物よりなる群から選択された少なくとも1種を含んで構成されていることを特徴とする無機微粒子コーティング方法。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれかに記載の無機微粒子コーティング方法において、前記減圧捕集工程は、前記無機微粒子を含む超臨界流体をノズルを用いて前記容器外部に噴射することにより減圧し、前記コーティング材がコーティングされた無機微粒子を前記容器の外部で捕集することを特徴とする無機微粒子コーティング方法。

請求項6

請求項1から請求項4のいずれかに記載の無機微粒子コーティング方法において、前記減圧捕集工程は、前記容器の温度を下げることにより減圧し、前記コーティング材がコーティングされた無機微粒子を前記容器から捕集することを特徴とする無機微粒子コーティング方法。

技術分野

0001

本発明は、無機微粒子コーティング方法に関する。特に、コーティング材であるチタニア化合物を無機微粒子にコーティングする方法に関する。

背景技術

0002

従来より、二酸化ケイ素などの無機物質に、二酸化チタンなどのチタニア化合物を種々の工業材料にコーティングする技術の開発が望まれていた。例えば、ゾルゲル法等(K.Jurck et al.,J.Mater.Sci.,27,2549(1992)、B.Samuneva et al.,J.Mater.Sci.,28,2353(1993))を用いて、比較的、取り扱いの容易な二酸化チタン薄膜コーティングを数十cm程度のコップなどの容器に施して、光触媒作用を有する器具として用いることが研究されてきた。

0003

ゾル−ゲル法等の従来法では、問題点として、チタニア化合物が高粘度のため、細かい粒径担体にチタニア化合物をコーティングすると、毛細管現象障害となって均一な薄膜が生成できず、これが耐久性のない薄膜の形成や薄膜の剥落の原因となっている。そこで細かい粒径の無機微粒子等の担体へのチタニア化合物のコーティング法としては、ディップコーティング法やスピンコーティング法等が検討されている。しかしながら、これらの方法を粒径が数μm程度の無機微粒子に適用すると癒着剥離等の原因となったり、製造方法として連続処理ができない、溶媒分離除去に多大な熱エネルギーを必要とするなどの欠点が指摘されている。

0004

それに対し、本発明の発明者である三島は、溶質との分離が容易であり、拡散係数が通常の液体溶媒の100倍程度で粘度が液体溶媒の10分の1以下である特徴を有する超臨界流体機能性溶剤として用い、無機微粒子および有機物質に対して、種々の無機物有機物をコーティングする方法を提案した(特開平11-197494)。また、超臨界流体として二酸化炭素を溶媒として用いて高圧の超臨界流体としての二酸化炭素に分散させたゾル状のチタニア化合物を、常圧または比較的低い圧力に保持した繊維状セラミックスなどの被コーティング物質に吹き付けて繊維表面にチタニアをコーティングできることが報告されている(S.Kato,Proceeding of Third International Conference on Solvothermal Reactions(1999))。さらに、通常の溶媒を用いてゾルゲル法粒子径数ミリ程度のガラス粒子にチタニアをコーティングする方法が報告されている(山本英夫ら、化学工学第64年会講演要旨集H11 3,P.280)。そして、特に超臨界流体として用いる二酸化炭素は一般に無毒で、臨界温度が304.2Kであるため、操作温度が308.15K程度の常温付近であり、かつ安価であることから、三島らは、これらを用いた多くの製造技術の開発を既に行っている(特開平8-104830、特開平8-113652、特開平11-47681)。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、これらの方法は、常圧または比較的低い圧力に保持したガラス繊維などの被コーティング物質に対して、高圧の超臨界流体である二酸化炭素に、分散させたコーティング物質を吹き付けるもので、被コーティング物質である無機微粒子などの細孔内へのコーティングが困難であるという問題がある。

0006

本発明の目的は、無機微粒子の細孔内へのチタニア化合物等のコーティング材のコーティングを確実に行うことができる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達するために、本発明の無機微粒子コーティング方法は、無機微粒子表面に無機薄膜を形成する無機微粒子コーティング方法であって、前記無機微粒子を超臨界流体中に分散させ、さらに、前記無機薄膜を構成するコーティング材を前記超臨界流体中に添加して、これらを混合する高圧混合工程と、この高圧混合工程後、前記無機微粒子および前記コーティング材を含む超臨界流体を常圧まで減圧して、前記無機微粒子を捕集する減圧捕集工程と、を備えていることを特徴とする。

0008

ここで、無機微粒子は、炭酸マグネシウム炭酸カルシウムケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素等任意の無機物質の微粒子を採用できる。また、超臨界流体とは、状態図で温度、圧力、エントロピー線図の臨界点より少し上の温度・圧力下にある状態を超臨界状態、この状態の流体を超臨界流体という。密度が高いのに液体状態より粘性が小さいので管路抵抗が小さく、管路を使ってものを冷却するとき流量を大きく取ることができる。超臨界流体としては、例えば、二酸化炭素、エタンプロパンおよびエチレンからなる群から選択された少なくとも1種を含んで構成されているものを採用できる。さらに、超臨界状態を発生するには加圧手段として、ポンプコンプレッサー熱交換器等を必要とする。

0009

さらに、コーティング材とは、前記無機微粒子にコーティングする物質のことをいい、ゾル状、ゲル状、溶剤に溶解した溶液および/または固体を含み、アルキル基などの官能基を含むチタニア化合物よりなる群から選択された少なくとも1種を含んで構成されている。また、チタニア化合物とは、二酸化チタンを主成分とする化合物のことをいう。このチタニア化合物は、塩素やオゾンに比べ非常に強い酸化力を有しているため、水中や空気中に溶け込んでいる種々の有害な化学物質悪臭物質を簡単に分解・無害化することができ、抗菌防カビなどにも使用できるため、主に光触媒等の環境浄化機能などを必要とする用途に用いられる。

0010

ここで、高圧混合工程とは、反応セル等の容器内に、コーティングされる無機微粒子と、コーティング材を入れ、昇圧してつくられた超臨界流体を媒体として、反応セル内部にある無機微粒子とコーティング材を撹拌、加熱等の処理を施し、無機微粒子の細孔にコーティング材を被膜する工程のことである。また、使用する物質の量は、例えば、無機微粒子として、二酸化ケイ素3g、コーティング材として、ゾル状の二酸化チタン100mlに対して、超臨界流体として二酸化炭素などを用いるならば、80〜120gとするのが、経済効率の点で好ましい。さらに、減圧捕集工程とは、無機微粒子およびコーティング材を含む超臨界流体を常圧まで減圧して、コーティング材がコーティングされた無機微粒子を捕集する工程のことである。

0011

このような本発明によれば、高圧混合工程により、反応セル等の容器内に、コーティングされる無機微粒子と、コーティング材を入れ、昇圧してつくられた超臨界流体を媒体として、反応セル内部にある無機微粒子とコーティング材を撹拌、加熱等の処理を施すから、超臨界流体は粘性が小さく、拡散性も高いため、コーティング材が無機微粒子の細孔内部も通過することができ、無機微粒子の細孔内部にコーティング材を被膜することができる。さらに、減圧捕集工程により、超臨界流体、無機微粒子およびコーティング材の存在する反応セル等の容器内の圧力を急速に減圧することによって、超臨界流体は、急激に膨張して蒸散するため、ディップコーティング法やスピンコーティング法等のような無機微粒子同士の癒着が生じないで、無機微粒子にコーティング材をコーティングすることができる。

0012

以上において、前記超臨界流体は、二酸化炭素、エタン、プロパンおよびエチレンからなる群から選択された少なくとも1種を含んで構成されていることが好ましい。

0013

ここで、超臨界流体として、臨界点(臨界温度、臨界圧力)が低いため、超臨界状態にしやすいので、二酸化炭素、エタン、プロパンおよびエチレンが好ましく用いられる。

0014

これによれば、二酸化炭素、エタン、プロパンおよびエチレン、特に二酸化炭素は、無毒であり、臨界温度が304.2Kであり、かつ安価であるので、安全にかつコストの低い無機微粒子コーティング方法とすることができる。

0015

また、前記無機微粒子は、内部に平均細孔径0.001〜1μmの微小な細孔を有することが好ましい。無機微粒子の細孔の平均細孔径0.001μmより小さい場合には、コーティング材が無機微粒子の細孔に入りにくくなるので、コーティング材の被膜が困難になる場合がある。また、無機微粒子の細孔の平均細孔径1μmより大きい場合には、コーティング材の被膜する表面積が小さくなるので、実際の光触媒等に用いる際に、有害な化学物質や悪臭物質を分解・無害化するに十分な能力が得られない場合がある。したがって、無機微粒子は、内部に平均細孔径0.001〜1μmの微少な細孔を有するならば、無機微粒子へのコーティング材の被膜が容易で、実際の光触媒等に用いる際に、有害な化学物質や悪臭物質を分解・無害化するに十分な能力が得ることができる。

0016

さらに、前記コーティング材は、ゾル状、ゲル状、溶剤に溶解した溶液および/または固体を含み、アルキル基などの官能基を含むチタニア化合物よりなる群から選択された少なくとも1種を含んで構成されていることが好ましい。ここで、チタニア化合物の原料の状態は、物質表面へのコーティングのような微細な加工を要する用途には、溶液と固体の中間の状態であるゾル状がより好ましい。また、チタニア化合物としては、二酸化チタンが好適である。

0017

これによれば、コーティング材の原料が、ゾル状、ゲル状、溶剤に溶解した溶液ならびに固体を含み、アルキル基などの官能基を含むチタニア化合物よりなる群から選択された少なくとも1種であるチタニア化合物であるので、無機微粒子の細孔にチタニア化合物を被膜することがことができる。

0018

そして、前記減圧捕集工程は、前記無機微粒子を含む超臨界流体をノズルを用いて前記容器外部に噴射することにより減圧し、前記コーティング材がコーティングされた無機微粒子を前記容器の外部で捕集してもよい。

0019

ここで、高圧混合工程を実施する容器、例えば、反応セルの減圧は、反応セルの外部に設けられた捕集セルにノズル等で噴射することにより行うことにより捕集する。さらに、超臨界流体の急速膨張(減圧)を行う場合の圧力は、例えば、二酸化炭素を使用した場合は、7.2〜30MPa、特に、15〜25MPaとするのが、超臨界流体の急速膨張(減圧)を効率的に行える点で好ましい。

0020

これによれば、無機微粒子を含む超臨界流体をノズルを用いて容器外部に噴射して減圧することにより、超臨界流体は、急激に膨張して蒸散するので、無機微粒子同士の癒着が生じないで、無機微粒子にコーティング材をコーティングすることができ、さらに、コーティング材が均一にコーティングされた、粒径の揃った無機微粒子を得ることができる。

0021

また、前記減圧捕集工程は、前記容器の温度を下げることにより減圧し、前記コーティング材がコーティングされた無機微粒子を前記容器から捕集してもよい。

0022

ここで、高圧混合工程を実施する容器、例えば、反応セルの減圧は、反応セル自体の温度を急激に下げることにより行い、それに伴って、反応セル内部の圧力も下がる。そして、反応セル内部の圧力が十分に下がった後、反応セルより、コーティングされた無機微粒子を捕集する。また、超臨界流体の急速膨張(減圧)を行う場合の温度は、例えば、二酸化炭素を使用した場合は、308.15〜323.15Kが好ましく、308.15〜313.15Kが、超臨界流体の急速膨張(減圧)を効率的に行える点においてより好ましい。

0023

これによれば、容器の温度を下げて減圧することにより、超臨界流体の溶解度が低下するので、無機微粒子およびコーティング材を超臨界流体から容易に、分離することができる。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係るコーティング装置1が示されている。コーティング装置1は、ボンベ10から安全弁16Aまでの経路が形成された、超臨界流体に必要な昇圧を行う昇圧部2、安全弁16Aからストップバルブ18Dまでの経路が形成された、高圧混合工程を行う混合部3、およびストップバルブ18Dから捕集セル29までの経路を構成する減圧捕集工程を行う捕集部4を備えている

0025

〈昇圧部〉昇圧部は、始点に、超臨界流体、例えば、二酸化炭素を供給するボンベ10を備えている。ボンベ10側には、ボンベ10から順番に、乾燥剤充填された乾燥管12、およびフィルタ13Aが設けられている。この乾燥管12によって、ボンベ10からの液体二酸化炭素がこの乾燥管12を通過することにより、液体二酸化炭素中の水分が除去される。また、フィルタ13Aによって、ゴミなどの不純物が除去される。

0026

昇圧部2は、冷却ユニット19から終点である安全弁16Aとの間に、図1に示すように、冷却ユニット19、フィルタ13B、昇圧用ポンプ14、背圧弁20、圧力計15A、ストップバルブ18B、および安全弁16Aが設けられている。また、この冷却ユニット19内には、エチレングリコールが充填されており、このエチレングリコールが約−261.15Kに冷却され、ボンベ10から供給される二酸化炭素も冷却することができる。

0027

さらに、この昇圧用ポンプ14によって、昇圧部2内の圧力を上げることができる。そして、背圧弁20によって、昇圧部2および混合部3内の圧力を任意の圧力に設定することができる。この背圧弁20は、圧力が±0.1MPa以内の精度で系内の圧力を制御でき、最大使用圧力は41.5MPaとなっている。

0028

また、圧力計15Aによって、昇圧部2内の圧力を測定することができる。さらに、圧力計15Aには、上限接点出力端子が付いており、指定圧力で、昇圧用ポンプ14の電源を切るように設定している。さらに、安全弁16Aによって、昇圧部2内の圧力が指定の圧力以上にならないようにすることができる。昇圧部2内の圧力が34.3MPaの場合に、安全弁16Aが、作動するように調整・検定してある。

0029

前述した昇圧部2で用いた装置の具体例を、以下に示す。

0030

(a)乾燥管12;GLサイエンス(株)製のキャリヤーガス乾燥管(材質SUS316、最高使用圧力20MPa、内径35.5mm、長さ310mm)
(b)乾燥剤;GLサイエンス(株)製のモレキュラーシーブ(1/16inch Pellet)
(c)フィルタ13A、13B;細孔平均径が約10μmのもの(GLサイエンス(株)製、FT4-10型)
(d)昇圧用ポンプ14;GLサイエンス(株)製の高圧用シングルプランジャーポンプAPS-5L(最大圧力58.8MPa、常用圧力49.0MPa、流量0.5〜5.2ml/min)を使用した。昇圧用ポンプ14のヘッド部分には、液体二酸化炭素の気化を防ぐために冷却器を装着している。

0031

(e)圧力計15A;ブルドン式のもので、GLサイエンス(株)製LCG-350(最大使用圧力34.3MPa)
(f)安全弁16A;NUPRO(株)製のスプリング式の弁
(g)ストップバルブ18A;GLサイエンス(株)製の2 Way Valve 02-0120(最大使用圧力98.0MPa)
(h)冷却ユニット19;ヤマト科学(株)製BL-22
(i)背圧弁20;TESCOM(株)製の26−1721−24
(j)昇圧部2におけるボンベ10からフィルタ13Bまでの区間の以外の配管;1/16inch のステンレス管(SUS316、外径1.588mm、内径0.8mm)
(k)他の部分の配管;1/8inchのステンレス管(SUS316、外径3.175mm、内径2.17mm)

0032

〈混合部〉混合部3は、槽全体の高さ調節が可能な水恒温槽21の内部に構成されている。また、水恒温槽21内部の温度測定のために、温度測温部22として、チノー(株)製の白金抵抗測温体1TPF483を使用している。昇圧部2内のストップバルブ18Aと、水恒温槽21内の予熱カラム23は、配管を経て、接続されている。この予熱カラム23によって、昇圧部2から供給される、例えば、液体の二酸化炭素を平衡温度まで予熱し、超臨界流体にすることができる。

0033

また、予熱カラム23から延びた配管は、途中、逆止弁17、ストップバルブ18B、18Cを備え、反応セル24内に導入されている。反応セル24内には、試料として、無機微粒子およびコーティング材が充填される。また、無機微粒子、コーティング材および超臨界流体を撹拌するために撹拌用モーター25が設置されている。撹拌用モーター25の撹拌速度は、20〜300rpmであり、デジタル回転表示計(図示略)により撹拌シャフト回転数を表示できる。

0034

また、撹拌用モーター25と反応セル24内の撹拌翼26は、電磁式ノンシール撹拌機(図示略)により接続され、反応セル内の圧力は、山崎計器製作所(株)製ブルドン式圧力計E93004 6B(図示略)により測定した。

0035

また、反応セル24は、反応セル24内の圧力測定および圧力上昇による爆発を防止のために、それぞれ圧力計15Bおよび安全弁16Bが設けられている。さらに、ストップバルブ18Dにより、反応セル24内の超臨界流体を捕集部4へ放出する。

0036

前述した混合部3で用いた装置の具体例を、以下に示す。

0037

(a)水恒温槽21;内容積は、80dm3であり、チノー(株)製の温度制御器DB1000により、水温を±0.1℃の精度で制御できる。
(b)温度測温部22;チノー(株)製の白金抵抗測温体1TPF483
(c)予熱カラム23;1/8inchステンレス管(SUS316,外径3.175mm,内径2.17mm,長さ約4m)を直径55mm、長さ140mmのスパイラル状の形状
(d)逆止弁17;(株)AKICO製SS−53F4(最大使用圧力34.3MPa)
(e)ストップバルブ18B、18C、18D;GLサイエンス(株)製の2 Way Valve 02-0120(最大使用圧力98.0MPa)

0038

(f)反応セル24;(株)AKICO製クイック開閉型混合セル(材質SUS316、設計圧力39.2MPa、設計温度423.15K、内径55mm、高さ220mm、内容積500ml)
(g)撹拌用モーター25;(株)AKICO製の変速型撹拌用モーター
(h)圧力計15B;ブルドン式のもので、GLサイエンス(株)製LCG-350(最大使用圧力34.3MPa)
(i)安全弁16B;NUPRO(株)製のスプリング式の弁

0039

〈捕集部〉捕集部4は、加熱管27、ノズル28、および捕集セル29から構成されている。この加熱管27によって、混合部3の反応セル24内の試料が、捕集セル29に導入される。また、ノズル28によって、加熱管27内の試料が、高速で噴射される。さらに、捕集セル29によって、試料を捕集できる。また、試料噴射後のゾル状の二酸化チタンによる粒子同士の癒着を防ぐため、捕集セル29内は、液体の二酸化炭素を充填し、温度を100〜300℃とした。

0040

前述した捕集部4で用いた装置の具体例を、以下に示す。
(a)加熱管27;1/8inchステンレス管(SUS316,外径3.175mm,内径2.17mm,長さ 約1m)
(b)ノズル28;タングステンカーバイドユニジェットノズルオリフィス直径0.28mm,最高使用圧力280kg/cm2)
(c)捕集セル29;(株)AKICO製 HP28(材質SUS316、設計圧力39.2MPa、設計温度623.15K、内容積2800ml)

0041

ここで、コーティング材としては、ゾル状、ゲル状、溶剤に溶解した溶液および/または固体を含み、アルキル基などの官能基を含むチタニア化合物よりなる群から選択された少なくとも1種を含んで構成されているものを採用できる。例えば、二酸化チタンのゾルなどである。また、無機微粒子としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素等、任意の無機物質の微粒子を採用できる。また、前記無機微粒子は、内部に平均細孔径0.001〜1μmの微少な細孔を有することが好ましい。

0042

さらに、超臨界流体としては、二酸化炭素、エタン、プロパンおよびエチレンからなる群から選択された少なくとも1種を含んで構成されているものを採用できる。特に一般に無毒で、臨界温度が304.2Kであるため、操作温度が308.15K程度の常温付近であり、かつ安価であることから、二酸化炭素が好ましい。

0043

この場合に、コーティング装置1の操作手順は、以下の通りである。
(1)昇圧用ポンプ14を作動させ、予め、反応セル24の中に無機微粒子、例えば、二酸化ケイ素10gおよびコーティング材、例えば、二酸化チタンゾル100mlを充填し、反応セル24を水恒温槽21内の所定の位置に設置し、バルブ18Aを閉じた状態で、ボンベ10より超臨界流体、例えば、二酸化炭素を供給し、ボンベ10の上限圧力を背圧弁20で調節する。
(2)さらに、水恒温槽21内の温度を、313.15±0.2Kに、加熱管27を350.15±0.5Kに温度制御する。
(3)次いで、ストップバルブ18B〜18Dが閉じた状態で、ストップバルブ18Aを開け、混合部3へ超臨界流体を送り、ストップバルブ18B、18Cを開け、反応セル24内が操作圧力になるまでしばらく放置する。

0044

(4)反応セル24内を撹拌用モーター25により撹拌する。この際、デジタル回転表示計により撹拌の回転速度を調整する。反応セル24内を操作圧力まで加圧し、圧力が一定となってから反応セル24内を撹拌用モーター25により撹拌して30分程度放置する。この際、ストップバルブ18A、18B、18C、18Dは閉じている。
(5)次に、ストップバルブ18Dを開け、25.3MPaから20.2MPa(250atmから200atmを換算した値)まで減圧させる間に捕集セル29側へ噴射を行う。これによって超臨界流体(この場合、超臨界状態になった二酸化炭素)中に溶解した無機微粒子(この場合、二酸化ケイ素)とコーティング材(この場合、二酸化チタンゾル)からなる無機微粒子はノズル28を通って、捕集セル29内へ吹き出す。捕集セル29内では、超臨界流体が吹きだすと同時に、無機微粒子を芯物質とするコーティング材が皮膜された無機微粒子が捕集される。

0045

上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。高圧混合工程により、反応セル等の容器内に、コーティングされる無機微粒子と、コーティング材を入れ、昇圧してつくられた超臨界流体を媒体として、反応セル内部にある無機微粒子とコーティング材を撹拌、加熱等の処理を施すから、超臨界流体は粘性が小さく、拡散性も高いため、コーティング材が無機微粒子の細孔内部も通過することができ、無機微粒子の細孔内部にコーティング材を被膜することができる。

0046

さらに、減圧捕集工程により、超臨界流体、無機微粒子およびコーティング材の存在する反応セル等の容器内の圧力を急速に減圧することによって、超臨界流体は、急激に膨張して蒸散するため、ディップコーティング法やスピンコーティング法等のような無機微粒子同士の癒着が生じないで、無機微粒子にコーティング材をコーティングすることができる。

0047

その他、本発明を実施する際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造等としてもよい。

0048

[実施例1]前述の実施形態に係るコーティング装置1を用いて、前述の手順で、無機微粒子のコーティングを行った。無機微粒子コーティングに用いた材料は以下の通りである。
〈材料〉コーティング材;二酸化チタンゾル(市販のチタンイソプロポキシドを原料に公知の方法であるゾルーゲル法(作花済夫著、ゾル-ゲル法の科学、アグネ承風社(1978))を用いて製造した。)
無機微粒子;二酸化ケイ素(和光純薬工業(株)製の一級試薬
超臨界流体;二酸化炭素(純度99.5%以上)(福岡酸素(株)製)

0049

捕集セル29で捕集した無機微粒子の確認方法として、以下の方法を行った。捕集セル29で捕集した無機微粒子を、電解放射型走査電子顕微鏡日立S-4700型)で観察した。その電子顕微鏡写真図2に示した。図2によれば、二酸化ケイ素の微粒子が二酸化チタンでコーティングされたことがわかる。

0050

また、捕集セル29で捕集した無機微粒子をエネルギー分散X線分析システム(HORIBAEMAX-7000)により、チタン定性分析を行った。その定性分析結果を図3に示した。図3で示すように、観察部分からは、主にSi、Tiが検出されていることがわかる。

0051

そして、マックサイエンスX線回折装置(M03XHF)により生成した微粒子の構造解析を行った。そのX線回折の結果を図4に示した。図4に示すように、4つのピークが現れている。また、図5には、既知アナタース型二酸化チタン(和光純薬工業(株)製 和光一級)のX線回折の結果を示している。これら図4図5を比較することにより、各ピークが一致するので、今回の捕集された微粒子中には、二酸化チタンが存在していることがわかった。

0052

前述のように、電解放射型走査電子顕微鏡(日立S-4700型)(図2参照)、エネルギー分散型X線分析システム(HORIBAEMAX-7000)(図3参照)およびマックサイエンスX線回折装置(M03XHF)(図4図5参照)による分析の結果、超臨界流体の急速膨張法を用いて、二酸化ケイ素の微粒子が二酸化チタンでコーティングされたことが示された。

0053

[実施例2]前述の実施形態に係るコーティング装置1を用いて、前述の手順で、無機微粒子のコーティングを行う。無機微粒子コーティングに用いた材料は以下の通りである。
〈材料〉
コーティング材;二酸化チタンゾル(実施例1と同様)
無機微粒子;ケイ酸カルシウム(実施例2と同様)
超臨界流体;二酸化炭素(実施例1と同様)

0054

捕集セル29で生成した微粒子の確認方法として、日本電子透過型顕微鏡TEM)200CXにより、分析を行ったところ、ケイ酸カルシウムの細孔内部に二酸化チタンの皮膜が形成されていることが確認できた。

0055

[実施例3]前述の実施形態に係るコーティング装置1を用いて、前述の手順で、無機微粒子のコーティングを行う。無機微粒子コーティングに用いた材料は以下の通りである。
〈材料〉
コーティング材;二酸化チタンゾル(実施例1と同様)
無機微粒子;ケイ酸カルシウム(実施例2と同様)
超臨界流体;二酸化炭素(実施例1と同様)

0056

ただし、この場合、捕集セル29ではなく、反応セル24内の微粒子を回収した。具体的には、反応セル24の減圧は、反応セル24自体の温度を水恒温槽21等の温度を急激に下げることにより行い、それに伴って、反応セル24内部の圧力も下がる。そして、反応セル24内部の圧力が十分に下がった後、反応セル24より、コーティングされた無機微粒子を捕集した。

0057

反応セル24で生成した微粒子の確認方法として、日本電子透過型顕微鏡(TEM)200CXにより、分析を行ったところ、ケイ酸カルシウムの細孔内部に二酸チタンの皮膜が形成されていることが確認できた。

0058

[実施例4]前述の実施形態に係るコーティング装置1を用いて、前述の手順で、無機微粒子のコーティングを行う。無機微粒子コーティングに用いた材料は以下の通りである。
〈材料〉
コーティング材;二酸化チタンゾル(実施例1と同様)
無機微粒子;二酸化ケイ素(実施例1と同様)
超臨界流体;エタン

0059

[実施例5]前述の実施形態に係るコーティング装置1を用いて、前述の手順で、無機微粒子のコーティングを行う。無機微粒子コーティングに用いた材料は以下の通りである。
〈材料〉
コーティング材;二酸化チタンゾル(実施例1と同様)
無機微粒子;二酸化ケイ素(実施例1と同様)
超臨界流体;プロパン

0060

[実施例6]前述の実施形態に係るコーティング装置1を用いて、前述の手順で、無機微粒子のコーティングを行う。無機微粒子コーティングに用いた材料は以下の通りである。
〈材料〉
コーティング材;二酸化チタンゾル(実施例1と同様)
無機微粒子;二酸化ケイ素(実施例1と同様)
超臨界流体;エチレン

0061

実施例4〜6は、実施例1と同様にして,捕集した無機微粒子をそれぞれ、電解放射型走査電子顕微鏡(日立S-4700型)、エネルギー分散型X線分析システム(HORIBAEMAX-7000)およびマックサイエンスX線回折装置(M03XHF)による分析を行い,その結果、超臨界流体の急速膨張法を用いて、二酸化ケイ素の微粒子が二酸化チタンでコーティングされたことが示された。

0062

[実施例7]前述の実施形態に係るコーティング装置1を用いて、前述の手順で、無機微粒子のコーティングを行う。無機微粒子コーティングに用いた材料は以下の通りである。
〈材料〉
コーティング材;二酸化チタンゾル(実施例1と同様)
無機微粒子;ケイ酸カルシウム(実施例2と同様)
超臨界流体;二酸化炭素(実施例1と同様)

0063

この際、ケイ酸カルシウム表面への二酸化チタンゾルのコーティングは複数回行った。具体的には、捕集セル29でいったん捕集した無機微粒子をまた、反応セル24に入れて、捕集セル29に噴出させてコーティングする。

0064

捕集セル29で生成した微粒子の確認方法として、ケイ酸カルシウム表面の細孔径は、ユアサアイオニクス細孔分布測定装置NOVA1000を用いて行った。その結果、コーティングを繰り返すことにより細孔径が減少し、ケイ酸カルシウム表面への二酸化チタンの皮膜の厚みが増加していることが示された。

発明の効果

0065

本発明によれば、高圧混合工程により、反応セル等の容器内に、コーティングされる無機微粒子と、コーティング材を入れ、昇圧してつくられた超臨界流体を媒体として、反応セル内部にある無機微粒子とコーティング材を撹拌、加熱等の処理を施すから、超臨界流体は粘性が小さく、拡散性も高いため、コーティング材が無機微粒子の細孔内部も通過することができ、無機微粒子の細孔内部にコーティング材を被膜することができる。さらに、減圧捕集工程により、超臨界流体、無機微粒子およびコーティング材の存在する反応セル等の容器内の圧力を急速に減圧することによって、超臨界流体は、急激に膨張して蒸散するため、ディップコーティング法やスピンコーティング法等のような無機微粒子同士の癒着が生じないで、無機微粒子にコーティング材をコーティングすることができる。

図面の簡単な説明

0066

図1本発明に係る無機微粒子コーティング方法のコーティング装置の構成図である。
図2コーティング装置の捕集セルで捕集した無機微粒子の電子顕微鏡写真である。
図3コーティング装置の捕集セルで捕集した無機微粒子のエネルギー分散型X線分析システムの定性分析図である。
図4コーティング装置の捕集セルで捕集した無機微粒子のX線回折装置による構造解析図である。
図5既知の二酸化チタンのX線回折装置による構造解析図である。

--

0067

1コーティング装置
2 昇圧部
3 混合部
4捕集部
10ボンベ
12乾燥管
13A、13Bフィルタ
14昇圧用ポンプ
15A、15B圧力計
16A、16B安全弁
17逆止弁
18A、18B、18C、18Dストップバルブ
19冷却ユニット
20背圧弁
21 水恒温槽
22 温度測温部
23予熱カラム
24反応セル
25撹拌用モーター
26撹拌翼
27加熱管
28ノズル
29 捕集セル

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