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技術 サルモネラ検出のためのオリゴヌクレオチド及び検出法

出願人 東ソー株式会社
発明者 横山昭裕石黒敬彦
出願日 2002年1月17日 (18年10ヶ月経過) 出願番号 2002-008906
公開日 2002年10月2日 (18年1ヶ月経過) 公開番号 2002-281972
状態 拒絶査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード フリー領域 容量調整用 SR法 切断実験 増菌培地 増幅部分 蛍光プロファイル サルモネラ属菌
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

サルモネラ毒素遺伝子mRNA分子内構造フリーな領域に対して相補結合可能なオリゴヌクレオチド等を提供する。

解決手段

サルモネラ毒素遺伝子invAmRNA及びstn mRNAを検出するためのオリゴヌクレオチドで、比較的低温(たとえば41℃)一定温度で、invA mRNA又はstn mRNAに特異的に結合するオリゴヌクレオチドと、それらを用いたサルモネラ毒素遺伝子invA mRNA又はstnmRNAの増幅工程並びに検出方法

概要

背景

臨床検査公衆衛生食品検査、そして食中毒検査において、サルモネラ属菌の検出・同定には、従来、食品や患者糞便培地直接塗布して培養するか、増菌培地によって培養した後、分離培地にて培養する法が用いられている。

このような培養法では、18時間以上の培養時間を要するため迅速性に欠ける。迅速な検出を実現するため、近年では、PCR法をはじめとする遺伝子増幅法による検出方法が開発されたが、DNAを検出対象とする場合、殺菌後の食品等に含まれる死菌のDNAが増幅され、陽性と判定されてしまう可能性がある。またPCR法において一般的に行われる増幅後の電気泳動による検出では、増幅産物飛散により陰性サンプル汚染され、擬陽性を生じる恐れがある。

RNAは死菌に存在することが希であるため、これを利用して、逆転写反応によってRNAをDNAに予め変換した後、PCR法を行う方法(RT−PCR法)によってRNAを検出することも行われている。しかしながら、元来存在するDNAもRNAと共に増幅されてしまうため、前記同様に死菌のDNAが増幅され、陽性と判定されてしまう可能性がある。これを避けるためには、元来存在するDNAを除去する操作が必要となり、結局は操作が煩雑となって迅速性に欠けてしまう。

逆転写酵素及びRNAポリレースによってRNAの特定配列を増幅するNASBA法や3SR法等が知られている(例えばNASBA法は特許第2650159号公報を、3SR法は欧州公開特許第373960号公報を参照)。この方法は、特定配列を鋳型とし、プロモーター配列を含むプライマー、逆転写酵素、及びリボクレエースHにより、プロモーター配列を含む2本鎖DNAを合成し、該2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメレースにより、特定配列を含むRNAを合成し、該RNAが引き続き前記同様のプロモーター配列を含む2本鎖DNA合成の鋳型となる連鎖反応を行うものである。このNASBA法や3SR法等は一定温度で特定配列のみを増幅することが可能で、しかも一定温度で増幅が可能であるために自動化に適した方法と考えられる。

概要

サルモネラ毒素遺伝子mRNA分子内構造フリーな領域に対して相補結合可能なオリゴヌクレオチド等を提供する。

サルモネラ毒素遺伝子invAmRNA及びstn mRNAを検出するためのオリゴヌクレオチドで、比較的低温(たとえば41℃)一定温度で、invA mRNA又はstn mRNAに特異的に結合するオリゴヌクレオチドと、それらを用いたサルモネラ毒素遺伝子invA mRNA又はstnmRNAの増幅工程並びに検出方法。

目的

そこで本願発明の目的は、サルモネラ毒素遺伝子mRNAの分子内構造フリーな領域に対して相補結合可能なオリゴヌクレオチドを提供することを目的とする。即ち、比較的低温(35℃〜50℃)で、その分子内構造フリー領域に対して結合可能な、サルモネラ毒素遺伝子mRNAを増幅・検出するためのオリゴヌクレオチドを提供するとともに、かかるオリゴヌクレオチドを使用して標的RNAの特定配列を増幅することによる、簡便、迅速かつ高感度な臨床検査、食品検査、食中毒検査等のための検出方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

サルモネラ毒素遺伝子invAmRNAを検出するためのオリゴヌクレオチドであって、サルモネラ遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能である配列番号1から12に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなるオリゴヌクレオチド。

請求項2

サルモネラ毒素遺伝子stnmRNAを検出するためのオリゴヌクレオチドであって、サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能である配列番号13から18に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなるオリゴヌクレオチド。

請求項3

試料中に存在するサルモネラ遺伝子invAmRNAの特定配列鋳型として、RNA依存性DNAポリメレースによりcDNAを合成し、リボクレエースHによってRNA・DNAハイブリッド中のRNAを分解して1本鎖DNAを生成し、該1本鎖DNAを鋳型としてDNA依存性DNAポリメレースにより、前記特定配列又は前記特定配列に相補的な配列からなるRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成し、そして該2本鎖DNAがRNAポリレース存在下でRNA転写産物を生成し、該RNA転写産物が引き続き前記RNA依存性DNAポリメレースによるcDNA合成の鋳型となるようなRNA増幅工程において、サルモネラ遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能である配列番号1から12に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなる第一のオリゴヌクレオチドと、配列番号19から23に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなる、増幅されるサルモネラ遺伝子invAmRNA配列の一部と相同な配列を有する第二のオリゴヌクレオチド(ここで第一又は第二のオリゴヌクレオチドのいずれか一方は、その5’側にRNAポリメレースのプロモーター配列含む)を用いることを特徴とする、サルモネラ遺伝子invA mRNAの増幅工程。

請求項4

試料中に存在するサルモネラ遺伝子stnmRNAの特定配列を鋳型として、RNA依存性DNAポリメレースによりcDNAを合成し、リボヌクレエースHによってRNA・DNAハイブリッド中のRNAを分解して1本鎖DNAを生成し、該1本鎖DNAを鋳型としてDNA依存性DNAポリメレースにより、前記特定配列又は前記特定配列に相補的な配列からなるRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成し、そして該2本鎖DNAがRNAポリメレース存在下でRNA転写産物を生成し、該RNA転写産物が引き続き前記RNA依存性DNAポリメレースによるcDNA合成の鋳型となるようなRNA増幅工程において、サルモネラ遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能である配列番号13から18に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなる第一のオリゴヌクレオチドと、配列番号24から27に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなる、増幅されるサルモネラ遺伝子stnmRNA配列の一部と相同な配列を有する第二のオリゴヌクレオチド(ここで第一又は第二のオリゴヌクレオチドのいずれか一方は、その5’側にRNAポリメレースのプロモーター配列含む)を用いることを特徴とする、サルモネラ遺伝子stn mRNAの増幅工程。

請求項5

請求項3又は4に記載の増幅工程において、該増幅工程を増幅により生じるRNA転写産物と特異的に結合可能であり、かつ、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブ存在下で実施し、反応液蛍光特性の変化を測定することを特徴とする検出方法(ただし該標識されたオリゴヌクレオチドは、前記第一のオリゴヌクレオチド及び第二のオリゴヌクレオチドとは異なる配列である)。

請求項6

前記プローブが、RNA転写産物の少なくとも一部の配列と相補結合するように設計され、複合体を形成していない場合と比較して蛍光特性が変化するものであることを特徴とする請求項5に記載の検出方法。

請求項7

前記invAmRNA検出プローブが、配列番号28に示した配列又はその相補配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなることを特徴とする請求項6に記載の検出方法。

請求項8

前記stnmRNA検出プローブが、配列番号29に示した配列又はその相補配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなることを特徴とする請求項6に記載の検出方法。

技術分野

agcgtagagg caaaagaaag tgggac 26

背景技術

0001

本願発明は、一般に食中毒原因菌として知られているサルモネラ属菌の、毒素遺伝子invA又はstn のmRNA(以下、本願明細書では標的RNAと称することがある)検出用オリゴヌクレオチドとそれを用いた検出法に関するものである。

0002

臨床検査公衆衛生食品検査、そして食中毒検査において、サルモネラ属菌の検出・同定には、従来、食品や患者糞便培地直接塗布して培養するか、増菌培地によって培養した後、分離培地にて培養する法が用いられている。

0003

このような培養法では、18時間以上の培養時間を要するため迅速性に欠ける。迅速な検出を実現するため、近年では、PCR法をはじめとする遺伝子増幅法による検出方法が開発されたが、DNAを検出対象とする場合、殺菌後の食品等に含まれる死菌のDNAが増幅され、陽性と判定されてしまう可能性がある。またPCR法において一般的に行われる増幅後の電気泳動による検出では、増幅産物飛散により陰性サンプル汚染され、擬陽性を生じる恐れがある。

0004

RNAは死菌に存在することが希であるため、これを利用して、逆転写反応によってRNAをDNAに予め変換した後、PCR法を行う方法(RT−PCR法)によってRNAを検出することも行われている。しかしながら、元来存在するDNAもRNAと共に増幅されてしまうため、前記同様に死菌のDNAが増幅され、陽性と判定されてしまう可能性がある。これを避けるためには、元来存在するDNAを除去する操作が必要となり、結局は操作が煩雑となって迅速性に欠けてしまう。

発明が解決しようとする課題

0005

逆転写酵素及びRNAポリレースによってRNAの特定配列を増幅するNASBA法や3SR法等が知られている(例えばNASBA法は特許第2650159号公報を、3SR法は欧州公開特許第373960号公報を参照)。この方法は、特定配列を鋳型とし、プロモーター配列を含むプライマー、逆転写酵素、及びリボクレエースHにより、プロモーター配列を含む2本鎖DNAを合成し、該2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメレースにより、特定配列を含むRNAを合成し、該RNAが引き続き前記同様のプロモーター配列を含む2本鎖DNA合成の鋳型となる連鎖反応を行うものである。このNASBA法や3SR法等は一定温度で特定配列のみを増幅することが可能で、しかも一定温度で増幅が可能であるために自動化に適した方法と考えられる。

0006

上記したNASBA法や3SR法等のRNAの増幅法は、比較的低温(例えば41℃)で増幅反応を行うために、RNAが分子内構造を形成してプライマーの結合を阻害し、反応効率を低下させる可能性がある。従って、増幅反応の前にRNAを熱変性(例えば65℃での熱変性)させてその分子内構造を壊し、プライマーの結合効率を向上させるための操作が必要となるために、その結果として簡便性及び迅速性が損なわれるという課題がある。また、増幅反応後の検出において電気泳動法を用いるのであれば、前述したような増幅産物の飛散による擬陽性の問題が避けられないという課題もある。

課題を解決するための手段

0007

そこで本願発明の目的は、サルモネラ毒素遺伝子mRNAの分子内構造フリーな領域に対して相補結合可能なオリゴヌクレオチドを提供することを目的とする。即ち、比較的低温(35℃〜50℃)で、その分子内構造フリー領域に対して結合可能な、サルモネラ毒素遺伝子mRNAを増幅・検出するためのオリゴヌクレオチドを提供するとともに、かかるオリゴヌクレオチドを使用して標的RNAの特定配列を増幅することによる、簡便、迅速かつ高感度な臨床検査、食品検査、食中毒検査等のための検出方法を提供することにある。

0008

前記目的を達成するために成された本願請求項1の発明は、サルモネラ毒素遺伝子invAmRNAを検出するためのオリゴヌクレオチドであって、サルモネラ遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能である配列番号1から12に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなるオリゴヌクレオチドである。

0009

また前記目的を達成するために成された本願請求項2の発明は、サルモネラ毒素遺伝子stnmRNAを検出するためのオリゴヌクレオチドであって、サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能である配列番号13から18に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなるオリゴヌクレオチドである。

0010

また前記目的を達成するために成された本願請求項3の発明は、試料中に存在するサルモネラ遺伝子invAmRNAの特定配列を鋳型として、RNA依存性DNAポリメレースによりcDNAを合成し、リボヌクレエースHによってRNA・DNAハイブリッド中のRNAを分解して1本鎖DNAを生成し、該1本鎖DNAを鋳型としてDNA依存性DNAポリメレースにより、前記特定配列又は前記特定配列に相補的な配列からなるRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成し、そして該2本鎖DNAがRNAポリメレース存在下でRNA転写産物を生成し、該RNA転写産物が引き続き前記RNA依存性DNAポリメレースによるcDNA合成の鋳型となるようなRNA増幅工程において、サルモネラ遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能である配列番号1から12に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなる第一のオリゴヌクレオチドと、配列番号19から23に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなる、増幅されるサルモネラ遺伝子invAmRNA配列の一部と相同な配列を有する第二のオリゴヌクレオチド(ここで第一又は第二のオリゴヌクレオチドのいずれか一方は、その5’側にRNAポリメレースのプロモーター配列含む)を用いることを特徴とする、サルモネラ遺伝子invA mRNAの増幅工程である。

0011

また前記目的を達成するために成された本願請求項4の発明は、試料中に存在するサルモネラ遺伝子stnmRNAの特定配列を鋳型として、RNA依存性DNAポリメレースによりcDNAを合成し、リボヌクレエースHによってRNA・DNAハイブリッド中のRNAを分解して1本鎖DNAを生成し、該1本鎖DNAを鋳型としてDNA依存性DNAポリメレースにより、前記特定配列又は前記特定配列に相補的な配列からなるRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成し、そして該2本鎖DNAがRNAポリメレース存在下でRNA転写産物を生成し、該RNA転写産物が引き続き前記RNA依存性DNAポリメレースによるcDNA合成の鋳型となるようなRNA増幅工程において、サルモネラ遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能である配列番号13から18に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなる第一のオリゴヌクレオチドと、配列番号24から27に示したいずれかの配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなる、増幅されるサルモネラ遺伝子stnmRNA配列の一部と相同な配列を有する第二のオリゴヌクレオチド(ここで第一又は第二のオリゴヌクレオチドのいずれか一方は、その5’側にRNAポリメレースのプロモーター配列含む)を用いることを特徴とする、サルモネラ遺伝子stn mRNAの増幅工程である。

0012

本願請求項5の発明は、前記請求項3又は4の増幅工程において、該増幅工程を増幅により生じるRNA転写産物と特異的に結合可能であり、かつ、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブ存在下で実施し、反応液蛍光特性の変化を測定することを特徴とする検出方法(ただし該標識されたオリゴヌクレオチドは、前記第一のオリゴヌクレオチド及び第二のオリゴヌクレオチドとは異なる配列である)である。本願請求項6の発明は、前記請求項5の発明に係り、前記プローブがRNA転写産物の少なくとも一部の配列と相補結合するように設計され、複合体を形成していない場合と比較して蛍光特性が変化するものであることを特徴とする。本願請求項7の発明は、前記請求項6の発明に係り、前記invAmRNA検出プローブが配列番号28に示した配列又はその相補配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなることを特徴とする。そして本願請求項8の発明は、前記請求項6の発明に係り、前記stn mRNA検出プローブが配列番号29に示した配列又はその相補配列中の少なくとも連続した10塩基以上からなることを特徴とする。以下、本願発明を詳細に説明する。

0013

本願発明のサルモネラ毒素遺伝子invAmRNAに特異的に結合可能である、配列番号1から12に示したいずれかの配列の少なくとも連続した10塩基以上からなるオリゴヌクレオチド、及び、サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能である、配列番号13から18に示したいずれかの配列の少なくとも連続した10塩基以上からなるオリゴヌクレオチドは、比較的低温かつ一定温度(35℃〜50℃)で、それぞれ標的RNA中の立体構造をとらない部分に特異的に結合可能であるという特徴を有するものである。この結果、本願発明のオリゴヌクレオチドは、標的RNAについてPCR法、NASBA法又は3SR法等の核酸増幅工程を実施するためのプライマー等として有用である。なお本願発明のオリゴヌクレオチドは、比較的低温かつ一定温度(35℃〜50℃)で標的RNAに特異的に結合可能であるため、前記温度範囲かつ一定温度(例えば41℃)で増幅工程を実施するNASBA法や3SR法による標的RNAの増幅工程に利用可能であり、これにより、かかる増幅工程の実施に先立ってRNAを熱変性する必要がなくなるという効果を達成する。

0014

本願発明はまた、標的RNAの特定配列を増幅するための核酸増幅工程や、核酸増幅工程によって生成したRNA転写産物の検出方法を提供するものである。例えばNASBA法における増幅工程は、試料中に存在するRNAの特定配列を鋳型として、RNA依存性DNAポリメレースによりDNAを合成し、リボヌクレエースHによってRNA・DNAハイブリッドのRNAを分解して1本鎖DNAを生成し、該1本鎖DNAを鋳型としてDNA依存性DNAポリメレースにより、前記特定配列又は前記特定配列に相補的な配列からなるRNAを転写可能なプロモーター配列を有する2本鎖DNAを生成し、そして該2本鎖DNAがRNAポリメレース存在下でRNA転写産物を生成し、該RNA転写産物が引き続き前記RNA依存性DNAポリメレースによるcDNA合成の鋳型となる工程であるが、本願発明が提供するサルモネラ毒素遺伝子invAmRNAの増幅工程では、該mRNAに特異的に結合可能である配列番号1から12に示したいずれかの配列の少なくとも連続した10塩基以上かならなる第一のオリゴヌクレオチドと、配列番号19から23に示したいずれかの配列の少なくとも連続した10塩基以上かならなる、増幅される該mRNA配列の一部と相同な配列を有する第二のオリゴヌクレオチド(ここで第一又は第二のオリゴヌクレオチドにいずれか一方は、その5’側にRNAポリメレースのプロモータ配列を含む)を用いることを特徴とする。

0015

また本願発明が提供するサルモネラ毒素遺伝子stnmRNAの増幅工程では、該mRNAに特異的に結合可能である配列番号13から18に示したいずれかの配列の少なくとも連続した10塩基以上かならなる第一のオリゴヌクレオチドと、配列番号24から27に示したいずれかの配列の少なくとも連続した10塩基以上かならなる、増幅される該mRNA配列の一部と相同な配列を有する第二のオリゴヌクレオチド(ここで第一又は第二のオリゴヌクレオチドにいずれか一方は、その5’側にRNAポリメレースのプロモータ配列を含む)を用いることを特徴とする。

0016

上記した本願発明の増幅工程においては、使用するRNA依存性DNAポリメレース、DNA依存性DNAポリメレース及びリボヌクレエースHは特に限定されるものではなく、例えば各活性を有する2乃至3種類の酵素を使用しても良いが、前記した酵素活性のすべてを有しているAMV逆転写酵素を使用することが特に好ましい。また本願発明の増幅工程においては、使用するRNAポリメレースについても特に限定されないが、T7ファージRNAポリメレース又はSP6ファージRNAポリメレースを使用することが好ましい。

0017

上記増幅工程では、標的RNA配列の中で各特定配列の5’末領域と重複(1から10塩基)して隣接する領域に対して相補的なオリゴヌクレオチドを添加し、リボヌクレエースH活性によって標的RNAを特定配列の5’末領域で切断して核酸増幅初期の鋳型とすることにより、特定配列が5’端に位置していない場合であってもこれも増幅することができる。この切断のためには、例えばサルモネラ毒素遺伝子invAmRNAの場合、配列番号1から12のオリゴヌクレオチド、またサルモネラ毒素遺伝子stn mRNA場合、配列番号13から18のオリゴヌクレオチド(ただし、前記増幅工程において第一のオリゴヌクレオチドとして使用したもの以外のオリゴヌクレオチド)を使用すれば良い。なお、この切断用オリゴヌクレオチドは、3’末端からの伸長反応をおさえるために3’水酸基化学的に修飾(例えばアミノ化)されていることが好ましい。

0018

本願発明が提供する検出方法は、上記したような増幅工程をインターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブ存在下で実施し、反応液の蛍光特性の変化を測定することを特徴とする。このオリゴヌクレオチドプローブとしては、オリゴヌクレオチド中のリンリンカーを介してインターカレーター性蛍光色素を結合させたものが例示できる。このプローブは、増幅産物と2本鎖を形成すると、インターカレーター部分が2本鎖部分にインターカレートして蛍光特性が変化するため、分離分析を必要としないという特徴を有する(Ishiguro,T.ら(1996)Nucleic AcidsRes.24(24)4992−4997)。

0019

前記プローブの配列は、増幅産物の少なくとも一部に対して相補的な配列を有すれば特に制限がないが、サルモネラ毒素遺伝子invAmRNAの場合、配列番号28に示した配列の少なくとも連続した10塩基からなる配列が好ましく、サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAの場合、配列番号29に示した配列の少なくとも連続した10塩基からなる配列が好ましい。また、プローブをプライマーとした伸長反応を抑えるために該オリゴヌクレオチドプローブの3’末端の水酸基は化学的に修飾(たとえばグリコール酸付加)することが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0020

上記のようなプローブ共存下で増幅工程を行うことにより、サルモネラ毒素遺伝子invA及びstnのmRNAの中の特定配列又は該特定配列に相補的な配列からなるRNAからなるRNAを、一チューブ内、一定温度、一段階で増幅し、検出することが可能となり、自動化も容易となる。

0021

以下、本願発明を実施例により更に詳細に説明するが、本願発明はこれら実施例により限定されるものではない。

0022

実施例1
サルモネラ毒素遺伝子invAmRNAに対して、41℃で特異的に結合するオリゴヌクレオチドを選択した。
(1)サルモネラ毒素遺伝子invAの塩基配列(Galan、J.E.他、J.Bacteriol.、174、4338−4349(1992)、米国GenBank登録番号M90846)の塩基番号104〜2052の領域について、5’末端にT7RNAポリメレースのプロモーター配列を付加した、前記の塩基番号104から122に相同な配列を有するフォワードプライマー及び前記の塩基番号2029から2052に相補的な配列を有するリバースプライマーを用いてPCRを行った。
(2)上記PCR産物を鋳型にしてT7RNAポリメレース(宝酒造(株)製)を用い転写反応により標準RNAを調整した。その後、DNAポリメレース(宝酒造(株)製)により鋳型のPCR産物を分解し、CHROMA SPIN 100(商品名、東洋紡(株)製)を用いて標準RNAを精製した。
(3)標準RNAを260nmの紫外部吸収により定量後、RNA希釈液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、0.1mMEDTA、1mM DTT、0.5U/μlRNaseInhibitor)を用い0.45pmol/μlとなるよう希釈した。
(4)以下の組成の反応液9.0μlをPCR用チューブ(容量0.5ml:Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes(商品名、パーキンエルマー製)に分注した。

0023

反応液の組成
20.0mM Tris−塩酸緩衝液(pH7.5)
20.0mM塩化カリウム
10.0mM塩化マグネシウム
0.1mM DTT
0.1mMEDTA
0.9μM標準RNA
2.0μMオリゴヌクレオチド(以下に示した配列のオリゴヌクレオチドを使用した)
オリゴ−1):配列番号1
(オリゴ−2):配列番号2
(オリゴ−3):配列番号3
(オリゴ−4):配列番号4
(オリゴ−5):配列番号5
(オリゴ−6):配列番号6
(オリゴ−7):配列番号7
(オリゴ−8):配列番号8
(オリゴー9):配列番号9
(オリゴ−10):配列番号10
(オリゴ−11):配列番号11
(オリゴ−12):配列番号12
容量調整用蒸留水
(5)上記の反応液を41℃で5分間保温後、0.1U/μlのRNaseH(宝酒造(株)製)を1μl添加した(RNase Hは、DNA/RNA二本鎖のRNAを切断する酵素である)。
(6)引き続きPCRチューブを41℃に15分間保温した。
(7)反応後の切断断片を確認するため、尿素変性ポリアクリルアミドゲルアクリルアミド濃度は6%、尿素7M)電気泳動を実施した。電気泳動後の染色はSYBR Green II(商品名、宝酒造(株)製)により行った。標準RNA(標的RNA)の特定配列にオリゴヌクレオチドが結合すると、RNaseHにより、DNA/RNA二本鎖のRNAが切断され、特定のバンドが観察される。

0024

電気泳動の結果を図1に示した。オリゴヌクレオチドが標準RNAに特異的に結合した場合、標準RNAはその領域で分解され、特定の鎖長分解産物を生ずる。表1には、オリゴヌクレオチドが標準RNAに特異的に結合した場合の位置と期待されるバンドの鎖長を示した。オリゴ−1からオリゴ−12は、期待される位置での切断が確認された。以上から、これらのオリゴヌクレオチドは、41℃かつ一定の状態で標準RNA、即ちサルモネラ毒素遺伝子invAmRNAに強く結合している事が示された。

0025

ID=000003HE=055 WI=100 LX=0550 LY=1000
実施例2
サルモネラ毒素遺伝子invA に特異的に結合するオリゴヌクレオチドプローブを用いてRNA増幅反応を行なった。
(1)前記サルモネラ毒素遺伝子invAmRNAをRNA希釈液(10mMTris−HCl(pH 8.0)、1mMEDTA、0.5U/μlRNaseInhibitor(宝酒造(株)製)、5mM DTT)を用い、104コピー/5μlとなるよう希釈した。コントロール陰性試験区0には希釈液のみを用いた。
(2)以下の組成の反応液20.8μlを0.5ml容PCRチューブ(Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes(商品名、パーキンエルマー製)に分注し、これに上記RNA試料5μlを添加した。

0026

反応液の組成(各濃度は最終反応液量30μlにおける濃度)
60mM Tris−塩酸緩衝液(pH8.6)
13mM塩化マグネシウム
90mM塩化カリウム
39URNaseInhibitor
1mM DTT
各0.25mMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP
3.6mMITP
各3.0mMのATP、CTP、GTP、UT
0.16μMの第1オリゴヌクレオチド
1.0μMの第2オリゴヌクレオチド
1.0μMの第3オリゴヌクレオチド
13%DMSO
容量調整用蒸留水
(3)第1、第2、第3オリゴヌクレオチドとして、後述するように、表2に示す配列のオリゴヌクレオチドを用いてRNA増幅反応を行なった。
(4)第1、第2、第3オリゴヌクレオチドの組み合わせが表2に示す組み合わせとなるよう(2)で溶液を調製した。
(5)上記の反応液を41℃で5分間保温後、以下の組成の酵素液4.2μlを添加した。

0027

酵素液の組成(各濃度は最終反応液量30μlにおける濃度)
1.7%ソルビトール
3μg牛血清アルブミン
142U T7RNAポリメラーゼギブコ製)
8U AMV逆転写酵素(宝酒造(株)製)
容量調整用蒸留水
(6)引き続きPCRチューブを41℃で30分間保温した。
(7)反応後のRNA増幅部分を確認するため、アガロースゲルアガロース濃度4%)電気泳動を実施した。電気泳動後の染色はSYBR Green II(商品名、宝酒造(株)製)により行なった。標的RNAの特定部位にオリゴヌクレオチドが結合すると第2と第3オリゴヌクレオチドに挟まれた部分のRNAが増幅され、特定バンドが観察される。

0028

電気泳動結果図2に示した。この反応で増幅される特定バンドの鎖長は表2に示した通りである。これより表2に示したオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いたRNA増幅反応において、いずれの組み合わせにおいても特定バンドが確認できたため、これらのは標的RNAの検出に有効であることが示された。

0029

ID=000004HE=035 WI=106 LX=0520 LY=0650
なお表2には、本実施例で用いた第1、第2、第3のオリゴヌクレオチドの組み合わせ、及びその組み合わせを用いてRNA増幅反応させた時に増幅される特定バンドの鎖長を示す。第1オリゴヌクレオチドの塩基配列のうち、3’末端の水酸基はアミノ化されている。第2オリゴヌクレオチドの塩基配列のうち5’端1番目の「A」から22番目の「A」までの部分はT7プロモーター配列であり、それに続く23番目の「G」から28番目の「A」までの部分はエンハンサー配列である。

0030

第1オリゴヌクレオチド
2S (配列番号2)
3S (配列番号3)
5S (配列番号5)
第2オリゴヌクレオチド
2F5 (配列番号19)
3F5 (配列番号20)
5F5 (配列番号21)
2F10 (配列番号22)
3F10 (配列番号23)
第3オリゴヌクレオチド
4R (配列番号4)
5R (配列番号5)
8R (配列番号8)
実施例3
本願発明によるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、サルモネラ毒素遺伝子invAmRNAの様々な初期コピー数における検出を行なった。
(1)実施例1と同様の標準RNAをRNA希釈液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mMEDTA、0.5U/μlRNaseInhibitor(宝酒造(株)製)、5mM DTT)を用い、105コピー/5μlから102コピー/5μlまでとなるよう希釈した。コントロール試験区(陰性)には希釈液のみを用いた。
(2)以下の組成の反応液20.8μlを0.5ml容のPCR用チューブ(Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes(商品名、パーキンエルマー製)に分注し、これに上記RNA試料5μlを添加した。

0031

反応液の組成(各濃度は最終反応液量30μlにおける濃度)
60mM Tris−塩酸緩衝液(pH8.6)
17mM塩化マグネシウム
90mM塩化カリウム
39URNaseInhibitor
1mM DTT
各0.25mMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP
3.6mMITP
各3.0mMのATP、CTP、GTP、UTP
0.16μMの第1オリゴヌクレオチド(表2の3S(配列番号3)、3’末端の水酸基はアミノ化されている。)
1.0μMの第2オリゴヌクレオチド(表2の3F10(配列番号23))
1.0μMの第3オリゴヌクレオチド(表2の4R(配列番号4))
25nMのインターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチド(配列番号28、なおインターカレーター性蛍光色素は、配列番号28のオリゴヌクレオチドにおける5’端13番目の「A」と14番目の「A」の間に標識されている。またその3’末端の水酸基はグリコール基で修飾されている。)
13%DMSO
容量調整用蒸留水
(3)上記の反応液を41℃で5分間保温後、以下の組成で、かつ、あらかじめ41℃で2分間保温した酵素液4.2μlを添加した。

0032

酵素液の組成(各濃度は最終反応液量30μlにおける濃度)
1.7%ソルビトール
3μg牛血清アルブミン
142U T7RNAポリメレース(ギブコ社製)
8U AMV逆転写酵素(宝酒造(株)製)
容量調整用蒸留水
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温度調節機能付き蛍光分光光度計を用い、41℃で保温して、励起波長470nm、蛍光波長510nmで、反応溶液を経時的に測定した。酵素添加時の時刻を0分として、試料の蛍光強度比所定時刻蛍光強度値÷バックグラウンドの蛍光強度値)の経時変化図3(上)に示した。また、初期RNA量の対数値と検出時間(蛍光強度比が陰性の平均値標準偏差の3倍を加えた値:1.2になるまでの時間)との関係の結果を図3(下)に示した。なお、初期RNA量は101コピー/30μlから105コピー/30μlである。

0033

図3より、102コピーが約13分で検出された。標識RNAの初期濃度に依存した蛍光プロファイル検量線が得られ、未知試料中に存在する標的RNAの定量が可能であることが示された。以上より、本法により、invAmRNAの迅速・高感度な検出が可能であることが示された。

0034

実施例4
サルモネラ毒素遺伝子stnmRNAに対して、41℃で特異的に結合するオリゴヌクレオチドを選択した。
(1)サルモネラ毒素遺伝子stnの塩基配列(Chopra A.K.他、Microb. Pathog.、16、85−98(1994)、米国GenBank登録番号L16014)の塩基番号346〜1092の領域について、5’末端にT7RNAポリメレースのプロモーター配列を付加した、前記の塩基番号346から369に相同な配列を有するフォワードプライマー及び前記の塩基番号1076から1092に相補的な配列を有するリバースプライマーを用いてPCRを行った。
(2)上記PCR産物を鋳型にしてT7RNAポリメレース(宝酒造(株)製)を用い転写反応により標準RNAを調整した。その後、DNAポリメレース(宝酒造(株)製)により鋳型のPCR産物を分解し、CHROMA SPIN 100(商品名、東洋紡(株)製)を用いて標準RNAを精製した。
(3)標準RNAを、260nmの紫外部吸収により定量後、RNA希釈液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、0.1mMEDTA、1mM DTT、0.5U/μlRNaseInhibitor)を用い0.45pmol/μlとなるよう希釈した。
(4)以下の組成の反応液9.0μlをPCR用チューブ(容量0.5ml:Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes(商品名、パーキンエルマー製)に分注した。

0035

反応液の組成
20.0mM Tris−塩酸緩衝液(pH7.5)
20.0mM塩化カリウム
10.0mM塩化マグネシウム
0.1mM DTT
0.1mMEDTA
0.9μM標準RNA
2.0μMオリゴヌクレオチド(以下に示した配列のオリゴヌクレオチドを使用した)
(オリゴ−13):配列番号13
(オリゴ−14):配列番号14
(オリゴ−15):配列番号15
(オリゴ−16):配列番号16
(オリゴ−17):配列番号17
(オリゴ−18):配列番号18
容量調整用蒸留水
(5)上記の反応液を、41℃で5分間保温後、0.1U/μlのRNaseH(宝酒造(株)製)を1μl添加した(RNase Hは、DNA/RNA二本鎖のRNAを切断する酵素である)。
(6)引き続きPCRチューブを41℃に15分間保温した。
(7)反応後の切断断片を確認するため、尿素変性ポリアクリルアミドゲル(アクリルアミド濃度は6%、尿素7M)電気泳動を実施した。電気泳動後の染色はSYBR Green II(商品名、宝酒造(株)製)により行った。標的RNA(標的RNA)の特定部位にオリゴヌクレオチドが結合すると、RNaseHにより、DNA/RNA二本鎖のRNAが切断され、特定バンドが観察される。

0036

電気泳動の結果を図4に示した。オリゴヌクレオチドが標準RNAに特異的に結合した場合、標準RNAはその領域で分解され、特定の鎖長の分解産物を生ずる。表3には、オリゴヌクレオチドが標準RNAに特異的に結合した場合の位置と期待されるバンドの鎖長を示した。オリゴ−13からオリゴ−18は、期待される位置での切断が確認された。以上から、これらのオリゴヌクレオチドは、41℃一定の状態でサルモネラ毒素遺伝子stnmRNAに強く結合している事が示された。

0037

ID=000005HE=040 WI=104 LX=0530 LY=0300
実施例5
本願発明によるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて、サルモネラ毒素遺伝子stnmRNAの様々な初期コピー数における検出を行なった。
(1)実施例4と同様のサルモネラ毒素遺伝子stn mRNA標準RNAをRNA希釈液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mMEDTA、0.5U/μlRNaseInhibitor(宝酒造(株)製)、5mMDTT)を用い、104コピー/5μlとなるよう希釈した。コントロール試験区(陰性)には希釈液のみを用いた。
(2)以下の組成の反応液20.8μlを0.5ml容のPCR用チューブ(Gene Amp Thin−Walled Reaction Tubes(商品名、パーキンエルマー製)に分注し、これに上記RNA試料5μlを添加した。

0038

反応液の組成(各濃度は最終反応液量30μlにおける濃度)
60mM Tris−塩酸緩衝液(pH8.6)
17mM塩化マグネシウム
90mM塩化カリウム
39URNaseInhibitor
1mM DTT
各0.25mMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP
3.6mMITP
各3.0mMのATP、CTP、GTP、UTP
0.16μMの第1オリゴヌクレオチド(表4の組み合せ、3’末端の水酸基はアミノ化されている)
1.0μMの第2オリゴヌクレオチド(表4の組み合せ)
1.0μMの第3オリゴヌクレオチド(表4の組み合せ)
25nMのインターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチド(配列番号29、なおインターカレーター性蛍光色素は、配列番号29のオリゴヌクレオチドにおける5’端12番目の「A」と13番目の「A」の間に標識されている。またその3’末端の水酸基はグリコール基で修飾されている。)
13%DMSO
容量調整用蒸留水
(3)上記の反応液を41℃で5分間保温後、以下の組成で、かつ、あらかじめ41℃で2分間保温した酵素液4.2μlを添加した。

0039

酵素液の組成(各濃度は最終反応液量30μlにおける濃度)
1.7%ソルビトール
3μg牛血清アルブミン
142U T7RNAポリメレース(ギブコ社製)
8U AMV逆転写酵素(宝酒造(株)製)
容量調整用蒸留水
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温度調節機能付き蛍光分光光度計を用い、41℃で保温して、励起波長470nm、蛍光波長510nmで、反応溶液を経時的に測定した。

0040

酵素添加時の時刻を0分として、試料の蛍光増加比(所定時刻の蛍光強度値÷バックグラウンドの蛍光強度値)の経時変化を図5に示した。

0041

図5より、蛍光増加比が1.2を越える時間を検出時間とすると、104コピーが約11〜15分で検出された。以上より、本法によってstnmRNAの迅速・高感度な検出が可能であることが示された。

0042

ID=000006HE=025 WI=106 LX=0520 LY=2300
なお表4には、本実施例で用いた第1、第2、第3のオリゴヌクレオチドの組み合わせ、及びその組み合わせを用いてRNA増幅反応させた時に増幅される特定バンドの鎖長を示す。第1オリゴヌクレオチドの塩基配列のうち、3’末端の水酸基はアミノ化されている。第2オリゴヌクレオチドの塩基配列のうち5’端1番目の「A」から22番目の「A」までの部分はT7プロモーター配列であり、それに続く23番目の「G」から28番目の「A」までの部分はエンハンサー配列である。

発明の効果

0043

第1オリゴヌクレオチド
B1S (配列番号13)
B3S (配列番号14)
第2オリゴヌクレオチド
B1F5 (配列番号24)
B3F5 (配列番号25)
B1F10 (配列番号26)
B3F10 (配列番号27)
第3オリゴヌクレオチド
B4R (配列番号15)

0044

以上の説明のように、本願発明は、サルモネラ毒素遺伝子invA及びstnmRNAの分子内構造フリー領域に相補的に結合するオリゴヌクレオチド及びそれを用いた検出法を提供するものである。また本願発明は、サルモネラ毒素遺伝子invA及びstn mRNAを検出するためのオリゴヌクレオチド、すなわち核酸増幅法で使用されるオリゴヌクレオチドプライマーやオリゴヌクレオチドプローブを提供するものである。本願発明が提供するオリゴヌクレオチドは、比較的低温かつ一定温度においても標的RNAと特異的に結合可能であるため、特に標的RNAの増幅工程で使用するプライマーとして好適である。

0045

本願発明が提供する増幅工程及び検出方法は、前記したような標的RNAの増幅工程に好ましいオリゴヌクレオチドを使用するものである。この結果、比較的低温かつ一定温度で増幅工程を実施するにあたり、事前に標的RNAを熱変性する必要がないという効果を達成するものである。

図面の簡単な説明

0046

SEQUENCE LISTING

<110> Tosoh Corporation

<120>サルモネラ検出のためのオリゴヌクレオチド及び検出法

<130> PA211-0678

<160> 29

<210> 1
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invAmRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 1
agacgactgg tactgatcga 20

<210> 2
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 2
aggaaccgta aagctggctt 20

<210> 3
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 3
taatgatgcc ggcaatagcg 20

<210> 4
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 4
atcaacaatg cggggatctg 20

<210> 5
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 5
atttacgcgg gtcacgataa 20

<210> 6
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 6
ctgcgtcatg atattccgcc 20

<210> 7
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 7
ccgataaaat aacaaaaacc 20

<210> 8
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 8
tgcttcacgg aatttaaaat 20

<210> 9
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 9
tttgctggtt ttaggtttgg 20

<210> 10
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 10
tttttcctca atactgagcg 20

<210> 11
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 11
ccgtaaattg ttcaacacgg 20

<210> 12
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌ
クレオチド

<400> 12
gacttcatcg gaataattta 20

<210> 13
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌク
レオチド

<400> 13
aaggtgaaaa gtattgaggg 20

<210> 14
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌク
レオチド

<400> 14
gatagcggga aagggatcgc 20

<210> 15
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌク
レオチド

<400> 15
aggctgactc aggtgctgtt 20

<210> 16
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌク
レオチド

<400> 16
atattattac tcactccctg 20

<210> 17
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌク
レオチド

<400> 17
ggggcatctg gcggcgggcg 20

<210> 18
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子stn mRNAに特異的に結合可能なオリゴヌク
レオチド

<400> 18
atgaagcgta aagaaaagct 20

<210> 19
<211> 48
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> 第二のオリゴヌクレオチド

<400> 19
aattctaata cgactcacta tagggagatt cctttgacgg tgcgatga 48

<210> 20
<211> 48
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> 第二のオリゴヌクレオチド

<400> 20
aattctaata cgactcacta tagggagagg catcattatt atctttgt 48

<210> 21
<211> 48
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> 第二のオリゴヌクレオチド

<400> 21
aattctaata cgactcacta tagggagata aatggcgata cggataat 48

<210> 22
<211> 48
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> 第二のオリゴヌクレオチド

<400> 22
aattctaata cgactcacta tagggagata cggttccttt gacggtgc 48

<210> 23
<211> 48
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> 第二のオリゴヌクレオチド

<400> 23
aattctaata cgactcacta tagggagaca ttattatctt tgtgaact 48

<210> 24
<211> 48
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> 第二のオリゴヌクレオチド

<400> 24
aattctaata cgactcacta tagggagaac cttaatcgcg ccgccatg 48

<210> 25
<211> 48
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> 第二のオリゴヌクレオチド

<400> 25
aattctaata cgactcacta tagggagact atcggtaaca gtgatgat 48

<210> 26
<211> 48
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> 第二のオリゴヌクレオチド

<400> 26
aattctaata cgactcacta tagggagatt ttcaccttaa tcgcgccg 48

<210> 27
<211> 48
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> 第二のオリゴヌクレオチド

<400> 27
aattctaata cgactcacta tagggagatc ccgctatcgg taacagtg 48

<210> 28
<211> 26
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子invA検出用の検出プローブ

<400> 28
tcagcatggt ataagtagac agggcg 26

<210> 29
<211> 26
<212> DNA
<213> Artificial Sequence

<220>
<223> サルモネラ毒素遺伝子stn mRNA検出用の検出プローブ

<400> 29

0047

図1実施例1で行なったオリゴ−1からオリゴ−12とRNaseHを用いて、41℃でのサルモネラ毒素遺伝子invAmRNA標準品切断実験を行った後のサンプルの尿素変性6%PAGEの電気泳動写真白黒反転)である。
図2実施例2で行なったサルモネラ毒素遺伝子invA mRNA標準品の初期RNA量104コピー/30μlにおいて、表2の組み合わせ(a)〜(h)のオリゴヌクレオチドプローブを用いてRNA増幅反応させた時の4%アガロースゲル電気泳動写真。レーン1・2が組み合わせ(a)、レーン3・4が組み合わせ(b)、レーン5・6が組み合わせ(c)、レーン7・8が組み合わせ(d)、レーン9・10が組み合わせ(e)、レーン11・12が組み合わせ(f)、レーン13・14が組み合わせ(g)、レーン15・16が組み合わせ(h)のそれぞれの結果であり、レーン2、4、6、8、10、12、14、16がコントロール(RNA試料の代わりに希釈液のみを用いたもの)である。いずれの組み合わせを用いても特定バンドが確認できた。
図3図3は実施例3で行なったサルモネラ毒素遺伝子invA mRNA標準品の初期RNA量101コピー/30μlから105コピー/30μlにおいて、反応時間とRNAの生成とともに増大する蛍光強度比のグラフ(上)及び初期RNA量の対数値と検出時間(蛍光強度比が1.2となる時刻)との間で得られた検量線(下)である。初期コピー数102コピー/30μlのRNAが反応約13分で検出でき、初期RNA量と検出時間との間に相関関係のあることが示された。
図4実施例4で行なったオリゴ−13からオリゴ−18とRNaseHを用いて、41℃でのサルモネラ毒素遺伝子stn mRNA標準品の切断実験を行った後のサンプルの尿素変性6%PAGEの電気泳動写真である(白黒反転)。
図5図5は実施例5で行なったサルモネラ毒素遺伝子stn mRNA標準品の初期RNA量104コピー/30μlにおいて、反応時間とRNAの生成とともに増大する蛍光強度比のグラフである。各プライマーの組み合わせで、104コピー/30μlのRNAが反応約11〜15分で検出できた。

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