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課題

塗膜を厚くすることなく、非塗装部分がない均一かつ確実な塗装膜を形成し得る多孔質素材への防水塗料塗装方法及びその方法を実施する塗装装置を提供することを目的とする。

解決手段

多孔質素材の表面に塗料液膜が形成された状態で、これらを減圧室に入れることにより、塗料液膜の下の気泡内の空気溜はじけさせて空気を放出し、その後で空気を吹き付けることによって塗料液膜の一部の塗料を気泡内全面に塗着せしめて、空気溜のはじけた後のピンホール閉鎖すると共に気泡の内周面全面まで塗装することが可能になる。この結果、多孔質素材の表面に塗り残した気泡のない均一な塗膜を一段と薄く形成することが可能となり、また、薄い塗膜を形成することにより、使用する塗料を一段と少なくすることが出来る方法である。

概要

背景

従来、建物外壁としては、土等を塗った土壁等のように、建築現場施工する外壁が多かったが、最近では、外壁材工場等で生産し、この外壁材を建物の外壁部分に取り付けた外壁が、速く、均質に、しかも、見栄え良く施工できるので広く普及してきている。工場生産される外壁材としては、ALC(AutoclavedLight-weight Concrete)製の外壁材、プレキャストコンクリート製の外壁材、硬質木片セメント板製の外壁材等が多い。

特に、ALC製の外壁材は、外観がプレキャストコンクリート製の外壁材に似ていて、しかも、軽く施工し易いので、多く生産されている。そして、住宅等の建物の外壁材としては、最近彫りの深い凹凸模様を設けたものが、外観が豪華であることから、施工主に好まれている。

このような外壁材では、通常、外観を良くしたり水分を吸収しないようにするために、表面に塗料が塗布される。従来から、このような外壁材の表面に塗料を塗布する塗装方法としては、刷毛塗り方法、スプレー塗装方法、ロールコーターフローコーターディッピング方法等がある。

刷毛塗り方法では、塗料を付着させた刷毛で外壁材の表面を撫でて塗布する方法であり、最も原始的な方法である。この刷毛塗り方法は、刷毛を塗料溜に入れて刷毛に塗料を付着させ、この刷毛を外壁材表面に撫でて塗布するので、少量生産の外壁材や外壁材の塗装面を修理する場合に適しているが、大量生産には適していないため、外壁材の大量生産工程では採用されていない。

これに対して、スプレー塗装方法は、スプレーの先端のノズルから塗料を吹き出させ、この吹き出た塗料を外壁材の表面に吹き付けて塗装する方法であり、エアスプレー方式とエアレススプレー方式とがある。エアスプレー方式は、スプレーガンの先端のノズルに通ずる圧縮空気通路と、塗料溜からこの圧縮空気の通路に通ずる通路とから構成されているものであって、圧縮空気の通路を介してエアガンの先端のノズルに圧縮空気を通過させると、この圧縮空気の通路が減圧になり、この圧縮空気の通路に通ずる通路を通して塗料溜の塗料が吸い込まれ、この吸い込んだ塗料と空気とが一緒になってノズルから出て塗装する方法である。

かつ、エアレススプレー方式とは、塗料溜からスプレーガンの先端のノズルに通ずる通路が設けられていて、塗料溜の中に圧縮空気を導入すると、この圧縮空気の圧力により塗料溜の塗料が通路に押し出され、スプレーガンの先端のノズルから塗料が吹き出て塗装する方法である。このスプレー塗装方法は、塗料を外壁材の表面に吹き付けることができるので、彫りの深い外壁材でも塗装でき、様々な外壁材の塗装に採用されている。

更に、エアレススプレー塗装した後に、空気噴流スリット状にだすエアーナイフ等で余分な塗料を削ぎ落とす方法やスプレー塗装後減圧ブースを通した後に加圧ブースで空気噴流をあてる方法等の組み合わせ塗装が採用されている。

概要

塗膜を厚くすることなく、非塗装部分がない均一かつ確実な塗装膜を形成し得る多孔質素材への防水塗料の塗装方法及びその方法を実施する塗装装置を提供することを目的とする。

多孔質素材の表面に塗料液膜が形成された状態で、これらを減圧室に入れることにより、塗料液膜の下の気泡内の空気溜はじけさせて空気を放出し、その後で空気を吹き付けることによって塗料液膜の一部の塗料を気泡内全面に塗着せしめて、空気溜のはじけた後のピンホール閉鎖すると共に気泡の内周面全面まで塗装することが可能になる。この結果、多孔質素材の表面に塗り残した気泡のない均一な塗膜を一段と薄く形成することが可能となり、また、薄い塗膜を形成することにより、使用する塗料を一段と少なくすることが出来る方法である。

目的

本発明に係る塗装方法等は前述の多くの問題点に鑑み開発された全く新しい発明であって、特に多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けしてその表面に設けられた気泡内に塗料を押し込め、この多孔質素材の塗料液膜表面を減圧することによって気泡内に閉じ込められた空気溜を膨張破裂させて塗膜を形成させるようにした全く新しい塗装方法及び塗膜装置等の発明を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
6件

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請求項1

多数の気泡内在する多孔質素材の表面に防水性塗膜を形成する塗装方法に於て、前記多孔質素材の表面に塗料加圧吹付けして前記多孔質素材の気泡内に塗料を押し込めて所定厚の塗料液膜を形成し、該多孔質素材の該塗料液膜表面を減圧することによって塗料液膜の形成により閉じ込められた気泡内の空気溜膨張破裂させて塗膜を形成させることを特徴とした多孔質素材の塗装方法。

請求項2

前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けして前記多孔質素材の気泡内に塗料を押し込めた後で、該多孔質素材の表面の過剰分の塗料を除去手段で除去することを特徴とした請求項1の多孔質素材の塗装方法。

請求項3

前記塗料液膜の形成により閉じ込められた気泡内の空気溜を、前記多孔質素材の該塗料液膜表面の減圧によって膨張破裂させた後で、塗料液膜表面に空気を吹付けることによって前記気泡内全面に塗料液を流入させて塗膜を形成させることを特徴とした請求項1或は請求項2の多孔質素材の塗装方法。

請求項4

前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けする以前に該多孔質素材を加熱して所定の温度にすることを特徴とした請求項1乃至請求項3の多孔質素材の塗装方法。

請求項5

多数の気泡が内在する多孔質素材の表面に防水性塗膜を形成する塗装装置に於て、前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けて前記多数の気泡内に塗料を押し込める加圧吹付装置と、過剰分の塗料を除去する除去装置と、多孔質素材の塗料液膜表面を減圧することによって前記多数の気泡内に塗料液膜の形成によって閉じ込められた空気溜を膨張破裂させる減圧装置と、空気を塗料液膜表面に吹付けることによって塗料液を前記気泡内に流入させる空気吹付装置との組合せより構成されることを特徴とした多孔質素材の塗装装置。

請求項6

前記除去装置の作動によって除去された過剰分の塗料を回収する回収槽と、回収槽に回収された過剰塗料を濾過して再利用する濾過装置とを具備したことを特徴とした請求項5の多孔質素材の塗装装置。

請求項7

前記多孔質素材の塗装方法或は多孔質素材の塗装装置に用いられる防水性塗料に於て、水溶性水分散型および/またはエマルジョン型水性樹脂であって、アクリル樹脂変性アクリル樹脂等の1種または2種以上の混合物及びヒドラジドグリシジルメタアクリレートシラノールオキサゾリン酸化金属等の架橋剤の1種または2種以上を主成分として構成されたことを特徴とした多孔質素材の塗装用の防水性塗料。

請求項8

表面と連通する気泡を多数有する多孔質素材に於て、該多数の気泡内に空気溜が存在せず、かつこれ等の気泡の内周面全面に所定厚さの塗料膜被覆されて形成されていることを特徴とした多孔質素材。

技術分野

0001

本発明は表面に凸凹気泡とがある多孔質素材(例えば軽量気泡コンクリートで、以下単にALC板或はALC製の外壁材ともいう)の表面に塗料塗着する方法、装置、塗料或はALC板に係り、特にALC板の表面に内在する気泡内に空気が閉じ込められること(空気溜の発生)を防止すると共に該気泡の内周面全面にも塗料を流入させて塗膜を形成する塗装方法塗装装置防水性塗料及びそのALC板に関するものである。

背景技術

0002

従来、建物外壁としては、土等を塗った土壁等のように、建築現場施工する外壁が多かったが、最近では、外壁材を工場等で生産し、この外壁材を建物の外壁部分に取り付けた外壁が、速く、均質に、しかも、見栄え良く施工できるので広く普及してきている。工場生産される外壁材としては、ALC(AutoclavedLight-weight Concrete)製の外壁材、プレキャストコンクリート製の外壁材、硬質木片セメント板製の外壁材等が多い。

0003

特に、ALC製の外壁材は、外観がプレキャストコンクリート製の外壁材に似ていて、しかも、軽く施工し易いので、多く生産されている。そして、住宅等の建物の外壁材としては、最近彫りの深い凹凸模様を設けたものが、外観が豪華であることから、施工主に好まれている。

0004

このような外壁材では、通常、外観を良くしたり水分を吸収しないようにするために、表面に塗料が塗布される。従来から、このような外壁材の表面に塗料を塗布する塗装方法としては、刷毛塗り方法、スプレー塗装方法、ロールコーターフローコーターディッピング方法等がある。

0005

刷毛塗り方法では、塗料を付着させた刷毛で外壁材の表面を撫でて塗布する方法であり、最も原始的な方法である。この刷毛塗り方法は、刷毛を塗料溜に入れて刷毛に塗料を付着させ、この刷毛を外壁材表面に撫でて塗布するので、少量生産の外壁材や外壁材の塗装面を修理する場合に適しているが、大量生産には適していないため、外壁材の大量生産工程では採用されていない。

0006

これに対して、スプレー塗装方法は、スプレーの先端のノズルから塗料を吹き出させ、この吹き出た塗料を外壁材の表面に吹き付けて塗装する方法であり、エアスプレー方式とエアレススプレー方式とがある。エアスプレー方式は、スプレーガンの先端のノズルに通ずる圧縮空気通路と、塗料溜からこの圧縮空気の通路に通ずる通路とから構成されているものであって、圧縮空気の通路を介してエアガンの先端のノズルに圧縮空気を通過させると、この圧縮空気の通路が減圧になり、この圧縮空気の通路に通ずる通路を通して塗料溜の塗料が吸い込まれ、この吸い込んだ塗料と空気とが一緒になってノズルから出て塗装する方法である。

0007

かつ、エアレススプレー方式とは、塗料溜からスプレーガンの先端のノズルに通ずる通路が設けられていて、塗料溜の中に圧縮空気を導入すると、この圧縮空気の圧力により塗料溜の塗料が通路に押し出され、スプレーガンの先端のノズルから塗料が吹き出て塗装する方法である。このスプレー塗装方法は、塗料を外壁材の表面に吹き付けることができるので、彫りの深い外壁材でも塗装でき、様々な外壁材の塗装に採用されている。

0008

更に、エアレススプレー塗装した後に、空気噴流スリット状にだすエアーナイフ等で余分な塗料を削ぎ落とす方法やスプレー塗装後減圧ブースを通した後に加圧ブースで空気噴流をあてる方法等の組み合わせ塗装が採用されている。

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、外壁材の表面を塗布する最も効果的な方法と考えられている従来のスプレー塗装方法にあっても、彫りの深いALC製の外壁材を塗装する場合には、多くの問題が生じていた。すなわち、溝等の深い彫りがあると、溝部と非溝部とでは、スプレーによって塗布された塗料の塗布量が異なる等の問題があった。

0010

また、ALC製の外壁材では、製造時、表面に多くの気泡が現れて微細な穴(凹凸)となるので、この表面にスプレー方式で塗料を塗布すると、凹凸の内部まで塗布されず、この凹凸の内部に空気溜を含んだ状態になり、この塗膜形成後に空気溜が破け、その部分が、塗装されていない状態または塗膜の薄い状態になる。又スプレー塗装後のエアーナイフによる塗料削ぎ落としや、減圧ブース+加圧ブースで塗料を均一な薄膜化にする方法では溝部等の塗料溜りは減少するが気泡内部まで塗膜を形成できないという問題がある。

0011

従来の表面に塗膜が形成されたALC板の一部を図式化して例示すると、例えば図8(a)に示す如く、ALC板1の表面に防水塗装装置を用いて塗装を施して塗膜2を形成した場合には、ALC板1の表面に在る多数の気泡3の内部に空気が塗膜2によって密封された状態で空気溜5が形成されていた。

0012

しかし、気泡3の孔径が大きい場合には、図8(b)に示す如く、時間が経過しかつ気圧が変化したような場合には、気泡3内の空気溜5が膨張してはじけて塗膜2にピンホール4が生ずる問題があった。

0013

図9(a)は、ALC板1の表面の顕微鏡写真であって、前述の図8(b)に示すように、塗膜2にピンホール4が生じた状態を示している。図9(b)はALC板1の縦断面の顕微鏡写真であって、ALC板1の表面側に在る気泡3の内部に塗料が押込まれずに、塗膜2が形成されてない状態を示している。

0014

かかる問題点を解決するためのひとつの方策として、塗膜を厚く塗布する方策が考えられるが、このようにすると、多量の塗料(被覆組成物)が必要となり、解決策としては未だ不十分である等の問題があった。図10はALC板1の表面に極めて肉厚の塗膜2を形成した状態を図式化したものである。

0015

本発明に係る塗装方法等は前述の多くの問題点に鑑み開発された全く新しい発明であって、特に多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けしてその表面に設けられた気泡内に塗料を押し込め、この多孔質素材の塗料液膜表面を減圧することによって気泡内に閉じ込められた空気溜を膨張破裂させて塗膜を形成させるようにした全く新しい塗装方法及び塗膜装置等の発明を提供するものである。

課題を解決するための手段

0016

本発明に係る塗装方法は、前述の多くの問題点を根本的に改善した発明であって、その塗装方法の第1発明の要旨は、多数の気泡が内在する多孔質素材の表面に防水性塗膜を形成する塗装方法に於て、前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けして前記多孔質素材の気泡内に塗料を押し込めて、所定厚の塗料液膜を形成し、該多孔質素材の該塗料液膜表面を減圧することによって塗料液膜の形成により閉じ込められた気泡内の空気溜を膨張破裂させ、塗膜を形成させることを特徴とした多孔質素材の塗装方法である。

0017

前述の第1発明の塗装方法に於ては、多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けするので、多孔質素材の表面に内在する気泡内にも塗料を押し込めて塗着して多孔質素材の表面全面に所定厚の塗料液膜を形成することが出来る。

0018

また、この第1発明の塗装方法に於ては、多孔質素材の表面に所定厚の塗料液膜が形成された後で多孔質素材の塗料液膜表面を減圧するので、この該塗料液膜の形成によって閉じ込められていた気泡内の空気溜を膨張破裂させ、後になってピンホールの発生の大きな原因となる気泡内の空気を事前に放出して除去することが出来る。

0019

本発明に係る塗装方法の第2発明の要旨は、前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けして前記多孔質素材の気泡内に塗料を押し込めた後で、該多孔質素材の表面の過剰分の塗料を除去手段で除去することを特徴とした第1発明の多孔質素材の塗装方法である。

0020

前述の第2発明の塗装方法に於ては、前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けしてその表面に塗料を塗着した後で、表面に付着した過剰分の塗料を除去手段(例えば空気吹付け)で除去するので、多孔質素材の表面に形成される塗料の肉厚を一定に保つことが出来、しかも除去した塗料は再利用することが出来るので、極めて経済的である。

0021

本発明に係る塗装方法の第3発明の要旨は、前記多孔質素材の該塗料液膜表面の減圧によって塗料液膜の形成により閉じ込められた気泡内の空気溜を膨張破裂させた後で、塗料液膜表面に空気を吹付けることによって、前記気泡内全面に塗料液を流入させて塗膜を形成させることを特徴とした第1発明或は第2発明の多孔質素材の塗装方法である。

0022

前述の第3発明の塗装方法に於ては、前記多孔質素材の塗料液膜表面の減圧によって塗料液膜の形成により閉じ込められた気泡内の空気溜を膨張破裂させた後で、塗料液膜の表面に空気を吹付けるので、塗料液膜を形成するまだ流動性を持った塗料液を気泡内全面に流入させて塗膜を形成し、気泡内に未塗装部分が設けられることを防止出来る。

0023

本発明に係る塗装方法の第4発明の要旨は、前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けする以前に該多孔質素材を加熱して所定の温度にすることを特徴とした第1発明乃至第3発明の多孔質素材の塗装方法である。

0024

前述の第4発明の塗装方法に於ては、前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けする以前に該多孔質素材を加熱して所定の温度にしたので、加圧吹付けされた塗料が加温されて凹凸及び気泡が介在する多孔質素材の表面全面に均一に塗着されると共に、塗料によって塗膜を早く形成することが出来る。

0025

本発明に係る塗装装置の第1発明の要旨は、多数の気泡が内在する多孔質素材の表面に防水性塗膜を形成する塗装装置に於て、前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けて前記多数の気泡内に塗料を押し込める加圧吹付装置と、過剰分の塗料を除去する(例えば空気吹付)除去装置と、減圧することによって前記多数の気泡内に塗料液膜の形成によって閉じ込められた空気溜を膨張破裂させる減圧装置と、空気を塗料液膜表面に吹付けることによって塗料液を前記気泡内に流入させる空気吹付装置との組合せより構成されることを特徴とした多孔質素材の塗装装置である。

0026

前述の塗装装置の第1発明は、塗料を該多孔質素材の表面に強く吹付けることが出来る加圧吹付装置を設けたので、この装置によって多孔質素材の表面に内在する気泡内に塗料を押し込めることが出来る。かつ、除去装置によって多孔質素材の表面に塗着された過剰な塗料を除去することが出来る。

0027

また、前記塗装装置の第1発明には、減圧装置が設けられているので、この装置によって多孔質素材の塗料液膜表面を減圧させることによって、多数の気泡内に塗料液膜の形成により閉じ込められていた空気溜を膨張破裂させて気泡内から除去することが出来る。

0028

さらに、前記第1発明には、前述の装置とは別に空気吹付装置が設けられているので、この装置で多孔質素材の表面に塗着された塗料液膜に空気を強く吹付けることによって、塗料液を前記多孔質素材の表面に内在する多数の気泡内に流入させて気泡内に塗膜を形成することが出来る。

0029

本発明に係る塗装装置の第2発明の要旨は、前記除去装置の作動によって除去された過剰分の塗料を回収する回収槽と、回収槽に回収された過剰塗料を濾過して再利用する濾過装置とを具備したことを特徴とした第1発明の多孔質素材の塗装装置である。

0030

前述の第2発明の塗装装置に於ては、前記除去装置の作動によって除去された過剰塗料を回収する回収槽と、過剰分の塗料を濾過して再利用する濾過装置とが設けられているので、これ等の回収槽と濾過装置とを利用することによって、過剰塗料を有効にかつ経済的に再利用することが出来る。

0031

本発明に係る防水性塗料の要旨は、前記多孔質素材の塗装方法或は多孔質素材の塗装装置に用いられる防水性塗料に於て、水溶性水分散型および/またはエマルジョン型水性樹脂であって、アクリル樹脂変性アクリル樹脂等の1種または2種以上の混合物及びヒドラジドグリシジルメタアクリレートシラノールオキサゾリン酸化金属等の架橋剤の1種または2種以上を主成分として構成されたことを特徴とした多孔質素材の塗装用の防水性塗料である。

0032

前述のような構成を有する防水性塗料は、多孔質素材の表面に加圧吹付けによって塗着された際に、多孔質素材の表面に内在する気泡内に容易に流入して塗料液膜を形成することが出来、かつ多孔質素材を減圧した際には気泡内の空気を簡単に膨張破裂させることも出来、さらに空気吹付装置で空気を強く吹き付けられた際には、塗料液膜の一部の塗料液が気泡内にスムーズに流入して気泡内全面を塗装することが出来る特性を有している。

0033

本発明に係る多孔質素材の要旨は、表面と連通する気泡を多数有する多孔質素材に於て、該多数の気泡内に空気溜が存在せず、かつこれ等の気泡の内周面全面に所定厚さの塗料膜被覆されて形成されていることを特徴とした多孔質素材である。

0034

前述の多孔質素材は、多数の気泡内に空気溜が存在しないので、後から気泡内の空気溜が膨張破裂して、気泡の入口に被覆されていた防水塗料膜の一部にピンホールが生ずる恐れがない。また、多数の気泡の内周面全面には所定厚の塗料膜が被覆されているので、気泡の内周壁面より雨水が多孔質素材内に浸み込む心配もない。

発明を実施するための最良の形態

0035

図により本発明に係る塗装方法、塗装装置、防水性塗料及びALC板(多孔質素材)の一実施例を具体的に説明すると、図1は本発明の塗装方法を実施するための装置の簡略説明図、図2図1の装置に取付けられるフィルタの断面図、図3は本発明の方法を示すフローチャート図、図4(a)、(b)、(c)、(d)は夫々ALC板の表面の気泡内に塗膜が形成される工程を示す断面説明図である。

0036

図5は本発明のALC板の要部の断面拡大説明図、図6(a)は本発明のALC板の平面の顕微鏡写真図図6(b)は同図の要部の縦断面の顕微鏡写真図、図7(a)、(b)も夫々図6(a)の要部の縦断面の顕微鏡写真図である。

0037

図1により本発明に係る方法及び装置について説明すると、次の通りである。図中10は本発明に係る塗装装置全体を示しており、装置対象とするALC板11に対して、ALC板11を予熱するプレヒート部25と、ALC板11の表面に塗料を塗着する塗装部30とを有している。

0038

前述のALC板11は予めプレヒート部25で例えば40〜50℃に熱せられる。次に搬送ローラ72及び73に載せられたALC板11は、搬送ローラ72および73の回転によって図中矢印a方向に送られ、これにより塗装部30による各処理がALC板11に対して順次施されるようになされている。

0039

この塗装装置10には制御部22が設けられており、制御部22は入力されたコマンドに従って塗装装置10の各部を制御する。

0040

前述のようにプレヒート部25において所定温度に加熱されたALC板11は、塗装部30に送られる。塗装部30のALC板11の搬入口近傍には、ALC板11の有無を検出するためのセンサ26が設けられている。このセンサ26は、レーザ光をALC板11の搬入経路照射してその反射光の強度に基づいてALC板11の有無を検出するもの等を用いることが可能である。

0041

制御部22はセンサ26の検出結果を常時監視しており、ALC板11が搬入されたことを検出すると、塗装部30の各部を動作させることにより、当該搬入されたALC板11に対する塗装処理を塗装部30に実行させるようになされている。

0042

塗装部30は、筐体31によってその内部の塗装処理空間が外部空間から遮蔽されている。この塗装処理空間は隔壁42、43及び44によって4つの処理空間に分けられている。これら4つの処理空間のうち、ALC板11の搬入口側に設けられている第1の処理空間は、塗料を加圧吹付けする加圧吹付室であって、ALC板11の表面に対して塗料(被覆組成物)12を高圧で叩き付けるための噴射塗装部32があり、ポンプ52から配管51を介して塗料12が噴射ノズル54に供給される。

0043

このとき塗料12は、液圧計53によってその圧力が制御されながら、ALC板11の表面に対する塗装打力が2g/cm2以上(好ましくは10 g/cm2以上)となるような圧力でALC板11の表面に吹き付けられる。この結果、ALC板11の表面の微細な穴に塗料がほとんど押し込まれることとなる。因みに、この噴射塗装部32を構成する第1の処理空間内には、ALC板11の搬入口から塗料12が外部に漏れ出さないようにするためのシャッタ41が設けられている。

0044

噴射塗装部32においてその表面に塗料12の塊が高圧噴射によって吹き付けられたALC板11は、搬送ローラ72、73の回転によって第2の処理空間に送り込まれる。この第2の処理空間は、過剰分の塗料を空気吹付けによって除去する空気吹付室であって、ALC板11の表面に盛られた状態の塗料12にエアーを吹き付けることによって、ALC板11の表面から余分な塗料を削ぎ取るためのエアーブロー部33が設けられている。このエアーブロー部33に設けられたエアーカッタ65に対して、ブロアー部61からエアー分配室62を介してエアーが供給されるようになされており、当該供給されたエアーは、エアーカッタ65の一対のエアーブロー板65A及び65Bに供給され、それらの先端部からALC板11の塗料に対して高圧のエアーが吹き付けられる。

0045

このようにして、ALC板はエアーカッタ65によってエアーが吹き付けられながら搬送ローラ72、73の回転によって矢印a方向に送られることにより、その表面に盛られている塗料のうち、過剰な塗料が除去される。除去された塗料は、ALC板11の両側部から回収タンク46に流れ落ちる。回収タンク46に溜まった塗料12は、ポンプ74によって配管75に送られ、当該配管75の先に設けられているフィルターに供給される。

0046

図2は配管75(図1)の先に設けられているフィルタ90を示す断面図である。この図2に示されるように、フィルタ90は回収タンク46(図1)から排出された塗料12から不純物ALC粉等)を除去するためのものであり、筐体91内に、回収塗料を通過させて濾過するための金網92が設けられている。金網92を通った回収塗料は不純物が除去されてタンク96に溜められる。タンク96に溜められた濾過済みの塗料は、ポンプ97によって再び塗装装置10(図1)に戻され、図1について上述した場合と同様にして、噴射塗装部32においてALC板11に噴射塗装される。

0047

また、フィルタ90(図2)において回収塗料から除去されたALC粉等の不純物は、廃棄槽95に溜められる。このように、塗装装置10においては、エアーカッタ65で削ぎ落とされる等した余分な塗料が回収タンク46に回収された後、フィルタ90を介して再利用されることにより、塗料の使用効率が高くなるようになされている。

0048

図1に示される塗装装置10のエアーブロー部33において過剰な塗料が除去されたALC板11は、搬送ローラ72、73の回転によって第3の処理空間に送り込まれる。この第3の処理空間は、ALC板11の表面に塗着された塗料液膜表面を減圧させる処理空間であって、ALC板11の表面において塗料12が確実に入りきっていない気泡、つまり塗料液膜の形成によって、残留する気泡内に閉じ込められた空気のある状態の空気溜を膨張破裂させるための減圧室34である。ブロアー部61によってエアーを引き出すことにより、減圧室34の内部が大気圧よりも1.5KPa以上低い気圧を保つことにより、気泡内の空気溜の空気が膨張するようになされている。この時、エアーブロー部における過剰塗料の除去が少ないと気泡入口上の塗料液膜が厚くなり気泡内の空気の膨張によりはじけることができなくなり塗り残しが発生することとなる。

0049

減圧室34において塗装部分の気泡内の空気溜がはじけたALC板11は、搬送ローラ72、73の回転によって続く第4の処理空間に送られる。この第4の処理空間は、ALC11の表面に塗着された塗料液膜に空気を吹き付ける加圧室であって、気泡内の空気溜がはじけ入口の開いた気泡内部に塗料を、加圧されたエアーの流れによって流し込むための加圧室35が設けられている。この加圧室35には、ブロアー部61からエアー分配室62を介して加圧エアーが供給されるようになされている。このような加圧室35から隣接する減圧室34には図中矢印bで示すようなエアーの流れが発生しており、かかるエアーの流れの中をALC板11が送られることにより、その表面の塗装部分が滑らかに伸ばされるとともに気泡内部へも塗料が流れ込むこととなる。

0050

かくして、ALC板11の表面には、気泡内部まで塗装され、塗装されない箇所のないように塗料液膜20が形成されることとなる。

0051

因みに、図3図1について上述した塗装装置10の塗装処理手順を示すフローチャートである。この図2に示されるように、塗装装置10がステップA1から当該処理手順に入ると、塗装対象であるALC板11は、ステップA2に移る。

0052

ステップA2において、塗装装置10は、プレヒート部25によってALC板11を加熱した後、ステップA3に移る。ステップA3からは塗装部30における塗装工程に入り、当該ステップA3において塗装装置10は、噴射塗装部32によってALC板11の表面に塗料の塊を高圧噴射する。そしてステップA4に移って、エアーブロー部33においてエアカッタ65による余分な塗料の削ぎ取り処理を行い、塗料液膜20を形成する。さらにステップA5に移って、減圧室34によって、ALC板11の表面の塗料が確実に入りきっていない気泡つまり、塗料液膜20の形成によって残留する気泡内に閉じ込められた空気のある状態の、気泡内の空気溜を膨張させることによってはじけさせ、ステップA6に移る。

0053

ステップA6において、塗装装置10は気泡内で空気溜がはじけてピンホールが形成された状態のALC板11を加圧室35に送ることにより、ALC板11の表面に形成された塗料液膜20に空気を吹き付けて塗料液膜20の表面の塗料を気泡内に流し込み前記ピンホールを閉鎖し、かつ塗料液膜20を滑らかに伸ばす。かくして塗装装置10はステップA7において塗料液膜の乾燥及び冷却をしALC11に対する塗装工程を終了する。

0054

次に、図4(a)、(b)、(c)、(d)及び図5に於て、ALC板1の表面に設けられた気泡内に塗膜が形成される状態を工程順に説明する。即ち、ALC板11の表面には、図4(a)の加圧吹付室に於て、多量の塗料12が高圧吹付けによって肉厚に装着される(前記ステップA3)。その際に、塗料12はALC板11の表面に内在する気泡3内に、その入口より押し込められてその気泡3の奥に空気を閉じ込めて空気溜5を形成する。同図(b)の空気吹付室に於て、ノズルより高圧空気噴出されて、ALC板11の表面に装着された塗料12の内の余分なものが除去されてALC板11の表面には塗料液膜20が形成される(前記ステップA4)。

0055

続いて、図4(c)の減圧室に於て、ALC板11に塗着された塗料液膜20の表面が減圧されるので、前述のように気泡3内に閉じ込められていた空気溜5の空気は膨張して、気泡3内の入口に押し込められていた塗料よりなる塗料液膜20を破裂させて外方に放出される。その空気が放出された塗料液膜20の所定の部分にはピンホール4が形成される(前記ステップA5)。

0056

さらに図4(d)の加圧室に於て、ノズルより高圧空気をALC板11の表面の塗料液膜20に吹き付けることによって、前述のように気泡3内に閉じ込められていた空気が放出された後のピンホール4の周りの塗料液膜20の塗料の一部が、ピンホール4内に流入してピンホール4を閉鎖し、この部分に塗料による塗料液膜20を形成する。同時にこの空気の吹付けによって塗料液膜20の表面を滑らかに伸ばすことが出来る(前記ステップA6)。従って、本発明の方法を実施することによって、図4(d)及び図5に示す如く、気泡3の内部の奥部全面にも塗装されない個所のないように塗料液膜20を形成することが出来る。

0057

前述のように本発明の方法を実施して製造したALC板の表面を顕微鏡写真で撮影した状態が、図6(a)に示すものである。この写真でも明らかな如く、ALC板の表面に内在する多数の気泡内全面に塗料が充填されると共に、その気泡の内周壁に続く内壁にも塗料が深く浸透されていることが明らかである。

0058

図6(b)及び図7(a)、(b)は、それぞれALC板を縦方向に切断したものを撮影した顕微鏡写真であるが、この写真によってALC板の表面にある気泡の内周壁面全面に塗膜が形成されていることが明らかである。特に、ALC板の表面より離れた、即ちALC板の内部に存在する内側気泡に於ても、この内側気泡が表面側の気泡に連通している場合には、この内側気泡の内部全面にも塗料が侵入して塗膜が形成されていることが明らかである。

0059

前述の本発明に係る装置方法を実施するために使用される塗料について説明すると次の通りである。即ち、本実施の形態に用いる下塗り被覆組成物である水性塗料は、樹脂顔料=1/10〜6/10(固形分重量比)であり、塗装時における不揮発分が50%以上、#4フォードカップによる粘度が10〜50秒/25で、ラメラ長が3mm以下である下塗り被覆組成物である。そのためには(A)樹脂、(B)顔料及び(C)溶媒に分散するものであり、樹脂としてアクリルエマルション樹脂が好ましいものとして構成される。

0060

樹脂塗膜を形成する樹脂としては、例えばアクリル樹脂、シリコン変性アクリル樹脂等の水溶性、水分散エマルション)型の水性樹脂が挙げられ、特に、アクリル樹脂又はシリコン変性アクリル樹脂のエマルション樹脂が好ましく用いられる。ヒドラジド、グリシジルメタアクリレート、シラノール、オキサゾリン、酸化金属等の架橋材と混合して使用することも出来る。また、これらの樹脂は、1種に限らず2種以上を組み合わせて使用することが出来る。

0061

本実施の形態の下塗り被覆組成物は、ラメラ長が3mm以下であることが好ましい。ラメラ長とは、塗料等の液状膜における液切れの程度を示すもので、測定値が小さいほど塗料の液膜切れやすく、空気吹付けによる過剰塗料の除去がしやすい。ラメラ長が3mmを超えると、塗料の液膜の液切れが良くなく、空気吹付けによる過剰塗料の除去が困難となる傾向がある。より好ましくは、0.1〜2mmである。

0062

因みに、防水用塗料組成物としてアクリルエマルション系シーラー(オーデータイト155、日本ペイント社製)を用いて塗布量と透水量の対比を行った。本発明の方法により加圧吹付けシャワーとエアーナイフとを使用した場合(2回処理)、シーラーの塗布量が750〜850g/m2で透水量が2cc/24時間以下であった。一方、従来法である一般的なスプレーの2度塗りでは、シーラーの塗布量を2100g/m2にしても透水量が4cc/24時間以下になる程度であった。なお、透水量を測定する方法として、ロートを逆さにしてALC表面に立て、ロート円周部をシーラーで止め水を注入する方法を用いた。

0063

さらに本発明の塗装方法の動作について説明すると、次の通りである。即ち、上述のような機能、構成を有する本発明に係る塗装装置10においては、その塗装部30において、ALC板11の表面に高圧で叩き付けられた塗料のうち、余分な塗料をエアーカッタ65によって削ぎ落とす。ここにおいては、ALC板11の表面には塗料(被覆組成物)が本来有する防水性等の特性を発揮するために必要十分な厚みの塗料液膜20が確保される。これは、従来のように、塗装乾燥後に塗料液膜下にある気泡が破けて膜厚が薄くなったり、塗り残しが発生することに対応して余分な厚みを確保する場合に比べて、一段と薄い膜厚となっている。

0064

このような厚みで形成された塗料液膜は、その下に多孔質素材表面の気泡の内に塗料が完全に入っていない気泡が生じている状態となっているが、塗装装置10は、当該気泡が生じている塗料液膜を形成してなるALC板11を減圧室34に入れることにより、気泡3の内部の気圧が減圧室34の気圧よりも高くなって、気泡3内に閉じ込められている空気溜5の空気が膨張してはじけることとなる。

0065

このように空気溜5がはじけた塗料液膜20の表面は、はじけた部分においてピンホール4等の凹凸を有する状態となっているが、かかる塗膜は未だ硬化していない状態であり、このような状態において続く加圧室35に入ることにより、空気を吹き付けることによって加圧エアーの流れによって塗料液膜20の表面がならされ、気泡内に塗料が流れ込み、塗り残しのない塗料液膜20となる。かくして、ALC板11の表面にはその凹凸(微細な穴)に十分に行き渡った塗り残した気泡3がなくかつ必要十分な厚みの塗膜が形成されることとなる。

0066

なお上述の実施形態においては、減圧室34によって気泡3の空気溜5がはじけた状態で、当該塗料液膜20が形成されたALC板11を加圧室35に入れ、加圧室35から減圧室34に流れる空気によって塗料液膜20を伸ばすようにしたが、本発明はこれに限らず、例えば噴射ノズルを用いて塗料液膜20の表面に空気を吹き付けるようにしてもよく、要は、塗料液膜20の表面を空気の流れにさらすようにすればよい。

0067

また上述の実施形態においては、図2に示した構成のフィルタ90を用いて回収塗料を濾過する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、回収塗料を攪拌しながら濾過するフィルタや、濾過前に回収塗料に加水を行い濾過をしやすくするフィルタ等、他の種々の構成のフィルタを用いるようにしてもよい。

0068

また上述の実施形態においては、加圧室35から減圧室34にエアーの流れを生じさせて、塗料液膜20の表面を均一に伸ばすようにしたが、本発明はこれに限らず、加圧室35を設けることなく、減圧室34に対して外部空間からエアーが流れ込むようにすることによって、当該流れ込むエアーによって塗料の表面を伸ばすようにしてもよい。

発明の効果

0069

本発明の塗装方法に於ては、多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けするので、多孔質素材の表面に内在する気泡内にも塗料を押し込めて塗着して多孔質素材の表面全面に所定厚の塗料液膜を形成することが出来る効果を有している。また、多孔質素材の表面に所定厚の塗料液膜が形成された後で多孔質素材の塗料液膜表面を減圧するので、この該塗料液膜の形成によって閉じ込められていた気泡内の空気溜を膨張破裂させ、後になってピンホールの発生の大きな原因となる気泡内の空気を事前に放出して除去することが出来る効果を有している。

0070

前記多孔質素材の表面に塗料を加圧吹付けしてその表面に塗料を塗着した後で、表面に付着した過剰分の塗料を除去手段によって除去した場合には、多孔質素材の表面に形成される塗料の肉厚を一定に保つことが出来、しかも除去した塗料は再利用することが出来るので、極めて経済的である等の効果を有している。かつ、前記多孔質素材の塗料液膜表面の減圧によって塗料液膜の形成により閉じ込められた気泡内の空気溜を膨張破裂させた後で、塗料液膜の表面に空気を吹付けた場合には、塗料液膜を形成するまだ流動性を持った塗料液を気泡内全面に流入させて塗膜を形成し、気泡内に未塗装部分が設けられることを防止出来る効果を有している。

0071

本発明に係る塗装装置に於ては、塗料を該多孔質素材の表面に強く吹付けることが出来る加圧吹付装置を設けたので、この装置によって多孔質素材の表面に内在する気泡内に塗料を押し込めることが出来る。かつ、除去装置によって多孔質素材の表面に塗着された過剰な塗料を除去することが出来る効果を有している。また、減圧装置が設けられているので、この装置によって多孔質素材の塗料液膜表面を減圧させることによって、多数の気泡内に塗料液膜の形成により閉じ込められていた空気溜を膨張破裂させて気泡内から除去することが出来る効果も有している。

0072

さらに、前述の装置とは別に空気吹付装置が設けられているので、この装置で多孔質素材の表面に塗着された塗料液膜に空気を強く吹付けることによって、塗料液を前記多孔質素材の表面に内在する多数の気泡内に流入させて気泡内に塗膜を形成することが出来る効果も有している。

0073

本発明に係る防水性塗料は、多孔質素材の表面に加圧吹付けによって塗着された際に、多孔質素材の表面に内在する気泡内に容易に流入して塗料液膜を形成することが出来、かつ多孔質素材を減圧した際には気泡内の空気溜を簡単に膨張破裂させることも出来、さらに空気吹付装置で空気を強く吹き付けられた際には、塗料液膜の一部の塗料液が気泡内にスムーズに流入して気泡内全面を塗装することが出来る特性を有している。

0074

本発明に係る多孔質素材は、多数の気泡内に空気溜が存在しないので、後から気泡内の空気溜が膨張破裂して、気泡の入口に被覆されていた防水塗料膜の一部にピンホールが生ずる恐れがない。また、多数の気泡の内周面全面には所定厚の塗料膜が被覆されているので、気泡の内周壁面より雨水が多孔質素材内に浸み込む心配もない等の多大な効果を有している。

図面の簡単な説明

0075

図1本発明の塗装方法を実施するための装置の簡略説明図である。
図2図1の装置に取付けられるフィルタの断面図である。
図3本発明の方法を示すフローチャート図である。
図4図4(a)、(b)、(c)、(d)は夫々ALC板の表面の気泡内に塗膜が形成される工程を示す断面説明図である。
図5本発明のALC板の要部の断面拡大説明図である。
図6図6(a)は本発明のALC板の平面の顕微鏡写真図、図6(b)は同図の要部の縦断面の顕微鏡写真図である。
図7図7(a)、(b)は夫々図6(a)の要部の縦断面の顕微鏡写真図である。
図8従来例の塗装されたALC板の表面の縦断面拡大図である。
図9図9(a)は従来例の塗装されたALC板の表面の顕微鏡写真である。図9(b)は従来例の塗装されたALC板の表面側の縦断面の顕微鏡写真である。
図10従来例の塗装されたALC板であって、表面に多量の塗料が塗着された状態の縦断面拡大説明図である。

--

0076

1 …ALC板
2 …塗膜
3 …気泡
4 …ピンホール
5 …空気溜
10 …塗装装置
11 …ALC板
12 …塗料
20 …塗料液膜
22 …制御部
25 …プレヒート部
26 …センサ
30 …塗装部
32 …噴射塗装部
33 …エアーブロー部
34 …減圧室
35 …加圧室
41 …シャッタ
42 …隔壁
43 …隔壁
44 …隔壁
46 …回収タンク
51 …配管
52 …ポンプ
53 …液圧計
54 …噴射ノズル
61 …ブロアー部
62 …エアー分配室
65 …エアーカッタ
72 …搬送ローラ
73 …搬送ローラ
90 …フィルタ
91 …筐体
92 …金網
95 …廃棄槽
96 …タンク

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