図面 (/)

技術 樹脂硬化炭素系又は多孔質炭素系のシート状物の巻取り体とその巻取り装置及び巻取り方法

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 西田俊彦大橋英彦浜田光夫中村誠
出願日 2001年9月11日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2001-274486
公開日 2002年10月18日 (17年8ヶ月経過) 公開番号 2002-302557
状態 特許登録済
技術分野 強化プラスチック材料 セラミック製品2 ウェブの巻戻、送給、巻取、異常等の制御 セラミック製品3 セラミック製品2 無消耗性電極 ウエブの整合,緊張,案内,ローラ
主要キーワード 巻取り端 長尺シート状物 基準端面 巻取り面 巻き端 コアボビン 炭素化装置 巻取り体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年10月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

燃料電池製造工程において生産性を向上させるために、巻き崩れがなく巻き端面が揃っており、シート状物に損傷を与えず巻出し時にシート状物が蛇行しないハンドリング性に優れた多孔質炭素系シート状物巻取り体と、同巻取り体の安定した巻取り方法及び巻取り装置とを提供する。

解決手段

コアボビン(3) の外径Dと、多孔質炭素系シート状物(2) の巻取り幅WとがW/D≦4.9を満足し、且つ初期巻取り張力単位幅当たり30N/m以上、最終巻取り張力を単位幅当たり20N/m以上とし、且つ巻き始めから巻き終わりにかけて巻取り張力を漸減させながら、前記シート状物(2) をコアボビン(3) に巻き取ることにより、巻取り体(1) が得られる。

概要

背景

近年、燃料電池を取り巻く環境は著しく進歩している。この燃料電池用電極は、炭素繊維短繊維抄造して得られたシート状物を一旦乾燥した後、熱硬化性樹脂含浸させ、硬化してから焼成することにより製造する方法が主流である。

例えば、特開平7−142068号公報には、リン酸型燃料電池電極材料である多孔質炭素電極基材が開示されている。同公報の多孔質炭素電極基材では、炭素繊維−炭素からなる多孔質構造電極基材マトリックス部に、繊維長が0.1mm以下である炭素質ミルド繊維が、電極基材の厚さ方向に存在するため、厚さ方向に配された繊維同士を交差部分以外でも結着される。従って、かかる構造をもつ電極基材は、全体的な導電性、特に電極基材の厚さ方向での導電性が向上する。

また、これらのリン酸型燃料電池に代わり、固体高分子型燃料電池がある。この固体高分子型燃料電池用多孔質電極は、その電流密度がリン酸型燃料電池用電極の4〜20倍と高いため、水素酸素供給量や、反応により生成した水の除去量が多くなる。また、作動温度が100℃前後と低いため、水によりガス供給路が塞がり、ガス供給路が狭くなりやすい。そのため、固体高分子型燃料電池用の多孔質電極は、リン酸型燃料電池用の多孔質電極と比較して、ガス拡散透過性や、ハンドリングに耐えるための強度及び柔軟性、更に電極製造時や電極を組んだときの圧縮に耐え得る強度などが必要とされる。

また、電流密度が高いことから、固体高分子型燃料電池の小型化に対する要望が強く、その実現には多孔質電極の薄型化が必要となる。固体高分子型燃料電池の電極厚み現時点では自動車用で0.2mm、据え置き用で0.3mm程度のものがあるが、将来的には更なる薄型化が望まれるものと考えられる。

かかる固体高分子型燃料電池用の電極材料として、特開平9−157052号公報に多孔質炭素板が開示されている。同公報に開示されている多孔質炭素板は、固体高分子型燃料電池に適用させるため、特に、厚さ方向の気体透過性を高めている。かかる多孔質炭素板は、炭素短繊維を抄造して得られた、炭素短繊維が実質的に二次元平面内においてランダムな方向に分散したシートに、レゾール型及びノボラック型フェノール樹脂を所定の混合割合で配合した樹脂所要量含浸させ、そのシートを加熱して前記樹脂を炭素化して得られる。

概要

燃料電池製造工程において生産性を向上させるために、巻き崩れがなく巻き端面が揃っており、シート状物に損傷を与えず巻出し時にシート状物が蛇行しないハンドリング性に優れた多孔質炭素系シート状物巻取り体と、同巻取り体の安定した巻取り方法及び巻取り装置とを提供する。

コアボビン(3) の外径Dと、多孔質炭素系シート状物(2) の巻取り幅WとがW/D≦4.9を満足し、且つ初期巻取り張力単位幅当たり30N/m以上、最終巻取り張力を単位幅当たり20N/m以上とし、且つ巻き始めから巻き終わりにかけて巻取り張力を漸減させながら、前記シート状物(2) をコアボビン(3) に巻き取ることにより、巻取り体(1) が得られる。

目的

同出願の明細書によれば、外径75mm以上のロールに巻取り可能な長尺な多孔質炭素電極基材を製造する技術が確立されている。しかして、こうした長尺な電極基材の巻取り体を得るとしても、
1)巻き崩れがなく、巻き端面が揃っており、
2)多孔質炭素系シート状物にダメージを与えることがなく、
3)多孔質炭素系シート状物の巻出し時に同シート状物が蛇行しない、
巻取り体でなければならず、かかる巻取り体を提供する技術の構築が急務であり、製造コスト低減の他、近年の燃料電池を取り巻く環境を考慮してもその技術の早期の開発は不可避である。

従って、本発明は、燃料電池製造工程において生産性が向上し、且つハンドリング性にも優れた、上述のような構造をもつ長尺な多孔質炭素系シート状物の巻取り体を提供すると共に、同巻取り体の安定した巻取り方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

長尺樹脂硬化炭素系又は多孔質炭素系のシート状物コアボビンに連続的に巻き取られてなることを特徴とするシート状物の巻取り体

請求項2

前記コアボビンの外径Dと、前記樹脂硬化炭素系又は多孔質炭素系シート状物巻取り幅Wとが下式(1)を満足することを特徴とする請求項1記載のシート状物の巻取り体。W/D≦4.9 ・・・・・・・(1)

請求項3

前層に対する次層各巻き層ごとの端面ズレ量(t)が±2mm以内であり、且つ巻取り後基準端面に対する最大端面ズレ量(T)と最大巻取り径(φmax)とが下式(2)を満足することを特徴とする請求項1又は2記載のシート状物の巻取り体。T/φmax≦0.01 ・・・・・・・(2)

請求項4

前記シート状物が樹脂硬化炭素系シート状物であって、同樹脂硬化炭素系シート状物は炭素繊維及びマトリックス樹脂からなる原料シート状物の前記マトリックス樹脂の硬化処理物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシート状物の巻取り体。

請求項5

前記シート状物が多孔質炭素系シート状物であって、同多孔質炭素系シート状物は炭素繊維及びマトリックス樹脂からなる原料シート状物の炭化処理物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物の巻取り体。

請求項6

前記シート状物が多孔質炭素系シート状物であって、同多孔質炭素系シート状物は前記樹脂硬化炭素系シート状物を不活性雰囲気中で炭素化されて得られるシート状物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシート状物の巻取り体。

請求項7

前記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂であって、前記樹脂硬化炭素系シート状物を100質量%とした時に、前記熱硬化性樹脂が30から70質量%含まれてなることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のシート状物の巻取り体。

請求項8

前記熱硬化性樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とする請求項7記載のシート状物の巻取り体。

請求項9

前記炭素繊維が平均直径5μm未満の炭素短繊維を含んでなることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のシート状物の巻取り体。

請求項10

前記多孔質炭素系シート状物を100質量%とした時に、炭素短繊維以外の炭化物が20から60質量%含まれてなることを特徴とする請求項9記載のシート状物の巻取り体。

請求項11

前記多孔質炭素系シート状物の厚みが0.05から0.5mmである請求項1〜10のいずれかに記載のシート状物の巻取り体。

請求項12

前記多孔質炭素系シート状物の嵩密度が0.3から0.8g/cm3 であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のシート状物の巻取り体。

請求項13

前記多孔質炭素系シート状物の曲げたわみが、以下の測定条件で、1.5mm以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のシート状物の巻取り体。測定条件・歪速度:10mm/min・支点間距離:2cm・試験片幅 :1cm

請求項14

前記樹脂硬化炭素系シート状物の炭素繊維シート状物が抄紙からなり、前記多孔質炭素系シート状物の曲げ弾性率が25GPa以下であることを特徴とする請求項6〜13のいずれかに記載のシート状物の巻取り体。

請求項15

長尺な樹脂硬化炭素系又は多孔質炭素系のシート状物を巻き取るための巻取り軸、同巻取り軸に平行に配されたプレッシャーロールを有する巻取り部、及び同巻取り部の上流側に配された耳端トリミング部とを備えてなる巻取り装置であって、前記耳端トリミング部の上流側に配された耳端位置の検出部と、同検出部からの検出信号に応じて前記巻取り軸を軸方向に移動させてシート状物の蛇行追従制御させる制御部とを有してなることを特徴とするシート状物の巻取り装置。

請求項16

長尺な樹脂硬化炭素系又は多孔質炭素系のシート状物を、初期巻取り張力単位幅当たり30N/m以上、最終巻取り張力が単位幅当たり20N/m以上に設定され、且つ巻き始めから巻き終わりにかけて巻取り張力を漸減させて、コアボビンに巻き取ることを特徴とする樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の巻取り方法

請求項17

前記樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の耳端位置を検出すると共に、その検出信号に応じて巻取り軸又はガイドロールを軸方向に移動させることにより、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の蛇行に追従制御させることを特徴とする請求項16記載の樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の巻取り方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば、炭素短繊維抄造したシート状物熱硬化性樹脂含浸硬化させて得られる屈曲性のある樹脂硬化炭素系シート状物や、同シート状物を更に炭素化して得られる屈曲性のある多孔質炭素系シート状物の巻取り体と、その巻取り装置及び巻取り方法に関し、特に燃料電池用電極基材として有用に用いられる多孔質炭素系シート状物の巻取り体と、その巻取り装置及び巻取り方法に関に関する。

背景技術

0002

近年、燃料電池を取り巻く環境は著しく進歩している。この燃料電池用電極は、炭素繊維短繊維を抄造して得られたシート状物を一旦乾燥した後、熱硬化性樹脂を含浸させ、硬化してから焼成することにより製造する方法が主流である。

0003

例えば、特開平7−142068号公報には、リン酸型燃料電池電極材料である多孔質炭素電極基材が開示されている。同公報の多孔質炭素電極基材では、炭素繊維−炭素からなる多孔質構造電極基材マトリックス部に、繊維長が0.1mm以下である炭素質ミルド繊維が、電極基材の厚さ方向に存在するため、厚さ方向に配された繊維同士を交差部分以外でも結着される。従って、かかる構造をもつ電極基材は、全体的な導電性、特に電極基材の厚さ方向での導電性が向上する。

0004

また、これらのリン酸型燃料電池に代わり、固体高分子型燃料電池がある。この固体高分子型燃料電池用多孔質電極は、その電流密度がリン酸型燃料電池用電極の4〜20倍と高いため、水素酸素供給量や、反応により生成した水の除去量が多くなる。また、作動温度が100℃前後と低いため、水によりガス供給路が塞がり、ガス供給路が狭くなりやすい。そのため、固体高分子型燃料電池用の多孔質電極は、リン酸型燃料電池用の多孔質電極と比較して、ガス拡散透過性や、ハンドリングに耐えるための強度及び柔軟性、更に電極製造時や電極を組んだときの圧縮に耐え得る強度などが必要とされる。

0005

また、電流密度が高いことから、固体高分子型燃料電池の小型化に対する要望が強く、その実現には多孔質電極の薄型化が必要となる。固体高分子型燃料電池の電極厚み現時点では自動車用で0.2mm、据え置き用で0.3mm程度のものがあるが、将来的には更なる薄型化が望まれるものと考えられる。

0006

かかる固体高分子型燃料電池用の電極材料として、特開平9−157052号公報に多孔質炭素板が開示されている。同公報に開示されている多孔質炭素板は、固体高分子型燃料電池に適用させるため、特に、厚さ方向の気体透過性を高めている。かかる多孔質炭素板は、炭素短繊維を抄造して得られた、炭素短繊維が実質的に二次元平面内においてランダムな方向に分散したシートに、レゾール型及びノボラック型フェノール樹脂を所定の混合割合で配合した樹脂所要量含浸させ、そのシートを加熱して前記樹脂を炭素化して得られる。

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、上述した公報に開示されている多孔質炭素系シート状物を含む燃料電池の電極材料は、炭素繊維からなるシート状物に樹脂を含浸、硬化させ、更に炭素化して得られるものであり、通常、可撓性に乏しく脆性の高いものである。そのため、一般には樹脂を硬化させる前のシート状物を15cm×15cm程度に切断したのち、樹脂を硬化させてから炭素化がなされる。

0008

しかしながら、電池生産性を向上させるためには、前記電極材料である多孔質炭素系シート状物を長尺品として燃料電池製造工程へと供給し、同電池製造工程での連続性を確保することが重要である。そのため、電極材料である長尺なシート状物を巻取り体として供給することが望まれている。しかし、従来の電極材料である多孔質炭素系シート状物の製造工程では、そもそも、例えば硬化処理ではホットプレス装置等を用いた回分式が主流であるため、長尺な電極材料を製造する試みはなされておらず、上述したいずれの公報にあっても、長尺な電極基材を連続して製造することについて何ら考慮がなされていない。かかる現状においては、電極材料を連続的にロール状に巻き取ることは不可能であり、そのため可撓性をもつ電極基材の開発は勿論、それを巻き取るための技術も当然に開発されることが要求される。

0009

生産性向上を目的として電極材料の製造工程における連続化を図ることは勿論、続く燃料電池製造工程における生産性をも向上させるために、従来からも長尺な多孔質炭素系シート状物の製造に関して検討がなされており、先に本願出願人によって特願2000−201781号として長尺な多孔質炭素電極基材の製造方法を提案している。

0010

同出願の明細書によれば、外径75mm以上のロールに巻取り可能な長尺な多孔質炭素電極基材を製造する技術が確立されている。しかして、こうした長尺な電極基材の巻取り体を得るとしても、
1)巻き崩れがなく、巻き端面が揃っており、
2)多孔質炭素系シート状物にダメージを与えることがなく、
3)多孔質炭素系シート状物の巻出し時に同シート状物が蛇行しない、
巻取り体でなければならず、かかる巻取り体を提供する技術の構築が急務であり、製造コスト低減の他、近年の燃料電池を取り巻く環境を考慮してもその技術の早期の開発は不可避である。

0011

従って、本発明は、燃料電池製造工程において生産性が向上し、且つハンドリング性にも優れた、上述のような構造をもつ長尺な多孔質炭素系シート状物の巻取り体を提供すると共に、同巻取り体の安定した巻取り方法を提供することを目的としている。

0012

上記課題を解決するために、本発明は、長尺な樹脂硬化炭素系又は多孔質炭素系のシート状物がコアボビンに連続的に巻き取られてなることを特徴とするシート状物の巻取り体を主要な構成としている。このように長尺な樹脂硬化炭素系又は多孔質炭素系のシート状物の巻取り体を提供することにより、次工程への搬送が容易となり、また保管及び在庫管理がし易くなり、燃料電池製造工程における生産性を著しく向上させ得るようになる。

0013

なお、本発明の樹脂硬化炭素系シート状物とは、炭素短繊維を含む短繊維を抄造したシート状物、炭素繊維を含む織編物や不織布、或いは炭素繊維を一方向又は多方向に引き揃えたシート状物などに、炭化可能なマトリックス樹脂、好ましくは熱硬化性樹脂を含浸させた後、同樹脂を硬化させたシート状物である。また、本発明の多孔質炭素系シート状物は、好ましくは前記樹脂硬化炭素系シート状物を更に不活性雰囲気中で炭素化して得られたシート状物である。

0014

本件請求項2に係る発明によれば、前記コアボビンの外径Dと、前記多孔質炭素系シート状物の巻取り幅Wとが次式(1)
W/D≦4.9 ・・・・・・・(1)
満足することを特徴としている。なお、本発明においてシート状物の巻取り幅Wとは、単一のコアボビンに巻き取られている一以上のシート状物の全巻取り範囲の幅寸法であり、例えば複数のシート状物が単一のコアボビンに巻き取られている場合に、前記巻取り幅Wは、各シート状物の間隙をも含めた、最左端側のシート状物の左端縁から、最右端側のシート状物の右端縁までの全長さ寸法をいう。

0015

上記巻取り幅Wは、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物を製造する際に使用される硬化装置炭素化装置によって上限の制約を受けることになる。かかる制約のなかで、コアボビンの外径Dを小さくし、W/Dの値が4.9を超えると、コアボビンへの巻取り時に前記樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物は曲げによる物理的ダメージを受ける。更には、続く燃料電池製造工程などの高次工程において本発明の巻取り体から樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物を巻き出す際、同シート状物に割れ欠けが生じやすく、巻取り体の巻取り工程や、燃料電池製造工程における生産性が損なわれる。

0016

更に本件請求項3に係る発明によれば、前層に対する次層各巻き層ごとの端面ズレ量(t)が±2mm以内であり、且つ巻取り後基準端面に対する最大端面ズレ量(T)と最大巻取り径(φmax)とが次式(2)
T/φmax≦0.01 ・・・・・・・(2)
を満足することを特徴としている。

0017

このように巻き端面のズレが小さい巻取り体は、多孔質炭素系シート状物の端縁部分での損傷もなく、更には巻出し時のハンドリング性にも優れている。巻取り後の基準端面に対する最大端面のズレ量(T)と最大巻取り径(φmax)との比T/φmaxが0.01を超えると、上述と同様に、多孔質炭素系シート状物にダメージを与え、巻き形態も不安定になるとともに、運搬時の巻き崩れの発生因子ともなる。

0018

本件請求項4及び5では、本発明のシート状物には樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物を含むことを規定している。前記シート状物が樹脂硬化炭素系シート状物である場合には、同樹脂硬化炭素系シート状物は炭素繊維及びマトリックス樹脂からなる原料シート状物の硬化処理物である。一方、前記シート状物が多孔質炭素系シート状物である場合には、同多孔質炭素系シート状物は炭素繊維及びマトリックス樹脂からなる原料シート状物の炭化処理物である。ここで、前記マトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれでも良い。

0019

前記樹脂硬化炭素系シート状物は、炭素繊維紙にマトリックス樹脂を含浸し、それを硬化することで得られる。前記炭素繊維紙を作製するための抄紙方法としては、液体媒体中に炭素短繊維を分散させて抄造する湿式法や、空気中に炭素短繊維を分散させて降り積もらせる乾式法が適用できる。また炭素短繊維同士を結着させるバインダーとして、適当量有機高分子物質を混ぜることが好ましい。このバインダーとしては、ポリビニルアルコール或いはアクリロニトリル系ポリマーパルプ状物又は短繊維であることが望ましい。

0020

これらのバインダーであるパルプ状物又は短繊維を炭素短繊維に混入させる方法としては、炭素短繊維とともに水中で攪拌分散させる方法と、直接混ぜ込む方法があるが、均一に分散させるためには水中で分散させる方法が好ましい。このようにバインダーを混ぜることにより、炭素繊維紙の強度を保持し、その製造途中で炭素繊維紙から炭素短繊維が剥離したり、炭素短繊維の配向が変化したりするのを防止することができる。

0021

また、請求項6に係る発明では、前記多孔質炭素系シート状物は前記樹脂硬化炭素系シート状物を不活性雰囲気中で炭素化されたシート状物であることを特徴としている。つまり、この発明では、前記多孔質炭素系シート状物の原料シート状物として、本発明の上記樹脂硬化炭素系シート状物を用い、これを不活性雰囲気の高温下で炭素化して得られる。これにより、熱硬化性樹脂の炭化が進み、良好な導電性を示すようになる。

0022

ここで、請求項7に規定するごとく、前記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂であることが好ましく、しかも前記樹脂硬化炭素系シート状物を100質量%とした時に、前記熱硬化性樹脂が30から70質量%含まれていることが好ましい。熱硬化性樹脂の含有割合を上記割合にすることで、柔軟で巻き取りやすい多孔質炭素系シート状物とすることができる。

0023

前記熱硬化性樹脂は常温において粘着性、或いは流動性を示す物でかつ炭素化後導電性物質として残存する物質が好ましく、フェノール樹脂、フラン樹脂等を用いることができるが、中でも、請求項8に挙げたように、フェノール樹脂が好ましい。前記フェノール樹脂としては、アルカリ触媒存在下においてフェノール類アルデヒド類の反応によって得られるレゾールタイプフェノール樹脂を用いることができる。また、レゾールタイプの流動性フェノール樹脂に公知の方法によって酸性触媒下においてフェノール類とアルデヒド類の反応によって生成する、固体熱融着性を示すノボラックタイプのフェノール樹脂を溶解混入させることもできるが、この場合は硬化剤、例えばヘキサメチレンジアミンを含有した、自己架橋タイプのものが好ましい。

0024

フェノール類としては、例えば、フェノールレゾルシンクレゾールキシロール等が用いられる。アルデヒド類としては、例えばホルマリンパラホルムアルデヒドフルフラール等が用いられる。また、これらを混合物として用いることができる。これらはフェノール樹脂として市販品を利用することも可能である。

0025

また、前記炭素繊維の太さは、請求項9にあるように、平均直径5μm未満の炭素短繊維を含んでいることが好ましい。このような細径炭素短繊維を用いることにより、多孔質電極基材曲げ強さや柔軟性そして高い電気伝導性を実現することができる。平均直径が5μmより太い炭素短繊維のみであると柔軟性が不足し、繊維間の結着点が少なく、このような炭素繊維紙を用いて作製した電極は抵抗が大きくなってしまう。

0026

請求項10に係る発明によれば、前記多孔質炭素系シート状物を100質量%とした時に、炭素短繊維以外の炭化物が20から60質量%含まれていることが好ましい。熱硬化性樹脂はその種類や炭素繊維紙への含浸量により、最終的に多孔質炭素電極基材に炭化物として残る割合が異なってくる。そこで、多孔質炭素電極基材を100質量%とした時に、電極基材の柔軟性発現の観点からは20から60質量%が炭素繊維分を除いた樹脂由来の炭化物であることが好ましい。

0027

更に本件請求項11に係る発明によれば、前記多孔質炭素系シート状物の厚みは0.05から0.5mmであることが好ましい。多孔質炭素系シート状物を電極基材として用いる場合、その厚みは抵抗値の観点から、0.05〜0.5mmが好ましく、さらに0.1mm〜0.3mmがより好ましい。厚みが0.05mm未満であると、厚み方向の強度が弱くなり、セルスタックを組んだときのハンドリングに耐えられなくなる。また、0.5mmを越えるとその電気抵抗が高くなり、スタックを積層した際にトータルの厚みが大きくなる。

0028

更に本件請求項12に係る発明によれば、嵩密度は0.3〜0.8g/cm3であることが必要であり、0.4〜0.7g/cm3 が好ましい。嵩密度が0.3g/cm3 未満である場合、電気抵抗が高くなるうえ、満足できる柔軟性も得られない。また、0.8g/cm3 を越えて高くなるとガス透過性が悪くなり、燃料電池の性能が低下する。

0029

更に本件請求項13に係る発明によれば、前記多孔質炭素系シート状物の曲げたわみは、歪み速度10mm/min、支点間距離2cm、試験片幅1cmの条件下で、1.5mm以上、より好ましくは2.0mm以上であり、更に請求項14に規定するように、前記樹脂硬化炭素系シート状物が抄紙からなり、前記多孔質炭素系シート状物の曲げ弾性率は25GPa以下、より好ましくは20GPa以下であれば、連続的にロールに巻き取る際も割れにくく、長尺の電極基材を作製・取り扱いやすい。

0030

上述した樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の巻取り体を製造するために、請求項15に係る発明のごとく、長尺な樹脂硬化炭素系又は多孔質炭素系のシート状物を巻き取るための巻取り軸、同巻取り軸に平行に配されたプレッシャーロールを有する巻取り部、及び同巻取り部の上流側に配された耳端トリミング部とを備えてなる巻取り装置であって、前記耳端トリミング部の上流側に配された耳端位置の検出部と、同検出部からの検出信号に応じて前記巻取り軸を軸方向に移動させてシート状物の蛇行に追従制御させる制御部とを有してなることを特徴とするシート状物の巻取り装置が提供される。

0031

本発明にあっては、トリミング部の上流側に耳端位置の検出部を配しており、巻取り軸を移動させてシート状物の蛇行に追従制御させるため、長尺シート状物はトリミング部において常にほぼ一定の位置を走行することになり、トリミングによる端面の蛇行が小さくなり、巻取り体の巻き端面にずれが生じない。

0032

更に本件請求項16に係る発明は、長尺な樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物をコアボビンに、初期巻取り張力単位幅当たり30N/m以上、最終巻取り張力を単位幅当たり20N/m以上とし、且つ巻き始めから巻き終わりにかけて巻取り張力を漸減させながら巻き取ることを特徴する樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の巻取り方法を提供する。

0033

初期巻取り張力が単位幅当たり30N/m未満であると、巻き形態が不安定になると共に、走行している樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物は随所に配置された搬送ロール間でのたわみを生じるなど蛇行の発生要因となる。最終巻取り張力が単位幅当たり20N/m未満の場合も上記と同様の問題が発生し、さらに巻き崩れが生じ易くなる。

0034

更に、本件請求項17に係る発明は、前記樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の耳端位置を検出すると共に、その検出信号に応じて巻取り軸又はガイドロールを軸方向に移動させることにより、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の蛇行に追従制御させることを特徴としている。

0035

長尺なシート状物は伸長性がないため、例えば通常のシート状物の巻取りのように巻き始めから巻き終わりまでの巻取り張力を一定にすると、内層のシート状物が外層のシート状物により締めつけられることになり、内層の巻きが緩んでしまい巻き崩れを生じたり、巻取り体の形態が不安定となる。従って、初期の巻取り張力を最終的な巻取り張力よりも大きく設定すると共に、巻き始めから巻き終わりにかけて巻取り張力を漸減させることが必要となる。

0036

このように耳端位置を検出して樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の走行状態を逐次、把握し、シート状物が蛇行してもその蛇行に追従させて安定した巻取り形態を維持することができる。特に、巻き層ごとの端面ズレ量tや、巻取り後の基準端面に対する最大端面のズレ量Tを制御することができ、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物にダメージを与えることなく安定した巻き形態を確保できる。また、巻取り体からの巻出し時に、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物が蛇行することなく安定して巻き出すことができる。

発明を実施するための最良の形態

0037

以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の好適な実施形態による樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の巻取り体1の斜視図、図2は同巻取り体1の一部の巻き層状態の説明図、図3は前記巻取り体1の全体の巻き層状態の説明図である。

0038

本実施形態においては、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物として、炭素短繊維を含む短繊維の分散液を、例えば長網抄紙機を用いて長尺なシート状物に抄造した後、同シート状物を一旦乾燥させ、その後、熱硬化性樹脂を含浸させて同樹脂を硬化させ、続けて焼成することにより製造されたシート状物を例に説明する。

0039

前記巻取り体1は、巻取り幅Wの樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物2が、外径Dの均一円筒断面をもち、長さが前記シート状物2の巻取り幅Wよりも長いコアボビン3にロール状に巻き取られている。ここで、前記シート状物2の巻取り幅Wと、コアボビン3の外径Dとは、次式(1)
W/D≦4.9 ・・・・・・・(1)
を満たす寸法に設定されている。

0040

巻取り幅Wは、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物2を上述した方法により製造する場合に、使用される硬化装置や炭素化装置によって上限の制約を受けることになる。かかる制約のなかで、コアボビン3の外径Dを小さくし、W/Dの値が4.9を超えると、前記樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物2は曲げによる物理的ダメージを受け、電極製造工程での巻取り時、及び高次工程での巻出し時に、割れ、欠けを生じやすく電極並びに燃料電池製造工程における生産性は損なわれる。

0041

ここで、巻取り幅Wとは一つのコアボビンに対する巻取り幅であって、一つのコアボビンに複数の樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物が巻き取られている場合にあっては、隣り合うシート状物の間隙をも含めて、複数のシート状物が巻き取られている全範囲の幅を巻取り幅Wとする。

0042

また、前層と次層との各巻き層ごとの端面ズレ量t、すなわち、図2に示すようにN層目の端面と、その上の(N+1)層目の端面とのズレ量tが±2mm以内となっている。各巻き層ごとの端面ズレ量tが±2mm以内の範囲を超えると、巻き端でのせり上がりなどによって樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物にダメージを与えるばかりでなく、安定した巻取りが困難になる。

0043

更に、図3に示すように、巻取り後の基準端面Aに対する最大端面Bのズレ量Tと、最大巻取り径φmaxとが、下式(2)
T/φmax≦0.01 ・・・・・・・ (2)
を満足するように調節される。T/φmaxが0.01を超えると、上述と同様に、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物にダメージを与え、巻き形態が不安定になるとともに、運搬時の巻き崩れの発生因子ともなる。

0044

以下、炭素化処理を終えた長尺な樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物の巻取り方法について説明する。図4は本発明の巻取り装置を説明する概略図である。

0045

長尺な樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物2は、巻取り手段4における巻取り軸4aに取り付けられたコアボビン3に連続的にロール状に巻き取られるが、この巻取り手段としては、巻き終わった巻取りボビン5と、次回のスタンバイボビン6との切替え作業が容易なターレットワインダー4を用いることが好ましい。更に、前記巻取り軸4aと平行にプレッシャーロール8が配されており、安定的な巻取り状態を維持すべく巻取り面圧が保持される。

0046

前記巻取り手段4の上流側にはトリミングカッター9が配され、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物2は同トリミングカッター9により、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物2の進行方向に直交する方向、すなわち、シート面幅方向両端縁をトリミングカッター9にて除去されて、巻取り端面が揃えられると共に端尺処理が施される。

0047

更に、本発明にあっては、前記トリミングカッター9の上流側に、耳端位置検出手段7が配されている。図5及び図6に前記耳端位置検出手段7の概要図を示す。前記耳端位置検出手段7は、樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物2の進行方向左右両端を同時に検出できるよう、左右それぞれの同位置に設置される。耳端位置の検出方法には特に制約はないが、一般的にEPC(エッジポジションコントロール:株式会社ニレ登録商標)と呼ばれる非接触式耳端位置検出手段を用いることが好ましい。

0048

この耳端位置検出手段7の検出信号に応じて、前記巻取り手段4の巻取り軸4a、又は前記プレッシャーロール8より上流側に配された図示せぬガイドロールを、多孔質炭素系シート状物の進行方向に対して左右に揺動させ、或いは1本のガイドロール両端の支点の高さを変えるなどの蛇行追従機構により、多孔質炭素系シート状物の蛇行に追従制御される。そのため、トリミングカッター9の部位においてシート状物が蛇行することがなく、耳端が常に揃った状態で巻取り手段4へと送られ、端面のズレが小さく、安定した状態で巻き取ることができる。

0049

上記装置を用いて本発明の樹脂硬化炭素系シート状物又は多孔質炭素系シート状物を安定して巻き取るためには、初期巻取り張力を単位幅当たり30N/m以上、最終巻取り張力を単位幅当たり20N/m以上に設定すると共に、巻き始めから巻き終わりにかけて巻取り張力を漸減させている。

0050

初期巻取り張力が単位幅当たり30N/m未満であると、巻き形態が不安定になると共に、走行している多孔質炭素系シート状物は随所に配置された搬送ロール間でのたわみを生じるなど蛇行の発生要因となる。最終巻取り張力が単位幅当たり20N/m未満の場合も上記と同様の問題が発生し、さらに巻き崩れが生じ易くなる。また、例えば、巻き始めと巻き終わりの巻取り張力が一定の場合にも、巻き締まりや巻き崩れを生じ、巻取り体の形態が不安定となる。

0051

得られた巻取り体は最終的に、製品の保護並びに巻き崩れ発生防止の観点からフィルムなどにより包装することが好ましいが、包装に関する方法、包装材材質等に特に制限はなく、さらに運搬時の搬送形態にも特段の制限はない。

0052

以下、本発明について実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比較例について次の条件は全て同一とした。

0053

・炭素繊維紙の抄紙
平均繊維径が4μmのポリアクリロニトリル系炭素繊維束をカットして、平均繊維長3mmの短繊維を得た。炭素繊維の平均繊維径は、JIS R−7601記載のヘリウムネオンレーザーによる測定を100本の炭素繊維に対して行い、その平均値をもって炭素繊維の平均繊維径とした。この短繊維束湿式短網連続抄紙装置スラリータンク中で水中に均一に分散させ、解繊し、十分に分散したところにバインダーであるポリビニルアルコール(PVA)の短繊維(クラレ株式会社製VBP105−1カット長3mm)を炭素繊維とPVAとの合計量に対して14質量%となるように均一に分散させ、送り出した。送り出されたウェブを短網板に通し、ドライヤー乾燥後、長さ100mの炭素繊維紙を得た。

0054

・樹脂硬化炭素系シート状物の製法
前記炭素繊維紙をフェノール樹脂(フェノライトJ−325・大日本インキ化学(株)製)の20質量%メタノール溶液トレイに、連続的に送り込み、絞り装置にて樹脂を絞り、連続的に熱風を吹きかけ乾燥させ、樹脂含浸炭素繊維紙を得た。このとき炭素繊維紙100質量部に対し、フェノール樹脂を132質量部付着した(熱硬化性樹脂割合:57質量%)。さらに、この樹脂含浸炭素繊維紙を連続式加熱ロールプレス装置にて連続的に加熱加圧し、樹脂硬化炭素系シート状物を得た。

0055

・多孔質炭素系シート状物の製法及び評価
前記樹脂硬化炭素系シート状物を、窒素ガス雰囲気中にて2000℃の連続焼成炉において10分間加熱し、炭素化することで厚さ0.2mmの多孔質炭素系シート状物を得た。嵩密度は0.5g/cm3 、炭素化樹脂比率は41%、曲げたわみ1.6mm、曲げ弾性率16GPaであった。

0056

・多孔質炭素系シート状物の幅 :1100mm
・多孔質炭素系シート状物の厚み:0.2mm
巻取り速度:1m/分
・巻取り手段:株式会社西製作所製WA型2軸ターレット巻取り機
・耳端位置検出手段:株式会社ニレコ社製UH20型耳端位置検出装置
である。

0057

(実施例1)外径Dが260mmのコアボビンを採用し、巻き層ごとの端面ズレ量tが0.7mmとなるよう調整しながら、最大巻取り径φmaxが410mmとなるまで多孔質炭素系シート状物を巻き取った。このとき、初期巻取り張力を40N/mとし、最終巻取り張力が27N/mとなるように巻取り張力を漸減させるよう調節した。

0058

巻取り後の基準端面に対する最大端面ズレ量Tは1.3mmで、割れや欠け等の問題を生じることなく、また巻き崩れや巻き締まりもなく安定的に巻き取ることが可能であった。

0059

〔比較例1〕外径Dが180mmのコアボビンを採用し、実施例1と同様に巻き取った。多孔質炭素系シート状物は、巻取り開始直後に巻取り曲率が小さいことが原因と思われる割れが発生し、それ以上の巻取りができなかった。

0060

〔比較例2〕実施例1と同じ外径D(260mm)のコアボビンを採用し、実施例1と同様に端面のズレを調整しながらし、初期巻取り張力を40N/mとし、一定の張力で巻き取った。得られたパッケージは、外層の巻取り張力が過剰に大きかったため、内層部に撓みが生じて内装部が柔らかくなり、良好な巻き形態を得ることができなかった。

0061

〔比較例3〕実施例1と同じ外径D(260mm)のコアボビンを採用し、初期巻取り張力を25N/mとし、最終巻取り張力が17N/mとなるように張力を漸減させるよう調節して巻き取った。走行する多孔質炭素系シート状物は搬送ロール間でのたわみが大きく、正確な耳端検出が不能であったため、得られた巻取り体は端面が揃わず、巻取り状況も不安定で、更には巻き崩れの生じやすい巻取り体であった。

0062

以上、説明したように、本発明の巻取り方法によれば、長尺な多孔質炭素系シート状物をノンダメージで安定的に巻き取ることができるため、同シート状物の製造工程や、次の燃料電池製造工程において格段の生産性向上が達成され、ハンドリング性に優れた多孔質炭素系シート状物の巻取り体を低コストで得ることが可能になる。

0063

また、得られた多孔質炭素系シート状物の巻取り体は、巻き締まりや巻き崩れがなく、また割れや欠け等の損傷もない。更には、得られた多孔質炭素系シート状物の巻取り体は、次の燃料電池製造工程などにおいて安定して巻き出すことができる。

図面の簡単な説明

0064

図1本発明の好適な実施形態による多孔質炭素系シート状物の概略斜視図である。
図2上記巻取り体の一部の巻き層状態の説明図である。
図3上記巻取り体の全体の巻き層状態の説明図である。
図4本発明による巻取り方法を説明する概略図である。
図5耳端位置検出手段の配置を説明する正面図である。
図6耳端位置検出手段の配置を説明する上面図である。

--

0065

1巻取り体
2多孔質炭素系シート状物
3コアボビン
4巻取り手段(ターレットワインダー)
4a巻取り軸
5巻取りボビン
6スタンバイボビン
7耳端位置検出手段
8プレッシャーロール
9トリミングカッター
W 多孔質炭素系シート状物の巻取り幅
D コアボビンの外径
φmax 最大巻取り径
t 前層に対する次層の各巻き層ごとの端面ズレ量
T巻取り後の基準端面に対する最大端面ズレ量

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • DOWAエレクトロニクス株式会社の「 複合酸化物粉末」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】電子伝導性などの電気特性及び磁気特性などの優れたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物粉末を提供する。【解決手段】ペロブスカイト型構造を有する複合酸化物粉末であって、BET比表面積が14m2/... 詳細

  • 黒崎播磨株式会社の「 熱間用乾式吹付材及び熱間乾式吹付施工方法」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】熱間用乾式吹付材及び熱間乾式吹付施工方法において、耐食性を向上させる。【解決手段】耐火材料及びバインダーを含む配合物を、配管を通じて吹付ノズルに向けて圧送し、前記吹付ノズルの先端部において水を... 詳細

  • 凸版印刷株式会社の「 固体高分子形燃料電池の電極触媒層形成用の触媒インク」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】しわやひび割れの発生を抑制することができ、性能の低下を抑制することができ、高分子電解質膜に直接塗布可能な、固体高分子形燃料電池の電極触媒層形成用の触媒インクを提供する。【解決手段】溶媒中に触媒... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ