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技術 医療用シャフト、医療用シャフトの製造方法、及びバルーンカテーテル

出願人 日本ライフライン株式会社
発明者 川端隆司白木兼人
出願日 2001年4月10日 (19年7ヶ月経過) 出願番号 2001-111770
公開日 2002年10月22日 (18年1ヶ月経過) 公開番号 2002-306605
状態 未査定
技術分野 医療用材料 内視鏡 媒体導出入付与装置 内視鏡 媒体導出入付与装置
主要キーワード 金属補強 模擬回路 評価試験用 高分子樹脂材料 膨張液 押し込み長さ 親水性高分子材料 電気ニッケルめっき
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この項目の情報は公開日時点(2002年10月22日)のものです。
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図面 (8)

課題

プッシャビリティ押し込み性)、およびトルク伝達性の両方が共に優れ、バランスの取れた操作性が得られる医療用シャフト、医療用シャフトの製造方法、医療用シャフトを利用したバルーンカテーテルを提供することを目的とする。

解決手段

高分子樹脂原料とする医療用シャフトであって、シャフト表面金属層が形成された金属補強部と、シャフト表面に金属層が形成されていない樹脂部とを有し、前記金属補強部における金属層が前記樹脂部と金属補強部との境界部からシャフト長軸方向へ向かって厚くなるように形成されたテーパ部を前記金属補強部が有する。

概要

背景

虚血性心疾患の主要治療法である経皮管的冠動脈形成術PTCA)においてバルーンカテーテルが使用されている。PTCA用バルーンカテーテルとして、オーバー・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテルや、オン・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテル等が知られている。オーバー・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテルは、ガイドワイヤー用ルーメン膨張液ルーメンとを有する2重管構造カテーテルであり、ガイドワイヤー法の普及に伴い多く利用されている。従来のオーバー・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテルは、バルーン基端部が外管の先端部に取り付けられ、バルーンの先端部が内管の先端部に取り付けられた構造を有するものや、バルーンが外管の一部となっており、その先端部で内管に取り付けられた構造を有するもの等がある。オーバー・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテルの内管として用いられる医療用シャフトは、ポリエチレンポリプロピレン等の高分子樹脂で形成されている。しかし、高分子樹脂で形成された内管は、柔軟性はあるが、強度が低いために、カテーテルの基端部分でキンク(折れ曲がり)が生じやすく、プッシャビリティ押し込み性)に欠けるという欠点を有する。前記欠点を解決するため、図2に示すように、シャフトの先端部に近い部分が高分子樹脂12で、シャフトの基端部に近い部分が金属13で形成された医療用シャフトも用いられている。

しかし、従来の先端部と基端部とに異なる材料を用いた医療用シャフトは、高分子樹脂で形成された部分と、金属で形成された部分とでは、境界部分cを境にして曲げ剛性等の物性が大きく異なるので、シャフトを基端部から回転操作させた場合に、シャフトの先端部へのトルク伝達性が悪く、操作性に欠けるという欠点があった。

また、従来の高分子樹脂と金属で形成された医療用シャフトは、高分子樹脂で形成された部分と金属で形成された部分とを接合させるのに1本ごとに細かい組み立て作業が必要であり、多数のシャフトを一度に製造することができず、製造コストが高いという問題もあった。

概要

プッシャビリティ(押し込み性)、およびトルク伝達性の両方が共に優れ、バランスの取れた操作性が得られる医療用シャフト、医療用シャフトの製造方法、医療用シャフトを利用したバルーンカテーテルを提供することを目的とする。

高分子樹脂を原料とする医療用シャフトであって、シャフト表面金属層が形成された金属補強部と、シャフト表面に金属層が形成されていない樹脂部とを有し、前記金属補強部における金属層が前記樹脂部と金属補強部との境界部からシャフトの長軸方向へ向かって厚くなるように形成されたテーパ部を前記金属補強部が有する。

目的

そこで本発明は、プッシャビリティ(押し込み性)、およびトルク伝達性の両方が共に優れ、バランスの取れた操作性が得られる医療用シャフト、医療用シャフトの製造方法、医療用シャフトを利用したバルーンカテーテルを提供することを目的とする。

また、本発明は、細かい組み立て作業が不要であり、一度に大量に製造することのできる医療用シャフトの製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

高分子樹脂原料とする医療用シャフトであって、シャフト表面金属層が形成された金属補強部と、シャフト表面に金属層が形成されていない樹脂部とを有し、前記金属補強部における金属層の厚みが前記樹脂部と金属補強部との境界部からシャフト長軸基端部方向へ向かって厚くなるように形成されたテーパ部を前記金属補強部が有することを特徴とする医療用シャフト。

請求項2

前記金属補強部の金属層上に高分子樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用シャフト。

請求項3

請求項1又は2に記載の医療用シャフトの樹脂部にバルーン拡張部を備えることを特徴とするバルーンカテーテル

請求項4

前記シャフト表面への金属層の形成方法が、無電解めっき、電解めっき、スパッタリングイオンプレーティング金属溶射蒸着及び/又はこれらの組み合わせよりなる群から選択することができるいずれかの方法であることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用シャフトの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、医療用シャフト、医療用シャフトの製造方法、及び医療用バルーンカテーテルに関し、さらに詳しくは、高分子樹脂原料とする医療用シャフトの基端部に近い位置に金属層を形成すると共に、この金属層の厚みを傾斜させることにより、高分子樹脂のみからなる部分と金属層がその上に形成された部分との剛性の違いを緩和させ、プッシャビリティ押し込み性)、及びトルク伝達性バランスよく向上した医療用シャフト,及びその製造方法、医療用シャフトを利用したバルーンカテーテルに関する。

背景技術

0002

虚血性心疾患の主要治療法である経皮管的冠動脈形成術PTCA)においてバルーンカテーテルが使用されている。PTCA用バルーンカテーテルとして、オーバー・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテルや、オン・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテル等が知られている。オーバー・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテルは、ガイドワイヤー用ルーメン膨張液ルーメンとを有する2重管構造カテーテルであり、ガイドワイヤー法の普及に伴い多く利用されている。従来のオーバー・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテルは、バルーンの基端部が外管の先端部に取り付けられ、バルーンの先端部が内管の先端部に取り付けられた構造を有するものや、バルーンが外管の一部となっており、その先端部で内管に取り付けられた構造を有するもの等がある。オーバー・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテルの内管として用いられる医療用シャフトは、ポリエチレンポリプロピレン等の高分子樹脂で形成されている。しかし、高分子樹脂で形成された内管は、柔軟性はあるが、強度が低いために、カテーテルの基端部分でキンク(折れ曲がり)が生じやすく、プッシャビリティ(押し込み性)に欠けるという欠点を有する。前記欠点を解決するため、図2に示すように、シャフトの先端部に近い部分が高分子樹脂12で、シャフトの基端部に近い部分が金属13で形成された医療用シャフトも用いられている。

0003

しかし、従来の先端部と基端部とに異なる材料を用いた医療用シャフトは、高分子樹脂で形成された部分と、金属で形成された部分とでは、境界部分cを境にして曲げ剛性等の物性が大きく異なるので、シャフトを基端部から回転操作させた場合に、シャフトの先端部へのトルク伝達性が悪く、操作性に欠けるという欠点があった。

0004

また、従来の高分子樹脂と金属で形成された医療用シャフトは、高分子樹脂で形成された部分と金属で形成された部分とを接合させるのに1本ごとに細かい組み立て作業が必要であり、多数のシャフトを一度に製造することができず、製造コストが高いという問題もあった。

発明が解決しようとする課題

0005

そこで本発明は、プッシャビリティ(押し込み性)、およびトルク伝達性の両方が共に優れ、バランスの取れた操作性が得られる医療用シャフト、医療用シャフトの製造方法、医療用シャフトを利用したバルーンカテーテルを提供することを目的とする。

0006

また、本発明は、細かい組み立て作業が不要であり、一度に大量に製造することのできる医療用シャフトの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するための本発明の手段の第1の態様は、高分子樹脂を原料とする医療用シャフトであって、シャフト表面に金属層が形成された金属補強部と、シャフト表面に金属層が形成されていない樹脂部とを有し、前記金属補強部における金属層の厚みが前記樹脂部と金属補強部との境界部からシャフトの長軸基端部方向へ向かって厚くなるように形成されたテーパ部を前記金属補強部が有することを特徴とする医療用シャフトであり、また本発明の手段の第2の態様は、前記金属補強部の金属層上に高分子樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用シャフトであり、また本発明の手段の第3の態様は、請求項1又は2に記載の医療用シャフトの樹脂部にバルーン拡張部を備えることを特徴とするバルーンカテーテルであり、また、本発明の第4の態様は、前記シャフト表面への金属層の形成方法が、無電解めっき、電解めっき、スパッタリングイオンプレーティング金属溶射蒸着及び/又はこれらの組み合わせよりなる群から選択することができるいずれかの方法であることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用シャフトの製造方法である。

発明を実施するための最良の形態

0008

図1に本発明の医療用シャフトの一実施例を示す。図1は医療用シャフトの断面図である。医療用シャフト1は、高分子樹脂で形成された中空管2と、中空管2の一部に形成された金属層3と、金属層3の表面に形成された高分子樹脂膜4とで構成される。また、前記中空管2の表面であって金属層3が形成されていない部分が樹脂部5であり、金属層3が形成されている部分が金属補強部6である。金属補強部6のうち、金属層3の膜厚が傾斜している部分がテーパ部7である。

0010

前記中空管2は、上記材料を主に押出し成形することによって成型される。中空管2の内径、管の厚さ及び長さは、シャフトを使用する医療用具の種類や用途によってそれぞれ異なる。例えばPTCA用バルーンカテーテルの内管の場合、通常、内径が0.5〜0.6mmである。また、ここでは、医療用シャフトの例として中空管を用いているが、用途により、中実管とすることもできる。

0011

前記樹脂部5が中空管2の先端部から長軸方向に向かって一定の長さで設けられる。樹脂部5の長さは医療用シャフトの用途に応じて決定される。例えばPTCA用のバルーンカテーテルの内管として使用する場合には、この樹脂部5の長さは40cm程度であり、最短でシャフトの先端から30cmであり、最長でシャフトの先端から80cmである。シースイントロデューサとして使用する場合には、最短でシャフトの先端から2cmであり、最長でシャフトの先端から10cmである。

0012

前記中空管2表面に形成される金属層3は、いずれの金属、合金であってもよいが、無電解めっき、電解めっき、スパッタリング、イオンプレーティング、金属溶射、及び蒸着によって形成することができる金属が、製造の容易性の点から望ましい。例えば、ニッケル、ニッケル−チタン合金クロム、銀、金、銅、イリジウム、及びこれらと他の金属又は他の元素との合金を挙げることができる。中でも無電解めっきにより金属層を形成することができ、剛性に富んだニッケル、ニッケル−チタン合金、クロムが特に好ましい。また金属層3は、単層でもよいし、複数の異なる種類又は異なる方法で形成された金属層であってもよい。

0013

前記金属層3の厚みbは、PTCA用バルーンカテーテルの内管として用いる場合、およそ10μm〜50μmであることが好ましい。金属層3の厚みbは金属の種類や医療用シャフトの用途によっても異なる。厚みが10μmより薄い場合には、中空管2の強度が高められずにプッシャビリティが得られない可能性が高いのであまり好ましくない。また厚みを50μmより大きくすると、内管の外径が大きくなり挿入性に劣るようになるのであまり好ましくない。

0014

前記テーパ部7は、前記樹脂部5と金属補強部6との境界部cからシャフトの長軸方向である基端部方向へ向かって金属層の厚みが厚くなるように形成されている。テーパ部7の長軸方向長さaは、医療用シャフトの用途に応じて決定される。例えばPTCA用のバルーンカテーテルの内管として使用する場合のテーパ部7の長軸方向長さaは5cm〜基端部までの範囲であることが好ましい。長軸方向長さaが基端部までの場合、金属補強部6が全てテーパ部7となる。他の医療用具、例えばシースイントロデューサとして使用する場合のテーパ部7の長軸方向長さaは5cm〜130cmの範囲であることが好ましい。樹脂部5と金属補強部6との間に金属層の厚さを傾斜させたテーパ部7を設けることにより、テーパ部分のシャフトの剛性(曲げ剛性)が徐々に変化するので、医療用シャフト1全体がしなやかになり、操作時に途中で折れ曲がりにくくなるとともに、トルク伝達性が向上し、操作しやすくなる。

0015

中空管2への金属層3の形成及びテーパ部7の形成方法は、公知のいずれの方法をも採用することができるが、製造し易さを考慮すると、無電解めっき、電解めっき、スパッタリング、イオンプレーティング、金属溶射、及び蒸着によって形成するのが好ましい。尚、電解めっきにより中空管2上に金属層を形成させる場合は、不導体である中空管2に直接電解めっきすることができないので、無電解めっき、スパッタリング,イオンプレーティング、金属溶射、及び蒸着により、中空管2上に一旦、金属薄膜を形成させた後、電解めっきを行う。

0016

無電解めっきにより金属層3の形成及びテーパ部7の形成を行う場合は、まず、中空管2を活性化させるための前処理を行う。通常、前処理として、脱脂工程、エッチング工程、活性化工程が行われる。活性化方法としては、センシタイザーアクチベータ法やキャタリスト法がある。前処理工程は、脱脂液エッチング液活性化液に中空管2を浸漬させることにより行われる。前処理工程においても、中空管2の先端部であって金属層3を形成させない部分については、前処理液に浸漬させないことが望ましい。図3を用いて無電解めっき法によるテーパ部7の形成方法について説明する。図3の左の図において、前処理を行った中空管2がめっき浴10に浸漬される。中空管2は、このとき樹脂部5と金属補強部6との境界部分であるcの位置まで浸漬される。図3における点cと点dとの間がテーパ部aである。続いて図3の中心の図において中空管2はめっき浴10から上に向けてゆっくりと引き上げられる。中空管2に析出する金属の厚みは浸漬時間にほぼ比例するので、中空管2を上に引き上げることにより、金属の厚みを変化させることができ、テーパ部7が形成される。引き上げ速度を調整することでテーパ部7の膜厚の傾斜を調整することができる。図3における右図において点dまで引き上げた時点で中空管2の引き上げが停止される。この状態で一定時間めっき浴に浸漬させることで金属補強部5における金属層の厚さを一定にすることができる。所定の厚さまで金属層が形成された後、中空管2全体をめっき浴から引き上げる。

0017

無電解めっきによる方法は、めっき工程だけでなく、前処理からめっき工程まで、連続工程で多くのシャフトを大量に製造することができるので好ましい。尚、無電解めっきによる金属層は、単一の金属層又は合金層に限られず複数の金属層又は合金層であってもよい。例えば下層めっきとして銅めっきを行い、上層めっきとしてニッケルめっきを行うこともできる。また下層めっきを無電解めっき、上層めっきを電解めっきとすることもできる。

0018

電解めっきの場合も無電解めっきによる金属薄膜を中空管2上に形成させるまでは無電解めっき法と同じである。その後、電気めっき浴に浸漬し、中空管2を所定の電流密度通電することにより金属層3の形成が行われる。テーパ部7の形成は、無電解めっきの場合同様に中空管2を引き上げることにより行われる。また、テーパ部7の形成までを無電解めっきで行うこともできる。中空管2への通電は、例えば、陰極に接続された専用の治具に中空管2を取り付けることにより行われる。また、陰極に接続された専用のに中空管2を入れることによって通電させることもできる。

0019

さらに、図1に示すように、前記テーパ部7を含めた金属補強部6上に高分子樹脂層4を形成することができる。高分子樹脂層4を構成する高分子樹脂材料としては、前記中空管2を構成する高分子樹脂材料の他、湿潤状態潤滑性を有する親水性高分子が特に好ましい。金属補強部6の上に高分子樹脂層を設けることにより、金属を防錆する効果や金属から人体へ悪影響を及ぼす物質の流出を防止する効果がある。さらに高分子樹脂層4を設けることで、シャフト1の潤滑性が増し、操作性が向上する。

0021

前記高分子層4の形成方法としては、例えば、金属補強部6上に溶融した高分子材料を塗布する等様々な方法を選択することができるが、中でも蒸着重合法が望ましい。蒸着重合により、高分子樹脂の薄膜を形成することができるので、シャフトの外径が大きくなりすぎず都合がよい。

0022

蒸着重合法は、例えば1×10−2〜1×10−6Torr程度の真空中で原料モノマー又はオリゴマー蒸発させて対象物の表面で重合反応を行わせて重合体を形成させる手法である。具体的には、減圧室に加熱したモノマーを導入し、蒸発したモノマーをシャフトの金属補強部6に接触させてモノマーの重合を行う。

0023

前記蒸着重合に使用するモノマー又はオリゴマーとしては、本発明で用いることのできる蒸着重合被膜を効率的に形成可能なモノマーであれば特に制限はない。形成される高分子膜の厚みに特に制限はないが、たとえば乾燥後の厚みで5〜50μmとすることができる。

0024

図4は、医療用シャフト1を内管として用いたバルーンカテーテルの一例を示したものである。内管8は外管9内に挿通され、外管9の先端部から内管8が突出している。外管9の先端部にバルーン拡張部11の基端部が接合され、内管8の先端部にバルーン拡張部11の先端部が接合される。内管8内にはガイドワイヤーが挿入され、外管9内には拡張液が注入される。

0025

実施例
外径0.5mm長さ1100mmのポリアミド製中空管を形成し、中空管の先端から400mmの位置を樹脂部と金属補強部との境界部cとし、境界部cから中空管の基端部まで無電解ニッケルめっきによりニッケル層を0.1μm形成し、続いてこの中空管を境界部cが0.1μm、基端部が10μmになるように中空管を引き上げながら電気ニッケルめっきすることにより、ニッケル層からなるテーパ部を形成し、これを内管とした。内管に外径1mm長さ1050mmのポリアミド製外管をかぶせ、内管と外管の2つの末端芳香族ポリアミドからなるバルーン拡張可能要素を接着することにより取り付けて、バルーンカテーテルを製造した。

0026

尚、比較例として、外径0.5mm、長さ400mmのポリアミド製中空管と、外径0.5mm、長さ700mmの金属製(SUS304製)中空管を接着剤により結合させて内管とした以外は、実施例と同じようにバルーンカテーテルを製造した。

0027

実施例、比較例におけるバルーンカテーテルのプッシャビリティ及びトルク伝達性の評価試験は次のように行った。

0028

(評価試験1)基端部に荷重センサを備えた実施例及び比較例のバルーンカテーテルを図5に示すR=100、R=100、R=50、R=50の4つのカーブを有する内径2mm、長さ900mmの模擬回路1内に200mm/分の等速度で直線的に挿入し、荷重センサにかかる時間あたりの荷重挿入抵抗値)を測定した。尚、ここでRは半径:単位mmである。

0029

(評価試験2)実施例及び比較例のバルーンカテーテルを図6に示すR=50の環状のらせん部を1〜3巻き有する内径2mmの模擬回路2内におよそ200mm/分の等速度で挿入し、環状のらせん部におけるバルーンカテーテルの先端部の挿通状況を以下の基準に基づき評価した。
◎:抵抗なく挿通した ○:若干の抵抗があるが挿通した
△:抵抗が大きいが挿通した ×:抵抗が大きく挿通できない

0030

図7に評価試験1の結果を示す。比較例のバルーンカテーテルの押し込み長さ950mmにおける挿入抵抗値が0.4(N)であるのに対し、本発明のカテーテルの押し込み長さ950mmにおける挿入抵抗値は、約1/3の0.15(N)であった。

0031

したがって、本発明のバルーンカテーテルは、従来の比較例のバルーンカテーテルに比べて、挿通時の抵抗が小さく、折れ曲がりが生じにくく、プッシャビリティに優れる。また、本発明のバルーンカテーテルは、挿通時の抵抗が小さい結果、トルク伝達性にも優れることになる。

0032

表1に評価試験2の結果を示す。

0033

比較例のバルーンカテーテルは、環状のらせん部が2巻きの場合、抵抗が大きくなり、挿通が困難となった。環状のらせん部が3巻きの場合、らせん部内部でシャフトが折れ曲がり、らせん部を最後まで挿通できなかった。一方、本発明のバルーンカテーテルは、環状のらせん部が3巻きの場合、若干の抵抗があるが最後まで挿通できた。

0034

この結果から高分子樹脂のシャフトが金属層で補強され、金属層の厚みを高分子樹脂のみでシャフトが形成される部分と金属層が形成された部分との境界からシャフトの長軸方向に向かって金属層の厚みが傾斜されて設けられている本発明のバルーンカテーテルは、シャフトの物性が緩やかに変化するので、高分子樹脂と金属とを接合してシャフトが形成され、シャフトの物性が急激に変化する従来の比較例のバルーンカテーテルに比べてプッシャビリティ及びトルク伝達性が優れていることがわかる。

発明の効果

0035

本発明の医療用シャフトは、高分子樹脂で形成されたシャフトが金属層を形成することにより補強され、さらに高分子樹脂のみでシャフトが形成される部分と金属層が形成された部分との境界からシャフトの長軸方向に向かって金属層の厚みが傾斜されて設けられていることにより、シャフトの物性が緩やかに変化することになるので、トルク伝達性に優れ、バランスの取れた操作性が得られる。さらに、この医療用シャフトを利用したバルーンカテーテルも優れたプッシャビリティ及びトルク伝達性が得られる。

0036

また、本発明の医療用シャフトの製造方法によれば、従来のような細かい組み立て作業が不要であり、一度に大量に製造することのできる医療用シャフトの製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0037

図1図1は、本発明の医療用シャフトの一実施例の断面図である。
図2図2は、従来の医療用シャフトの断面図である。
図3図3は、本発明の医療用シャフトの製造方法を示す概略図である。
図4図4は、本発明の医療用シャフトを用いたバルーンカテーテルの一実施例を示す断面図である。
図5図5は、医療用シャフトを用いたバルーンカテーテルの評価試験用の模擬回路を示す図である。
図6図6は、医療用シャフトを用いたバルーンカテーテルの評価試験用の別の模擬回路を示す図である。
図7図7は、バルーンカテーテルの評価結果を示す図である。

--

0038

1医療用シャフト
2中空管
3金属層
4高分子樹脂層
5樹脂部
6金属補強部
7テーパ部
10 めっき浴

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