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図面 (5)

課題

塗料回収効率が高く当該塗料を無駄なく利用でき、洗浄等によるライン停止がなく生産性の高い塗装機及び塗装材の製造方法を提供する。

解決手段

塗装機から回収された水性の残塗料に加水することによって当該残塗料の粘度を調整するとともに、残塗料を濾過しながら自動的に異物を除去・排出して再利用することにより、塗料の利用効率を高めることと生産性を高めることが可能となる。

概要

背景

従来、建物外壁としては、土等を塗った土壁等のように、建築現場施工する外壁が多かったが、最近では、外壁材工場等で生産し、この外壁材を建物の外壁部分に取り付けた外壁が、速く、均質に、しかも、見栄え良く施工できるという利点を有することから、広く普及するようになってきている。工場生産される外壁材としては、ALC(Autoclaved Light-weight Concrete)製の外壁材、プレキャストコンクリート製の外壁材、硬質木片セメント板製の外壁材等が多い。特に、ALC製の外壁材は、外観がプレキャストコンクリート製の外壁材に似ていて、しかも、軽く施工し易いので、多く生産されている。そして、住宅等の建物の外壁材としては、最近彫りの深い凹凸模様を設けたものが、外観が豪華であることから、施工主に好まれている。

このような外壁材では、通常、外観を良くしたり水分を吸収しないようにするために、表面に塗料が塗布される。従来から、このような外壁材の表面に塗料を塗布する塗装方法としては、刷毛塗り方法、スプレー塗装方法、ロールコーター法フローコーター法ディッピング方法等がある。

刷毛塗り方法は、塗料を付着させた刷毛で外壁材の表面を撫でて塗布する方法であり、最も原始的な方法である。この刷毛塗り方法は、少量生産の外壁材や外壁材の塗装面を修理する場合に適しているが、大量生産には適していない。

これに対して、スプレー塗装方法は、スプレー先端ノズルから塗料を吹き出させ、この吹き出た塗料を外壁材の表面に吹き付けて塗装する方法であり、エアスプレー方式とエアレススプレー方式とがある。エアスプレー方式は、スプレーガン先端のノズルに通ずる圧縮空気通路と、塗料溜からこの圧縮空気の通路に通ずる通路とから構成されているものであって、圧縮空気の通路を介してエアガンの先端のノズルに圧縮空気を通過させると、この圧縮空気の通路が減圧になり、この圧縮空気の通路に通ずる通路を通して塗料溜の塗料が吸い込まれ、この吸い込んだ塗料と空気とが一緒になってノズルから出て塗装する方法である。

また、エアレススプレー方式とは、塗料溜からスプレーガン先端のノズルに通ずる通路が設けられていて、塗料溜の中に圧縮空気を導入すると、この圧縮空気の圧力により塗料溜の塗料が通路に押し出され、スプレーガン先端のノズルから塗料が吹き出て塗装する方法である。このスプレー塗装方法は、塗料を外壁材の表面に吹き付けることができるので、彫りの深い外壁材でも塗装でき、様々な外壁材の塗装に採用されている。

更にエアレススプレー塗装した後に、空気噴流スリット状に出すエアーナイフ等で余分な塗料を削ぎ落とす方法や、スプレー塗装後減圧ブースを通し、次に加圧ブースで空気噴流をあてる方法等の組み合わせ塗装が採用されている。なお、上記余分な塗料は、削ぎ落とされた後に回収槽に落とされるようになされている。この余分な塗料は、その中に被塗装材の表面から欠落した異物等の混入があり、廃棄するか、又は回収するにしても塗料が付着したまま異物を除去していた。

概要

塗料の回収効率が高く当該塗料を無駄なく利用でき、洗浄等によるライン停止がなく生産性の高い塗装機及び塗装材の製造方法を提供する。

塗装機から回収された水性の残塗料に加水することによって当該残塗料の粘度を調整するとともに、残塗料を濾過しながら自動的に異物を除去・排出して再利用することにより、塗料の利用効率を高めることと生産性を高めることが可能となる。

目的

本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定した塗装が可能であり、塗料の回収効率が高く当該塗料を無駄なく利用可能であり、さらに自動的に異物を除去・排出する為、洗浄等によって製造ラインを止める必要がなく生産性を高くすることが可能な塗装機及び塗装材の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

塗装機において回収された水性の残塗料循環して再利用する塗料の循環装置であって、前記塗装機から回収された塗料を濾過することによって当該塗料から自動的に異物を除去、排出するための濾過装置と、前記濾過装置に備えられた、前記塗料を濾過するためのフィルタ及び異物に付着した塗料を水洗する加水手段と、を備え、前記加水手段による加水によって前記塗料の粘度を調整することを特徴とする塗料の循環装置。

請求項2

被塗装材の表面に、防水性塗膜を形成するための塗装機であって、前記被塗装材の表面に塗料を吹き付ける吹付け手段と、前記塗料が付着した被塗装材に空気を吹き付けることによって、前記被塗装材に付着した塗料のうち過剰分を除去する過剰塗料除去手段と、前記除去された過剰塗料を濾過することによって当該過剰塗料から自動的に異物を除去、排出するための濾過装置と、前記濾過装置に備えられた、前記過剰塗料を濾過するためのフィルタ及び異物に付着した塗料を水洗する加水手段と、を備え、前記加水手段によって前記塗料の粘度を調整し、それを再利用させることを特徴とする塗装機。

請求項3

多数の気泡内在する多孔質素材表面に、防水性塗膜を形成するための塗装機であって、前記多孔質素材の表面に塗料を吹き付けて前記多数の気泡内に塗料を押し込む加圧吹付け手段と、前記加圧吹付け手段によって前記多孔質素材に付着した塗料のうち、過剰分を除去する過剰塗料除去手段と、前記除去された過剰塗料を濾過することによって当該過剰塗料から自動的に異物を除去、排出するための濾過装置と、前記濾過装置に備えられた、前記過剰塗料を濾過するためのフィルタ及び異物に付着した塗料を水洗する加水手段と、を備え、前記加水手段によって前記塗料の粘度を調整し、それを再利用させることを特徴とする塗装機。

請求項4

被塗装材の表面に、防水性塗膜を形成する塗装材の製造方法であって、塗装機において回収された水性の残塗料に加水することで当該残塗料の粘度を調整し、当該粘度調整された残塗料を濾過してそれを再利用させることを特徴とする塗装材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば表面に凹凸のあるALC板等の材料表面に塗料を塗布する塗装機及び塗装材の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、建物外壁としては、土等を塗った土壁等のように、建築現場施工する外壁が多かったが、最近では、外壁材工場等で生産し、この外壁材を建物の外壁部分に取り付けた外壁が、速く、均質に、しかも、見栄え良く施工できるという利点を有することから、広く普及するようになってきている。工場生産される外壁材としては、ALC(Autoclaved Light-weight Concrete)製の外壁材、プレキャストコンクリート製の外壁材、硬質木片セメント板製の外壁材等が多い。特に、ALC製の外壁材は、外観がプレキャストコンクリート製の外壁材に似ていて、しかも、軽く施工し易いので、多く生産されている。そして、住宅等の建物の外壁材としては、最近彫りの深い凹凸模様を設けたものが、外観が豪華であることから、施工主に好まれている。

0003

このような外壁材では、通常、外観を良くしたり水分を吸収しないようにするために、表面に塗料が塗布される。従来から、このような外壁材の表面に塗料を塗布する塗装方法としては、刷毛塗り方法、スプレー塗装方法、ロールコーター法フローコーター法ディッピング方法等がある。

0004

刷毛塗り方法は、塗料を付着させた刷毛で外壁材の表面を撫でて塗布する方法であり、最も原始的な方法である。この刷毛塗り方法は、少量生産の外壁材や外壁材の塗装面を修理する場合に適しているが、大量生産には適していない。

0005

これに対して、スプレー塗装方法は、スプレー先端ノズルから塗料を吹き出させ、この吹き出た塗料を外壁材の表面に吹き付けて塗装する方法であり、エアスプレー方式とエアレススプレー方式とがある。エアスプレー方式は、スプレーガン先端のノズルに通ずる圧縮空気通路と、塗料溜からこの圧縮空気の通路に通ずる通路とから構成されているものであって、圧縮空気の通路を介してエアガンの先端のノズルに圧縮空気を通過させると、この圧縮空気の通路が減圧になり、この圧縮空気の通路に通ずる通路を通して塗料溜の塗料が吸い込まれ、この吸い込んだ塗料と空気とが一緒になってノズルから出て塗装する方法である。

0006

また、エアレススプレー方式とは、塗料溜からスプレーガン先端のノズルに通ずる通路が設けられていて、塗料溜の中に圧縮空気を導入すると、この圧縮空気の圧力により塗料溜の塗料が通路に押し出され、スプレーガン先端のノズルから塗料が吹き出て塗装する方法である。このスプレー塗装方法は、塗料を外壁材の表面に吹き付けることができるので、彫りの深い外壁材でも塗装でき、様々な外壁材の塗装に採用されている。

0007

更にエアレススプレー塗装した後に、空気噴流スリット状に出すエアーナイフ等で余分な塗料を削ぎ落とす方法や、スプレー塗装後減圧ブースを通し、次に加圧ブースで空気噴流をあてる方法等の組み合わせ塗装が採用されている。なお、上記余分な塗料は、削ぎ落とされた後に回収槽に落とされるようになされている。この余分な塗料は、その中に被塗装材の表面から欠落した異物等の混入があり、廃棄するか、又は回収するにしても塗料が付着したまま異物を除去していた。

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、かかる従来の塗装方法においては、塗装装置から回収された残塗料に多数の異物が混入し、この残塗料を再利用しようとしても、配管系や塗装装置の塗料塗布部に詰まりを生じさせたり粘度変動が生じて安定した塗装をすることが困難となる問題があった。また、回収するにしても異物に付着した塗料が多く塗料の回収率が極めて低かった。

0009

塗料塗装部のつまりは、スプレー塗装装置の場合においてはスプレーのノズル部で発生し、また、フローコーターの場合においてはスリット部で発生する。特にスプレー塗装においては、ノズルが詰まると被塗装材表面へ塗料を強く吹き付けることができなくなるため、ALC等の多孔質被塗装材では気泡内へ塗料を押し込むことが困難となる。従って従来の塗装装置では、配管系や塗装装置の塗料塗布部に詰まりが生じることに対応して、当該配管系や塗装装置を頻繁に洗浄する必要があり、塗料のロスや時間のロスが多かった。

0010

本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定した塗装が可能であり、塗料の回収効率が高く当該塗料を無駄なく利用可能であり、さらに自動的に異物を除去・排出する為、洗浄等によって製造ラインを止める必要がなく生産性を高くすることが可能な塗装機及び塗装材の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

以上のような課題を解決するために、本発明に係る塗装機及び塗装材の製造方法においては、回収された水性の残塗料に加水しながらこれを濾過し自動的に異物を除去・排出することにより、残塗料の粘度を調整し、これを効率良く再利用するとともに生産性を高めることを可能としている。

0012

より具体的には、本発明においては以下のようなものを提案する。

0013

(1)塗装機において回収された水性の残塗料を循環して再利用する塗料の循環装置であって、前記塗装機から回収された塗料を濾過することによって当該塗料から自動的に異物を除去、排出するための濾過装置と、前記濾過装置に備えられた、前記塗料を濾過するためのフィルタ及び異物に付着した塗料を水洗する加水手段と、を備え、前記加水手段による加水によって前記塗料の粘度を調整することを特徴とする塗料の循環装置。

0014

(2)被塗装材の表面に、防水性塗膜を形成するための塗装機であって、前記被塗装材の表面に塗料を吹き付ける吹付け手段と、前記塗料が付着した被塗装材に空気を吹き付けることによって、前記被塗装材に付着した塗料のうち過剰分を除去する過剰塗料除去手段と、前記除去された過剰塗料を濾過することによって当該過剰塗料から自動的に異物を除去、排出するための濾過装置と、前記濾過装置に備えられた、前記塗料を濾過するためのフィルタ及び異物に付着した塗料を水洗する加水手段と、を備え、前記加水手段によって前記塗料の粘度を調整し、それを再利用させることを特徴とする塗装機。

0015

(3) 多数の気泡が内在する多孔質素材表面に、防水性塗膜を形成するための塗装機であって、前記多孔質素材の表面に塗料を吹き付けて前記多数の気泡内に塗料を押し込む加圧吹付け手段と、前記加圧吹付け手段によって前記多孔質素材に付着した塗料のうち、過剰分を除去する過剰塗料除去手段と、前記除去された過剰塗料を濾過することによって当該過剰塗料から自動的に異物を除去、排出するための濾過装置と、前記濾過装置に備えられた、前記塗料を濾過するためのフィルタ及び異物に付着した塗料を水洗する加水手段と、を備え、前記加水手段によって前記塗料の粘度を調整し、それを再利用させることを特徴とする塗装機。

0016

「多孔質被塗装物」というのは、ALC板等の被塗装物内部に気泡を有するものを意味する。この場合、その形状は板形状に限るものではない。また、「過剰塗料除去手段」としては、エアーナイフを好ましく用いることができるが、その他、刷毛等も適用することができる。

0017

(4)被塗装材の表面に、防水性塗膜を形成する塗装材の製造方法であって、塗装機において回収された水性の残塗料に加水することで当該残塗料の粘度を調整し、当該粘度調整された残塗料を濾過してそれを再利用させることを特徴とする塗装材の製造方法。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、本発明に係る塗装装置及び塗装方法について図面を参照しながら説明する。

0019

[装置の構成]図1は、本発明に係る濾過装置1の全体構成を示す断面図である。この図1に示されるように、濾過装置1には、塗装装置(後述する)において残塗料として回収された回収塗料が配管75を介して供給される。この濾過装置1は塗装装置(後述する)の回収タンクから排出された塗料12から不純物ALC粉等)を除去及び排出するためのものであり、略密閉された筐体1Aの内側において、回収塗料を通過させて濾過するためのフィルタ2が筐体1Aの内壁に固定されている。なお、濾過装置1の回収塗料経路は、均圧を保てる範囲で略密閉系とし、塗料中水分蒸発を防止している。

0020

濾過装置1の筐体1Aはその全体が振動発生部6によって振動するようになされている。すなわち、振動発生部6においては、固定筐体7にバネ9を介して振動筐体8が振動自在に支持されている。この振動筐体8にはモータ6Aが固定されており、当該モータ6Aの回転軸6Bには振動発生用の互いに重さの異なるウエイト6C及び6Dが固定されている。従ってモータ6Aによって回転軸6Bを回転させることにより、当該回転軸6Bの回転に伴ってウエイト6C及び6Dが回転する。この場合、ウエイト6C及び6Dは回転軸6Bに対して偏心して取り付けられていることにより、その回転によって振動筐体8に振動が発生することとなる。また、ウエイト6C及び6Dはその重さが互いに異なることにより、当該ウエイト6C及び6Dの回転によって発生する振動は、1方向の単純な振動とはならず、種々の方向への振動成分が含まれることとなる。このようにして発生した振動は、振動筐体8に固定されている濾過装置1の筐体1Aを介してフィルタ2に伝わり、当該振動するフィルタ2によって回収塗料が濾過されるとともに、当該塗料の中に含まれている異物(ALC粉等)がふるいにかけられる。

0021

このようにしてフィルタ2を通った回収塗料は不純物が除去されてタンク1Cに溜められる。タンク1Cに溜められた濾過済みの塗料は、塗装装置(後述する)のポンプによって再び当該塗装装置に戻されるとともに、新しい塗料と混合調製され、塗装装置において再利用される。また、フィルタ2において回収塗料から除去されたALC粉等の不純物は、フィルタ2の振動によってフィルタ2上から廃棄槽1Bに移動し、ここに溜められる。

0022

ここで、濾過装置1の筐体1Aの内側には、フィルタ2に水を散布するようになされた水洗手段3が設けられている。この水洗手段3は、ポンプ4によって配管3Aに水を供給し、当該配管3Aに設けられた複数の噴射ノズル3Bからフィルタ2上に水を散布するようになされている。ポンプ4は塗装装置(後述する)における被塗装板としてのALC板を検出するためのセンサからの検出信号に基づいて動作するタイマ5によって水の供給及び供給停止を制御する。この実施の形態の場合、タイマ5はセンサがALC板の搬入を検出するとポンプ4を供給状態に制御した後、予め設定された時間が経過すると水の供給を停止するようにポンプ4を制御する。タイマ5の設定時間は、例えば環境温度によって変更することにより、塗料が固まり易い低温環境下では水の供給時間を長くする等、回収塗料の粘度調整を環境温度に応じて行ない、フィルタ2の目詰まりを有効に防止することが可能となっている。このように、フィルタ2上に散布される水の量を調整することにより、回収塗料の粘度調整が容易となり、これにより、フィルタ2の目詰まりを防止することが可能となる。さらに回収塗料内のALC粉等異物に塗料が付着し難くなる程度の粘度とすることで、フィルタ2において回収塗料からALC粉等異物を分離させ易くすることも可能となる。

0023

このように、塗装装置において、回収された余分な塗料が、濾過装置1を介して再利用されることにより、塗料の使用効率が高くなる。図2は、濾過装置1を用いた塗料の回収工程を示すフローチャートである。この図2に示されるように、ALC板が塗装装置(後述する)に搬入されると、当該塗装装置はステップA1から当該処理手順入り、続くステップA2おいてALC板への塗装が行なわれる。そして、ステップA3において、塗装装置の回収タンクに残塗料が回収され、当該回収された塗料が濾過装置1に送られる。濾過装置1に送られた回収塗料には、ステップA4において、水洗手段3による加水が行なわれながら、ステップA5においてALC粉が分離される。このように、加水工程が入ることによって、回収塗料の粘度調整が可能となっている。ステップA5におけるALC粉等異物の分離処理の後、ステップA6に移って、濾過済の塗料が塗装装置に戻され、新たな塗料が加えられた後再び塗装工程に戻る。このような塗料の回収及び循環工程によって塗料の利用効率の向上が図られる。なお、加水工程A4は分離工程A5以前、例えば回収工程A3において回収しながらの加水であっても回収効率の向上を図ることができる。

0024

図3は、本発明に係る塗装装置10(多孔質素材用塗装機)の全体構成を示す断面図である。この図3に示されるように、塗装装置10は、塗装対象であるALC板11(多孔質被塗装物)に対して、当該ALC板11を余熱するプレヒート部25及び当該余熱されたALC板11の表面に塗料(例えば下塗り被覆組成物)を塗布する塗装部30とを有する。

0025

搬送ローラ72及び73に載せられたALC板11は、搬送ローラ72および73の回転によって図中矢印a方向に送られ、これにより塗装部30による各処理がALC板11に対して順次施されるようになされている。

0026

この塗装装置10には制御部22が設けられており、制御部22は入力されたコマンドに従って塗装装置10の各部を制御する。

0027

ALC板11はプレヒート部25において所定温度に加熱され、塗装部30に送られる。塗装部30のALC板11の搬入口近傍には、ALC板11の有無を検出するためのセンサ26が設けられている。このセンサ26は、レーザ光をALC板11の搬入経路照射してその反射光の強度に基づいてALC板11の有無を検出するもの等を用いることが可能である。

0028

制御部22はセンサ26の検出結果を常時監視しており、ALC板11が搬入されたことを検出すると、塗装部30の各部を動作させることにより、当該搬入されたALC板11に対する塗装処理を塗装部30に実行させるようになされている。

0029

塗装部30は、筐体31によってその内部の塗装処理空間が外部空間から遮蔽されている。この塗装処理空間は隔壁42、43及び44によって4つの処理空間に分けられている。これら4つの処理空間のうち、ALC板11の搬入口側に設けられている第1の処理空間は、ALC板11の表面に対して塗料(被覆組成物)12を高圧で叩き付けるための塗料吹き付け部32であり、ポンプ52から配管51を介して塗料12が噴射ノズル54に供給される。このとき塗料12は、液圧計53によってその圧力が制御されながら、ALC板11の表面に対する塗装打力が2g/cm2以上(好ましくは10 g/cm2以上)となるような圧力でALC板11の表面に吹き付けられる。この結果、ALC板11の表面の微細な穴に塗料がほとんど押し込まれることとなる。因みに、この塗料吹き付け部32を構成する第1の処理空間内には、ALC板11の搬入口から塗料12が外部に漏れ出さないようにするためのシャッタ41が設けられている。

0030

塗料吹き付け部32においてその表面に塗料12が高圧噴射によって吹き付けられたALC板11は、搬送ローラ72、73の回転によって第2の処理空間に送り込まれる。この第2の処理空間は、ALC板11の表面に盛られた状態の塗料12にエアーを吹き付けることによって、ALC板11の表面から余分な塗料を削ぎ取るためのエアーブロー部33であり、このエアーブロー部33に設けられたエアーナイフ65に対して、ブロアー部61からエアー分配室62を介してエアーが供給されるようになされており、当該供給されたエアーは、エアーナイフ65の一対のエアーブロー板65A及び65Bに供給され、それらの先端部からALC板11の塗料に対して吹き付けられる。

0031

このようにして、ALC板はエアーナイフ65によってエアーが吹き付けられながら搬送ローラ72、73の回転によって矢印a方向に送られることにより、その表面に盛られている塗料のうち、過剰な塗料が除去される。除去された塗料は、ALC板11の両側部から回収タンク46に流れ落ちる。回収タンク46に溜まった塗料12は、ポンプ74によって配管75に送られ、当該配管75の先に設けられている濾過装置1(図1)に供給される。

0032

エアーブロー部33において過剰な塗料が除去されたALC板11は、搬送ローラ72、73の回転によって第3の処理空間に送り込まれる。この第3の処理空間は、ALC板11の表面において塗料12が確実に入りきっていない気泡つまり、塗料液膜の形成によって、残留する気泡内に閉じ込められた空気のある状態の空気を膨張破裂させるための減圧室34であり、ブロアー部61によってエアーを引き出すことにより、減圧室34の内部が大気圧よりも1.5KPa以上低い気圧を保つことにより気泡内の空気が膨張するようになされている。この時、エアーブロー部における過剰塗料の除去が少ないと気泡入口上の塗料液膜が厚くなり気泡内の空気の膨張によりはじけることができなくなり塗り残しが発生することとなる。

0033

減圧室34において塗装部分の気泡内の空気がはじけたALC板11は、搬送ローラ72、73の回転によって続く第4の処理空間に送られる。この第4の処理空間は、気泡内の空気がはじけ入口の開いた気泡内部に塗料を、加圧されたエアーの流れによって流し込むための加圧室35であり、この加圧室35には、ブロアー部61からエアー分配室62を介して加圧エアーが供給されるようになされている。このような加圧室35から隣接する減圧室34には図中矢印bで示すようなエアーの流れが発生しており、かかるエアーの流れの中をALC板11が送られることにより、その表面の塗装部分が滑らかに伸ばされるとともに気泡内部へも塗料が流れ込むこととなる。

0034

かくして、ALC板11の表面には、気泡内部まで塗装され、塗装されない箇所のない塗料液膜20が形成されることとなる。

0035

因みに、図4図3について上述した塗装装置10の塗装処理手順を示すフローチャートである。この図4に示されるように、塗装装置10がステップA11から当該処理手順に入ると、塗装対象であるALC板11は、ステップA12に移る。

0036

ステップA12において、塗装装置10は、プレヒート部25によってALC板11を加熱した後、ステップA13に移る。ステップA13からは塗装部30における塗装工程に入り、当該ステップA13において塗装装置10は、塗料吹き付け部32によってALC板11の表面に塗料を高圧噴射する。そしてステップA14に移って、エアーブロー部33においてエアーナイフ65による余分な塗料の削ぎ取り処理を行い、さらにステップA15に移って、減圧室34によって、ALC板11の表面の塗料が確実に入りきっていない気泡つまり、塗料液膜の形成によって残留する気泡内に閉じ込められた空気のある状態の、気泡内の空気を膨張させることによってはじけさせ、ステップA16に移る。ステップA16において、塗装装置10は気泡上の塗料液膜がはじけた状態のALC板11を加圧室35に送ることにより塗料を気泡内に流し込みさらに塗料液膜を滑らかに伸ばす。かくして塗装装置10はステップA17において塗料液膜の乾燥及び冷却を行いALC11に対する塗装工程を終了する。

0037

[塗料]本実施の形態に用いる下塗り被覆組成物である水性塗料は、樹脂顔料=1/10〜6/10(固形分重量比)であり、塗装時における不揮発分が50%以上、#4フォードカップによる粘度が10〜50秒/25℃で、ラメラ長が3mm以下である下塗り被覆組成物である。

0038

樹脂塗膜を形成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂シリコン変性アクリル樹脂等の水溶性水分散エマルション)型の水性樹脂が挙げられ、特に、アクリル樹脂又はシリコン変性アクリル樹脂のエマルション樹脂が好ましく用いられる。またヒドラジドグリシジルメタクリレートシラノールオキサゾリン酸化金属等の架橋剤と混合して使用することもできる。また、これらの樹脂は、1種に限らず2種以上を組み合わせて使用することができる。

0039

本実施の形態の下塗り被覆組成物は、ラメラ長が3mm以下であることが好ましい。ラメラ長とは、塗料等の液状膜における液切れの程度を示すもので、測定値が小さいほど塗料の液膜切れやすく、空気吹付けによる過剰塗料の除去がしやすい。ラメラ長が3mmを超えると、塗料の液膜の液切れが悪くなり、空気吹付けによる過剰塗料の除去が困難となる傾向がある。より好ましくは、0.1〜2mmである。

0040

因みに、防水用塗料組成物としてアクリルエマルション系シーラー(オーデタイト155、日本ペイント社製)を用いて塗布量と製造した防水処理ALC板の透水量を対比した。本発明の方法により加圧吹付けシャワーとエアーナイフとを使用した場合(2回処理)、シーラーの塗布量が750〜850g/m2で透水量が24時間当たり2cc以下であった。一方、従来法である一般的なスプレーの2度塗りでは、シーラーの塗布量を2100g/m2にしても透水量が4cc/24(hr)以下になる程度であった。なお、透水量を測定する方法として、開孔部の直径75mmのロートを逆さにしてALC表面に立て、ロート円周部をシーラーで止め水を注入する方法を用いた。

0041

[動作]上述のような機能、構成を有する本発明に係る塗装装置10においては、その回収及び循環システムによって残塗料の循環及び再利用が行なわれる。この場合、回収された回収塗料は濾過装置1に送られて、その中に含まれるALC粉等が濾過される。この濾過処理において、濾過装置1は略密閉構造となっていることにより、濾過される回収塗料の乾燥が防止される。密閉された濾過装置1の内側において、濾過される回収塗料には、水洗手段3によって水が加えられることにより、当該回収塗料の粘度が調整される。このとき加えられた水は、回収塗料の粘度調整に加えて、フィルタ2の洗浄を行なうことにもなり、粘度調整された回収塗料と、フィルタの洗浄とによって当該フィルタ2における濾過速度を高くすることが可能となる。また、回収塗料の粘度が調整されることにより、その中に含まれるALC粉等異物に塗料が付着し難くなり、濾過処理においてALC粉等異物を回収塗料から確実に分離させることが可能となる。かくして、塗料の回収効率は当該濾過装置がない時の40%以下が設置したことで60%以上に向上するとともに、ALC板11を塗装してなる塗装板の生産性も2倍以上に向上した。

0042

また、塗装装置10において再利用される塗料は、濾過装置1においてその粘度が調整されていることにより、塗装装置10の噴射ノズル54の目詰まりを回避することが可能となる。これにより、噴射ノズル54の詰まりによるALC板11への塗料12の塗装打力の低下を未然に防止し得ることとなって、ALC板11への塗料液膜の形成を均一かつ確実に行なうことができる。

0043

[他の実施形態]なお上述の実施形態においては、濾過装置1において複数の噴射ノズル3Bによってフィルタ2に直接水を散布する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、配管75の一部から水を回収塗料に加えるようにしてもよい。

0044

また上述の実施形態においては、図1に示した構成の濾過装置1を用いて回収塗料を濾過する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は振動を加えて回収塗料を濾過する構成のものであれば他のものを適用することが可能である。

発明の効果

0045

以上説明したように、本発明に係る塗装機及び塗装材の製造方法は、塗装機から回収された水性の残塗料に加水することによって当該残塗料の粘度を調整するとともに、好ましくは、当該粘度調整しながら残塗料を濾過するとともに自動的に異物を除去・排出して再利用することにより、塗料の利用効率を高めるとともに生産性を高めることが可能となる。

図面の簡単な説明

0046

図1本発明に係る回収塗料濾過用の濾過装置の構成を示す断面図である。
図2本発明に係る塗料の循環工程を示すフローチャートである。
図3本発明に係る塗装装置の全体構成を示す略線的断面図である。
図4本発明に係る塗装方法を示すフローチャートである。

--

0047

1濾過装置
1A筐体
1B廃棄タンク
2フィルタ
3水洗手段
3B噴射ノズル
5タイマ
6振動発生部
6Aモータ
6C、6Dウエイト
7固定筐体
8振動筐体
9バネ
10塗装装置
11ALC板
12塗料
20塗料液膜
22 制御部
25プレヒート部
26距離センサ
31 筐体
30塗装部
32 塗料吹き付け部
33エアーブロー部
34減圧室
35加圧室
65エアーナイフ
46 回収槽

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