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技術 高クロム鋳鉄鋳物とその製造方法

出願人 川崎重工業株式会社
発明者 田村朗三谷貴俊
出願日 2001年3月30日 (18年10ヶ月経過) 出願番号 2001-101044
公開日 2002年10月9日 (17年4ヶ月経過) 公開番号 2002-294389
状態 特許登録済
技術分野 拡散による非金属の除去、鋳鉄の熱処理
主要キーワード 打撃板 鋳込温度 鋳放し 鋳造物 低温焼戻し 焼戻し条件 残留γ量 脱硫効果
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2002年10月9日)のものです。
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課題

耐用寿命を長くし、かつ、使用中の破損を防止し得る高クロム鋳鉄鋳物の提供。

解決手段

C2.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜30wt%、Mo0〜7wt%、Ni0〜7wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ63〜67HRC、残留応力−50〜50MPaである。

概要

背景

従来、この種の高クロム鋳鉄鋳物としては、鋳放ししたもの、鋳造物衝風焼入れしたもの、あるいは鋳造物を自然冷却焼入れしたもの等が知られている。

概要

耐用寿命を長くし、かつ、使用中の破損を防止し得る高クロム鋳鉄鋳物の提供。

C2.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜30wt%、Mo0〜7wt%、Ni0〜7wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ63〜67HRC、残留応力−50〜50MPaである。

目的

そこで、本発明は、耐用寿命長くし、かつ、使用中の破損を防止し得る高クロム鋳鉄鋳物とその製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

C2.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜30wt%、Mo0〜7wt%、Ni0〜7wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ63〜67HRC、残留応力−50〜50MPaであることを特徴とする高クロム鋳鉄鋳物

請求項2

C3.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜20wt%、Mo2〜4wt%、Ni0〜3wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ65〜70HRC、残留応力−50〜50MPaであることを特徴とする高クロム鋳鉄鋳物。

請求項3

C2.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜30wt%、Mo0〜7wt%、Ni0〜7wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなる鋳造物を900〜1100℃の温度に加熱後、300〜600℃の温度まで衝風冷却し、しかる後に、自然冷却することを特徴とする高クロム鋳鉄鋳物の製造方法。

請求項4

C3.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜20wt%、Mo2〜4wt%、Ni0〜3wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなる鋳造物を900〜1100℃の温度に加熱後、300〜600℃の温度まで衝風冷却し、しかる後に、自然冷却することを特徴とする高クロム鋳鉄鋳物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、破砕機粉砕機等の打撃板衝突板ライナ等として用いられる高クロム鋳鉄鋳物とその製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、この種の高クロム鋳鉄鋳物としては、鋳放ししたもの、鋳造物衝風焼入れしたもの、あるいは鋳造物を自然冷却焼入れしたもの等が知られている。

発明が解決しようとする課題

0003

しかし、従来の高クロム鋳鉄鋳物のうち、鋳放ししたものは、熱処理コストが必要ないものの、硬さが低く、残留応力が高い不具合がある。一方、鋳造物を衝風冷却焼入れしたものは、高硬度であるものの、残留応力が高い不具合がある。他方、鋳造物を自然冷却焼入れや焼戻し(350〜600℃)したものは、残留応力を低減できるものの、硬さが低下する不具合がある。

0004

そこで、本発明は、耐用寿命長くし、かつ、使用中の破損を防止し得る高クロム鋳鉄鋳物とその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

前記課題を解決するため、本発明の第1の高クロム鋳鉄鋳物は、C2.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜30wt%、Mo0〜7wt%、Ni0〜7wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ63〜67HRC、残留応力−50〜50MPaであることを特徴とする。又、第2の高クロム鋳鉄鋳物は、C3.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜20wt%、Mo2〜4wt%、Ni0〜3wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ65〜70HRC、残留応力−50〜50MPaであることを特徴とする高クロム鋳鉄鋳物。

0006

一方、第1の高クロム鋳鉄鋳物の製造方法は、C2.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜30wt%、Mo0〜7wt%、Ni0〜7wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなる鋳造物を900〜1100℃の温度に加熱後、300〜600℃の温度まで衝風冷却し、しかる後に、自然冷却することを特徴とする。又、第2の高クロム鋳鉄鋳物の製造方法は、C3.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜20wt%、Mo2〜4wt%、Ni0〜3wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなる鋳造物を900〜1100℃の温度に加熱後、300〜600℃の温度まで衝風冷却し、しかる後に、自然冷却することを特徴とする。

0007

第1の高クロム鋳鉄鋳物は、C2.5〜3.5%、Si0.5〜1.2wt%、Mn0.5〜2.0wt%、Cr15〜26wt%、Mo0〜5wt%、Ni0〜5wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ63〜67HRC、残留応力−50〜50MPaであることが好ましく、より好ましくはC2.8〜3.5%、Si0.5〜1.0wt%、Mn0.5〜2.0wt%、Cr16〜22wt%、Mo0〜3wt%、Ni0〜3wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ64〜67HRC、残留応力−50〜50MPaである。又、第2の高クロム鋳鉄鋳物は、C3.2〜3.6%、Si0.5〜1.2wt%、Mn0.5〜2.0wt%、Cr16〜18wt%、Mo2.2〜3.5wt%、Ni0〜2wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ65〜70HRC、残留応力−50〜50MPaであることが好ましく、より好ましくはC3.3〜3.5%、Si0.5〜1.0wt%、Mn0.5〜1.0wt%、Cr16〜17wt%、Mo2.5〜3.2wt%、Ni0〜1wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ66〜70HRC、残留応力−50〜50MPaである。

0008

Cは、鋳鉄の硬さ(耐摩耗性)を確保するものであり、その含有量が第1のものにおいて、2.0wt%未満、又、第2のものにおいては、3.0wt%未満であると、所望の硬さが得られない。一方、3.8wt%を超えると、所望の衝撃値靭性)が得られず、かつ、焼入性が得られない。

0009

Siは、Cr、Moと共に低温焼戻し脆性高温側へ移行させる性質を有するものであり、その含有量が、0.5wt%未満であると、強度が低下する。一方、1.5wt%を超えると、衝撃値、硬度が低下する。

0010

Mnは、脱酸脱硫に寄与するものであり、その含有量が、0.5wt%未満であると、脱酸脱硫効果が得られない。一方、2.5wt%を超えると、衝撃値が低下し、又、残留γ量が多くなり、硬さも低下する。

0011

Crは、低温焼戻し脆性を高温側へ移行させる性質を有するものであり、その含有量が、15wt%未満であると、焼入れ性が低下する。一方、第1のものにおいては30wt%を超え、又、第2のものにおいて20wt%を超えると、耐摩耗性が低下し、靭性も低下する。

0012

Moは、焼入れ性を高め、強度を高める性質を有するものであり、その含有量が、第2のものにおいては2wt%未満であると、所望の焼入れ性が得られない。一方、第1のものにおいては7wt%を超え、又、第2のものにおいて4wt%を超えると、上記効果が一定となり、経済的メリットがない。

0013

Niは、CrやMoと協働して焼入れ性の向上に寄与するものであり、その含有量が、第1のものにおいて7wt%を超え、又、第2のものにおいては3wt%を超えると、上記効果が得られるが、残留γ量が増加し硬さが低下し、かつ、経済的メリットもない。

0014

一方、第1、第2の方法において、1300〜1350℃の温度で鋳込み、自然冷却した後型ばらした鋳造物の加熱温度が、900℃未満であると、マトリックス中のC濃度が低下し、かつ、硬さも低下する。一方、1100℃を超えると、マトリックス中のC、Cr等の合金元素濃度が高くなりすぎ、残留γ量が増加し硬さが低下する。鋳造物の加熱温度は、950〜1050℃が好ましく、より好ましくは950〜1000℃である。

0015

加熱後の鋳造物の衝風冷却を、300℃未満の温度まで行うと、残留応力は大きくなる。一方、600℃を超える温度まで行うと、パーライト析出し硬さが低下する。加熱後の鋳造物の衝風冷却は、350〜550℃の温度まで行うことが好ましく、より好ましくは、400〜500℃の温度までである。衝風冷却の冷却速度は、20〜200℃/min が好ましく、より好ましくは30〜100℃/min である。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例および比較例を参照して説明する。
〔実施例1、比較例1〕先ず、C、Si、Mn、Cr、Mo、Niの各元素を表1に示す割合で含有し(表1においては、鋳造物の硬さと靭性に特に影響を与えるCとCrの含有割合を変え、Si、Mn、Mo、Niの含有割合をそれぞれの範囲内の適宜の値とした。)、かつ、残部がFeが不可避不純物からなる鋳造物を所要鋳込温度(1300〜1350℃)で鋳込み、その3時間後に型ばらしし、しかる後に、自然冷却して肉厚80mm、重量100kgの各種のテストピース(No.1〜6:実施例1、No.7〜10:比較例1)を得た。

0017

0018

次に、各テストピースを、下記の焼準条件及び焼戻し条件で熱処理したところ、硬さと残留応力は、それぞれ表2、表3に示すようになった(各表、′の付いたNo.のものは、鋳込み5日後に型ばらししたものである。)。
焼準条件
A:なし
B:980℃より200℃まで衝風冷却した後、自然冷却
C:980℃より300℃まで衝風冷却した後、自然冷却
D:980℃より400℃まで衝風冷却した後、自然冷却
E:980℃より600℃まで衝風冷却した後、自然冷却
F:980℃より700℃まで衝風冷却した後、自然冷却
G:980℃より自然冷却
焼戻し条件
a:なし
b:200℃で5時間保持
c:400℃で5時間保持
d:600℃で5時間保持

0019

0020

0021

表1〜表3から分るように、C2.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜30wt%、Mo0〜7wt%、Ni0〜7wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなる鋳造物を900〜1100℃の温度に加熱後、300〜600℃の温度まで衝風冷却し、しかる後、自然冷却することにより、硬さ63〜67HRC、残留応力−50〜50MPaの高クロム鋳鉄鋳物が得られる。

0022

〔実施例2、比較例2〕先ず、C、Si、Mn、Cr、Mo、Niの各元素を表4に示す割合で含有し(表4においては、鋳造物の硬さと靭性に特に影響を与えるCとCrの含有割合を変え、Si、Mn、Mo、Niの含有割合をそれぞれの範囲内の適宜の値とした。)、かつ、残部がFeが不可避不純物からなる鋳造物を所要の鋳込温度(1300〜1350℃)で鋳込み、その3時間後に型ばらしし、しかる後に、自然冷却して肉厚80mm、重量100kgの各種のテストピース(No.11〜14:実施例2、No.15〜18:比較例2)を得た。

0023

0024

次に、各テストピースを、下記の焼準条件及び焼戻し条件で熱処理したところ、硬さと残留応力は、それぞれ表5、表6に示すようになった(各表、′の付いたNo.のものは、鋳込み5日後に型ばらししたものである。)。
焼準条件
A:なし
B:980℃より200℃まで衝風冷却した後、自然冷却
C:980℃より300℃まで衝風冷却した後、自然冷却
D:980℃より400℃まで衝風冷却した後、自然冷却
E:980℃より600℃まで衝風冷却した後、自然冷却
F:980℃より700℃まで衝風冷却した後、自然冷却
G:980℃より自然冷却
焼戻し条件
a:なし
b:200℃で5時間保持
c:400℃で5時間保持
d:600℃で5時間保持

0025

0026

0027

表4〜表6から分るように、C3.0〜3.8wt%、Si0.5〜1.5wt%、Mn0.5〜2.5wt%、Cr15〜20wt%、Mo2〜4wt%、Ni0〜3wt%、及び残部がFeと不可避不純物からなる鋳造物を900〜1100℃の温度に加熱後、300〜600℃の温度まで衝風冷却し、しかる後に、自然冷却することにより、硬さ65〜70HRC、残留応力−50〜50MPaの高クロム鋳鉄鋳物が得られる。

発明の効果

0028

以上説明したように、本発明の高クロム鋳鉄鋳物及びその製造方法によれば、高い硬さと低い残留応力を備えたものとなるので、従来に比べ肉厚100mm程度の高クロム鋳鉄鋳物の耐用寿命を長くし、かつ、使用中の破損を防止することができる。

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