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技術 弾性表面波フィルタ

出願人 京セラ株式会社
発明者 船見雅之山形佳史
出願日 2001年3月30日 (19年9ヶ月経過) 出願番号 2001-099403
公開日 2002年10月11日 (18年2ヶ月経過) 公開番号 2002-299997
状態 未査定
技術分野 弾性表面波素子とその回路網
主要キーワード 付加インダクタ 付加キャパシタ 付加素子 接地用電極パターン 封止機 ダイシング線 JIT くし状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年10月11日)のものです。
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図面 (10)

課題

送信用トップフィルタやデュプレクサなどに要求される高耐電力性を実現する弾性表面波フィルタを提供すること。

解決手段

圧電基板上にIDT電極4aから成る弾性表面波共振子を複数配設して互いに接続して成り、IDT電極4aの電極ピッチが圧電基板材料の音速(Vs)と中心周波数(f0)で決定される値(Vs/f0)よりも小さく、少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し直列インダクタ5を接続し、且つ少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し並列キャパシタ6を接続した弾性表面波フィルタとする。

概要

背景

近年、電波を利用する電子機器フィルタ遅延線発振器等の構成素子として多くの弾性表面波フィルタが用いられている。特に、小型・軽量でかつフィルタとしての急峻遮断性能が高い弾性表面波フィルタは、移動体通信分野において、携帯端末装置RF段及びIF段のフィルタとして多用されるようになって来ており、低損失かつ通過帯域外遮断特性として、高い減衰特性と、広い帯域幅が要求されている。

携帯電話等のRF段に用いるフィルタの1種には、同一圧電基板上に複数個の一端子対弾性表面波共振子を配設し、弾性表面波共振子を直並列梯子状に接続したラダー型弾性表面波フィルタが知られている。このラダー型弾性表面波フィルタは、小型であると共に低損失であり、急峻な減衰特性のフィルタが実現できるため、携帯電話等のRF−弾性表面波フィルタとして広く使用されている。

このRF−弾性表面波フィルタに用いられる電極材料として、耐電力性に優れたAl−Cu合金が広く用いられている。この理由は、近年、日本,欧州,米国等において、携帯電話のRF段に使用されるフィルタは、その周波数帯中心周波数)が800MHz帯から1.9GHz帯へと移行したことに伴って、RF−弾性表面波フィルタの耐電力特性が要求され始めているからである。

従来、800MHz帯では弾性表面波共振子の電極線幅が約1μm程度であったのに対して、1.9GHz帯では約0.5μmと細くなり従来の約半分となった。これにより、耐電力寿命は800MHz帯に比べて4〜5桁短寿命となることが報告されている。これは、LSIのAl配線電極に生じるエレクトロマイグレーションと類似の電極劣化が生じるためである。この対策として、電極材料としてCuやTi等の元素を微量(1〜2wt%)に添加したAl合金が用いられるようになった。

主に弾性表面波フィルタでは、弾性表面波伝搬による圧電基板の内部応力によるストレスマイグレーションが原因で、弾性表面波伝搬路上の電極にヒロックボイドが生じ、その成長に伴って隣接する電極間ショートが起こり、一時的に大電流が流れて電極の一部が溶断され破壊に至る。特に1.9GHz帯の弾性表面波フィルタに電力が印加されると、電極線幅は小さいために起こりやすい。

このように、ストレスマイグレーションによって、純Al電極では電極劣化が起こり特性不良の原因となる。ところが、Cuを含有したAl合金では、ストレスマイグレーションが起こりにくく、純Al電極に比べて約1000倍大きな弾性エネルギーに耐えうることが分かっている。

以上のことから、10mW程度の耐電力性を持つ段間フィルタに用いられる電極材料としては、従来、Al−Cu合金は広く用いられてきた(たとえは"DEVELOPMENTOFSMALLANTENNA DUPLEXERSUINGSAWFILTERSforHANDHELD PHONES"O.Ikata et.al FUJITSU LABORATORIESLTD., 1993 ULTRASONIC SYMPOSIUM を参照)。

概要

送信用トップフィルタやデュプレクサなどに要求される高耐電力性を実現する弾性表面波フィルタを提供すること。

圧電基板上にIDT電極4aから成る弾性表面波共振子を複数配設して互いに接続して成り、IDT電極4aの電極ピッチが圧電基板材料の音速(Vs)と中心周波数(f0)で決定される値(Vs/f0)よりも小さく、少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し直列インダクタ5を接続し、且つ少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し並列キャパシタ6を接続した弾性表面波フィルタとする。

目的

本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、単一の層構造でも、送信用トップフィルタやデュプレクサなどに要求される高耐電力性を実現する優れた弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

圧電基板上にIDT電極から成る弾性表面波共振子を複数配設して互いに接続して成る弾性表面波フィルタであって、前記IDT電極の電極ピッチが前記圧電基板材料の音速(Vs)と中心周波数(f0)で決定される値(Vs/f0)よりも小さく、少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し直列インダクタを接続し、且つ少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し並列キャパシタを接続したことを特徴とする弾性表面波フィルタ。

技術分野

0001

本発明は、携帯電話等の移動体通信機器に用いられる弾性表面波フィルタに関し、圧電基板上に1以上のIDT電極から成る弾性表面波共振子を複数接続させた弾性表面波フィルタに関する。

背景技術

0002

近年、電波を利用する電子機器フィルタ遅延線発振器等の構成素子として多くの弾性表面波フィルタが用いられている。特に、小型・軽量でかつフィルタとしての急峻遮断性能が高い弾性表面波フィルタは、移動体通信分野において、携帯端末装置RF段及びIF段のフィルタとして多用されるようになって来ており、低損失かつ通過帯域外遮断特性として、高い減衰特性と、広い帯域幅が要求されている。

0003

携帯電話等のRF段に用いるフィルタの1種には、同一圧電基板上に複数個の一端子対の弾性表面波共振子を配設し、弾性表面波共振子を直並列梯子状に接続したラダー型弾性表面波フィルタが知られている。このラダー型弾性表面波フィルタは、小型であると共に低損失であり、急峻な減衰特性のフィルタが実現できるため、携帯電話等のRF−弾性表面波フィルタとして広く使用されている。

0004

このRF−弾性表面波フィルタに用いられる電極材料として、耐電力性に優れたAl−Cu合金が広く用いられている。この理由は、近年、日本,欧州,米国等において、携帯電話のRF段に使用されるフィルタは、その周波数帯中心周波数)が800MHz帯から1.9GHz帯へと移行したことに伴って、RF−弾性表面波フィルタの耐電力特性が要求され始めているからである。

0005

従来、800MHz帯では弾性表面波共振子の電極線幅が約1μm程度であったのに対して、1.9GHz帯では約0.5μmと細くなり従来の約半分となった。これにより、耐電力寿命は800MHz帯に比べて4〜5桁短寿命となることが報告されている。これは、LSIのAl配線電極に生じるエレクトロマイグレーションと類似の電極劣化が生じるためである。この対策として、電極材料としてCuやTi等の元素を微量(1〜2wt%)に添加したAl合金が用いられるようになった。

0006

主に弾性表面波フィルタでは、弾性表面波伝搬による圧電基板の内部応力によるストレスマイグレーションが原因で、弾性表面波伝搬路上の電極にヒロックボイドが生じ、その成長に伴って隣接する電極間ショートが起こり、一時的に大電流が流れて電極の一部が溶断され破壊に至る。特に1.9GHz帯の弾性表面波フィルタに電力が印加されると、電極線幅は小さいために起こりやすい。

0007

このように、ストレスマイグレーションによって、純Al電極では電極劣化が起こり特性不良の原因となる。ところが、Cuを含有したAl合金では、ストレスマイグレーションが起こりにくく、純Al電極に比べて約1000倍大きな弾性エネルギーに耐えうることが分かっている。

0008

以上のことから、10mW程度の耐電力性を持つ段間フィルタに用いられる電極材料としては、従来、Al−Cu合金は広く用いられてきた(たとえは"DEVELOPMENTOFSMALLANTENNA DUPLEXERSUINGSAWFILTERSforHANDHELD PHONES"O.Ikata et.al FUJITSU LABORATORIESLTD., 1993 ULTRASONIC SYMPOSIUM を参照)。

発明が解決しようとする課題

0009

近年、携帯電話等に用いられるRF-弾性表面波フィルタでは、使用周波数帯上昇傾向に伴って、入力レベルの要求も大きくなっている。これは、携帯電話の段間フィルタ用の10mWレベルから、携帯電話のパワーアンプの直後に入る送信用トップフィルタやデュプレクサなどに要求される2〜3Wレベルへと、弾性表面波フィルタの利用範囲が広がってきているからである。このため、よりいっそうの耐電力性向上が望まれている。

0010

図8に示すラダ−型弾性表面波フィルタは、弾性表面波共振子4S(直列共振子),4P(並列共振子)によって構成される。なお、図中、1は入力用電極、2は出力用電極、3は接地用電極である。

0011

耐電力性を高めるには、例えば図9に示すように、ラダ−型弾性表面波フィルタの弾性表面波共振子4S(直列共振子),4P(並列共振子)に加わるパワーを分散させるために、これら弾性表面波共振子を構成するIDT電極4aを複数接続する(弾性表面波共振子を2分割または3分割等行う)という工夫がなされていた。これにより、印加電圧分圧され、ストレスマイグレーションによって発生するショート不良がある程度抑えられ耐電力性も向上する(特開平8−204501号公報を参照)。

0012

しかしながら、送信用トップフィルタやデュプレクサなどに要求される2〜3Wレベルでの十分な耐電力を得ることはできない。

0013

また、ストレスマイグレーションをを緩和させる方法として、電極の層構造単層ではなく、Ti/Al−Cuの2層や、あるいはAl−Cu/Cu/Al−Cuの3層構造などが提案されている。この場合は、2〜3Wレベルの耐電力性は得られるものの、製造プロセスが複雑な分、生産コストが増大していた。

0014

本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、単一の層構造でも、送信用トップフィルタやデュプレクサなどに要求される高耐電力性を実現する優れた弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

上記課題を解決するため、本発明の弾性表面波フィルタは、圧電基板上にIDT電極から成る弾性表面波共振子を複数配設して互いに接続して成る弾性表面波フィルタであって、前記IDT電極の電極ピッチが前記圧電基板材料の音速(Vs)と中心周波数(f0)で決定される値(Vs/f0)よりも小さく、少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し直列インダクタを接続し、且つ少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し並列キャパシタを接続したことを特徴とする。

0016

これにより、各弾性表面波共振子が通過帯域外に共振周波数および反共振周波数を有するようにして、各弾性表面波共振子の見かけ上の共振周波数および反共振周波数を通過帯域内に移動させる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明の実施形態を模式的に示した図面に基づき詳細に説明する。

0018

図1は本発明の弾性表面波フィルタの電極構造を示す平面図であり、圧電基板上に形成された電極構造を図示したものである。図中の1は入力用電極、2は出力用電極、3は接地用電極である。4S(直列共振子),4P(並列共振子)はそれぞれ弾性表面波共振子であり、これらは1対の櫛歯状電極が互いに噛み合うように構成されたIDT電極4aで構成されている。5は弾性表面波共振子4を構成するIDT電極4a(または弾性表面波共振子)に直列に接続され、渦巻き状に構成されたインダクタである。6は弾性表面波共振子4のIDT電極とインダクタ5とに並列に接続され、くし状電極のように構成されたキャパシタである。インダクタ5とキャパシタ6はこの実施形態では、弾性表面波フィルタの通過特性を維持するという理由で、すべての弾性表面波共振子4に直列および並列に接続する。

0019

また、本発明ではIDT電極4aの電極ピッチ(任意の電極指の中心から隣の電極指の中心までの距離)が、それを形成する圧電基板材料の音速(Vs)と中心周波数(f0)で決定される値(Vs/f0)よりも小さく、少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し直列にインダクタを接続し、且つ少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し並列にキャパシタを接続する。

0020

ここで、インダクタ5は、図2(a)に拡大図にて示すように、渦巻き状薄膜から成る。これは、線どうしが交わる箇所5aでは下地層を例えばAl等の導電体層とし、その上に例えばSiO2等から成る絶縁体層、最上層を例えばAl等から成る導体層とした3層構造をなし、渦巻きの中央部分から立体的に外側に配線を引き渡すように構成している。このように絶縁体層を1層設けるのは、上部と下部の導体層のショートを防止するためである。このインダクタは図2(b)のように、ミアンダ状に形成してもよい。このように平面的に構成することにより、製造プロセスが煩雑にならずに済む。

0021

なお、図2(c)は通常のくし状電極であり、共振反共振点以外では一般的には容量として振舞う。これは図1のキャパシタ6にも示している。本発明のように、通常のIDT電極に直列付加インダクタンスL2と並列付加容量C2を配設することで、見かけ上の共振周波数を通過帯域内に移動させることができるため、弾性表面波共振子自体がストレスマイグレーションによって破壊されることはなくなり、耐電力性が著しく向上する。

0022

図4に示すように、通常の弾性表面波共振子の等価回路は、R、L1、C1、C0で表すことができ、弾性表面波共振子の共振周波数frはこの回路定数を用いて表すことができ、一般にはfr=1/2π√(L1C1)である。ストレスマイグレーションによって弾性表面波共振子が破壊するのは、その弾性表面波共振子の共振周波数が、最も高い電力が印加される通過帯域内にあるときに起こりやすいことを利用して、弾性表面波共振子自体で発生する共振周波数は通過帯域外に配置し、インダクタ5及びキャパシタ6といった付加素子図4におけるL2,C2に対応)を用いて、見かけ上の共振周波数を通過帯域内に移動させてやることで、実際には弾性表面波共振子自体がストレスマイグレーションによって破壊されることがない。

0023

これは、共振周波数が圧電基板の音速とIDTs電極の電極ピッチによって決定される周波数以外に、IDTに外付けした素子の影響によって変化するためである。これは、式1に示すように、fr(faも)の式中に外付け素子L2,C2の項が入っており、このため外付け素子の値によって共振周波数frが影響を受けるからである。(式中の記号A、B、C、DはL2,C2を含んでいる。)

0024

0025

外付け素子L2,C2の求め方は、まず式2に示すように、所望の共振周波数frとIDT電極の等価回路定数L1、C1、C0を用いて、L2を求め、次にこのL2とfaをC2の式に代入すればC2が決定できる。

0026

0027

このように、弾性表面波共振子(図1の場合の例では、IDT電極4a)がストレスマイグレーションによって破壊されない周波数で電極ピッチを設計し、外付けした付加素子(L2,C2)を利用して正規の通過帯域内に共振周波数を移動させればよい。

0028

ここで、図2(a)は弾性表面波フィルタの減衰特性を示し、斜線部は通過帯域を示している。図2(b)は従来のラダ−型弾性表面波フィルタを構成する直列共振子4Sのインピーダンス特性7と、並列共振子4Pのインピーダンス特性8とを示している。本発明では、図2(c)に示すように、直列共振子4Sのインピーダンス特性9と並列共振子4Pのインピーダンス特性10を、フィルタの通過帯域外になるように電極線幅等を設計する。

0029

つまり、図4で説明する所望のフィルタを構成するべきfr、faを使ってL2,C2を計算により決定する(式2を使用)。次に、インダクタンスL2と容量C2を持った図1におけるインダクタ5とキャパシタ6を設計すれば良い。

0030

図4は、本発明の弾性表面波共振子の等価回路であり、この時、弾性表面波共振子単体の等価回路定数をフィッティング法(数値解析一種で、解析値実測値との誤差が最小になるように回路定数を求める方法)を用いて導出すると、一例としてCoは2.7pF、C1は0.2pF、L1は39nH、Rは1.3Ωとなった。この計算例ではタンタル酸リチウム基板を用い、Al−Cu(1wt%)膜厚は2000Åとした。IDT対数は90対、IDT交叉幅は30λ(λは弾性表面波の波長)、λは2.1μmとした。

0031

この場合に共振周波数frと、反共振周波数faは式1で表すことが出来る。この式は、共振周波数fr、反共振周波数faが、L2とC2によって変化することを示している。

0032

図5は、適当な5つの条件の直列付加インダクタL2、並列付加キャパシタC2を配設した場合に、SAW共振子によるインピーダンス特性がどのように変化したかをプロットしたグラフである。L2、C2の増加により、1〜5の順で波形全体低周波側に平行移動していることが分かる。表1にその条件を示す。

0033

0034

図6は直列付加インダクタL2による共振周波数frの変化をプロットしたグラフである。また、図7は並列付加容量C2による反共振周波数faの変化をプロットしたグラフである。

0035

図6からは、付加したインダクタL2に対して共振周波数frがある傾きをもって変化することがわかる。また、図7からは付加したキャパシタC2に対して反共振周波数faが別の傾きをもって変化することがわかる。

0036

このように、共振周波数frと反共振周波数faはそれぞれインダクタL2とキャパシタC2によって別々に制御可能であるので、例えば、インダクタL2とキャパシタC2を適当な値に選択すれば、図5に示すように、共振周波数frと反共振周波数faを変化させられ、インピーダンス(もしくはアドミタンス)の波形全体を平行移動させるように選択することは可能である。また、ストレスマイグレーションによって破壊する周波数は、主に共振周波数fr付近のみであることから、直列共振子のみに付加素子(インダクタL2とキャパシタC2)を配設し、弾性表面波フィルタとしての通過特性を損なわない範囲内で、付加素子値を制御することはできる。

0037

なお、この実施形態では、バンドパスフィルタ(BPF)について説明したがバンドエルミネーションフィルタ(BEF)についても同様なことがいえるので(ただし、破壊される共振子が直列共振子ではなく並列共振子になる点が異なる)、BEFにおいても好適に適用が可能である。

0038

次に、本発明に係る弾性表面波フィルタを試作した実施例を説明する。

0039

42°YカットLiTaO3単結晶から成る基板上に、Al(98wt%)−Cu(2wt%)による電極パターンを形成した。パターン作製には、縮小投影露光機ステッパー)、およびRIE(Reactive Ion Etching)装置によりフォトリソグラフィを行なった。

0040

まず、基板材料であるタンタル酸リチウムウエハアセトン・IPA等の有機溶剤によって超音波洗浄し、有機成分を洗浄した。次にクリーンオーブンによって充分に基板乾燥を行なった後、電極の成膜を行なった。電極成膜には、スパッタリング装置を使用し、Al−Cuの合金材料を成膜した。電極膜厚は約0.2μmとした。

0041

次にフォトレジストを約0.5μm厚みにスピンコートし、縮小投影露光装置(ステッパー)により、所望のパターニングを行なった。次に、現像装置にて不要部分のフォトレジストをアルカリ系現像液で溶解させ、所望パターン表出させた。

0042

次に、RIE装置により、Al−Cu電極露出した部分のエッチングを行ない、電極のパターンニングを終了した。この後、保護膜の作製工程に移る。SiO2をCVD(Chemical Vapor Deposition)装置にて成膜し、その後、再度フォトリソグラフィによってレジストのパターニングを行ない、RIE装置等でワイヤーボンディング用パッド部のSiO2エッチングを行ない、保護膜パターンを完成した。

0043

次に、圧電基板をダイシング線に沿って切断し、弾性表面波フィルタ素子ごとに分割した。そして、各弾性表面波フィルタ素子ダイボンド装置にてピックアップし、Si樹脂を主成分とする樹脂でSMDパッケージ内にダイボンドした。この後、200℃の温度でSi樹脂を乾燥・硬化した。SMDパッケージは、3mm角積層タイプを用いた。次に、30μmφAuワイヤーをSMDパッケージのパッド部と弾性表面波フィルタ素子上のAlパッド上にボールボンディングした後、リッドをパッケージにかぶせ、封止機にて溶接封止して完成した。なお、弾性表面波フィルタ素子上の接地用電極パターンは各々分離して配線し、Auボールボンディングにてパッケージ上のグランドパッド電気的に導通をとった。

0044

なお、ラダー型弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波共振子は、IDT電極の対数(本数の1/2)が40〜120対、交差幅が10〜30λ(λは弾性表面波の波長)で、弾性表面波の波長λは直列と並列で違えてあるが、概略2μmとした。ここで、反射電極本数は直列共振子、並列共振子とも20本である。フィルタ構成の例は図1に示す通りである。図1では直列共振子が3個、並列共振子が2個で構成される2.5段T型の例である。また、インダクタL2は0〜20nH、キャパシタC2は0〜4pFの間で試作した。

0045

本実施例では、上述のような条件でサンプルを作製し、耐電力特性を評価したところ、破壊までの時間は従来の1.5倍〜2倍となり大幅な向上が見られた。

発明の効果

0046

本発明の弾性表面波フィルタによれば、圧電基板上にIDT電極から成る弾性表面波共振子を複数配設して互いに接続して成り、IDT電極の電極ピッチが圧電基板材料の音速と中心周波数で決定される値よりも小さく、少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し直列にインダクタを接続し、且つ少なくとも1つの弾性表面波共振子に対し並列にキャパシタを接続したので、弾性表面波共振子自体で発生する共振周波数は通過帯域外とし、付加素子を併設することで、見かけ上の共振周波数を通過帯域内に移動させることができる。

0047

これにより、弾性表面波共振子自体がストレスマイグレーションによって破壊されることはなくなり、耐電力性が著しく向上した優れた弾性表面波フィルタを提供できる。

図面の簡単な説明

0048

図1本発明に係る弾性表面波フィルタの構造を模式的に示す平面図である。
図2本発明に係る弾性表面波フィルタを模式的に説明するための平面図であり、(a)は直列付加インダクタが渦巻き状の場合、(b)は直列付加インダクタがミアンダラインの場合、(c)は並列付加キャパシタがく状電極の場合を示す。
図3本発明の共振子の周波数配置を模式的に説明する線図であり、(a)はフィルタの減衰特性を示す線図、(b)は従来の共振子のインピーダンス特性を示す線図、(c)は本発明の共振子のインピーダンス特性を示す線図である。
図4本発明のIDT電極の等価回路図である。
図5本発明の共振子の周波数変化を模式的に示す線図である。
図6本発明の直列付加インダクタと共振周波数の関係を説明するグラフである。
図7本発明の並列付加容量と反共振周波数の関係を説明するグラフである。
図8従来のラダ−型弾性表面波フィルタの電極構造を示す平面図である。
図9従来の耐電力性を向上させたラダ−型弾性表面波フィルタの電極構造を示す平面図である。

--

0049

1:入力用電極
2:出力用電極
3:接地用電極
4:弾性表面波共振子
4a:IDT電極
5:インダクタ
6:キャパシタ
9:直列共振子のインピーダンス特性
10:並列共振子のインピーダンス特性
11:直列共振子に付加素子を配設した場合のインピーダンス特性
12:並列共振子に付加素子を配設した場合のインピーダンス特性

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